JP6119722B2 - 電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置 - Google Patents

電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置 Download PDF

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Description

本発明は、電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置に関する。より詳しくは、ラジアルセル方式における電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置に関する。
鋼板を連続的に電気めっきする方法として、(1)鋼板がカソードになるように対をなす電極ロールで鋼板を挟みながら、めっき液中に通板、浸漬し、めっき液槽中のアノード電極と鋼板間で通電する縦型、あるいは横型めっきセル方式と、(2)鋼板の搬送・方向転換用ロールと電気めっき用の電極とを兼ねた電極ロールと、該電極ロールの半径方向に隙間を設けて設置されたアノード電極とを使用し、アノード電極と鋼板間の空間にめっき液を供給して、カソードである鋼板のめっき面と通電するラジアルセル方式と、が知られている。
図5を参照して従来知られているラジアルセル方式の概略を説明する。図5は従来の電気めっき装置について側面側から見た断面の概略図である。ラジアルセル方式では、鋼板21の搬送・方向転換用ロールと電気めっき用の電極とを兼ねた電極ロールと、該電極ロールにおけるロール胴部22の半径方向に隙間を設けて設置されたアノード電極23とを使用する。鋼板21をロール胴部22に巻き付けながら、めっき液槽26に貯留しためっき液25中を通し、ロール胴部22に巻きつけられた鋼板21のめっき面と断面弧状のアノード電極23の間に直流電圧(電源は27)をかけて鋼板21に対して電気めっきを行う。なお、めっき液25は供給路24から補給される。
非特許文献1第44〜46頁にあるように、ラジアルセル方式は優れためっき性能を持っている。低いめっき電圧で高い電流密度を実現できる点はラジアルセル方式の大きな利点である。また、片面だけをめっきすることが可能であることは、本方式の大きな特徴である。しかし、ラジアルセル方式では解決すべき課題もある。
従来のラジアルセル方式において、ロール胴部周面であって鋼板が接していない部位はカソードとして機能する。よって、ロール胴部周面と鋼板間へめっき液が侵入した状態でロール胴部周面及びアノード電極が通電するとロール胴部周面に不要なめっき金属が析出してしまう。該めっき金属によりロール胴部周面と鋼板との密着が妨げられ、(1)ロール胴部周面と鋼板間へめっき液が侵入しやすくなり、不要なめっき金属が更にロール胴部周面に析出する、(2)鋼板にまばらにめっき金属が形成されたり、めっき量が減少したりする、(3)アークスポットが発生し鋼板に疵が生じる、等の不具合があった。
ロール胴部周面に析出した不要なめっき金属に基づく不具合を解消するため、様々なラジアルセル方式の電気めっき装置が提案されている。
特許文献1は、電極ロール上部にダムロールを備えた電気めっき装置を開示する。該電気めっき装置は、ダムロールにめっき液を溜め、ロール胴部周面にわずかずつ析出してくる亜鉛を溶解してロール胴部周面から析出した不要なめっき金属を除去しようとしている。(特許文献1段落0010,図1)。
特許文献2は、電極ロールをめっき液に浸漬しない状態で、アノード電極に設けられたスリットからめっき液を鋼板に噴射してめっきを行う電気めっき装置を開示する。該電気めっき装置ではロール胴部周面及び鋼板間の高い接触面圧を安定に維持できるとされ、ロール胴部周面及び鋼板を密着させてロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入を防ごうとしている(特許文献2第3頁左下欄第18行目〜同頁右下欄第15行目)。
特許文献3は、電極ロール上部にワイパーが設けられた電気めっき装置を開示する。該ワイパーによりロール胴部周面からめっき液を拭き取ってロール胴部周面に不要なめっき金属が析出することを防ごうとしている。(特許文献3第5カラム最終行〜第6カラム第3行目,図2)。
特開平5−279894号公報 特開昭57−101693号公報 特公昭46−7162号公報
社団法人日本鉄鋼協会編集発行 第106・107回西山記念技術講座 表面処理鋼板の現状と今後の動向
