JP6120133B2 - 人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物 - Google Patents

人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物 Download PDF

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Description

本発明は、人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物に関する。より詳しくは、免疫グロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなる単鎖可変断片(ScFv、single chein variable fragmentともいう)であって、該重鎖可変領域が互いに異なる複数種の単鎖可変断片を有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物に関する。また、本発明は、本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を投与することを含む、感染症または炎症性疾患の治療方法、並びに本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の、感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物の製造における使用に関する。
免疫グロブリン(Ig)は、抗体およびこれと構造上・機能上の関連性のあるタンパク質の総称である。つまり、結合する抗原が明らかになっている免疫グロブリンを、その特定抗原に対応させて抗体と呼んでいる。免疫グロブリンの基本的な分子構造は、軽鎖(L鎖、light chainともいう)と重鎖(H鎖、heavy chainともいう)の大小2種類のポリペプチド2本ずつがジスルフィド結合により連結したものである。重鎖は3つの領域(CH1 C H2 、CH3) からなる定常領域(C領域、constant reagionともいう)とVH領域からなる可変領域(V領域、variable reagionともいう)が連結された構造である。IgMとIgEを除く免疫グロブリンには、CH1とCH2の間にヒンジ(hinge)部分と呼ばれるペプチドが存在する。軽鎖は、CL領域からなる定常領域とVL領域からなる可変領域が連結された構造である。可変領域のアミノ酸配列には多様性があり、これによって多様な抗原に対する多様な抗体が生体内で作られている。
従来臨床的に使用されてきた免疫グロブリン製剤は、ヒトの血液から抽出した免疫グロブリンを濃縮した血液製剤であり、細菌などの侵入異物と抗原抗体反応を起こし、生体を守る作用を有する。近年、免疫グロブリン製剤は、重症感染症の他に、特発性血小板減少性紫斑病、無ガンマグロブリン血症、川崎病急性期、ギラン・バレー症候群や血管炎であるチャーグ・ストラウス症候群などにも使用されるようになってきている。そして、これらの治療には、静脈を経由して大量に免疫グロブリンを投与する「IVIg治療」がよく用いられている。このIVIg治療は、最近では難治性血管炎などの治療法としても注目されており、その他、国際的にも種々の疾患の治療法として重要視されている。さらに、自己免疫疾患にIVIg治療が認可され、これにともない膠原病や筋無力症を対象として、つぎつぎとIVIg治療が始まっている。また、IVIg治療は川崎病では20年にわたる治療実績があり、最近では2g/kg体重の単回投与がより有効であることで認可されている。以上のように、IVIgは重症度の高い疾患や原因不明の難治性疾患にきわめて有効である。また、IVIgは副作用がほとんどない点でも有用な治療法である。
免疫グロブリン製剤の作用機序については、いくつかの仮説がある。一つの仮説は、免疫グロブリン製剤に含まれている、未知の抗原に対する抗体を含めた多種類の抗体が薬理効果を発揮しているという説である。また別の仮説は、多種類の抗体のうちのミエロペルオキシダーゼ(MPO)に対する抗体(抗MPO抗体)にその効果があり、特にMPOの広範なエピトープに対する多種類の抗MPO抗体が薬理効果を発揮しているという説である。両説において共通していることは、免疫グロブリン製剤が多様な免疫グロブリンの混合物であること、すなわちポリクローナルなものであることが治療効果に大きく寄与しているということである。その他にも仮説があるが、例示した2つの仮説はいずれも有力なものである。
現在、臨床的に使用されている免疫グロブリン製剤は血液製剤であるため、原料に由来するウイルスなどの未知の病原体が混入するリスクが常に存在する。事実、病原ウイルスに汚染された血液製剤によって薬害が起こり、大きな社会問題となっている、さらに、対応疾患の増大とともに原料となる血液が不足することも予想されており、血液製剤の免疫グロブリン製剤は安定供給にも不安がある。
このような状況において、患者の感染リスクを減少させ、かつ免疫グロブリン製剤の治癒機転を明らかにする上でも、人工合成品の免疫グロブリン製剤が求められている。人工免疫グロブリン製剤の製造のために、免疫グロブリンの遺伝子を取得し、組換えDNA技術を用いて該遺伝子を発現させ、純化した免疫グロブリンを取得する方法が行われている。例えば、免疫グロブリンの可変領域のみをマウス由来のものに置き換えたキメラ型抗体(特許文献1)や、可変領域の中のCDR領域のみをマウス由来のものに置き換えたヒト化抗体(特許文献2)が、組換えDNA技術によって製造可能である。キメラ型抗体やヒト化抗体は抗体医薬としてすでに実用化されている。また、免疫グロブリン遺伝子を宿主細胞内で可溶状態の正常型タンパク質として発現させる技術として、免疫グロブリンをシャペロニンとの融合タンパク質として発現させる例も知られている(特許文献3)。しかし、これらはすべて単一分子の免疫グロブリン、すなわちモノクローナルの免疫グロブリンである。また、cDNAクローンの性状が不安定であることから、精製品の品質が不安定であり、免疫グロブリン製剤としての治療効果や品質管理上に問題がある。
