JP2007236237A - ベクターライブラリーの製造方法、人工ポリクローナル抗体の製造方法、及び医薬組成物の製造方法 - Google Patents

ベクターライブラリーの製造方法、人工ポリクローナル抗体の製造方法、及び医薬組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の抗原に対するポリクローナル抗体を製造する方法等を提供する。
【解決手段】抗体を発現している複数種の細胞からcDNAを調製する。該cDNAから、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子からなる遺伝子混合物を調製する。該遺伝子混合物をベクターに接触させ、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターからなるベクター混合物を調製する。さらに、該ベクター混合物を宿主細胞に接触させ、該組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体からなる組換え体混合物を調製する。該組換え体混合物を混合培養し、該培養物から、特定の抗原に対する複数種の抗体の混合物を採取する。
【選択図】図1

Description

本発明はベクターライブラリーの製造方法、人工ポリクローナル抗体の製造方法、及び医薬組成物の製造方法に関し、さらに詳細には、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターからなるベクターライブラリーの製造方法、該ベクターライブラリーを用いて特定の抗原に対する複数種の抗体を製造する人工ポリクローナル抗体の製造方法、及び該人工ポリクローナル抗体を含有する医薬組成物の製造方法に関する。
抗体は体液性免疫の主役であり、感染症等を防ぐ生体防御機構の重要な役割を担っている。抗体の正体は免疫グロブリンであり、結合する抗原が明らかになっている免疫グロブリンを、その特定抗原に対応させて抗体と呼んでいる。免疫グロブリンの基本的な分子構造は、軽鎖(L鎖、light chainともいう)と重鎖(H鎖、heavy chainともいう)の大小2種類のポリペプチド2本ずつがジスルフィド結合により連結したものである。重鎖は、3つの領域(CH1、CH2、CH3)からなる定常領域(C領域、constant regionともいう)とVH領域からなる可変領域(V領域、variable regionともいう)とが連結された構造を有する。軽鎖は、CL領域からなる定常領域とVL領域からなる可変領域とが連結された構造を有する。可変領域のアミノ酸配列には多様性があり、これによって多様な抗原に対する多様な抗体が生体内で作られている。
組換えDNA技術を用いてモノクローナル抗体を製造することが、すでに可能である。例えば、可変領域のみをマウス由来のものに置き換えたキメラ型抗体や、可変領域の中のCDR領域のみをマウス由来のものに置き換えたヒト化抗体が、組換えDNA技術によって製造可能である。キメラ型抗体やヒト化抗体は、抗体医薬としてすでに実用化されている。
一方、感染症対策の観点からは、モノクローナル抗体よりもポリクローナル抗体の方がより好ましいとされている。例えば、モノクローナル抗体は病原体タンパク質の特定のエピトープのみを認識するものであり、宿主の応答によって産生されるポリクローナル抗体とは作用機序が異なると考えられる。また、変異や組換えにより起こる病原体のエピトープ変異に対して、モノクローナル抗体は適応できない。さらに、病原体が進入した宿主では、病原体の複数のタンパク質等に対して、抗原ごとにポリクローナル抗体が産生し、またこの抗体に対する抗体すなわち抗イディオタイプ抗体をも産生することで、抗原を取り込んだネットワーク構造を有する免疫複合体を形成する。そして、この免疫複合体の構造を補体(C1q)が捕らえ、活性化することによって、病原体に対して強力に抵抗する。しかし、モノクローナル抗体では、このような補体の活性化を誘導することが困難なことが多い。このように、感染症に対してはポリクローナル抗体がより有効である。
ポリクローナル抗体を含有する感染症用の医薬としては、免疫グロブリン製剤がある。免疫グロブリン製剤は、ヒトの血液から抽出した免疫グロブリンを濃縮した血液製剤であり、細菌などの侵入異物と抗原−抗体反応を起こし、生体を守る作用を有する。免疫グロブリン製剤は、即応性の点でワクチンより有利である。すなわち、ワクチン接種によって抗体産生を誘導する場合には、抗体産生までに少なくとも1週間はかかる。
血液を原料とする免疫グロブリン製剤の代替を目的として、組換えDNA技術によってポリクローナル免疫グロブリンを製造する方法がすでに提案されている(特許文献1)。この方法によれば、実質的にヒト血液由来成分を含まない、より安全な免疫グロブリン製剤の提供が可能となる。
特開平2005−312445号公報
現在市販されている免疫グロブリン製剤は、特定の病原体に対して効果があるものではなく、むしろ広範囲の病原体に適応できることを特徴としている。つまり、免疫グロブリン製剤に含まれている抗体は、特定の病原体に対するものではない。さらに、免疫グロブリン製剤の原料となる血液が様々な献血者に由来するため、抗原への結合力にばらつきが生じ、結果的に、期待するほどの効果が得られないことがしばしばある。献血者をワクチン接種された者等に限定することによって、特定の抗原に対する抗体価を高めた免疫グロブリン製剤もあるが、目的外の抗体との混合物であることには変わりはなく、その効果は限定的である。
また、上記の特許文献1に開示されている方法によれば、血液を原料としないので、安定した品質を有するポリクローナル免疫グロブリンを製造することが可能である。しかし、この方法は、血液を原料とする免疫グロブリン製剤の代替を主目的とするもので、得られるポリクローナル免疫グロブリンは、同様に、抗原を特定しない広範囲のものであり、特定の病原体に対して効果があるものではない。
以上の課題は、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を組換えDNA技術により製造することで解決可能と考えられるが、当該技術の詳細は明らかでない。本発明の目的は、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を組換えDNA技術により製造する方法等を提供することにある。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするベクターライブラリーの製造方法である。
(1)抗体を発現している複数種の細胞からcDNAを調製する工程、
(2)工程(1)で調製したcDNAから、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子からなる遺伝子混合物を調製する工程、
(3)工程(2)で調製した遺伝子混合物をベクターに接触させ、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターからなるベクター混合物を調製する工程。
