JP5471148B2 - スリット装置及び切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば製袋機のフィルムの切断等に適用されるスリット装置及び切断方法に関する。
従来のこの種のスリット装置としては、たとえば、特許文献1、2に記載のようなものが知られている。
すなわち、長尺フィルムを搬送方向に切断するカット刃と、カット刃を長尺フィルムに対して相対的に進退させるカット刃駆動機構と、を備えていた。このカット刃駆動機構によって、カット刃を進退させることにより、カット刃の局所的な使用を回避し、カット刃の長寿命化を図っていた。
しかし、このような特許文献1、2の場合、使用範囲にわたって均等に磨耗していくために、使用範囲の端部において鋭角的な段差が生じる。たとえば、図6に示すような構成とした場合、カット刃210は、フィルム200に対して斜めに交差しているために、磨耗部213の前端部F′において鋭角的な段差214が生じ、磨耗が進行すると刃こぼれが生じるおそれがある。また、フィルム200が段差214の先端側と奥側とで2度接触するおそれがあり、切り位置が僅かにずれると2重に切り裂かれるおそれもある。そのそのため、全体としては磨耗がそれほど進行していない場合でも、早めに交換する必要が生じる。
特開2003−103492号公報 実開昭63−161690号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、カット刃の交換寿命をより延長させ得るスリット装置及び切断方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃と、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更可能とするカット刃駆動手段と、を備えたスリット装置において、
前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
前記カット刃駆動手段は、カット刃駆動手段を制御する制御手段により前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くして、使用範囲の前進側の端部での磨耗量が小さく、中途部分の磨耗量が大きくなるように、前記カット刃を進退させる構成となっていることを特徴とする
また、長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃と、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更可能とするカット刃駆動手段と、を備えたスリット装置において、
前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
前記カット刃駆動手段は、カット刃駆動手段を制御する制御手段により前記カット刃の進退速度を、使用範囲の中途部分よりも少なくとも前記前進側の端部側が相対的に速くな
るように、前記カット刃を進退させ、前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くする構成となっていることを特徴とする。
また、本発明の切断方法は、長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃を有し、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更する切断方法において、
前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くして、使用範囲の端部での摩耗量が小さく、中途部分の摩耗量が大きくなるように、前記カット刃を進退させることを特徴とする。
また、長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃を有し、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更する切断方法において、
前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
前記カット刃の進退速度を、使用範囲の中途部分よりも少なくとも前記前進側の端部側が相対的に速くなるように、前記カット刃を進退させ、前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くすることを特徴とする。
また、本発明のスリット装置においては、
1.前記カット刃駆動手段は、制御手段によりカット刃の進退ストロークを、使用範囲の全範囲から段階的に短くするように、前記カット刃を進退させる構成となっており、前記進退ストロークを段階的に短くする際に、前記カット刃進退方向の少なくとも前進側の端部位置を中途部分側に変更していくこと、が好ましい。
また、本発明の切断方法においては、
.前記カット刃の進退ストロークを、使用範囲の全範囲から段階的に短くするように、前記カット刃を進退させる構成で前記進退ストロークを段階的に短くする際に、前記カット刃進退方向の少なくとも前進側の端部位置を中途部分側に変更していくこと、が好ましい。
本発明によれば、カット刃における使用範囲の端部での累積切断長さが、中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くなるようにカット刃が進退されるので、磨耗量が使用範囲の端部での磨耗量が小さく、中途部分の磨耗量が大きくなるような形状となり、使用範囲の端部に早い段階で鋭角的な鋭い段差が生じることが防止され、長寿命化を図ることができる。