特開平5−304989 号公報。 特開2000−14383号公報。 特開2004−81199号公報。 特開2005−312445号公報。
血液製剤に代わる人工免疫グロブリン製剤の提供が求められているが、上述のように現在製造されている人工免疫グロブリンはモノクローナルの免疫グロブリンであり、免疫グロブリン製剤としての治療効果や品質管理上に問題がある。
人工免疫グロブリン製剤の効果には、該製剤が多様な免疫グロブリンの混合物であること、すなわちポリクローナルな免疫グロブリンであることが大きく寄与する。ポリクローナル免疫グロブリン混合物の製造は、多様な免疫グロブリン可変領域に対応する複数種の組換えベクターを調製して組換えベクター混合物を調製し、多様な免疫グロブリン可変領域に対応する複数種のポリペプチドを組換え体内で発現させてそれらのポリペプチド混合物を調製することにより実施できる。しかしながら、このような方法で製造された人工ポリクローナル免疫グロブリン混合物には、精製品の性状が一定しないという問題点があった。
本発明者は、上記問題点を解決すべく、免疫グロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなる単鎖可変断片(ScFv)をコードする複数種の遺伝子の発現用ベクターの混合物を調製することを含む人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法を考案した(特許文献4)。
本発明の課題は、治療効果および安全性が高く、かつ安定的な大量供給が可能な人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく、免疫グロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなる単鎖可変断片(ScFv)であって、該重鎖可変領域が互いに異なる複数種の単鎖可変断片の混合物を、免疫グロブリンを発現している組織または細胞に由来するcDNAから組換えDNA技術を用いて製造し、その効果を血管炎モデルマウスを用いて検証した。その結果、配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204のポリペプチドの混合物が、血管炎モデルマウスにおける血管炎症状を軽減することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する:
1.配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドを有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物、
2.配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドを含む感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物、
3.配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドを含む血管炎治療用医薬組成物、
4.配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドを有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を投与することを含む、感染症または炎症性疾患の治療方法、
5.感染症または炎症性疾患が血管炎である上記4.の治療方法、
6.配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドの、感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物の製造における使用、
7.感染症または炎症性疾患が血管炎である上記6.の使用。
本発明によれば、免疫グロブリンを発現している組織または細胞に由来するcDNAから組換えDNA技術を用いて製造した、免疫グロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなる単鎖可変断片(ScFv)であって、該重鎖可変領域が互いに異なる複数種の単鎖可変断片を有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を提供できる。例えば、配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204のポリペプチドを有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を提供できる。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、血液由来の免疫グロブリン製剤と同様に多様の免疫グロブリンを含んでいる。したがって、本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、治療効果が高く、さらに感染リスクが極めて低いために安全性が高く、かつ安定的な大量供給が可能である。そのため、本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、IVIg治療に極めて有用である。
ヒト単鎖可変断片(hScFv)のクローニングについて説明する図である。(実施例1) 複数種のhScFvからなる混合物の治療効果を、血管炎自然発症モデルマウスであるSCG/Kjマウスを使用して検証したスケジュールを説明する図である。(実施例2) hScFv混合物の投与により、血管炎の指標である血清中MPO−ANCA値の減少が認められたことを示す図である。図中、記号「*」は、有意差(P<0.05)があることを示す。(実施例2) hScFv混合物の投与により、脾臓重量の低下傾向が認められたことを示す図である。(実施例2) hScFv混合物の投与により、末梢血中の白血球数およびリンパ球数が低下したことを示す図である。図中、記号「*」は、有意差(P<0.05)があることを示す。(実施例2) hScFv混合物の投与により、末梢血中の単球数および顆粒球(好中球)数が低下したことを示す図である。(実施例2) hScFv混合物の投与により、末梢血中の血小板数が低下したことを示す図である。図中、記号「*」は、有意差(P<0.05)があることを示す。(実施例2)
