JP2014183631A - 圧入固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層コアを他部材に圧入により固定する際に、積層コアに加わる応力を最小限に抑えて磁気特性の低下を防止しながら確実に固定し、且つ塑性変形した他部材の一部が破断して外部へ抜け落ちることを抑制可能な圧入固定構造を提供する。
【解決手段】ステータコア12の外周面12aは、周方向において断続的に形成された複数のコア凸部25を有し、ステータホルダ13の内周面13aは、複数の鋼板18の積層方向(軸方向)において断続的に形成された複数のホルダ凸部27を有し、ステータコア12の外周面12aがステータホルダ13の内周面13aに圧入される際に、コア凸部25は、ホルダ凸部27を塑性変形させてステータホルダ13の内周面13aの表面よりも内側に入り込んでおり、ステータホルダ13の内周面13aの軸方向端部29は、積層方向において平坦に形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁路を構成する積層コアを他部材に圧入により固定する圧入固定構造に関する。
特許文献1には、磁路を構成する積層鋼板を他部材に圧入により固定する圧入固定構造が記載されている。当該圧入固定構造においては、積層鋼板の圧入面を他部材の被圧入面に圧入するとき、略圧入方向に延びる第1凸部および第1凹部を交互に形成した積層鋼板の圧入面の第1凸部と、圧入方向と交差する方向に延びる第2凸部および第2凹部を交互に形成した他部材の被圧入面の第2凸部とが接触しながら塑性変形を伴って嵌合する。このような構成とすることで、第1凸部により第2凸部をなぎ倒して両者を噛み合わせ、圧入面どうしの摩擦力に加えて塑性噛み合いによる剪断力を付与することで、相対移動不能に強固に固定することを図っている。
国際公開2012/157384号公報
ここで、図15には、比較例1として、特許文献1のように、第1凸部を有する積層鋼板が第2凸部を有する他部材に圧入固定される際の、圧入荷重と圧入ストロークとの関係が示されている。また、比較例2としては、積層鋼板の圧入面及び他部材の被圧入面が共に円形断面である場合、すなわち積層鋼板の圧入面及び他部材の被圧入面が互いに面接触する場合の圧入荷重と圧入ストロークとの関係が示されている。
これによれば、比較例1は、比較例2に比べて平均圧入荷重は低くなるものの、積層コアの第1凸部が他部材の第2凸部を塑性変形させる度に、圧入荷重の大きなピークが発生することとなるため、積層コアを他部材に圧入する際に圧入荷重のピークが断続的に発生してしまい、設備への負担が大きくなってしまう恐れがあった。
本発明は前述した課題に鑑みてなされたものであり、積層コアを他部材に圧入により固定する際に、圧入荷重のピークを低減可能な圧入固定構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、
磁路を構成する積層コア(例えば、後述の実施形態におけるステータコア12、ロータコア32)を他部材(例えば、後述の実施形態におけるステータホルダ13、ロータシャフト33)に圧入により固定する圧入固定構造であって、
前記積層コアは、複数の鋼板(例えば、後述の実施形態における鋼板18)を積層して構成され、
前記他部材は、前記積層コアの径方向端面(例えば、後述の実施形態における外周面12a、内周面32a)が圧入される被圧入面(例えば、後述の実施形態における内周面13a、外周面33a)を有し、
前記積層コアの前記径方向端面には、周方向において断続的に複数のコア凸部(例えば、後述の実施形態におけるコア凸部25、35)が形成され、
前記他部材の前記被圧入面には、前記積層コアの積層方向において断続的に複数の他部材凸部(例えば、後述の実施形態におけるホルダ凸部27、シャフト凸部37)が形成され、
前記積層コアの前記径方向端面が前記他部材の前記被圧入面に圧入される際に、前記コア凸部は、前記他部材凸部を塑性変形させて前記他部材の前記被圧入面の表面よりも内側に入り込んでおり、
前記コア凸部は、先端部(例えば、後述の実施形態における先端部25a)の周方向幅(例えば、後述の実施形態における周方向幅A)が、前記径方向端面との接続部(例えば、後述の実施形態における接続部25b)の周方向幅(例えば、後述の実施形態における周方向幅B)よりも小さく形成される
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
