JP6120150B2 - 船舶用熱電発電システム及び船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、ゼーベック効果を利用した熱電発電素子を用いて、船舶の内燃機関から排出される排気ガスの熱を電気に変換する船舶用熱電発電システムに関する。
特許文献1には、船舶に搭載される水冷エンジンの発電装置が開示されている。特許文献1では、発電装置は熱発電素子によって構成され、水冷エンジンは、互いに近接している排気通路と冷却水通路との間を、壁によって仕切り、この壁の中に熱発電素子を備えている。この熱発電素子は、高温部を排気通路に近接させ、低温部を冷却水通路に近接させている。従って、熱発電素子は、高温部と低温部との間の温度差に応じて、起電力が発生し、温度差を利用して発電する。
特許文献2には、船舶等の内燃機関冷却用水冷式熱交換器にペルチエ素子モジュールを設けて廃熱を電気エネルギーに変換する構成が開示されている。特許文献2では、熱媒液放熱管と放熱フィンの間にペルチエ素子モジュールを挟設することで、ペルチエ素子モジュールの一方を高温の熱媒液で過熱し他方を大気又は海水で冷却して発電する。
特許文献3には、エンジンからの排気が流れる排気管と、冷却水ポンプによって冷却水が循環する冷却水循環路とに熱電発電素子を取り付ける装置が開示されている。特許文献3では、複数の熱電発電素子を、排気管及び冷却水管に取り付ける場合に、冷却水管中の冷却水の流れが、排気管を流れる排気の方向と対向するように設計することにより、下流側の熱電発電素子での排気管及び冷却水管の温度差が大きくなるので、各熱電発電素子での発電量差が低減されて、全体の発電量が向上する。
特許文献4には、エンジン内からの冷却水を熱電発電ユニットに供給することで、熱電発電ユニットで熱電発電を行う装置が開示されている。特許文献4では、エンジンが高温になっている場合には、エンジン内からの冷却水を、熱電用冷却水通路に循環させないことで、エンジンのオーバーヒートを抑止している。
特許文献5には、高温側熱源をエンジンからの排気ガスとし、低温側熱源をラジエータによって冷却されるエンジンの冷却水として、熱電素子によって発電を行う熱電発電装置が開示されている。特許文献5では、熱電素子に生ずる温度差が大きくなるように、熱電素子への排気ガスあるいは冷却水の少なくとも一方の供給条件を可変する可変手段を設けている。
特開2010−242700号公報 特開2007−198276号公報 特開2005−299417号公報 特開2005−307886号公報 特開2004−360681号公報
特許文献1から特許文献5に開示されているように、内燃機関から排出される排気ガスと、内燃機関を冷却する冷却水とを利用して発電を行う熱電発電装置が知られている。
しかし、これらの熱電発電装置に用いる熱電変換素子は、接合材の条件や材料の酸化等から仕様的に最高使用温度の制限を受ける。
例えば、ビスマス・テルル系(Bi−Te系)を利用した熱電変換素子では、最高使用温度は230℃程度、鉛・テルル系(Pb−Te系)を利用した熱電変換素子では、最高使用温度は530℃程度である。
従って、600℃を超えるような内燃機関の排気ガスを用いて排熱回収を行う場合に、安定した長期の発電運転を維持するためには、熱電変換素子の高温部の表面温度を適切な温度に調整する必要がある。また、使用する熱電変換素子の最高使用温度に対応して、高温部の表面温度を最高使用温度以下の適切な温度に維持することが望まれる。
そこで、本発明は、安定した長期の発電運転を維持するため、熱電変換素子の高温部の表面温度を適切な温度に調整することができる船舶用熱電発電システム及び船舶を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明に対応した船舶用熱電発電システムにおいては、船舶の内燃機関から排出される排気ガスの通る排気ガス経路と、内燃機関を冷却する冷却水の通る冷却水経路と、高温部で排気ガス経路から受熱し、低温部で冷却水経路へ放熱することにより発電を行なう熱電発電手段と、冷却水を排気ガス経路の排気ガスに混合させるミキサ手段と、ミキサ手段で供給する冷却水を調節して高温部における温度を制御する温度制御手段とを備えるとともに、熱電発電手段が配置された排気ガス経路の内面に伝熱フィンを設け、ミキサ手段を熱電発電手段の上流側に隣接して設け、かつミキサ手段に設けた開口部から伝熱フィンに向けて冷却水をシャワー状に噴射することを特徴とする。請求項1に記載の本発明によれば、ミキサ手段で供給する冷却水を調節して高温部における温度を制御する温度制御手段を備えたことで、熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整し、安定した長期の発電運転を維持することができる。