JP6118172B2 - 積層歯車及び積層歯車の製造方法 - Google Patents

積層歯車及び積層歯車の製造方法 Download PDF

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本発明は、積層歯車及び積層歯車の製造方法に関する。
下記特許文献1には、部品基材薄板が積層されることによって構成された積層歯車が開示されている。この文献に記載された技術について簡単に説明すると、積層歯車を構成する部品基材薄板は、鋼板材が所定の形状に打ち抜かれることによって形成されており、また部品基材薄板には、凹部及び凸部が設けられている。一つの部品基材薄板の凹部と隣接する他の一つの部品基材薄板の凸部とが互いに嵌合することによって、一つの部品基材薄板と隣接する他の一つの部品基材薄板とが結合されて、積層歯車が構成される。
特開2010−184292号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、部品基材薄板の板厚方向への寸法がバラつくと、当該バラつきが累積され、積層歯車の厚み(積層歯車の軸方向への寸法)にバラつきが生じることが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、歯車の軸方向への寸法を安定させることができる積層歯車及び積層歯車の製造方法を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る積層歯車は、板状に形成され、外周部に歯部を有する歯車構成片と、前記歯車構成片における軸方向一方側及び他方側の端面に設けられ、一の前記歯車構成片が隣接する他の一の前記歯車構成片に対して周方向へ移動することを規制する規制部と、前記歯車構成片に設けられ、隣接する他の一の前記歯車構成片に当接することによって隣接する他の一の前記歯車構成片との間に所定の空隙を形成し、かつ積層された前記歯車構成片が軸方向に加圧された際に塑性変形することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する調整部と、を備えている。
請求項1記載の本発明では、歯車構成片が軸方向に積層され、更に積層された歯車構成片が軸方向に加圧されることによって積層歯車が構成される。また、上記の規制部を有することによって、一の歯車構成片と他の一の歯車構成片との相対位置が規制される。また、本発明では、積層された歯車構成片が軸方向に加圧された際に、上記の調整部が塑性変形することによって、積層された歯車構成片の軸方向への寸法が調整される、即ち、積層歯車の厚みが調整される。
請求項2記載の本発明に係る積層歯車は、請求項1記載の積層歯車において、前記規制部は、前記歯車構成片における軸方向一方側の端面に設けられた凸状の第1規制部と、前記歯車構成片における軸方向他方側の端面に設けられた凹状の第2規制部と、を含んで構成されており、前記第1規制部は前記第2規制部に軸方向に隙間を有して凹凸嵌合可能に構成されており、前記第1規制部と前記第2規制部とは、軸方向に並んで配置されていることを特徴としている。
請求項2記載の本発明では、歯車構成片に設けられた第1規制部と第2規制部とが軸方向に並んで配置されている。換言すると、第1規制部と第2規制部とが歯車構成片の同位置に設けられている。これにより、歯車構成片の板厚を薄くすることが可能となり、歯車構成片を形成する際の加工力が低減される。
請求項3記載の本発明に係る積層歯車は、請求項1又は請求項2記載の積層歯車において、前記調整部は、一の前記歯車構成片から軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片側に向けて突出すると共に一の前記歯車構成片と一体に形成された凸部とされていることを特徴としている。
請求項3記載の本発明では、上記の凸部が歯車構成片と一体に形成されている。そのため、積層歯車の厚みを調整するための調整部を別部材とした場合に比して、積層歯車の部品点数が削減される。
請求項4記載の本発明に係る積層歯車は、請求項2を引用する請求項3記載の積層歯車において、一の前記歯車構成片の前記第1規制部が軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片の前記第2規制部に嵌合した際に、一の前記歯車構成片に形成された前記凸部の外周縁部が軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片に予め形成された窪み部の内周縁部を押圧し、前記凸部の外周縁部及び前記窪み部の内周縁部が塑性変形されていることを特徴としている。
請求項4記載の本発明では意図しない曲げ変形が積層された各々の歯車構成片に生じることが抑制される。
請求項5記載の本発明に係る積層歯車は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層歯車において、一の前記歯部と該一の前記歯部と軸方向に隣り合う他の一の前記歯部との間には樹脂材が介装されていると共に、前記歯部における周方向の端面が前記樹脂材で被覆されていることを特徴としている。