ロータと、
前記ロータと所定のエアギャップを介して対向するとともに、前記積層コア及び前記他部材により構成されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ11)と、
を備え、
前記コア凸部は、前記接続部の周方向一方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向一端面(例えば、後述の実施形態における周方向一端面25c)と、前記接続部の周方向他方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向他端面(例えば、後述の実施形態における周方向他端面25d)と、を有し、
前記周方向一端面及び前記周方向他端面の内、前記ロータの主回転トルクの方向とは反対側に位置する一方の面が前記径方向端面の法線に対してなす角度(例えば、後述の実施形態における角度α又はβ)は、他方の面が前記径方向端面の法線に対してなす角度(例えば、後述の実施形態における角度β又はα)よりも小さい
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
ロータと、
前記ロータと所定のエアギャップを介して対向するとともに、前記積層コア及び前記他部材により構成されるステータ(例えば、後述の実施形態におけるステータ11)と、
を備え、
前記コア凸部は、前記接続部の周方向一方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向一端面(例えば、後述の実施形態における周方向一端面25c)と、前記接続部の周方向他方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向他端面(例えば、後述の実施形態における周方向他端面25d)と、を有し、
前記径方向端面の第1領域(例えば、後述の実施形態における第1領域S1)における前記コア凸部では、前記周方向一端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度(例えば、後述の実施形態における角度α)は、前記周方向他端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度(例えば、後述の実施形態における角度β)よりも小さく形成され、
前記径方向端面の第2領域(例えば、後述の実施形態における第2領域S2)における前記コア凸部では、前記周方向一端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度は、前記周方向他端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度よりも大きく形成される
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載された発明は、請求項3に記載の構成に加えて、
前記積層コアは、周方向に分割された複数の分割コア(例えば、後述の実施形態における分割コア14)によって構成されており、
各々の前記分割コアの径方向端面は、前記第1領域及び前記第2領域を備える
ことを特徴とする。
請求項1に記載の構成によれば、コア凸部は、先端部の周方向幅が積層コアの径方向端面との接続部の周方向幅よりも小さく設定されるので、積層方向正面から見た場合のコア凸部の面積を、先端部の周方向幅と径方向端面との接続部の周方向幅とが等しく形成されている場合に比べて小さくすることができる。したがって、積層コアのコア凸部が他部材の他部材凸部を塑性変形させる際において、他部材凸部の塑性変形される体積が小さくなるため、圧入荷重のピークを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、コア凸部の周方向一端面及び周方向他端面の内、ロータの主回転トルクの方向とは反対側に位置する一方の面が径方向端面の法線に対してなす角度は、他方の面が径方向端面の法線に対してなす角度よりも小さく設定される。したがって、上記一方の面は、他部材凸部によって係止されやすくなる。これにより、積層方向正面から見た場合のコア凸部の面積が従来に比べて小さくなった場合であっても、積層コアにおけるロータの主回転トルクの方向とは反対方向へのスリップトルクの低下を抑制することができる。