本発明は、人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物に関する。より詳しくは、本発明は、免疫グロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなる単鎖可変断片(ScFv)であって、該重鎖可変領域が互いに異なる複数種の単鎖可変断片を有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物に関する。
ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、抗原特異性の異なる複数種の免疫グロブリンを含む組成物を意味する。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、好ましくは、配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204のポリペプチドを有効成分として含む人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物である。本ポリペプチドは、ヒトガンマグロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH1−hinge)とからなるヒト単鎖可変断片(hScFv)であって、健常成人末梢血単核球から抽出したRNAから組換えcDNA技術を使用して製造されたポリペプチドである。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、必要に応じて、医薬用に許容される担体(医薬用担体)を含む医薬組成物として製造できる。
医薬用担体は、製剤の使用形態に応じて通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤および賦形剤を例示できる。これらは得られる製剤の投与形態に応じて適宜選択して使用される。より具体的には、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトースを例示できる。これらは、本薬剤の剤形に応じて適宜1種類または2種類以上を組み合わせて使用される。そのほか、安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、界面活性剤、およびpH調整剤などを適宜使用することもできる。安定化剤は、例えばヒト血清アルブミンや通常のL−アミノ酸、糖類、セルロース誘導体を例示できる。L−アミノ酸は、特に限定はなく、例えばグリシン、システイン、グルタミン酸などのいずれでもよい。糖類も特に限定はなく、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース、果糖などの単糖類、マンニトール、イノシトール、キシリトールなどの糖アルコール、ショ糖、マルトース、乳糖などの二糖類、デキストラン、ヒドロキシプロピルスターチ、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの多糖類などおよびそれらの誘導体などのいずれでもよい。セルロース誘導体も特に限定はなく、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのいずれでもよい。界面活性剤も特に限定はなく、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のいずれも使用できる。界面活性剤には、例えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ソルビタンモノアシルエステル系、脂肪酸グリセリド系などが包含される。緩衝剤は、ホウ酸、リン酸、酢酸、クエン酸、ε−アミノカプロン酸、グルタミン酸および/またはそれらに対応する塩(例えばそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩)を例示できる。等張化剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、グリセリンを例示できる。キレート剤は、例えばエデト酸ナトリウム、クエン酸を例示できる。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物に含まれる有効成分の量は、広範囲から適宜選択される。通常約0.00001−70重量%、好ましくは0.0001−5重量%程度の範囲である。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の用量範囲は特に限定されず、含有される成分の有効性、投与形態、投与経路、疾患の種類、対象の性質(体重、年齢、病状および他の医薬の使用の有無など)、および担当医師の判断などに応じて適宜選択される。一般的には適当な用量は、例えば対象の体重1kgあたり0.01μg乃至100mg程度、好ましくは約0.1μg乃至1mg程度の範囲である。しかしながら、当該分野においてよく知られた最適化のための一般的な常套的実験を用いてこれらの用量の変更を行うことができる。上記投与量は1日1回乃至数回に分けて投与することができる。また、必要に応じて、従来行われていたIVIg治療で使用されていた用量を参考にして、大量に投与することも可能である。
投与経路は、全身投与または局所投与のいずれも選択することができる。この場合、疾患、症状などに応じた適当な投与経路を選択する。本発明に係る薬剤は、経口経路および非経口経路のいずれによっても投与できる。非経口経路としては、通常の静脈内投与、動脈内投与のほか、皮下、皮内、筋肉内などへの投与を挙げることができるが、静脈内投与がより好ましい。特に、IVIg治療で大量に投与する場合は、静脈内投与により投与されることが好ましい。
