JP6115370B2 - リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6115370B2
JP6115370B2 JP2013151319A JP2013151319A JP6115370B2 JP 6115370 B2 JP6115370 B2 JP 6115370B2 JP 2013151319 A JP2013151319 A JP 2013151319A JP 2013151319 A JP2013151319 A JP 2013151319A JP 6115370 B2 JP6115370 B2 JP 6115370B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium ion
ion secondary
secondary battery
electrolyte solution
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013151319A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015022952A5 (ja
JP2015022952A (ja
Inventor
西村 勝憲
勝憲 西村
阿部 誠
阿部  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2013151319A priority Critical patent/JP6115370B2/ja
Publication of JP2015022952A publication Critical patent/JP2015022952A/ja
Publication of JP2015022952A5 publication Critical patent/JP2015022952A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115370B2 publication Critical patent/JP6115370B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置に関する。
リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を有し、電気自動車用や電力貯蔵用の電池として注目されている。
このような用途に用いられるリチウムイオン二次電池には高いエネルギー密度が要求されており、安全性を確保するためには高度な技術が必要である。安全性を確保するための重要な技術に、電解液の難燃化技術があり、その一つに、電解液を難燃化する物質を添加する技術がある。
特許文献1には、電解液に、亜リン酸エステルと、重合性官能基を分子内に1個有する化合物を含有させることで、リチウムイオン二次電池の電解液の難燃性を向上させ、かつ電池容量の低下を抑制することが記載されている。
特開2010−282906号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、リチウムイオン二次電池の電解液の燃焼化は十分でなかった。
本発明のチウムイオン二次電池用電解液は、亜リン酸トリメチルと、亜リン酸ジメチルと、メチルホスホン酸ジメチルと、化学式1〜4で表される環状エステル化合物の少なくとも1種と、が添加されたものである。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用電解液の製造方法は、亜リン酸トリメチルに含有される亜リン酸ジメチルの含有率を測定する第1測定工程と、その含有率が第1所定値を下回るかどうか判定する第1判定工程と、第1判定工程において、含有率が第1所定値を下回った場合には、亜リン酸トリメチルと、亜リン酸ジメチルと、メチルホスホン酸ジメチルと化学式1〜4で表される環状エステル化合物の少なくとも1種と、前記化学式1〜4で表される前記環状エステル化合物とは異なる非水溶媒と、電解質と、を混合して電解液を作製する混合工程とを有する。
Figure 0006115370
Figure 0006115370
Figure 0006115370
Figure 0006115370
本発明によれば、電解液の難燃性を向上させ、かつ電池容量の低下を抑制したリチウムイオン二次電池が提供できる。
リチウムイオン二次電池の断面構造を示す断面図である。 亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルの構造を示す化学式である。 亜リン酸ジメチルの異性体の構造を示す化学式である。 本発明に係る実施例、および比較例の電解液の構成を示す一覧表である。 本発明に係る実施例、および比較例の電解液を用いた試作電池の容量維持率と最高温度を示す一覧表である。 電源装置を示す説明図である。
図1は、リチウムイオン二次電池101の内部構造を模式的に示す図である。複数の正極107、複数の負極108、および正極107と負極108との間に挿入された複数のセパレータ109からなる電極群は、電池容器102の内部に収納されている。電池容器102の上部は蓋103により内部が密閉状態とされている。蓋103には、正極外部端子104、負極外部端子105、注液口106が設けられている。リチウムイオン二次電池101の組み立ては、電池容器102の内部に電極群を収納した後に、蓋103を電池容器102に被せ、蓋103の外周を溶接して電池容器102と一体化することで行う。電池容器102への蓋103の取り付けには、溶接の他に、かしめ、接着などの方法も用いることができる。
<正極>
正極107は、正極集電体表面に、正極活物質とバインダを含む正極合剤を塗布して正極合剤層を形成することで作製する。正極合剤には必要に応じて導電剤が添加される。