そして、ロータに対向するステータ(積層コア)には、ロータの回転時にロータの回転トルクとは反対方向に反力トルクが作用することとなるが、ロータの主回転トルクの方向とは反対側に位置するコア凸部の上記一方の面によって積層コアのスリップトルクの低下が抑制されるため、他部材によって積層コアを安定的に保持することができる。
請求項3に記載の発明によれば、例えば車両に適用されるモータのように、駆動及び回生を行うことにより両方向にモータの回転トルクが発生する場合であっても、モータの回転トルクが周方向一方側に発生する場合には、第2領域におけるコア凸部の周方向他端面によって積層コアのスリップトルクが確保され、モータの回転トルクが周方向他方側に発生する場合には、第1領域におけるコア凸部の周方向一端面によって積層コアのスリップトルクが確保されることとなる。したがって、両方向にモータの回転トルクが発生する場合であっても、他部材によって積層コアを安定的に保持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の分割コアを同じ金型を用いて製造することによって、各々の分割コアの径方向端面に第1領域及び第2領域を形成することができるため、第1領域を有する分割コアと第2領域を有する分割コアを別々の金型で製造する場合に比べて、コストの増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る電動モータのステータの分解斜視図である。 分割コア及びステータホルダの一部を示す断面斜視図である。 軸方向から見た分割コアの断面図である。 図3中、IVで示した部分の拡大図である。 周方向から見たステータホルダの一部拡大図である。 ステータコアをステータホルダに圧入する様子を示す断面図であり、(a)は圧入前、(b)は圧入中を示す図である。 ステータコアがステータホルダに圧入された後の状態を示す断面図である。 第2実施形態に係る分割コアの一部拡大図である。 第3実施形態に係る第1及び第2分割コアが互いに連結した状態を示す図である。 第1分割コアの一部拡大図である。 第2分割コアの一部拡大図である。 第4実施形態に係る分割コアの一部拡大図である。 第5実施形態に係る分割コアの一部拡大図である。 変形例に係る電動モータのロータの分解斜視図である。 積層鋼板が他部材に圧入固定される際の、圧入荷重と圧入ストロークとの関係が示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態を説明する。なお、図面は符号の向きを基準に見るものとする。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る電動モータのステータ11は、軸線Lを中心とする略円環状のステータコア12(積層コア)の外周に形成された半径(軸線Lからの径方向距離)Rの外周面12a(径方向端面)を、軸線Lを中心とする円筒状のステータホルダ13(他部材)の内周に形成された内周面13a(被圧入面)に対して軸方向に圧入して構成される。また、当該ステータ11は、ステータホルダ13の軸方向一端部から径方向外側に突出するフランジ13bをハウジング(不図示)にボルト固定することによって、ロータ(不図示)の外周側に所定のエアギャップを介して対向配置され、ロータと共にインナーロータ型の電動モータを構成する。
ステータコア12は、略同一形状の複数の分割コア14が周方向に連結されることによって構成されている。
図2及び図3に示すように、分割コア14は、プレスにより打ち抜いた略T字状の鋼板18を軸方向(軸線Lに沿う方向)に複数枚積層して構成されており、複数の鋼板18同士は、互いにカシメや接着等によって連結されている。また、ステータホルダ13はステータコア12(分割コア14)の硬度よりも低い金属材料で構成される。よって、ステータコア12の硬度はステータホルダ13の硬度よりも高くなる。
また、分割コア14は、径方向外側において周方向に沿って延在する分割ヨーク15と、分割ヨーク15の周方向中間部から径方向内側に向かって延在するティース16と、を有する。
分割ヨーク15の周方向一方側端部(図2中、上側。図3中、右側。)には、嵌合凹部19が形成され、分割ヨーク15の周方向他方側端部には、嵌合凹部19に対応した形状を有する嵌合凸部20が形成されており、これら嵌合凹部19及び嵌合凸部20が互いに嵌め合わされることによって、隣り合う分割ヨーク15(分割コア14)同士が連結され、ステータコア12が構成される。
したがって、ステータコア12は、複数の分割ヨーク15が周方向に連結されることによって構成される略円環状のヨーク17と、ヨーク17の内周面17aに、周方向に所定の間隔で設けられた複数のティース16と、を有する。
