発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解される。
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様のコンポーネントおよび要素には同じ参照番号が付されている。
送信側の送信電子メールには、送信宛先アドレスのフィールドとして“to”(直接的な宛先)、“cc”(同報宛先)および“bcc”(匿名同報宛先)が含まれることがある。これらの宛先は、或る宛先アドレスのリストから一括して選択されて“to”、“cc”および/または“bcc”のフィールドに挿入されることがある。また、その受信側の受信電子メールには、送信元アドレスのフィールド“from”および同報宛先アドレスのフィールド“cc”が含まれることがある。その受信電子メールに対する“全員へ返信”による返信電子メールには、送信宛先アドレスのフィールドとして“to” および“cc”が含まれることがある。しかし、送信者は、それらの宛先アドレスまたは受信者に関する情報を持たず、その宛先アドレスが送信電子メールの宛先として妥当かを判断できないことがある。
発明者たちは、送信または返信の電子メールにおける各宛先アドレスの宛先としての妥当性の判定を、組織内の他の電子メール・クライアントにおける他の送信者の電子メールの送信記録に基づいて、自動的に行えるようにすることが有用である、と認識した。また、発明者たちは、組織内の他の電子メール・クライアントにおける他の送信者の電子メールの送信記録に基づいて、送信または返信の電子メールにおける各宛先アドレスの宛先としての妥当性の判定を支援することが有用である、と認識した。
実施形態の目的は、送信または返信の電子メールにおける各宛先アドレスの宛先としての妥当性の判定を自動的に行う処理を実現することである。また、実施形態の別の目的は、送信または返信の電子メールにおける各宛先アドレスの宛先としての妥当性の判定を支援するための処理を実現することである。
図1は、実施形態が適用可能な、内部ネットワーク5に接続されるサーバ装置10および情報処理端末22〜26、および外部ネットワーク15に接続されるメール・サーバ装置30および外部の情報処理端末32、34を含むシステムの概略的な構成(configuration)の例を示している。内部ネットワーク5は、外部ネットワーク15に接続可能である。
図1において、例えば会社および官公庁のような組織内のサーバ装置10および複数の情報処理端末22、24、...26が内部ネットワーク5に接続されている。また、メール・サーバ装置30、および外部の情報処理端末32、34等が外部ネットワーク15に接続されている。内部ネットワーク5上のサーバ装置10および複数の情報処理端末22〜26は、例えばファイアウォール、DMZ等を介して、外部ネットワーク15およびメール・サーバ装置30および外部の情報処理端末32、34等に接続されてもよい。サーバ装置10は、DMZに配置されていて、ハブを介して内部ネットワーク5と外部ネットワーク15の双方に接続されてもよい。
外部ネットワーク15は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、パケット交換網(PSN)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、移動体通信網、および/または専用回線を含んでいてもよい。内部ネットワーク5は、有線LAN、無線LAN、構内交換電話網、構内パケット交換網、および/または専用回線を含んでいてもよい。
図2は、情報処理端末22〜26の各々の概略的な構成(configuration)の例を示している。
情報処理端末22〜26は、情報処理装置であり、例えば、プロセッサ202、メモリ214、内部バス、ネットワーク・インタフェース(NW I/F)214、等を含むコンピュータであってもよい。情報処理端末22〜26は、さらに、表示装置222、スピーカ224、および入力部226を含んでいる。表示装置222は、例えば、液晶表示装置、または有機EL表示装置であってもよい。入力部226は、例えば、キーボード、マウスまたはタッチパッドのようなポインティング・デバイス、およびタッチパネルを含んでいてもよい。
情報処理端末22〜26は、さらに、内部バスに結合された、記録媒体読み取り用のドライブ228、およびデータベースを含むハードディスク・ドライブ(HDD)のような記憶装置260を含んでいる。ドライブ228は、ソフトウェアが記録された例えば光ディスクのような記録媒体229を読み取るために設けられている。そのソフトウェアは、例えば、OS、データベース管理システム(DBMS)、アプリケーション・プログラム、等を含んでいてもよい。
プロセッサ202は、コンピュータ用のCPU(Central Processing Unit)であってもよい。メモリ214には、例えば、主記憶装置および半導体メモリ等が含まれる。
プロセッサ202は、メモリ214および/または記憶装置260に格納されたそのソフトウェアに従って動作するものであってもよい。そのソフトウェアは、記録媒体229に格納されていて、ドライブ228によって記録媒体229から読み出されて情報処理端末22〜26にインストールされてもよい。また、代替形態として、プロセッサ202は、上述のソフトウェアの機能の少なくとも一部を含む例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。
情報処理端末22〜26は、ネットワーク・インタフェース214を介し、さらに内部ネットワーク5および/または外部ネットワーク15を介して、組織内部のサーバ装置10、組織外部の電子メール・サーバ装置10および情報処理端末32、34等に接続され得る。
図3は、サーバ装置10の概略的な構成(configuration)の例を示している。
サーバ装置10は、組織の管理用の情報処理装置であり、例えば、プロセッサ102、メモリ104、内部バス、ネットワーク・インタフェース(NW I/F)108、等を含むコンピュータであってもよい。サーバ装置10は、さらに、内部バスに結合された、記録媒体読み取り用のドライブ106、およびデータベース162を含むハードディスク・ドライブ(HDD)のような記憶装置16を含んでいる。ドライブ106は、ソフトウェアが記録された例えば光ディスクのような記録媒体160を読み取るために設けられている。そのソフトウェアは、例えば、OS、データベース管理システム(DBMS)、アプリケーション・プログラム、等を含んでいてもよい。
プロセッサ102は、コンピュータ用のCPU(Central Processing Unit)であってもよい。メモリ104には、例えば、主記憶装置および半導体メモリ等が含まれる。
プロセッサ102は、メモリ104および/または記憶装置16に格納されたそのソフトウェアに従って動作するものであってもよい。そのソフトウェアは、記録媒体160に格納されていて、ドライブ106によって記録媒体160から読み出されてサーバ装置10にインストールされてもよい。また、代替形態として、プロセッサ102は、上述のソフトウェアの機能の少なくとも一部を含む例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。
サーバ装置10は、ネットワーク・インタフェース108を介し、さらに内部ネットワーク5および/または外部ネットワーク15を介して、内部の情報処理端末22〜26、および外部の情報処理端末32、34等に接続され得る。
