JPWO2018194015A1 - 抗原特異的な抗体の情報を取得する方法 - Google Patents

抗原特異的な抗体の情報を取得する方法 Download PDF

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Abstract

天然型のタンパク質を抗原として、高親和性抗体を効率よく作製できる方法の提供。飼育環境内に存在する微生物の影響を受けることなく、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の情報を取得する方法の提供。(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程、(B)上記(A)魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程および(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程等を経ることにより、天然型のタンパク質を抗原とした場合の高親和性抗体、即ち、抗原特異的な抗体の情報を取得する。飼育環境内に存在するアクネ菌等の微生物の遺伝子は増幅せず、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の遺伝子のみを増幅し得るプライマーによって、この抗原特異的な抗体の情報を取得する。

Description

本発明は、抗原特異的な抗体の情報を取得する方法に関する。さらに詳しくは、水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程等を含む抗原特異的な抗体の情報を取得する方法に関する。また、該方法によって取得される塩基配列情報、アミノ酸配列情報等に関する。
従来、マウス等の様々な動物による哺乳動物免疫法やファージディスプレイ法等の様々な抗体取得方法が開発されてきた。しかし、これらの方法によって天然型の標的タンパク質に対して親和性の高い抗体を取得するには、該標的タンパク質が高純度であり、かつ立体構造を維持したものである等の条件が必要であった。
また、DNA免疫法によって抗体を取得する方法も知られているが、この方法は樹状細胞内で天然型として発現可能な一部のタンパク質を標的とする場合には有効である。しかし、樹状細胞内で発現できないタンパク質や、発現量が少ないタンパク質を標的として高親和性の抗体を取得することは極めて困難であった。
従って、これらの従来知られている抗体作製方法によっては、タンパク質翻訳後、糖鎖、脂肪酸等が修飾された天然型のタンパク質を抗原として、創薬等に使用し得る高親和性抗体を効率よく作製できるとはいえなかった。
そこで、本発明者はこれらの天然型のタンパク質を抗原として、高親和性抗体を効率よく作製できる方法の提供を本発明の課題とした。そして、この方法の提供にあたり、水泡を有する魚類により抗原特異的な抗体の情報を取得することに着目した。水泡を有する魚類は水中にて飼育されているため、飼育環境内に存在するアクネ菌等の微生物の影響を受けることなく、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の情報を取得することも本発明の課題となる。
なお、本発明者らは、特許文献1において、水泡を有する魚類を抗原投与の対象とすることにより、魚類を生かしたままの状態で、魚類に産生させた抗体を繰り返し得ることができる抗体の製造方法を開発している。
特願2012-058566号公報
本発明は天然型のタンパク質を抗原として、高親和性抗体を効率よく作製できる方法の提供を課題とする。また、本発明は飼育環境内に存在する微生物の影響を受けることなく、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の情報を取得する方法の提供も課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行い、(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程、(B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程および(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程等を経ることにより、天然型のタンパク質を抗原とした場合の高親和性抗体、即ち、抗原特異的な抗体の情報を取得できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の方法は、水泡を有する魚類に抗原となる標的タンパク質を免疫し、抗体力価が十分に上がったことを確認した水泡液中に含まれるB細胞のIgM遺伝子を鋳型としてcDNAライブラリーを構築し、得られた断片をもとにファージディスプレイによって抗原タンパク質が結合したクローンから抗原特異的な抗体遺伝子および/またはアミノ酸の配列情報を取得するものである。