図4も参照して、ステータコア12の外周面12a、すなわちヨーク17の外周面には、周方向において断続的に複数のコア凸部25が形成されており、当該コア凸部25は、鋼板18の積層方向(軸方向)に延びている。したがって、周方向において隣接するコア凸部25の間には、コア凹部26が形成され、これら複数のコア凸部25及び複数のコア凹部26によって、ステータコア12の外周面12aは略スプライン形状とされる。
ここで、コア凸部25は、径方向外側の先端部25aの周方向幅Aが、ステータコア12の外周面12aとの接続部25b(根元部)の周方向幅Bよりも小さく形成されている(A<B)。すなわち、接続部25bの周方向一方側端部から先端部25aに向かって伸びる周方向一端面25cは、外周面12aの法線に対して0°以上の角度αをなし(α>0)、接続部25bの周方向他方側端部から先端部25aに向かって伸びる周方向他端面25dは、外周面12aの法線に対して0°以上の角度βをなし(β>0)、コア凸部25は断面台形形状とされている。
さらに、ステータコア12の外周面12aには、周方向に所定の間隔で複数のダボ部24が凹設されている。ダボ部24は、分割コア14の周方向中間部に位置すると共に、上述のコア凹部26よりも周方向幅及び径方向幅が大きく形成されており、ステータコア12をステータホルダ13に圧入固定する際に位置決めするために用いられる。なお、コア凸部25、コア凹部26、及びダボ部24は、プレス打ち抜きやワイヤカット等により加工可能である。
また、図2及び図5に示すように、ステータホルダ13の内周面13aには、鋼板18の積層方向において断続的に複数のホルダ凸部27(他部材凸部)が形成されており、軸方向において隣接するホルダ凸部27の間にホルダ凹部28が形成され、これらホルダ凸部27及びホルダ凹部28によって、ステータホルダ13の内周面13aの断面形状は正弦波形状とされている。なお、ホルダ凸部27あるいはホルダ凹部28は、転造や切削等により加工可能である。
また、ステータホルダ13の内周面13aにおいて、鋼板18の積層方向における端部29(以後、軸方向端部とも呼ぶ。)は、積層方向において平坦に形成された略円筒形状とされている。なお、図5においては、積層方向における一端側の端部29のみが示されているが、内周面13aの積層方向における他端側の端部も同様の構成を有しており、積層方向において平坦に形成された略円筒形状とされている。
図6には、ステータコア12の外周面12a及びステータホルダ13の内周面13aの径方向の寸法関係が示されている。ホルダ凹部28の底部の半径(軸線Lからの径方向距離を意味する。以下同じ。)をR1とし、ステータホルダ13の内周面13aの軸方向端部29の半径をR2とし、コア凸部25の先端部25aの半径をR3とし、ホルダ凸部27の先端部の半径をR4とし、コア凹部26の底部の半径(コア凸部25の接続部25bの半径、ステータコア12の内周面12aの半径)をRとし、ダボ部24の底部の半径をR5すると、
R1>R2=R3>R4=R>R5
の関係が成立する。
このように、コア凸部25の先端部25aの半径R3と、ホルダ凸部27の先端部の半径R4と、の関係を、R3>R4に設定することにより、ステータホルダ13の内周面13aにステータコア12の外周面12aを圧入するとき、コア凸部25の先端部25aと、ホルダ凸部27の先端部と、がオーバーラップする部分で塑性変形が発生して圧入が行われる。
すなわち、ステータホルダ13の内周面13aにステータコア12の外周面12aを軸線L方向に圧入するとき、図6(a)に示すように、ステータコア12の外周面12aのコア凸部25の先端部25aがステータホルダ13の内周面13aのホルダ凸部27の先端部に係合する。このとき、ステータコア12の硬度はステータホルダ13の硬度よりも高く、しかもステータコア12のコア凸部25は圧入方向と平行(軸方向)に延びていて倒れ剛性が高いのに対し、ステータホルダ13のホルダ凸部27は圧入方向と直交する方向(周方向)に延びていて倒れ剛性が低いので、図6(b)に示すように、ステータコア12のコア凸部25は殆ど塑性変形せずに、ステータホルダ13のホルダ凸部27が大きく塑性変形して(塑性変形量:R3−R4)なぎ倒されることで圧入が完了する。
