JP6120711B2 - ユニット構造物における吊下部材の掛止構造および吊下部材の掛止方法 - Google Patents

ユニット構造物における吊下部材の掛止構造および吊下部材の掛止方法 Download PDF

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Description

本発明は、組立建物を構築するためにユニットごとに構築されるユニット構造物において、これを吊下するために使用する吊下部材の掛止構造と、吊下部材によって掛止させるための掛止方法に関するものである。
一般的に、仮設建物などのように短期間で構築できる建物としては組立建物があり、この組立建物は、ユニット単位で構築されるものを所定の場所に設置することによって構築されていた。単一のユニットによって構築されるものを単棟式といい、複数のユニットを連結して一体の建物を構築するものを連棟式という。連棟式の組立建物は、複数のユニットを連結する構造であることから、それぞれのユニットが独立した箱形に構成されるものであり、これら複数のユニット構造物を個別に構築したうえで、所定の位置にクレーンで吊り上げて移動させていた。このクレーンによる吊り上げのために、従来は、屋根部材に吊下部材に先端を連結するための部材が設けられる構成となっていた(特許文献1,2参照)。
特開平10−317497号公報 特開2001−55791号公報
特許文献に開示されるように、屋根部材に連結用部材を設ける構造の場合には、ワイヤ等の吊下部材の取り付けおよび取り外しは、作業する者が連結部材に手が届くところまで移動しなければならず、一般的には屋根部材のうえに乗って作業していた。
しかしながら、通常の屋根部材は2mを超える高さとなるため、屋根部材上で作業する際には転落防止用の設備を設置しなければならなかった。また、脚立または足場台を使用するとしても、吊下部材と連結用部材との連結が複雑な場合には、その取り付けおよび取り外しが容易ではなく、不安定な姿勢を長時間継続することとなり、やはり転落防止のための措置を講じる必要が生じていた。
特に、組立建物が二階建ての場合には、二階部分の屋根の高さは6m程度となることから、高所作業に伴う転落防止設備の設置が義務づけられることとなり、そのため、転落防止設備の設置および解体のための作業に時間を要し、結果として組立建物の設置工事を長期化させるものとなっていた。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、高所における作業を回避し得る掛止構造を提供するとともに、容易に吊下部材を掛止しまたは解除できる掛止方法を提供することである。
そこで、ユニット構造物における吊下部材の掛止構造にかかる本発明は、組立建物を構成するためにユニットごとに構築され、床部材と、この床部材に下端を固定されて立設する柱部材と、この柱部材に支持される屋根部材とを備えるユニット構造物において、このユニット構造物を吊下部材で吊下するための掛止構造であって、前記屋根部材から前記床部材に向かって突設され、前記吊下部材を掛止する掛止突起と、この掛止突起を延長する延長部材とを備え、前記延長部材は、前記屋根部材から前記床部材までの間に介在される本体部と、この本体部の一端に形成され、前記掛止突起に着脱可能に接続される接続部と、前記床部材に着脱可能に装着されるブラケット部とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、掛止突起に吊下部材を玉掛けすることができるとともに、掛止突起に延長部材が接続されることによって、玉掛けされた吊下部材が掛止突起から抜け落ちることを回避することができる。また、延長部材は、接続部が掛止突起に接続された状態で、ブラケット部が床部材に装着されることによって、ユニット構造物と一体となり、吊下部材の引張力によって横向きの力が作用する場合であっても、ユニット構造物から容易に分離されることはなく、吊下部材の引張力を掛止突起に作用させることができる。
なお、吊下部材とは、ワイヤやスリングベルトなどのように、クレーン等によってユニット構造物を吊り下げる際に使用される長尺な紐状の部材であり、玉掛けとは、上記吊下部材の先端によって環状を形成し、当該環状部分と掛止突起に引っ掛ける状態とする掛止の形態である。
上記発明においては、本体部を筒状部材で構成し、接続部を本体部の一端において開口させた開口部とし、開口部が前記掛止突起の挿入を許容するように構成することができる。