図4は、情報処理端末22〜26の各々のプロセッサ202の概略的な構成(configuration)の例を示している。
プロセッサ202は、制御部2220を含み、さらに、電子メール・クライアント部2224、電子メール・チェック部2226、送信記録管理部230、およびその他の処理部2240を含みまたはその一部を含んでいてもよい。電子メール・チェック部2226は、各情報処理端末22〜26の内部の送信記録に関する情報をチェック(検査)する内部情報チェック部2227、および情報処理端末22〜26の外部にある送信記録に関する情報をチェックする外部情報チェック部2228を含んでいてもよい。制御部2220は、電子メール・クライアント部2224、電子メール・チェック部2226、送信記録管理部228、および処理部2240に制御信号を供給して、これらの要素の動作を制御してもよい。
記憶装置260は、安全なドメイン情報のファイル262、電子メール・クライアントのアドレスブック・ファイル264、および各情報処理端末22〜26内の電子メールに関する送信記録ファイルまたは送信ログ・ファイル266を含んでいる。各情報処理端末22〜26(例、22)の記憶装置260は、さらに、組織内の他の情報処理端末(例、24〜26)における他の送信者の電子メールの送信記録情報および人事情報をそれぞれ一時的に格納する送信記録ファイル268および人事情報ファイル270を含んでいてもよい。送信記録ファイル266は、送信記録が追加、更新または削除されまたは送信記録情報が要求される度に全体の送信記録を統計的に処理して得られた情報を含んでいてもよい。
図5は、サーバ装置10のプロセッサ102の概略的な構成(configuration)の例を示している。
プロセッサ102は、制御部1220を含み、さらに、送信記録管理部1224、人事情報管理部1226、およびその他の処理部1240を含みまたはその一部を含んでいてもよい。制御部1220は、送信記録管理部1224、人事情報管理部1226、および処理部1240に制御信号を供給して、これらの要素の動作を制御してもよい。記憶装置16は、データベース162の一部として、組織内の電子メールに関する送信記録ファイルまたは送信ログ・ファイル164、および人事情報ファイル166を含んでいる。送信記録ファイル164は、例えば、過去の電子メールの、送信日時、“to”、“cc”および“bcc”のフィールドにおける宛先アドレスおよび送信元アドレスを含む送信記録を含んでいる。その宛先アドレスには受信者の表示名が付加されていてもよい。送信記録ファイル164は、送信記録が追加、更新または削除されまたは送信記録情報が要求される度に全体の送信記録を統計的に処理して得られた情報を含んでいてもよい。
各情報処理端末22〜26(例えば、22)は、サーバ装置10の送信記録ファイル164から、他の情報処理端末(例えば、24〜26)の送信者の電子メールに関する送信記録情報を取得して一時的に送信記録ファイル268に格納してもよい。また、各情報処理端末22〜26(例えば、22)は、サーバ装置10の人事情報ファイル166から、他の情報処理端末(例えば、24〜26)の送信者の人事情報を取得して一時的に人事情報ファイル270に格納してもよい。
送信記録管理部1224は、情報処理端末22〜26からの要求に応じて、送信記録ファイル164を管理し、送信記録ファイル164に送信記録情報を記録し、または送信記録ファイル164における送信記録情報を更新する。また、送信記録管理部1224は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、送信記録ファイル164中の送信記録情報の一部を送信する。人事情報管理部1226は、情報処理端末22〜26からの要求に応じて、人事情報ファイル166を管理し、人事情報ファイル166を更新する。また、人事情報管理部1226は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、人事情報ファイル166中の人事情報の一部を情報処理端末22〜26に送信する。
図6Aおよび6Bは、使用者(ユーザ)の情報処理端末22〜26の内部の送信記録情報用の送信記録ファイル266に格納される各情報レコードのデータ構造の例を示している。図6Aおよび6Bの情報は、各情報処理端末22〜26における送信電子メールの送信記録を統計的に処理した情報を含んでいる。
図6Aは、送信記録ファイル266に格納される宛先に関する送信記録情報のレコードのデータ構造の例を示している。宛先に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス、初回の送信日時、最新の送信日時、および送信回数のフィールドを含んでいる。
図6Bは、送信記録ファイル266に格納される宛先プロフィール情報または受信者情報のレコードのデータ構造の例を示している。宛先プロフィール情報は、例えば、宛先アドレス、およびその複数の表示名のフィールドを含んでいる。各表示名は、送信しようとする電子メールのヘッダの“to”、“cc”、“bcc”のフィールドにおいて指定された表示名(display name)を取り出したもので、例えば、電子メールで使用された新しい日時の順に配置しても、または最新の送信日時から或る時間期間(例、3箇月)以内の送信電子メールにおける使用頻度の順に配置してもよい。ここで、“to”、“cc”、“bcc”のフィールドは、RFC2822規格において、[displayname]<addr−spec>と規定されており、表示名は[displayname]の部分に対応する。
図7Aおよび7Bは、サーバ装置10の送信記録ファイル164および情報処理端末22〜26の一時的な送信記録ファイル268に格納される宛先に関する情報レコードのデータ構造の例を示している。図7Aおよび7Bの情報は、組織内の全ての情報処理端末22〜26からの送信電子メールの送信記録を統計的に処理した情報を含んでいる。
図7Aは、送信記録ファイル164および268に格納される宛先に関する送信記録情報のレコードのデータ構造の例を示している。宛先に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス、初回の送信日時、最新の送信日時、送信回数、および送信者数のフィールドを含んでいる。
図7Bは、送信記録ファイル164および268に格納される宛先プロフィール情報のレコードのデータ構造の例を示している。宛先プロフィール情報は、例えば、宛先アドレス、およびその複数の表示名(1〜5)のフィールドを含んでいる。
図8Aは、サーバ装置10の送信記録ファイル164および情報処理端末22〜26の送信記録ファイル268に格納される送信元に関する送信記録情報レコードのデータ構造の例を示している。図8Bは、サーバ装置10の人事情報ファイル166および情報処理端末22〜26の人事情報ファイル270に格納される送信元プロフィール情報または送信者情報のレコードのデータ構造の例を示している。
送信元に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス、送信者の送信元アドレス、初回の送信日時、最新の送信日時、および送信回数のフィールドを含んでいる。送信元に関する送信記録情報は、宛先アドレスと送信元アドレスの各組合せの電子メールの送信日時および送信回数等の情報を含んでいる。送信元プロフィール情報は、例えば、送信元アドレス、および、組織における送信元アドレスの送信者の所属部署、氏名および連絡先(例、内線電話番号)のフィールドを含んでいる。