また、ミキサ手段が熱電発電手段の上流側に設けられているため、排気ガスの温度を迅速に低下できる。また、シャワー状に噴射することで、更に排気ガスの温度を迅速に均一に低下できる。また、排気ガス経路の内面に伝熱フィンが設けられているため、排気ガス経路からの受熱量を増やすことができる。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、熱電発電手段の使用上限温度に基づいて温度制御手段を制御することを特徴とする。請求項2に記載の本発明によれば、用いる熱電発電手段の仕様に応じて、熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整することができる。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、高温部における温度を検出する温度検出手段を備え、温度制御手段が温度検出手段の検出値と使用上限温度とに基づいてミキサ手段を制御することを特徴とする。請求項3に記載の本発明によれば、熱電発電手段を、使用上限温度を超えた高温にさらすことなく、安定した長期の発電運転を維持することができる。
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、温度制御手段は、使用上限温度以下の温度で高温部と低温部との温度差を調節して熱電発電手段の発電出力を制御することを特徴とする。請求項4に記載の本発明によれば、発電量を向上させることができる
求項記載の本発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムにおいて、冷却水は、少なくとも内燃機関の運転中に取水手段により連続的に取水され、内燃機関を冷却した後に連続的に排出されることを特徴とする。請求項に記載の本発明によれば、冷却水を循環させる場合と比べて、安定して冷却効果を得ることができる。
請求項記載の本発明は、請求項に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、冷却水経路には、取水した冷却水の一部を分岐して流すことを特徴とする。請求項に記載の本発明によれば、冷却水経路に流す冷却水とは別にミキサ手段に冷却水を供給することができ、内燃機関の冷却効果を損なうことが防止できる。
請求項記載の本発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムにおいて、温度制御手段は、冷却水経路に設けた流量調節バルブを調節して冷却水の流量を制御することを特徴とする。請求項に記載の本発明によれば、排気ガスの温度低下量を調整できるため、発電量を低下させることなく熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整できる。
請求項記載の本発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムにおいて、熱電発電手段は、排気ガス経路の周囲に複数の熱電発電素子を配置し、更に熱電発電素子を冷却水経路で挟持して構成したことを特徴とする。請求項に記載の本発明によれば、排気ガス経路からの受熱と、冷却水経路への放熱を効率よく行える
求項記載の本発明は、請求項に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、熱電発電素子の周囲に圧縮性と耐熱性を有したシール材を設け、シール材を排気ガス経路と冷却水経路とで挟持したことを特徴とする。請求項に記載の本発明によれば、シール材によって熱電発電素子の結露や塩害を防止することができ、耐久性能を高めることができる。また、それぞれの熱電発電素子にかかる面圧を均等にしやすくなるため、発電効率を高めることができる。
請求項10記載の本発明は、請求項8又は請求項に記載の船舶用熱電発電システムにおいて、冷却水経路の冷却水の流れ方向は、排気ガス経路の排気ガスの流れ方向と対向していることを特徴とする。請求項10に記載の本発明によれば、流れ方向に熱電発電素子を併設した場合でも、それぞれの熱電発電素子における高温部と低温部との温度差を均一にでき、また高温部と低温部との温度差を大きくでき、発電効率を高めることができる。
請求項11記載の本発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムにおいて、温度制御手段は、内燃機関の運転停止前に冷却水の供給量を増すように調節することを特徴とする。請求項11に記載の本発明によれば、内燃機関の運転停止前に冷却効果を高めておくことで、内燃機関の停止によって冷却水の供給が停止したとしても、熱電発電素子の高温部の表面温度がオーバーシュートして使用上限温度を超えないようにできる。