上記構成によれば、掛止突起は、屋根部材から床部材に向かって下向きに突設されていることから、その掛止突起の先端に対して下方から接続部を接近させることにより、開口部に掛止突起の先端を挿入させることによって接続を可能とするものである。つまり、高所に位置する掛止突起と延長部材とを接続するために、高所で作業することなく、低い場所から上向きに接続部を持ち上げることで可能としているのである。
また、上記各発明においては、前記ブラケット部を、前記本体部に固着される接合領域と、前記床部材に装着される装着領域とに区分し、前記装着領域を、前記床部材の所定の位置に当接する平面状に形成する構成としてもよい。
上記構成によれば、ブラケット部に形成される平面状の装着領域が、適宜面積で床部材に当接しつつ装着されることから、当該装着領域が床部材に当接する状態において、本体部の軸線方向を安定させることができる。すなわち、延長部材は、床部材と屋根部材の間に介在されるものであることから、両者間は大きく離れており延長部材の本体部は長尺となるが、その下端において装着領域が床部材と面接触することによって、長尺な本体部を所定の方向に立設させた状態とすることができるのである。
さらに、上記各発明において、床部材は、周囲を梁材により包囲された構成とし、ブラケット部は、前記梁材に装着されるように構成することができる。
上記構成によれば、床部材の基本構造を構成する梁材に延長部材の下端が固定されることとなるため、ユニット構造物が吊下された状態における床部材の撓みの影響を受けることがなく、延長部材の設置状態が変化することを回避できることとなる。
また、上記各発明において、屋根部材は、周囲を梁材により包囲されるとともに、該梁材によって屋根表面に雨樋が形成される構成とし、掛止突起は、前記梁材に下向きに立設されるとともに、少なくとも1つの掛止突起には、その内部および梁材を貫通する貫通孔が設けられた構成とすることができる。
上記構成によれば、吊下部材は屋根部材の梁材(屋根部材の周縁)で掛止することができるとともに、掛止突起および梁材の内部に貫通孔が設けられることにより、垂直樋に連続させるための排水部として利用することも可能となる。
さらに、上記各発明において、床部材および屋根部材は、それぞれ二本の長辺側梁材および二本の短辺側梁材により長方形状に形成された周辺部を備える構成とし、掛止突起は、前記屋根部材の短辺側梁材またはその近傍に突設され、ブラケット部は、前記床部材の短辺側梁材に装着される構成とすることができる。
上記構成によれば、ユニット構造物は直方体に形成されることとなり、その直方体の短辺側を吊下部材によって吊下させることができる。このように、短辺側によって吊下させることにより、吊下による撓みの発生を抑えることができるとともに、長辺側を連続させてなる連棟型組立建物を構築する際に、吊下部材が隣接するユニット構造物の端縁を掛止する状態とならず、当該吊下部材の掛止および解除の作業を組立建物の側面から行うことができることとなる。
他方、吊下部材の掛止方法にかかる本発明は、前記掛止構造にかかるいずれかの発明を利用するものであって、吊下部材を前記掛止突起に玉掛けし、前記掛止突起に前記掛止突起延長部材の接続部を接続させるとともに、前記ブラケット部を前記床部材に装着することを特徴とするものである。
上記構成によれば、クレーン等によって引き上げられるべき吊下部材の先端を掛止突起に掛止した状態において、当該掛止突起の先端は、延長部材の接続によって無端状態となり、吊下部材の掛止状態が不用意に解除されることを回避することができる。また、延長部材の下端は、ブラケット部によって、床部材に装着固定されることから、クレーン等による引き上げ時に、吊下部材に作用する引張力によって延長部材が掛止突起から離脱することをも抑えることができる。
また、吊下部材の掛止方法にかかる他の発明は、前記掛止構造にかかるいずれかの発明を利用するものであって、前記掛止突起延長部材の本体部を吊下部材の玉掛け部分に挿通し、該掛止突起延長部材の接続部を前記掛止突起に接続させるとともに、前記ブラケット部を前記床部材に装着し、前記吊下部材の玉掛け部分を掛止突起近傍に移動させることを特徴とするものである。
上記構成によれば、吊下部材を直接掛止突起に掛止できない場合であっても、先に、吊下部材先端の玉掛け部分(環状部)を延長部材に挿入し、その後、当該延長部材を掛止突起に接続することにより、延長部材が掛止突起の一部として機能することとなり、結果的に掛止突起に掛止される状態とすることができる。なお、吊下部材の玉掛け部分(環状部)を掛止突起近傍に移動させるためには、特別な作業を必要とするものではなく、玉掛け部分(環状部)が延長部材に遊挿される状態とすることにより、吊下時(吊下部材が引き上げられる際)における吊下部材の上昇に伴って必然的に移動することとなるものである。
