JP2014023403A - モータ制御装置 - Google Patents

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卓夫 渡邉
Junichi Seto
淳一 瀬戸
Hiroyuki Koyanagi
博之 小柳
Hichirosai Oyobe
七郎斎 及部
Katashige Yamada
堅滋 山田
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Abstract

【課題】モータ制御装置において、レゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大する。
【解決手段】レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータに供給される電圧の大きさ及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータの固定子に流れる電流が0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記インバータから前記モータに供給される指令電圧の目標値を変更して前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間が、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。より詳しくは、本発明は、レゾルバの原点学習において、高い学習精度及び学習頻度を有する、モータ制御装置に関する。
昨今の省エネルギーや地球環境保護に関する意識の高まりを受け、例えば動力源としてモータを搭載する電動車両の普及が進んでいる。かかるモータは、例えば三相交流式永久磁石型同期電動機等を挙げることができる。また、かかるモータにおいては、回転子の位置(回転角度)に応じた回転磁界によって駆動される。従って、モータの回転を正しく制御するためには、モータの回転子の回転角度を正しく検出することが肝要である。モータの回転子の回転角度を検出する回転角度検出手段としては、例えば、レゾルバ、エンコーダ等を挙げることができる。
尚、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の電動車両の動力源として使用されるモータが備える回転角度検出手段としては、レゾルバが一般的に用いられている。レゾルバは、モータの回転軸と連動して回転する回転子を備え、当該回転子によってモータの回転子の位置を検出するように構成されることが一般的である。
しかしながら、現実には、例えばレゾルバの取り付け位置のズレ等の種々の原因により、レゾルバによって検出されるモータの回転子の位置と実際のモータの回転子の位置との間に差異(オフセット)が生ずる場合がある。かかるオフセットが生じたままの状態ではモータの回転を正しく制御することは困難であるため、当該技術分野においては、レゾルバのオフセットを検出して、検出されたオフセットに応じてレゾルバによって検出されるモータの回転子の位置を補正するための種々の試みが提案されている。
レゾルバのオフセットの検出及び検出されたオフセットによる補正(「原点学習」とも称する)は、例えば、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において実施することができる。かかる状態においてレゾルバのオフセットが無い場合は、dq軸座標における励磁電流Id及びトルク電流Iqが共に0(ゼロ)となる。従って、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態においては、以下の式(1)に示す電圧方程式から、式(2)に示すように、励磁電圧Vd=0(ゼロ)及びトルク電圧Vq=ωφが導かれる。
Figure 2014023403
Figure 2014023403
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図1は、トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において検出される励磁電圧Vd及びトルク電圧Vqのレゾルバのオフセットの有無による違いを説明する模式図である。式(2)によって表される状態をdq軸座標に表すと、図1(a)のようになる。しかしながら、レゾルバのオフセットが有る場合は、図1(b)に示す破線によって表されるように制御上の認識軸がずれ、本来であれば0(ゼロ)である筈の励磁電圧Vd(d軸成分Vd′)が検出されてしまう。レゾルバの原点学習においては、斯くして検出される励磁電圧Vdに基づいて、レゾルバのオフセットを検出する。
例えば、当該技術分野においては、駆動用モータが回転中であり且つモータ電流が0(ゼロ)であるときに位相のズレ量を順次変化させる操作をモータ指令電圧が所定値となるまで繰り返すことにより、レゾルバの原点学習を行うことが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、モータの回転速度及び電流指令値が所定の範囲内に存在し且つモータの回転速度の直前の変動率が所定値以下である場合にのみレゾルバの原点学習を行うようにすることにより、レゾルバの原点学習の精度を向上させることも提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、上記を始めとする従来技術に係るレゾルバの原点学習方法においては、レゾルバの原点学習の精度が未だに不十分である。従って、十分な精度を達成するためにはレゾルバの原点学習の実施を許可するモータの回転数や電圧の領域(学習許可領域)が限定的となりがちである。その結果、レゾルバの原点学習を実施する頻度を十分に確保することが困難となり、レゾルバによって検出されるモータの回転子の位置を迅速に補正することができない虞がある。従って、当該技術分野においては、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することができる技術に対する要求が存在する。
特開2004−129359号公報 特開2009−254138号公報
前述のように、当該技術分野においては、モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することができる技術に対する要求が存在する。本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。即ち、本発明は、モータ制御装置において、レゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することを1つの目的とする。