このような本発明の方法では、抗原タンパク質との直接的なタンパク質−タンパク質相互作用によって結合が見られたクローンの塩基配列および/またはアミノ酸配列を取得するにあたり、抗体遺伝子増幅のための特定のプライマーを組み合わせることで、抗原特異的なVH領域および/またはVL領域の塩基配列や、VH領域および/またはVL領域のアミノ酸配列情報の取得を可能としている。
この抗体遺伝子増幅のために設計される特定のプライマーは、飼育環境内に存在するアクネ菌等の微生物の遺伝子は増幅せず、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の遺伝子のみを増幅し得るプライマー、即ち、リーダーペプチド領域の遺伝子を増幅対象とするプライマーであることが重要となる。
すなわち、本発明は次の(1)〜(10)の抗原特異的な抗体の情報を取得する方法等に関する。
(1)次の(A)〜(D)の工程を含む抗原特異的な抗体の情報を取得する方法。
(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程
(B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程
(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程
(D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程
(2)抗原特異的な抗体の情報が抗原特異的なVH領域および/またはVL領域の塩基配列情報および/またはアミノ酸配列情報である上記(1)に記載の方法。
(3)抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーの構築にあたり、配列表配列番号1に記載の塩基配列を含むプライマーおよび/または配列表配列番号2に記載の塩基配列を含むプライマーを用いる上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)水泡を有する魚類が水泡眼またはらんちゅうである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法により取得される抗原特異的な抗体の塩基配列情報。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法により取得される抗原特異的な抗体のアミノ酸配列情報。
(7)次の(A)〜(E)の工程を経て得られる、抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質。
(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程
(B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程
(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程
(D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程
(E)上記(D)の工程により構築されたファージライブラリから抗原に結合する抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質をスクリーニングする工程
(8)配列表配列番号31〜34のいずれかに記載の塩基配列によってコードされる、または配列表配列番号35〜38のいずれかに記載のアミノ酸配列によって示される上記(7)に記載のファージ提示組換えタンパク質。
(9)配列表配列番号1に記載の塩基配列を含むプライマーおよび/または配列表配列番号2に記載の塩基配列を含むプライマー。
(10)抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーの構築のための上記(9)に記載のプライマー。
本発明により、標的タンパク質抗原特異的な抗体の情報として、VH領域および/またはVL領域の塩基配列情報や、VH領域および/またはVL領域のアミノ酸配列情報を取得することが可能となる。また、取得したこれらの情報をもとに、抗体を作成し、検査・診断薬や抗体医薬を取得することも可能となる。
cDNA合成およびPCR反応によって増幅される断片の模式図を示した図である(実施例)。 scFv組換えアミノ酸配列および組換えタンパク質の模式図を示した図である(実施例)。 CBB染色およびWestern BlottingによるscFv-Hisの検出結果を示した図である(実施例)。 ELISAによるscFv-Hisの抗EGFP活性の検出結果を示した図である(実施例)。 scFv9のシーケンス結果を示した図である(実施例)。 scFv10のシーケンス結果を示した図である(実施例)。 scFv12のシーケンス結果を示した図である(実施例)。 scFv13のシーケンス結果を示した図である(実施例)。
