JP6123182B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。より詳しくは、本発明は、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、高い学習精度を有するモータ制御装置に関する。
昨今の省エネルギーや地球環境保護に関する意識の高まりを受け、例えば動力源としてモータを搭載する電動車両の普及が進んでいる。かかるモータとしては、例えば三相交流式永久磁石型同期電動機等を挙げることができる。また、かかるモータにおいては、回転子の位置(回転角度)に応じた回転磁界によって駆動される。従って、モータの回転を正しく制御するためには、モータの回転子の回転角度を正しく検出することが肝要である。モータの回転子の回転角度を検出する回転角度検出手段としては、例えば、レゾルバ、エンコーダ等を挙げることができる。
尚、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の電動車両の動力源として使用されるモータが備える回転角度検出手段としては、レゾルバが一般的に用いられている。レゾルバは、モータの回転軸と連動して回転する回転子を備え、当該回転子によってモータの回転子の位置を検出するように構成されることが一般的である。
しかしながら、現実には、例えばレゾルバの取り付け位置のズレ等の種々の原因により、レゾルバによって検出されるモータの回転子の位置と実際のモータの回転子の位置との間に差異(オフセット)が生ずる場合がある。かかるオフセットが生じたままの状態ではモータの回転を正しく制御することは困難であるため、当該技術分野においては、レゾルバのオフセットを検出して、検出されたオフセットに応じてレゾルバによって検出されるモータの回転子の位置を補正するための種々の試みが提案されている。
レゾルバのオフセットの検出及び検出されたオフセットによる補正(「原点学習」とも称する)は、例えば、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において実施することができる。かかる状態においてレゾルバのオフセットが無い場合は、dq軸座標における励磁電流Id及びトルク電流Iqが共に0(ゼロ)となる。従って、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態においては、以下の式(1)に示す電圧方程式から、式(2)に示すように、励磁電圧Vd=0(ゼロ)及びトルク電圧Vq=ωφが導かれる。
Figure 0006123182
Figure 0006123182
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図1は、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において検出される励磁電圧Vd及びトルク電圧Vqのレゾルバのオフセットの有無による違いを説明する模式図である。式(2)によって表される状態をdq軸座標に表すと、図1(a)のようになる。しかしながら、レゾルバのオフセットが有る場合は、図1(b)に示す破線によって表されるように制御上の認識軸がずれ、本来であれば0(ゼロ)である筈の励磁電圧Vd(d軸成分Vd′)が検出されてしまう。レゾルバの原点学習においては、斯くして検出される励磁電圧Vdに基づいて、レゾルバのオフセットを検出する。
例えば、当該技術分野においては、位相補正指令が入力されたとき、トルク指令を無視し、d軸電流指令及びq軸電流指令をそれぞれゼロにする電流指令発生器と、d軸−q軸電流指令に基づきd軸−q軸電圧指令を出力する電流制御器と、位相補正指令が入力されたとき、d軸電圧指令がゼロでない場合にこれをゼロにするオフセット量を求める位相補正量検出器と、回転子位置角度とオフセット量とを加算する加算器と、この加算値とd軸−q軸電圧指令とに基づき3相電圧指令を求める電圧変換器とを備える同期モータの制御装置により、無負荷検出器やモータ電圧検出器を必要とすること無く、回転子に負荷が接続された状態でも回転位置検出器に係わる回転位置のずれを正確に補正することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
更に、パルス幅変調(PWM)制御によってモータを制御するインバータにおいては、インバータへの入力電圧(以降、「システム電圧VH」と称する場合がある)を高くするほど、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減すると共に、デッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることができる。その結果、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制して、レゾルバの原点学習の精度を更に向上させることができる(詳しくは、後に改めて説明する)。
しかしながら、上記のようにシステム電圧VHを上昇させる際に、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制する効果が得られる電圧にシステム電圧VHが到達するのに長時間を要する場合、レゾルバの原点学習を実行するために要する時間も長くなる。従って、当該技術分野においては、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることができる技術に対する要求が存在する。
特開2004−266935号公報
前述のように、当該技術分野においては、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることができる技術に対する要求が存在する。本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。即ち、本発明は、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることを1つの目的とする。
上記目的は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
前記レゾルバの原点学習が許可される場合、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
前記原点学習が許可される場合における前記システム電圧VHを前記目標電圧値まで変化させる際の変動率が、前記原点学習が許可されない場合における前記システム電圧VHを変化させる際の変動率より大きい、
モータ制御装置によって達成することができる。
また、上記目的は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
前記レゾルバの原点学習が許可される場合、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
前記原点学習が許可される前に、前記システム電圧VHの下限値を前記目標電圧値に設定しておく、
モータ制御装置によっても達成することができる。
本発明によれば、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることができる。
トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において検出される励磁電圧Vd及びトルク電圧Vqのレゾルバのオフセットの有無による違いを説明する模式図である。 本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習における各種処理の流れを表すフローチャートである。 本発明のもう1つの実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習における各種処理の流れを表すフローチャートである。
前述のように、本発明の1つの目的は、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることである。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、レゾルバの原点学習を実行するに当たり、原点学習が許可される場合においてシステム電圧VHを目標電圧値まで変化させる際の変動率を高めたり、原点学習が許可される前からシステム電圧VHの下限値を目標電圧値に設定しておいたりすることにより、原点学習の精度を維持しつつ、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
即ち、本発明の第1の実施態様は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
前記レゾルバの原点学習が許可される場合、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
前記原点学習が許可される場合における前記システム電圧VHを前記目標電圧値まで変化させる際の変動率が、前記原点学習が許可されない場合における前記システム電圧VHを変化させる際の変動率より大きい、
モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置は、レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御する。上記モータの構成は特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の電動車両の動力源として広く使用される三相交流式永久磁石型同期電動機等を挙げることができる。前述のように、かかるモータにおいては、回転子の位置(回転角度)に応じた回転磁界によって駆動されることから、モータの回転を正しく制御するためには、モータの回転子の回転角度を正しく検出することが肝要である。
モータの回転子の回転角度を検出する回転角度検出手段の具体例としては、前述のように、例えば、レゾルバ、エンコーダ等を挙げることができるが、本実施態様に係るモータ制御装置においては、電動車両の動力源として使用されるモータが備える回転角度検出手段として広く使用されているレゾルバが、回転角度検出手段として採用されている。尚、前述のように、レゾルバは、モータの回転軸と連動して回転する回転子を備え、当該回転子によってモータの回転子の位置を検出するように構成されることが一般的である。
ところで、前述のように、本発明は、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することを可能としつつ、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることを1つの目的とする。モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習は、モータが回転中であり且つモータに対する要求トルクが0(ゼロ)である状態において実行される。
また、本発明者は、モータの回転数が予め定められた範囲内にある場合にレゾルバの原点学習を実行することにより、レゾルバの原点学習の精度を向上させることができることを別途見出している(本発明者により別途出願中)。具体的には、モータの回転数が低過ぎると、dq座標におけるトルク電圧Vqが小さく、レゾルバのオフセットに対する感度が低くなる(オフセットがかなり大きくないと励磁電圧Vdの変化として検出され難くなる)ので望ましくない。一方、モータの回転数が高過ぎると、回転の1周期当たりにデッドタイムが占める割合が高くなり、デッドタイムの影響が大きくなるので望ましくない。このように、レゾルバの原点学習を実行するに当たっては、モータの回転数が予め定められた範囲内にあることが望ましい。
従って、本実施態様に係るモータ制御装置においても、前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記レゾルバの原点学習が許可される場合、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行う。
ここで、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値は、例えば、レゾルバの原点学習を実行しようとする際のモータの回転数に対応する必要電圧以上であり、且つPWM制御インバータにおけるスイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制して、レゾルバの原点学習の精度を更に向上させるのに十分に高い電圧値として、例えば、事前の実験等によって定めることができる。
一方、目標電圧値が高いほど、モータにおける消費電力が増大する。従って、より好ましくは、目標電圧値は、例えば、レゾルバの原点学習を実行しようとする際のモータの回転数に対応する必要電圧以上であり、且つ所望の学習精度が得られる電圧のうち最も低い電圧値として設定することが望ましい。
ところで、前述のように、PWM制御を行うインバータにおいては、インバータへの入力電圧(システム電圧VH)を高くするほど、インバータからモータに供給されるパルスにおける変調度が低くなり、スイッチングオフ期間を長くすることができる。また、この場合、電流変動量が大きくなるため、デッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることができる。斯くして、PWM制御を行うインバータにおけるシステム電圧VHを高くすることにより、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減すると共に、デッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくして、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。
上記において、スイッチング素子のスイッチングオフ期間とは、当業者に周知であるように、スイッチング素子のオン(ON)とオフ(OFF)との切り替え動作(スイッチング)が行われていない期間を指す。かかるスイッチングオフ期間においては、スイッチング素子のスイッチングが行われないので、スイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を低減することができる。
