JP6115126B2 - ヒトIgG3の精製方法 - Google Patents
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Description
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含み、かつ前記アミノ酸のうちの一つ以上が他のアミノ酸に置換、挿入または欠失したタンパク質、
があげられる。前記(ii)の具体例としては、特開2011−206046号公報に開示のヒトFc結合性タンパク質や、配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸配列を含むFc結合性タンパク質(特願2012−270375号)や、配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸配列を含み、かつ当該34番目から307番目までのアミノ酸配列において以下の(1)から(42)のうち少なくともいずれか1つのアミノ酸置換が生じている、Fc結合性タンパク質(特願2012−270375号)があげられる。
(1)配列番号1の37番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(2)配列番号1の38番目のプロリンがセリンに置換
(3)配列番号1の53番目のロイシンがグルタミンに置換
(4)配列番号1の62番目のグルタミン酸がバリンに置換
(5)配列番号1の63番目のバリンがアラニンまたはグルタミン酸に置換
(6)配列番号1の66番目のロイシンがグルタミンまたはプロリンに置換
(7)配列番号1の67番目のセリンがプロリンに置換
(8)配列番号1の69番目のアラニンがバリンまたはスレオニンに置換
(9)配列番号1の71番目のセリンがスレオニンまたはロイシンに置換
(10)配列番号1の78番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(11)配列番号1の81番目のイソロイシンがバリンに置換
(12)配列番号1の84番目のセリンがスレオニンに置換
(13)配列番号1の88番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(14)配列番号1の95番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(15)配列番号1の119番目のヒスチジンがグルタミンに置換
(16)配列番号1の127番目のバリンがアラニンに置換
(17)配列番号1の146番目のアルギニンがリジンに置換
(18)配列番号1の147番目のアスパラギン酸がアスパラギンに置換
(19)配列番号1の151番目のヒスチジンがチロシンに置換
(20)配列番号1の178番目のスレオニンがアラニンに置換
(21)配列番号1の191番目のアルギニンがリジンに置換
(22)配列番号1の199番目のスレオニンがアラニンに置換
(23)配列番号1の200番目のロイシンがメチオニンに置換
(24)配列番号1の213番目のスレオニンがアラニンに置換
(25)配列番号1の216番目のバリンがアラニンに置換
(26)配列番号1の221番目のロイシンがアルギニンに置換
(27)配列番号1の229番目のセリンがアスパラギンに置換
(28)配列番号1の236番目のイソロイシンがリジンに置換
(29)配列番号1の244番目のチロシンがヒスチジンに置換
(30)配列番号1の253番目のスレオニンがアラニンに置換
(31)配列番号1の290番目のアルギニンがグルタミンに置換
(32)配列番号1の293番目のリジンがアスパラギンに置換
(33)配列番号1の297番目のリジンがグルタミン酸に置換
(34)配列番号1の306番目のプロリンがスレオニンに置換
(35)配列番号13の34番目のグルタミンがアルギニンに置換
(36)配列番号13の45番目のグルタミンがリジンに置換
(37)配列番号13の82番目のグルタミンがプロリンに置換
(38)配列番号13の177番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(39)配列番号13の213番目のスレオニンがセリンに置換
(40)配列番号13の242番目のグルタミンがアルギニンに置換
(41)配列番号13の253番目のスレオニンがセリンに置換
(42)配列番号13の271番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
本発明において不溶性担体とは、ヒトIgG3の吸着/溶出に用いる溶液や溶剤に対して不溶性であり、かつ前述したFc結合性タンパク質を共有結合で固定化するための官能基(例えばヒドロキシ基)を有した物質であればよく、ジルコニア、ゼオライト、シリカ、皮膜シリカ等の無機系物質に由来した担体であってもよいし、セルロース、アガロース、デキストラン等の天然有機高分子物質に由来した担体であってもよいし、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリレート、ビニルポリマー等の合成有機高分子物質に由来した担体であってもよい。