しかし、ロール胴部周面への不要なめっき金属の析出は未だ十分に抑制されていない。
特許文献1に開示された電気めっき装置ではロール胴部周面に析出しためっき金属を再溶解する手法がとられた。しかし、析出しためっき金属を再溶解するためのダムロールは限られた空間にしか配置できないため、特許文献1段落0010に記載されたようにわずかずつしか析出しためっき金属を溶解できず、即効性がなかった。よって、ロール胴部周面へのめっき金属析出の抑制について、より有効な手段が望まれていた。
特許文献3に開示された電気めっき装置では、ロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入が十分に防止できないことが前提である。一方で、ワイパーはロール胴部周面に既に析出しためっき金属を除去できない。即ち、特許文献3に開示された電気めっき装置では、ロール胴部周面への不要なめっき金属析出は十分に抑制できていなかった。
特許文献2に開示された電気めっき装置ではめっき液を鋼板に噴射してロール胴部周面と鋼板とを密着させようとした。しかし、流体圧は不均一で圧力も小さいため、ロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入を十分に防止できていなかった。即ち、ロール胴部周面への不要なめっき金属析出は十分に抑制できていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。ロール胴部周面へのめっき金属析出を良好に抑制した電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置を提供することを本発明が解決すべき課題とする。
本発明者等は、まず、(1)上記特許文献1〜3に開示された電気めっき装置では電極ロールの構造が改善されていない点に着目した。次に、(2)電極ロールのロール胴部周面と鋼板との密着をより確実にするため鋭意検討した結果、ロール胴部内に電磁石を設け、磁力を利用してロール胴部周面に鋼板を密着させることが有効と考えた。鋼板に加えられた張力に更に磁力が加わることで、ロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入を有効に防止できる。更に、(3)鋼板のめっきに用いるめっき電流で電磁石が磁力を発生させれば、電気めっきの開始と鋼板の吸着開始を同期でき、ロール胴部周面に鋼板を密着させた状態で電気めっきを行える。
本発明者等は、更に検討を重ね、以下の知見も得た。鋼板にめっき電流が流れる領域をアノード電極で覆われた領域に限定すれば、電気めっき及び鋼板の吸着を同時に行い、一方で電気めっきの完了及び鋼板の吸着解除も同時に行える。よって、電気めっきの開始前及び完了後は余計な力を掛けないで鋼板を搬送できる。また、このようにすれば、電気めっき及び鋼板の吸着は同時に開始され、ロール胴部周面と鋼板間からめっき液が有効に除去される。そして、電気めっき中はロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入が有効に防止される。即ち、ロール胴部周面へのめっき金属析出を良好に抑制できる。
以上の知見を得て、本発明者等は本発明を完成させた。
前記課題を解決するための第1発明に係る電気めっき方法は、ラジアルセル方式の電気めっき方法であって、内部が中空であり該中空内に電磁石を有するロール胴部を備える電極ロールを使用し、めっき電流を使用して前記電磁石から磁力を発生させて鋼板を前記ロール胴部の周面に吸着しながら、前記ロール胴部から前記鋼板に前記めっき電流を流すことを特徴とする。
前記課題を解決するための第2発明に係る電極ロールは、ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電極ロールであって、該電極ロールは内部が中空で回転可能のロール胴部を有し、該中空内には電磁石及び固定されたロール側電極を有し、前記電磁石は前記ロール側電極と接続可能に配置されていることを特徴とする。
前記課題を解決するための第3発明に係る電極ロールは、ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電極ロールであって、該電極ロールは内部が中空で回転可能のロール胴部を有し、該中空内には通電端子及び電磁石が電線で結線されたセット及び固定されたロール側電極を有し、周方向において、ロール胴部周側から中心に向かって前記通電端子、前記電磁石、前記ロール側電極の順に配置され、かつ、前記セットは前記ロール側電極に接続可能に配置され、前記セットと前記ロール側電極とが接続されるロール側電極角度がアノード電極角度の範囲内であることを特徴とする。