本発明はベクターライブラリーの製造方法においては、まず、抗体を発現している複数種の細胞からcDNAを調製する。次に、調製されたcDNAから、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子からなる遺伝子混合物を調製する。次に、調製された遺伝子混合物をベクターに接触させ、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターからなるベクター混合物、すなわちベクターライブラリーを調製する。このベクターライブラリーに含まれる各ベクターには、特定の抗原に対する抗体遺伝子が挿入されており、かつ該抗体遺伝子はベクターごとに異なる。換言すれば、各ベクターの抗体遺伝子においては、コードされる可変領域のアミノ酸配列が異なる。本発明のベクターライブラリーの製造方法によれば、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターからなるベクターライブラリーを製造することができ、該ベクターライブラリーに含まれる抗体遺伝子を発現させることにより、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を製造することができる。
ここで、「抗体」には、免疫グロブリン基本構造を有する天然型の抗体に加えて、その可変領域を含む部分断片、さらに、その部分断片同士の融合タンパク質等の可変領域を含む人工の同機能タンパク質であって、抗原に対する特異的結合能を有するものが含まれる。すなわち、「抗体」には、その重鎖(VH−CH1−CH2−CH3)、軽鎖(CL−VL)、Fab断片、F(ab')2断片、CH1−VH断片、CL−VL断片、VH断片、及びVL断片等の、完全型免疫グロブリンの可変領域を含む部分断片が含まれる。さらに「抗体」には、人工的に作られた可変領域を含む同機能タンパク質、例えば、scFV(single chain Fv、VL−VHの融合タンパク質)が含まれる。またさらに、scFv−CH1−CH2−CH3やscFv−CH2−CH3(scFv−Fc)等のscFvと定常領域との融合タンパク質が含まれる。
ここで、cDNAから単離される遺伝子には、cDNA上で連続して存在している遺伝子を直接単離する場合の他に、cDNA上で分散して存在している複数の遺伝子を適宜の方法で結合した後に、融合遺伝子として単離する場合も含む。すなわち、免疫グロブリン基本構造の全部又は部分配列をコードする遺伝子、例えば、重鎖(VH−CH1−CH2−CH3)、軽鎖(CL−VL)といった全部配列、並びに、CH1−VH、VHのみ若しくはVLのみといった部分配列の場合には、cDNA上にそれらの遺伝子が連続して存在しているので、cDNAからそれらの遺伝子を1ステップで直接単離することができる。一方、scFvのように免疫グロブリン基本構造にはない人工の抗体をコードする遺伝子は、cDNA上では連続して存在しない。この場合には、cDNAからVL領域をコードする遺伝子とVH領域をコードする遺伝子とを適宜の方法で結合した状態で単離する。なお、これらの遺伝子を結合した状態で単離する方法として、オーバーラップPCR法が挙げられる。
請求項2に記載の発明は、工程(1)において、前記細胞は、特定の抗原に対する抗体を発現しているものであることを特徴とする請求項1に記載のベクターライブラリーの製造方法である。
本発明のベクターライブラリーの製造方法においては、工程(1)において、特定の抗原に対する抗体を発現している複数種の細胞を使用する。すなわち、cDNAの由来となる複数種の細胞を、あらかじめ特定の抗原に対する抗体を発現しているものに限定する。各細胞は1種類の抗体のみを発現するので、この段階でベクターライブラリーに目的外の抗体をコードする遺伝子が混入することが防がれる。本発明のベクターライブラリーの製造方法によれば、特定の抗原に対する抗体の複数種の遺伝子を有するベクターライブラリーを、より確実に製造することができる。
請求項3に記載の発明は、工程(2)において、工程(1)で調製したcDNAから全抗体遺伝子を単離した後、当該全抗体遺伝子から特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜することを特徴とする請求項1又は2に記載のベクターライブラリーの製造方法である。
本発明のベクターライブラリーの製造方法においては、工程(2)において、工程(1)で調製したcDNAから全抗体遺伝子を単離した後、当該全抗体遺伝子から特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜する。すなわち、本発明のベクターライブラリーの製造方法では、工程(2)でベクターライブラリーに目的外の抗体をコードする遺伝子が混入することが防がれる。かかる構成により、特定の抗原に対する抗体の複数種の遺伝子を有するベクターライブラリーを、より確実に製造することができる。
請求項4に記載の発明は、前記特定の抗原は、病原体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベクターライブラリーの製造方法である。
かかる構成により、特定の病原体に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターからなるベクターライブラリーを製造することができ、該ベクターライブラリーに含まれる抗体遺伝子を発現させることにより、特定の病原体に対するポリクローナル抗体を製造することができる。
請求項5に記載の発明は、工程(1)において、前記細胞はヒト由来のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベクターライブラリーの製造方法である。
かかる構成により、完全ヒト型である特定の抗原に対する抗体の複数種の遺伝子を有するベクターライブラリーを製造することができ、該ベクターライブラリーに含まれる抗体遺伝子を発現させることにより、完全ヒト型である特定の抗体に対するポリクローナル抗体を製造することができる。
前記特定の抗原に対する抗体がscFv型、Fab型、scFv−CH2−CH3型、又はscFv−CH1−CH2−CH3型抗体である構成も推奨される(請求項6)。
請求項7に記載の発明は、下記工程(4)〜(6)を含むことを特徴とする人工ポリクローナル抗体の製造方法である。
(4)請求項1〜6のいずれかに記載の方法によってベクターライブラリーを製造する工程、
(5)工程(4)で製造したベクターライブラリーを宿主細胞に接触させ、該組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体からなる組換え体混合物を調製する工程、
(6)工程(5)で調製した組換え体混合物を混合培養し、該培養物から、特定の抗原に対する複数種の抗体の混合物を採取する工程。
本発明は人工ポリクローナル抗体の製造方法にかかり、上記した本発明のベクターライブラリーの製造方法の工程にさらなる工程を付加し、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を製造するものである。すなわち、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法においては、まず、上記した本発明の方法でベクターライブラリーを製造する。次に、製造されたベクターライブラリーを宿主細胞に接触させ、該組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体からなる組換え体混合物を調製する。次に、調製された組換え体混合物を混合培養し、該培養物から、特定の抗原に対する複数種の抗体の混合物、すなわちポリクローナル抗体を採取する。本発明の方法により製造された人工ポリクローナル抗体は、特定の抗原(例えば病原体)に対するものであり、目的外の抗体は実質的に含まれない。さらに、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法では、血液を原料としないので、製造過程で血液由来成分が混入するおそれがない。なお、「人工」という修飾語は、組換えDNA技術により製造されたことを強調する場合に適宜用いられるもので、血液由来の抗体との物質としての区別を特に意図するものではない。「人工」は「組換え」と同義である。