ユニット構造物における吊下部材の掛止構造にかかる本発明によれば、掛止突起の突出長を実質的に変化させることとなり、吊下部材の掛止作業時または解除作業時には、掛止突起の突出長を短くした状態とし、吊下時には、掛止突起の突出長を長くした状態とすることができる。そして、掛止突起の突出長を短くするためには、延長部材を取り外せばよく、その作業はブラケット部の装着を解除すればよいことから、床部材の高さにおいて作業することができる。さらに、吊下部材は、その緊張状態を弛緩することによって、下端を容易に下降させることができ、掛止突起の突出長が短い状態であれば僅かに下降させることによって、掛止状態を解除させることが可能となる。従って、ユニット構造物を所定の位置に設置した後において、屋根部材の高さでの掛止解除のための作業を不要とすることができるものである。特に、二階建ての組立建物を構築する際には、二階部分に設置されるユニット構造物の床部材の高さで作業することができることから、高所での作業を避け、比較的低い場所での作業を可能にするものである。なお、屋根部材の梁材および掛止突起を貫通する貫通孔を設ける構成の場合には、吊下作業の後、当該掛止突起を排水部として有効に利用することができるとともに、延長部材と同様の長尺な筒状部材を装着することによって垂直樋を設置することが可能となる。
また、掛止方法にかかる本発明によれば、吊下部材が掛止突起に掛止された状態を維持することが可能となる。また、先に延長部材に吊下部材の玉掛け部分を挿通させる場合には、延長部材によって、玉掛け部分を掛止突起に案内させることができることとなり、玉掛け部分を掛止突起に係止させる作業を床部材の高さによって行うことが可能となる。さらに、この延長部材を取り外すことによって掛止状態を解除させることができることから、そのための作業を極めて容易にすることができる。
ユニット構造物の概略を示す説明図である。 ユニット構造物の連棟状態を示す説明図である。 掛止構造にかかる本発明の実施形態を示す説明図である。 延長部材の詳細を示す説明図である。 掛止方法にかかる本発明の実施形態を示す説明図である。 組立建物の構築方法を示す説明図である。 組立建物の構築方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の掛止構造および掛止方法が使用されるユニット構造物の概略について説明する。図1は、ユニット構造物を示す図である。この図に示されるように、ユニット構造物Uは、床部材1と、この床部材1に下端を固定された状態で立設される柱部材2と、この柱部材2によって支持される屋根部材3とで骨組みが構成されるものである。
床部材1は、二つの長辺側梁材11,12と短辺側梁材13,14とで長方形状の枠体が形成され、その梁材11〜14に複数枚の床板10が架け渡されて構成されている。4つの梁材11〜14の先端が接する位置には、梁材11〜14の端部が相互に接合されるとともに、柱部材2を固定するための接合部15,16,17,18が設けられている。
柱部材2は、前記梁材11〜14によって構成される長方形状の枠体の四隅に下端が固定された状態の4本の柱21,22,23,24が立設されて構成されている。この固定には、前記接合部15〜18が使用され、具体的には、有底筒状の接合部15〜18に柱21〜24の下端を挿入した状態でボルト等により締着固定されるものである。
屋根部材3は、床部材1と同様に、長辺側梁材31,32と短辺側梁材33,34とで長方形状の枠体が形成され、その枠体の内側に屋根表面部材4が張設されている。なお、柱21〜24の上端と梁部材3の梁材31〜34との接合は、当該柱21〜24の上端縁に梁材31〜34の一部が載置されるとともに、一部をボルト等により固定されるものである。
このように、床部材1、柱部材2および屋根部材3によって構築されるユニット構造物Uの骨組み構造は、直方体を形成するものであり、床部材1および屋根部材3を構成するそれぞれの長辺側梁材11,12,31,32が、ユニット構造物Uの長尺側端縁を形成し、短辺側梁材13,14,33,34が、ユニット構造物Uの短尺側端縁を形成することとなる。そして、床部材1の各梁材11〜14、柱部材2を形成する各柱21〜24および屋根部材3の各梁材31〜34によって形成される周辺の四辺形状枠部分には、壁部材、窓部材または扉部材などを有するパネルが設置され、周辺を遮蔽する建物構造体が構築されるのである。