前記課題を解決するための第4発明に係る電極ロールは、第3発明に記載の電極ロールであって、更に、前記ロール側電極角度がアノード電極角度−40度以上〜アノード電極角度以下であることを特徴とする。
前記課題を解決するための第5発明に係る電気めっき装置は、ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電気めっき装置であって、第2発明〜第4発明のいずれかに記載の電極ロールを構成に含むことを特徴とする。
本発明はロール胴部周面へのめっき金属析出を良好に抑制できる。
第3発明は更に、電気めっきの開始前及び完了後は余計な力を掛けないで鋼板を搬送できる。また、電気めっき及び鋼板の吸着は同時に開始され、ロール胴部周面と鋼板間からめっき液が有効に除去される。そして、電気めっき中はロール胴部周面と鋼板間へのめっき液侵入が有効に防止される。即ち、ロール胴部周面へのめっき金属析出を良好に抑制できる。
第4発明は更に、鋼板へのめっき金属形成も良好である。
図1は本発明の実施形態を示す図であって、本発明に係る電気めっき装置を側面側から見た断面の概略図である。 図2は本発明の実施形態を示す図であって、ロール内部構造も一部示した斜視概略図である。 図3はロール側電極角度及びアノード電極角度を説明する図面である。 図4は本発明の他の実施形態を示す図であって、本発明に係る電気めっき装置を側面側から見た断面の概略図である。 図5は従来のラジアルセル方式の電気めっき装置を示す図であって、該電気めっき装置を側面側から見た断面の概略図である。
以下、添付図面を適宜参照しながら本発明の実施形態を具体的に説明する。
(実施形態1)
図1〜図3は本発明の実施形態を示す図である。電気めっき装置は電極ロール2、アノード電極3、及びめっき液槽8を備える。めっき液槽8中のめっき液9の量はアノード電極3がめっき液9中に浸漬される量である。よって、鋼板1表面へのめっき金属の形成はめっき液9中で行われる。めっき液9の供給路は図5と同様の配置であり図示を省略している。
電極ロール2は、固定ロール軸11、回転ロール軸10及び内部が中空のロール胴部12を備えている。固定ロール軸11は支持部15に固定されるとともに、支持部15を介して電源14のマイナス側に電気的に接続されている。回転ロール軸10は円筒状であり、ロール胴部12の長手方向両端面に取り付けられ、固定ロール軸11に嵌装されている。回転ロール軸10は図示省略の駆動機構によって、固定ロール軸11の周りをロール胴部12と一体となって回転可能である。
固定ロール軸11の長手方向中央部には、断面扇状の電極(以下、ロール側電極という)5がロール胴部12の中空に収納される形で固定されており、該ロール側電極5には固定ロール軸11を介してめっき電流が流れるように構成されている。
更に、ロール胴部12の中空には、ブラシで構成された電気接点13、電線6、電磁石4、及び通電端子7からなるセット16が周方向に8つ、長手方向に複数(図2では6つのみ表示)設けられており、これらはロール胴部12と一体となって回転できるように構成されている。ここで、電線6は、ロール胴部周側から中心に向かって通電端子7、電磁石4、電気接点13を結線しており、また、電線6の一部が鉄心に巻きつけられて電磁石4が構成されている。周方向において通電端子7はロール胴部12の内周面に略等間隔で取り付けられており、各通電端子7間は空気により電気的に絶縁されている。なお、通電端子7は長手方向にはセット16毎に有する必要はなく、長手方向の1列分で1つの通電端子7を共用してよい。但し、この場合は通電端子7を長手方向に大きくする必要がある。
ロール胴部12は前述のとおり内部が中空であり、中空内にロール側電極5(回転しない)及びセット16(回転する)を収納し、ロールシェルは通電及び磁化可能な材料により構成されている。
以上の構成において、図示省略の駆動機構により回転ロール軸10が回転駆動されると、固定ロール軸11を中心にロール胴部12及びセット16も回転する。回転にともなってあるセット16の電気接点13がロール側電極5に接触した時点で、めっき電流が固定ロール軸11、ロール側電極5、電線6、通電端子7、ロール胴部12、鋼板1へ流れる。また、同時に電磁石4から磁力が発生し、ロール胴部12が磁化されて鋼板1がロール胴部12周面に吸着される。即ち、電気めっき及び鋼板1の吸着は同時に開始され、ロール胴部12周面と鋼板1間からめっき液9が有効に除去される。そして、電気めっき中はロール胴部12周面と鋼板1間へのめっき液9の侵入が有効に防止される。よって、ロール胴部12周面へのめっき金属析出は良好に抑制される。通電端子7と電磁石4とは、ロール胴部12の側面側から見た通電端子7の幅に電磁石4が収まるように接続されている。よって、鋼板1にめっき電流が流れる領域及び磁力により鋼板1がロール胴部12の周面に吸着される領域をほぼ同一にできる。