請求項8に記載の発明は、工程(5)において、組換え体が大腸菌であることを特徴とする請求項7に記載の人工ポリクローナル抗体の製造方法である。
本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法においては、宿主細胞に大腸菌を用いるので大量培養が容易である。その結果、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を簡便かつ大量に製造することができる。
請求項9に記載の発明は、工程(6)において、抗体を封入体として発現させ、その後、該封入体を再構成することにより該抗体の混合物を得ることを特徴とする請求項7又は8に記載の人工ポリクローナル抗体の製造方法である。
一般に、大腸菌等を宿主細胞として異種タンパク質を大量発現させると、当該異種タンパク質が不溶性の封入体(インクルージョンボディ)としてしか得られない場合がしばしばある。この場合には、遠心分離等により封入体を回収した後、封入体をタンパク質変性剤、界面活性剤等で可溶化し、再構成を行うことで目的の異種タンパク質が得られる。そして、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法では、抗体を封入体として発現させ、その後、該封入体を再構成することにより該抗体の混合物を得る。かかる構成により、組換え体からの人工ポリクローナル抗体の精製が容易となる。さらに、より抗体価の高い人工ポリクローナル抗体が得られることもある。
請求項10に記載の発明は、ポリクローナル抗体を含有する医薬組成物の製造方法であって、請求項7〜9のいずれかに記載の方法で製造された人工ポリクローナル抗体に、薬学的に許容される担体を組み合わせることを特徴とする医薬組成物の製造方法である。
本発明はポリクローナル抗体を含有する医薬組成物の製造方法にかかり、上記した本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法で製造された人工ポリクローナル抗体に、薬学的に許容される担体を組み合わせることを特徴とする。本発明の医薬組成物の製造方法によれば、実質的にヒト血液由来成分を含まない、より安全な、特定の抗原(例えば病原体)に対するポリクローナル抗体を含有する医薬組成物を製造することができる。
本発明のベクターライブラリーの製造方法によれば、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターからなるベクターライブラリーを製造することができる。そして、該ベクターライブラリーに含まれる抗体遺伝子を発現させることにより、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を製造することができる。
本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法によれば、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を製造することができる。
本発明の医薬組成物の製造方法によれば、実質的にヒト血液由来成分を含まない、より安全な、特定の抗原に対するポリクローナル抗体を含有する医薬組成物を製造することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。
本発明のベクターライブラリーの製造方法は、3つの工程(第1〜3工程)を含む。また、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法は、前記第1〜3工程に加え、さらに3つの工程(第4〜6工程)を含む。これらの工程について順次説明する。
第1工程は、抗体を発現している複数種の細胞からcDNAを調製する工程である。抗体を発現している細胞としては、リンパ球(B細胞)、プラズマ細胞といった抗体産生細胞が挙げられる。これらの抗体産生細胞は、例えば、脾臓、リンパ節、骨髄、末梢血等から採取することができる。なお、1種類の抗体産生細胞につき1種類の抗体が産生されるので、ポリクローナル抗体を得るためには、本工程で用いる抗体産生細胞は複数種である必要がある。
抗体を発現している細胞の由来は、目的に応じて適宜選択すればよいが、好ましくはヒト由来である。本実施形態によれば、完全ヒト型の抗体遺伝子が挿入されたベクターライブラリーを調製することができ、その結果、完全ヒト型のポリクローナル抗体を得ることができる。
ヒトから抗体産生細胞を採取する場合、当該ヒトとしては、健常人の他、感染症患者やワクチン接種された者でもよい。後者の場合には、特定の病原体に対する抗体産生が誘導されているので、特定の病原体に対するポリクローナル抗体を効率的に製造する場合に有用である。具体例を挙げると、ヒト免疫不全ウイルス(エイズウイルス)に対するポリクローナル抗体を得たい場合には、エイズ患者の末梢血リンパ球を使用することができる。インフルエンザウイルス等の他のウイルスや、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の細菌の場合も、同様に、患者や感染者の末梢血を使用することができる。また、抗体の多様性を確保するために複数人からの末梢血を使用することが好ましい。
ヒト以外の動物では、マウス、ウサギ、ニワトリ、ラクダ等が挙げられ、抗体遺伝子の配列が詳しく調べられている動物が特に好ましい。これらの動物の場合も、特定の抗原に対する抗体産生が誘導されたものを用いることが好ましい。
その他の動物としては、ヒト抗体産生マウス等のヒト抗体産生動物が挙げられる。すなわち、該動物の脾臓等由来の抗体産生細胞を用いることにより、ポリクローナルのキメラ型抗体やヒト化抗体を製造することができる。具体例を挙げると、ヒト免疫不全ウイルスに対するポリクローナル抗体を得たい場合には、該ウイルス表面抗原の全長配列もしくは部分ペプチドを接種されたヒト抗体産生マウスを用いることができる。インフルエンザウイルス等の他のウイルスの場合も同様である。また、MRSAに対するポリクローナル抗体を得たい場合には、MRSAの類縁株の膜画分等を接種されたヒト抗体産生マウスを用いることができる。
体外免疫が施されたヒト末梢血リンパ球を用いることもできる。具体例を挙げると、ヒト免疫不全ウイルスに対するポリクローナル抗体を得たい場合には、単離されたヒト末梢血リンパ球を該ウイルス表面抗原の全長配列もしくは部分ペプチド等で刺激し(体外免疫)、抗体産生を誘導したものを用いることができる。
なお、上記したヒト(健常人、患者、ワクチン接種された者、など)の場合と同様に、動物(マウス、ウサギ、ニワトリ、ラクダなど)、ヒト抗体産生動物、体外免疫が施されたヒト末梢血リンパ球の場合も、抗体の多様性を確保するために複数個体からの抗体産生細胞を用いることが好ましい。
