JP4392375B2 - 人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法、並びに、免疫グロブリン製剤の製造方法 - Google Patents
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(1)免疫グロブリンを発現している組織又は細胞に由来するcDNAから、互いに異なる免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドをコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子の混合物を調製する工程、
(2)該遺伝子の混合物をベクターに接触させ、互いに異なる遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターの混合物を調製する工程、
(3)該組換えベクターの混合物を宿主細胞に接触させ、互いに異なる組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体の混合物を調製する工程、
(4)該組換え体の混合物を混合培養し、該培養物から、互いに異なる複数種の免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドの混合物を封入体として得る工程、
(5)該封入体を可溶化する工程、
を含み、
前記ポリペプチドがscFvであり、前記組換え体が大腸菌であることを特徴とする人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法である。
(A)互いに異なる免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドを発現する複数種の組換え体を混合培養し、該培養物から、互いに異なる複数種の免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドの混合物を封入体として得る工程、
を含み、
前記ポリペプチドがscFvであり、前記組換え体が大腸菌であることを特徴とする人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法である。
(B)工程(A)で得られた封入体を可溶化する工程、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法である。
1.マウスscFv遺伝子の調製
マウス由来MPOを免疫したMPO−KOマウス(アラタニら(Y. Aratani et al.)、インフェクション アンド イミュニティ(Infection and Immunity)、第67巻、第1828−1836頁、1999年)の脾臓より、RNA Extraction Kit(アマシャムバイオサイエンス社)、及びmRNA Purification Kit(アマシャムバイオサイエンス社)を用いてmRNAを抽出・精製し、さらに、First−Strand cDNA Synthesis Kit(アマシャムバイオサイエンス社)によってオリゴdTプライマー法を用いて、それぞれのcDNAを合成した。PCR反応溶液100μL(mm3)中、100μgのcDNAを鋳型とし、フォワードプライマーとして配列番号1〜18に示されるオリゴヌクレオチドの当量混合物100pmole、リバースプライマーとして配列番号19〜22で示されるオリゴヌクレオチドの当量混合物100pmoleを用い、94℃で30秒、63℃で30秒、56℃で30秒、及び72℃で60秒の4ステップを30サイクル行うPCRを行い、各マウス由来VL遺伝子を増幅させた。ホットスタートPCRを行うため、DNAポリメラーゼはTaKaRa Ex Taq Hot Start Version(タカラバイオ社)用いた。本100μLの反応を並列で10本行った。同様に、PCR反応溶液100μL中、100μgのcDNAを鋳型とし、配列番号23〜41に示されるオリゴヌクレオチドの当量混合物100pmole、配列番号42〜44に示されるオリゴヌクレオチドの当量混合物100pmoleを用い、VL遺伝子と同様の条件でPCRを行い、各マウス由来VH遺伝子を増幅した。増幅されたVL遺伝子及びVH遺伝子は2.0%アガロースゲル電気泳動によって分離し、回収した。
