JP6114422B2 - 貼り合わせ基板の分断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの脆性材料基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板、例えば、相異なる材料からなる2つの脆性材料基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を分断するために使用する装置に関する。
2つの脆性材料基板を接着剤(樹脂)にて貼り合わせてなる貼り合わせ基板、特に、相異なる材料からなる2つの脆性材料基板を接着剤にて貼り合わせてなる貼り合わせ基板(異種材料貼り合わせ基板)は、種々のデバイスの基板として使用されている。例えば、一方主面に所定のデバイス(例えば、CMOSセンサなど)用のパターンを形成してなる単結晶シリコン基板などの半導体基板の他方主面を、支持基板としてのガラス基板に貼り合わせてなるものなどがある。そうしたデバイスは、回路パターンを2次元的に繰り返し形成してなる母基板としての単結晶シリコンウェハ上とガラス基板とを接着剤(樹脂)によって貼り合わせた後、所定のサイズの短冊状あるいは格子状の個片(チップ)に分断することによって、作製されてなる(例えば、特許文献1参照)。
また、あらかじめ一方主面にスクライブラインを形成しておいた脆性材料基板を、3点曲げ方式により該スクライブラインからクラックを伸展させることによって分断する装置(ブレーカー)も、すでに公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−40621号公報 特開2014−83821号公報
本発明者らは、一方の脆性材料基板(シリコン基板)にパターンが形成されてなる(異種材料)貼り合わせ基板の分断(個片化)方法として、当該パターンが形成されている面に保護フィルムを貼り付けた後、他方の脆性材料基板(ガラス基板)側にスクライブラインを形成したうえで、特許文献2に開示されているようなブレーカーにより該スクライブラインに沿ってブレークすることを試みた。
しかしながら、係る手法によりブレークを行った場合、2つの脆性材料基板の間に接着剤の層が介在することなどが理由で、スクライブラインからのクラックの伸展方向が基板の厚み方向から斜めにずれてしまうという不具合が生じることがあった。また、ブレーカーの上刃による上方からの押し込み量(上刃が貼り合わせ基板又は保護フィルムに当接してからブレークが完了するまでの上刃の下降距離)が大きいために、貼り合わせ基板の位置ズレが発生しやすいという不具合もあった。これらの不具合の発生は、チップの品質劣化を生じさせるなど、チップの歩留まりを下げる要因となるため、好ましくない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、貼り合わせ基板、特に異種材料貼り合わせ基板を好適に分断することができる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の分断装置は、2つの脆性材料基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を所定の分断予定位置において分断する装置であって、一方主面側には前記分断予定位置にスクライブラインが形成され、且つ、前記一方主面が下方に向けられ、保持テープに貼り付けられた前記貼り合わせ基板を、下方から支持する弾性体と、前記弾性体の上方に備えられた上刃の先端を前記分断予定位置に当接させるようにしながら下降させることによって、前記貼り合わせ基板を分断する分断手段を備え、前記保持テープと前記弾性体との間の静止摩擦係数が前記貼り合わせ基板の一方主面と前記保持テープとの間の静止摩擦係数よりも低いことを特徴とする。
本発明によれば、従来の3点曲げ方式よりも少ない上刃の押し込み量で異相界面を含む貼り合わせ基板を好適に分断することができる。しかも、分断によって得られる個片に位置ずれが生じることのない、良好な分断が可能となる。
本発明の実施の形態に係る分断方法の対象となる貼り合わせ基板10の構成を示す模式断面図である。 スクライブラインSが形成された貼り合わせ基板10を示す模式断面図である。 スクライブラインSが形成された貼り合わせ基板10の3点曲げ方式によるブレーク工程を示す模式断面図である。 本実施の形態における貼り合わせ基板10の分断の様子を示す図である。 分断によって得られた個片が保持テープ5から離脱してしまう場合の様子を示す図である。 個片が保持テープから離脱する不具合が生じることを防ぐための措置が施された弾性体201を例示する図である。 弾性体201の接触面201sに平滑化処理を施してなる場合の分断の様子を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る分断方法の対象となる異種材料の貼り合わせ基板(以下、単に貼り合わせ基板)10の構成を示す模式断面図である。図2は、スクライブラインSが形成された貼り合わせ基板10を示す模式断面図である。本実施の形態においては、いずれも脆性材料基板の一種であるガラス基板1と半導体基板(例えばシリコン基板)2とを接着剤からなる接着層3にて接着してなる貼り合わせ基板10を、分断の対象とする。