図9Aは、図6Aのデータ構造の情報レコードを有し、各情報処理端末22〜26の内部の送信記録ファイル266に格納される宛先に関する送信記録情報のテーブルの例を示している。宛先に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス“b@def.com”、および、その宛先アドレスへの初回の送信日時“2009年2月28日”、最新の送信日時“2011年9月30日”および送信回数“100回”のような情報を含んでいる。ここで、宛先アドレスは、送信記録ファイル266に存在する宛先として使用された電子メール・アドレスを表す。
情報処理端末22〜26のプロセッサ202(またはその送信記録管理部2230)は、電子メールが送信される度に、または宛先アドレスに関する送信記録情報が検索または要求される度に、その送信記録情報を生成して送信記録ファイル266に格納してもよい。また、情報処理端末22〜26のプロセッサ202(送信記録管理部2230)は、電子メールが送信される度に、または宛先アドレスに関する送信記録情報が検索または要求される度に、送信記録ファイル266のその送信記録情報を更新してもよい。
図9Bは、図6Bのデータ構造の情報レコードを有し、情報処理端末22〜26の内部の送信記録ファイル266に格納される宛先プロフィール情報のテーブルの例を示している。宛先プロフィール情報は、例えば、宛先アドレス“b@def.com”、表示名1“DEF社)馬場”、表示名2“馬場次郎”、および表示名3“J.baba”のような情報を含んでいる。
情報処理端末22〜26のプロセッサ202(送信記録管理部2230)は、電子メールが送信される度に、または宛先プロフィール情報が検索または要求される度に、その宛先プロフィール情報を生成して送信記録ファイル266に格納してもよい。また、情報処理端末22〜26のプロセッサ202(送信記録管理部2230)は、電子メールが送信される度に、または宛先プロフィール情報が検索または要求される度に、送信記録ファイル266のその宛先プロフィール情報を更新してもよい。
図10Aは、図7Aのデータ構造の情報レコードを有し、情報処理端末22〜26の外部にあるサーバ装置10の送信記録ファイル164に格納される宛先に関する送信記録情報のテーブルの例を示している。宛先に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス“a@abc.com”、初回の送信日時“2010年1月1日”、最新の送信日時“2011年9月30日”、送信回数“500回”、および送信者数または送信元アドレス数“50”のような情報を含んでいる。ここで、宛先アドレスは、送信記録ファイル164に存在する送信記録における宛先として使用された電子メール・アドレスを表す。
サーバ装置10のプロセッサ102(またはその送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または宛先アドレスに関する送信記録情報が検索または要求される度に、その送信記録情報を生成して送信記録ファイル164に格納してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または宛先アドレスに関する送信記録情報が検索または要求される度に、送信記録ファイル164のその送信記録情報を更新してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、その送信記録情報を情報処理端末22〜26に送信または供給する。
図10Bは、図7Bのデータ構造の情報レコードを有し、情報処理端末22〜26の外部にあるサーバ装置10の送信記録ファイル164に格納される宛先プロフィール情報のテーブル例を示している。宛先プロフィール情報は、例えば、宛先アドレス“a@abc.com”、およびその表示名1“ABC社)荒木”、表示名2“Araki”、表示名3“荒木一郎”、表示名4“Ichiro Araki”および表示名5“I.Araki”のような情報を含んでいる。ここで、表示名は、例えば宛先フィールドにおける“ABC社)荒木<a@abc.com>”中の“ABC社)荒木”のように、電子メールの宛先アドレスとともにその前に表示される表示名を表す。表示名には、1つの電子メール・アドレスに対して、元々送信者が付したものと、元々受信者が付したものとがあり、複数存在し得る。
サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または宛先プロフィール情報が検索または要求される度に、その宛先プロフィール情報を生成して送信記録ファイル266に格納してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または宛先プロフィール情報が検索または要求される度に、送信記録ファイル164の宛先プロフィール情報を更新してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、その宛先プロフィール情報を情報処理端末22〜26に送信または供給する。
図11Aは、図8Aのデータ構造の情報レコードを有し、情報処理端末22〜26の外部にあるサーバ装置10の送信記録ファイル164に格納される送信元に関する送信記録情報のテーブルの例を示している。送信元に関する送信記録情報は、例えば、宛先アドレス“a@abc.com”、送信元アドレス“x@jp.fj.com”、および宛先と送信元アドレスの組合せに対する、初回の送信日時“2010年1月1日”、最新の送信日時“2010年4月1日”および送信回数“5回”の情報を含んでいる。ここで、送信元アドレスは、送信記録ファイル164に存在する送信記録における1つの宛先アドレスに対する1つ以上の送信元の電子メール・アドレスの中のいずれかを表す。
サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または送信元に関する送信記録情報が検索または要求される度に、その送信記録情報を生成して送信記録ファイル164に格納してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、電子メールが送信される度に、または送信元に関する送信記録情報が検索または要求される度に、送信記録ファイル164のその送信記録情報を更新してもよい。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、その送信記録情報を情報処理端末22〜26に送信または供給する。
図11Bは、図8Bのデータ構造の情報レコードを有し、情報処理端末22〜26の外部にあるサーバ装置10の人事情報ファイル166に格納される送信元プロフィール情報のテーブルの例を示している。送信元プロフィール情報は、例えば、送信元アドレス“x@jp.fj.com”、およびその送信元アドレスが割り当てられた送信者の氏名“島野松男”および連絡先(例、内線電話番号)“1001”の情報を含んでいる。
サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、管理者の操作に従って、人事情報ファイル166を生成しまたは更新する。また、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)は、情報処理端末22〜26からの要求に応答して、人事情報ファイル166からその送信元プロフィール情報を抽出して情報処理端末22〜26に送信または供給する。