古細菌の一種であるメタン細菌Methanosarcina acetivorans C2A (DSM2834)からゲノムDNAを抽出し、本ゲノムDNAを鋳型とし、配列番号47及び48に示されるプライマーを用いてPCRを行い、FKBP型PPIase(以下、mFKと称する)遺伝子(配列番号49、GenBank No.NC003552)を増幅・単離した。なお、本増幅DNA断片はプライマーに由来して、5'末端にNcoIサイト、3'末端にSpeIサイトが導入されている。一方、プラスミドpET21d(ノバジェン社)のNcoI−XhoIサイト間に配列番号50で示される合成DNAを導入し、改変pET21dを作製した。なお配列番号50で示される合成DNAは、5'末端にNcoIサイト(5'−CCATGG−3')、3'末端にXhoIサイト(5'−CTCGAG−3')を有し、さらに内部にSpeIサイト(11〜16番目の5'−ACTAGT−3')、SfiIサイト(44〜56番目の5'−GGCCCAGACGGCC−3')及びNotIサイト(61〜68番目の5'−GCGGCCGC−3')を有する。さらに、プレシジョンプロテアーゼの認識アミノ酸配列をコードする塩基配列を2箇所含む(18〜41、69〜91番目の5'−CTGGAAGTTCTGTTCCAGGGGCCG−3')。さらに、6個の連続したヒスチジン残基(Hisタグ)をコードする塩基配列(96〜113番目の5'−CATCGCCATCGCCATCGC−3)とタンデムの終始コドン(114〜119番目の5'−TAATAG−3')を含む。
ヒト脾臓cDNAライブラリー(Code No. 9509、タカラバイオ社)を鋳型として、配列番号51及び52で示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行い、配列番号53で示されるヒト抗体重鎖定常領域遺伝子の全長(停止コドンを含む)を単離した。配列の決定は、PCR産物をpT7Blue-Tベクター(ノバジェン社)にクローニングし、Thermo Sequenase Dye Termionator Cycle Sequencing Kit(アマシャムバイオサイエンス社)によって行った。次に、図1に示される発現ベクターpTmFKPIのNotI−XhoIサイトに配列番号54で示される合成DNAを挿入してBamHI−EcoRIサイトを設けた。なお配列番号54で示される合成DNAは、NcoIサイト(5'−CCATGG−3')、3'末端にXhoIサイト(5'−CTCGAG−3')を有し、内部にBamHIサイト(9〜14番目の5'−GGATCC−3')とEcoRIサイト(21〜26番目の5'−GAATTC−3')とを有する。
上記3で単離されたヒト抗体重鎖定常領域遺伝子の全長(停止コドンを含む)を鋳型とし、配列番号55及び56に示されるプライマーを用いてPCRを行い、配列番号57に示される抗体Fcドメイン(CH2−CH3)のみをコードする遺伝子(停止コドン含む)を増幅した。本増幅DNA断片をBamHI及びEcoRIで末端を切断し、pTmFKPC123のBamHI−EcoRIサイトに挿入し、pTmFKPC23を構築した。図3にpTmFKPC23の構成を示す。すなわち、発現ベクターpTmFKPC23は、pET21dに由来するT7プロモーターとT7ターミネーターを含んでいる。さらに、発現ベクターpTmFKPC23は、そのSfiI−NotIサイトに目的タンパク質の遺伝子を挿入することにより、mFK−目的タンパク質−CH2−CH3融合タンパク質を合成することができる。さらに、mFKは分子シャペロン活性も有することから、該融合タンパク質は大腸菌の細胞質可溶性画分へ大量合成することが可能である。さらに、目的タンパク質遺伝子の挿入部位の上流にプレシジョンプロテアーゼの認識配列を1箇所含んでいるので、mFK−目的タンパク質−CH2−CH3融合タンパク質から、目的タンパク質−CH2−CH3融合タンパク質を簡単に切り出すことができる。
pTmFKPC123のSpeI−BamHIサイトに配列番号58で示される合成DNAを導入することによって、発現ベクターpTmFKPHCを構築した。なお配列番号58で示される合成DNAは、5'末端にSpeIサイト(5'−ACTAGT−3')、3'末端にBamHIサイト(5'−GGATCC−3')、内部にプレシジョンプロテアーゼの認識アミノ酸配列をコードする塩基配列(7〜30番目の5'−CTGGAAGTTCTGTTCCAGGGGCCG−3')を有する。図4にpTmFKPHCの構成を示す。すなわち、発現ベクターpTmFKPHCはpET21dに由来するT7プロモーターとT7ターミネーターを含んでいる。さらに、発現ベクターpTmFKPHCは、mFK遺伝子の下流にCH1−CH2−CH3領域をコードする遺伝子が配置されており、mFK−CH1−CH2−CH3融合タンパク質を合成することができる。さらに、mFKは分子シャペロン活性も有することから、該融合タンパク質は大腸菌の細胞質可溶性画分へ大量合成することが可能である。さらに、mFKとCH1−CH2−CH3の間にプレシジョンプロテアーゼの認識配列を1箇所含んでいるので、mFK−CH1−CH2−CH3融合タンパク質からCH1−CH2−CH3を簡単に切り出すことができる。