上記目的は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータの固定子に流れる電流が0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記インバータから前記モータに供給される指令電圧の目標値を変更して前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置によって達成される。
本発明によれば、モータ制御装置において、レゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することができる。
トルクが0(ゼロ)でモータが回転している状態において検出される励磁電圧Vd及びトルク電圧Vqのレゾルバのオフセットの有無による違いを説明する模式図である。 モータに対する電圧指令に対応してインバータから出力されるパルス波の波形につき、従来技術に係るモータ制御装置と本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置とで比較する模式図である。 モータの各相に対する電圧指令の波形につき、従来技術に係るモータ制御装置と本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置とで比較する模式図である。 インバータのシステム電圧VHとモータに対する電圧指令との相対関係を示す模式図である。
前述のように、本発明の1つの目的は、モータ制御装置において、レゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することである。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、インバータからモータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することによりモータの回転を制御するモータ制御装置においてレゾルバの原点学習を実行する際に、インバータが備えるスイッチング素子のスイッチングオフ期間を長くすることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
即ち、本発明の第1の実施態様は、
レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータの固定子に流れる電流が0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記インバータから前記モータに供給される指令電圧の目標値を変更して前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置は、レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御する。上記モータの構成は特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の電動車両の動力源として広く使用される三相交流式永久磁石型同期電動機等を挙げることができる。前述のように、かかるモータにおいては、回転子の位置(回転角度)に応じた回転磁界によって駆動されることから、モータの回転を正しく制御するためには、モータの回転子の回転角度を正しく検出することが肝要である。
モータの回転子の回転角度を検出する回転角度検出手段の具体例としては、前述のように、例えば、レゾルバ、エンコーダ等を挙げることができるが、本実施態様に係るモータ制御装置においては、電動車両の動力源として使用されるモータが備える回転角度検出手段として広く使用されているレゾルバが、回転角度検出手段として採用されている。尚、前述のように、レゾルバは、モータの回転軸と連動して回転する回転子を備え、当該回転子によってモータの回転子の位置を検出するように構成されることが一般的である。
ところで、前述のように、本発明は、モータ制御装置において、レゾルバの原点学習の精度を向上し、学習許可領域を拡大することを1つの目的とする。モータ制御装置におけるレゾルバの原点学習は、モータが回転中であり且つモータの固定子に電流が流れない状態において実行される。また、本発明者は、モータの回転数が予め定められた範囲内にある場合にレゾルバの原点学習を実行することにより、レゾルバの原点学習の精度を向上させることができることを見出している(本発明者により別途出願中)。従って、本実施態様に係るモータ制御装置においても、前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータの固定子に流れる電流が0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記インバータから前記モータに供給される指令電圧の目標値を変更して前記レゾルバの原点学習を行う。
加えて、本実施態様に係るモータ制御装置においては、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。ここで、スイッチング素子のスイッチングオフ期間とは、当業者に周知であるように、スイッチング素子のオン(ON)とオフ(OFF)との切り替え動作(スイッチング)が行われていない期間を指す。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を低減することができる。
上記デッドタイムとは、当業者に周知であるように、モータの各相に印加される電圧を供給するインバータのチョッパ回路を構成する2つのスイッチング素子(上アーム及び下アーム)をスイッチング制御する制御信号において、上アーム及び下アームが同時にオン(ON)されるのを防止することを目的として、上アーム及び下アームが同時にオフ(OFF)される期間を指す。かかるデッドタイムを設けることにより、上アーム及び下アームが同時にオン(ON)されて、過大なショートスルー電流が流れ、例えば、電源回路やスイッチング素子の破損等の問題を招くことを防止することができる。
しかしながら、上記のような利点がある一方で、デッドタイムを設けたことにより、上アーム及び下アームのデューティ比においては、目標出力電圧に基づいて算出される指令デューティ比と、実際に上アーム及び下アームがオン/オフされるときのデューティ比(実デューティ比)との間に差異が生じる。この差異は、モータの各相と対応するチョッパ回路との間に流れる電流の方向によって異なるため、当該電流が流れる方向が反転したときには実デューティ比が不連続に変動することとなる。
