JP6119565B2 - 単結晶製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単結晶製造方法に関し、特にはチョクラルスキー法(CZ法)による単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法に関する。
CZ法によるシリコン単結晶等を育成するための単結晶製造装置の炉内では多くの黒鉛部品が使用されている。また、シリコン単結晶製造装置の操業時には炉内に配置されたルツボに収容された原料融液(シリコン融液)からSi蒸気およびSiOガスが発生する。発生したSi蒸気およびSiOガスは、炉内に流入し炉外へと導出される不活性ガス等のガスの流れに従い移動する。
炉内のこのガスの流れにおいて、特にルツボよりも下流に位置する黒鉛部品の表面に上記Si蒸気やSiOガスに起因する付着物が蒸着する。このようにして層状に形成された蒸着物は黒鉛部品の表面に対して非常に強固に定着する。そして、炉の昇温または降温時には、蒸着物と黒鉛部品の熱膨張率差から黒鉛部品の割れを引き起こし、結果として黒鉛部品の寿命を短縮させる原因となる。
特開2007−261832号公報 特開平06−122587号公報 特開平09−183686号公報
ここで、黒鉛部品に関する技術として以下のような文献が挙げられる。
例えば特許文献1では、多結晶シリコン製造用のルツボ表面に窒化珪素によるコートを施すことで、得られた多結晶シリコンを容易にルツボから剥離させる技術が開示されている。
また、特許文献2、特許文献3では、単結晶製造装置において、黒鉛部品の表面に窒化珪素によるコートを施す技術が開示されている。しかし、これらのコートは化学気相成長法(CVD法)によるものであり、大型部材の処理が難しく、局所的なコートは難しい上コストが高いという問題点がある。
一方、窒化珪素を比較的容易に成形する方法としては鋳型に入れて焼結させるスリップキャスティング法がある。また、特許文献1に示される様にポリビニルアルコール水溶液をバインダーとし離型材として用いられたりしている。しかし、単結晶シリコンにおいては純度の問題があり、使用されることはなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、単結晶製造装置の炉内で使用される黒鉛部品が、Si蒸着物等の付着物を原因として割れてしまうのを簡単に防ぐことができる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、CZ法による単結晶製造装置の炉内に配置したルツボに収容された原料融液から単結晶を育成する単結晶製造方法であって、前記単結晶を育成するとき、前記単結晶製造装置の炉内に使用する黒鉛部品に、窒化珪素を含有する塗料を塗布して表面に窒化珪素膜を形成したものを用いることを特徴とする単結晶製造方法を提供する。
このようにすれば、塗布のため、例えばCVD法を用いた場合と比較して極めて簡単に窒化珪素膜を形成することができる。局所的な膜形成も容易であるし、しかも低コストで膜形成を行うことができる。
そして、このような窒化珪素膜を形成したものを用いることで、たとえSi蒸着物などの付着物が形成されても、形成される箇所は黒鉛部品自体の表面ではなく窒化珪素膜の表面であるため、例えば窒化珪素膜を一部剥離させることでその付着物を簡単に除去することができる。従来ではその付着物が、直接、黒鉛部品自体の表面に強固に定着してしまい、黒鉛部品の割れを引き起こしてしまっていた。しかしながら本発明の場合、上記のように黒鉛部品に直接的に付着物が定着するのを防いで除去できるので、黒鉛部品の割れの発生を簡単に防ぐことが可能である。したがって、黒鉛部品の寿命を飛躍的に延ばすことができる。このため、黒鉛部品の交換頻度も抑制することができ、交換に伴うコストの増加も抑制することができる。