その結果、ステータホルダ13の内周面13aのホルダ凸部27は、ステータコア12のスプライン状の外周面12aの形状に倣ってスプライン状に塑性変形する。そして、ステータコア12の外周面12aのコア凸部25は、ステータホルダ13の内周面13aの表面(ステータホルダ13のホルダ凸部27の先端部)よりも径方向内側に入り込み、コア凸部25とホルダ凸部27が相互に噛み合って回転方向に大きな抵抗力を発揮するように結合される。また、なぎ倒されたステータホルダ13のホルダ凸部27が「返し」として機能することで、ステータホルダ13の内周面13aからのステータコア12の外周面12aの抜けが防止される。
また、図7に示すように、ステータホルダ13の内周面13aの軸方向端部29の半径R2と、コア凸部25の半径R3との関係を、R2=R3に設定することにより、ステータコア12がステータホルダ13に圧入された際に、ステータホルダ13の内周面13aの軸方向端部29と、コア凸部25と、が中間嵌めされる。したがって、ステータホルダ13の内周面13aにステータコア12の外周面12aを圧入するとき、軸方向端部29とコア凸部25との間に圧入代(締め代)が生じることを抑制しつつ嵌め込むことができるので、ステータコア12あるいはステータホルダ13が削れ、削り屑が発生してしまうことを抑制できる。さらに、ホルダ凸部27は、ステータコア12圧入時に塑性変形するので、その一部が破断することがあり得るが、本実施形態では、軸方向端部29とコア凸部25との間には隙間が生じないので、ホルダ凸部27の破片が、軸方向端部29とコア凸部25との間を介して外部へ抜け落ちてしまうことが防止される。
ここで、上述したように、本実施形態におけるコア凸部25は、先端部25aの周方向幅Aが接続部25bの周方向幅Bよりも小さく設定されるので、積層方向(軸方向)正面から見た場合のコア凸部25の面積を、先端部25aの周方向幅Aと接続部25bの周方向幅Bとが等しく形成されている場合(図4中、破線で示されているように先端部25aの周方向幅Aを大きく形成した場合)に比べて小さくすることができる。
したがって、ステータコア12のコア凸部25がステータホルダ13のホルダ凸部27を塑性変形させる際に、ホルダ凸部27の塑性変形する体積が小さくなるため、圧入荷重のピークを低減することができる。したがって、圧入時における設備への負担を低減することが可能である。
また、本実施形態におけるコア凸部25は、接続部25bの周方向幅Bが先端部25aの周方向幅Aよりも大きく形成されるので、例えば、接続部25bの周方向幅Bを小さくして先端部25aの周方向幅Aと等しく形成される場合に比べて、強度の低下を抑制することが可能である。したがって、スリップトルクをコア凸部25において安定的に受けつつ、圧入時におけるコア凸部25の倒れ剛性の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図8を用いて説明する。
ステータコア12には、ロータの回転時にロータの回転トルクとは反対方向に反力トルクが作用することとなる。したがって、ロータの回転トルクの方向を周方向一方側(図8中、右側)とすると、ステータコア12に作用する反力トルクの方向は周方向他方側(図8中、左側)となる。
そこで、本実施形態に係るステータコア12では、全てのコア凸部25の周方向一端面25c及び周方向他端面25dの内、ロータの主回転トルクの方向とは反対側(反力トルクの方向側)に位置する周方向他端面25dが外周面12aの法線に対してなす角度β(図4参照)を、周方向一端面25cが外周面12aの法線に対してなす角度αよりも小さく設定している。より詳細には、周方向他端面25dは外周面12aの法線と平行に形成され、角度βが0°とされている(α>β=0)。
このように構成することで、ステータコア12に作用する反力トルク側に位置する周方向他端面25dが、ホルダ凸部27によって係止されやすくなるので、ステータコア12のスリップトルクの低下が抑制され、ステータホルダ13によってステータコア12を安定的に保持することができる。したがって、本実施形態のステータは、ロータの主回転トルクの方向が一方向となる電動モータに特に好適である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図9〜図11を用いて説明する。
本実施形態のステータコア12の外周面12aは、凸部25の周方向一端面25cが外周面12aの法線に対してなす角度αが、周方向他端面25dが外周面12aの法線に対してなす角度βよりも小さく形成される第1領域S1と(β>α)、角度αが角度βよりも大きく形成される第2領域S2と(α>β)、を有する。
