JP6119909B1 - 溶射用合金、溶射用合金線、フィルムコンデンサ、およびはんだ合金 - Google Patents

溶射用合金、溶射用合金線、フィルムコンデンサ、およびはんだ合金 Download PDF

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Abstract

【課題】内部電極と端面電極との接合を堅固にする溶射用合金、この溶射用合金からなる溶射用合金線および溶射用合金を電極に溶射したフィルムコンデンサ、はんだ接合を堅固にするはんだ合金を提供する。【解決手段】溶射用合金及びはんだ合金は、Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.1質量%超0.5質量%未満、残部がZnである。溶射用合金線は、この溶射用合金からなる。フィルムコンデンサ1は、内部電極10と、内部電極10の幅方向の両方の端面10A、10Bに形成される端面電極11A、11Bとを備える。端面電極11A、11Bには、溶射用合金が溶射される。内部電極10、端面電極11A、11Bの外周は、絶縁体13で覆われる。端面電極11A、11Bには、それぞれリード線14A、14Bが、絶縁体13から突出するようにして接合される。【選択図】図1

Description

本発明は、溶射用合金、この溶射用合金からなる溶射用合金線、溶射用合金を用いたフィルムコンデンサ、およびはんだ合金に関する。
従来から、フィルムコンデンサの電極引き出し材料としては、環境を考慮して、亜鉛、錫、亜鉛錫合金、アルミニウムが使用されている。
フィルムコンデンサには、誘電体フィルムに金属を蒸着した金属薄膜を内部電極として用いる金属化フィルムコンデンサと、金属箔と誘電体フィルムとを重ねて巻回したものを内部電極として用いる箔電極型フィルムコンデンサがある。金属化フィルムコンデンサには、金属化フィルムを巻回して内部電極とした巻回型と、金属化フィルムを積層して内部電極とした積層型がある。いずれも外部電極の導出方法は、内部電極の両端面に金属を溶射してメタリコン層を形成した端面電極にリード素子を取り付けることで、電極を外部に導出させる無誘導型である。箔電極型フィルムコンデンサは、外部電極の導出方法として、内部電極にリード線等のリード素子を付けて巻回した誘導型と、無誘導型とがある。
従来から、無誘導型フィルムコンデンサの端面電極に使用される溶射用金属には、Zn、Sn、又はこれらを含む合金が使用されてきた。フィルムコンデンサの内部電極と端面電極との接合部の接触抵抗が大きくなると、コンデンサ内の温度が上昇する。温度が上昇すると、内部電極間で短絡しやすくなる。そのため、フィルムコンデンサの端面電極に使用される溶射用金属として、内部電極と端面電極との接合部の接触抵抗を小さくするものが望まれている。また外部電極(リード線)と端面電極との接合は、融点の高い端面電極材料であると、電極の摩耗が激しく安定な接合ができなく、接合歩留まりが悪くなる傾向があり、安定するために融点の低い材料が使われてきた。その為、端面電極を内部電極と接触の良い材料と外部電極と接合しやすい材料と2層吹き付けするものが多い。
Cuは融点が1085℃と高いため、Cuを添加することによって、合金の融点が上がる。合金の融点が上がると、接合対象物に溶射された時点で合金が十分な熱量を有するので、接合部の結合を強くして接触抵抗を下げることができる。そのため、近年では、Zn、Snに加えてCuを含有する合金が使用されている。特許文献1には、Zn30〜80重量%とSn20〜70重量%とからなる合金にCu0.5〜10重量%とSb0.05〜2重量%とを添加した合金が開示されている。特許文献2には、Zn46.0〜50.0重量%、Sn50.0〜54.0重量%、Cu0.1〜1.5重量%、Sb0.01〜0.50重量%からなる合金が開示されている。
特開昭50−116947号公報 特開2001−259885号公報
フィルムコンデンサの端面電極のメタリコン層を形成する材料の基本要求は、材料自身が低抵抗であること、接触抵抗を小さくできること、さらに端面電極とリード線の接合が容易で抵抗をもたないことが重要である。しかし、上述した特許文献1、2のように、Cuを一定以上含有する合金を金属化フィルムコンデンサに適用する場合、溶射時に内部電極のフィルム端面の温度が高くなりすぎてフィルムが収縮し、内部電極のフィルム端面と端面電極との接合が弱くなるという問題があった。また亜鉛単体やCuの比率の多い端面電極では、融点が高く、リード線との接合時に大電流が必要になり接合電極の摩耗が大きく、リード線接合の歩留まりが安定しにくい欠点があった。その為に内部電極と接合する端面電極と外部電極と接合する端面電極の材料を変える方法が採用されているものがあったが、溶射装置が2個以上必要となり複雑であった。また、Cuを一定量以上含有する合金をはんだ接合に使用すると、接合部の温度が高くなりすぎてしまい、接合面の接合強度が弱くなるという問題があった。