請求項12記載の本発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムにおいて、温度制御手段は、内燃機関の運転停止後に冷却水の供給を所定条件になるまで継続することを特徴とする。請求項12に記載の本発明によれば、内燃機関の運転停止後に熱電発電素子の高温部の表面温度がオーバーシュートして使用上限温度を超えないようにできる。
請求項13記載の本発明に対応した船舶においては、請求項1から請求項12のいずれかに記載の船舶用熱電発電システムを搭載したことを特徴とする。請求項13に記載の本発明によれば、船舶の内燃機関から排出される排気ガスや内燃機関を冷却する冷却水を利用し、安定した長期の発電運転を維持することができる船舶用熱電発電システムを利用できる。
本発明によれば、ミキサ手段で供給する冷却水を調節して高温部における温度を制御する温度制御手段を備えたことで、熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整し、安定した長期の発電運転を維持することができる。また、ミキサ手段が熱電発電手段の上流側に設けられているため、排気ガスの温度を迅速に低下できる。また、シャワー状に噴射することで、更に排気ガスの温度を迅速に均一に低下できる。また、排気ガス経路の内面に伝熱フィンが設けられているため、排気ガス経路からの受熱量を増やすことができる。
また、熱電発電手段の使用上限温度に基づいて温度制御手段を制御する場合には、用いる熱電発電手段の仕様に応じて、熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整することができる。
また、高温部における温度を検出する温度検出手段を備え、温度制御手段が温度検出手段の検出値と使用上限温度とに基づいてミキサ手段を制御する場合には、熱電発電手段を、使用上限温度を超えた高温にさらすことなく、安定した長期の発電運転を維持することができる。
また、温度制御手段が、使用上限温度以下の温度で高温部と低温部との温度差を調節して熱電発電手段の発電出力を制御する場合には、発電量を向上させることができる
た、冷却水が、少なくとも内燃機関の運転中に取水手段により連続的に取水され、内燃機関を冷却した後に連続的に排出される場合には、冷却水を循環させる場合と比べて、安定して冷却効果を得ることができる。
また、冷却水経路には、取水した冷却水の一部を分岐して流す場合には、冷却水経路に流す冷却水とは別にミキサ手段に冷却水を供給することができ、内燃機関の冷却効果を損なうことが防止できる。
また、温度制御手段が、冷却水経路に設けた流量調節バルブを調節して冷却水の流量を制御する場合には、排気ガスの温度低下量を調整できるため、発電量を低下させることなく熱電発電手段の高温部の表面温度を適切な温度に調整できる。
また、熱電発電手段が、排気ガス経路の周囲に複数の熱電発電素子を配置し、更に熱電発電素子を冷却水経路で挟持して構成した場合には、排気ガス経路からの受熱と、冷却水経路への放熱を効率よく行える
た、熱電発電素子の周囲に圧縮性と耐熱性を有したシール材を設け、シール材を排気ガス経路と冷却水経路とで挟持した場合には、シール材によって熱電発電素子の結露や塩害を防止することができ、耐久性能を高めることができる。また、それぞれの熱電発電素子にかかる面圧を均等にしやすくなるため、発電効率を高めることができる。
また、冷却水経路の冷却水の流れ方向は、排気ガス経路の排気ガスの流れ方向と対向している場合には、流れ方向に熱電発電素子を併設した場合でも、それぞれの熱電発電素子における高温部と低温部との温度差を均一にでき、また高温部と低温部との温度差を大きくでき、発電効率を高めることができる。
また、温度制御手段が、内燃機関の運転停止前に冷却水の供給量を増すように調節する場合には、内燃機関の運転停止前に冷却効果を高めておくことで、内燃機関の停止によって冷却水の供給が停止したとしても、熱電発電素子の高温部の表面温度がオーバーシュ―トし使用上限温度を超えないようにできる。
また、温度制御手段が、内燃機関の運転停止後に冷却水の供給を所定条件になるまで継続する場合には、内燃機関の運転停止後に熱電発電素子の高温部の表面温度がオーバーシュ―トし使用上限温度を超えないようにできる。
また、本発明の船舶によれば、船舶の内燃機関から排出される排気ガスや内燃機関を冷却する冷却水を利用し、安定した長期の発電運転を維持することができる船舶用熱電発電システムを利用できる。