剤形は、特に限定されず、種々の剤形とすることができる。例えば、溶液製剤として使用できるほかに、これを凍結乾燥化し保存し得る状態にした後、用時、水や生理的食塩水などを含む緩衝液などで溶解して適当な濃度に調製した後に使用することもできる。また持続性剤形または徐放性剤形であってもよい。
具体的には、非経口剤としては、例えば、静脈内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤などの注射剤、経皮投与または貼付剤、軟膏またはローション、口腔内投与のための舌下剤、口腔貼付剤、並びに経鼻投与のためのエアゾール剤、坐剤とすることができるが、これらに限定されない。経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができる。これらの製剤は、製剤工程において通常用いられる公知の方法により製造することができる。
注射剤を調製する場合は、上記化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤などを添加し、常法により皮下、筋肉内および静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤および緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを挙げることができる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオグリコール酸、チオ乳酸などを挙げることができる。局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどを挙げることができる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖などを例示できる。
経口用固形製剤を調製する場合は、上記有効成分に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などを製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸などを、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどを、崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などを、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどを、矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などを例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、上記化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤などを加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤などを製造することができる。この場合矯味剤としては上記に挙げられたもので良く、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウムなどが、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチンなどを挙げることができる。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、免疫グロブリン投与治療、例えばIVIgが奏功する疾患の治療に有用である。このような疾患として、感染症、炎症性疾患、特発性血小板減少性紫斑病、無ガンマグロブリン血症、川崎病急性期、ギラン・バレー症候群、並びに血管炎であるチャーグ・ストラウス症候群など、好ましくは感染症および炎症性疾患、より好ましくは血管炎を例示できる。本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の適用症はこれら疾患に限定されず、免疫グロブリン製剤が奏功する疾患であればいずれの疾患にも適用できる。
本発明はまた、本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を投与することを含む、感染症または炎症性疾患の治療方法を提供する。
本発明はさらに、配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表されるポリペプチドの、感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物の製造における使用を提供する。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の有効成分であるポリペプチドは、例えば組換えDNA技術を使用して製造できる。具体的にはまず、複数種の該ポリペプチドをコードする複数種の遺伝子を混合し、得られた遺伝子混合物を適当なベクターに接触させて組込み、得られた組換えベクターの混合物を、適当な宿主内にトランスフェクションし、得られた形質転換体を培養して該複数種の遺伝子を発現させ、該培養物からそれら遺伝子によりコードされるポリペプチドの混合物を採取し、精製することにより製造できる。