上記の具体例のように、特定の抗原に対する抗体産生を動物や細胞に誘導する場合の免疫原としては、該抗原自体の他に、該抗原の部分ペプチドを用いることができる。該部分ペプチドの例としては、ウイルス表面抗原や毒素タンパク質の部分ペプチドが挙げられる。他の免疫原としては、死菌、弱毒変異株、膜画分等が挙げられる。さらに、分類学上近縁の死菌等を用いることもできる。
細胞からcDNAを調製する方法としては、当該技術分野で一般に用いられている方法を適用することができる。例えば、組織又は細胞の破砕物からRNAを抽出・精製し、逆転写反応によって1本鎖cDNA、さらにDNA合成反応によって2本鎖cDNAを得ることができる。具体例を挙げると、配列番号1〜5に示されるオリゴヌクレオチドの混合物をプライマーとして逆転写反応を行うことにより、抗体遺伝子をより多く含むcDNAを得ることができる。
好ましい実施形態では、第1工程において、特定の抗原に対する抗体を発現している複数種の細胞を使用する。特定の抗原に対する抗体を発現している細胞を取得する方法としては、例えば、末梢血等から取得したリンパ球の集団から、B細胞と抗原との免疫複合体を、セルソーターを用いて選抜する方法が挙げられる。
抗原の種類については、目的に応じて適宜選択することができる。感染症対策が目的の場合には、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫等の病原体が抗原となりうる。ウイルスの例としては、ヒト免疫不全ウイルス(エイズウイルス)、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラ出血熱ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、SARS(重症急性呼吸器症候群)関連コロナウイルス、日本脳炎ウイルス等のRNAウイルスが挙げられる。細菌の例としては、炭疽菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性MRSA、バンコマイシン耐性腸球菌、多剤耐性結核菌、病原性大腸菌O157等が挙げられる。病原体以外の例としては、癌細胞が挙げられる。もちろん、単離されたタンパク質を抗原としてもよく、ボツリヌス毒素等の毒素タンパク質が例として挙げられる。さらに、これらの抗原については1種類のみならず、複数種(カクテル)であってもよい。
第2工程は、第1工程で調製したcDNAから、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子からなる遺伝子混合物を調製する工程である。当該遺伝子を単離する方法としては特に限定はなく、例えば、PCR等の特異的増幅反応を用いることができる。
好ましい実施形態では、第2工程において、第1工程で調製したcDNAから全抗体遺伝子を単離した後、当該全抗体遺伝子から特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜する。全抗体遺伝子を単離する方法としては、例えば、第1工程のcDNAを鋳型とし、抗体遺伝子に特異的なプライマー対を用いてPCRを行う方法が挙げられる。ヒトの遺伝子の場合を例に挙げると、ヒト末梢血リンパ球に由来するcDNAを鋳型とし、配列番号6〜14に示されるオリゴヌクレオチドの混合物をフォワードプライマー、配列番号15〜17で示されるオリゴヌクレオチドの混合物をリバースプライマーとしてPCRを行うことにより、ヒト由来の複数種のVH遺伝子を単離することができる。同様に、配列番号18〜32に示されるオリゴヌクレオチドの混合物をフォワードプライマー、配列番号33〜39で示されるオリゴヌクレオチドの混合物をリバースプライマーとしてPCRを行うことにより、ヒト由来の複数種のVL遺伝子を単離することができる。なお、いずれの場合も、複数種の遺伝子を得るためには複数の可変領域に適応した単一配列でない混合されたプライマー(ミックスプライマー)を使用することが必要である。
さらに、オーバーラップPCR等の方法を用いれば、分散して不連続に存在する遺伝子を結合した形で単離することもできる。この方法によれば、scFvのような天然には存在しない人工の抗体をコードする遺伝子でも簡単に単離することができる。ヒトの遺伝子の場合を例に挙げると、上記のようにして得られたヒト由来の複数種のVL遺伝子及び複数種のVH遺伝子を鋳型とし、配列番号40及び41で示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行うことにより、複数種のVL遺伝子と複数種のVH遺伝子がVL−VHのごとく連結された、複数種のscFv遺伝子を得ることができる。なお、いずれの場合もプライマーに制限酵素サイトをあらかじめ含めておくことにより、各種発現ベクターへの挿入を容易に行うことができる。以上のようにして得られた抗体遺伝子は、可変領域の多様性に対応した複数種の遺伝子の集団となる。
全抗体遺伝子から、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜する方法としては、ファージディスプレイ法が挙げられる。すなわち、各抗体遺伝子を含むファージライブラリーを作製して抗体を提示させ、該ライブラリーから目的の抗原に結合するクローンを選抜することができる。
第3工程は、第2工程で調製した遺伝子混合物をベクターに接触させ、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターからなるベクター混合物を調製する工程である。
ここで使用するベクターは、工程(5)以降で使用する宿主細胞に対応して選択することができる。例えば、大腸菌を宿主細胞とするときに使用できるベクターとしては、適当なプロモーター、SD配列、ターミネーター等を含むものであれば特に制限はない。プロモーターの種類としては、lac、tac、trc、trp、λpL、T7、T3等が挙げられる。また、ベクターは生産性の点で多コピープラスミドであることが好ましく、例えば、ColEI系、pBR系、pACYC系のプラスミドが好適である。これらに属する発現ベクターは各社から市販されており、簡単に入手することができる。なお、T7プロモーターを有するベクターを使用する場合は、一般には宿主大腸菌はDE3株を使用する必要があるが、DE3株以外の大腸菌であっても対数増殖期にCE6ファージを添加することで使用可能となる。
なお、ベクターライブラリーを保存及び維持するためには、該ベクターが複製可能な宿主細胞に導入された状態で保存及び維持することが多い。この際の宿主細胞は、ベクターを安定に複製さえできればよく、ベクターが宿主細胞から受けるその他の影響はできるだけ排除されるべきである。そこで、ベクターライブラリーの保存及び維持には、ベクター上のプロモーターが活性を発現しないような宿主細胞を用いて行うことが好ましい。例えば、ベクターがT7プロモーターを有するものである場合には、DE3株以外の大腸菌を保存及び維持に用いることができる。すなわち、ベクターライブラリーの保存及び維持を目的とする場合の宿主細胞は、工程(5)以降で使用する宿主細胞と同じである必要はない。
第4工程は、上記の第1〜3工程を、好ましい実施形態を含めてまとめたものであるので、説明を省略する。
第5工程は、第4工程で製造したベクターライブラリーを宿主細胞に接触させ、該組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体からなる組換え体混合物を調製する工程である。