また、屋根部材3を構成する屋根表面部材4は、屋根部材3の長方形状の枠体の内側において、長手方向に連続する長尺な突起部41が、短尺方向に適宜間隔を有して設けられ、全体として概略波形に形成されている。この突起部41により、その中間部分が樋状となり、雨水の排水に供されることとなる。また、図示を省略しているが、突起部41の両端は屋根表面部材4の短尺部分に到達しておらず、突起部41の両端と短辺側梁材33,34との間にも樋部が形成されている。また、屋根表面部材4のうち、前記樋部が形成される領域には、部分的に貫通孔が穿設され、垂直樋を設置することによって、下方への雨水の流下を可能にしている。
ユニット構造物Uの構成は、上記のとおりであるから、組立建物を構築する場合は、上記ユニット構造物Uを1個のみ設置して使用する場合のほか、同種複数のユニット構造物Uを連棟することにより、広い室内空間を有する組立建物を構築する場合がある。
そこで、複数のユニット構造物Uを連棟する場合は、図2に示すように、ユニット構造物Ua,Ubの長尺側端縁を隣接しつつ設置し、短尺側端縁を直線状に連続させるのである。このとき、広い室内空間を形成するためには、各ユニット構造物Ua,Ubの周辺の四辺形状枠部分のうち、隣接する部分は壁部材等を有するパネルによって遮蔽せず、それ以外の残りの枠部分にのみパネルを設置して遮蔽されるものである。そして、隣接するユニット構造物Ua,Ubのうち、隣接する二本の柱(21aと23b),(22aと24b)の間に形成される間隙には、目張り材(シール材)が室内側から設けられ、屋根部材3a,3bのうち両者が対向する端縁部(梁材)31a,32bの間に生じる間隙には屋根カバー5が設けられるのである。
ところで、連棟すべきユニット構造物Ua,Ubの設置には、クレーン(図示せず)等によってユニット構造物Ua,Ubを順次吊り上げ、所定の位置に移動することによって隣接した状態で設置されるものである。つまり、連棟すべき場所とは異なるところで、予めユニット構造物Ua,Ubが構築され、その後、所定の位置に移動されるものである。そして、一階部分を構築する場合には、予め地上に構築した基礎部B1〜B5に設置されるものであり、二階部分を構築する場合は、先に設置したユニット構造物Uの上に設置されるのである。従って、先に設置されるユニット構造物Uaに対して、後に設置されるユニット構造物Ubが隣接されるように設置され、両者が連結されるのである。このとき、屋根カバー5は、後に設置されるユニット構造物Ubに予め設置するとともに、当該屋根カバー5の一部を横向きに大きく突出させておくことによって、先のユニット構造物Uaに隣接して設置するとき、隣接する両ユニット構造物Ua,Ubの屋根部材の間隙に屋根カバー5を設置することができる。これにより、屋根カバー5の設置のための高所における作業を回避することができるのである。
上記のように、ユニット構造物Ua,Ubは、それぞれクレーン等によって所定位置に移動されるものであるところ、そのクレーン等による吊下のために使用する吊下部材がユニット構造物Ua,Ubに掛止されるのである。
そこで、次に、吊下部材の掛止構造にかかる実施形態について詳述する。図3は、屋根部材に設けられる掛止突起周辺を拡大した図である。この図に示されているように、ユニット構造物Uの屋根部材3を構成する短辺側梁材33,34には、下向きに突出する掛止突起6が設けられている。本実施形態における短辺側梁材33,34は、対向する上下の平面部61,62と、両平面部を連続する連続部63とで、断面コ字状に形成されており、上下の平面部61,62の端縁を天井表面部材4に向けて配置されている。そこで、掛止突起6は、この梁材33,34の下側平面部62に立設されるものである。
また、この掛止突起6は延長部材7を接続することによって、実質的な突出長を延長することができるものである。この延長部材7の上端71は開口しており、この上端開口部(接続部)71に掛止突起6を挿入させることによって、両者を接続させることができるものである。そして、吊下部材8の先端(玉掛け部分)81は、延長部材7を接続する前に、掛止突起6に挿通させておくことにより、突出長が延長した後は、容易に掛止状態を解除できないこととなるのである。なお、図3には、円形筒状の延長部材7を示しているが、これは、掛止突起6の断面形状を円形としたためであり、掛止突起6の形状に応じて適宜変更してもよい。
上記延長部材7は、図4に示すように、長尺な筒状部材による本体部70aの下端72の近傍にブラケット部70bが固着されて構成されている。ブラケット部70bは、略L字形の板状部材によって構成され、接合領域73と、装着領域74とに区分されている。接合領域73には、数個(図は2個)の貫通孔75,76が穿設されており、本体部70aの下端72の近傍に穿設される貫通孔77,78を使用して締着部材によって固着できるようになっている。