請求項5記載の本発明では、一の歯部と他の一の歯部との間には樹脂材が介装されている。換言すると、一の歯部と他の一の歯部との間に形成された空隙が樹脂材によって埋められている。これにより、本発明では、積層歯車のトルクの伝達容量が向上されている。また、本発明では、歯部における周方向の端面(他の歯車との接触面)が樹脂材で被覆されているため、他の歯車と噛み合う際の噛み合いノイズが低減される。
請求項6記載の本発明に係る積層歯車は、請求項5記載の積層歯車において、積層された前記歯車構成片には、センサ用磁石が挿入される挿入孔が形成されており、前記センサ用磁石が前記挿入孔に挿入された状態で該挿入孔の開放端が前記樹脂材によって閉止されていることを特徴としている。
請求項6記載の本発明では、センサ用磁石が、積層された歯車構成片に形成された挿入孔に挿入されて、該挿入孔の開放端が樹脂材によって閉止されることによって、センサ用磁石が積層歯車内に固定される。
請求項7記載の本発明に係る積層歯車は、請求項5又は請求項6に記載の積層歯車において、積層された前記歯車構成片の軸心部には軸孔が形成されており、前記軸孔には、前記樹脂材を用いて形成された回転軸が前記歯車構成片と一体回転可能に設けられていることを特徴としている。
請求項7記載の本発明では、樹脂材を用いて形成された回転軸が、積層された歯車構成片の軸心部に形成された軸孔に歯車構成片と一体回転可能に設けられている。そのため、金属製の回転軸を軸孔に圧入した場合に比して、積層歯車の変形が抑制される。
請求項8記載の本発明に係る積層歯車は、板状に形成され、外周部に歯部を有する歯車構成片と、前記歯車構成片における軸方向一方側の端面に設けられ、軸方向一方側に向けて凸状に形成された凸規制部と、前記歯車構成片における軸方向他方側の端面に設けられ、軸方向他方側に向けて開放された凹状に形成され、かつ軸方向に隣り合う他の歯車構成片に設けられた前記凸規制部が嵌合する凹規制部と、前記歯車構成片において前記凸規制部と周方向の同じ位置に設けられ、隣接する他の一の前記歯車構成片に当接することによって該歯車構成片との間に所定の空隙を形成し、かつ積層された前記歯車構成片が軸方向に加圧された際に塑性変形することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する調整部と、を備えている。
請求項8記載の本発明では、積層歯車の厚みを調整する調整部が、凸規制部と周方向の同じ位置に設けられている。そのため、調整部と凸部とをそれぞれ歯車構成片の異なる部位に設けた場合に比して、歯車構成片の構成が簡素化される。
請求項9記載の本発明に係る積層歯車の製造方法は、板材を打抜くことによって請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の前記歯車構成片を形成するプレス工程と、前記歯車構成片を軸方向に積層する積層工程と、積層された前記歯車構成片を軸方向に加圧することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する加圧調整工程と、を有することを特徴としている。
請求項9記載の本発明では、先ず板材が打ち抜かれることによって上記の歯車構成片が形成される。次いで、歯車構成片を積層して、更に積層された歯車構成片を軸方向に加圧することによって積層された歯車構成片の軸方向への寸法、即ち積層歯車の厚みが調整される。
請求項10記載の本発明に係る積層歯車の製造方法は、請求項9記載の積層歯車の製造方法において、前記加圧調整工程を経た後に、前記歯部を所定の形状にする加工する調整加工工程を経ることを特徴としている。
請求項10記載の本発明では、調整加工工程を経ることによって歯部が所定の形状に加工される。
請求項1記載の本発明に係る積層歯車は、歯車の軸方向への寸法を安定させることができる、という優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る積層歯車は、板材から歯車構成片を形成する際の加工性を向上させることができる、という優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る積層歯車は、部品点数を増加させることなく歯車の軸方向への寸法を調整することができる、という優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る積層歯車は、積層歯車の寸法精度を安定させることができる、という優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る積層歯車は、トルク伝達容量を向上させることができると共に噛み合いノイズを低減することができる、という優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る積層歯車は、センサ用磁石を積層歯車内に容易かつ確実に固定することができる、という優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る積層歯車は、回転軸を積層歯車の軸心部に設ける際の積層歯車の変形を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係る積層歯車は、歯車構成片の構成を簡素化することができる、という優れた効果を有する。