その結果、レゾルバの原点学習を実行する期間中に含まれるデッドタイムが多いほど、上記のような実デューティ比の変動に起因して、レゾルバの原点学習の精度がより低くなる。しかしながら、本実施態様に係るモータ制御装置においては、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。その結果、本実施態様に係るモータ制御装置においては、レゾルバの原点学習を実行する期間中に含まれるデッドタイムが少なくなることから、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下が抑制され、結果として、レゾルバの原点学習の精度を向上することができる。
上述のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。この際、インバータからの出力の実効値としての電圧や電流が変化すると、モータの制御への影響が生ずることから、インバータからの出力の実効値としての電圧や電流を変化させること無く、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を制御することが望ましい。具体的には、例えば、インバータからの出力波形を変更することにより、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を制御することが望ましい。
従って、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係るモータ制御装置であって、
前記インバータからの出力電圧の波形を変更することにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記インバータからの出力電圧の波形を変更することにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、インバータからの出力の実効値としての電圧や電流を変化させること無く、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を制御することができる。
ところで、当業者に周知であるように、インバータによるモータの制御方式としては、例えば、インバータから出力されるパルス波のデューティ比を変化させて変調するパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)が用いられるPWM制御、過変調PWM制御、矩形波制御等が知られている。これらの制御方式の中で、矩形波制御は「1パルスモード」とも称され、モータに対する電圧指令の1周期当たりに1つのパルスが出力されることとなる。従って、矩形波制御においては、スイッチング素子のオン(ON)とオフ(OFF)との切り替え動作(スイッチング)を極めて少なくすることができ、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を大幅に低減することができる。
従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係るモータ制御装置であって、
前記インバータからの出力電圧の波形を矩形波とすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記インバータからの出力電圧の波形を矩形波とすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を極めて少なくすることができ、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を大幅に低減することができる。
ここで、本実施態様に係るモータ制御装置においてモータに対する電圧指令に対応してインバータから出力されるパルス波の波形につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図2は、前述のように、モータに対する電圧指令に対応してインバータから出力されるパルス波の波形につき、従来技術に係るモータ制御装置と本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置とで比較する模式図である。先ず、図2(a)は、従来技術に係るモータ制御装置においてモータに対する電圧指令に対応してインバータから出力されるパルス波の波形について説明する模式図である。
図2(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置においては、前述のPWM制御によってモータが制御されている。具体的には、図2(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置においては、原点学習が許可される場合においても、実線で示す三角波によって表されるキャリアの電圧値と太い実線で示す正弦波によって表される電圧指令の電圧値とが一致するタイミングにおいてスイッチング素子のオン(ON)とオフ(OFF)との切り替え動作(スイッチング)を生じさせることにより、図2(a)の下部に示すように電圧指令の振幅に応じたデューティ比を呈するパルス幅変調されたパルスがインバータから出力される。その結果、図2(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置においては、図2(a)における上向きの矢印によって示すように、電圧指令の1周期当たりに15回ものスイッチング(SW)が発生している。
上記に対して、図2(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、矩形波制御によってモータが制御されている。具体的には、図2(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、原点学習が許可される場合においては、太い実線で示す正弦波によって表される電圧指令の電圧値の正負の切り替えに一致する矩形波によってモータの回転を制御する。これにより、図2(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、太い実線で示す正弦波によって表される電圧指令の電圧値の正負の切り替えに一致するタイミングにおいてのみスイッチング素子のオン(ON)とオフ(OFF)との切り替え動作(スイッチング)が生ずる。即ち、図2(b)における上向きの矢印によって示すように、電圧指令の1周期当たりに2回のスイッチング(SW)しか発生していない。その結果、図2(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、スイッチング素子のスイッチングを極めて少なくすることができ、スイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を大幅に低減することができる。