他方、装着領域74は、適度な面積を有しており、その一部に貫通孔79が穿設されている。この装着領域74の表面は、前記接合領域73の表面に直交するように配置されており、本体部70aの軸線を鉛直方向に向けるとき、装着領域74の上下表面は水平となるようになっている。従って、装着領域74の下面を床部材1の梁材(短辺側梁材)13,14(図1参照)の上部表面に当接させることにより、当該梁材13,14の表面に対して垂直となる方向に、本体部70aを立設することができるものである。
また、装着領域74に設けられる貫通孔79は、床部材の梁材13,14に予め設けられる貫通孔との間で締着部材等によって固定されるものである。この梁材13,14の貫通孔は、例えば、アンカーボルトを挿通するために穿設されたものを代用することができるほか、延長部材7を装着するための専用の貫通孔を設けてもよい。いずれにしても、延長部材7の上端71に形成される上端開口部(接続部)71が前記掛止突起6に接続された状態で、下端が移動しないように装着できればよく、その装着位置は任意に選択することができる。従って、装着領域74は、床部材1の梁材13,14の上面に限定されるものではない。この場合、装着領域74の表面は、必ずしも接合領域73に直交するものではない。ただし、上述のように、梁材13,14の上面に設置する場合は、本体部70aの軸線方向を鉛直方向に向けて安定させることができるという効果を有するものとなる。
本実施形態の掛止構造は上記のとおりであるから、これを利用する掛止方法は、次のとおり、二種類の方法が考えられる。
すなわち、第1の方法は、図5(a)に示すように、吊下部材(ワイヤまたはスリングベルト)108の玉掛け部分(環状部)181を掛止突起106に引っ掛けておき(仮の掛止状態としておき)、その後に延長部材107を接続する方法である。この方法は、掛止突起106は短いながらも突出していることから、その突出長を利用して仮の掛止が可能であり、最終的に、延長部材107を接続することにより、突出長を延長させて確実な掛止状態とするものである。
また、第2の方法は、図5(b)に示すように、延長部材207に玉掛け部分281を挿通させた後、その状態で、当該延長部材207を掛止突起206に接続させる方法である。この方法は、一義的には直接的に掛止突起206に掛止されるものではないが、図5(c)に示すように、吊下部材208が引き上げられる(吊下の際に引張力が付与する)ときに、玉掛け部分281が上方に移動し、ちょうど掛止突起206の位置まで移動することによって、最終的には掛止突起206によって掛止するものである。
なお、図示のように、延長部材107,207は、掛止突起106,206を挿入するような状態で接続されることから、係止部材108,208の玉掛け部分181,281は、延長部材107,207の表面に接した状態となっているが、この内部には掛止突起106,206が存在するため、実質的には、当該延長部材107,207の周辺部材を介して係止部材106,206に掛止されているのである。
本発明の実施形態は以上のとおりであることから、上記掛止方法を使用することによって、連棟式組立建物を構築する際のユニット構造物を容易に移動させることができる。そこで、次に、連棟式組立建物を構築する方法について説明する。図6は、一階建ての組立建物を構築する場合を示し、図7は、二階建ての組立建物を構築する場合を示している。
一階建ての組立建物を構築する場合は、図6に示されているように、複数のユニット構造物Ua,Ubを並べて設置するものである。図では、第1のユニット構造物Uaが既に設置された状態を示しているが、この既設のユニット構造物Uaもクレーン等によって吊り下げられて移動したものである。ここでは、連棟すべき第2のユニット構造物Ubの移動の状態を説明する。まず、前述したような方法によって、吊下部材8の玉掛け部分81を掛止突起6に掛止する。なお、ユニット構造物Ubを吊下するため、屋根部材3の短辺側梁材33,34に二個ずつ(合計4個)の掛止突起6にそれぞれ吊下部材8の玉掛け部分81が掛止されている。このとき、いずれの掛止突起6にも延長部材7が接続されており、玉掛け部材81の掛止状態が容易に解除されない状態となっている。この状態で、四本の係止部材8を同時に(まとめて)吊り上げることにより、ユニット構造物Ubを吊下するのである。
そして、この吊下した状態でユニット構造物Ubを移動させ、所定の位置(既設のユニット構造物Uaに隣接する位置)まで移動し、その後、下降させて設置するのである。設置後は、延長部材7を取り外し、吊下部材8の玉掛け部分81を掛止突起6から離脱させるのである。このとき、延長部材7の取り外しは、床部材1の短辺側梁材13,14における装着を解除すればよいことから、地上において行われることとなる。