本発明はかかる課題を解決したもので、内部電極と堅固に接合することのできる端面電極を形成するとともに、安定したリード線との接合を可能にした溶射用合金、この溶射用合金からなる溶射用合金線、および溶射用合金を電極に溶射したフィルムコンデンサ、およびはんだ接合を堅固にするはんだ合金を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために採った本発明の技術手段は、次の通りである。
(1)フィルムコンデンサの電極導出に使用される溶射用合金であって、Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.2質量%以上0.4質量%以下、残部がZnである溶射用合金。
(2)フィルムコンデンサの電極導出に使用される溶射用合金であって、Sn40質量%、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.13質量%以上0.49質量%以下、残部がZnである溶射用合金。
)前記(1)または(2)に記載の溶射用合金からなる溶射用合金線。
)金属化フィルムを巻回又は積層してなる内部電極と、内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、端面電極が、前記(1)または(2)に記載の溶射用合金からなる金属化フィルムコンデンサ。
)金属化フィルムを巻回又は積層してなる内部電極と、内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、端面電極は、内部電極に溶射される亜鉛からなる第1層と、第1層に溶射される、前記(1)または(2)に記載の溶射用合金からなる第2層を有することを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
)金属箔と誘電体フィルムとを、金属箔が誘電体フィルムに対して突出するように重ねて巻回した内部電極と、内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、端面電極が、前記(1)または(2)に記載の溶射用合金からなる箔電極型フィルムコンデンサ。
)Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.2質量%以上0.4質量%以下、残部がZnであるはんだ合金。
(8)Sn40質量%、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.13質量%以上0.49質量%以下、残部がZnであるはんだ合金。
本発明に係る溶射用合金は、内部電極に溶射されて端面電極を作り、内部電極と端面電極との接合を堅固にすることができ、端面電極と外部電極のリード線と安定した接合ができる。本発明に係る溶射用合金は、溶射用合金線に加工することができ、溶射に適した形態とすることができる。また、本発明に係るフィルムコンデンサは、内部電極と端面電極とを安定して接合することができるため、電気エネルギーの損失を小さくすることができる。本発明に係るはんだ合金は、接合物と被接合物との接合を堅固にすることができる。
第1の実施の形態としての金属化フィルムコンデンサ1の内部の構成例を示す斜視図である。 第2の実施の形態としての金属化フィルムコンデンサ2の内部の構成例を示す斜視図である。 第3の実施の形態としての箔電極型フィルムコンデンサ3の内部の構成例を示す斜視図である。 フィルムコンデンサ1〜2の変形例としての金属化フィルムコンデンサ4の内部の構成例を示す斜視図である。
<本実施の形態のフィルムコンデンサの構成例>
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態としてのフィルムコンデンサについて説明する。
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態のフィルムコンデンサ1は、巻回型の金属化フィルムコンデンサであって、内部電極10と、内部電極10の幅方向の両方の端面10A、10Bに形成されて電極を外部に導出させる端面電極11A、11Bとを備える。
内部電極10は、金属化フィルム12が巻回されて形成される。金属化フィルム12は、誘電体フィルムとしてのポリプロピレンフィルムにアルミニウムが蒸着されている。複数枚の金属化フィルム12が重ねられて巻回されてもよい。