また、デッドタイムとは、当業者に周知であるように、モータの各相に印加される電圧を供給するインバータのチョッパ回路を構成する2つのスイッチング素子(上アーム及び下アーム)をスイッチング制御する制御信号において、上アーム及び下アームが同時にオン(ON)されるのを防止することを目的として、上アーム及び下アームが同時にオフ(OFF)される期間を指す。かかるデッドタイムを設けることにより、上アーム及び下アームが同時にオン(ON)されて、過大なショートスルー電流が流れ、例えば、電源回路やスイッチング素子の破損等の問題を招くことを防止することができる。
しかしながら、上記のような利点がある一方で、デッドタイムを設けたことにより、上アーム及び下アームのデューティ比においては、目標出力電圧に基づいて算出される指令デューティ比と、実際に上アーム及び下アームがオン/オフされるときのデューティ比(実デューティ比)との間に差異が生じる。この差異は、モータの各相と対応するチョッパ回路との間に流れる電流の方向によって異なるため、当該電流が流れる方向が反転したときには実デューティ比が不連続に変動することとなる。その結果、レゾルバの原点学習を実行する期間中に含まれるデッドタイムが多いほど、上記のような実デューティ比の変動に起因して、レゾルバの原点学習の精度がより低くなる。
上記問題に対する対策として、PWM制御を行うインバータにおいては、上述のように、システム電圧VHを高くすることにより、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。しかしながら、前述のように、上述のようにシステム電圧VHを上昇させる際に、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制する効果が得られる電圧にシステム電圧VHが到達するのに長時間を要する場合、レゾルバの原点学習を実行するために要する時間も長くなる虞がある。
そこで、本実施態様に係るモータ制御装置においては、レゾルバの原点学習を実行するに当たり、原点学習が許可される場合においてシステム電圧VHを目標電圧値まで変化させる際の変動率を高める。より具体的には、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記原点学習が許可される場合における前記システム電圧VHを前記目標電圧値まで変化させる際の変動率が、前記原点学習が許可されない場合における前記システム電圧VHを変化させる際の変動率より大きい。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、原点学習の精度を維持しつつ、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することができる。
ここで、添付図面を参照しながら、本実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習について、より詳しく説明する。図2は、前述のように、本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習における各種処理の流れを表すフローチャートである。図2に示すように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、レゾルバの原点学習を実行するルーチンが開始されると、先ず、ステップS110において、学習許可判定が行われる。上記ステップS110において、レゾルバの原点学習を許可するための条件が満足されない(学習を許可しない)と判定される場合(ステップS110=No)、当該ルーチンは終了される。
一方、上記ステップS110において、レゾルバの原点学習を許可するための条件が満足される(学習を許可する)と判定される場合(ステップS110=Yes)、次のステップS140において、インバータへの入力電圧(システム電圧VH)の目標電圧値が変更される。次いで、ステップS145において、システム電圧VHが操作され、上記ステップS140において変更された目標電圧値に到達したら、次のステップS180において、レゾルバの原点学習が実行される。この際、システム電圧VHが目標電圧値に到達していることから、前述のように、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上させることができる。尚、「目標電圧値」は、例えば、PWM制御インバータにおけるスイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制して、レゾルバの原点学習の精度を更に向上させるのに十分に高い電圧値として、例えば、事前の実験等によって定めることができる。
ところで、インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHを急激に変化させると、例えば、当該インバータから電力を供給されるモータにおいてトルク変動が生ずる等の問題に繋がる虞がある。そのため、システム電圧VHの変動率(変化の速さ)には上限が設けられるのが一般的である。従来技術に係るモータ制御装置においては、かかる上限が適用されたままの状態で、システム電圧VHが目標電圧値まで変更される。その結果、従来技術に係るモータ制御装置においては、システム電圧VHが目標電圧値に到達するまでに、相対的に長い時間を要する。
一方、本実施態様に係るモータ制御装置においては、従来技術に係るモータ制御装置とは異なり、上記ステップS110において原点学習が許可された後の上記ステップS145においてシステム電圧VHが目標電圧値まで変更される際の変動率は、上記ステップS110において原点学習が許可されなかった場合におけるシステム電圧VHの変動率よりも大きい。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、従来技術に係るモータ制御装置と比較して、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮することができる。尚、レゾルバの原点学習が許可される状況下においては、モータのトルク電流Iqは0(ゼロ)である筈であるので、システム電圧VHの変動率を高めても、上述のような不具合に繋がらない。
このように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、従来技術に係るモータ制御装置と比較して、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮することができる。その結果、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前述のように、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、従来技術に係るモータ制御装置と比較して、より迅速に原点学習を開始することができる。
ところで、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮するための具体的な方策は、上記に限定されるものではない。具体的には、例えば、レゾルバの原点学習を実行するに当たり、原点学習が許可される前からシステム電圧VHを目標電圧値まで予め上昇させておくことにより、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮してもよい。
即ち、本発明の第2の実施態様は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