ここで使用する宿主細胞としては、例えば、バクテリア、酵母、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞が挙げられるが、培養の容易性と生産性の点でバクテリアが好ましい。特に大腸菌を宿主細胞とする系は宿主−ベクター系が確立されており、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法に好適である。宿主細胞にベクターを導入する方法としては、宿主細胞の種類によって適宜の方法を使い分けることができる。例えば、大腸菌の場合は、塩化カルシウム処理、エレクトロポレーション等が使用可能である。
その他の宿主細胞として、Bacillus属バクテリアを宿主細胞に用いる場合には、菌体外への分泌発現が可能である。さらに、グラム陽性バクテリアであるのでエンドトキシンの混入が少なく、精製の負担が少ない。また酵母を宿主細胞に用いる場合には、真核生物であるので糖鎖付加などの翻訳後修飾が可能である。さらに分泌発現が可能である。その他、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞も使用可能である。ただし、動物細胞は、形質転換効率、高発現株の樹立の必要性、培養コスト等の点からポリクローナル抗体の製造には不利である。
第6工程は、第5工程で調製した組換え体混合物を混合培養し、該培養物から、特定の抗原に対する複数種の抗体の混合物を採取する工程である。
混合培養の方法に特に制限はないが、大腸菌の場合は適宜の培地に組換え体混合物を接種し、通気・攪拌しながら培養すればよい。組換えベクターが薬剤耐性遺伝子を有するものであれば、対応する抗生物質を培地中に添加することによって、宿主細胞から組換えベクターが脱落することを防ぐことができる。また、組換えベクターのプロモーターが誘導型プロモーターである場合は、培地中に誘導物質を加えることによって免疫グロブリン遺伝子の発現を誘導し、コントロールすることができる。λpLプロモーターのように温度感受性のプロモーターの場合は、培養温度を上げることによって免疫グロブリン遺伝子の発現を誘導・コントロールすることができる。
好ましい実施形態では、抗体を封入体として発現させ、その後、該封入体を再構成することにより該抗体の混合物を得る。封入体を再構成する方法としては、従来公知の方法がそのまま適用可能である。例えば、遠心分離等の操作によって組換え体混合物を集め、超音波処理等により細胞を破砕する。該細胞破砕液を遠心分離等に供し、封入体を回収する。そして、回収された封入体を、アルギニン塩酸、塩酸グアニジン、尿素、界面活性剤等で可溶化した後、適宜の緩衝液に対して透析を行えばよい。このようにすれば、目的のポリクローナル抗体が可溶性の状態で得られる。
本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法における代表的な2つの実施形態につき、具体的手順を例示する。第1の例は、上記第1工程で特定の抗原に対する抗体を発現している複数種の細胞を使用する実施形態での、具体的手順である。この例では、scFv型のポリクローナル抗体を製造する。
まず、複数のヒトから末梢血を採取し、リンパ球を単離する。このとき、採取原となるヒトは健常人でもよいし、感染症患者やワクチン接種された者でもよい。次に、単離されたリンパ球から、目的の抗原に対する抗体を産生しているリンパ球(B細胞)を選抜する。具体的には、セルソーターを用いて目的の抗原に特異的なB細胞群を選抜することができる。この際、組換えで作製された該抗原の部分ペプチドを用いて選抜することもできる。次に、選抜された各B細胞を96穴マイクロタイタープレートの各穴に振り分け(single cell sorting)、シングルセルPCR(single-cell PCR)を行う。このとき、VH領域、VL領域にそれぞれ特異的なプライマー対を用い、並行してPCRを行う。これにより、互いに関連付けされたVH遺伝子ライブラリーとVL遺伝子ライブラリーが得られる。次に、これらのライブラリーを鋳型としてオーバーラップPCRを行い、scFV型抗体遺伝子のライブラリーを得る。すなわち、この遺伝子ライブラリーは、選抜された各B細胞クローンと同一のVH、VL領域のペアで構成される、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種のscFV型抗体遺伝子からなる。次に、該遺伝子ライブラリーをベクターに挿入し、ベクターライブラリーを作製する。このベクターライブラリーには、特定の抗原に対するscFv型抗体をコードする複数種の遺伝子が含まれている。最後に、該ベクターライブラリーを用いて組換え体の混合物を調製し、該組換え体の混合物を混合培養する。
第2の例は、上記第2工程において、第1工程で調製したcDNAから全抗体遺伝子を単離した後、当該全抗体遺伝子から特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜する実施形態での、具体的手順である。まず、複数のヒトから末梢血を採取し、リンパ球を単離する。このとき、採取原となるヒトは健常人でもよいし、患者やワクチン接種された者でもよい。単離されたリンパ球からRNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを調製する。このとき、抗体遺伝子に特異的なプライマーを用いて逆転写反応を行うことにより、抗体遺伝子をより多く含むcDNAを得ることができる。次に、該cDNAを鋳型とし、抗体遺伝子に特異的なプライマー対を用いてPCRを行い、全抗体遺伝子を得る。次に、得られた全抗体遺伝子を用いてファージライブラリーを作製する。該ファージに抗体を提示させ、特定の抗原に対する抗体を発現しているファージを選抜する。この際、組換えで作製された該抗原の部分ペプチドを用いて選抜することもできる。次に、選抜されたファージを感染させた大腸菌培養物から抗体遺伝子を回収し、抗体遺伝子のライブラリーを作製する。該抗体遺伝子ライブラリーは、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の抗体遺伝子からなる。次に、該抗体遺伝子ライブラリーをベクターに挿入し、ベクターライブラリーを作製する。このベクターライブラリーには、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子が含まれている。最後に、該ベクターライブラリーを用いて組換え体の混合物を調製し、該組換え体の混合物を混合培養する。
本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法で製造される抗体としては、まず、抗体重鎖と抗体軽鎖を各2本ずつ有する天然型の抗体が挙げられる。さらに、可変領域を含む部分断片、例えば、重鎖(VH−CH1−CH2−CH3)、軽鎖(CL−VL)、Fab断片、F(ab')2断片、CH1−VH断片、CL−VL断片、VH断片、VL断片等からなる抗体が挙げられる。さらに、scFV型、scFv−CH1−CH2−CH3型、scFv−CH2−CH3型(scFv−Fc型)等の人工の抗体が挙げられる。