ガラス基板1および半導体基板2の厚み、さらには貼り合わせ基板10の平面サイズには、特段の制限はなく、分断および前後の工程におけるハンドリングの容易さや処理効率等を鑑みて、適宜の大きさが選択されてよい。
また、接着剤の材質には、ガラス基板1と半導体基板2との間における接着強度が確保される一方で、分断を好適に行える限りにおいて、特段の制限はないが、例えば、紫外線(UV)硬化樹脂などが好適に使用される。また、本実施の形態に係る分断方法を好適に実現可能とするという観点からは、接着層3の厚みは、5μm〜200μm程度、通常は5μm〜50μm程度であるのが好ましい。
半導体基板2の非接着面側には、所定のデバイス(例えば、CMOSセンサなど)用のパターンが形成されていてもよい。
以上のような構成を有する貼り合わせ基板10を分断にするには、まず、図2に示すように、あらかじめ定めた分断予定位置Aに沿ってガラス基板1の非接着面にスクライブラインSを形成する。図2においては、図面に垂直な方向に分断予定位置AおよびスクライブラインSが延在する場合を表している。スクライブラインSは、ガラス基板1の厚み方向に伸展するクラック(微小クラック)がガラス基板1の非接着面上で線状に連続したものである。
なお、図2においては図示の簡単のため一の分断予定位置AおよびスクライブラインSのみを示しているが、例えば貼り合わせ基板10を短冊状もしくは格子状に分断するなど、複数箇所で分断して多数の個片を得るような場合には、全ての分断予定位置Aに対してスクライブラインSを形成する。以降、特に断らないが、その場合には、後段の処理についても、全ての分断予定位置Aに対してなされることになる。
スクライブラインSの形成には、公知の技術を適用可能である。例えば、超硬合金、焼結ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンド等からなり、円板状をなし、かつ、外周部分に刃として機能する稜線を備えるカッターホイール(スクライブホイール)を、分断予定位置Aに沿って圧接転動させることによって、スクライブラインSを形成する態様であってもよいし、分断予定位置Aに沿ってダイヤモンドポイントにより罫描くことによってスクライブラインSを形成する態様であってもよいし、レーザ(例えば、紫外線(UV)レーザ)照射によるアブレーションや変質層の形成によってスクライブラインSを形成する態様であってもよいし、レーザ(例えば、赤外線(IR)レーザ)による加熱と冷却とによる熱応力によってスクライブラインSを形成する態様であってもよい。
本実施の形態においては、このようにスクライブラインSが設けられてなる貼り合わせ基板10を対象として、分断予定位置Aにおける分断を行う。概略的にいえば、スクライブラインSから厚み方向に(より詳細には、貼り合わせ基板10の主面に垂直な方向に)クラックCR(図4参照)を伸展させることによって、貼り合わせ基板10を分断する。
図3は、比較のために示す、従来の3点曲げ方式による貼り合わせ基板10の分断の様子を示す図である。従来の分断方法においては、まず、図3(a)に示すように、貼り合わせ基板10のガラス基板1側に粘着性を有する保持テープ5を貼り付ける。なお、保持テープ5は、分断によって得られるチップ(個片)が飛散等しないように該チップを保持するために用いられる。保持テープ5としては、例えば、ダイサーによるダイシングに際して同様の目的で用いられるいわゆるダイシングテープが好適に使用できる。図3に示すように、半導体基板2の表面に必要に応じて保護フィルム4を貼り付けてもよい。半導体基板4の表面に保護フィルム4を貼り付けることによって基板とブレーク刃の接触による基板の破壊を防止することができる。
そして、水平方向において離隔させた2つの下刃101A、101Bの間にスクライブラインSの形成箇所を位置させる態様にて、換言すれば、互いに平行に配置された2つの下刃101A、101Bの間においてスクライブラインSをそれぞれに平行に配置させる態様にて、ガラス基板1の側を下方に向けた貼り合わせ基板10を2つの下刃101A、101Bによって下方から支持させる。そして、係る支持状態において、上刃102を上方からスクライブラインSの形成位置(つまりは分断予定位置A)に向けて下降させて貼り合わせ基板10に当接又は保護フィルム4を介して当接させ、さらに上刃102を押し込むように下降させる。なお、下刃101A、101Bは貼り合わせ基板10に比して十分に剛性を有する部材にて設けられる。