次に、二階建ての組立建物を構築する場合であるが、この場合は、図7に示すように、一階部分を構成する第1および第2のユニット構造物Ua,Ubの上に第3および第4のユニット構成物Uc,Udを設置するものである。なお、図では、第3のユニット構造物Ucが既に設置されているが、これもクレーン等で吊下した後に移動したものである。ここでは、第4のユニット構造物Udの移動の状態について説明する。
吊下部材8の玉掛け部分81を掛止突起6に掛止させることは、一階建ての場合と同様であり、その後、クレーン等で吊下し、移動することも同様である。そして、所定の位置(図は第2のユニット構造物Ubの上部)に移動した後、ユニット構造物Udを下降させて、二階部分を設置するのである。設置後において、吊下部材8の玉掛け部分81の掛止状態を解除する場合は、やはり、床部材を構成する短辺側梁材13,14に装着されるブラケット部70bを離脱させ、延長部材7を取り外すことによる。
しかしながら、図からも明らかなとおり、床部材1は、第2のユニット構造物Ubの屋根部材の真上に位置することから、二階部分の屋根の高さに比較すれば、低位置である。そこで、この高さにおいてブラケット部70bの装着を解除するために、脚立または足場台SLを使用することができる。作業者の手が二階部分の床部材1に到達すれば作業は可能であるから、脚立または足場台SLの高さは1m〜1.5m程度の高さであれば十分である。
なお、一階建ての組立建物を構築する場合(図6)および二階建て組立建物を構築する場合(図7)のいずれの場合も、既設のユニット構成物Ua,Ucに隣接して設置されるユニット構成物Ub,Udの屋根部材3には、屋根カバー5が予め設置され、所定位置に設置した状態で、ユニット構造物Ua〜Udが隣接する際に形成される屋根の間隙部分を覆うようにしている。このように屋根カバー5の設置作業を不要とすることにより、作業者は、屋根上で行う作業から開放されることとなり、前述のように吊下部材8の掛止および解除の作業を低い位置で行えることが、一層重要となるものである。
以上のように、吊下部材の掛止構造および掛止方法にかかる実施形態においては、屋根部材の高さにおいて作業することを回避できることから、高所における作業を回避し得るとともに、低い位置での作業によるものであっても、極めて容易に吊下部材を掛止しまたは解除できることとなる。従って、構築するための期間を短縮することができる。特に、高所での作業を可能な限り一部に限定することができることから、転落防止のための設備を不要または少なくすることができ、工事期間の短期化を図ることができるとともに、作業員が転落する可能性を極めて低くすることができるものである。
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、本発明が上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形することが可能である。例えば、掛止突起6は円形断面に限定されるものではない。この場合、延長部材7の上端開口部71は、掛止突起6に装着できる形状とすればよいものである。また、延長部材7の本体部70aは筒状に限定されず、棒状または板状としてもよい。本体部70aを板状とする場合には、ブラケット部70bは、当該本体部70aを折曲して構成することも可能である。さらに、延長部材7の上端71は、掛止突起6との接続を容易とするために開口させているが、掛止突起6が円筒状であれば、その円筒内部に挿入できる構成としてもよい。
なお、上記実施形態においては、掛止突起6の内部構造については特に説明しなかったが、屋根部材3の端縁側梁材33,34は、断面コ字形とすることにより、屋根の表面側において雨樋を形成させることが可能であることから、当該雨樋に到達する貫通孔を設けることにより、延長部材7を取り外した後の掛止突起6に垂直樋を接続することにより、掛止のための部材のみならず、垂直樋への雨水の排水手段として機能させることができる。
また、二階建ての組立建物の構築方法を示す図7には、外階段および踊り場が示されているが、この外階段および踊り場を先に設置することによって、踊り場において作業することも可能となる。この場合には、脚立または足場台SLを用いることなく作業できる場合があり得る。また、図6および図7に示されるユニット構造物Uは、設置前に壁部材や窓部材などのパネルが装着された状態となっているが、これらのパネルは、設置の前(吊り上げる前)に予め装着してもよいが、設置後に装着してもよい。