本発明の実施形態による船舶用熱電発電システムの構成図 同船舶用熱電発電システムの熱電発電手段の横断面図 同熱電発電手段の要部縦断面図 同熱電発電手段の熱電発電素子とシール材を示す平面図 同熱電発電手段における熱電発電素子の電気的接続と冷却水・排気ガスの流れを示す構成図 同船舶用熱電発電システムのミキサ手段を示す要部拡大断面図及びA−A’断面図
以下に、本発明の実施形態による船舶用熱電発電システムについて説明する。
図1は本発明の実施形態による船舶用熱電発電システムの構成図、図2は同船舶用熱電発電システムの熱電発電手段の横断面図、図3は同熱電発電手段の要部縦断面図、図4は同熱電発電手段の熱電発電素子とシール材を示す平面図、図5は同熱電発電手段における熱電発電素子の電気的接続と冷却水・排気ガスの流れを示す構成図である。
図1に示すように、船舶1は内燃機関10を搭載している。内燃機関10から排出される排気ガスは、排気管で構成される排気ガス経路20を通って船外に排出される。内燃機関10には、冷却水経路30から冷却水が供給される。冷却水は、少なくとも内燃機関10の運転中に取水手段31により連続的に取水され、内燃機関10を冷却した後に連続的に排出される。
排気ガス経路20の下流には、混合手段21を設けている。混合手段21では、冷却水経路30から供給される冷却水を、排気ガス経路20内に噴射して排気ガスの温度を低下している。
混合手段21より上流の排気ガス経路20には、熱電発電手段40を設けている。熱電発電手段40は、加熱ブロック41と冷却ブロック42と熱電発電素子43とで構成される。加熱ブロック41は、排気ガス経路20の一部で構成され、冷却ブロック42は、冷却水経路30の一部で構成される。
熱電発電手段40より上流の排気ガス経路20には、ミキサ手段50を設けている。ミキサ手段50では、冷却水経路30から供給される冷却水を排気ガス経路20の排気ガスに混合させる。
温度制御手段61は、冷却水経路30に設けた流量調節バルブ33を調節して冷却水の流量を制御し、ミキサ手段50から供給する冷却水を調節して排気ガス経路20を流れる排気ガスの温度、すなわち熱電発電手段40での高温部における温度を制御する。
また、温度制御手段61は、冷却水経路30に設けた流量調節バルブ34を調節して冷却水の流量を制御し、冷却ブロック42に供給する冷却水を調節して、熱電発電手段40での低温部における温度を制御する。
熱電発電手段40には、高温部における温度を検出する温度検出手段62を備えている。なお、温度検出手段62は、熱電発電手段40の上流側の排気ガス経路20を流れる排気ガスの温度を検出し、熱電発電手段40の高温部の温度を推定してもよい。
温度制御手段61は、温度検出手段62の検出値と熱電発電素子43の使用上限温度に基づいてミキサ手段50を制御することで、熱電発電素子43を、使用上限温度を超えた高温にさらすことなく、安定した長期の発電運転を維持することができる。
また、温度制御手段61は、熱電発電素子43の使用上限温度以下の温度で高温部と低温部との温度差を調節して熱電発電手段40の発電出力を制御することで、発電量を向上させることができる。
また、温度制御手段61は、冷却水経路30に設けた流量調節バルブ34を調節して冷却水の流量を制御することで、排気ガスの温度低下量を調整できるため、発電量を低下させることなく熱電発電手段40の高温部の表面温度を適切な温度に調整できる。
また、温度制御手段61は、内燃機関10の運転停止前にミキサ手段50及び/又は冷却ブロック42に供給する冷却水の供給量を増すように調節することが好ましい。例えば、内燃機関10の起動停止を行う起動停止手段63が、運転停止指示があった後、内燃機関10の停止制御を行う前、又は内燃機関10が実際に運転を停止するまでの間に温度制御手段61に信号を出力することで、内燃機関10の運転停止前に冷却水の供給量を増すように調節することができる。内燃機関10の運転停止前に冷却効果を高めておくことで、内燃機関10の停止によって冷却水の供給が停止しても、熱電発電素子43の高温部の表面温度がオーバーシュ―トして使用上限温度を超えないようにできる。
また、温度制御手段61は、内燃機関10の運転停止後に冷却水の供給を所定条件になるまで継続してもよい。例えば、内燃機関10の起動停止を行う起動停止手段63が、内燃機関10の停止指示を行う時に温度制御手段61に信号を出力することで、内燃機関10の運転停止後に冷却水の供給を所定条件になるまで継続することができる。この所定条件とは、所定の時間や熱電発電素子43の高温部の温度が所定の温度以下になること等をいう。内燃機関10の運転停止後に冷却水の供給を所定条件になるまで継続することで、内燃機関10の運転停止後に熱電発電素子43の高温部の表面温度がオーバーシュ―トして使用上限温度を超えないようにできる。