正極活物質としては多様な材料を用いることができる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnOが代表的な材料として挙げられる。これらの材料以外には、LiMnO、LiMnO、LiMnO、LiMnO12、LiMn2−xMO(MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taのいずれかであって、x=0.01〜0.2)、LiMnMO(MはFe、Co、Ni、Cu、Znのいずれか)、Li1−xAxMnO(AはMg、Ba、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Caのいずれかであって、x=0.01〜0.1)、LiNi1−xMxO(MはCo、 Fe、 Gaのいずれかであって、x=0.01〜0.2)、LiFeO、Fe(SO)、LiCo1−xMO(MはNi、Fe、Mnのいずれかであって、x=0.01〜0.2)、LiNi1−xMO(MはMn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、Mgのいずれかであって、x=0.01〜0.2)、Fe(MoO)、FeF、LiFePO、LiMnPOなども用いることができる。本実施の形態では、正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3を用いた。
正極活物質は粒子状であり、その粒子のサイズは、正極合剤層の厚さより小さくなるように設定される。正極活物質粉末中に正極合剤層厚さより大きいサイズを有する粒子がある場合には、予めふるい分級、風流分級などによりサイズの大きな粒子を除去する。
バインダは、正極活物質粒子を結着させるために用いる。本実施の形態ではバインダの材料として、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと記載する)を用いた。PVDFは、1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記載する)に予め溶解させておく。正極活物質が酸化物である場合には一般に導電性が低いので、導電剤として炭素粉末を添加して酸化物粒子間の導電性を高める。
導電剤としては、黒鉛、非晶質炭素、易黒鉛化炭素、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属材料などの公知の材料を用いることができる。炭素繊維としては、アクリル繊維(Polyacrylonitrile)やピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料として、高温で炭化させて製造したものが挙げられる。また、金属材料としては、正極における充電電位あるいは放電電位(通常は2.5〜2.8V)にて酸化・溶解せず、かつ、正極活物質よりも電気抵抗の低いもの、例えば、チタン、金などの耐食性金属が挙げられる。これらの他に、SiCやWCなどの炭化物や、Si、BNなどの窒化物の繊維も用いてもよい。炭化物や窒化物の導電剤は、溶融法、化学気相成長法など既存の製法を利用することができる。本実施の形態では、導電剤としてカーボンブラック(商品名:デンカブラック)を用いた。
リチウムイオン二次電池において、正極の導電性を十分に確保して大電流での充電あるいは放電を可能とし、かつ、高いエネルギー密度を実現するためには、正極合剤に占める、正極活物質、バインダ、および導電剤の質量割合をそれぞれ、80〜95%、1〜10%、および3〜15%の範囲とすることが好ましい。特に、大電流で充電あるいは放電する際のオーム損失を小さくする観点から、正極合剤に占める正極活物質の質量割合は、85〜95の範囲とすることがさらに好ましい。本実施の形態では、正極合剤に占める正極活物質、バインダ、導電剤の質量割合をそれぞれ、85%、8%、および7%とした。
正極活物質、バインダとしてのPVDF、および導電剤をNMPに投入して攪拌・分散させながら、NMPをさらに添加して粘度調整を行い、正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーを正極集電体に塗布した後、溶媒を蒸発させて正極集電体表面に正極合剤層を形成し、さらにロールプレスにより加圧して正極107を作製した。
正極集電体としては、厚さ10μmのアルミニウム箔を用いた。正極集電体としては、厚さ10〜100μmのアルミニウム箔の他に、アルミニウム箔に直径0.1〜10mmの孔を多数設けたアルミニウム穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板なども用いることができる。正極集電体の材質としては、アルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能であり、多様な、材質、形状、製造方法が適用できる。
正極集電体に正極合剤スラリーを塗布するには、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの既知の方法が適用でき、塗布方法は特に制限されない。本実施の形態においては、ブレードコーターを用いて正極集電体に正極合剤スラリーを塗布した。正極合剤スラリーの塗布から溶媒の蒸発までを複数回に分けて行うことで正極合剤層を正極集電体表面に積層させることも可能である。
<負極>
負極108は、負極集電体表面に、負極活物質とバインダを含む負極合剤を塗布して負極合剤層を形成することで作製する。負極合剤には必要に応じて導電剤が添加される。
負極活物質としてはリチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な多様な材料を用いることができる。例えば、グラフェン構造を有する炭素材料、即ち、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェ−ズ炭素、膨張黒鉛、炭素繊維、気相成長法炭素繊維、ピッチ系炭素質材料、ニードルコークス、石油コークス、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、カーボンブラックのなどや、5員環または6員環の環式炭化水素または環式含酸素有機化合物を熱分解することにより合成した非晶質炭素材料などが利用可能である。また、黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素などの材料の混合物と、チタンや金などの金属材料またはこれらの金属の合金とを混合した混合物や複合した複合物も使用可能である。さらに、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレンからなる導電性高分子材料と、黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素などのグラフェン構造を有する炭素材料とを組み合わせたものも使用可能である。リチウムと合金化する、アルミニウム、シリコン、スズなどの金属や、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な黒鉛や非晶質炭素からなる炭素質材料なども使用可能である。