端面電極11A、11Bには、本発明に係る後述する溶射用合金が溶射されてメタリコン層が形成される。内部電極10、端面電極11A、11Bの外周は、絶縁体13で覆われる。端面電極11A、11Bには、それぞれリード線14A、14Bが、絶縁体13から突出するようにして接合される。
[第2の実施の形態]
図2に示すように、第2の実施の形態のフィルムコンデンサ2は、積層型の金属化フィルムコンデンサであって、内部電極20と、内部電極20の幅方向の両方の端面20A、20Bに形成されて電極を外部に導出させる端面電極21A、21Bとを備える。
内部電極20は、誘電体フィルムとしてのポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着した複数の金属化フィルム22が積層される。金属化フィルム22の、アルミニウムが蒸着された蒸着部22aは、端面20A、20Bから交互に突出するようにして積層されている。
端面電極21A、21Bには、本発明に係る後述する溶射用合金が溶射されてメタリコン層が形成される。内部電極20、端面電極21A、21Bの外周は、絶縁体23で覆われる。端面電極21A、21Bには、それぞれリード線24A、24Bが、絶縁体23から突出するようにして接合される。
[第3の実施の形態]
図3に示すように、第3の実施形態としてのフィルムコンデンサ3は、電極箔型フィルムコンデンサであって、内部電極30と、内部電極30の幅方向の両方の端面30A、30Bに形成されて電極を外部に導出させる端面電極31A、31Bとを備える。この図は、説明のために、内部電極30の一部を分解している。
内部電極30は、金属箔30a、30bと、誘電体フィルム30c、30dとを有する。本実施の形態の金属箔30a、30bには、アルミニウムが使用される。金属箔30aと誘電体フィルム30cが、誘電体フィルム30cに対して金属箔30aが一方の端面30A側から突出するようにして重ねられて電極フィルム30Cが形成される。金属箔30bと誘電体フィルム30dが、誘電体フィルム30dに対して金属箔30bが他方の端面30B側から突出するように重ねられて電極フィルム30Dが形成される。電極フィルム30C、30Dが、金属箔30a、30bを同じ方向に向けて重ねられ、巻回される。
端面電極31A、31Bには、本発明に係る後述する溶射用合金が溶射されてメタリコン層が形成される。内部電極30、端面電極31A、31Bの外周は、絶縁体33で覆われる。端面電極31A、31Bには、それぞれリード線34A、34Bが絶縁体33から突出するようにして接合される。
上述した実施の形態の金属化フィルム12、22は、ポリプロピレンにアルミニウムを蒸着させたが、これに限られない。金属化フィルム12、22には、ポリプロピレンの他に、ポリエチレン・テレフタレート、ポリフェニレン・スルフィド、ポリエチレン・ナフタレート、ポリスチレン等を使用してもよい。誘電体フィルム30c、30dにも、これらの素材を使用できる。誘電体フィルムに蒸着させる金属としては、アルミニウムの他にも、亜鉛、錫、銅等を使用してもよい。金属箔30a、30bは、アルミニウムの他にも、亜鉛、錫、銅等を使用することができる。
上述した実施の形態において、各端面電極は、溶射用合金が溶射された一層からなる構成としたが、これに限られない。各端面電極は、例えば図4に示すフィルムコンデンサ1〜2の変形例としてのフィルムコンデンサ4のように、異なる金属を溶射した複数の層を備えてもよい。
フィルムコンデンサ4は、内部電極40と、内部電極40の幅方向の両方の端面40A、40Bに形成される端面電極41A、41Bとを備える。内部電極40、端面電極41A、41Bの外周は、絶縁体43で覆われる。端面電極41A、41Bには、それぞれリード線44A、44Bが絶縁体43から突出するようにして接合される。
端面電極41A、41Bは、2層からなり、端面電極41Aは、内部電極40の一方の端面40Aに溶射される第1層としての端面電極層41aと、端面電極層41aの上に溶射によって形成される第2層としての端面電極層41cとを有する。端面電極41Bは、内部電極40の他方の端面40Bに溶射される第1層としての端面電極層41bと、端面電極層41bの上に溶射によって形成される第2層としての端面電極層41dとを有する。
このとき、端面電極層41a、41bに亜鉛または亜鉛合金を溶射して第1層を形成し、端面電極層41c、41dに後述する溶射用合金を溶射して第2層を形成してもよい。
上述した実施の形態において、リード線14A、14B、24A、24B、34A、34B、44A、44Bには、錫めっき銅線、錫めっき銅覆鋼線等を使用することができる。