冷却水経路30には、内燃機関10への冷却水の流量を調整する流量調節バルブ35、及び混合手段21への冷却水の流量を調整する流量調節バルブ36を設けている。これら流量調節バルブ35、36は、温度制御手段61によって調節される。
なお、図1では、内燃機関10を冷却した冷却水を、流量調節バルブ33を介してミキサ手段50に供給し、流量調節バルブ34を介して冷却ブロック42に供給しているが、内燃機関10に供給される前の冷却水を分岐して、流量調節バルブ33を介してミキサ手段50に供給し、流量調節バルブ34を介して冷却ブロック42に供給してもよい。このように、ミキサ手段50又は冷却ブロック42に供給される冷却水は、内燃機関10を冷却した後の冷却水又は内燃機関10に供給される前の冷却水を任意に組み合わせて使用することができる。内燃機関10を冷却した後の冷却水をミキサ手段50及び冷却ブロック42に供給する場合は、冷却水経路30が簡素化できる。この船舶1の内燃機関10の場合、冷却水は循環することなく内燃機関10を冷却した後、直ちに船外に排出されるため、内燃機関10を冷却した後の冷却水温度は高いものではなく、熱電発電手段40の低温部に供給しても十分に使用できるものである。
図2及び図3に示すように、排気ガス経路20を構成する加熱ブロック41の内面には伝熱フィン22を設けている。それぞれの伝熱フィン22は、加熱ブロック41の内面から排気ガス経路20の中心に向かって立設され、上流より下流の高さを高くしている。それぞれの伝熱フィン22の間には、排気ガスが流れる流路を形成している。伝熱フィン22を設けることで、排気ガス経路20からの受熱量を増やすことができる。
熱電発電手段40は、排気ガス経路20の周囲に複数の熱電発電素子43を配置し、更に熱電発電素子43を冷却ブロック42でばねにより挟持して構成される。
熱電発電素子43は、一方の面が高温部、他方の面が低温部であり、高温部で加熱ブロック41(排気ガス経路20)から受熱し、低温部で冷却ブロック42(冷却水経路30)へ放熱することにより発電を行なう。
熱電発電素子43は、排気ガス経路20と冷却水経路30との間に挟持されることで、排気ガス経路20からの受熱と、冷却水経路30への放熱を効率よく行える。
図3及び図4に示すように、熱電発電素子43の周囲に圧縮性と耐熱性を有したシール材44を設けている。シール材44は加熱ブロック41と冷却ブロック42とで挟持される。シール材44を設けることで、加熱ブロック41及び冷却ブロック42への熱電発電素子43の密着性を高め、熱電発電素子43の結露や塩害を防止することができ、耐久性能を高めることができる。また、それぞれの熱電発電素子43にかかる面圧を均等にしやすくなり、発電効率を高めることができる。
図5に示すように、本実施形態の船舶用熱電発電システムでは、排気ガスの流れ方向に3枚、円周方向に8枚の熱電発電素子43を用いている。冷却水経路30の冷却水の流れ方向は、排気ガス経路20の排気ガスの流れ方向と対向している。冷却水経路30の冷却水の流れ方向と排気ガス経路20の排気ガスの流れ方向とを対向することで、排気ガスの流れ方向に熱電発電素子43を併設した場合でも、それぞれの熱電発電素子43における高温部と低温部との温度差を均一にでき、また高温部と低温部との温度差を大きくでき、発電効率を高めることができる。
図6に示すように、ミキサ手段50は、冷却水経路30から冷却水を導入する導入口51と、リング状空間52と、排気ガス経路20に開口する開口部53とを有している。
リング状空間52は、排気ガス経路20の外周にリング状に形成されている。開口部53は、リング状に多数設けており、冷却水を排気ガスの流れ方向に噴射する。
冷却水は、導入口51からリング状空間52に導かれ、開口部53から排気ガス経路20に噴射される。
リング状に設けた多数の開口部53から冷却水を排気ガスの流れ方向に噴射することで、排気ガスの温度を迅速に低下できるとともに、排気ガスの流れを阻害しないことで内燃機関10への負荷を増す悪影響を防止できる。開口部53は、多孔構造となっており、冷却水をシャワー状に噴射することが好ましい。シャワー状に噴射することで更に排気ガスの温度を迅速に低下できる。
以上のように、本実施形態による船舶用熱電発電システムは、ミキサ手段50で供給する冷却水を調節して高温部における温度を制御する温度制御手段61を備えたことで、熱電発電手段40の高温部の表面温度を適切な温度に調整し、安定した長期の発電運転を維持することができる。
また、熱電発電手段40で用いる熱電発電素子43の使用上限温度に基づいて温度制御手段61を制御することで、用いる熱電発電素子43の仕様に応じて、熱電発電手段40の高温部の表面温度を適切な温度に調整することができる。