負極活物質としてのLiTi12の粉末、バインダとしてのPVDF、および導電剤としてのカーボンブラックをNMPに投入して撹拌・分散させながら、NMPをさらに添加して粘度調整を行い、負極合剤スラリーを調製した。カーボンブラックとしては、X線回折ピークから求めた(002)面のグラファイト層間隔d002が0.35〜0.36nmの範囲にあるものを用いた。なお、溶媒としてはNMP以外の有機溶媒や水など、バインダを変質させないものであれば任意に選択することができる。
導電剤を少量添加することで、大電流での充電または放電を行う際に、負極の抵抗を小さくすることができる。導電剤としては、黒鉛、非晶質炭素、易黒鉛化炭素、カーボンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボンナノチューブなどの公知の材料を用いることができる。炭素繊維としては、気相成長炭素、ピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して製造したもの、アクリル繊維(Polyacrylonitrile)を原料として製造したものなどがある。
リチウムイオン二次電池において、負極の導電性を十分に確保して大電流での充電あるいは放電を可能とし、かつ、高いエネルギー密度を実現するためには、負極合剤に占める負極活物質の質量割合を80〜99%の範囲とすることが好ましく、90〜99%の範囲とすることがさらに好ましい。本実施の形態では、負極合剤に占める負極活物質、バインダ、導電剤の質量割合を、それぞれ93%、5%、および2%とした。
上述の負極合剤スラリーを負極集電体に塗布した後、溶媒を蒸発させて、負極集電体表面に負極合剤層を形成し、さらにロールプレスにより加圧して、負極108を作製した。
負極集電体としては、厚さ10〜100μmの銅箔を用いた。負極集電体としては、厚さ10〜100μmの銅箔の他に、銅箔に直径0.1〜10mmの孔を多数設けた銅穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板なども用いることができる。また、負極集電体の材質としては、銅の他に、ステンレス鋼、チタンなども適用可能であり、多様な、材質、形状、製造方法が適用できる。
負極集電体に負極合剤スラリーを塗布するには、ドクターブレード、ディッピング、スプレーなどの既知の方法が適用でき、塗布方法は特に制限されない。本実施の形態においては、ブレードコーターを用いて負極集電体に負極合剤スラリーを塗布した。負極合剤スラリーの塗布から溶媒の蒸発までを複数回に分けて行うことで負極合剤層を負極集電体表面に積層させることも可能である。
<セパレータ>
セパレータ109は、正極107と負極108との間に挿入することで、正極107と負極108が短絡することを防止する。正極107、負極108、およびセパレータ109は積層されて電極群を構成する。セパレータの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系高分子によるシートや、ポリオレフィン系高分子と4フッ化ポリエチレンなどのフッ素系高分子のシートを溶着させた多層構造のシートなどが使用可能である。セパレータ109は、リチウムイオン二次電池の充放電時には、リチウムイオンを通過させる必要があるため、一般に、直径が0.01〜10μmの多数の微細な孔が気孔率20〜90%の範囲となるように多数設けられている。この微細な孔は、何らかの原因によりリチウムイオン二次電池が所定の温度を超えて上昇した場合に、熱変形により塞がることでリチウムイオンの通過をブロックして、リチウムイオン二次電池の充電をシャットダウンする機能を有している。また、リチウムイオン二次電池の温度が上昇した際に、セパレータが収縮しないようにするために、表面にセラミックスとバインダの混合物による薄い層を形成したセパレータを用いてもよい。
セパレータ109は、電極群と電池容器102の間にも設けられ、正極107と負極108がそれぞれ電池容器102と短絡することを防止している。
<電解液>
電池容器102には電解液が封入される。電解液は、電解質、非水溶媒、難燃剤からなっている。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1、 2-ジメトキシエタン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1、 3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3-メチル-2-オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1、 2-ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、クロルプロピレンカーボネートなどを用いることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液は、上記の非水溶媒の他に、化学式1〜4で表される環状エステル化合物のうちの少なくとも1種を含有する。このような環状エステル化合物は電解質の溶解性を高める働きがあると考えられる。
電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、あるいはリチウムトリフルオロメタンスルホンイミドに代表されるリチウムのイミド塩、LiNSOFLiNSOF、Li(NSO)などの多種類のリチウム塩を用いることができる。また、LiB(CN)を用いることも可能である。さらに、1-ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate (EMI−BF)、LiN(SOCF(リチウム塩:LiTFSI)とトリグライムとテトラグライムとの混合錯体、環状四級アンモニウム系陽イオン(例えば、N-methyl-N-propylpyrrolidinium)、イミド系陰イオン(例えば、bis(fluorosulfonyl)imide)も用いることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液は、亜リン酸トリメチルと亜リン酸ジメチルとメチルホスホン酸ジメチルとを含有する。亜リン酸トリメチルは、電解液の自己消火性を高めることで難燃化に特に効果があると考えられる。亜リン酸ジメチルとメチルホスホン酸ジメチルについては、電解液の難燃化に対する効果は亜リン酸トリメチルによる効果に比べて小さい。しかし、亜リン酸ジメチルとメチルホスホン酸ジメチルは、正極表面に高抵抗な被膜を形成する作用がある。この被膜は、リチウムイオン二次電池が過充電されて負極にリチウムデンドライトが析出した場合や、リチウムイオン二次電池の異常な温度上昇によりセパレータが収縮して正極と負極が短絡した場合に、大きな電流が流れることを抑制する効果があると考えられる。
亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルは、電解液の質量に対してこれら3種類の合計で1〜11質量%の範囲で含有させることが好ましい。また、これら3種類の合計が1〜11質量%の範囲内において、亜リン酸トリメチルの難燃化効果と、亜リン酸ジメチルとメチルホスホン酸ジメチルの高抵抗被膜の効果をバランスさせる観点から、亜リン酸トリメチルは電解液の質量の1〜10質量%含有させることが好ましく、亜リン酸ジメチルは電解液の質量の0.05〜0.1質量%含有させることが好ましく、メチルホスホン酸ジメチルは電解液の質量の0.05〜10質量%含有させることが好ましい。
亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルの構造を示す化学式を、図2にそれぞれ式I、式II、および式IIIとして示す。なお、亜リン酸ジメチルは、電解液中では平衡反応によりその一部は図3の式IVに示す異性体となる。
亜リン酸トリメチルの難燃化作用を有効に機能させるには、電解液中に含有される水分量を極力低く抑える必要がある。しかし、市販の亜リン酸トリメチルには通常1000〜10000ppmの水分が含まれている。亜リン酸トリメチルに含まれる水分は、電解液中では式(1)〜(3)に示す反応によって、フッ化水素(HF)が発生し正極や負極にダメージを与える。その結果、電池容量は低下する。従って、亜リン酸トリメチルは、含まれる水分量ができるだけ少ないものを用いる必要がある。
LiPF → Li + PF (1)
PF + HO → POF + 2HF + F (2)
Li + F → LiF (3)
また、亜リン酸トリメチルは、加水分解により式(4)の反応に従って、亜リン酸ジメチルとメタノールを生成する。生成した亜リン酸ジメチルは、式(6)の反応によりリン酸ジメチルを生成すると共に、正極あるいは負極に抵抗の大きな被膜を形成して電池容量の低下をもたらす。なお、式(5)は、電解液中で亜リン酸ジメチルの一部が異性体となる反応を示している。
(CHO)P + HO → (CHO)POH + CHOH (4)
(CHO)POH → (CHO)PH(=O) (5)
(CHO)POH + HO → (CHO)POH(=O) + 2H + 2e (6)
市販の亜リン酸トリメチルに含まれる水分は、モレキュラーシーブ(商品名)などを用いてある程度は脱水処理することは可能であるが、脱水処理した後の水分量を定量することは難しい。その理由は、水分量の定量に一般的に用いられるカールフィッシャー法では、用いる反応液が亜リン酸トリメチルと反応してしまうからである。このような理由から、これまでは亜リン酸トリメチルに含まれる水分量を把握することができなかった。本発明者らは、式(4)に示した反応に着目して、亜リン酸トリメチルに含まれる水分量を把握する方法を見出した。この方法について、次に説明する。
亜リン酸トリメチルは水と反応しやすく、式(4)に従って、水と反応して亜リン酸ジメチルとメタノールに変化する。即ち、亜リン酸トリメチルに含まれる少量の水は全て式(4)に示した反応で使われ、代わりに亜リン酸ジメチルが生成される。従って、脱水処理した亜リン酸トリメチルに含まれる亜リン酸ジメチルの量を定量して管理することで、亜リン酸トリメチルに含まれる水分量を管理できることになる。言い換えると、式(4)の反応により生成した亜リン酸ジメチルの量または質量の割合が少ない亜リン酸トリメチルを選択することで、含まれる水分量の少ない亜リン酸トリメチルを用いることができ、その結果、難燃性を向上させると共に電池容量の低下を抑制することが可能となる。
また、亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルを添加して本発明に係る電解液とした後においては、亜リン酸ジメチルが添加量に対しての程度増加したかを把握することで、電解液中の水分量を管理することができる。
式(4)の反応は、亜リン酸トリメチルを添加して本発明に係る電解液とする前に起こるものであり、式(6)の反応は、亜リン酸トリメチルを添加した後に起こるものである。発明者らの研究によれば、式(6)の反応速度は、式(4)の反応速度よりかなり遅いので、ある程度の時間までは式(6)の反応は実質的に無視することができる。そこで、式(4)および(5)の反応に基づいて、亜リン酸ジメチルの量を把握することで、電解液に含まれる水分量を把握し、管理することができる。例えば、当初添加した亜リン酸ジメチルの量または質量に対して、電解液とした後の亜リン酸ジメチルの量または質量の割合が大きい場合には、その電解液は用いないことにすればよい。亜リン酸ジメチルの量の測定には、ガスクロマトグラフィー法や質量分析法を用いることができる。
なお、亜リン酸トリメチルを添加して本発明に係る電解液とした後、長期間経過した場合には、式(6)の反応により発生するリン酸ジメチルの量が無視できなくなる。従って、このような場合は、リン酸ジメチルの量も測定し、亜リン酸ジメチルの量とリン酸ジメチルの量とにより、亜リン酸トリメチルの加水分解量を把握する。
水分に関しては、負極、正極およびセパレータなどのリチウムイオン二次電池を構成する部品についても、それらに含有される水分を十分に除去し、電解液に水分が持ち込まれないように注意する必要があることは言うまでもない。
なお、亜リン酸トリメチルは、式(7)に示す反応によりメチルホスホン酸ジメチルに転移することがある。
(CHO)P → (CHO)P(=O)CH (7)
この反応を抑制するために、ジメチルアセトアミド(以下、DMAと記載)を添加した電解液とすることはより好ましい。DMAを添加することにより、亜リン酸トリメチルがメチルホスホン酸ジメチルに転移してその量が減少することを抑制できるので、亜リン酸トリメチルによる難燃性の効果を維持できる。
<試作電池の作製>
