JP6118604B2 - ミシン目加工装置、およびこれを用いたミシン目付きフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、記録用紙に対してのこぎり刃を上下させることにより、ミシン目を形成する装置が記載されている。
また、特許文献2には、穿孔時にシート類のテンションを大きくすることを避けるため、ロール軸方向に対して斜めにミシン目刃が設けられた穿孔ロールにより、シート類に幅方向のミシン目を穿孔することが記載されている。
前記駆動装置は、前記ミシン刃の一端側の位置を制御する第1のクランクと、前記ミシン刃の他端側の位置を制御する第2のクランクを備え、前記第1のクランクと前記第2のクランクが同一の回転速度で回転することが好ましい。
前記ミシン刃が前記フィルムに接触している間は前記フィルムの移送を停止し、前記ミシン刃が前記フィルムに接触していないときに前記フィルムを移送することが好ましい。
前記ミシン刃の中央部の刃先が、前記ミシン刃の一端側の刃先と前記ミシン刃の他端側の刃先を通る直線よりも突出していることが好ましい。
また、本発明は、前記ミシン目加工装置を用いてフィルムにミシン目を形成することを特徴とするミシン目付きフィルムの製造方法を提供する。
前記駆動装置が前記第1のクランクと前記第2のクランクを備える場合、前記第1のクランクと前記第2のクランクが20〜60°の位相差を有することが好ましい。
図1に示すミシン目加工装置10は、フィルム1の長手方向に交差する方向に延在するミシン目2を形成するミシン刃11と、このミシン刃11をフィルム1に対して周期的に往復駆動する駆動装置13を備える。
なおミシン刃としては、トムソン刃以外にも、金属基材と一体に加工パターン(ミシン目)に対応する刃を形成した刃型、例えばピナクル(登録商標)刃、エッチング刃、彫刻刃などを用いることができる。
図3〜5に示すように、ミシン刃11と平行に設けられたバー13eの両端が、クランク13a,13bに追従して動作するコンロッド13c,13dにより上下移動する。図では具体的な構成を省略しているが、例えば、移動方向が上下方向に案内されたスライダ(図示せず)をコンロッド13c,13dの上端に設け、バー13eの両端がそれぞれスライダと連結されてもよい。バー13eには、ミシン刃の取付板16を固定することができる。
本形態の場合、第1のクランク13aと第2のクランク13bが所定の位相差(回転角の差)を有することにより、第1のクランク13aで制御されるミシン刃11の一端11a側が、第2のクランク13bで制御されるミシン刃11の他端11b側よりも先に動作する。位相差は、例えば40°程度、20〜60°程度が好ましい。
図3では、ミシン刃11がフィルム1から離れているが、若干、一端11a側がフィルム1の近くに位置している。
図4では、OS回転角が180°となり、第1のクランク13aが下死点に到達する。この時期では、ミシン刃11の一端11a側がフィルム1に接触して切り込みが始まるが、ミシン刃11の他端11b側は、まだフィルム1に接触していない。
図5では、DS回転角が180°となり、第2のクランク13bが下死点に到達する。この時期では、ミシン刃11の他端11b側がフィルム1に接触して切り込みが始まり、ミシン刃11の一端11a側は、フィルム1から離れ始める。
図4の時点およびその前後において、ミシン刃11の一端11a側がミシン刃11の他端11b側よりも先にフィルム1に接触する際には、ミシン刃11の高低差が徐々に減少する。その後、ミシン刃11の高低差が徐々に増大しながら、図5の時点またはその前後において、ミシン刃11の一端11a側に遅れて、ミシン刃11の他端11b側がフィルム1から離れる。つまり、そのとき、ミシン刃11の全体がフィルム1から離れる。
高低差Hについて他端11b側よりも一端11a側がフィルム1により近い状態を正、一端11a側よりも他端11b側がフィルム1により近い状態を負となるように符号をつけた場合は、図4から図5の間では、おおむね、正の高低差から徐々に減少して0を経て負の高低差を有するようになる。
なお、中央部11cを突出させるには、取付板16の厚さに分布を設ける他にも、中央部が突出したミシン刃を作製したり、ダイボードの厚さに分布を設けたり、種々の方法が適用可能である。