請求項9記載の本発明に係る積層歯車の製造方法は、歯車の軸方向への寸法を安定させることができる、という優れた効果を有する。
請求項10記載の本発明に係る積層歯車の製造方法は、積層歯車の噛み合いノイズを低減することができる、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る積層歯車を示す斜視図である。 図1にしめされた2−2線に沿って切断した断面を拡大して示す拡大断面図である。 加圧調整工程を経る前の図1にしめされた3−3線に沿って切断した断面を拡大して示す拡大断面図である。 加圧調整工後の図1にしめされた3−3線に沿って切断した断面を拡大して示す拡大断面図である。 図1に示された積層歯車を構成する歯車構成片の歯部を拡大して示す拡大斜視図である。 第2実施形態に係る積層歯車及び回転軸を示す部分断面図である。 第3実施形態に係る積層歯車を示す分解斜視図である。 第4実施形態に係る積層歯車の要部を示す要部断面図である。 多段積層歯車を示す斜視図である。 多段積層歯車を示す斜視図である。 変形例に係る積層歯車及び回転軸を示す部分断面図である。 シェービング加工が施される前の歯部を模式的に示した模式図である。 シェービング加工が施された後の歯部を模式的に示した模式図である。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態に係る積層歯車について説明する。なお、歯車の軸方向一方側及び他方側をそれぞれ矢印A1及び矢印A2で示し、歯車の周方向一方側及び他方側をそれぞれ矢印C1及び矢印C2で示し、歯車の径方向外側を矢印Rで示す。
図1に示されるように、本実施形態の積層歯車10は、歯車構成片12が歯車の軸方向に積層され、さらに積層された歯車構成片12が歯車の軸方向に加圧されることによって構成されている。
歯車構成片12は、歯車の径方向に延在された板状に形成されており、また歯車構成片12は、正面視(歯車の軸方向から見て)でリング状に形成された一般部14を備えている。この一般部14の軸心部には、円形の開口16が形成されている。また、一般部14における歯車の軸方向一方側及び他方側の端面には、一の歯車構成片12が積層方向(歯車の軸方向)に隣接する他の一の歯車構成片12に対して歯車の周方向へ移動することを規制する複数の規制部18(本実施形態では4個の規制部18)が設けられている。図2に示されるように、この規制部18は、歯車の軸方向一方側に向けて凸状に形成された第1規制部としての凸規制部20、及び歯車の軸方向他方側に向けて開放された凹状に形成された第2規制部としての凹規制部22によって構成されている。また、凸規制部20の外周部20Aと凹規制部22の内周部22Aとが所定の締め代を有して嵌合するように凸規制部20の外周部20A及び凹規制部22の内周部22Aの寸法が設定されている。また、凸規制部20と凹規制部22とは、歯車の軸方向に並んで配置されている。
また、図1〜図3Bに示されるように、一般部14における歯車の軸方向一方側の端面には、調整部としての凸部24が形成されている。また、本実施形態では、4個の凸部24が歯車の周方向に沿って等間隔に配置されている。さらに、一般部14における歯車の軸方向他方側の端面には、窪み部25が形成されており、また本実施形態では、4個の窪み部25が歯車の周方向に沿って等間隔に配置されている。
図3Aに示されるように、一の歯車構成片12に形成された凸部24が、隣接する他の一の歯車構成片12に形成された窪み部25の内周縁部に当接することによって、一の歯車構成片12と隣接する他の一の歯車構成片12との間に所定の空隙Sが形成されている。そして、図3Bに示されるように、積層された歯車構成片12が歯車の軸方向に加圧された際に、凸部24の外周縁部と窪み部25の内周縁部が塑性変形することによって(窪み部25の内周縁部に凹部26が形成されることによって)、積層された歯車構成片12の歯車の軸方向への寸法(積層歯車10の厚み)が調整されるようになっている。
また、図1に示されるように、歯車構成片12は、一般部14の径方向外側の端部から歯車の径方向外側に向けて突出する複数の歯部28(本実施形態では22個の歯部28)を備えている。さらに、複数の歯部28は、歯車の周方向に沿って等間隔に配置されている。さらに、歯部28における歯車の周方向一方側の端面28A及び歯車の周方向他方側の端面28Bは、正面視でインボリュート曲線を成している。
次に、積層歯車10の製造方法について説明する。
先ず、所定の厚さT1(図4参照)の鋼鈑材を打抜くことによって前述の歯車構成片12を形成する(プレス工程)。また、本実施形態では、当該プレス工程において、前述の凸規制部20、凹規制部22、及び凸部24が歯車構成片12に形成される。
次いで、複数の歯車構成片12を歯車の軸方向に積層する(積層工程)。また、この積層工程において、図2に示されるように、一の歯車構成片12の凸規制部20が積層方向に隣接する他の一の歯車構成片12の凹規制部22に嵌合する。さらに、図1に示されるように、複数の歯車構成片12が積層されると、各々の歯車構成片12に設けられた開口16が歯車の軸方向に配列されて、積層歯車10の回転軸が配置される軸孔30が形成される。また、複数の歯車構成片12が積層されると、各々の歯車構成片12に設けられた歯部28が歯車の軸方向に配列されて、他の歯車の歯と当接する歯32が形成される。