そして、前記単結晶を育成後、前記黒鉛部品の窒化珪素膜の表面に付着物が確認されたときは、前記窒化珪素膜の少なくとも一部を剥離することにより前記付着物を除去してから、次の単結晶を育成し、前記黒鉛部品の窒化珪素膜の表面に付着物が確認されないときは、前記窒化珪素膜を剥離することなく、そのまま、次の単結晶を育成することができる。
このようにすれば、例えば窒化珪素膜の極表層を剥離することで簡単に付着物を除去できる。
また、付着物がなければそのままの状態で次の単結晶の育成の際に用いることができ、効率的かつ簡便である。
また、前記原料融液をシリコン融液としてシリコン単結晶を育成するとき、前記シリコン融液からのSi蒸気またはSiOガスとの接触によりシリコン蒸着物またはシリコン酸化物蒸着物が形成される箇所の黒鉛部品に前記窒化珪素膜を形成したものを用いることができる。
前述したようにシリコン融液からはSi蒸気等が発生する。そこで、例えば炉内のガスの流れにおいてルツボよりも下流の位置のような、Si蒸気等と接触する箇所に配置される黒鉛部品に対して窒化珪素膜を形成しておくのは、特に有効である。
また、前記窒化珪素を含有する塗料を、ポリビニルアルコール水溶液をバインダーとして、窒化珪素粉末を前記ポリビニルアルコール水溶液に分散させたものとすることができる。
このような塗料を用いれば、簡便に黒鉛部品の表面に窒化珪素膜を塗布形成することが可能である。
また、前記窒化珪素を含有する塗料を塗布するとき、刷毛またはスプレーを用いて行うことができる。
これらの方法を用いれば、簡単に、手間やコストをかけずに黒鉛部品に塗料を塗布することができる。しかも、局所的に塗布する場合にも対応しやすい。
以上のように、本発明によれば、単結晶製造装置の炉内の黒鉛部品に直接的にSi蒸着物等が定着して黒鉛部品が割れてしまうのを簡単かつ低コストで防止することができ、黒鉛部品の寿命の向上を図ることができる。
本発明の単結晶製造方法に使用することができる単結晶製造装置の一例を示す概略図である。 比較例と実施例のサンプル黒鉛部品の使用時間に対する質量増加率の関係を示すグラフである。 比較例と実施例のガス排出スリーブのライフ指標比較を示すグラフである。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の単結晶製造方法で使用することができるCZ単結晶製造装置の一例を図1に示す。なお、ここでは原料融液として多結晶シリコンを溶融したシリコン融液を用意し、該シリコン融液からシリコン単結晶を育成する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えばGaPなどの化合物半導体単結晶やGGG等の酸化物単結晶をCZ法で育成する場合も炉内に黒鉛部品を用いており、同様に適用することができる。
シリコン単結晶製造装置1の炉(メインチャンバー2)内には、多結晶シリコンが溶融された原料融液(シリコン融液3)を収容するためのルツボ4(石英ルツボ5と、該石英ルツボ5を支持する黒鉛ルツボ6)が設けられている。また、該メインチャンバー2上に連設された引上げチャンバー7の上部には、育成されたシリコン単結晶を引上げる引上げ機構(図示せず)が設けられている。
引上げチャンバー7の上部に取り付けられた引上げ機構からは引上げワイヤ8が巻き出されており、その先端には、種ホルダに支持された種結晶9が取り付けられており、その種結晶9を原料融液3に浸漬し、引上げワイヤ8を引上げ機構によって巻き取ることで種結晶9の下方にシリコン単結晶10を育成する。
なお、ルツボ4は、シリコン単結晶製造装置1の下部に取り付けられた回転駆動機構(図示せず)によって回転昇降自在な支持軸11により支持されている。
また、ルツボ4の周囲に配設された黒鉛製の加熱ヒーター12の外側や上方には、周辺部断熱部材13が設けられている。この周辺部断熱部材13は、ここでは、インナーシールド15およびその外側のヒートシールド14や、アッパーシールド断熱材16およびその下側のアッパーシールド17により構成されている。
また、チャンバー2、7には、ガス導入口18、ガス排出口19が設けられており、チャンバー2、7内部に不活性ガス(例えばアルゴンガス)などを導入し、排出できるようになっている。