図12A〜12Cは、実施形態による、各情報処理端末22〜26によって実行される、使用者によって送信操作された電子メールの宛先アドレスが宛先として妥当かどうかに関する判定を支援しおよびその判定を自動的に行う処理のためのフローチャートの例を示している。以下、1つの情報処理端末22について説明するが、他の情報処理端末24〜26は、情報処理端末22と同様に動作し処理を実行する。情報処理端末22の説明は、情報処理端末24〜26に同様に適用される。
情報処理端末22上の電子メール・クライアントによる表示装置222の画面上で、その使用者が電子メールを作成して送信するよう操作すると、そのプロセッサ202(またはその電子メール・クライアント部2224)はその電子メールの送信を開始するよう動作する。それによって、情報処理端末22のプロセッサ202(またはその電子メール・チェック部2226)によって図12A〜12Cのフローチャートの実行が開始される。
図12Aを参照すると、ステップ380において、情報処理端末22のプロセッサ202(または電子メール・チェック部2226の内部情報チェック部2227)は、ドメイン情報ファイル262を参照して、送信する電子メールの宛先アドレスのドメイン情報の妥当性を検証する。この場合、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、送信しようとする電子メールのヘッダ中の全ての宛先アドレスについて、それぞれのドメイン情報が妥当かどうか検証する。ここで、宛先アドレスは、電子メールにおける“to”、“cc”および“bcc”のフィールドに含まれている全ての電子メール・アドレスの各電子メール・アドレスである。ドメイン情報が、ドメイン情報ファイル262における、例えば、会社内のドメイン情報またはその関連会社を表すドメイン情報、または予め登録された取引先等を表すドメイン情報であれば、その宛先アドレスは妥当であると判定される。
ステップ382において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、全ての宛先アドレスが妥当と判定されたかどうかを判定する。いずれかの宛先アドレスが妥当でない判定された場合は、手順はステップ400に進む。全ての宛先アドレスが妥当と判定された場合は、手順はステップ440に進む。代替形態として、ステップ380および382が実行されることなく、ステップ400から処理が開始されてもよい。ステップ440において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、検証済みの電子メールを外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して宛先の外部の情報処理端末32、34等へ送信する。
ステップ400において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、送信しようとする電子メールの全ての宛先アドレスについて、アドレスブック264を検索する。その宛先アドレスは、ステップ382において妥当でないと判定された電子メール・アドレスであってもよい。
ステップ402において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、各宛先アドレスが電子メール・クライアント部2224のアドレスブック264に存在するかどうかを判定する。いずれかの宛先アドレスがアドレスブック264に存在しないと判定された場合は、手順はステップ404に進む。全ての宛先アドレスがアドレスブック264に存在すると判定された場合は、手順はステップ440(電子メール送信処理)に進む。ステップ440において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、チェック済みの電子メールを、外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して宛先の外部の情報処理端末32、34等へ送信する。その後、手順は図12Cのステップ452に進む。
ステップ404において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、アドレスブック・ファイル264に存在しなかったその宛先アドレスについて、情報処理端末22の内部の送信記録ファイル266を検索する。
ステップ406において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、その宛先アドレスが送信記録ファイル266中に存在するかどうかを判定する。その全ての宛先アドレス(またはアドレスブック・ファイル264にない宛先アドレス)が送信記録ファイル266に存在すると判定された場合は、手順はステップ408に進む。いずれかの宛先アドレスが送信記録ファイル266中に存在しないと判定された場合は、手順は図12Bのステップ422に進む。
図14は、情報処理端末22〜26の内部の送信記録ファイル266中の宛先に関する送信記録情報を確認するための表示画面の例を示している。
ステップ408において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、情報処理端末22の送信記録ファイル266における、各宛先アドレスに関する初回の送信日時、最新の送信日時、および送信回数の送信記録情報を表示する。その送信記録情報は、アドレスブック・ファイル264中に存在せずかつ送信記録ファイル266中に存在する宛先アドレスに関するものであってもよい。その表示の画面は、例えば、図14のような表示画面であってもよい。
図14の表示画面において、使用者が、宛先に関する送信記録情報を確認して、例えば入力部226のポインティング・デバイスで画面中の“確認”ボタンをクリックすると、手順はステップ440(電子メール送信処理)に進む。ステップ440において、プロセッサ202(内部情報チェック部2227)は、チェック済みの電子メールを外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して外部の情報処理端末32、34等へ送信する。その後、手順は図12Cのステップ452に進む。
図12Bを参照すると、図12Aのステップ406の後のステップ422において、プロセッサ202(または電子メール・チェック部2226の外部情報チェック部2228)は、内部ネットワーク5を介して組織内のサーバ装置10に接続する。次いで、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、情報処理端末22の内部のアドレスブック・ファイル264と送信記録ファイル266のいずれにも存在しない各宛先アドレスについてサーバ装置10の送信記録ファイル164を検索する。
ステップ424において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、宛先アドレスへの電子メールの送信の可否を自動的に判定するための自動判定機能が使用者によって予め“有効”に設定されているかどうかを判定する。自動判定機能の“有効”の設定情報は、例えば、記憶装置260におけるその設定情報用の記憶領域に保存されてもよい。自動判定機能が“有効”でないまたは“無効”であると判定された場合は、手順はステップ426に進む。自動判定機能が“有効”であると判定された場合は、手順はステップ430に進む。