カット刃の進退ストロークを、使用範囲の全範囲から段階的に短くすれば、端部の磨耗形状を比較的に簡単に決定することができる。
また、カット刃の進退速度を、使用範囲の中途部分よりも端部側で相対的に速くすれば、端部の磨耗形状を滑らかな形状に設定することができる。
図1は本発明の実施例1に係るスリット装置の原理を示すもので、同図(A)はカット刃の進退ストロークの一例を示す図、同図(B)はカット刃の磨耗形状の一例を示す模式図、同図(C)は磨耗部分の拡大図、同図(D)、(E)は段階的な磨耗状態を示す図である。 図2は図1の変形例で、同図(A)はカットの進退ストロークの一例を示す図、同図(B)はカット刃の磨耗形状の一例を示す模式図である。 図3(A)は図1のスリット装置の全体構成を示す図、同図(B)は同図(A)のカット刃の部分の拡大図、同図(C)は同図(B)のC−C線断面図である。 図4は本発明の実施例2に係るスリット装置の原理説明図である。 図5は実施例2の各種速度パターンとその磨耗形状例を模式的に示す図である。 従来のスリット装置を適用した場合のカット刃のストロークとその磨耗形状例を示す図である。
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明が適用されるスリット装置1の全体構成を示している。このスリット装置1は製袋機などのフィルム搬送部に用いられるもので、長尺シート状の切断対象物としてのフィルム100を搬送方向に沿って切断するカット刃10と、このカット刃10をフィルム100に対して、相対的に進退させるカット刃駆動手段としてカット刃駆動機構20とを備え、カット刃10の切断に供する使用範囲をカット刃10が進退する範囲に広げる構成となっている。
カット10の進退方向は、フィルム100に直交しかつフィルム搬送方向と平行な面上で、カット刃10をフィルム面と交差する方向となっている。 フィルム100としては、合成樹脂製の単層フィルムまたは多層フィルム、あるいは金属箔と合成樹脂との多層フィルム等が例示される。
カット刃10は、好適にはいわゆるレザー刃が用いられ、四角形状の金属製薄板で、一辺に直線的に延びる刃先11が設けられた片刃構造である。刃先11は刃渡り方向全長に渡って設けられている。図示例では長方形状で、刃先11は長辺に沿って形成されている。また、このカット刃10の刃先11とフィルム面との交差角度は、フィルム面に対して90°でもよいが、好ましくは切断対象物であるフィルム100の搬送方向上流側に向かって鋭角状(図中、角度θ)に傾斜して配置されている。カット刃10としては、他にも両刃のレザー刃や、カッターナイフの替刃等、適宜選択可能である。
カット刃駆動機構20は、モータ21と、モータ21の回転運動を往復直線運動に変換する運動変換機構22と、運動変換機構22によって直線駆動されるカット刃10の支持ヘッド23と、を備えている。支持ヘッド23と運動変換機構22は、特に図示しないが、ねじ軸とナットを備えたねじ送り機構であり、支持ヘッド23にナットが組み付けられている。モータ21は、フィルム搬送部に取り付けられる基台24に対してブラケット25を介して取り付けられている。支持ヘッド23の移動方向は、カット刃10の刃先の傾斜方向と平行方向である。
また、基台24には、フィルム100を案内する溝付きローラ30が設けられ、ローラ面でフィルム100を支持した状態で、溝31内に刃先11が入り込むようにしてフィルム100を切断するようになっている。
モータ21は、好ましくはサーボモータで、特に図示しないがコンピュータが組み込まれたコントローラ等の制御手段によって制御される。すなわち、コンピュータには予め設定された進退ストローク及び進退速度の制御手順がプログラムされており、プログラムを実行することによってコンピュータからの制御信号に基づいて、モータ21が駆動制御される。モータ21の回転位置は、たとえば、不図示のエンコーダからの信号によってフィードバックされ、予め設定された進退ストローク及び進退速度となるようにモータ21が制御される。
もちろん、カット刃駆動機構20の駆動手段として、サーボモータの他にもステッピングモータ等の回転駆動式のモータも挙げられるが、これら回転モータに限らず、リニアモータを用いてもよい。要するに、カット刃10を支持して直線的に進退、すなわち前進、後退させることが可能な電動アクチュエータ,機構(例えば、ねじ送り機構の他にも、カム機構,クランク機構,ラック・ピニオン機構)等を組み合わせて利用することができる。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る上記カット刃10の進退状態を示している。
この実施例1では、図1(A)に示すように、カット刃駆動機構20によって、カット
刃10の進退ストロークが、使用範囲の全範囲S1から段階的に短くなるように、カット刃10を進退させる構成となっている。この実施例では、カット刃10がフィルム100の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とし、進退ストロークを段階的に短くする際に、カット刃10の各段階の前進側の端部位置であるストローク前端位置(F1,F2,・・・)を中途部分側(後退側)にずらすように変更している。カット刃10の各段階のストローク後端位置(B)は同一位置である。