なお、ガス排出口19の付近には、ガス排出スリーブ20が配設されている。
そして、円筒形状のガス整流筒21が引上げ中のシリコン単結晶10を囲繞するようにシリコン融液3の表面(シリコン融液面3’)の上方に配設されている。またガス整流筒21は、メインチャンバー2の天井部からシリコン融液面3’に向かって延伸するように設けられている。
さらに、ガス整流筒21のシリコン融液面側にはリング状の遮熱部材22が設けられている。
なお、ガス整流筒21の下端(遮熱部材22)からシリコン融液面3’までの距離を調整したり、加熱ヒーター12の上下方向への駆動により発熱中心を移動することが可能な構造となっている。
メインチャンバー2内におけるホットゾーンの最適構造やシリコン融液面3’、加熱ヒーター12の発熱中心の位置関係などの最適条件は、熱数値解析シュミレーションソフトFEMAGの計算により算出して設定することができる。
また、ガス整流筒21、遮熱部材22、周辺部断熱部材13、ガス排出スリーブ20等の配設によりガス誘導路を形成することができる。ガス導入口18から導入された不活性ガスは、ガス誘導路を通って(すなわち、図1に示す例では、ガス整流筒21の内側、遮熱部材22とシリコン融液面3’との間、遮熱部材22とルツボ4との間、周辺部断熱部材13とルツボ4との間、ガス排出スリーブ20の内側を通って)ガス排出口19から排出される。
また、ガス整流筒21、周辺部断熱部材13(インナーシールド15、ヒートシールド14、アッパーシールド断熱材16、アッパーシールド17)やガス排出スリーブ20などの材質は特には限定されないが、黒鉛製とすることができる。さらに、加熱ヒーター12、黒鉛ルツボ6、支持軸11も黒鉛製とすることができる。
そして、これらの黒鉛部品で、ルツボ4内のシリコン融液3から発生してガス誘導路を流れるSi蒸気やSiOガスと接触し、シリコン蒸着物やシリコン酸化物蒸着物が形成される箇所、例えば、ここではガス排出スリーブ20の表面に窒化珪素膜が塗布形成されている。
なお、当然、ガス排出スリーブ20以外の箇所(周辺部断熱部材13のインナーシールド15やアッパーシールド17等)にも、適宜、窒化珪素膜を塗布形成することができる。
次に本発明のCZ法による単結晶製造方法について説明する。ここでは、図1に示すシリコン単結晶製造装置1を用いてシリコン単結晶を製造する場合について説明するが、先に述べたようにシリコン単結晶に限定されず、本発明においては化合物半導体単結晶など、他の単結晶をCZ法により製造することもできる。
(黒鉛部品への窒化珪素膜の塗布形成)
まず、シリコン単結晶製造装置1を操業させる前に、炉内で使用される黒鉛部品の任意箇所に対して窒化珪素を含有する塗料を塗布し、黒鉛部品の表面に窒化珪素膜を形成する。
シリコン単結晶製造装置1の操業中においては、シリコン融液3からSi蒸気およびSiOガスが発生し、炉内の低温部の黒鉛部品の表面にそれらの蒸着物(付着物)が形成される。しかしながら、予め窒化珪素膜を施しておくことで黒鉛部品の表面に対する直接的な蒸着物の形成を防止することができる。そして、後述するように窒化珪素膜の剥離によって簡単に蒸着物を除去することができるので、従来のように、蒸着物が黒鉛部品の表面から除去できずに残存してしまい、黒鉛部品と蒸着物の熱膨張率差に起因する割れも起こらない。結果として黒鉛部品の寿命の飛躍的な向上に寄与する。また、寿命が延びるため、黒鉛部品の交換頻度を抑制することができ、装置や育成する単結晶のコスト低下を図ることができる。
また、窒化珪素膜を塗布形成する箇所については特に限定されないが、シリコン融液からのSi蒸気やSiOガスと接触し、シリコン蒸着物やシリコン酸化物蒸着物が形成されやすい箇所の黒鉛部品を形成対象とするのが効果的である。例えば、前述したようにガス排出スリーブ20など、SiO蒸気等が流れるガス誘導路で比較的低温の箇所が挙げられる。当然これに限定されず、その他の箇所、例えば周辺部断熱部材13のインナーシールド15やアッパーシールド17などにも必要に応じて窒化珪素膜を塗布形成することができる。