ステップ430において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、内部ネットワーク5を介してサーバ装置10に接続して、送信記録ファイル164におけるその宛先アドレスに関する送信記録情報をサーバ装置10に要求し取得して送信記録ファイル268に格納する。この場合、その送信記録情報は、組織内の他の送信者の過去の送信記録情報である。プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、取得した宛先アドレスに関する送信記録情報を参照して、判定用の条件または閾値に基づいて宛先アドレスへの電子メールの送信の可否またはその宛先アドレスの妥当性を自動的に判定する。
その判定方法は、例えば、組織内の送信記録ファイル164における他の送信者の送信記録情報において、期間的な条件としての1つの宛先アドレスへの最新送信日時から遡って或る時間期間(例えば、3箇月)以内のその宛先アドレスへの電子メールについてだけ判定してもよい。その判定方法は、判定条件として、その電子メールの送信数(合計)が、閾値としての送信数(例えば、100通)を超えているか、および/または、その電子メールの送信者の数が、閾値としての送信者数(例えば、3人)を超えているか、を判定するものであってもよい。その判定方法は、その送信数と送信者数がその両方またはいずれかの閾値を超えている場合に、その宛先アドレスが妥当でありその宛先アドレスへの送信が可であると判定してもよい。その判定は、或る時間期間において、組織内の情報処理端末22の使用者以外の他の送信者によるその宛先アドレスへの送信数が閾値を超えている場合、および/またはその送信者数が閾値を超えている場合に、その送信実績に基づいてその宛先アドレスの妥当性を信頼する。また、その判定方法は、或る時間期間において、その送信数と送信者数がその両方またはいずれかの閾値を超えていない場合に、その宛先アドレスが妥当でなくその宛先への送信が不可であると判定してもよい。
その条件に基づく判定に用いる送信記録ファイル164におけるその送信記録情報または統計的情報は、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)の要求に応答して、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)によって生成されて情報処理端末22に送信されてもよい。また、その送信記録情報または統計的情報は、情報処理端末22によって受信されて送信記録ファイル268に格納されてもよい。
ステップ432において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、自動判定の結果が判定対象の全ての宛先への送信が可であるかどうかを判定する。その全ての宛先への送信が可と判定された場合に、手順は図12Aのステップ440(電子メール送信処理)へ進む。いずれかの宛先への送信が可でないまたは不可と判定された場合には、手順はステップ426へ進む。代替形態として、いずれかの宛先への送信が可でないまたは不可と判定された場合に、ステップ442に進んでもよい。
ステップ426において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、ステップ422の検索の結果として、その宛先アドレスが送信記録ファイル164の送信記録情報中に存在するかどうかを判定する。その全ての宛先アドレスが送信記録ファイル164の送信記録情報中に存在すると判定された場合は、手順はステップ434に進む。そのいずれかの宛先アドレスが送信記録ファイル164の送信記録情報中に存在しないと判定された場合は、手順はステップ436に進む。
図15Aは、組織内の送信記録情報の表示画面の例を示している。
ステップ434において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、例えば図15Aのような送信記録ファイル166における組織内の各宛先アドレスに関する送信記録情報をサーバ装置10から取得して表示し、使用者に送信の可否を判断させる。その送信記録情報は、例えば、ステップ430における条件を満たさない1つ以上の宛先アドレス、および、その宛先アドレスへの初回の送信日時、最新の送信日時、送信回数および送信者数を含んでいてもよい。
それらの送信時日、送信回数および送信者数等の統計的な情報は、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)の要求に応答して、サーバ装置10のプロセッサ102(またはその送信記録管理部1224)によって生成されて情報処理端末22に送信されてもよい。また、それらの送信時日、送信回数および送信者数等の統計的な情報は、情報処理端末22によって受信されて送信記録ファイル268に格納されてもよい。
使用者が、例えば図15Aのような組織内の、宛先に関する送信記録情報を確認して、例えば入力部226のポインティング・デバイスで画面中の“送信”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が可として設定される。一方、使用者が、その組織内の送信記録情報を確認して、画面中の“キャンセル”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が不可として設定される。その後、手順はステップ438に進む。
ステップ434において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、図15Aの表示画面における使用者の“照会”ボタン操作に応答して、サーバ装置10に接続する。プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、さらに、人事情報ファイル166中の宛先アドレスへの電子メールの送信元アドレスまたは送信者の詳細情報をサーバ装置10に要求して取得し、送信記録ファイル268に格納してもよい。プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、取得された詳細情報として、例えば、送信元アドレス、組織内の所属部署、氏名、連絡先等の送信元プロフィール情報と、送信記録情報(例、初回の送信日時、最新の送信日時および送信回数)とを表示装置222に表示してもよい。それによって、使用者に組織内の他の送信者の情報を参照させて、使用者にその宛先アドレスへの電子メールの送信の可否をより適正に判断させることができる。
それらの送信元プロフィール情報は、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)の要求に応答して、サーバ装置10のプロセッサ102(またはその人事情報管理部1264)によって人事情報ファイル166から抽出されて情報処理端末22に送信されてもよい。また、それらの送信元プロフィール情報は、情報処理端末22によって受信されて人事情報ファイル270に格納されてもよい。また、それらの送信時日および送信回数等の統計的情報は、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)の要求に応答して、サーバ装置10のプロセッサ102(送信記録管理部1224)によって生成されて情報処理端末22に送信されてもよい。また、それらの統計的情報は、情報処理端末22によって受信されて送信記録ファイル268に格納されてもよい。
図15Bは、或る宛先アドレスに電子メールを送信した送信者または送信元アドレスに関する詳細情報の表示画面の例を示している。
図15Aの表示画面において、使用者が、宛先に関する送信記録情報を確認して、例えば、入力部226のポインティング・デバイスで画面中の各宛先アドレスに関する詳細情報を表示するための“照会”ボタンをクリックすると、1つの宛先アドレスに関して図15Bの画面が表示される。