上述したフィルムコンデンサ1〜4は、各内部電極と各端面電極との接合部の接触抵抗が大きくなると、コンデンサ内の温度が上昇するので、内部電極間で短絡しやすくなる。これらの接合部の接触抵抗を小さくすることで、コンデンサ内の温度上昇を抑えることができる。接触抵抗の大小は、電気エネルギー損失の度合いを表す誘電正接tanδから判断することができる。所定の電圧印加時の誘電正接tanδの値が小さいほど、電気エネルギー損失の小さいフィルムコンデンサである。コンデンサの電気エネルギーの損失が小さく、電圧印加時の温度上昇を抑えることができて十分な耐久性を有するフィルムコンデンサを作製するために、以下の通り、フィルムコンデンサの端面電極に使用される溶射用合金の各組成の配合量を見極めた。
<溶射用合金の組成検討>
まず、Sn及びCuの質量比率の検討を行った。Sn−Cu−Sb−Zn合金を、Sn及びCuを表1に示す質量比率で、Sbを0.9質量%で、残りをZnとして、合わせて100質量%となるように調合して溶射用合金とした。調合した溶射用合金を、連続鋳造し、その後、伸線加工を経て、本例では、径1.3mmの溶射用合金線に加工した。径1.3mmに伸線加工できなかった溶射用合金は、溶射に使用する溶射装置に連続して供給できないため好ましくない。そのため、溶射用合金線に加工できた溶射用合金について、後で詳述する、充放電電流試験を行った。
厚さ3μm、幅50mm、長さ100mのポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着させたものを巻回した。巻回した内部電極の幅方向の両端面に、加工した溶射用合金線を、溶射した。溶射した端面電極にリード線を接合させて、フィルムコンデンサ(静電容量56μF)を作製した。
作製したフィルムコンデンサに抵抗(R)とリアクタンス(L)持つ線を直列に接続して、短絡時の放電電流のパルス幅を30〜40μsのパルス幅にR、L設定し、400V印加した。フィルムコンデンサの試験電圧まで充電した後、瞬時に放電するサイクルを5秒サイクルで100回繰り返した。本例において、充放電試験前のコンデンサの誘電正接tanδの値は0.1であったので、これを初期値とした。
本例においては、100サイクル毎に印加する電圧を50Vずつ上昇させて、誘電正接tanδが初期値の1.5倍以上、すなわち、0.15以上となったときの充放電電流値(A/m)(以下、単に充放電電流値という)を測定した。表1中の数値は、充放電電流値である。充放電電流値が高いコンデンサほど、電気エネルギーの損失が小さく、電圧印加時の温度上昇を抑えることができて十分な耐久性を有するといえる。本例においては、十分な耐久性を有するコンデンサとして、充放電電流値は、60A/m以上であることが好ましいものとした。
Figure 0006119909
Snが30質量%以上45質量%以下、Cuが0.2質量%以上0.4質量%以下、Sbが0.9質量%、残部がZnである溶射用合金は、溶射用合金線に加工できた上に、この溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、いずれも充放電電流値が60A/m以上となり、好ましい結果が得られた。
Snを30質量%、Cuを0.1質量%含有する溶射用合金は、充放電電流値が58A/mであり、60A/mに近い値だった。しかし低融点材料Snの中に高融点材料Cuを0.1%超付加することにより、溶射時は固化し難くなり、溶融状態のまま金属化フィルムの内部電極に接合し、その後固化するため、コンデンサの端面電極に使用に適した接合強度を得られる。そのため、Cuの含有割合は、0.1質量%超であることが好ましいと推測される。
Snを45質量%、50質量%、Cuを0.5質量%含有する溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、充放電電流値が60A/m以上となった。Snを50質量%、Cuを0.6質量%含有する溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、充放電電流値が60A/m以上となった。しかし、Cuを0.5質量%以上含有する溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、端面電極でZn中にCuの析出が見られた。Cuの析出は、端面電極の脆化に繋がるため、Cuの含有割合は、0.5質量%未満であることが好ましいと推測される。