組成を種々に変化させて複数の電解液を調製し、これらの電解液を用いて実施例1〜14のリチウムイオン二次電池を試作電池として作製した。実施例1〜14の試作電池に用いた電解液の組成を、図4に一覧表として示す。
次に、リチウムイオン二次電池の作製方法について図1に沿って説明する。正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3を用いた正極107、負極活物質としてはチタン酸リチウムを用いた負極108、およびセパレータ109を積層して電極群を構成する。電極群の構造は、図1に示した短冊状電極を積層させたものの他に、円筒状、扁平状に捲回したものなど、様々な形状とすることができる。
電極群の上部は、リード線を介して外部端子に電気的に接続する。即ち、正極107は正極リード線110を介して正極外部端子104に接続され、負極108は負極リード線111を介して負極外部端子105に接続される。リード線110、111は、箔状、ワイヤ状、板状などの任意の形状のものを用いることができる。電流を流したときにオーム損失が小さく、かつ、電解液と反応しない材質であれば、リード線110、111の形状、材質は限定されない。ただし、リード線110または111を電池容器102に接続する場合は、電池容器を腐食させる材料やリチウムイオンと合金化する材料は避ける必要がある。
正極外部端子104と電池容器102の間、および負極外部端子105と電池容器102の間には、絶縁性シール部材112が挿入され両端子が短絡しないようになっている。絶縁性シール部材112は、フッ素樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスハーメチックシールなどの材料を用いることができるが、電解液と反応せず気密性に優れたものであれば材料は限定されない。
リチウムイオン二次電池101に、正温度係数(PTC; Positive Temperature Coefficient)抵抗素子を利用した電流遮断機構を設けると、電池内部の温度が高くなったときに、充電あるいは放電を停止させて電池を保護することが可能となる。電流遮断機構は、正極リード線110または負極リード線111の途中、正極リード線110と正極外部端子104の接続部、負極リード線111と負極外部端子105の接続部のいずれかの箇所に設けることが好ましい。
電池容器102の形状は、電極群の形状に合わせて、円筒型、偏平長円形状、角型など種々の形状のものを用いることができる。また、電池容器102の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製など、非水電解質に対して耐食性のある材料から選択される。電極群を電池容器102に収納した後、蓋103を電池容器102に密着させて電池全体を密閉する。電池を密閉する方法には、溶接、かしめなど公知の技術を用いることができる。
電解液の注入は、蓋103を電池容器102から取り外して、電池容器102内に注入する方法と、蓋102に予め設けた注液口106から注入する方法とがある。実施例1〜14の試作電池においては、図1に示した通り、注液口106を電池容器102の上面に設け、電極群を電池容器102に収納し、電解液を注液口106より注入し後、注液口106を密封する。注入口106には、電池容器内部の圧力を解放するための圧力弁を安全機構として設けることも可能である。
電解液は以下の手順に従って調製した。まず、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を混合した非水溶媒に、亜リン酸トリメチル(A)と亜リン酸ジメチル(B)とメチルホスホン酸ジメチル(C)とを、図4に示した複数の組み合わせ混合比となるように添加して、実施例1〜14に用いるための複数の混合液を調製した。PC、EC、およびDMCの混合比は体積比で、実施例1〜13については1:1:1、実施例14については0.1:0.1:2.8とした。なお、実施例8および11については、PCの代わりにγ−ブチロラクトン(GBL)を用い、実施例9および12については、PCの代わりにトリメチレンカーボネート(TMC)を用いた。また、実施例1〜9、および13については、さらにジメチルアセトアミド(DMA)を添加した。亜リン酸トリメチルと亜リン酸ジメチルは添加するのに先立って、モレキュラーシーブにより脱水処理を行った。これらの混合溶液に対して、1モル濃度(1mol/dm)となるように電解質としてのLiPFを溶解させて実施例1〜14の電解液を得た。なお、図4において、亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルの添加量として、添加量A、B、およびCとして記載された数値は、電解液全体の質量に対する亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジメチル、およびメチルホスホン酸ジメチルのそれぞれの質量%を示している。
<試作電池の評価>
完成した実施例1〜14の試作電池に対して、5Aの充電電流にて電池電圧が2.8Vに達するまで充電を行い、その後、電池電圧を2.8Vに維持しながら電流が0.1Aに減少するまで充電を継続した。この状態で30分間放置した後、5Aの放電電流にて電池電圧が1.5Vに低下するまで放電を行った。以上の手順を3サイクル繰り返し、3サイクル目の放電時に測定された放電容量を初期容量とした。
次に、上記3回の充放電サイクルと同じ条件で、100サイクルの充放電を行い、100サイクル目の放電時に測定された放電容量を100サイクル放電容量とした。初期容量に対する100サイクル放電容量の比(%)を求め、その値を容量維持率とした。図5に実施例1〜14の試作電池により測定された容量維持率を示す。図5からわかる通り、実施例1〜14の試作電池の容量維持率は、いずれも92%以上であった。
次に、初期容量と同容量となるまで各試作電池を再充電し、その状態から、上限電圧を2.8Vから10Vに変更して、10Vに達するまで過充電状態を継続した。過充電状態が継続している間、試作電池の温度を測定した。試作電池の温度測定は、試作電池の側面に熱電対を貼り付けて試作電池の側面温度を測定し、最高温度を記録した。図5に実施例1〜14の試作電池で測定された最高温度を示す。図5からわかる通り、実施例1〜14の試作電池における最高温度は169℃以下であった。実施例1〜14の試作電池には、破裂したり発火したりしたものはなかった。実施例13の試作電池は、最高温度が85℃であり、他の実施例の試作電池と比べて著しく低く、難燃性が極めて優れている。これは、電解質に添加されたDMAが3mol/dmと多かったことによる効果であると考えられる。