更に、ロール側電極角度がアノード電極角度より有意に狭い。よって、ロール胴部12周面から鋼板1に流れるめっき電流はアノード電極3で覆われた領域に限定される。ロール側電極角度とは、図3に示すようにロール胴部12の側面側から求める角度であり、セット16とロール側電極5とが接続される角度である。アノード電極角度とは、図3に示すようにロール胴部12の側面側から求める角度であり、前記ロール胴部12の周面に対面してアノード電極3が設けられる角度である。実施形態1では90度の弧状のアノード電極3が2つ設けられておりアノード電極角度は180度となる。
回転が進むと、電気接点13はロール側電極5から離れ、この時点でめっき電流は電線6に流れなくなるので、鋼板1にもめっき電流が流れず、また、電磁石4も磁力が発生しなくなる。よって、電気めっきの完了後は余計な力を掛けないで鋼板1を搬送できる。なお、電気めっきの完了後から電気めっきの開始までの間にロール胴部12の周面と鋼板1間へめっき液9が侵入してもロール胴部12周面への不要なめっき金属析出を抑制できる。
(実施形態2)
図4を参照しながら本発明の他の実施形態を説明する。なお、本実施形態2では、前記実施形態1と異なる構成について説明する。
図4に示すロール胴部12では、電線6、電磁石4、及びブラシで構成された通電端子7からなるセット16が、周方向において扇状に3つ設けられている。セット16の電線6は断面円周状のロール側電極5に固定されている。よって、実施形態2では、電線6が形成する角度がロール側電極角度となる。
図示省略の駆動機構により回転ロール軸10が回転駆動されると、ロール胴部12は回転するが、各セット16は回転しない。通電端子7はロール胴部12に接触しており、摺動しながらめっき電流を流す。
(ロール胴部)
めっき電流が鋼板まで流れることを前提として、ロール胴部を構成する材料は適宜選択可能である。好ましくは、ロール胴部を軟磁性鋼で構成する。軟磁性鋼は磁力の影響を受けて磁化されやすく、かつ、磁力がなくなると直ちに磁化が解除される。よって、めっき電流の有無に合わせて鋼板の吸着・離脱を容易に変更できる。軟磁性鋼は適宜選択可能であり、例えば、純鉄、電磁鋼板、低炭素鋼等がある。また、セット(電磁石)が強力であれば、ロール胴部は非磁性のステンレス鋼や、チタン、アルミなどの鉄系以外の非磁性金属であっても構わない。次に、ロール胴部の厚さは特に限定されないが、好ましくは1〜50mmである。
ロール胴部の中空内には、上記した構成の他、ロール胴部の形状を維持するための骨材、梁、軸受け、側板等が配置されてもよい。
(通電端子)
通電端子はめっき電流が流れる部材である。ロール胴部の周方向における通電端子の数は適宜選択可能である。実施形態1のようにロール側電極5に電線6が固定されていない場合、通電端子は複数必要となる。好ましくは8以上であり、より好ましくは12〜18である。また、通電端子はロール胴部と電気的に接続可能にロール胴部に固定されることが好ましい。各通電端子7間が電気的に絶縁されることを前提として、各通電端子間は図1に示したように空間で仕切られても良いし、絶縁体によって仕切られても良い。
一方、実施形態2のようにロール側電極5にセット16が固定されている場合、ロール胴部の周方向における通電端子の数は好ましくは8〜18である。また、通電端子はブラシ、ロール、銅合金電極等摺動可能な部材で構成される。
(電磁石)
本発明は電磁石が発生する磁力を利用するので、従来のラジアルセル方式と比較して格段に大きな力でロール胴部周面に鋼板を吸着できる。
鋼板にめっき電流が流れる領域及び磁力により鋼板がロール胴部の周面に吸着される領域をほぼ同一とするため、電線、電磁石、及び通電端子を含むセットにおいて、ロール胴部の側面側から見た通電端子の幅に電磁石が収まることが好ましい。一つの通電端子に対し、電磁石は1つ設けられてもよいし、複数設けられても良い。
鋼板の吸着力を向上する観点から、電磁石は、ロール胴部の半径中央よりロール胴部側に設けられることが好ましく、通電端子に近接して設けられることがより好ましい。
(電線)