次いで、積層された複数の歯車構成片12を歯車の軸方向に加圧する。すると、図3Bに示されるように、積層された歯車構成片12が歯車の軸方向に加圧された際に、凸部24の外周縁部と窪み部25の内周縁部が塑性変形する。これにより、図4に示されるように、積層された歯車構成片12の歯車の軸方向への寸法T2(積層歯車10の厚みT2)が調整される(加圧調整工程)。
ところで、本実施形態では、鋼鈑材を打抜くことによって歯車構成片12が形成される。そのため、図11に示されるように、積層された各々の歯車構成片12の歯部28の端面28A,28Bには、プレスだれが生じている。そのため、本実施形態では、上記の加圧調整工程を経た後に、シェービング加工が歯部28の端面28A,28Bに施される。これにより、歯部28の端面28A,28Bの形状が所望の形状に修正される(調整加工工程)。
以上の工程を経て積層歯車10が製造される。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1〜図4に示されるように、本実施形態の積層歯車10は、積層された複数の歯車構成片12が歯車の軸方向に加圧された際に、上記の調整部(凸部24)が塑性変形することによって、積層された歯車構成片12の歯車の軸方向への寸法が調整される、即ち、積層歯車10の厚みが調整される。これにより、本実施形態では、歯車構成片12の厚さT1にバラつきが生じたとしても、積層歯車10の歯車の軸方向への寸法T2を安定させることができる。
また、本実施形態では、歯車構成片12に設けられた凸規制部20と凹規制部22とが歯車の軸方向に並んで配置されている。換言すると、凸規制部20と凹規制部22とが歯車構成片12の同位置に設けられている。これにより、歯車構成片12の板厚を薄くすることが可能となり、歯車構成片12を形成する際の加工力(上記のプレス工程での加工力)が低減される。これにより、本実施形態では、板材から歯車構成片12を形成する際の加工性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上記の凸部24が歯車構成片12と一体に形成されている。そのため、積層歯車10の厚みを調整するための調整部を別部材とした場合に比して、積層歯車10の部品点数が削減される。すなわち、本実施形態では、部品点数を増加させることなく積層歯車10の歯車の軸方向への寸法を調整することができる。
また、本実施形態では、一の歯車構成片12に形成された凸部24が隣接する他の一の歯車構成片12を押圧すると、他の一の歯車構成片12における凸部24に押圧された部位に凹部26が形成される。換言すると、凹部26が形成されることによって凸部24に生じる応力が緩和される。これにより、意図しない曲げ変形が積層された各々の歯車構成片12(一般部14)に生じることが抑制される。これにより、本実施形態では、積層歯車10の寸法精度を安定させることができる。
さらに、本実施形態では、上記の調整加工工程を経ることによって、歯部28が所定の形状に加工されているため、積層歯車10の噛み合いノイズを低減することができる。
なお、本実施形態では、凸部24に押圧された部位に凹部26が形成される例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。前述の凹部26が形成されるように設定するか否かは、プレス工程時の加工力及び積層歯車の寸法精度等を考慮して適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、凸部24が歯車構成片12と一体に形成されている例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、凸部24に代えて別部材の調整部を歯車構成片12に取付けることもできる。この場合、調整部の硬度等を容易に調整することができる。
さらに、本実施形態では、凸規制部20と凹規制部22とが歯車の軸方向に並んで配置されている例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。凸規制部20と凹規制部22との位置関係は、歯車構成片12の板厚等を考慮して適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、一の歯車構成片12が積層方向に隣接する他の一の歯車構成片12に対して歯車の周方向へ移動することを規制するために、規制部18(凸規制部20及び凹規制部22)を設けた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一の歯車構成片12に取付けられたピンが、積層方向に隣接する他の一の歯車構成片12に設けられた挿入孔に挿入されることによって、一の歯車構成片12が積層方向に隣接する他の一の歯車構成片12に対して歯車の周方向へ移動することを規制するように構成することもできる。