各段階でカット刃10を進退移動させるが、各段階の進退ストロークS1、S2、・・での進退回数は、進退速度や磨耗量に応じて適宜設定される。一回往復させるだけでもよいし、複数回往復させてもよい。実際には、このカット刃10の進退速度vは、フィルム100の搬送速度Vに比べてゆっくりと移動させるが、カット刃10の磨耗部に大きい段差(図6における段差214)をつくらないために十分な速さに設定する必要がある。具体的な進退速度vとしては、たとえば、フィルム100の搬送速度Vが500mm/sec程度に対して、10分で1mm程度とすることが好ましい。
このように、カット刃10の進退ストロークを、使用範囲の全範囲S1から段階的に短くすることで、カット刃10のある箇所でフィルム100を切断した累積長さを累積切断長さとすると、カット刃10の使用範囲の端部、図示例では前進側の端部での累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くなり、磨耗部13の前端部13Fの形状を、図1(B)に示すような段差の無い鈍角状の湾曲形状とすることができる。
この磨耗部13の前端部13Fの形状は、微視的に見れば、図1(C)に示すように、端部がステップ状のギザギザ形状となるが、一回のストロークでの磨耗量があまり深くならないように進退速度を設定しているため、図6に示したような大きく食い込むような角部形状とはならない。
図1(D),(E)は、磨耗が進行する過程を模式的に示している。
すなわち、第1段階の使用範囲全範囲の進退ストロークS1によって、刃先11に所定
深さδ1の第1段の微小磨耗部131が形成される(図1(D)参照)。次に、カット刃10を、第2段階の進退ストロークS2だけ進退させ、第1段の微小磨耗部131のうち第2段階の進退ストロークS2の範囲がフィルム切断に供される。刃先11の磨耗は、先端だけでなく、傾斜面についてもフィルム100との接触によって磨耗するので、第1段の微小磨耗部131は尖った形状が維持されており、フィルム100の切断には支障がない。第2段階の進退ストロークS2によって、第1段の微小磨耗部131の、ストローク前端F1より後退した第2弾のストローク前端F2から、所定深さδ2の第2段の微小磨耗部132が形成される。以下、順次、ストローク前端(F1,F2,・・・)が中途部側(後退側)に少しずつずれた状態で各段階の微小磨耗部133、・・・が重畳されてい
き、最終的には前端部13Fよりも中途部分が深くなるような凹状の湾曲した磨耗部13が形成される。
この例では、磨耗部13の前端部13Fの形状は、使用範囲のストローク前端Fから中途部分側(後退側)に向けて、刃先11に対して鈍角状に湾曲し徐々に傾きが小さくなるように凹状に窪むなだらかな曲線形状となっている。このように、磨耗部13の前端部13Fの形状は、各ストローク毎の磨耗深さでもって、段階的に中途部分側にずれた状態で深くなる形状となっている。したがって、磨耗部13の前端部13Fの形状は、従来のように中央部分と同じ深さの、深くえぐれた鋭角的な段差が生じることがなく、カット刃10の中途部分を主体的に使用することで、カット刃10の寿命を延ばすことが可能となる。また、フィルム100に対する二重当たりのおそれもない。
磨耗部13の前端部13Fの形状については、各段階の微小磨耗部131,132のストローク前端(F1,F2,F3,・・・)位置を調整することによって、種々の階段状の段差形状とすることができる。
一方、カット刃10の各ストローク段階におけるストローク後端Bは同一位置である。
したがって、磨耗部13の後端部13Bの形状は、フィルム100の搬送方向と平行となり、カット刃10の刃先11に対して鈍角状に傾斜する段差形状となる。
は、上記した実施例1の変形例である。
この変形例1では、進退ストロークを段階的に短くする際に、ストローク前端F1,F2だけなく、進退ストロークSのストローク後端B1、B2・・・についても、使用範囲の全範囲から段階的に中途部分側(前進側)にずらすように変更したものである。このようにすれば、形成される磨耗部13の後端部13Bの形状についても、中途部分(前進方向)に向けて徐々に傾きが小さくなるような凹状の湾曲形状とすることができる。これにより、後端部においても、フィルム100に対する二重当たりのおそれがなくなる。もちろん、磨耗部13の後端部13Bの形状としては、ストローク後端B1,B2・・・を選択することにより、任意の形状とすることができる。
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2に係るカット刃10の進退状態を示している。この実施例2では、ストロークS0は一定とし、中途部分よりもストローク端側が速くなるように進退速度を変化させたものである。
カット刃10は、切断対象物であるフィルム100の搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されている点は実施例1と同様である。この実施例2では、カット刃駆動機構25によって、カット刃10の進退速度が、使用範囲の中途部分の速度vよりもストローク前端側の速度v、ストローク後端側の速度vが相対的に速くなるように、カット刃10を進退させる構成となっている。vは、ストローク前端側の速度、vは、ストローク後端側の速度である。