本発明の船舶用熱電発電システムを搭載することで、船舶の内燃機関から排出される排気ガスや内燃機関を冷却する冷却水を利用し、安定した長期の発電運転を維持することができる。
1 船舶
10 内燃機関
20 排気ガス経路
30 冷却水経路
31 取水手段
33 流量調節バルブ
34 流量調節バルブ
40 熱電発電手段
41 加熱ブロック
42 冷却ブロック
43 熱電発電素子
44 シール材
50 ミキサ手段
51 開口部
61 温度制御手段
62 温度検出手段
63 起動停止手段

Claims (13)

  1. 船舶の内燃機関から排出される排気ガスの通る排気ガス経路と、
    前記内燃機関を冷却する冷却水の通る冷却水経路と、
    高温部で前記排気ガス経路から受熱し、低温部で前記冷却水経路へ放熱することにより発電を行なう熱電発電手段と、
    前記冷却水を前記排気ガス経路の前記排気ガスに混合させるミキサ手段と、
    前記ミキサ手段で供給する前記冷却水を調節して前記高温部における温度を制御する温度制御手段と
    を備えるとともに、
    前記熱電発電手段が配置された前記排気ガス経路の内面に伝熱フィンを設け、
    前記ミキサ手段を前記熱電発電手段の上流側に隣接して設け、
    かつ前記ミキサ手段に設けた開口部から前記伝熱フィンに向けて前記冷却水をシャワー状に噴射することを特徴とする船舶用熱電発電システム。
  2. 前記熱電発電手段の使用上限温度に基づいて前記温度制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の船舶用熱電発電システム。
  3. 前記高温部における前記温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度制御手段が前記温度検出手段の検出値と前記使用上限温度とに基づいて前記ミキサ手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の船舶用熱電発電システム。
  4. 前記温度制御手段は、前記使用上限温度以下の温度で前記高温部と前記低温部との温度差を調節して前記熱電発電手段の発電出力を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の船舶用熱電発電システム。
  5. 前記冷却水は、少なくとも前記内燃機関の運転中に取水手段により連続的に取水され、前記内燃機関を冷却した後に連続的に排出されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システム。
  6. 前記冷却水経路には、取水した前記冷却水の一部を分岐して流すことを特徴とする請求項に記載の船舶用熱電発電システム。
  7. 前記温度制御手段は、前記冷却水経路に設けた流量調節バルブを調節して前記冷却水の流量を制御することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システム。
  8. 前記熱電発電手段は、前記排気ガス経路の周囲に複数の熱電発電素子を配置し、更に前記熱電発電素子を前記冷却水経路で挟持して構成したことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の船舶用熱電発電システム。
  9. 前記熱電発電素子の周囲に圧縮性と耐熱性を有したシール材を設け、前記シール材を前記排気ガス経路と前記冷却水経路とで挟持したことを特徴とする請求項に記載の船舶用熱電発電システム。
  10. 前記冷却水経路の前記冷却水の流れ方向は、前記排気ガス経路の前記排気ガスの流れ方向と対向していることを特徴とする請求項8又は請求項に記載の船舶用熱電発電システム。
  11. 前記温度制御手段は、前記内燃機関の運転停止前に前記冷却水の供給量を増すように調節することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の船舶用熱電発電システム。
  12. 前記温度制御手段は、前記内燃機関の運転停止後に前記冷却水の供給を所定条件になるまで継続することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の船舶用熱電発電システム。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載した船舶用熱電発電システムを搭載したことを特徴とする船舶。
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