ベクターは宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、宿主の種類および使用目的により適宜選択される。ベクターは、天然に存在するものを抽出したもののほか、複製に必要な部分以外のDNAの部分が一部欠落しているものでもよい。代表的なものとして、プラスミド、バクテリオファージおよびウイルス由来のベクターを例示できる。プラスミドとして、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミドなどを例示できる。バクテリオファージとして、λファージなどを例示できる。ウイルス由来のベクターとして、例えばレトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、パポバウイルス、SV40、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病ウイルスなどの動物ウイルス由来のベクター、あるいはバキュロウイルスなどの昆虫ウイルス由来のベクターを例示できる。その他、トランスポゾン由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来のベクターなどを例示できる。あるいは、これらを組合せて作成したベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファージの遺伝学的エレメントを組合せて作成したベクター(コスミドやファージミドなど)を例示できる。
ベクターには、目的遺伝子の機能が発揮されるように遺伝子を組込むことが必要であり、少なくとも目的遺伝子配列とプロモーターとをその構成要素とする。これら要素に加えて、所望によりさらに、複製そして制御に関する情報を担持した遺伝子配列、例えば、リボソーム結合配列、ターミネーター、シグナル配列、エンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、および選択マーカーなどから選択した1つまたは複数の遺伝子配列を自体公知の方法により組合せてベクターに組込むことができる。選択マーカーとして、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子などを例示できる。
ベクターに目的遺伝子配列を組込む方法は、自体公知の方法を適用できる。例えば、目的遺伝子配列を適当な制限酵素により処理して特定部位で切断し、次いで同様に処理したベクターと混合し、リガーゼによって再結合する方法が使用される。あるいは、目的遺伝子配列に適当なリンカーをライゲーションし、これを目的に適したベクターのマルチクローニングサイトへ挿入することによっても、所望の組換えベクターが得られる。
宿主として、原核生物および真核生物のいずれも使用できる。原核生物として、例えば大腸菌(エシェリヒアコリ(Escherichia coli))などのエシェリヒア属、枯草菌などのバシラス属、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス属、リゾビウムメリロティ(Rhizobium meliloti)などのリゾビウム属に属する細菌を例示できる。真核生物として、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などの酵母、Sf9やSf21などの昆虫細胞、あるいはサル腎由来細胞(COS細胞、Vero細胞)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、ラットGH3細胞、ヒトFL細胞や293EBNA細胞、アフリカツメガエル卵母細胞などの動物細胞を例示できる。
ベクターの宿主細胞への導入は、自体公知の手段が応用でき、例えば成書に記載されている標準的な方法(サムブルック(Sambrook)ら編、「モレキュラークローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第2版」、1989年、コールドスプリングハーバーラボラトリー)により実施できる。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の有効成分であるポリペプチドは、免疫グロブリンの重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域一部(CH1)とを含む融合タンパク質である。抗体重鎖定常領域はその抗体の安定性に寄与するため、本発明に係るポリペプチドは安定性が高く、より血中半減期が長い人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物を提供することができる。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物の有効成分であるポリペプチドは、そのしたがって、製造において宿主細胞として大腸菌を使用して製造できるため、大量培養が容易である。本発明に係るポリペプチドは、簡便かつ大量に製造することができるため、安定的な大量供給が可能である。
本発明に係る人工ポリクローナル免疫グロブリン組成物は、血液由来の免疫グロブリン製剤と同様に多様の免疫グロブリンを含んでいる。したがって、従来の免疫グロブリン製剤と同様の効果を有する。また、人工的に製造されているためにウイルスなどの微生物を含まず、感染リスクが極めて少く、非常に安全性が高い。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。下記実施例において、免疫グロブリン遺伝子を抽出するために使用した血液試料の採取は全て、インフォームドコンセントを行って血液提供者の意思確認した後に実施したものである。
ヒト人工ガンマグロブリンのクローニングと、その大量培養およびタンパク精製を行った。ヒト人工ガンマグロブリンとして、ヒトガンマグロブリンの重鎖可変領域と重鎖定常領域1とヒンジ部分(VH−CH−hinge)とからなるヒト単鎖可変断片(hScFv)を、特許文献4に記載の方法により製造した。
1.hScFvのクローニング(図1)