1 床部材
2 柱部材
3 屋根部材
4 屋根表面部材
5 屋根カバー
6,106,206 掛止突起
7,107,207 延長部材
8,108,208 吊下部材
10 床板
11,12 床部材の長辺側梁材
13,14 床部材の短辺側梁材
15,16,17,18 接合部
21,22,23,24 柱
31,32,31a,31b,32a,32b 屋根部材の長辺側梁材
33,34,33a,33b,34a,34b 屋根部材の短辺側梁材
41 屋根表面部材の突起部
61,62 梁材の平面部
63 梁材の連続部
70a 延長部材の本体部
70b 延長部材のブラケット部
71 延長部材の上端開口部(接続部)
72 延長部材の下端
73 ブラケット部の接合領域
74 ブラケット部の装着領域
75,76 ブラケット部の貫通孔
77,78 本体部の貫通孔
79 装着領域の貫通孔
81,181,281 吊下部材の玉掛け部分(環状部)
U,Ua,Ub,Uc,Ud ユニット構造物
SL 足場台(または脚立)

Claims (8)

  1. 組立建物を構成するためにユニットごとに構築され、床部材と、この床部材に下端を固定されて立設する柱部材と、この柱部材に支持される屋根部材とを備えるユニット構造物において、このユニット構造物を吊下部材で吊下するための掛止構造であって、
    前記屋根部材から前記床部材に向かって突設され、前記吊下部材を掛止する掛止突起と、この掛止突起を延長する延長部材とを備え、
    前記延長部材は、前記屋根部材から前記床部材までの間に介在される本体部と、この本体部の一端に形成され、前記掛止突起に着脱可能に接続される接続部と、前記床部材に着脱可能に装着されるブラケット部とを備えることを特徴とするユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  2. 前記本体部は、筒状部材で構成されており、前記接続部は、前記本体部の一端において開口し、前記掛止突起の挿入を許容する開口部で構成されている請求項1に記載のユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  3. 前記ブラケット部は、前記本体部に固着される接合領域と、前記床部材に装着される装着領域とに区分され、前記装着領域は、前記床部材の所定の位置に当接する平面状に形成されている請求項1または2に記載のユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  4. 前記床部材は、周囲を梁材により包囲されており、前記ブラケット部は、前記梁材に装着されるものである請求項1ないし3のいずれかに記載のユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  5. 前記屋根部材は、周囲を梁材により包囲されるとともに、該梁材によって屋根表面に雨樋が形成されており、前記掛止突起は、前記梁材に下向きに立設されるとともに、少なくとも1つの掛止突起には、その内部および梁材を貫通する貫通孔が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  6. 前記床部材および屋根部材は、それぞれ二本の長辺側梁材および二本の短辺側梁材により長方形状に形成された周辺部を備えており、前記掛止突起は、前記屋根部材の短辺側梁材に突設され、前記ブラケット部は、前記床部材の短辺側梁材に装着されるものである請求項1ないし5のいずれかに記載のユニット構造物における吊下部材の掛止構造。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の掛止構造を利用する吊下部材の掛止方法であって、
    吊下部材を前記掛止突起に玉掛けし、前記掛止突起に前記掛止突起延長部材の接続部を接続させるとともに、前記ブラケット部を前記床部材に装着することを特徴とする吊下部材の掛止方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載の掛止構造を利用する吊下部材の掛止方法であって、
    前記掛止突起延長部材の本体部を吊下部材の玉掛け部分に挿通し、該掛止突起延長部材の接続部を前記掛止突起に接続させるとともに、前記ブラケット部を前記床部材に装着し、前記吊下部材の玉掛け部分を掛止突起近傍に移動させることを特徴とする吊下部材の掛止方法。
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