なお、CZ法によるシリコン単結晶製造装置1において、シリコン融液3の表面から排出されるSi蒸気およびSiOガスのガスが流れる過程における、ルツボ4よりも下流に位置する上記のような黒鉛部品に窒化珪素膜を塗布形成することで、シリコン融液3の純度低下を防止することができる。ルツボ4よりも下流であれば、不純物が付着した窒化珪素膜が剥がれた場合にもシリコン融液3に混ざるのを防止できるからである。
また、窒化珪素を含有する塗料を用いて塗布形成した黒鉛部品の表面の窒化珪素膜は、黒鉛部品に定着するものの強固ではない。シリコン単結晶製造装置1の操業終了後には、容易に黒鉛部品の表面から剥離させることができるため、窒化珪素膜上にSi蒸気またはSiOガスによる蒸着物等の付着物が形成された場合でも容易にそれらを窒化珪素膜ごと除去することができる。
また、使用する窒化珪素を含有する塗料は、例えば、水に対しポリビニルアルコールを溶解させたポリビニルアルコール水溶液をバインダーとし、窒化珪素粉末をその水溶液に分散させたものとすることができる。このような塗料であれば簡単に窒化珪素膜を塗布形成することができる。
塗料中の各成分の割合等は特には限定されない。例えばポリビニルアルコールが水に対し1〜10wt%になるよう溶解させ、所望の塗料粘度により変化させることができる。使用する窒化珪素粉末は平均粒径0.65μmの粒子を使用し、前記バインダーに対して5〜55wt%の粉末を使用し、所望の塗料粘度、膜の緻密度により変化させることができる。
また窒化珪素膜厚は特に限定されず、例えば10μm以上とすることができる。後述の蒸着物を除去する工程においては、窒化珪素膜の極表層、すなわち膜の一部を剥がすことで膜ごと蒸着物を除去することができるが、蒸着物が形成されやすい箇所などにおいては膜を予め比較的厚く形成しておいても良い。このようにすれば、多数回にわたる除去工程を経ても窒化珪素膜をなお残存させることができ、改めて窒化珪素膜を塗布形成する手間を省くことができる。
なお、シリコン単結晶製造装置1の操業時では、装置内低温部の温度でもポリビニルアルコールの熱分解温度としては十分高い。窒化珪素を含有する塗料を塗布した黒鉛部品の表面では、シリコン単結晶製造装置1の操業終了後、ポリビニルアルコールの残存はほぼないと考えられる。ポリビニルアルコールが除去された状態では残存する窒化珪素の黒鉛部品の表面に対する定着は非常に弱いため、例えばブラシ付き掃除機により擦り、吸引することで容易に剥離することができる。そのため、窒化珪素膜上から生成されたSi蒸気やSiOガスによるシリコン蒸着物やシリコン酸化物の蒸着物は、シリコン単結晶製造装置1の操業終了時に容易に黒鉛部品の表面から剥離させることができる。
また、塗布する手段は特に限定されないが、刷毛やスプレーを用いれば簡単に形成することができる。大掛かりな装置も必要なく、手間やコストもかからないので好ましい。
(単結晶の育成)
シリコン単結晶製造装置1のルツボ4内に多結晶シリコンを投入して充填する。この時シリコン単結晶の抵抗率を決定するリン、ホウ素、砒素、アンチモン、ガリウム、ゲルマニウム、アルミニウムなど所望の抵抗率制御用のドーパントも添加する。抵抗率制御用のドーパント以外に用途に応じて窒素や炭素をドープする場合もある。
不図示の真空ポンプを稼動させてガス排出口19から排気しながら、ガス導入口18からアルゴンガスを流入し、装置内部をアルゴン雰囲気に置換する。そして、加熱ヒーター12で多結晶シリコンを加熱溶融してシリコン融液3を得る。
次に、該シリコン融液3に種結晶9を浸漬した後引上げ、CZ法により、棒状のシリコン単結晶10を育成する。
(付着物の確認とその除去)
単結晶を育成した後、窒化珪素膜の表面状態を確認する。