本発明の「抗原特異的な抗体の情報を取得する方法」とは、標的となるタンパク質を特異的に認識し得る抗体の塩基配列情報および/またはアミノ酸配列情報、即ち、抗体のVH領域および/またはVL領域の塩基配列情報や、VH領域および/またはVL領域のアミノ酸配列情報を取得する方法に関する。本発明のこの方法は、次の(A)〜(D)の工程を必須の工程として含むものである。
(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程
(B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程
(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程
(D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程
これらの各工程を行うにあたり、従来知られているいずれの試薬、キット、機器等を使用しても良い。
“(A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程”は、水泡を有する魚類にインジェクション、経口、経皮等の方法により抗原を投与し、該魚類に抗体を産生させる工程のことをいう。この工程では、該魚類の水泡に抗原をインジェクションによって投与することが好ましい。本発明の方法において、投与する抗原はタンパク質翻訳後、糖鎖、脂肪酸等が修飾された天然型のタンパク質であることが特に好ましい。なお、この工程において、水泡を有する魚類に抗原を投与する回数は1回であってもよく、複数回であっても良い。
なお、“水泡を有する魚類”は、従来知られているいずれの水泡を有する魚類であってもよく、たとえば、水泡眼、らんちゅう等が挙げられる。
“(B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程”は、抗原を投与することによって、魚類体内に産生された抗体を含む水泡液を、注射等により吸引し、採取する工程のことをいう。採取する水泡液は、該水泡を有する魚類が死滅しない量を採取することが好ましい。
“(C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程”は、採取した水泡液に含まれるB細胞のIgM遺伝子を鋳型として、cDNAライブラリーを構築する工程のことをいう。このcDNAライブラリーはファージライブラリであることが好ましい。
なお、この工程において、設計されるプライマーが飼育環境内に存在するアクネ菌等の微生物の遺伝子は増幅せず、水泡を有する魚類のみを由来とする抗原特異的な抗体の遺伝子のみを増幅し得るプライマー、即ち、リーダーペプチド領域の遺伝子を増幅対象とするプライマーであることにより、抗原特異的なVH領域および/またはVL領域の塩基配列情報や、VH領域および/またはVL領域のアミノ酸配列情報の取得することが可能となる。
このようなプライマーとして、例えば、配列表配列番号1に記載の塩基配列を含むプライマーおよび/または配列表配列番号2に記載の塩基配列を含むプライマーが挙げられる。これらのプライマーはプライマーセットとして組み合わせることが特に好ましい。
これらのプライマーは抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーの構築のためのプライマーとすることができる。
“(D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程”は、該抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーより、抗原特異的なポリクローナル遺伝子のタンパク質分子をファージ表面に提示する工程のことをいう。
これらの(A)〜(D)の工程を必須の工程とすることで、抗原特異的な抗体の情報を取得することが可能となる。本発明の方法は、さらに抗原特異的な抗体の情報を取得するために有用なその他の方法を含むものであってもよい。
抗原特異的な抗体の情報を取得するにあたり、抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質を得ることが好ましい。このタンパク質は上記(A)〜(D)の工程に加え、次の(E)の工程を経ることによって得ることができる。
“(E)上記(D)の工程により構築されたファージライブラリから抗原に結合する抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質をスクリーニングする工程”。
この工程によって、上記(D)の工程により構築されたファージライブラリに含まれる次のファージを選別することができる。このファージとは標的タンパク質である抗原に結合し得るポリクローナル抗体の全部または一部のタンパク質分子が表面に提示されたファージのことである。