係る態様にて上刃102を押し込んだ場合、図3(a)に示すように、保護フィルム4の上刃102が当接している箇所に対し、下方に向いた力F1が加わるとともに、係る力F1に対する反力(力F1および貼り合わせ基板10の自重による圧縮に対抗する力)として、2つの下刃101Aおよび101Bのそれぞれの端部101aおよび101bから貼り合わせ基板10に向けて、上向きの力F2a、F2bが生じる。クラックCRの伸展とともに、図3(b)に示すように、貼り合わせ基板10の分断されていく左右2つの部分は、端部101aおよび101bを支点として傾いていく。これに伴い、スクライブラインSが形成されていた箇所から断面視くさび形状の間隙Gが徐々に広がっていく。クラックCRの伸展は、貼り合わせ基板10の内部に存在する異相界面(ガラス基板1と接着層3の界面、接着層3と半導体基板2との界面)においても維持されるので、最終的には図3(c)に示すように、貼り合わせ基板10は主面に垂直に分断される。なお、分断が完了した時点における、分断によって生じた2つの分断面のなす角度(間隙角度)をαとする。
以上のような態様の従来の分断手法は、概略、力F1および力F2a、F2bを作用させることによって、2つの下刃101Aおよび101Bのそれぞれの端部101aおよび101bを支点とする相反する向きのモーメントを生じさせ、これによって分断されていく左右2つの部分に相反する向きの回動を生じさせることによって、分断を進行させるものといえる。係る手法においては、上刃102の押し込みによって貼り合わせ基板10に与えられるエネルギーの相当分が、回動に費やされることとなっている。
図4は、本実施の形態における貼り合わせ基板10の分断の様子を示す図である。本実施の形態において貼り合わせ基板10を分断する場合も、従来の手法と同様、まずは、貼り合わせ基板10のガラス基板1側に粘着性を有する保持テープ5を貼り付ける。
次に、図4(a)に示すように、保持テープ5が貼り付けられた側の主面側を下に向けた姿勢で、係る貼り合わせ基板10を、当該主面が全面に接触するように弾性体201の上に載置する。本実施の形態において、弾性体201とは、硬度が65°〜95°、好ましくは70°〜90°、例えば80°である材質のものをいう。係る弾性体201としては、例えばシリコーンゴムなどを好適に用いることができる。なお、図4(a)に示すように、弾性体201はテーブルなどの支持体202によって支持されていてもよい。スクライブラインを弾性体201及び支持体202側から観察(認識)する場合には、弾性体201及び支持体202は透明であることが好ましい。
本実施の形態においては、係る載置状態で分断を行う。具体的には、スクライブラインSから厚み方向にクラックCRを伸展させるべく、上刃102を上方からスクライブラインSの形成位置(つまりは分断予定位置A)に向けて下降させることによって貼り合わせ基板10に当接させ、さらに上刃102を押し込むように下降させる。
係る態様にて上刃102を押し込んだ場合、図4(a)に示すように、保護フィルム4の上刃102が当接している箇所に対し、下方に向いた力F1が加わる。すると、係る力F1に対する反力(力F1および貼り合わせ基板10の自重による圧縮に対抗する力)として、弾性体201から貼り合わせ基板10に向け、上刃102の当接位置の直下の位置を中心に、上向きの弾性力F2が生じるが、その後直ちに貼り合わせ基板10の分断されていく左右2つの部分が傾き始めてスクライブラインSからクラックCRが伸展し、図4(b)に示すように断面視くさび形状の間隙Gが広がっていく。本実施の形態に係る分断方法の場合も、クラックCRの伸展は、貼り合わせ基板10の内部に存在する異相界面(ガラス基板1と接着層3の界面、接着層3と半導体基板2との界面)においても維持される。それゆえ、最終的には、図4(c)に示すように、貼り合わせ基板10は主面に垂直に分断される。
より詳細には、クラックCRが伸展し始めて間隙Gが形成され始めると、貼り合わせ基板10の分断されていく左右2つの部分のそれぞれの弾性体201との当接面に、弾性力F2a、F2bが作用する。そして、従来の手法と同様、クラックCRの伸展とともに、図4(b)に示すようにスクライブラインSが形成されていた箇所から断面視くさび形状の間隙Gが徐々に広がっていく。
なお、その際、実質的には、図4(b)に示すように、間隙Gを形成する左右2つの分断面の近傍がそれぞれ、弾性力F2a、F2bが集中的に作用する弾性力集中部位201a、201bとなるので、本実施の形態に係る分断方法も、3点曲げ方式に準じるものであるともいえる。