このとき、その表面にシリコン蒸着物等の付着物が確認されたときは、窒化珪素膜の少なくとも一部を剥離し、それによって膜表面の付着物を除去する。前述したように窒化珪素膜はその表層を簡単に剥がすことができるのでその付着物の除去を容易に行うことができる。そして付着物を除去して窒化珪素膜上に余計な物が付着されていない状態にした後、次のシリコン単結晶の育成を行う。
なお、この除去工程において窒化珪素膜を剥離することによって黒鉛部品自体の表面が露出した場合、改めて窒化珪素膜を塗布形成し、その後に次のシリコン単結晶の育成を行う。
一方、窒化珪素膜の表面に付着物が確認されないときは、上述したような窒化珪素膜の剥離は必要ないため実施せず、そのまま、次の単結晶を育成することができる。
このように本発明では、炉内の黒鉛部品に窒化珪素膜を塗布形成した状態で単結晶の育成を行うので、黒鉛部品の表面に対し、シリコン蒸着物等の付着物が直接的に形成されるのを簡単にコストをかけずに防止することができる。さらには、窒化珪素膜の表面に付着物が形成されたとしても、その付着物を簡単に除去することができる。
したがって、従来のように黒鉛部品がその表面に形成された付着物を原因として割れてしまうのを簡単かつ低コストで防ぐことができ、そのため黒鉛部品の寿命を大幅に延ばすことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1のようなCZ法によるシリコン単結晶製造装置1を用いて本発明の製造方法によりシリコン単結晶を育成する。
このとき、メインチャンバー2の上部のガス導入口18からは、不活性ガスとしてArガスを流している。この不活性ガスはガス誘導路に沿って流れる。すなわち、不活性ガスは、まずガス整流筒21と育成するシリコン単結晶10の間を通ってシリコン融液面3’に導かれている。不活性ガスは減圧下でシリコン融液3の直上に配置した遮熱部材22とシリコン融液面3’とによって形成される誘導路を通じて流れ、更にルツボ4の内壁部と遮熱部材22の外側とによって形成される誘導路を通じてルツボ4の外へと排出される。
さらに黒鉛製の加熱ヒーター12の上部には、ヒートシールド14およびインナーシールド15からせり出したアッパーシールド17およびアッパーシールド断熱材16が配設されており、メインチャンバー2の下部にあるガス排出スリーブ20を介し、ガス排出口19から不図示の真空ポンプにより不活性ガスを強制排気している。
従ってシリコン融液面3’から排出されたSi蒸気およびSiOガスは、黒鉛ルツボ6の外壁とアッパーシールド17の下部及びインナーシールド15によって形成された誘導路をガス排出口19に向かって流れていく。このガスが流れる過程に設置された黒鉛部品に対して、Si蒸気またはSiOガス接触による蒸着物の形成が起こる。
そこで本実施例では、上記蒸着物の形成が特に見られる黒鉛製のガス排出スリーブ20に関して、スプレーによって窒化珪素を含有する塗料を外表面および内表面の全面に塗布して窒化珪素膜を形成したものを配設し、シリコン単結晶の育成を行った。
なお、水170mlに対しポリビニルアルコールを7wt%溶解させたポリビニルアルコール水溶液をバインダーとし、該バインダーに対して55wt%の窒化珪素粉末を分散させた塗料を用いた。
また、シリコン単結晶を育成するごとに、窒化珪素膜の表面の観察を行い、蒸着物が確認されたときはブラシによって窒化珪素膜の極表層ごと蒸着物を除去し、それから次のシリコン単結晶を育成した。蒸着物が確認されないときは、そのまま何も処理を施さず、剥離せずに次のシリコン単結晶を育成した。そして、操業前後のガス排出スリーブの質量を計測した。これを操業毎に繰り返した。
(比較例)
実施例とは異なり、窒化珪素膜は形成せず、黒鉛材むき出しのガス排出スリーブを配設し、それ以外は実施例と同様にしてシリコン単結晶の育成を行い、操業前後のガス排出スリーブの質量を計測した。これを操業毎に繰り返した。
図2に比較例と実施例のサンプル黒鉛部品(ガス排出スリーブ)の使用時間に対する質量増加率の関係を示す。
比較例では操業後に蒸着物の除去を試みたものの完全に除去できず、操業毎に蒸着物が積層し、ガス排出スリーブの質量が増加してしまった。