進退速度を単純化し、速度パターンv(1)を、図5(A)に示すように、中途部分側の速度v(図中、x;f1〜b1の範囲)、ストローク前端側の速度v(図中、x;0〜f1の範囲)、ストローク後側の速度v(図中、x;b1〜s0の範囲)の3段階とすると、|v|+|v|>2|v|の条件を満たし、少なくともストローク前端側の速度vを中途部分側のvより速くすればよい。
これにより、中途部分の範囲(f1〜b1)では、カット刃10は速度vで移動し、所定の磨耗量δmとなる。ストローク前端側の範囲(0〜f1)では、カット刃10は速度vにて移動するので、その分だけ接触時間が短くなり、その磨耗量δfが中途部分の磨耗量δmよりも減少する。また、ストローク後端側の範囲(b1〜b0)においても、カット刃10は中途部分よりも速い速度vにて移動するので、その分だけ接触時間は短くなり、磨耗量がδmからδbに減少する。この例では、ストローク前端側の速度vと後端側の速度vを同一としているので、磨耗量δfとδbは同一である。
このようにすれば、図5(A)に示すように、カット刃10に形成される磨耗部113の前端部113Fの形状が、2段の階段状の段差形状となる。従来の図6(B)に示した1段階の磨耗形状に比べると、磨耗部113の中途部分の磨耗深さが同程度まで進んだ場合でも、前端部113Fに生じる鋭角的な段差は2段階に段階的に深くなるので、一つの段差自体は小さくなり、長寿命化を図ることができる。
磨耗部113の後端部113Bの形状についても、2段の階段状の段差形状となる。ただ、この後端部113Bの段差形状は、刃先11に対して鈍角形状なので、後退端側の速度vについては、中途部分の速度vと同程度でもよい。
長期に使用してもカット刃10に大きい段差を作らないためには、v,vとも、vより相対的に十分速く設定するのが好ましい。具体的には、vが、vの2倍以上あることが好ましい。
また、v,v,v各々は、これらの関係を満たしつつも、当然、片道一回の通過
、あるいは一往復のみでカット刃10に大きい段差(図6における段差214)をつくらないための十分な速さに設定しておく。この実施例2については、片道一回でもよいし、一回往復させるだけでもよいし、複数回往復させるようにしてもよい。
図5(B)〜(E)は、カット刃10の他の速度パターンを例示している。
図5(B)の速度パターンv(2)は、中途部分からストローク前端Fに向けて、ストローク手前の2箇所で(f1、f2)、2段階に速度vf1、vf2を増大させた例である。このようにすれば、磨耗部113の前端部113Fに生じる鋭角的な段差を、より細かい段差形状とすることができる。図示例では、2段階で速度を変化させているが、3段階以上のステップで速度を変化させてもよい。
進退ストロークのストローク後端側については、図示例では、中途部分と同一速度のままとしているが、ストローク前端側と同様に段階的に変化させてもよく、また、そのステップ数が、前進側端部と後退側端部で異なっていてもよい。
図5(C)の速度パターンv(3)は、段階的な速度制御ではなく、ストローク前端Fの手前の位置f3から、ストローク前端Fに向けて、直線的に速度vが大きくなるような速度パターンとした例である。
このようにすれば、磨耗部113の前端部113Fの形状が、中途位置f3からストローク前端Fに向けて直線的に増大するような磨耗形状となり、速度をステップ状に変化させた場合に比較して鋭角的な段差の発生を防止することができる。
ストローク後端側については、図示例では、中途部分の速度vと同一速度としているが、ストローク前端側と同様にストローク後端Bの手前から、ストローク後端Bに向けて直線的に増大させてもよいし、段階的に増大させてもよい。
図5(D)の速度パターンv(4)は、進退速度vを、ストローク前端Fの手前f4からストローク前端Fに向けて、加速度的に大きくなるように変化させた例である。
このような速度パターンv(4)で制御すれば、磨耗部113の前進側端部113Fが、ストローク前端から中途部分に向けて鈍角状に徐々に深くなるような湾曲したなだらかな形状とすることができる。
図5(E)の速度パターンv(5)は、ストローク前端側だけでなく、ストローク後端側についても、中途部分からストローク後端Bに向けて、加速度的に速度が大きくなるように変化させた例である。
このようにすれば、磨耗部113の後端部113Bについても、ストローク後端Bから中途部分に向けて徐々に深くなるように鈍角状に湾曲するなだらかな湾曲形状とすることができる。
進退速度vの制御は、上記したようなストローク位置に応じて予め設定された速度パターンをコンピュータのメモリに記憶しておき、この速度パターンに応じて制御される。たとえば、ストローク位置はエンコーダのパルスをカウントすることにより演算することができ、速度についてはエンコーダのパルス間の時間をタイマによって計測することによって演算することができる。そして、ストローク位置に応じた目標速度となるように、モータを制御することによって、進退速度を制御することができる。
速度の制御は、コンピュータによる電子制御に限るものではなく、クランク機構やカム機構を用いて機械的に速度制御することも可能であるし、種々の制御が可能である。もちろん、端部位置においては、速度はゼロとなる。
なお、速度パターンとしては、上記した例に限定されるものではなく、要するに、カット刃の使用範囲の端部領域において、少なくとも中途部分側の速度よりもストローク前端側の速度が相対的に速くなるような速度パターンとなっていればよい。
このように、カット刃10の進退速度を、使用範囲の中途部分の速度よりもストローク