このスクリーニングは従来知られているいずれの方法で行っても良く、例えば、バイオパニングによって行っても良い。バイオパニングは、標的タンパク質に結合したファージを大腸菌に感染させ増幅させることにより、標的タンパク質である抗原特異的な高親和性抗体の遺伝子を含むファージを特定することができるため好ましい。バイオパニングを行う場合、回数は1回であってもよく、さらに複数回行うとファージが濃縮できて選別の精度が上がるためより好ましい。
このような工程を経て得られた“抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質”とは、ファージ表面に提示されているタンパク質であって、そのタンパク質に抗原に特異的に結合し得る抗体の全部または一部が含まれているもののことをいう。この抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部を含むものであればよく、その他のタンパク質を含むものであってもよい。
このような“抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質”は、本発明の(A)〜(E)の工程を経て得られるものであれば、いずれのタンパク質であってもよい。このようなタンパク質として、例えば、配列表配列番号31〜34のいずれかに記載の塩基配列によってコードされるタンパク質や配列表配列番号35〜38のいずれかに記載のアミノ酸配列によって示されるタンパク質等が挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<抗体遺伝子のクローニング>
1.水泡液サンプルの調製
免疫前に採取した水泡液(pre(以下、単にpreと示す場合がある))および免疫3回目3日後に採取した水泡液(3rd(以下、単に3rdと示す場合がある))をサンプルとした。免疫は1回あたり100μg EGFPを一週間毎に合計3回、スイホウガンの水泡内へ直接注入することによって行った。
2.cDNA合成
水泡液を採取して、直ちに4°C、1000×g、10分間遠心分離して上清と沈殿に分け、沈殿を1ml QIAzol(登録商標) Lysis Reagent(QIAGEN)で懸濁した。これにより全RNAを抽出した後、DNase I(TaKaRa)処理してゲノムDNAを分解し、QIAzol(登録商標) Lysis Reagenによって精製した。精製した全RNAからTranscriptor First Strand cDNA Synthesis Kit(Roche)によって逆転写して合成したcDNAをキンギョscFvクローニング用鋳型とした。表1に記載のgIgL CL reverse 1およびgIgH_2DプライマーによってcDNA合成を行った。Tm値も表1に示した。
Figure 2018194015
3.scFvのクローニング
縮重プライマーによりVL領域(以下、単にVLと示す場合がある)およびVH領域(以下、単にVHと示す場合がある)の遺伝子断片を増幅しscFvのクローニングを行った。PCR反応は1)First PCR、2)Second PCR、3)Overlap PCRの3ステップで行った。これによって増幅される遺伝子断片の模式図を図1に示した。図1において、各段階のプライマーは赤い矢印で示した。
各PCR増幅産物は、アガロースゲル電気泳動した後、Wizard(登録商標) SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega)によって精製した。
1)First PCR
上記2.にて合成したcDNAを鋳型として、VL領域を含む遺伝子断片を表2に記載のプライマー、Tm値により、表3、4に示す反応条件で増幅した。また、VH領域を含む遺伝子断片を表5に記載のプライマー、Tm値により、表6、7に示す反応条件で増幅した。
Figure 2018194015
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2)Second PCR
上記1)のfirst PCRで得られたPCR産物である制限酵素サイトおよび一部を付加したVL領域を含む遺伝子断片を鋳型として、表8に記載のプライマー、Tm値により、表9、10に示す反応条件で増幅した。
また、同様に制限酵素サイトおよびリンカーの一部を付加したVH領域を含む遺伝子断片を鋳型として、表11に記載のプライマー、Tm値により、表12、13に示す反応条件で増幅した。
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3)Overlap PCR
(1)First step
上記2)のsecond PCRで得られたVH secondPCR産物を鋳型として、表14に記載のプライマー(PrimerFはリンカー配列のプライマー、PrimerRはVH secondPCRに使用したVH FR4に対応するプライマー)、Tm値により、表15、16に示す反応条件でリンカー配列を付加したVH領域の遺伝子断片を増幅した。
(2)Second step