しかしながら、係る本実施の形態の分断方法の場合、上述した従来の分断方法とは異なり、間隙Gが徐々に広がっていくにつれて、弾性力集中部位201a、201bは矢印AR1、AR2にて示すように変位するものの、貼り合わせ基板10は全体として弾性体201に支持されているので、貼り合わせ基板10には弾性力集中部位201a、201bを支点とするモーメントは生じにくくなっている。このことは、本実施の形態の分断方法では、上刃102の押し込みによって貼り合わせ基板10に与えられるエネルギーが、より効率的に分断に寄与するということを、意味している。具体的には、貼り合わせ基板10の分断予定位置(クラックCRの伸展対象位置)に生じる、互いに逆向きの力F3a、F3bが、従来手法に比して大きなものとなる。係る力F3a、F3bはクラックCRの伸展に、特に、接着層3の分断(引き裂き)に効果的に作用する。
結果として、係る本実施の形態の分断方法の場合、上刃102の押し込み量を従来ほど大きくせずとも、貼り合わせ基板10を好適に分断することができる。また、本実施の形態の分断方法における間隙角度の大きさをβとするとき、β<αが成り立つ。それゆえ、従来の分断手法の場合に生じていた、間隙角度αが大きくなってしまうことにより貼り合わせ基板10に位置ズレが生じてしまうという不具合が、本実施の形態に係る分断方法においては、好適に抑制されるものとなっている。
<分断後の離脱防止>
上述のように、貼り合わせ基板10は、弾性体201で支持することにより、3点曲げ方式にて分断することが可能である。しかしながら、一の貼り合わせ基板10を複数の箇所で分断して多数個の個片を得る場合において、弾性体201と、貼り合わせ基板10を貼り付ける保持テープ5との組み合わせによっては、分断によって得られた個片が保持テープ5から離脱してしまうことがある。図5は、係る離脱が生じてしまう場合の様子を示す図である。なお、図5においては貼り合わせ基板10の図示を簡略化するとともに、上刃102および支持体202の図示を省略している。
図5(a)においては、先の分断によって個片10aを得た後、続いて個片10bを得ようとするときに、保持テープ5に作用する力を示している。
まず、上述のように、個片10bを得るべく上刃102から力F1が貼り合わせ基板10に加えられると間隙Gの形成が進むが、その際、互いに引き離されていく個片10bおよび貼り合わせ基板の残りの部分(以下、便宜上、これも個片と称する)10cから、それらと接着している保持テープ5に対し、該保持テープ5を弾性体201の表面に沿って外側に伸ばそうとする力F11a、F11bが作用する。なお、これらの力F11a、F11bには、個片10bおよび部分10cと保持テープ5との間に作用する接着力の当該方向への成分も含むものとする。係る力F11a、F11bは、分断に際して生じる個片の外側向きの動きに保持テープ5を追随させる力に相当する。
ただし、係る力F11a、F11bが作用する保持テープ5には、弾性体201との間に、それらの力F11a、F11bに反する向きに摩擦力F12a、F12bが、弾性体201の表面に沿って作用する。ここで、摩擦力F12a、F12bは、最大静止摩擦力を最大値とする力であり、これは静止摩擦係数が大きいほど大きな値をとる。係る静止摩擦係数が大きいほど、保持テープ5が弾性体201に対して滑りにくい材質でできているということになる。
さらに、保持テープ5には、上刃102が押し込まれて弾性体201が圧縮されることに伴って、該保持テープを中心向きに伸ばそうとするF13a、F13bも作用する。なお、上刃102による圧縮に際しては弾性体201も保持テープ5と同じ向きに力を受けて変位するので、力F13a、13bが作用することによって両者の間に摩擦力が発生することはない。
結局のところ、分断が行われている間、保持テープ5に対しては、外側向きに力F11a、F11bが作用し、中心向きに力F12a、F12bおよび力F13a、13bが作用していることになる。
それゆえ、分断が良好に行われるには、力F11a、F11bがそれぞれ、F12a、F13aが最大値であるときの合力F12a+F13aおよび合力F12b+F13bを超えることが求められる。仮に保持テープ5が弾性体201に対して滑りにくい材質でできているために、力F11a、F11bがそれぞれ、それらの合力F12a+F13aおよび合力F12b+F13bを超えることがない場合、個片10bが保持テープ5を引き延ばそうとする外側向きの力よりも、内側向きの力の方が大きいために、図5(b)において破線部Cとして示すように、個片10bと保持テープ5との接着状態は維持されなくなって、分断途中の個片10bが保持テープ5から浮き上がってしまうことが起こり得る。すなわち、貼り合わせ基板10を分断することによって得られた個片10bが、保持テープ5から離脱してしまうことが起こり得る。なお、個片10bよりも自重が大きい個片10cにはこのような離脱は生じにくいが、原理的には同様の状況が起こり得る。
図6は、このような不具合が生じることを防ぐための措置が施された弾性体201を例示する図である。