比較例
図4に比較例1〜5として示した組成の電解液を用いて比較例1〜5のリチウムイオン二次電池(試作電池)を作製した。試作電池の作製手順は実施例1〜14と同様である。これらの比較例1〜5の試作電池に対して、実施例1〜14の試作電池に対する手順と同様の手順で、容量維持率と最高温度を測定した。その結果を図5に示す。図5からわかる通り、比較例1〜4の試作電池は、容量維持率は実施例の試作電池と大きな差は無いものの、最高温度はいずれも500℃前後の高い温度となり、難燃性の面で問題があることがわかる。比較例5の試作電池では、最高温度は105℃で難燃性に関しては問題ないものの、容量維持率は89%で実施例の試作電池に比べて低い。即ち、比較例1〜5の試作電池は、容量維持率と難燃性が両立できていない。
<充放電装置>
本発明に係るリチウムイオン二次電池を用いた充放電装置を図6に示す。図6において、201aおよび201bはリチウムイオン二次電池、216は充放電制御器を表わす。リチウムイオン二次電池201aおよび201bの電解液は、共に実施例1の試作電池に用いた電解液と同じ組成であり、正極、負極、およびセパレータの材料についても実施例のリチウムイオン二次電池と同様である。リチウムイオン二次電池201aおよび201bは実施例よりも大きなサイズに構成され、定格容量はそれぞれ50Ahである。リチウムイオン二次電池201aおよび201bは直列に接続されている。
リチウムイオン二次電池201aおよび201bはそれぞれ、正極207、負極208、セパレータ209からなる電極群を有し、上部には正極外部端子204、負極外部端子205が設けられている。各外部端子と電池容器の間には絶縁シール部材212が挿入され、外部端子同士が短絡しないように構成されている。リチウムイオン二次電池201aの負極外部端子205は、電力ケーブル213により充放電制御器216の負極入力端子に接続されている。リチウムイオン二次電池201aの正極外部端子204は、電力ケーブル214を介して、リチウムイオン二次電池201bの負極外部端子205に接続されている。リチウムイオン二次電池201bの正極外部端子204は、電力ケーブル215により充放電制御器216の正極入力端子に接続されている。
充放電制御器216は、電力ケーブル217、218を介して、外部に設置した機器(以下、外部機器と称する)219との間で電力の授受を行う。外部機器219は、充放電制御器216に給電するための外部電源、回生モータなどの各種電気機器、本充放電装置が電力を供給するインバータ、コンバータ、負荷などを表わす。
222は、再生可能エネルギーを生み出す機器として、例えば風力発電機を表わす。発電装置222は、電力ケーブル220、221を介して充放電制御器216に接続されている。発電装置222が発電する時には、充放電制御器216は充電モードに設定され、外部機器219に給電すると共に、余剰電力をリチウムイオン二次電池201aおよび201bに充電するように制御する。風力発電機の発電量が外部機器219の要求電力よりも少ない時には、充放電制御器216は、リチウムイオン二次電池201aおよび201bを放電させるように制御する。発電装置222は、風力発電機以外の発電装置、例えば太陽電池、地熱発電装置、燃料電池、ガスタービン発電機などの装置であってもよい。上記のような制御を行うためのプログラムは、予め充放電制御器216に記憶させておく。
外部機器219は、リチウムイオン二次電池201aおよび201bの充電時には充放電制御器216を介してリチウムイオン二次電池201aおよび201bに対して電力を供給し、リチウムイオン二次電池201aおよび201bの放電時には充放電制御器216を介してリチウムイオン二次電池201aおよび201bから電力を消費する。本充放電装置においては、充電は2時間率で行い、放電は1時間率で行うよう制御される。
本充放電機器の使用に先立って、リチウムイオン二次電池201aおよび201bは定格容量が得られるような充電状態に充電する。例えば、1時間率の充電電流、2.8Vの定電圧充電で0.5時間充電する。充電完了後、充放電制御器216を放電モードに切り替えて、リチウムイオン二次電池201aおよび201bを放電させ、所定の下限電圧に到達した時点で放電を停止する。初期の放電容量は、リチウムイオン二次電池201aおよび201bの定格容量である50Ahに対して99.5〜100%の容量であった。
次に、充放電サイクル試験を行った。環境温度20〜30℃の条件で、2時間率の電流(25A)にて充電を行い、充電深度50%(25Ah充電した状態)となった時点で、リチウムイオン二次電池201aおよび201bに対して、充電方向に5秒、放電方向に5秒のパルス電流を流した。これは、発電装置222からリチウムイオン二次電池201aおよび201bへの電力の受け入れと、リチウムイオン二次電池201aおよび201bから外部機器219への電力の供給を想定したものである。なお、パルス電流の大きさは、充電方向、放電方向、共に150Aとした。次に、残りの容量25Ahを2時間率の電流(25A)でリチウムイオン二次電池201aおよび201bの電圧が共に2.8Vに達するまで充電した後、電圧2.8Vを維持しながら1時間の定電圧充電を継続し、充電を終了した。次に、1時間率の電流(50A)にてリチウムイオン二次電池201aおよび201bの電圧が1.5Vとなるまで放電を行った。このような充放電サイクル試験を500回繰り返した後、放電容量を測定したところ、初期の放電容量に対して98〜99%の容量であった。即ち、発電装置222や外部機器219と接続して電力受け入れと電力供給を行うことを想定した電流パルスをリチウムイオン二次電池201aおよび201bに与えても、充放電装置としての性能低下は極めて小さいことがわかった。
次に、リチウムイオン二次電池201aは予め定格容量まで充電し、リチウムイオン二次電池201bは放電した状態として充放電装置を構成した。この状態で、リチウムイオン二次電池201bを定格容量まで充電したところ、リチウムイオン二次電池201aは過充電状態となったものの、電池温度は170℃を超えることはなく、セパレータによるシャットダウン機能により充電は停止し、リチウムイオン二次電池201aは破裂したり発火したりすることはなかった。