さらに、本実施形態では、シェービング加工が歯部28の端面28A,28Bに施されることによって、歯部28の端面28A,28Bの形状を所望の形状に修正した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プレスだれの程度によっては、上記の調整加工工程を省略することもできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る積層歯車34について説明する。なお、上記の第1実施形態に係る積層歯車10と同一の部材及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示されるように、本実施形態に係る積層歯車34では、樹脂材36が、一の歯部28と該一の歯部28と歯車の軸方向に隣り合う他の一の歯部28との間に介装されている。換言すると、一の歯部28と他の一の歯部28との間に形成された空隙Sが樹脂材36によって埋められている。これにより、本実施形態では、積層歯車34のトルクの伝達容量を向上させることができる。
また、本実施形態では、歯部28における歯車の周方向の端面28A,28Bが樹脂材36で被覆されている。これにより、本実施形態では、他の歯車と噛み合う際の噛み合いノイズを低減することができる。
さらに、本実施形態では、樹脂材36を用いて形成された回転軸38が、積層された歯車構成片12の軸心部に形成された軸孔30に設けられている。また、回転軸38は射出成形によって形成されており、また、回転軸38の外周面と軸孔30の内周面とは射出成形時に接合される。その結果、回転軸38が積層された各々の歯車構成片12(積層歯車34)と共に一体回転することが可能となっている。ここで、図10に示されるように、金属製の回転軸40を軸孔30に圧入した場合、当該圧入によって積層歯車34が変形することが考えられる。しかしながら、本実施形態では、回転軸38の外周面と軸孔30の内周面とが射出成形時に接合されるため、積層歯車34の変形を抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る積層歯車42について説明する。なお、上記の実施形態に係る積層歯車10,34と同一の部材及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示されるように、本実施形態に係る積層歯車42は、センサ用磁石44が該積層歯車42の内部に埋設されていることに特徴がある。具体的には、積層された歯車構成片12には、センサ用磁石44が挿入される矩形状の挿入孔46が形成されている。本実施形態では、4個の挿入孔46が歯車の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、センサ用磁石44が挿入孔46に挿入された状態で該挿入孔46の開放端が樹脂材36(図5参照)によって閉止されている。これにより、本実施形態では、センサ用磁石44を積層歯車42内に容易かつ確実に固定することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る積層歯車48について説明する。なお、上記の実施形態に係る積層歯車10と同一の部材及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、本実施形態に係る積層歯車48は、前述の凸部24(図3B参照)と同一の機能を有する調整部としての段差部50が、凸規制部20の基端側に設けられていることに特徴がある。具体的には、段差部50が隣接する他の一の歯車構成片12の一般部14に当接することによって、一の歯車構成片12と隣接する他の一の歯車構成片12との間に所定の空隙Sを形成する。そして、積層された歯車構成片12が歯車の軸方向に加圧された際に、段差部50が塑性変形することによって積層された歯車構成片12の歯車の軸方向への寸法が調整される構成である。また、本実施形態では、段差部50が他の一の歯車構成片12の一般部14(凹規制部22の周縁部)を押圧することによって、他の一の歯車構成片12の一般部14における段差部50に押圧された部位に凹部52が形成されるようになっている。
以上説明した本実施形態では、積層歯車48の厚みを調整する調整部が、凸規制部20の基端側に設けられた段差部50とされているため、第1実施形態に係る積層歯車10のように凸規制部20と凸部24とをそれぞれ歯車構成片12の異なる部位に設けた場合に比して、歯車構成片12の構成を簡素化することができる。