参考例1で得られたMPO−KOマウス由来scFv遺伝子をSfiI及びNotIで切断した。次に、その200ngを同制限酵素処理及びBAP(バクテリア由来アルカリフォスファターゼ)処理が施された発現ベクターpTmFKPI(1μg)へT4DNAリガーゼによって導入した。このライゲーション反応ミックスのDNA500μg相当分を300μLのJM109(DE3)(クロンテック社)にエレクトロポレーション法(2.5kV,25μF,200Ω,4.68msec)によって導入した。エレクトロポレーション後、10mLのSOC培地を添加した後、125rpm(往復)、37℃にて3時間インキュベートした。本菌体懸濁液の5mLを800mLの2×YT培地にて140rpm(回転)、35℃で24時間培養した。培養終了後、遠心分離によって菌体を回収し、菌体を50mLの1×PBS中で超音波処理によって破砕し、遠心分離によって上清を得た。
図2に示す発現ベクターpTmFKPC123(1μg)に、参考例1で得られたMPO−KOマウス由来scFv遺伝子(200ng)をT4DNAリガーゼによって導入し、参考例2と同様の条件でライゲーション反応ミックスの500μgDNA相当分をエレクトロポレーション法によって300μLの大腸菌JM109(DE3)へ導入した。エレクトロポレーション後、10mLのSOC培地を添加した後、125rpm(往復)、37℃で3時間インキュベートした。本菌体懸濁液の5mLを800mLの2×YT培地にて140rpm(回転)、35℃で24時間培養した。培養終了後、遠心分離によって菌体を回収し、菌体を50mLの1×PBS中で超音波処理によって破砕し、遠心分離によって上清を得た。
図3に示す発現ベクターpTmFKPC23(1μg)に、参考例1で得られたMPO−KOマウス由来scFv遺伝子(200ng)をT4DNAリガーゼによって導入し、参考例2と同様の条件でライゲーション反応ミックスの500μgDNA相当分をエレクトロポレーション法によって300μLの大腸菌JM109(DE3)へ導入した。本発現ベクターによる発現タンパク質の構造を図6に示す。エレクトロポレーション後、10mLのSOC培地を添加した後、125rpm(往復)、37℃で3時間インキュベートした。本菌体懸濁液の5mLを800mLの2×YT培地にて140rpm(回転)、35℃で26時間培養した。培養終了後、遠心分離によって菌体を回収し、菌体を50mLの1×PBS中で超音波処理によって破砕し、遠心分離によって上清を得た。
参考例1で作製された発現ベクターpTmFKPHC(図4)を大腸菌BL21star(DE3)(インビトロジェン社)へ形質転換した後、生育した10クローンを2×YT培地800mLに接種し、35℃、140rpm(回転)で20時間培養した。培養終了後、遠心分離によって菌体を回収し、50mLの緩衝液Aに懸濁し、超音波処理によって菌体を破砕した。遠心分離によって上清を得、これをProteinAカラムへアプライし、mFKとhFC123の融合タンパク質を結合させ、緩衝液Aにて充分に洗浄した後、0.1M グリシン−塩酸緩衝液(pH2.8)にて融合タンパク質を溶出した。溶出された融合タンパク質を1mM EDTA、1mM DTT、及び150mM NaClを含有する50mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)へ透析した後、透析内液にプレシジョンプロテアーゼ20μLを加えて5℃で16時間作用させ、mFK−hFC123融合タンパク質からhFC123を切り出し、遊離させた。反応終了後、反応液を1mM EDTA、1mM GSSG、及び0.3mM GSHを含むPBSに透析した後、透析内液を再度ProteinAカラムにアプライし、hFC123を結合させた後、100mM グリシン−塩酸緩衝液(pH2.8)によってhFC123を溶出した。回収されたhFC123画分は1mM EDTAを含む50mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.8)に透析し、50mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.8)で平衡化されたSuperQ 5PW−XLカラム(東ソー社)にアプライし、NaCl濃度勾配0−0.5Mで溶出した。回収されたhFC123画分を1mM EDTAを含むPBSに透析した。本参考例によって精製標品としてhFC123が20mg/L培養液の収率で得られることがわかった。上記hFC123精製標品を非還元状態でのSDS−PAGE、及びTskgel G3000カラム(東ソー社)によるゲルろ過によって、大部分が正しくダイマー形成されていることが確認できた。