より具体的には、ステータコア12を構成する複数の分割コア14は、径方向端面が第1領域S1を有する第1分割コア14Aと、径方向端面が第2領域S2を有する第2分割コア14Bと、を備える。そして、第1分割コア14Aの周方向両側に第2分割コア14Bが配置されるように、これら第1及び第2分割コア14A、14Bは互いに連結される。
そして、第1分割コア14Aの第1領域S1においては、周方向一端面25cは外周面12aの法線と平行に形成され、角度αが0°とされている(β>α=0)。また、第2分割コア14Bの第2領域S2においては、周方向他端面25dは外周面12aの法線と平行に形成され、角度βが0°とされている(α>β=0)。
ここで、車両に適用されるモータのように、駆動及び回生を行うものでは、正逆両方向にモータの回転トルクが発生する。例えば、モータの回転トルクが周方向一方側(図9〜図11中、右側)に発生する場合には、ステータコア12に作用する反力トルクの方向は周方向他方側(図9〜図11中、左側)となるが、第2領域S2におけるコア凸部25の周方向他端面25dによってステータコア12のスリップトルクが確保される。一方、モータの回転トルクが周方向他方側に発生する場合には、ステータコア12に作用する反力トルクの方向は周方向一方側となるが、第1領域S1におけるコア凸部25の周方向一端面25cによってステータコア12のスリップトルクが確保されることとなる。したがって、本実施形態のステータによれば、両方向にモータの回転トルクが発生する場合であっても、ステータホルダ13によってステータコア12を安定的に保持することが出来る。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図12を用いて説明する。
上述の第3実施形態においては、第1領域S1を有する第1分割コア14Aと、第2領域S2を有する第2分割コア14Bと、を異なる金型を用いて製造する必要がある。
そこで、図12に示すように、第4実施形態にステータコア12においては、1つの分割コア14の外周面が第1領域S1及び第2領域S2を備えるように構成される。図示は省略しているが、分割コア14の外周面には、第1領域S1及び第2領域S2が交互に形成されている。
この場合、複数の分割コア14を同じ金型を用いて製造することによって、各々の分割コア14の外周面に第1領域S1及び第2領域S2を形成することができるため、第3実施形態と同様の効果を奏しつつ、製造コストの増加を抑制することが可能である。
(第5実施形態)
また、図13に示した第5実施形態のように、コア凸部25の先端部25aの周方向幅Aを0とすることにより、コア凸部25を断面略三角形状に形成して、積層方向(軸方向)正面から見た場合のコア凸部25の面積をさらに小さくしても構わない。この構成によれば、ステータコア12のコア凸部25がステータホルダ13のホルダ凸部27を塑性変形させる際に、ホルダ凸部27の塑性変形する体積がさらに小さくなるため、圧入荷重のピークをさらに低減することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明は電動モータのステータだけでなく、図14に示すように、複数の鋼板が軸線L方向に積層されたロータコア32(積層コア)の内周面32a(径方向端面)を、ロータシャフト33(他部材)の外周面33a(被圧入面)に軸線L方向に圧入して構成される電動モータのロータ31にも適用することができる。
この場合、ロータコア32の内周面32aには、周方向において断続的に複数のコア凸部35及びコア凹部36が形成され、ロータシャフト33の外周面33aには、鋼板の積層方向(軸方向)において断続的にシャフト凸部37(他部材凸部)が形成され、ロータシャフト33の外周面33aの積層方向における端部には、径方向外側に突出するフランジ部38が形成されている。
そして、本変形例においても、上述の実施形態のステータコア12におけるコア凸部25と同様に、ロータコア32のコア凸部35を構成することによって、同様の効果を奏することが可能である。
また、上述の実施形態において、ステータコア12は、複数の分割コア14が周方向に連結されることによって構成される分割型ステータコアであったが、一体型のステータコアとしても構わない。
また、本発明の電動モータは、ステータの内周側にロータを配置したインナ−ロータ型に限定されず、ステータの外周側にロータを配置したアウターロータ型にも適用可能であり、電動モータ以外にジェネレータ等に対しても適用することができる。