ところで、PWM制御を行うインバータにおいては、モータに供給しようとする交流電圧の振幅が大きいほど、スイッチング素子がオン(ON)である状態及びオフ(OFF)である状態の継続時間が長くなる。従って、過変調PWM制御や矩形波制御によってモータを動作させる場合においても、電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減することができる。しかしながら、単にモータに供給される交流電圧の振幅を増大させたのでは、例えば、モータの回転数やトルク等への影響が生じ、所望の制御を実現することができない。従って、モータに供給される交流電圧の振幅を増大させて電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減しようとする場合は、例えば、モータの回転数やトルク等への影響を生じさせることの無いように、電圧指令を操作することが必要である。
一方、多相モータにおいては、各相の間での電圧差によって、例えば、モータの回転数やトルク等が定まる。従って、上記のように過変調PWM制御や矩形波制御によってモータを動作させて電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減しようとする場合においても、各相の間での電圧差を変化させないように電圧指令を操作することにより、モータの回転数やトルク等への影響を生ずること無く、電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減して、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を延長することができる。
即ち、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係るモータ制御装置であって、
前記モータが複数の相を有し、
原点学習が許可される場合における前記モータの相間の電圧差を、原点学習が許可されない場合における前記モータの相間の電圧差と同じ値に維持しつつ、各相の電圧指令の振幅を増大させるように制御する、モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記モータが複数の相を有し、原点学習が許可される場合における前記モータの相間の電圧差を、原点学習が許可されない場合における前記モータの相間の電圧差と同じ値に維持しつつ、各相の電圧指令の振幅を増大させるように制御する。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、モータの回転数やトルク等への影響を生ずること無く、電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減して、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を延長することができる。その結果、本実施態様に係るモータ制御装置においても、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を少なくすることができ、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を低減することができる。
ここで、本実施態様に係るモータ制御装置におけるモータの各相に対する電圧指令の波形につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図3は、前述のように、モータの各相に対する電圧指令の波形につき、従来技術に係るモータ制御装置と本発明の1つの実施態様に係るモータ制御装置とで比較する模式図である。先ず、図3(a)は、従来技術に係るモータ制御装置におけるモータの各相に対する電圧指令の波形について説明する模式図である。
図3(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置においては、三相モータの各相(U相、V相、及びW相)に対する電圧指令の波形は、位相がそれぞれ120°ずつずれた正弦波となっている。一方、図3(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、三相モータの各相(U相、V相、及びW相)に対する電圧指令の波形は、図3(a)に示すグラフの、0〜60°、120〜180°、及び240〜300°の各領域においては電圧指令のプラス側(図3に向かって縦軸の上方向)に、一方、60〜120°、180〜240°、及び300〜360°の各領域においては電圧指令のマイナス側(図3に向かって縦軸の下方向)に、ぞれぞれ同じ量だけシフトしたグラフとなっている。
上記のように、図3(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、三相モータの各相(U相、V相、及びW相)に対する電圧指令のプラス側の最大振幅に対応する位相(それぞれ、270°、30°、及び150°)においてプラス側にシフトし、三相モータの各相(U相、V相、及びW相)に対する電圧指令のマイナス側の最大振幅に対応する位相(それぞれ、330°、90°、及び210°)においてマイナス側にシフトしている。その結果、三相モータの各相(U相、V相、及びW相)に対する電圧指令の振幅は、図3(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置と比較して、より大きくなっている。