参考例2で得られたポリクローナルscFvと参考例5で得られたhFC123を等モルずつ混合し、図7に示される構成を有する人工ポリクローナル免疫グロブリンを製造した。本参考例で得られた人工ポリクローナル免疫グロブリンは、天然の免疫グロブリン、参考例3又は4で得られる人工ポリクローナル免疫グロブリンと同様の機能を有する。また本参考例ではscFvを融合タンパク質としてではなく分子量が小さい単独のポリペプチドとして発現させるので、参考例3又は4で製造した融合タンパク質よりも大腸菌で発現させるのに好適である。
マウス抗体Fv領域(VL及びVH)cDNAを、参考例1で調製されたマウス脾臓RNAより、配列番号59〜61に示された抗体遺伝子特異的プライマーを用いて、SuperScriptIII First Strand Synthesis System Kit(インビトロジェン社)によって合成した。VL遺伝子は、100μgのcDNAを鋳型として、100pmoleの配列番号62〜79で示されるフォワードプライマー、及び100pmoleの配列番号19〜22で示されるリバースプライマーを用いて、TaKaRa Ex Taq Hot Start Version(タカラバイオ社)によって、94℃で15秒、 56℃で15秒及び72℃で90秒の3ステップを30回行った後、72℃で10分間の反応によるHot−Start−PCRによって増幅した。100μL容量の上記PCRを10本行った。VH遺伝子は、配列番号23〜41で示されるフォワードプライマー、及び、配列番号42〜44で示されるリバースプライマーを用いて、VL遺伝子の場合と同様に増幅した。増幅されたVL及びVH遺伝子はそれぞれ、2.0%アガロースゲル電気泳動によって分離回収した。
pET3d(ノバジェン社)のNcoI−BamHIサイトに配列番号82に示された合成遺伝子を導入し、発現ベクターpT3DEを作製した。pT3DEの構成を図8に示す。実施例1で調製されたscFv遺伝子をAsiSI及びNotIで切断し、その500ngをpT3DE(2μg)のAsiSI−PspOMIサイトにT4DNAリガーゼによって導入した。リガーゼ反応ミックスの500ngDNA相当分を大腸菌JM109(DE3)300μLにエレクトロポレーション(2.5Kv,25μF,200Ω)によって導入した。形質転換された大腸菌を6mLのSOCにて懸濁した後、37℃で3時間インキュベートし、その1.5mLを1Lの、100μg/mLのカルベニシリンを含有する2×Y.T.培地に植菌した。培養は37℃、125rpmで24時間行った。培養終了後、遠心分離によって菌体を回収した。一方、SOCに懸濁した、形質転換大腸菌の一部を10000倍まで希釈して100μg/mLのアンピシリンが含有されたLBプレートにて生育させ、培養に投入された細胞数を計算した。この値は、発現するscFv遺伝子の多様性に相当する。その結果、本実施例の培養で生産されるポリクローナルscFVの多様性は3.5×107であると見積もられた。この多様性は参考例2,3及び4のPPIase融合発現の場合より10倍以上高いものであった。
ヒト血管炎モデルマウスを作出するために、マウスにカンジダ アルビンカンスの水溶性画分(Candida albicans water−soluble fraction。以下、「CAWS」と称する。)(N.Ohno Jpn. J. Infect. Dis. 57:S9-10, 2004)を接種した。
日本チャールスリバー社から購入したC57BL/6N系雄性マウス(3.5週齢)を、試験開始まで6日間ケージ内で予備飼育し(4週齢)、試験に供した。当該マウスを室温21〜26℃、湿度30〜70%、照明時間12時間(7時〜19時)の条件下、無菌区で飼育した。飼育匹数は1ケージあたり5匹とした。飼料は、固形飼料FR2(フナハシ社、10kGyのγ線滅菌済み。)を自由摂取させた。飲水は、滅菌水道水に次亜塩素酸ソーダ液を終濃度0.1%添加したものを自由摂取させた。一方、CAWS(カンジダ標準株IFO1385由来糖分子)をD−PBS(−)(ダルベッコPBS、シグマ社。)に溶解し、240mg/12mLを5本(合計1200mg)調製した。これらの試料を高圧蒸気滅菌(121℃、で20分間)に供した。なお、これらの試料中にLPS(リポ多糖)は検出されなかった。次に、CAWS(4mg/0.2mL/マウス)をマウスの腹腔内に5日間連続で接種し、人工ポリクローナル免疫グロブリン製剤の効果確認に用いた。