本発明の医薬組成物の製造方法においては、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法によって製造されたポリクローナル抗体に、薬学的に許容される担体を組み合わせるものである。当該担体としては、タンパク製剤に一般に用いられている賦形剤や安定化剤がそのまま適用でき、例えば、アルブミン、糖類、アミノ酸、ポリオール類、各種緩衝液等が使用可能である。これにより、凍結乾燥注射剤、溶液注射剤、輸液等の剤型からなる、特定の抗原(例えば病原体)に対する抗体を含有する製剤を製造することができる。本発明によれば、ヒト血液由来成分を実質的に含まない、より安全性の高い医薬を提供することができる。
なお、安定化剤に類するものとして、定常領域をコードするポリペプチドが挙げられる。例えば、本発明の人工ポリクローナル抗体の製造方法によって製造されたポリクローナル抗体に、別途調製したCH1−CH2−CH3ポリペプチドを添加することにより、該人工ポリクローナル抗体が安定化される。
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、scFv−Fc型抗インフルエンザウイルス抗体遺伝子を含むベクターライブラリーを作製した。
1.抗インフルエンザウイルス抗体遺伝子を含むヒト抗体ファージライブラリーの作製
インフルエンザHAワクチン((財)阪大微生物病研究会)を接種した健常人30人の末梢血から、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社)を用いてRNAを抽出し、混合した。このRNA混合物を鋳型とし、配列番号1〜5で示されるオリゴヌクレオチドの混合物(抗体特異的プライマー混合物)をプライマーとし、AMV-Reverse Transcriptase(Promega社)を用いて逆転写反応(反応スケール:50μL)を行い、cDNAを合成した。該反応液5μLを鋳型とし、配列番号6〜14で示されるオリゴヌクレオチドの混合物(フォワードプライマー混合物)と配列番号15〜17で示されるオリゴヌクレオチドの混合物(リバースプライマー混合物)とをプライマー対とし、KODplus DNAポリメラーゼ(東洋紡社)を用いてPCRを行い、VH遺伝子を増幅した。また、配列番号18〜32で示されるオリゴヌクレオチドの混合物(フォワードプライマー混合物)と配列番号33〜39で示されるオリゴヌクレオチドの混合物(リバースプライマー混合物)とをプライマー対として同様にPCRを行い、VL遺伝子を増幅した。さらに、増幅されたVH遺伝子及びVL遺伝子を鋳型とし、配列番号40と41で示されるオリゴヌクレオチドをプライマー対としてオーバラップPCRを行い、scFV遺伝子(全抗体遺伝子)を調製した。
ファージミドpCANTAB5(アマシャムバイオサイエンス社)をHindIII及びNotIで切断した後、配列番号42及び43に示される合成遺伝子を導入することによってクローニングサイトを改変し、pPDANを作製した。pPDANをAsiSI及びNotIによって切断し、牛由来アルカリフォスファターゼ(CIAP;タカラバイオ社)によって脱リン酸化した後、AsiSI及びNotIであらかじめ切断された上記scFv遺伝子を、T4DNAリガーゼによって導入した。このリガーゼ反応液を70℃で15分間処理した後、さらにPmeIで消化した。
PmeI消化物をエレクトロポレーション(2.5kV、25μF、200Ω)によって大腸菌TG1(Strategene社)に導入した。900μLの形質転換されたTG1細胞に、2%グルコースを含む2×Y.T.培地を10倍量加え、37℃で1時間、250rpmでインキュベートした。その後、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)及び4×1010pfuのM13KO7ファージを添加し、同様の条件でさらに1時間インキュベートした。インキュベーション後、遠心分離(1,000g、10分)によって細胞を回収した。回収した細胞に、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)及びカナマイシン(終濃度:50μg/mL)を含む2×Y.T.培地(2×Y.T.−AK培地)10mLを加え、37℃、250rpmで一昼夜インキュベートした。インキュベーション終了後、遠心分離(1,000g、20分間)によって上清を回収した。得られた上清を0.45μmフィルターで濾過し、該通過液を抗インフルエンザウイルス抗体を含有するファージ抗体ライブラリーとして得た。
2.抗インフルエンザウイルスファージのスクリーニング(1)(パニング)
上記1で調製されたファージ抗体ライブラリー溶液10mLに、2.5%(w/v)NaClを含有する冷20%(w/v)ポリエチレングリコール8000溶液を2mL加え、氷上で60分間放置した。沈殿したファージを遠心分離(10,000g、20分)により回収し、16mLの2×Y.T.培地に懸濁した。一方、5mLのインフルエンザ抗原溶液(10μg/mL PBS)を25cm2のプラスティック製容器にコートした後、PBSで3回洗浄した。さらに、10%のnon fat dry milkを含むPBS(ブロッキングバッファー)で1時間ブロッキング処理を行った後、PBSで3回洗浄した。一方、16mLの2×Y.T.に懸濁されたファージ溶液に、14mLの0.1% Triton X−100を含むブロッキングバッファーを加え、室温で30分間インキュベートした。インキュベーション終了後、該ファージ溶液20mLを上記抗原がコートされた容器に加え、37℃で2時間インキュベートし、ファージと抗原を接触させた。インキュベート後、PBSで10回、さらに0.1%のTween 20を含むPBSで20回洗浄した。以上のようにしてパニングを行い、ファージを固定化した。
対数増殖期(OD600=0.3)の大腸菌TG1培養液10mLを、上記のファージが固定化された容器へ加え、37℃、250rpmで1時間インキュベートした。インキュベーション後、アンピシリンとグルコースを終濃度でそれぞれ100μg/mL、2%となるように添加した。さらに、4×1010pfuのM13KO7を添加し、37℃、250rpmで1時間培養した。その後、上記1と同様の手順でファージ溶液を調製した。このファージ溶液を用いて、上記と同様の手順でパニングを再度行い、ファージを固定化した。
3.抗インフルエンザウイルスファージのスクリーニング(2)(ファージのクローニングとELISA)
2回目のパニング終了後、対数増殖期(OD600=0.3)のTG1培養液10mLをファージが固定化された容器に加え、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、溶液の1、10、100、1000、10000倍希釈液を調製した。各希釈液100μLを、100μg/mLのアンピシリンを含有したSOBAG(バクトトリプトン20g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム0.5g/Lに、10mM MgCl2、0.1M グルコースを加えたもの)寒天培地に塗布し、30℃で24時間培養した。