続いて、Sn及びCuの質量比率のより詳細な検討及び、Sb、Znの質量比率の検討のため、表2に示す組成比で、実施例及び比較例に示す溶射用合金を調合して、表1で検討したのと同じ条件で検討を行った。
表中の伸線加工性の結果において、○は、径が1.3mmの溶射用合金線に加工できたこと、△は、溶射用合金線に加工できたものとできなかったものが混在したこと、×は、溶射用合金線に加工できなかったことを表す。表中の充放電電流試験の結果において、○は、充放電電流値が60A/m以上であったこと、△は、58A/mとなって60A/mに近い値になったこと、×は、60A/mに満たなかったことを示す。
Figure 0006119909
実施例1〜7の溶射用合金は、いずれもSnが30質量%以上45質量%以下、Sbが0.5質量%以上1.0質量%以下、Cuが0.1質量%超0.5質量%未満、残部がZnである。実施例1〜7の溶射用合金は、溶射用合金線に加工できた上に、これらの溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、充放電電流値が60A/m以上となって、好ましい結果が得られた。
実施例1の溶射用合金は、Snを40質量%、Sbを0.9質量%、Cuを0.13質量%含有する。実施例2の溶射用合金は、Sn及びSbの含有割合が実施例1の溶射用合金と等しく、Cuを0.15質量%含有する。Sn及びSbの含有割合が実施例1、2の溶射用合金と等しく、Cuを0.1質量%含有する比較例1の溶射用合金は、表1に示した通り、充放電電流値が48A/mと、60A/mに満たなかった。この結果から、Cuの含有割合は、0.1質量%超であることが好ましいといえる。
実施例3の溶射用合金と比較例2の溶射用合金とは、Snを40質量%、Sbを0.9質量%含有する点で共通するが、Cuの含有割合が異なる。実施例3の溶射用合金では充放電電流試験で良好な結果を得られたが、比較例2の溶射用合金では、充放電電流値が58A/mと、僅かに60A/mよりも低かった。更に比較例2の溶射用合金を溶射したフィルムコンデンサは、端面電極でZn中にCuの析出が見られた。この結果の違いは、Cuの含有割合の違いによるものといえる。実施例3の溶射用合金がCuを0.49質量%含有し、比較例2の溶射用合金がCuを0.5質量%含有することから、Cuの含有割合は、0.5質量%未満であることが好ましいといえる。
なお、実施例1〜3の溶射用合金とSbの含有割合が等しい実施例4、5の溶射用合金も、Cuの含有割合が0.1質量%超0.5質量%未満の範囲内であり、充放電電流試験で好ましい結果が得られた。実施例1〜3の溶射用合金とSnの含有割合が等しい実施例6、7の溶射用合金も、Cuの含有割合が0.1質量%超0.5質量%未満の範囲内であり、充放電電流試験で良好な結果が得られた。
実施例1〜7の溶射用合金は、Sbを0.5質量%以上1.0質量%以下含有し、いずれの実施例も伸線加工性及び充放電電流試験で良好な結果を得られた。
比較例2の溶射用合金は、Sbを0.9質量%含有しており、溶射用合金線に加工できた。比較例3の溶射用合金は、比較例2の溶射用合金からSbの含有割合を1.1質量%に変えたものである。比較例4の溶射用合金は、比較例3の溶射用合金から更にSnの含有割合を35質量%に変えたものである。比較例2の溶射用合金は溶射用合金線に加工することができたが、比較例3、4の溶射用合金が溶射用合金線に加工できなかったことから、Sbの含有割合は1.0質量%以下であることが好ましいといえる。
比較例5の溶射用合金は、Sbを0.13質量%含有し、溶射用合金線に加工できなかったものが2割あった。比較例6の溶射用合金は、Sbを0.3質量%含有し、溶射用合金線に加工できなかった。比較例7の溶射用合金も、Sbを0.3質量%含有し、溶射用合金線に加工できなかった。Sn及びCuの含有割合が比較例7の溶射用合金と等しくSbの含有割合が0.55質量%の実施例6の溶射用合金では、上述した通り、溶射用合金線に加工出来た。この結果の違いは、Sbの含有割合の違いによるものといえる。Sbの含有割合が0.55質量%の実施例6の溶射用合金は溶射用合金線に加工できたが、Sbの含有割合が0.5質量%より低い比較例5〜7の溶射用合金は溶射用合金線に加工できなかったことから、Sbの含有割合は0.5質量%以上であることが好ましいといえる。
なお、本例では、巻回型の金属化フィルムコンデンサを使用して充放電電流試験を行ったが、これに限られない。箔電極型フィルムコンデンサの端面電極としても使用しても何ら問題なく使用することができる。なお、本例では、ポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着させたものを巻回して内部電極を作製したが、これに限られない。誘電体フィルムとしては、ポリプロピレンの他に、ポリエチレン・テレフタレート、ポリフェニレン・スルフィド、ポリエチレン・ナフタレート、ポリスチレン等を使用しても同じ結果が得られる。誘電体フィルムに蒸着させる金属としては、アルミニウムの他にも、亜鉛、錫、銅等を使用しても同じ結果が得られる。