インフォームドコンセントを得た健常成人20人の末梢血より末梢血単核球(mononuclear cell;MNC)を分離し、そこからトータルRNAを常法により抽出してプールした。VHの5’端末およびヒンジ領域の3’端末のコンセンサス配列を用いてプライマーを設定した。トータルRNAを鋳型として、コンセンサスプライマーで逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCT)を行いVH−CH1−hingeをコードするポリクローナルなcDNAを得た。3’端末にヒスチジン6個をコードする配列を付加した3’端末側プライマーを用いてcDNAの3’端末にヒスチジンタグコード領域を付加するとともに、5’末端には16塩基のベクターとの相同配列を付加した。In−Fusionシステムを用いてpBADベクターに相同入れ替えによってcDNAを組み込み、ヒートショック法により大腸菌を形質転換させた。アンピシリン含有選択培地上で生育できる形質転換した菌のコロニーを1000クローン拾い上げ、個々のクローンからプラスミドDNAを抽出してベクター内に組み込まれたcDNAの塩基配列を蛍光ターミネータを用いたサンガー法により分析し決定した。また個々のクローンの菌体からタンパク抽出を行い硫酸ドデシルナトリウム−ポリアクリル電気泳動(SDS−PAGE)で展開した後、ウエスタンブロットにより抗ヒトFab抗体を用いて、VH−CH1−hingeがタンパクとして合成されているかを確認した。配列解析からVH−CH1−hingeのポリペプチドを発現できる272クローンから、重複しているクローンや、VH−CH1−hingeの構造が壊れているクローン(異構造クローン21、重複クローン46)を除き、最終的にユニーク配列を持つ204クローンを得た。これらのクローンを混合し組換えタンパクを発現させた。
2.hScFvの大量培養とタンパク精製
クローニングで得られたVH−CH1−hingeタンパクを発現するクローンを500mlのLB培地に混合して37℃で16時間培養し、最終濃度15%のグリセロールを加え、10mlづつチューブに分注し、−80℃で凍結保存し、マスターミックスシードとして使用した。5LのLB培地に溶解したマスターミックスシードを加え、37℃で6時間培養、OD600が0.4〜0.6になったところで、アラビノースを0.002%になるように添加し発現誘導し、さらに37℃にて16時間培養を行い、遠心により菌体を回収した。得られた菌体をトリス−エチレンジアミン四酢酸(Tris−EDTA)バッファー(pH8.0)に懸濁し、デオキシコール酸およびリゾチームを添加し、37℃で撹拌して菌体を可溶化し、さらにDNaseIを添加して大腸菌のDNAを分解し、超音波処理により十分に可溶化した。この懸濁液を高速遠心し不溶性画分(封入体)を沈殿させ、回収した。この不溶性画分を3M 尿素で洗浄し遠心により回収した後、8M 尿素で懸濁し室温で1昼夜放置し目的タンパクを可溶化した。高速遠心により不溶性画分を除去し、上清をニッケルキレートカラム(His−trap)によるクロマトグラフィーにより目的タンパクを分離した。さらに精製のためニッケルキレートカラム(His−trap)クロマトグラフィーを再度行い高度精製した。
3.エンドトキシンの除去(低減化)
得られた精製タンパクにはエンドトキシンが混入しており、これを除去するために、タンパク溶液を6M グアニジン塩酸を強アルカリにしたバッファーに対し透析し、強アルカリ環境の下に3昼夜放置し、エンドトキシンの加水分解を進め、10k ポアの限外濾過によって分解物を除去し、エンドトキシンの低減化を行った。
4.結果
配列表の配列番号1から204に記載のアミノ酸配列で表される204の異なるポリペプチドをコードする204のクローンが得られた。すなわち、204の異なるhScFvが得られた。204の異なるhScFvの混合物を精製した精製標品に含まれるエンドトキシン濃度は、10〜5ng/1mg hScFvであった。
実施例1で製造した複数種のhScFvからなる混合物の血管炎に対する治療効果を、血管炎自然発症モデルマウスであるSCG/Kjマウスを使用して検討した。使用したhScFv混合物は、配列表の配列番号1から204に記載のアミノ酸配列で表される204の異なるポリペプチドからなる。hScFv混合物は、0.45M アルギニン(Arg)、0.45% グリシン(Gly)、および0.9% 塩化ナトリウムを含む1.5% D−マンニトールに溶解して使用した。
まず、10週齢のSCG/KjマウスにhScFvを10〜40mg/Kg/dayの処方で腹腔内投与(ip)により5日間連続投与し、13週齢になったところで、COガスにて安楽殺、血管炎の指標である血清中のMPO−ANCA(myeloperoxidase−specific anti−neutrophil cytoplasmic antibody)値、脾臓重量、末梢血中の白血球数、リンパ球数、単球数、顆粒球(好中球)数、および血小板数を測定し、その結果により治療効果を判定した(図2)。
hScFv混合物の投与により、血管炎の指標である血清中MPO−ANCA値の減少が認められた(図3)。また、脾臓重量の低下傾向が認められ(図4)、さらに、末梢血中の白血球数、リンパ球数、単球数、顆粒球(好中球)数、血小板数が低下した(図5−A、5−B、および5−C)。以上の結果から、hScFv混合物の治療効果が認められた。
本発明は、感染症、炎症性疾患、特発性血小板減少性紫斑病、無ガンマグロブリン血症、川崎病急性期、ギラン・バレー症候群、並びに血管炎であるチャーグ・ストラウス症候群など、免疫グロブリン投与治療、例えばIVIgが奏功する疾患に関する医療分野において極めて有用である。

Claims (5)

  1. 配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204種のポリペプチドの全てを含む組成物
  2. 配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204種のポリペプチドの全てを有効成分として含む感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物。
  3. 配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204種のポリペプチドの全てを有効成分として含む血管炎治療用医薬組成物。
  4. 配列表の配列番号1から204に記載されたアミノ酸配列で表される204種のポリペプチドの全てを含む組成物の、感染症または炎症性疾患の治療用医薬組成物の製造における使用。
  5. 感染症または炎症性疾患が血管炎である請求項4に記載の使用。
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