なお、上記第1実施形態〜第4実施形態では、単一の歯車を構成する積層歯車10,34,42,48について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8及び図9に示されるように、複数種の歯車を同軸上に配置した多段積層歯車54,56に本発明を適用することもできる。図8に示された多段積層歯車54は、歯車構成片12を積層し、更にこの歯車構成片12よりも小径の歯車構成片58を積層することによって構成されている。また、図9に示された多段積層歯車56は、歯車構成片12を積層し、更に径方向内側に向けて突出する歯部28を有する歯車構成片60を積層することによって構成されている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10…積層歯車,12…歯車構成片,18…規制部,20…凸規制部(第1規制部),22…凹規制部(第2規制部),24…凸部(調整部),26…凹部,28…歯部,28A…周方向一方側の端面(周方向の端面),28B…周方向他方側の端面(周方向の端面),30…軸孔,34…積層歯車,36…樹脂材,38…回転軸,42…積層歯車,44…センサ用磁石,46…挿入孔,48…積層歯車,50…段差部(調整部),52…凹部,54…多段積層歯車(積層歯車),56…多段積層歯車(積層歯車),58…歯車構成片,60…歯車構成片,A1…軸方向一方側(軸方向),A2…軸方向他方側(軸方向),C1…周方向一方側(周方向),C2…周方向一方側(周方向),R…径方向外側(径方向)

Claims (10)

  1. 板状に形成され、外周部に歯部を有する歯車構成片と、
    前記歯車構成片における軸方向一方側及び他方側の端面に設けられ、一の前記歯車構成片が隣接する他の一の前記歯車構成片に対して周方向へ移動することを規制する規制部と、
    前記歯車構成片に設けられ、隣接する他の一の前記歯車構成片に当接することによって隣接する他の一の前記歯車構成片との間に所定の空隙を形成し、かつ積層された前記歯車構成片が軸方向に加圧された際に塑性変形することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する調整部と、
    を備えた積層歯車。
  2. 前記規制部は、前記歯車構成片における軸方向一方側の端面に設けられた凸状の第1規制部と、前記歯車構成片における軸方向他方側の端面に設けられた凹状の第2規制部と、を含んで構成されており、
    前記第1規制部は前記第2規制部に軸方向に隙間を有して凹凸嵌合可能に構成されており、
    前記第1規制部と前記第2規制部とは、軸方向に並んで配置されている請求項1記載の積層歯車。
  3. 前記調整部は、一の前記歯車構成片から軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片側に向けて突出すると共に一の前記歯車構成片と一体に形成された凸部とされている請求項1又は請求項2記載の積層歯車。
  4. 一の前記歯車構成片の前記第1規制部が軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片の前記第2規制部に嵌合した際に、一の前記歯車構成片に形成された前記凸部の外周縁部が軸方向に隣接する他の一の前記歯車構成片に予め形成された窪み部の内周縁部を押圧し、前記凸部の外周縁部及び前記窪み部の内周縁部が塑性変形されている請求項2を引用する請求項3記載の積層歯車。
  5. 一の前記歯部と該一の前記歯部と軸方向に隣り合う他の一の前記歯部との間には樹脂材が介装されていると共に、前記歯部における周方向の端面が前記樹脂材で被覆されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層歯車。
  6. 積層された前記歯車構成片には、センサ用磁石が挿入される挿入孔が形成されており、
    前記センサ用磁石が前記挿入孔に挿入された状態で該挿入孔の開放端が前記樹脂材によって閉止されている請求項5記載の積層歯車。
  7. 積層された前記歯車構成片の軸心部には軸孔が形成されており、
    前記軸孔には、前記樹脂材を用いて形成された回転軸が前記歯車構成片と一体回転可能に設けられている請求項5又は請求項6に記載の積層歯車。
  8. 板状に形成され、外周部に歯部を有する歯車構成片と、
    前記歯車構成片における軸方向一方側の端面に設けられ、軸方向一方側に向けて凸状に形成された凸規制部と、
    前記歯車構成片における軸方向他方側の端面に設けられ、軸方向他方側に向けて開放された凹状に形成され、かつ軸方向に隣り合う他の歯車構成片に設けられた前記凸規制部が嵌合する凹規制部と、
    前記歯車構成片において前記凸規制部と周方向の同じ位置に設けられ、隣接する他の一の前記歯車構成片に当接することによって該歯車構成片との間に所定の空隙を形成し、かつ積層された前記歯車構成片が軸方向に加圧された際に塑性変形することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する調整部と、
    を備えた積層歯車。
  9. 板材を打抜くことによって請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の前記歯車構成片を形成するプレス工程と、
    前記歯車構成片を軸方向に積層する積層工程と、
    積層された前記歯車構成片を軸方向に加圧することによって積層された前記歯車構成片の軸方向への寸法を調整する加圧調整工程と、
    を有する積層歯車の製造方法。
  10. 前記加圧調整工程を経た後に、前記歯部を所定の形状にする加工する調整加工工程を経る請求項9記載の積層歯車の製造方法。
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