上記(1)のFirst stepで得られたoverlap PCRfirst step産物およびVL second PCR産物を鋳型として、表17に記載のプライマー(PrimerFはVL secondPCRに使用したVL FR1に対応するプライマー、PrimerRはVH second PCRに使用したVH FR4に対応するプライマー)、Tm値により、表18、19に示す反応条件でリンカーを介してVL領域とVH領域を連結し、scFv遺伝子の全体を増幅した。なお、リンカー配列のプライマーはsecondPCRで増幅したVL領域の3’末端およびVH領域の5’末端と相同な配列を含んでいた。
Figure 2018194015
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<ファージディスプレイ>
T7Select(登録商標)1-1 Cloning Kit(Novagen)およびT7Select(登録商標)Biopanning Kit(Novagen)によって次の手順によりファージディスプレイを行った。
1.In vitro Packaging
preおよび3rdのscFv遺伝子断片を制限酵素EcoR IおよびHindIIIで処理したものをインサートとして、1-1bベクターとライゲーションした後、T7 Packaging Extractsと混合して室温で2時間反応させることによって、目的遺伝子導入ベクターをファージに取り込ませた。
2.Plaque Assay
1)試薬
次の組成となるように各試薬を調製した。
(1)TB(Per 500 ml)
450ml deionized water、6g Bacto tryptone、12g Yeast extract、2ml glycerol、50ml sterile K phosphate
(2)K phosphate(Per liter)
23.1g KH2PO4、125.4g K2HPO4
(3)M9TB液体培地
5ml 20X M9 salts、2ml 20% glucose、0.1ml 1M MgSO4、100ml TB
(4)20X M9 salts(Per liter)
20g NH4Cl、60g KH2PO4、120g Na2HPO4・7H2O
(5)Top agarose(Per 100 ml)
1g Bacto tryptone、0.5g Yeast extract、0.5g NaCl、0.6g agarose、100ml deionized water
2)ウイルス力価測定
(1)M9TB液体培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が1.0程度になるまで140rpm、37℃で振盪培養した。
(2)preおよび3rdのPackaging液各10μlを、TB液体培地によりそれぞれ102〜106希釈し、100μlずつ分注した15mlチューブへ上記(1)の培養液250μlを添加した。さらに45〜50℃程度の3 ml Top agaroseを加えて混合し、LB+Amp寒天培地の上に均一になるよう播種した後、37°Cで4時間静置培養した。
(3)生成したプラーク数から力価を計算した(プラーク数×希釈度×10=pfu/ml *plaqueforming units)。
3)結果
pre:102希釈(プラーク数82個)より計算された力価は8.2 ×104(pfu/ml)であり、3rd:102希釈(プラーク数55個)より計算された力価は5.5×104(pfu/ml)であった。
今回のPackaging液は150μlであるため、Packaging液のファージ力価は、pre:1.23 ×104(pfu)であり、3rd:8.25 ×103(pfu)となった。
Packaging液のファージ力価が5 ×106未満であったため、Plate Lysate Amplification法によってファージライブラリの作製を行うこととした。
3.ファージライブラリ作製
50ml TB培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が0.6〜1.0に達するまで37℃、140rpmで振盪培養した。Packaging液に1×106 phage per 10ml cellsとなるように算出した液量分の培養液を添加した後、20分以内に菌液とPackaging液の混合液の10倍量のTop agarose(45〜50℃程度)と混合し、LB+Amp寒天培地にの上に均一になるように播種した後、37℃で4時間静置培養した。培養後に10mlPhage Extraction Buffer(20mM Tris-HCl、pH8.0、100mM NaCl、6mM MgSO4)を添加し、4℃で一晩静置して反応させた。LB+Amp寒天培地のシャーレを傾けてファージライブラリ溶液を1つのチューブへ回収し、500μlクロロホルムを加えて転倒混合し、4℃、3000×g、5分間遠心分離することによって上清を回収し、ファージライブラリライセートとした。ファージライブラリライセートは4℃で保存した。