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるヒトFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドで大腸菌を形質転換して得られた形質転換体を培養し、得られた菌体から前記Fc受容体タンパク質を精製することで、不溶性担体に固定化させるリガンドを調製した。
(2)ビニルポリマーゲル(トヨパール、東ソー社製)が有するヒドロキシ基に1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびエチレンジアミンを順次反応させることによってアミノ基を導入後、3−マレイミドプロピオン酸N−スクシンイミジルを反応させて、マレイミド基にて活性化されたトヨパールを得た。
(3)得られた前記活性化トヨパールに(1)で調製したリガンドを反応させることにより、ヒトFc結合性タンパク質固定化ゲルを作製した。
以下に示す方法で、ヒト血漿分画製剤であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所)からヒトIgG3試料の調製を行なった。
(1)プロテインAゲルであるTOYOPEARL AF−rProtein A−650F(東ソー社製)50mLをXK26/20カラム(GEヘルスケア社製)に充填することでアフィニティーカラムを作製した。
(2)(1)で作製したアフィニティーカラムを緩衝液A(20mM Tris−HCl(pH7.4)、0.5M NaCl)で平衡化後、緩衝液Aで45mg/mLに希釈したガンマグロブリン製剤25mLを流速5mL/minでアフィニティーカラムに添加し、素通り画分を回収した。
(3)(2)で回収した素通り画分を限外ろ過膜(ミリポア社製)にて5mLまで濃縮後、あらかじめ緩衝液B(0.1M リン酸緩衝液(pH7.0)、150mM NaCl)で平衡化したゲルろ過カラム(TSKgel G3000SW(21.5mmφ×30cm)、東ソー社製)に、流速3mL/minで添加し、3mLずつ画分を回収した。
(4)(3)で回収した画分の純度をSDS−PAGEで確認後、ヒトIgG3を多く含む画分を集めて、限界ろ過膜(ミリポア社製)にて濃縮した。
(5)上記(1)から(4)の操作を繰り返すことで、約50mgのヒトポリクローナルIgG3を調製した。
(1)抗IL−8抗体(ヒトIgG1)を生産するCHO細胞(ATCC No.CRL−12445)を培養し、清澄化してCHO細胞培養液を得た。
(2)得られた培養液を、プロテインAゲルを充填したカラム(MabSelect SuRe、GEヘルスケア社製)に添加することで抗IL−8抗体を吸着させ、素通り画分を回収することで抗体を含まないCHO細胞培養液を得た。
(3)(2)で調製した培養液に、実施例2で調製したヒトIgG3試料を、終濃度0.8mg/mLとなるように添加することで、ヒトIgG3を含むCHO細胞培養上清を調製した。
実施例3で調製したヒトIgG3を含むCHO細胞培養上清1mLを、実施例1で作製したヒトFc結合性タンパク質固定化ゲル(5mmφ×20mm、容量0.4mL)を用いて精製した。精製条件を表1に示す。
実施例3で調製したヒトIgG3を含むCHO細胞培養上清1mLを、1mL容のプロテインAゲルカラム(MabSelect SuRe、GEヘルスケア社製)を用いて精製した。精製条件を表2に示す。
(1)実施例1で作製したヒトFc結合性タンパク質固定化ゲルおよび市販のプロテインG固定化ゲル(HiTrap ProteinG HP、GEヘルスケア社製)を、それぞれ空カラム(5mmφ×5mm)に充填して、アフィニティーカラムを作製した。
(2)作製した各アフィニティーカラムに対し、実施例2で調製したヒトIgG3試料を添加してヒトIgG3を吸着させ、PBS(Phosphate Buffered Saline)で洗浄後、pHグラジェントをリニアにかける溶出を行なうことで、アフィニティーカラムからのヒトIgG3の溶出し易さを評価した。実験条件を表3に示す。
(1)実施例1で作製したヒトFc結合性タンパク質固定化ゲルを4.6mmφ×35mmのステンレス製カラムに充填してアフィニティーカラムを作製した。
(2)実施例2で調製したヒトIgG3試料を濃度1mg/mLとなるようPBSで希釈後、(1)で作製したアフィニティーカラムに、流速0.1mL/分で添加した。本条件でのアフィニティーカラム滞留時間は5.8分となる。
(3)アフィニティーカラムから溶出した液を吸光度280nmでモニターし、溶出液の濃度が0.1mg/mL(10%破過)となるまでヒトIgG3試料溶液を通液した。
Claims (2)
- ヒトFc結合性タンパク質を不溶性担体に固定化した吸着剤を用いた、ヒトIgG3の精製方法であって、ヒトFc結合性タンパク質が配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも16番目のグルタミンから289番目のバリンまでのアミノ酸を含むタンパク質であり、吸着剤に吸着したヒトIgG3をpH3.5〜5.0で溶出させる前記方法。
- ヒトIgG3が、ヒトIgG3のFc領域を含むキメラ抗体、またはヒトIgG3のFc領域と他のタンパク質との融合タンパク質である、請求項1に記載の精製方法。
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