マイクロタイター型の96クラスターチューブに、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)及びグルコース(終濃度:2%)を含む2×Y.T.培地(2×Y.T.−AG培地)を各400μL添加した。各チューブに、寒天培地上で生育してきた各クローンを接種し、30℃、250rpmで一昼夜培養した(プレート1)。一方、2.5×1010pfuのM13KO7ファージを含む50mLの2×Y.Tを調製し、96クラスターチューブに400μLずつ添加した(プレート2)。プレート1の各培養液40μLをプレート2の各チューブに加え、37℃、125rpmで2時間インキュベートした。インキュベーション終了後、遠心分離(1,500g、20分)を行い、上清を除去した。各チューブの沈殿に、2×Y.T.−AK培地を400μLずつ添加した後、37℃、250rpmで一昼夜培養した。培養終了後、遠心分離(1,000g、20分)を行った。各チューブから上清320μLを取り出して別の96クラスターチューブへ添加し、ファージライブラリーとした(プレート3)。
プレート3の各チューブに80μLのブロッキングバッファー(上記2)を加え、室温で30分間インキュベートした。一方、96穴プレートにインフルエンザウイルス抗原をコートした後、ブロッキングバッファーでブロッキング処理をした(プレート4)。コントロール評価として、インフルエンザウイルス抗原と同量の大腸菌GroELタンパク質をコートした後、ブロッキングバッファーで同様に処理した(プレート5)。プレート3の各チューブから150μLを取り出し、プレート4及び5の各ウェルにそれぞれ添加し、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション終了後、0.05%Tween 20を含むPBS(洗浄バッファー)で3回洗浄した。プレート4及び5にペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗M13抗体を加え、室温で1時間インキュベートした後、洗浄バッファーで3回洗浄した。ABTS(2,2'-azino-bis(3-ethylbenzthiazoline-6-sulfonic acid))と過酸化水素水の混合物(発色基質)をプレート4及び5に加え、室温で20分間インキュベートした後、各ウェルの410nmの吸収を測定した。その結果、36個の陽性クローンが存在することがプレート4と5との比較から分かった。
4.発現ベクターpTFVCの作成
発現ベクターpET21a(Novagen社)をNcoI及びBamHIで切断した後、配列番号44及び45で示される合成DNAを導入してクローニングサイトを改変し、pTFVを構築した。さらにpTFVをNotI及びBamHIで切断した後、同制限酵素で処理された配列番号46で示されるヒトFc遺伝子を導入し、pTFVCを構築した。すなわち、pTFVCにscFV遺伝子を導入することにより、ヒトscFv−Fc融合タンパク質を発現させることができた。
5.scFv−Fc型抗インフルエンザウイルス抗体遺伝子を含むベクターライブラリーの作製
上記3で得られた36クローンの陽性ファージに相当する各残液(各5μL)を、プレート2から取り出した。これらの残液を、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)を含む2×Y.T培地2mLにそれぞれ接種し、37℃、250rpmで8時間培養した。これにより、各scFv遺伝子が導入された36種のファージミドpPDAN(実施例1)をそれぞれ回収した。これらのファージミドの各100ngを混合した。この混合物をAsiSI及びNotIで消化し、複数種のscFv遺伝子(scFv遺伝子混合物)を回収した。
このscFv遺伝子混合物(50ng)を、あらかじめAsiSi、NotI、及びCIAPで処理されたpTFVC(150ng)にT4DNAリガーゼを用いて導入した。リガーゼ反応終了後、反応液を75℃で15分間処理した。該反応液からDNAを回収し、PmeIで消化した。PmeI消化物をエレクトロポレーション(2.5kV、25μF、200Ω)によって大腸菌JM109に導入した。9倍量のLB培地を添加した後、37℃、125rpmでインキュベートした。インキュベーション終了後、0.5mLの大腸菌懸濁液を、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)を含有するLB培地100mLに添加し、37℃、250rpmで一昼夜培養した。培養終了後、菌体より発現ベクターを回収した。これによって、36種の抗体で構成される組換え抗インフルエンザポリクローナルヒト抗体を、scFv−Fc型で発現させる発現ベクターライブラリーを得た。
本実施例では、scFv−Fc型抗インフルエンザウイルス人工ポリクローナル抗体を作製した。
得られた発現ベクターライブラリー(100ng)を、PmeIで消化した。PmeI消化物を、エレクトロポレーション(2.5kV、25μF、200Ω)によって大腸菌BL21Gold(DE3)(Strategene社)に導入した。9倍量のLB培地を添加した後、37℃、125rpmでインキュベートした。インキュベーション終了後、10mLの大腸菌懸濁液を、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)を含有するLB培地5Lに添加し、37℃、250rpmで一昼夜培養した。培養液のOD600が0.8に到達した時点でIPTG(終濃度:0.5mM)を添加し、さらに5時間培養を続けた。培養終了後、菌体を回収した。
回収した菌体を、30mgの卵白リゾチームを含む1mM EDTA/50mM Tris−HCl(pH8.0)200mLに懸濁し、30℃で2時間処理した。リゾチーム処理後、超音波処理によって菌体を破砕した。菌体破砕液を遠心分離に供し、scFv−Fc型抗インフルエンザポリクローナルヒト抗体(poly-antiIHVC)の封入体を沈殿として回収した。回収した封入体を、3M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)で48時間洗浄した。遠心分離によって封入体を回収した後、該封入体を40mLの8M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)中で3日間、4℃でインキュベートすることにより可溶化した。可溶化poly-antiIHVC溶液を8M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)で平衡化されたHiTrap−SP(アマシャムバイオサイエンス社)にアプライした後、0から0.5MのNaClの濃度勾配によってpoly-antiIHVCを溶出した。
poly-antiIHVC画分に、終濃度が1Mになるようにアルギニン塩酸を加えた。pHは8.0に調整した。このpoly-antiIHVC溶液(0.1mg/mL)を、0.15M アルギニン塩酸及び1mM GSSG/GSHを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)に対して4日間、さらに0.25M アルギニン塩酸溶液(pH7.2)に対して一昼夜、4℃で透析を行った。透析終了後、透析内液の可溶性画分を遠心分離によって回収した。回収した可溶性画分を、0.25M アルギニン塩酸(pH7.2)で平衡化されたHiTrap―ProteinGカラムにアプライした。カラムを平衡化バッファーで洗浄した後、0.25M アルギニン塩酸を含有するグリシン−塩酸バッファー(pH3.0)で溶出した。得られた溶出画分に2倍量の100mM Tris−HCl(pH8.8)を加え、中和した。得られたpoly-antiIHVC溶液を0.15M アルギニン塩酸(pH7.2)に対して透析した。透析内液のSDS−PAGEの結果を図1に示す。図1はSDS−PAGEの結果を表す写真であり、レーン1が該透析内液、Mは分子量マーカーである。すなわち、scFv−Fc型抗体の分子量に対応する位置に、poly-antiIHVCのブロードなバンドが検出された。