以上の結果から、次のことがわかる。
Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.1質量%超0.5質量%未満、残部がZnである溶射用合金は、溶射用合金線に加工でき、溶射に適した形態とすることができる。この溶射用合金をフィルムコンデンサの端面電極として使用すると、充放電電流試験で良好な結果を得ることができる。そのため、この溶射用合金から作られた溶射用合金線を、溶射してフィルムコンデンサの端面電極として使用すると、内部電極と端面電極との接合を堅固にすることができる。また、端面電極と外部電極のリード線とを安定して接合することができる。
Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.1質量%超0.5質量%未満、残部がZnである溶射用合金を用いたフィルムコンデンサは、内部電極と端面電極とを安定して接合することができ、かつ端面電極と外部電極のリード線とを安定して接合することができるため、電気エネルギーの損失を小さくすることができる。
Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.1質量%超0.5質量%未満、残部がZnであるはんだ合金は、接合物と被接合物との接合を堅固にすることができる。また、線状に加工できるため、線はんだとして使用することができる。また、このはんだ合金を粉末状に加工してフラックスと混合することで、ソルダーペーストとして使用することができる。
本発明は、溶射用合金、この溶射用合金からなる溶射用合金線及び溶射用合金を用いたフィルムコンデンサ、はんだ合金などに適用される。
1・・・フィルムコンデンサ、10、20、30、40・・・内部電極、11A、11B、21A、21B、31A、31B、41A、41B・・・端面電極、12、22・・・金属化フィルム、30a、30b・・・金属箔

Claims (8)

  1. フィルムコンデンサの電極導出に使用される溶射用合金であって、
    Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.2質量%以上0.4質量%以下、残部がZnである溶射用合金。
  2. フィルムコンデンサの電極導出に使用される溶射用合金であって、
    Sn40質量%、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.13質量%以上0.49質量%以下、残部がZnである溶射用合金。
  3. 請求項1または2に記載の溶射用合金からなる溶射用合金線。
  4. 金属化フィルムを巻回又は積層してなる内部電極と、
    前記内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、
    前記端面電極が、請求項1または2に記載の溶射用合金からなる金属化フィルムコンデンサ。
  5. 金属化フィルムを巻回又は積層してなる内部電極と、
    前記内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、
    前記端面電極は、
    前記内部電極に溶射される亜鉛からなる第1層と、
    前記第1層に溶射される、請求項1または2に記載の溶射用合金からなる第2層を有する
    ことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  6. 金属箔と誘電体フィルムとを、前記金属箔が前記誘電体フィルムに対して突出するように重ねて巻回した内部電極と、
    前記内部電極の幅方向の両端面に溶射される端面電極とを備え、
    前記端面電極が、請求項1または2に記載の溶射用合金からなる金属箔フィルムコンデンサ。
  7. Sn30質量%以上45質量%以下、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.2質量%以上0.4質量%以下、残部がZnであるはんだ合金。
  8. Sn40質量%、Sb0.5質量%以上1.0質量%以下、Cu0.13質量%以上0.49質量%以下、残部がZnであるはんだ合金。
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