以上説明した通り、本発明によれば、電解液の難燃性を向上させ、かつ電池容量の低下を抑制したリチウムイオン二次電池が提供できる。
上記の通り、種々の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
101 リチウムイオン二次電池
102 電池容器
103 蓋
104 正極外部端子
105 負極外部端子
106 注液口
107 正極
108 負極
109 セパレータ
110 正極リード線
111 負極リード線
112 絶縁性シール部材
201a、201b リチウムイオン二次電池
202 電池容器
204 正極外部端子
205 負極外部端子
206 注液口
207 正極
208 負極
209 セパレータ
212 絶縁性シール部材
213、214、215 電力ケーブル
216 充放電制御器
217、218、220、221 電力ケーブル
219 外部機器
222 発電装置

Claims (11)

  1. リチウムイオン二次電池用電解液であって、
    亜リン酸トリメチルと、亜リン酸ジメチルと、メチルホスホン酸ジメチルと、化学式1〜4で表される環状エステル化合物の少なくとも1種と、が添加されたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液。
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電解液において、
    前記電解液の質量に対する、前記亜リン酸トリメチルと前記亜リン酸ジメチルと前記メチルホスホン酸ジメチルとの合計質量の割合は、1%以上かつ11%以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用電解液において、
    前記電解液の質量に対する、前記亜リン酸トリメチル、前記亜リン酸ジメチル、および前記メチルホスホン酸ジメチルの質量のそれぞれの割合は、1%以上かつ10%以下、0.01%以上かつ0.1%以下、および0.05%以上かつ10%以下、であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電解液において、
    前記環状エステル化合物は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン、トリメチレンカーボネートのうちのいずれか1種または複数種であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電解液において、
    ジメチルアセトアミドをさらに含有することを特徴とするリチウムイオン二次用電池電解液。
  6. リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法であって、
    亜リン酸トリメチルに含有される亜リン酸ジメチルの含有率を測定する第1測定工程と、
    前記含有率が第1所定値を下回るかどうか判定する第1判定工程と、
    前記第1判定工程において、前記含有率が前記第1所定値を下回った場合には、前記亜リン酸トリメチルと、亜リン酸ジメチルと、メチルホスホン酸ジメチルと化学式1〜4で表される環状エステル化合物の少なくとも1種と、前記化学式1〜4で表される前記環状エステル化合物とは異なる非水溶媒と、電解質と、を混合して電解液を作製する混合工程と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液の製造方法。
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
    Figure 0006115370
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用電解液の製造方法において、
    前記混合工程において、さらに、ジメチルアセトアミドを添加して混合することを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液の製造方法。
  8. 正極と、負極と、セパレータと電解液とを有するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    容器に前記正極と前記負極と前記セパレータとを収納する収納工程と、
    前記容器に電解液を注入する注入工程と、
    前記容器を密閉する密閉工程と、を有し、
    前記電解液は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電解液であることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法において、
    リン酸トリメチルに含有される亜リン酸ジメチルの含有率を測定する第1測定工程と、
    前記含有率が第1所定値を下回るかどうか判定する第1判定工程と、
    前記第1判定工程において、前記含有率が前記第1所定値を下回った場合には、前記亜リン酸トリメチルと、亜リン酸ジメチルと、メチルホスホン酸ジメチルと化学式1〜4で表される環状エステル化合物の少なくとも1種と、前記化学式1〜4で表される前記環状エステル化合物とは異なる非水溶媒と、電解質と、を混合して電解液を作製する混合工程と、を有し、
    前記電解液に含まれる前記亜リン酸ジメチルの第1の量と、前記混合工程において混合した前記亜リン酸ジメチルの第2の量とを測定する第2測定工程と、
    前記第2の量に対する前記第1の量の比率が第2所定値を下回るかどうか判定する第2判定工程と、をさらに有し、
    前記第2判定工程において、前記第2の量に対する前記第1の量の前記比率が前記第2所定値を下回った場合には、前記注入工程において前記リチウムイオン二次電池用電解液を注入することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  10. 正極と、負極と、セパレータと、電解液とを有するリチウムイオン二次電池において、
    前記電解液は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電解液であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  11. 複数のリチウムイオン二次電池と、外部機器から前記複数のリチウムイオン二次電池への電力供給と前記複数のリチウムイオン二次電池から外部機器への電力の供給を制御する充放電制御器と、を有するリチウムイオン二次電池を搭載した電源装置において、