しかしながら、三相のうちの1つの相に対する電圧指令における上記最大振幅の近傍(具体的には、最大振幅を呈する位相±30°の領域)では、上記のように振幅が増大する方向にシフトしているものの、三相のうちの他の2つの相に対する電圧指令もまた同じ方向にシフトしている。その結果、図3(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においても、各相の相間での電圧差は、図3(a)に示す従来技術に係るモータ制御装置における各相の相間での電圧差と同じ値に維持されている。これにより、図3(b)に示す本実施態様の一例に係るモータ制御装置においては、モータの回転数やトルク等への影響を生ずること無く、電圧指令の1周期当たりのスイッチングの回数を低減して、スイッチング素子のスイッチングオフ期間を延長して、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減することにより、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。
尚、上記説明においては、図3を参照しながら、三相モータの制御装置における本実施態様の一例について説明したが、当該説明はあくまでも本実施態様に係るモータ制御装置の概念の理解を助けるための励磁であり、本実施態様に係るモータ制御の構成は、かかる説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
ところで、PWM制御を行うインバータにおいては、インバータへの入力電圧(以降、「システム電圧VH」とも称する場合がある)を高くするほど、インバータからモータに供給されるパルスにおける変調度が低くなり(図4参照)、スイッチングオフ時間を長くすることができる。また、この場合、電流変動量が大きくなるため、前述のようなデッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることができる。斯くしてレゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減すると共に、デッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることにより、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。
即ち、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係るモータ制御装置であって、
前記インバータへの入力電圧を高くすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置である。
上記のように、本実施態様に係るモータ制御装置においては、前記インバータへの入力電圧を高くすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する。これにより、本実施態様に係るモータ制御装置においては、上述のように、インバータからモータに供給されるパルスにおける変調度が低くなり、スイッチングオフ時間を長くすることができ、加えて、電流変動量が大きくなるため、前述のようなデッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることができる。斯くして、本実施態様に係るモータ制御装置によれば、レゾルバの原点学習を実行する期間におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減すると共に、デッドタイムにおける指令デューティ比と実デューティ比との間の差異をより小さくすることにより、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。
上述のように、本発明の種々の実施態様に係るモータ制御装置においては、種々の手法により、原点学習が許可される場合におけるスイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合におけるスイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御して、スイッチング素子のスイッチングに伴うデッドタイムの影響によるレゾルバの原点学習の精度の低下を抑制することができる。その結果、本発明の種々の実施態様に係るモータ制御装置においては、相対的に低い学習精度を有する従来技術と比較して、レゾルバの原点学習が可能なモータの回転数や電圧の範囲を拡大することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成及び実行手順の組み合わせを有する幾つかの実施例について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができる。

Claims (5)

  1. レゾルバによって検出されるモータの回転子の回転角度に基づき、スイッチング素子を備えるインバータから前記モータへの電圧指令の電圧値及び位相を制御することにより、前記モータの回転を制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの回転数が予め定められた範囲内にあり且つ前記モータの固定子に流れる電流が0(ゼロ)である場合に前記レゾルバの原点学習を許可し、前記インバータから前記モータに供給される指令電圧の目標値を変更して前記レゾルバの原点学習を行うモータ制御装置において、
    原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置であって、
    前記インバータからの出力電圧の波形を変更することにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ制御装置であって、
    前記インバータからの出力電圧の波形を矩形波とすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置。
  4. 請求項2に記載のモータ制御装置であって、
    前記モータが複数の相を有し、
    原点学習が許可される場合における前記モータの相間の電圧差を、原点学習が許可されない場合における前記モータの相間の電圧差と同じ値に維持しつつ、各相の電圧指令の振幅を増大させるように制御する、モータ制御装置。
  5. 請求項1に記載のモータ制御装置であって、
    前記インバータへの入力電圧を高くすることにより、原点学習が許可される場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間を、原点学習が許可されない場合における前記スイッチング素子のスイッチングオフ期間よりも長くなるように制御する、モータ制御装置。
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