電線は、通電端子及び電磁石を結線する。また、電線の一部が鉄心に巻きつけられて電磁石が構成されている。
(セット)
セットは、通電端子及び電磁石が電線で結線されたものである。更に、実施形態1のように、電線にはロール側電極と接触するための電気接点(例えば、ブラシ、ロール、銅合金電極等で構成される)が設けられても良い。
ロール胴部の長手方向において、通電端子を複数のセットで共用してもよい。実施形態2のようにセットがロール側電極に固定される場合は、周方向においても、通電端子を複数のセットで共用してもよい。
(ロール側電極)
図1〜4ではロール側電極はロール側電極軸に固定されているが、該ロール側電極と該ロール側電極軸とを一体として構成してもよい。
ロール側電極の形状は適宜選択可能である。実施形態1のようにロール側電極にセットが固定されていない場合、ロール側電極はロール胴部の側面側から見て凸部を有する。本発明の効果を得る観点から、前記凸部はアノード電極角度の範囲内に設ける。該凸部においてのみロール側電極と電気接点とが接触するので、該凸部によってロール側電極角度が規定される。そして、ロール側電極と電気接点とでめっき電流のスイッチを構成する。前記凸部は、好ましくは、扇状、カム状等である。また、弧状に整列した導電性の小型ロールにより前記凸部を構成してもよい。
一方、実施形態2のようにロール側電極にセットが固定されている場合、電線がロール側電極角度を規定する。この場合、ロール側電極はロール胴部の側面側から見て円状、円周状等にできる。
(ロール側電極角度)
ロール胴部周面へのめっき金属析出を良好に抑制しつつ鋼板へのめっきを良好に行う観点から、ロール側電極角度はアノード電極角度−40度以上〜アノード電極角度以下が好ましく、アノード電極角度−20度以上〜アノード電極角度以下がより好ましく、アノード電極角度−10度〜アノード電極角度以下が更に好ましい。また、ロール側電極角度がアノード電極角度より狭い場合、その差分は左右均等に振り分けられることが好ましい。本発明の効果を確保するため、以上の好ましい形態においても、ロール側電極角度はアノード電極角度の範囲内に収まる。アノード電極角度は、行われる電気めっきの条件を考慮して適宜決定すればよい。
(電気めっき)
本発明の電極ロールを用いて行う電気めっきの種類は特に限定されない。例えば、電気亜鉛めっき、電気クロムめっき、電気ニッケルめっき等がある。好ましくは、電気亜鉛めっきである。また、電極ロールを用いて行う電気めっきは、冷延鋼板の電気めっきに有用である。
電気めっき装置に備えられるアノード電極は可溶性電極でも不溶性電極でもよい。また、アノード電極は単一でもよく、複数に分割されていても良い。
電気めっき装置は、この他、アノード電極と電極ロールとのギャップ調整機構、めっき液面調整機構、次工程のクロメート処理装置等を構成に含んでもよい。なお、例えば非特許文献1第45頁等を参照し、本発明の電気めっき装置を複数使用して鋼板の両面を電気めっきすることも可能である。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
図1〜図3に示した構成を備える電気めっき装置を用いて電気亜鉛めっきを行った。
ロール胴部12の周側は厚さ5mmの純鉄に近い軟磁性鋼の鋼板で作製した。ロール胴部12の中空内に設けられたロール側電極5はアノード電極角度(180度)の範囲内で断面扇状の凸部を有している。よって、ブラシで構成された電気接点13がロール側電極5の凸部に接触すると、ロール側電極5から鋼板1までめっき電流が流れ、かつ、電磁石4が発生した磁力によりロール胴部12の周面に鋼板1を吸着できる。ロール胴部12の中空内には形状を維持するための骨材(図示省略)を設けている。
ロール胴部12の中空内には、周方向において8つの通電端子7がロール胴部12の円周方向に沿って略等間隔に設けられている。各通電端子7はロール胴部12に固定されており、かつ、各通電端子7どうしは空気により電気的に絶縁されている。通電端子7と電磁石4とは、ロール胴部12の側面側から見た通電端子7の幅に電磁石4が収まるように電線6で結線されている。図示省略の駆動機構により回転ロール軸10が回転駆動されると、固定ロール軸11を中心にロール胴部12及びセット16も回転する。
ロール側電極角度を下記表1のように複数設定し、厚さ1.0mm、幅1.5mのめっき用の冷延鋼板1を使用して電気亜鉛めっきを24時間行った(本発明例1〜3)。本発明例1はロール側電極角度とアノード電極角度が同じである。本発明例2のロール側電極角度はアノード電極角度−20度で、かつ、左右10度ずつアノード電極角度より狭くなっている。本発明例3のロール側電極角度はアノード電極角度−40度で、かつ、左右20度ずつアノード電極角度より狭くなっている。