    前記リチウムイオン二次電池は、請求項10に記載のリチウムイオン二次電池であることを特徴とする電源装置。
JP2013151319A 2013-07-22 2013-07-22 リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置 Active JP6115370B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013151319A JP6115370B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013151319A JP6115370B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015022952A JP2015022952A (ja) 2015-02-02
JP2015022952A5 JP2015022952A5 (ja) 2016-02-04
JP6115370B2 true JP6115370B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=52487214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013151319A Active JP6115370B2 (ja) 2013-07-22 2013-07-22 リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6115370B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180301756A1 (en) * 2015-06-09 2018-10-18 Stella Chemifa Corporation Nonaqueous electrolyte solution for secondary batteries and secondary battery provided with same

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5983370B2 (ja) * 2012-12-06 2016-08-31 日立化成株式会社 リチウムイオン二次電池、それを用いた二次電池システム、およびリチウムイオン二次電池用非水電解液

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015022952A (ja) 2015-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7232359B2 (ja) 再充電可能なバッテリーセル用のso2ベースの電解質および再充電可能なバッテリーセル
JP5630189B2 (ja) リチウムイオン電池
JP5192003B2 (ja) 非水電解質二次電池装置およびその負極を充電する方法
US9214701B2 (en) Lithium-ion rechargeable battery
JP5949605B2 (ja) 非水電解質二次電池、及び蓄電装置
JP5983370B2 (ja) リチウムイオン二次電池、それを用いた二次電池システム、およびリチウムイオン二次電池用非水電解液
JP6592256B2 (ja) リチウムイオン二次電池
US20160072152A1 (en) Lithium ion secondary battery
JP2017097995A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP2014160568A (ja) リチウムイオン二次電池およびそれを用いた二次電池システム
KR102230038B1 (ko) 리튬 이차 전지
KR20170070095A (ko) 리튬 이온 이차 전지
JP2014160608A (ja) リチウムイオン電池
JP2015082356A (ja) リチウムイオン二次電池用電解液、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた充放電装置
JP5966896B2 (ja) リチウムイオンニ次電池、それを用いた二次電池システム、およびリチウムイオン二次電池用非水電解液
JP2015191721A (ja) 二次電池および電池モジュール
JP6572149B2 (ja) リチウムイオン二次電池および蓄電装置
JP6115370B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電解液、リチウムイオン二次電池用電解液の製造方法、その電解液を用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池を用いた電源装置
WO2014181447A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2015046233A (ja) リチウムイオン二次電池およびそれを用いた二次電池システム
US10177409B2 (en) Additive of electrolytic solution for lithium secondary battery, electrolytic solution for lithium secondary battery using the same and lithium secondary battery
JP5867293B2 (ja) リチウムイオン二次電池用セパレータ、それを用いたリチウムイオン二次電池、および該リチウムイオン二次電池を用いた二次電池システム
JP5954217B2 (ja) リチウムイオン電池
JP2015046234A (ja) リチウムイオン二次電池およびそれを用いた二次電池システム
JP5383530B2 (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170306

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6115370

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151