図15Bの表示画面において、宛先アドレスの各表示名が、電子メールの新しい送信日時の順にまたは最新の送信日時から或る時間期間以内の送信電子メールにおける使用頻度の順に、最大5個まで表示される。例えば、表示名として、“ABC)荒木”、“Araki”、“荒木一郎”、“Ichiro Araki”、“I.Araki”が表示される。また、その表示画面に、宛先アドレスに宛てられた各電子メールの1つ以上の送信元アドレスと、その送信元アドレスが割り当てられた組織内の送信者の所属部署、氏名、連絡先、およびその送信者によるその宛先アドレスへの送信の、初回の送信日時、最新の送信日時および送信回数が表示される。それによって、使用者は、宛先アドレスの受信者の所属、およびその受信者と組織内の他の送信者の間の関係を概略的に把握することができる。また、使用者は、組織内の送信者に直接連絡してその受信者と自己の組織との関係を問い合わせることもできる。
使用者が、例えば図15Bのような宛先アドレスの表示名および組織内の送信元に関するプロフィール情報を確認して、例えば入力部226のポインティング・デバイスで画面中の“送信”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が可として設定される。一方、使用者が、宛先アドレスの表示名および組織内の送信元に関するプロフィール情報を確認して、画面中の“キャンセル”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が不可として設定される。その後、手順はステップ438に進む。
図16は、送信記録ファイル164中に送信記録情報がないことを表す表示画面の例を示している。
ステップ436において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、送信記録に関する情報が存在しないことを表す情報、例えば図16のような表示画面を、表示装置222に表示する。それによって、使用者にその宛先アドレスへの電子メールの送信の可否を判断させることができる。
使用者が、例えば図16のような送信記録に関する情報が存在しないことを表す情報を確認して、それでもなお、例えば入力部226のポインティング・デバイスで画面中の“送信”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が可として設定される。一方、使用者が、送信記録に関する情報が存在しないことを表す情報を確認して、画面中の“キャンセル”ボタンをクリックすると、電子メールの送信が不可として設定される。その後、手順はステップ438に進む。
ステップ438において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、使用者の判断の結果に基づいて、電子メールを送信するかどうかを判定する。送信しないと判定された場合は、手順はステップ442に進む。送信すると判定された場合は、手順は図12Aのステップ440に進む。ステップ440において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、チェック済みの電子メールを外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して外部の情報処理端末32、34等へ送信する。
ステップ442において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、送信しようとする電子メールの送信を中止する。この場合、プロセッサ2020(電子メール・クライアント部2224)によって電子メール・クライアントまたはメーラ・ソフトウェアの画面上で、その電子メールの送信が失敗したものとして処理されまたは表示される。その後、手順は図12Cのステップ470(終了)へ進む。
代替形態として、ステップ442において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、妥当でない宛先アドレスを、送信しようとする電子メールの宛先から削除して、それでも妥当な宛先アドレスが存在する場合にその電子メールを送信するようにしてもよい。この場合、その後、手順はステップ12Aのステップ440へ進む。ステップ440において、プロセッサ202(外部情報チェック部2228)は、妥当な宛先アドレスを有する電子メールを外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して外部の情報処理端末32、34等へ送信する。
このように、図12Bのステップ422〜438の処理によって、情報処理端末22のアドレスブック264と送信記録ファイル266に無い宛先アドレスに関して、組織内の送信記録ファイル166に基づいて電子メール送信の可否を自動的に判定しまたは使用者の判断を支援することができる。
図12Aを再び参照すると、ステップ440において、プロセッサ202(内部情報チェック部227または外部情報チェック部2228)は、チェック済みの電子メールを外部ネットワーク15を介しメール・サーバ装置30を介して外部の情報処理端末32、34等へ送信する。
図12Cを参照すると、図12Bのステップ440の後のステップ452において、プロセッサ202(またはその送信記録管理部2230)は、送信された電子メールの各宛先アドレスが使用者の送信記録ファイル266中に存在するかどうかを判定する。宛先アドレスが送信記録ファイル266中に存在しないと判定された場合は、手順はステップ454に進む。宛先アドレスが送信記録ファイル266中に存在すると判定された場合は、手順はステップ456に進む。
ステップ454において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信記録ファイル266に新しい宛先アドレスに関する送信記録を格納する。送信記録は、例えば、1つ以上の宛先アドレスおよび送信日時を含んでいる。プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、さらにその送信記録を処理して、例えば図9Aおよび9Bに示されたような、宛先に関する送信記録情報、および宛先プロフィール情報を生成して格納してもよい。
ステップ456において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信記録ファイル266においてその宛先アドレスに関する送信記録を追加し更新する。追加される送信記録は、例えば、1つ以上の宛先アドレスおよび送信日時を含んでいる。プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、さらにその送信記録を処理して、送信記録ファイル266における宛先に関する送信記録情報および宛先プロフィール情報を更新してもよい。
ステップ462において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信された電子メールの各宛先アドレスが組織内の送信記録ファイル164中に存在するかどうかを判定する。宛先アドレスが送信記録ファイル164中に存在しないと判定された場合は、手順はステップ464に進む。宛先アドレスが送信記録ファイル164中に存在すると判定された場合は、手順はステップ466に進む。
ステップ464において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信記録ファイル164に新しい宛先アドレスに関する送信記録を格納する。送信記録は、例えば、1つ以上の宛先アドレス、送信元アドレスおよび送信日時を含んでいる。
プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、さらにその送信記録を処理して、例えば図10A、10Bおよび11Aに示された、宛先に関する送信記録情報、宛先プロフィール情報、および送信元に関する送信記録情報を生成して送信記録ファイル164に格納してもよい。あるいは、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、その送信記録情報を、情報処理端末22によって要求されたときに生成して送信記録ファイル164に格納し情報処理端末22に送信してもよい。
ステップ466において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信記録ファイル164においてその宛先アドレスに関する送信記録を追加し更新する。追加される送信記録は、例えば、1つ以上の宛先アドレス、送信元アドレスおよび送信日時を含んでいる。
プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、さらにその送信記録を処理して、送信記録ファイル164における宛先に関する送信記録情報、宛先プロフィール情報、および送信元に関する送信記録情報を更新してもよい。あるいは、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、送信記録ファイル164におけるその送信記録情報を、情報処理端末22によって要求されたときに更新して情報処理端末22に送信してもよい。
図12Cのステップ452〜466の処理によって、送信された各電子メールに関する新しい送信記録を送信記録ファイル266および164に格納することができ、送信記録ファイル266および164における送信記録情報を更新することができる。それによって、送信記録ファイル266および164は、その後送信される電子メールの宛先アドレスの妥当性の判定に使用できるようになる。
図13は、各情報処理端末22〜26によって実行される、各情報処理端末22〜26の送信記録ファイル266、およびサーバ装置10の送信記録ファイル164における或る宛先アドレスに関する不要な送信記録情報を削除する処理のためのフローチャートの例を示している。
使用者は、情報処理端末22上で、先に送信された電子メールの或る宛先アドレスに関して、情報処理端末22内の送信記録ファイル266およびサーバ装置10の送信記録ファイル164中の不要な送信記録情報を削除することができる。例えば、先に送信された電子メールの或る宛先アドレスが誤っていた場合または使用されなくなった場合に、使用者は、その宛先アドレスを削除するであろう。情報処理端末22内の送信記録ファイル268はサーバ装置10から受け取った送信記録情報を一時的に格納するだけなので、その或る宛先アドレスに関する送信記録情報を削除しなくてもよい。
図17は、情報処理端末22〜26の送信記録ファイル266およびサーバ装置10の送信記録ファイル164における送信記録情報を削除するための表示画面の例を示している。
図13を参照すると、ステップ502において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、例えば図17のような電子メール送信記録情報を削除するための表示画面を表示し、使用者の送信元アドレスと、電子メールの送信記録情報が削除される宛先アドレスとを入力させる。使用者の送信元アドレスは、デフォルトで表示されてもよい。
使用者が、電子メールの送信記録情報を削除する対象の宛先アドレスを入力し、“確認”ボタンをクリック操作する。プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、“確認”ボタンのクリック操作に応答して、情報処理端末22内の送信記録ファイル266およびサーバ装置10の送信記録ファイル164にアクセスして、対象となる送信記録情報と照合する。プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、その宛先アドレスに対応する送信記録情報が存在し削除可能であれば、“削除”ボタンを表示する。使用者は、表示された“削除”ボタンをクリック操作する。
ステップ504において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、その“削除”ボタンのクリック操作に応答して、情報処理端末22内の送信記録ファイル266にアクセスして、その宛先アドレス、およびその宛先アドレスのみに関する送信記録情報を削除する。
ステップ506において、プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、サーバ装置10の送信記録ファイル164にアクセスして、その宛先アドレスのみに関する送信記録情報を削除する。
図13の処理によって、使用者の送信元アドレスの電子メールに関して、送信不可とする宛先アドレスのみに関する送信記録情報(例えば、その宛先アドレス)を、送信記録ファイル266および164から削除することができる。
図18は、図12Bのステップ430における電子メールの送信可否の自動判定に使用される条件を設定するための表示画面の例を示している。
プロセッサ202(送信記録管理部2230)は、例えば図18のような電子メールの送信可否の自動判定における条件を設定するための表示画面を表示し、例えば時間期間および閾値等を入力させる。図18において、例えば、電子メールの宛先アドレスの妥当性を判定する対象の“検索対象電子メールの時間期間”として最新の送信日時から過去3箇月以内が設定される。また、例えば、電子メールの宛先アドレスの妥当性を判定するための閾値として同一宛先への送信数100通、および同一宛先への送信者数3人が設定される。使用者は、設定された時間期間または閾値を確認して“設定”ボタンをクリックする。それによって、その時間期間および閾値に基づいて、電子メールの宛先の妥当性が、サーバ装置10の送信記録ファイル164中の送信記録情報に基づいて自動的に判定できるようになる。
上述の実施形態によれば、電子メールの宛先フィールドの各宛先アドレスに電子メールを送信してよいかどうかを自動的に判定できる処理を実現することができる。また、上述の実施形態によれば、電子メールの宛先フィールドの各宛先アドレスに電子メールを送信してよいかどうかの判定を支援するための処理を実現することができる。
上述の実施形態では、情報処理端末における処理として説明したが、同様の処理は、例えばシンクライアント・システムのようなクライアント−サーバ・システムにおけるサーバ装置における処理として実現することもできる。その場合、情報処理端末22〜26のプロセッサ202の諸機能および処理は、例えば、サーバ装置10のような情報処理装置において実行されてもよい。その際、複数の情報処理端末22〜26のドメイン情報ファイル262、アドレスブック・ファイル264、送信記録ファイル266、送信記録ファイル268および人事情報ファイル270は、記憶装置16における互いに異なるそれぞれの記憶領域に格納されてもよい。また、ドメイン情報ファイル262、アドレスブック・ファイル264、送信記録ファイル266、送信記録ファイル268および人事情報ファイル270は、送信記録ファイル164および人事情報ファイル166の記憶領域とは異なる記憶領域に格納されてもよい。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない、と理解される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができる、と理解される。