なお、クランクの変位を正弦曲線で近似したとき、一つのクランクが下死点に到達したときにおけるミシン刃の高低差Hoは、クランク間の位相差(回転角の差)をα、クランクのストロークをSとして、Ho=(S/2)×(1−cosα)で表される。これより、Ho/S=(1−cosα)/2であることから、α=±20°ではHo/S≒0.030、α=±25°ではHo/S≒0.047、α=±30°ではHo/S≒0.067、α=±35°ではHo/S≒0.090、α=±40°ではHo/S≒0.117、α=±45°ではHo/S≒0.146、α=±50°ではHo/S≒0.179、α=±55°ではHo/S≒0.213、α=±60°ではHo/S≒0.25と算出される。
下敷き20とするフィルムは、ミシン目加工されるフィルム1より厚さの大きいフィルムであってもよい。
フィルムやその加工品等の用途が医薬品や精密機械などの包装、保護、処理等である場合、塵埃(空気中の微粒子等)の極めて少ないクリーンな環境で加工を行うことが好ましい。本発明は、このような用途にも適用可能である。
上記実施形態では、OS(操作側)のクランクの位相をDS(駆動側)のクランクの位相より早くしたが、これとは反対に、OS(操作側)のクランクの位相をDS(駆動側)のクランクの位相より遅くしても同様の効果を奏する。
ミシン刃の一端側の位置を制御する第1のクランクと、ミシン刃の他端側の位置を制御する第2のクランクは、同一の駆動軸に連結すると、等速駆動が容易で駆動機(モータ)も共通化できる利点がある。2つのクランクを別々のモータにより駆動してもよい。
図1のフィルムは、略水平に配置して搬送しているが、これに限定されるものではなく、フィルムを傾斜させて搬送したり、フィルムを垂直(上から下、あるいは下から上)に搬送したりすることも可能である。ミシン刃を往復駆動する方向は、フィルムの搬送方向に対して垂直(直角)であることが好ましい。
Claims (5)
- フィルムの長手方向に交差する方向に延在する複数の刃先が前記フィルムを貫通してミシン目を形成するミシン刃と、前記ミシン刃を前記フィルムに対して周期的に往復駆動する駆動装置とを備え、
前記ミシン刃が前記フィルムに切り込む際には、前記ミシン刃の一端側が前記ミシン刃の他端側よりも先に前記フィルムに接触し、
前記フィルムに切り込んだ後に前記ミシン刃の全体が前記フィルムから離れる際には、前記ミシン刃の一端側が前記ミシン刃の他端側よりも先に前記フィルムから離れ、
前記ミシン刃を往復駆動する方向に垂直で前記ミシン刃の一端側の刃先を通る平面と、前記ミシン刃を往復駆動する方向に垂直で前記ミシン刃の他端側の刃先を通る平面との距離を、前記ミシン刃の高低差と定義するとき、
前記ミシン刃の一端側が前記ミシン刃の他端側よりも先に前記フィルムに接触する際には、前記ミシン刃の高低差が徐々に減少し、その後、前記ミシン刃の高低差が徐々に増大しながら、前記ミシン刃の全体が前記フィルムから離れることを特徴とするミシン目加工装置。 - 前記駆動装置は、前記ミシン刃の一端側の位置を制御する第1のクランクと、前記ミシン刃の他端側の位置を制御する第2のクランクを備え、前記第1のクランクと前記第2のクランクが同一の回転速度で回転することを特徴とする請求項1に記載のミシン目加工装置。
- 前記ミシン刃が前記フィルムに接触している間は前記フィルムの移送を停止し、前記ミシン刃が前記フィルムに接触していないときに前記フィルムを移送することを特徴とする請求項1または2に記載のミシン目加工装置。
- 前記ミシン刃の中央部の刃先が、前記ミシン刃の一端側の刃先と前記ミシン刃の他端側の刃先を通る直線よりも突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のミシン目加工装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のミシン目加工装置を用いてフィルムにミシン目を形成することを特徴とするミシン目付きフィルムの製造方法。
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JP2013062075A JP6118604B2 (ja) | 2013-03-25 | 2013-03-25 | ミシン目加工装置、およびこれを用いたミシン目付きフィルムの製造方法 |
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2013
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