具体的には、保持テープ5と弾性体201との間の静止摩擦係数を低減させるべく、つまりは、保持テープ5を弾性体201に対し滑りやすくするべく、弾性体201の保持テープ5との接触面201sに、平滑化処理を施してなる。ここで、平滑化処理とは、例えば、フィルム貼付けやコーティングなどが例示される。
図7は、弾性体201の接触面201sに平滑化処理を施してなる場合の分断の様子を示す図である。なお、図7においても、図5と同様、貼り合わせ基板10の図示を簡略化するとともに、上刃102および支持体202の図示を省略している。
まず、図7(a)においては、図5(a)と同様、先の分断によって個片10aを得た後、続いて個片10bを得ようとするときに、保持テープ5に作用する力を示している。係る場合に保持テープ5に作用する力の種類は図5(a)に示した場合と同様であるが、このときに保持テープ5が弾性体201から受ける摩擦力F14a、F14bの最大値は、接触面201sに平滑化処理が施されて静止摩擦係数が低減されてなることによって、図5(a)に示した摩擦力F12a、F12bの最大値よりも小さくなっている。その結果として、力F11a、F11bがそれぞれ、摩擦力F14a、F14bが最大静止摩擦力であるときの合力F14a+F13aおよび合力F14b+F13bの値よりも大きくなった場合、上刃102によって中心部分を押さえられている保持テープ5は、図7(b)に示すように、個片10bおよび10cが外側向きに動こうとする際にこれに追随する。このとき、保持テープ5には矢印AR11〜AR14に示すような伸びが生じ、個片10bは離脱することなく分断される。
なお、より詳細いえば、個片10bおよび10cの動きに保持テープ5が追随する際に保持テープ5と弾性体201との間に作用している摩擦力F14a、F14bは動摩擦力であり、これは動摩擦係数に依存する値であるが、弾性体201の接触面201sに対し平滑化処理が施された場合には静止摩擦係数のみならず係る動摩擦係数も低減されることから、平滑化処理が施されれば、個片10bの離脱は好適に抑制される。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、2つの脆性材料基板、特に異種材料からなる2つの脆性材料基板を接着剤にて貼り合わせてなる貼り合わせ基板を所定の分断予定位置において分断するにあたって、まず、貼り合わせ基板の一方主面側の分断予定位置にスクライブラインを設ける。そして、係るスクライブラインが形成されてなる側の主面を保持テープに貼り付け、必要に応じて他方主面に保護フィルムを貼り付けたうえで、係る保持テープの側を下方にして貼り合わせ基板を弾性体上に載置する。係る載置状態で、上刃を上方から貼り合わせ基板の分断予定位置に対し下降させる。これにより、従来の3点曲げ方式よりも少ない上刃の押し込み量で異相界面を含む貼り合わせ基板を好適に分断することができる。しかも、分断によって得られる個片に位置ずれが生じることのない、良好な分断が可能となる。
また、弾性体の表面に平滑化処理を施しておくことで、分断によって得られる個片が保持テープから離脱することが好適に抑制される。
<変形例>
上述の実施の形態に係る脆性材料基板としては、ガラス基板、シリコン基板の他、種々の半導体基板、サファイア基板、アルミナ基板等のセラミックス基板、ガラスセラミックス基板(いわゆるLTCC基板)等を例示することができる。
異種材料貼り合わせ基板の場合、分断されやすい性状(高い脆性、小さい厚み)を有する脆性材料基板側に必要に応じて保護フィルムを形成し、分断されにくい性状(低い脆性、大きい厚み)を有する脆性材料基板側にスクライブラインを形成することが好ましい。
1 ガラス基板
2 半導体基板
3 接着層
4 保護フィルム
5 保持テープ
10 貼り合わせ基板
10a、10b、10c (貼り合わせ基板を分断して得られる)個片
101A、101B 下刃
102 上刃
201 弾性体
201a、201b 弾性力集中部位
201s 接触面
202 支持体
α、β 間隙角度
A 分断予定位置
CR クラック
G 間隙
S スクライブライン

Claims (1)

  1. 2つの脆性材料基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板を所定の分断予定位置において分断する装置であって、
    一方主面側には前記分断予定位置にスクライブラインが形成され、且つ、前記一方主面が下方に向けられ、保持テープに貼り付けられた前記貼り合わせ基板を、下方から支持する弾性体と、
    前記弾性体の上方に備えられた上刃の先端を前記分断予定位置に当接させるようにしながら下降させることによって、前記貼り合わせ基板を分断する分断手段を備え、
    前記保持テープと前記弾性体との間の静止摩擦係数が前記貼り合わせ基板の一方主面と前記保持テープとの間の静止摩擦係数よりも低いことを特徴とする、貼り合わせ基板の分断装置。
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