一方、本発明を実施した実施例では、操業後に窒化珪素膜ごと蒸着物が除去されたため、ガス排出スリーブの質量は増加していない。
また、比較例、実施例ともに、それぞれ上記と同様の条件で、ガス排出スリーブに割れが生じるまでシリコン単結晶の育成を繰り返し行った。
図3に比較例と実施例のガス排出スリーブのライフ指標比較を示す。図3に示すように結果は実施例が比較例の3.8倍となった。
以上の結果から分かるように、従来では黒鉛部品に対する蒸着物の除去は困難であったが、本発明であればその蒸着物を除去することができる。黒鉛部品と蒸着物の熱膨張率差に起因する黒鉛部品の割れの発生を抑止することができ、黒鉛部品の寿命を飛躍的に向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
実施例ではCZ法によるシリコン単結晶製造装置内で使用される黒鉛部品に対する窒化珪素膜を塗布形成したものを用いる場合を示したが、これに限定されるものではなく、窒化珪素を含有する塗料を黒鉛部品の表面に塗布することで黒鉛部品を長寿命化させる技術はいかなるものであっても本発明の権利範囲に含まれる。例えば、CZ法によるGaPなどの化合物半導体単結晶を製造するための装置の黒鉛部品に窒化珪素膜を塗布形成する場合が挙げられる。
1…シリコン単結晶製造装置、 2…メインチャンバー、 3…シリコン融液、
3’…シリコン融液面、 4…ルツボ、 5…石英ルツボ、 6…黒鉛ルツボ、
7…引上げチャンバー、 8…引上げワイヤ、 9…種結晶、
10…シリコン単結晶、 11…支持軸、 12…加熱ヒーター、
13…周辺部断熱部材、 14…ヒートシールド、 15…インナーシールド、
16…アッパーシールド断熱材、 17…アッパーシールド、
18…ガス導入口、 19…ガス排出口、 20…ガス排出スリーブ、
21…ガス整流筒、 22…遮熱部材。

Claims (5)

  1. CZ法による単結晶製造装置の炉内に配置したルツボに収容された原料融液から単結晶を育成する単結晶製造方法であって、
    前記単結晶を育成するとき、前記単結晶製造装置の炉内に使用し、前記原料融液の表面から排出されるSi蒸気およびSiOガスのガスが流れる過程における、前記ルツボよりも下流に位置する黒鉛部品に、窒化珪素を含有する塗料を塗布して表面に窒化珪素膜を形成したものを用いることを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 前記単結晶を育成後、
    前記黒鉛部品の窒化珪素膜の表面に付着物が確認されたときは、前記窒化珪素膜の少なくとも一部を剥離することにより前記付着物を除去してから、次の単結晶を育成し、
    前記黒鉛部品の窒化珪素膜の表面に付着物が確認されないときは、前記窒化珪素膜を剥離することなく、そのまま、次の単結晶を育成することを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造方法。
  3. 前記原料融液をシリコン融液としてシリコン単結晶を育成するとき、前記シリコン融液からのSi蒸気またはSiOガスとの接触によりシリコン蒸着物またはシリコン酸化物蒸着物が形成される箇所の黒鉛部品に前記窒化珪素膜を形成したものを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶製造方法。
  4. 前記窒化珪素を含有する塗料を、ポリビニルアルコール水溶液をバインダーとして、窒化珪素粉末を前記ポリビニルアルコール水溶液に分散させたものとすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の単結晶製造方法。
  5. 前記窒化珪素を含有する塗料を塗布するとき、刷毛またはスプレーを用いて行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単結晶製造方法。
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