なお、めっき液はZnCl:200g/Lを60℃に保って使用し、めっき電流は100A/dmになるように板幅とアノード電極角度に応じて調節した。平均通板速度は90mpmとし、同じ構成の電気めっき装置を2つ使用し、同じ構成で回転方向が逆の各装置で片面ずつめっきして鋼板の両面をめっきした。
また、図5に示す電気めっき装置を用いて電気亜鉛めっきを24時間実施した(比較例)。本発明例と比較例の違いは、電極ロールの構造である。
上記電気亜鉛めっき後、ロール胴部12周面のめっき被服率及び鋼板1の非めっき面積率を目視にて求めた。結果を下記表1に示す。
Figure 0006119722
本発明例1〜3ではロール胴部12周面のめっき被服率が低い。即ち、ロール胴部12周面へのめっき金属析出を良好に抑制できた。一方、比較例はロール胴部周面のめっき被服率が11%と高く、ロール胴部周面へのめっき金属析出が目立った。
次に、比較例では鋼板1のめっき面に目立った疵が確認された。一方、本発明例1〜3ではそのような疵が確認されなかった。
次に、本発明例1〜3では、鋼板1のめっき開始前及びめっき完了後において、鋼板1に余計な力がかからず、滑らかな鋼板搬送を実現できた。
本発明例1〜2はロール側電極角度が本発明例3より好適である。その結果、ロール胴部12周面へのめっき金属析出の抑制に加えて、更に鋼板1へのめっきも良好であった。一方、本発明例3は、ロール胴部12周面へのめっき金属析出は良好に抑制したが、鋼板1へのめっきの観点では本発明例1〜2と比較して劣った評価となった。
(実施例2)
図4に示した構成を備える電気めっき装置を用いて行った。実施例2では、電線6、電磁石4、及びブラシで構成された通電端子7をセット16とし、ロール胴部12の周方向において3つが扇状に設けられ、各セット16の電線6は側面断面が円周状のロール側電極5に固定されている。電線6が形成するロール側電極角度は140度である。更に、ロール胴部12が回転しても、各セットは回転しない。
通電端子7はロール胴部12に接触しており、摺動しながら鋼板1にめっき電流を流している。
1 鋼板
2 電極ロール
3 アノード電極
4 電磁石
5 ロール側電極
6 電線
7 通電端子
8 めっき液槽
9 めっき液
10 回転ロール軸
11 固定ロール軸
12 ロール胴部
13 電気接点
14 電源
15 支持部
16 セット

Claims (5)

  1. ラジアルセル方式の電気めっき方法であって、
    内部が中空であり該中空内に電磁石を有するロール胴部を備える電極ロールを使用し、めっき電流を使用して前記電磁石から磁力を発生させて鋼板を前記ロール胴部の周面に吸着しながら、前記ロール胴部から前記鋼板に前記めっき電流を流すことを特徴とする電気めっき方法。
  2. ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電極ロールであって、
    該電極ロールは内部が中空で回転可能のロール胴部を有し、
    該中空内には電磁石及び固定されたロール側電極を有し、
    前記電磁石は前記ロール側電極と接続可能に配置されていることを特徴とする電極ロール。
  3. ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電極ロールであって、
    該電極ロールは内部が中空で回転可能のロール胴部を有し、
    該中空内には通電端子及び電磁石が電線で結線されたセット及び固定されたロール側電極を有し、
    周方向において、ロール胴部周側から中心に向かって前記通電端子、前記電磁石、前記ロール側電極の順に配置され、かつ、前記セットは前記ロール側電極に接続可能に配置され、
    前記セットと前記ロール側電極とが接続されるロール側電極角度がアノード電極角度の範囲内であることを特徴とする電極ロール。
  4. 更に、前記ロール側電極角度がアノード電極角度−40度以上〜アノード電極角度以下であることを特徴とする請求項3に記載の電極ロール。
  5. ラジアルセル方式の電気めっきに使用される電気めっき装置であって、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電極ロールを構成に含むことを特徴とする電気めっき装置。
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