端部位置での速度を相対的に速くすることで、カット刃10の使用範囲のストローク前端での累積切断長さが、使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くなり、端部の磨耗形状を速度パターンに対応した種々の形状とすることができる。
なお、実施例1の進退ストロークの制御と、実施例2の進退速度の制御を単独で行うのではなく、両方を組み合わせて進退ストロークと進退速度の両方を変化させるようにしてもよい。
また、上記実施例1,2では長尺の切断対象物として製袋機のフィルムを例にとって説明したが、製袋機のフィルム搬送部に限定されるものではなく、切断が必要な各種フィルムの搬送部に適用可能であるし、また、長尺の切断対象物としては、フィルムに限らず、印刷用紙等の用紙の切断等にも用いることができるもので、長尺の切断対象物としては、シート状又はフィルム状の各種長尺物の切断に適用することができる。
1 スリット装置
10 カット刃、11 刃先、
13 磨耗部、13F 前端部、13B 後端部
20 カット刃駆動機構、21 モータ、22 運動変換機構、23 支持ヘッド
30 溝付きローラ、31 溝
100 フィルム
S1、S2・・・ 進退ストローク
F1、F2・・・ ストローク前端
B1、B2・・・ ストローク後端
δ1、δ2・・・ 微小磨耗
131、132,・・・ 第1段磨耗部,第2段磨耗部,・・・
113 磨耗部、113F 前端部、113B 後端部
、v、v 進退速度
v(1)〜v(5) 速度パターン

Claims (6)

  1. 長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃と、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更可能とするカット刃駆動手段と、を備えたスリット装置において、
    前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
    前記カット刃駆動手段は、カット刃駆動手段を制御する制御手段により前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くして、使用範囲の前進側の端部での磨耗量が小さく、中途部分の磨耗量が大きくなるように、前記カット刃を進退させる構成となっていることを特徴とするスリット装置。
  2. 前記カット刃駆動手段は、制御手段によりカット刃の進退ストロークを、使用範囲の全範囲から段階的に短くするように、前記カット刃を進退させる構成となっており、前記進退ストロークを段階的に短くする際に、前記カット刃進退方向の少なくとも前進側の端部位置を中途部分側に変更していくことを特徴とする請求項1に記載のスリット装置。
  3. 長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃と、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更可能とするカット刃駆動手段と、を備えたスリット装置において、
    前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
    前記カット刃駆動手段は、カット刃駆動手段を制御する制御手段により前記カット刃の進退速度を、使用範囲の中途部分よりも少なくとも前記前進側の端部側が相対的に速くなるように、前記カット刃を進退させ、前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くする構成となっていることを特徴とするスリット装置。
  4. 長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃を有し、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更する切断方法におい
    て、
    前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
    前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くして、使用範囲の端部での摩耗量が小さく、中途部分の摩耗量が大きくなるように、前記カット刃を進退させることを特徴とする切断方法。
  5. 前記カット刃の進退ストロークを、使用範囲の全範囲から段階的に短くするように、前記カット刃を進退させる構成となっており、前記進退ストロークを段階的に短くする際に、前記カット刃進退方向の少なくとも前進側の端部位置を中途部分側に変更していくことを特徴とする請求項に記載の切断方法。
  6. 長尺の切断対象物を搬送方向に切断するカット刃を有し、該カット刃を切断対象物に対して相対的に進退させて前記カット刃の切断に供する使用位置を変更する切断方法において、
    前記カット刃は切断対象物搬送方向上流側に向かって鋭角状に傾斜して配置されており、前記カット刃が切断対象物の搬送方向上流側から下流側に向けて移動する方向を前進方向とすると、
    前記カット刃の進退速度を、使用範囲の中途部分よりも少なくとも前記前進側の端部側が相対的に速くなるように、前記カット刃を進退させ、前記カット刃の使用範囲の少なくとも前進側の端部にて切断対象物を切断した累積切断長さが使用範囲の中途部分での累積切断長さよりも相対的に短くすることを特徴とする切断方法。
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