4.Plaque Assay
1)ファージライブラリライセートの力価測定
M9TB液体培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が1.0程度になるまで140rpm、37℃で振盪培養した。Preおよび3rdのファージライブラリライセート10μlを、TB液体培地によってそれぞれ105〜108希釈し、100μlずつ分注した15mlチューブへ上記の培養液250μlを添加した。さらに45〜50℃程度の3ml Topagaroseを加えて混合し、LB+Amp寒天培地の上に均一になるよう播種した後、37℃で4時間静置培養した。生成したプラーク数から力価を計算した(プラーク数×希釈度×10=pfu/ml *plaque forming units)。
2)結果
pre:108希釈(プラーク数174個)より計算された力価は1.74×1011(pfu/ml)であり、3rd:108希釈(プラーク数263個)より計算された力価は2.63×1011(pfu/ml)であった。
また、T7 phageのMOI(感染効率)は10-3〜10-2のため、感染効率はそれぞれ、pre:1.74 ×108〜1.74 ×109(pfu)、3rd:2.63 ×108〜2.63 ×109(pfu)と算出された。
5.バイオパニング
1)EGFP coating plateの作製
F96 MAXISORP NUNC-IMMUNO PLATE(Thermo)を脱イオン化水で2〜3回洗浄し、水気を取り除いた後、脱イオン化水で10μg/mlに希釈した標的タンパク質であるEGFPを100μl/well分注して4℃で一晩静置して固相化した。300μl/wellの脱イオン化水で3回洗浄した後、5% Blocking Reagent溶液を200μl/wellとなるよう加えて室温で1時間ブロッキングを行った。300μl/wellの脱イオン化水で5回洗浄した後、200μl/wellとなるよう脱イオン化水を分注し、使用するまで4℃で保存した。
次に、反応させるファージライセート量を決定した。標的タンパク質が表示する全てのアミノ酸数(n)がランダムで決定される場合、その全配列パターンはn21である。指標となるファージ量はn21×力価×MOIで算出される。そこで、キンギョ抗体の可変領域の超可変領域におけるアミノ酸数を概算したところ、n=約70となった。しかし、キット付属の説明書に、1回のバイオパニングにおける1.0×108以上のファージ量は適さないとの記載があったため、今回は1.0×108ライセートを作製し、これを1回目のパニングに用いた。
2)バイオパニング(1回目)
ファージライセートをEGFP coating plateへ200μl添加し、4℃で16時間静置して反応させた。TBST200μl/wellでELISAプレートを5回洗浄した後、T7 Elution Bufferを200μl/well加えて、室温で10〜20分間反応させることによってファージライセートを溶出した。50ml LB+Amp液体培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が0.5〜0.6に達するまで37℃、140rpmで振盪培養した培養液に、回収した溶出液を添加し、37℃、140rpmで1〜3時間、細胞溶解が観察されるまで振盪培養した。4℃、8000×g、10分間遠心分離して上清を回収し、次のバイオパニングまで4℃で保存した。
3)バイオパニング(2回目〜4回目)
バイオパニング(1回目)を行ったファージライセート100μlをEGFP coating plateへ添加し、室温で30分間静置して反応させた。200μl TBSTでELISAプレートを5回洗浄した後、200μl/wellとなるようにT7 Elution Bufferを加えて、室温で10〜20分間反応させ溶出した。50mlLB+Amp液体培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が0.5〜0.6に達するまで37℃、140rpmで振盪培養した培養液に、溶出液全量を添加し、37℃、140rpmで1〜3時間、細胞溶解が観察されるまで振盪培養した。4℃、8000×g、10分間遠心分離して上清を回収し、4℃で保存した。
6.ファージの単離
プラークアッセイ法と同様の方法で行った。ファージを単離するために、希釈度を調節して1プレートに100以下のプラークとなるように培養した。M9TB液体培地に大腸菌BLT5403株を接種し、波長600nmの吸光度が1.0程度まで140rpm、37℃で振盪培養した。3rdのファージライセート10μlを、TB液体培地によって108希釈し、100μlずつ分注した15mlチューブへ上記の培養液250μlを添加した。さらに45〜50℃程度の3ml Top agaroseを加えて混合し、LB+Amp寒天培地の上に均一になるよう播種した後、37℃で4時間静置培養した。培養後、プラークを単離し、キット付属のT7 UPプライマーおよびT7 DOWNプライマーによってPCR(KOD)を行い、アガロースゲル電気泳動後にゲル抽出をしてPCR産物を精製した。