参考例5で製造したCH1−CH2−CH3(hFC123)を注射用生理食塩水(0.9% NaCl、2.5%グルコース)に対して透析した。また、実施例2で製造したポリクローナルscFv(ポリFv)をPEG4000を含有する注射用生理食塩水(0.9% NaCl、2.5%グルコース、0.05% PEG4000)に対して透析した。それぞれの透析内液を回収し、0.22μmメンブレンフィルターにて無菌ろ過した。
Claims (8)
- 下記工程、
(1)免疫グロブリンを発現している組織又は細胞に由来するcDNAから、互いに異なる免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドをコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子の混合物を調製する工程、
(2)該遺伝子の混合物をベクターに接触させ、互いに異なる遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターの混合物を調製する工程、
(3)該組換えベクターの混合物を宿主細胞に接触させ、互いに異なる組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体の混合物を調製する工程、
(4)該組換え体の混合物を混合培養し、該培養物から、互いに異なる複数種の免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドの混合物を封入体として得る工程、
(5)該封入体を可溶化する工程、
を含み、
前記ポリペプチドがscFvであり、前記組換え体が大腸菌であることを特徴とする人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。 - 下記工程(A):
(A)互いに異なる免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドを発現する複数種の組換え体を混合培養し、該培養物から、互いに異なる複数種の免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドの混合物を封入体として得る工程、
を含み、
前記ポリペプチドがscFvであり、前記組換え体が大腸菌であることを特徴とする人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。 - さらに、下記工程(B):
(B)工程(A)で得られた封入体を可溶化する工程、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。 - 工程(A)の複数種の組換え体は、互いに異なる組換えベクターが導入されたものであり、該組換えベクターは、互いに異なる免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドをコードする遺伝子が挿入されたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。
- 前記遺伝子は、免疫グロブリンを発現している組織又は細胞に由来するcDNAから単離して得られたものであることを特徴とする請求項4に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。
- 前記組織又は細胞が哺乳動物由来のものであることを特徴とする請求項1又は5に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。
- 前記哺乳動物が、ミエロペルオキシダーゼ欠損マウスであることを特徴とする請求項6に記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の人工ポリクローナル免疫グロブリンの製造方法によって得られた人工ポリクローナル免疫グロブリンに、安定化剤又は賦形剤を組み合わせることを特徴とする免疫グロブリン製剤の製造方法。
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