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) ネットワークに接続可能な情報処理装置における電子メールの宛先アドレスの妥当性を判定するためのプログラムであって、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の記憶装置に格納された使用者の第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、別の装置における他者の第2の送信記録情報に基づいて、前記宛先アドレスに関する前記第2の送信記録情報の部分が送信条件を満たすかどうかを判定し、
前記宛先アドレスに関して前記第2の送信記録情報の部分が前記送信条件を満たすと判定された場合に、前記宛先アドレスが妥当であると判定する
処理を前記情報処理装置に実行させるためのプログラム。
(付記2) 前記送信条件は、或る期間において前記宛先アドレスに送信された電子メールの数が閾値より多いこと、または前記或る期間において前記アドレスに送信された電子メールの異なる送信元アドレスの数が閾値より多いことであることを特徴とする、付記1に記載のプログラム。
(付記3) さらに、前記宛先アドレスに関して前記第2の送信記録情報が前記送信条件を満たさないと判定された場合に、前記宛先アドレスに関する第2の送信記録情報の部分が存在するかどうかを判定し、
前記第2の送信記録情報の前記部分が存在すると判定された場合に、前記第2の送信記録情報の前記部分を前記情報処理装置の表示装置に表示させて、使用者に前記宛先アドレスが妥当であるかどうかの判定を表す情報を入力させる、
処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする、付記1または2に記載のプログラム。
(付記4) ネットワークに接続可能な情報処理装置における電子メールの宛先アドレスの妥当性の判定を支援するためのプログラムであって、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の記憶装置に格納された使用者の第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、別の装置における他者の第2の送信記録情報に前記宛先アドレスに関する部分が存在するかどうかを判定し、
前記第2の送信記録情報に前記部分が存在すると判定された場合に、前記第2の送信記録情報の前記部分を取得して前記情報処理装置の表示装置に表示させて、使用者に前記宛先アドレスが妥当であるかどうかの判定を表す情報を入力させる
処理を前記情報処理装置に実行させるためのプログラム。
(付記5) さらに、前記第2の送信記録情報の前記部分に加えて、前記別の装置における前記宛先アドレスへの送信者に関する情報を前記の表示装置に表示させる処理を、前記情報処理装置に実行させることを特徴とする、付記3または4に記載のプログラム。
(付記6) さらに、前記宛先アドレスが妥当であると判定された場合に前記電子メールの送信を許容し、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定され、かつ前記宛先アドレスが妥当でないと判定された場合に、前記電子メールの送信を中止する処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする、付記1乃至5のいずれかに記載のプログラム。
(付記7) さらに、前記電子メールが送信された場合に、前記第1の送信記録情報および第2の送信記録情報に前記電子メールの送信記録を格納し、または前記電子メールの送信に関して前記第1の送信記録情報および第2の送信記録情報を更新する処理を前記情報処理装置に実行させることを特徴とする、付記1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
(付記8) ネットワークに接続可能な情報処理装置であって、
使用者の第1の送信記録情報を格納する記憶装置と、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の前記記憶装置に格納された前記第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定する第1の判定部と、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、前記ネットワークを介してアクセス可能な別の装置における第2の送信記録情報に基づいて、前記宛先アドレスに関する前記第2の送信記録情報の部分が送信条件を満たすかどうかを判定し、前記宛先アドレスに関して前記第2の送信記録情報の前記部分が前記送信条件を満たすと判定された場合に前記宛先アドレスが妥当であると判定する第2の判定部と、
を含むことを特徴とする、情報処理装置。
(付記9) ネットワークに接続可能な情報処理装置であって、
使用者の第1の送信記録情報を格納する記憶装置と、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の前記記憶装置に格納された前記第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定する第1の判定部と、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、別の装置における他者の第2の送信記録情報に前記宛先アドレスに関する部分が存在するかどうかを判定し、前記第2の送信記録情報に前記部分が存在すると判定された場合に、前記第2の送信記録情報の前記部分を取得して前記情報処理装置の表示装置に表示させて、使用者に前記宛先アドレスが妥当であるかどうかの判定を表す情報を入力させる第2の判定部と、
を含むことを特徴とする、情報処理装置。
(付記10) ネットワークに接続可能な情報処理装置における電子メールの宛先アドレスの妥当性を判定する方法であって、
前記情報処理装置が、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の記憶装置に格納された使用者の第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、別の装置における他者の第2の送信記録情報に基づいて、前記宛先アドレスに関する前記第2の送信記録情報の部分が送信条件を満たすかどうかを判定し、
前記宛先アドレスに関して前記第2の送信記録情報の部分が前記送信条件を満たすと判定された場合に、前記宛先アドレスが妥当であると判定する
処理を実行することを特徴とする方法。
(付記11) ネットワークに接続可能な情報処理装置における電子メールの宛先アドレスの妥当性の判定を支援する方法であって、
前記情報処理装置が、
前記電子メールの宛先アドレスが、前記情報処理装置の記憶装置に格納された使用者の第1の送信記録情報中に存在するかどうかを判定し、
前記宛先アドレスが前記第1の送信記録情報中に存在しないと判定された場合に、別の装置における他者の第2の送信記録情報に前記宛先アドレスに関する部分が存在するかどうかを判定し、
前記第2の送信記録情報に前記部分が存在すると判定された場合に、前記第2の送信記録情報の前記部分を取得して前記情報処理装置の表示装置に表示させて、使用者に前記宛先アドレスが妥当であるかどうかの判定を表す情報を入力させる
処理を実行することを特徴とする方法。