本実施例では、scFv型抗インフルエンザウイルス抗体遺伝子を含むベクターライブラリーを作製した。
実施例1で調製したscFv遺伝子混合物(50ng)を、あらかじめAsiSi、NotI、及びCIAPで処理されたpTFV(100ng)にT4DNAリガーゼを用いて導入した。リガーゼ反応終了後、反応液を75℃で15分間処理した。該反応液からDNAを回収し、PmeIで消化した。PmeI消化物をエレクトロポレーション(2.5kV、25μF、200Ω)によって大腸菌JM109に導入した。9倍量のLB培地を添加した後、37℃、125rpmでインキュベートした。インキュベーション終了後、0.5mLの大腸菌懸濁液を、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)を含有するLB培地100mLに添加し、37℃、250rpmで一昼夜培養した。培養終了後、菌体より発現ベクターを回収した。これによって、36種の抗体で構成される組換え抗インフルエンザポリクローナルヒト抗体を、scFv型(poly-antiIHV)で発現させる発現ベクターライブラリーを得た。
本実施例では、scFv型抗インフルエンザウイルス人工ポリクローナル抗体を作製した。
得られた発現ベクターライブラリー(100ng)を、PmeIで消化した。PmeI消化物を、エレクトロポレーション(2.5kV、25μF、200Ω)によって大腸菌BL21Gold(DE3)(Strategene社)に導入した。9倍量のLB培地を添加した後、37℃、125rpmでインキュベートした。インキュベーション終了後、10mLの大腸菌懸濁液を、アンピシリン(終濃度:100μg/mL)を含有するLB培地5Lに添加し、37℃、250rpmで一昼夜培養した。培養液のOD600が0.8に到達した時点でIPTG(終濃度:0.5mM)を添加し、さらに5時間培養を続けた。培養終了後、菌体を回収した。
回収した菌体を、30mgの卵白リゾチームを含む1mM EDTA/50mM Tris−HCl(pH8.0)200mLに懸濁し、30℃で2時間処理した。リゾチーム処理後、超音波処理によって菌体を破砕した。菌体破砕液を遠心分離に供し、菌体破砕液を遠心分離に供し、scFv型抗インフルエンザポリクローナルヒト抗体(poly-antiIHV)の封入体を沈殿として回収した。回収した封入体を、3M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)で48時間洗浄した。遠心分離によって封入体を回収した後、該封入体を40mLの8M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)中で3日間、4℃でインキュベートすることにより可溶化した。可溶化poly-antiIHV溶液を、5mM β−メルカプトエタノール(β−ME)/0.5M NaCl/8M 尿素/50mM Tris−HCl(pH7.8)で平衡化されたHis−Trapカラム20ml(アマシャムバイオサイエンス社)にアプライした後、5mMβ−ME/0.1M NaH2PO4/0.01M Tris (pH 5.9)で溶出した。
poly-antiIHV画分に、終濃度が1Mになるようにアルギニン塩酸を加えた。pHは8.0に調整した。このpoly-antiIHV溶液(0.1mg/mL)を、0.25M アルギニン塩酸及び1mM GSSG/GSHを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)に対して4日間、さらに0.25M アルギニン塩酸溶液(pH7.2)に対して一昼夜、4℃で透析を行った。透析内液のSDS−PAGEを図1に示す。レーン2が該透析内液である。すなわち、scFv型抗体の分子量に対応する位置に、poly-antiIHVのブロードなバンドが検出された。
実施例2及び4で行ったSDS−PAGEの結果を表す写真である。

Claims (10)

  1. 下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とするベクターライブラリーの製造方法。
    (1)抗体を発現している複数種の細胞からcDNAを調製する工程、
    (2)工程(1)で調製したcDNAから、特定の抗原に対する抗体をコードする複数種の遺伝子を単離し、該遺伝子からなる遺伝子混合物を調製する工程、
    (3)工程(2)で調製した遺伝子混合物をベクターに接触させ、特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子が挿入された複数種の組換えベクターを調製し、該組換えベクターからなるベクター混合物を調製する工程。
  2. 工程(1)において、前記細胞は、特定の抗原に対する抗体を発現しているものであることを特徴とする請求項1に記載のベクターライブラリーの製造方法。
  3. 工程(2)において、工程(1)で調製したcDNAから全抗体遺伝子を単離した後、当該全抗体遺伝子から特定の抗原に対する抗体をコードする遺伝子を選抜することを特徴とする請求項1又は2に記載のベクターライブラリーの製造方法。
  4. 前記特定の抗原は、病原体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベクターライブラリーの製造方法。
  5. 工程(1)において、前記細胞はヒト由来のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベクターライブラリーの製造方法。
  6. 前記特定の抗原に対する抗体は、scFv型、Fab型、scFv−CH2−CH3型、又はscFv−CH1−CH2−CH3型抗体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベクターライブラリーの製造方法。
  7. 下記工程(4)〜(6)を含むことを特徴とする人工ポリクローナル抗体の製造方法。
    (4)請求項1〜6のいずれかに記載の方法によってベクターライブラリーを製造する工程、
    (5)工程(4)で製造したベクターライブラリーを宿主細胞に接触させ、該組換えベクターが導入された複数種の組換え体を調製し、該組換え体からなる組換え体混合物を調製する工程、
    (6)工程(5)で調製した組換え体混合物を混合培養し、該培養物から、特定の抗原に対する複数種の抗体の混合物を採取する工程。
  8. 工程(5)において、組換え体が大腸菌であることを特徴とする請求項7に記載の人工ポリクローナル抗体の製造方法。
  9. 工程(6)において、抗体を封入体として発現させ、その後、該封入体を再構成することにより該抗体の混合物を得ることを特徴とする請求項7又は8に記載の人工ポリクローナル抗体の製造方法。
  10. ポリクローナル抗体を含有する医薬組成物の製造方法であって、請求項7〜9のいずれかに記載の方法で製造された人工ポリクローナル抗体に、薬学的に許容される担体を組み合わせることを特徴とする医薬組成物の製造方法。
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