前記レゾルバの原点学習が許可される場合、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
前記原点学習が許可される前に、前記システム電圧VHの下限値を前記目標電圧値に設定しておく、
モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記原点学習が許可される前に、前記システム電圧VHの下限値を前記目標電圧値に設定しておく。例えば、本実施態様に係るモータ制御装置においては、(レゾルバの原点学習を実行しようとする場合に限らず)通常時においても、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)をシステム電圧VHの下限値として設定しておく。
上記により、本実施態様に係るモータ制御装置においては、モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つモータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合にレゾルバの原点学習を許可した際に、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)からシステム電圧VHが大幅に乖離することを回避することができる。従って、本実施態様に係るモータ制御装置においては、レゾルバの原点学習が許可される場合、インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を変更し、当該システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更する際に、システム電圧VHが目標電圧値に到達するのに要する時間を短縮することができる。
結果として、本実施態様に係るモータ制御装置においても、レゾルバの原点学習の精度を維持しつつ、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習が許可された際に、より迅速に原点学習を開始することができる。
ここで、添付図面を参照しながら、本実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習について、より詳しく説明する。図3は、前述のように、本発明のもう1つの実施態様に係るモータ制御装置において実行されるレゾルバの原点学習における各種処理の流れを表すフローチャートである。図3に示すように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、ステップS110における学習許可判定に先だち、ステップS100において、インバータへの入力電圧(システム電圧VH)の下限値が、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧(目標電圧値)に変更される。
次いで、ステップS110において、学習許可判定が行われる。上記ステップS110において、レゾルバの原点学習を許可するための条件が満足されない(学習を許可しない)と判定される場合(ステップS110=No)、当該ルーチンは終了される。一方、上記ステップS110において、レゾルバの原点学習を許可するための条件が満足される(学習を許可する)と判定される場合(ステップS110=Yes)、ステップS140において、システム電圧VHの目標電圧値が変更され、次のステップS145において、システム電圧VHが操作される。
従って、本実施態様に係るモータ制御装置においては、従来技術に係るモータ制御装置や図2に示した本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置とは異なり、遅くとも上記ステップS145においてシステム電圧VHが操作される際には、上記ステップS100において設定された下限値に基づいて、システム電圧VHが制御されている。従って、ステップS145においてシステム電圧VHが操作される際に、システム電圧VHが目標電圧値に到達するのに要する時間を短縮することが、速やかにレゾルバの原点学習を実行することができる。
結果として、本実施態様に係るモータ制御装置においても、上述のように、レゾルバの原点学習の精度を維持しつつ、レゾルバの原点学習を精度良く実行するのに適した電圧にシステム電圧VHが到達するのに要する時間を短縮して、レゾルバの原点学習において原点学習が許可された際に、更により迅速に原点学習を開始することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成及び実行手順の組み合わせを有する幾つかの実施例について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができる。

Claims (2)

  1. レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
    前記レゾルバの原点学習が許可される場合においては、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を、その時点における前記モータの回転数に対応する必要電圧よりも高い電圧へと変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行前記レゾルバの原点学習が許可されない場合においては、前記システム電圧VHの目標電圧値を、その時点における前記モータの回転数に対応する必要電圧に設定し、前記レゾルバの原点学習を行わない、モータ制御装置において、
    前記原点学習が許可される場合における前記システム電圧VHを前記目標電圧値まで変化させる際の変動率が、前記原点学習が許可されない場合における前記システム電圧VHを前記目標電圧値まで変化させる際の変動率より大きい、
    モータ制御装置。
  2. レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの指令電圧の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータに対する要求トルクが0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、
    前記レゾルバの原点学習が許可される場合においては、前記インバータへの入力電圧であるシステム電圧VHの目標電圧値を、その時点における前記モータの回転数に対応する必要電圧よりも高い電圧へと変更し、前記システム電圧VHを当該目標電圧値へと変更した状態で、前記レゾルバの原点学習を行前記レゾルバの原点学習が許可されない場合においては、前記システム電圧VHの目標電圧値を、その時点における前記モータの回転数に対応する必要電圧に設定し、前記レゾルバの原点学習を行わない、モータ制御装置において、
    前記原点学習が許可される前に、前記システム電圧VHの下限値を前記レゾルバの原点学習が許可される場合における前記目標電圧値に設定して、所定の変動率にて前記システム電圧VHの前記目標電圧値である前記下限値への上昇を開始させておく、
    モータ制御装置。
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