7.pET22b(+)ベクターへの導入
ファージディスプレイ法により得られた3rdのscFv遺伝子断片(scFv 9、10、12、13)を、EcoRI(TaKaRa)およびHindIII(TaKaRa)によって制限酵素処理し、pET22b(+)ベクター(Novagen)のEcoRI-HindIIIサイトにDNALigation Kit(TaKaRa)によるライゲーションを行った。大腸菌DH5α株を形質転換し、VL領域とVH領域の遺伝子配列がリンカー配列で連結し、C末端側にHisタグ配列が付加したscFv遺伝子がサブクローンされたプラスミドを得た。
図2にscFv組換えアミノ酸配列および組換えタンパク質の模式図を示した。
図2のAはpET22b(+)ベクター(Novagen)のマルチクローニングサイトEcoRI-HindIIIにクローニングしたscFv断片を組み込んだ際のアミノ酸推定配列を示したものである。制限酵素NotIおよびSalIサイトを利用することでVL領域単独またはVH領域単独での組込み、およびVL領域とVH領域の組み合わせの変更も可能であった。
図2のBはAのプラスミドベクターをタンパク質発現用大腸菌に形質転換した際の組換えタンパク質の推定構造を示したものである。scFvの構造にベクター由来のアミノ酸がN末端側に11個、C末端側に7個およびHis-タグが付加されると推定された。
8.scFvの遺伝子配列
pET22b(+)ベクターに導入したscFv遺伝子断片の塩基配列は、CEQ2000 DNA AnalysisSystem(Beckman)によるDNAシークエンシング反応およびGENETYX(ソフトウェア開発)によって確認した。プライマーはT7 UPプライマーおよびT7 DOWNプライマーとした。
9.scFvタンパク質発現
1)scFvタンパク質の作製および精製
作製したpET22b(+)-scFvプラスミドによりscFvタンパク質を作製した。まず、大腸菌BL21株を形質転換し、LB+Amp液体培地へ接種し37℃、140rpmで振盪培養した。波長600nmの吸光度が0.5に達したところで速やかに15℃に急冷し、IPTGを終濃度1.0mMとなるよう添加し、15℃、140rpm、24時間振盪培養することによってscFvタンパク質の発現を誘導した。誘導後、菌体を4℃、5000×g、10分間遠心分離して回収し、PBSで残留した液体培地成分を除去した。続いて、Ni結合バッファー(20mM Na2HPO4、0.5M NaCl、5mM Imidazole、pH7.4)を加え、微量超音波細胞破砕機(MICROSON XL 2000、MISONIX)によって氷上で菌体を破砕した。この菌体破砕液を4℃、15000×g、30分間遠心分離して上清を回収した。回収した上清を0.45μmフィルター(ADVANTEC)により夾雑物を除去して大腸菌発現scFv抽出液とした。得られた大腸菌発現scFv抽出液はHis TrapHPカラム(GE Healthcare)に供し、Ni結合バッファーおよびNi溶出バッファー(20mM Na2HPO4、0.5M NaCl、500mMImidazole、pH7.4)によりHisタグが付加されたscFvタンパク質の精製を行った。発現および精製確認として、SDS-PAGEに供し、CBB染色および抗His抗体(GE Healthcare)によるウェスタンブロットを行った結果を図3に示した。
2)結果
図3に示されるように、目的の約31kDaの大きさに、Ni精製により濃縮されたscFvと推定されるバンドが確認できた。このNi精製後画分をscFvタンパク質抽出画分として以降のELISA検出に使用した。
なお図3の“前”はNiカラム精製前、“後”はNiカラム精製後の画分を示したものであり、赤矢印は、scFvと推定される約31kDaの大きさを示したものである。
10.ELISA検出
1)ELISA検出
作製したscFvにおいて、標的タンパク質EGFPに対する親和性を調べるため、EGFPを直接固相化したELISA法によって検出を行った。まず、MAXISORP NUNC-IMMUNOPLATEに炭酸バッファー(15mM Na2CO3、35 mM NaHCO3、pH9.6)で50μg/wellとなるよう希釈したEGFP溶液を100μl分注し、4℃で一晩静置して固相化した。PBST 200μl/wellで2回洗浄した後、1% BSA/PBSを200μl/well分注し、37℃で1時間ブロッキングを行った。PBSTで洗浄し、Can Get Signal Solution 1(TOYOBO)で10倍、100倍および1000倍に希釈したNi精製後scFvタンパク質抽出画分を100μl/well分注し37℃で1時間反応させた。PBSTで洗浄後、Can Get Signal Solution 1(TOYOBO)で5000倍に希釈した抗Hisタグ抗体を100μl/well分注し、25℃で2時間反応させた。PBSTで洗浄した後、Can Get Signal Solution 2(TOYOBO)で20000倍に希釈した抗mouseIgG HRP標識抗体を100μl/well分注し、37℃で1時間反応させた。PBSTで4回洗浄した後、室温に戻したTMB基質(SurModics)を100μl/well分注し、室温で30分静置して反応させ、次いで反応停止液(0.1N HCl、0.6N H2SO4)を100μl/well加えて反応を停止させ、プレートリーダーで波長450nmの吸光度を測定した結果を図4に示した。