11 ステータ
12 ステータコア(積層コア)
12a 外周面(径方向端面)
13 ステータホルダ(他部材)
13a 内周面(被圧入面)
13b フランジ
14、14A、14B 分割コア
15 分割ヨーク
16 ティース
17 ヨーク
17a 内周面
18 鋼板
19 嵌合凹部
20 嵌合凸部
24 ダボ部
25 コア凸部
25a 先端部
25b 接続部
25c 周方向一端面
25d 周方向他端面
26 コア凹部
27 ホルダ凸部(他部材凸部)
28 ホルダ凹部
29 軸方向端部
31 ロータ
32 ロータコア(積層コア)
32a 内周面(径方向端面)
33 ロータシャフト(他部材)
33a 外周面(被圧入面)
35 コア凸部
36 コア凹部
37 シャフト凸部(他部材凸部)
38 フランジ部
A、B 周方向幅
L 軸線
R、R1、R2、R3、R4、R5 半径
S1 第1領域
S2 第2領域
α、β 角度

Claims (4)

  1. 磁路を構成する積層コアを他部材に圧入により固定する圧入固定構造であって、
    前記積層コアは、複数の鋼板を積層して構成され、
    前記他部材は、前記積層コアの径方向端面が圧入される被圧入面を有し、
    前記積層コアの前記径方向端面には、周方向において断続的に複数のコア凸部が形成され、
    前記他部材の前記被圧入面には、前記積層コアの積層方向において断続的に複数の他部材凸部が形成され、
    前記積層コアの前記径方向端面が前記他部材の前記被圧入面に圧入される際に、前記コア凸部は、前記他部材凸部を塑性変形させて前記他部材の前記被圧入面の表面よりも内側に入り込んでおり、
    前記コア凸部は、先端部の周方向幅が、前記径方向端面との接続部の周方向幅よりも小さく形成される
    ことを特徴とする圧入固定構造。
  2. ロータと、
    前記ロータと所定のエアギャップを介して対向するとともに、前記積層コア及び前記他部材により構成されるステータと、
    を備え、
    前記コア凸部は、前記接続部の周方向一方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向一端面と、前記接続部の周方向他方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向他端面と、を有し、
    前記周方向一端面及び前記周方向他端面の内、前記ロータの主回転トルクの方向とは反対側に位置する一方の面が前記径方向端面の法線に対してなす角度は、他方の面が前記径方向端面の法線に対してなす角度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧入固定構造。
  3. ロータと、
    前記ロータと所定のエアギャップを介して対向するとともに、前記積層コア及び前記他部材により構成されるステータと、
    を備え、
    前記コア凸部は、前記接続部の周方向一方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向一端面と、前記接続部の周方向他方側端部から前記先端部に向かって延びる周方向他端面と、を有し、
    前記径方向端面の第1領域における前記コア凸部では、前記周方向一端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度は、前記周方向他端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度よりも小さく形成され、
    前記径方向端面の第2領域における前記コア凸部では、前記周方向一端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度は、前記周方向他端面が前記径方向端面の法線に対してなす角度よりも大きく形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧入固定構造。
  4. 前記積層コアは、周方向に分割された複数の分割コアによって構成されており、
    各々の前記分割コアの径方向端面は、前記第1領域及び前記第2領域を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の圧入固定構造。
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