2)結果
図4にELISAによるscFv-Hisの抗EGFP活性の検出結果を示した。10倍希釈scFvタンパク質抽出液を反応させたところ、scFv10、scFv12およびscFv13のサンプルにおいて、EGFPに特異的な結合を確認することができた。4種類のscFvにおいて、scFv13が最も高い親和性を有した。
3)scFvシーケンス結果
scFv 9シーケンス結果を図5、配列番号31(塩基配列)、配列番号35(アミノ酸配列)に示した。scFv 10シーケンス結果を図6、配列番号32(塩基配列)、配列番号36(アミノ酸配列)に示した。scFv 12シーケンス結果を図7、配列番号33(塩基配列)、配列番号37(アミノ酸配列)に示した。また、scFv 13シーケンス結果を図8、配列番号34(塩基配列)、配列番号38(アミノ酸配列)に示した。なお、図5〜図8において各領域の開始点に領域名(VL-FR、VH-CDRなど)を示した。
本発明により、標的タンパク質抗原特異的な抗体の情報として、VH領域および/またはVL領域の塩基配列情報および/またはアミノ酸配列情報を取得することが可能となる。また、取得したこれらの情報をもとに、抗体を作成し、検査・診断薬や抗体医薬を取得することも可能となる。

Claims (10)

  1. 次の(A)〜(D)の工程を含む抗原特異的な抗体の情報を取得する方法。
    (A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程
    (B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程
    (C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程
    (D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程
  2. 抗原特異的な抗体の情報が抗原特異的なVH領域および/またはVL領域の塩基配列情報および/またはアミノ酸配列情報である請求項1に記載の方法。
  3. 抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーの構築にあたり、配列表配列番号1に記載の塩基配列を含むプライマーおよび/または配列表配列番号2に記載の塩基配列を含むプライマーを用いる請求項1または2に記載の方法。
  4. 水泡を有する魚類が水泡眼またはらんちゅうである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により取得される抗原特異的な抗体の塩基配列情報。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により取得される抗原特異的な抗体のアミノ酸配列情報。
  7. 次の(A)〜(E)の工程を経て得られる、抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質。
    (A)水泡を有する魚類に抗原を投与し、抗体を産生させる工程
    (B)上記(A)の魚類から抗体を含む水泡液を採取する工程
    (C)上記(B)にて採取した水泡液より抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーを構築する工程
    (D)上記(C)にて構築された抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーをファージディスプレイ化する工程
    (E)上記(D)の工程により構築されたファージライブラリから抗原に結合する抗原特異的なポリクローナル抗体の全部または一部が示されたファージ提示組換えタンパク質をスクリーニングする工程
  8. 配列表配列番号31〜34のいずれかに記載の塩基配列によってコードされる、または配列表配列番号35〜38のいずれかに記載のアミノ酸配列によって示される請求項7に記載のファージ提示組換えタンパク質。
  9. 配列表配列番号1に記載の塩基配列を含むプライマーおよび/または配列表配列番号2に記載の塩基配列を含むプライマー。
  10. 抗原特異的なポリクローナル抗体遺伝子ライブラリーの構築のための請求項9に記載のプライマー。
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