JP6113757B2 - 自己インデクシングナットプレート - Google Patents

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Description

商用航空機ではワイヤバンドルの管理用にスパナバー及び他の二次支持構造体が一般的に使用されている。典型的なスパナバーには、ランド(lands)で分離された取付孔の反復パターンを有する、薄いゲージ部材が含まれる。
スパナバーは一次航空機構造体に固定されていてもよい。Pクランプ及びリングポストなどのワイヤ支持ハードウェアはスパナバーに締結され、ワイヤバンドルはワイヤ支持ハードウェアに固定される。
リングポストは以下のようにスパナバーに締結されてもよい。リングポストはスパナバーの前面に配置されている。リングポストのネジ端部はスパナバーの選択開放孔に揃えられる。リングポストのネジ端部は、ネジがスパナバーの裏側に露出するまで、選択孔を通して操作される。リングポストのネジ端部の上にルースワッシャーとナットが配置され、ネジ止めされる。ナットは、スパナバーに対してしっかりと固定されるまで、手工具によって締め付けられる。この工程は各リングポストに対して反復される。
ワイヤ支持ハードウェアをスパナバーに取り付ける部品数及び実装回数は減らすことが望ましい。1組のナットとワッシャーに対する一見わずかな削減であっても、商用航空機の二次支持構造体上での締結操作は膨大な数になるため、大きな影響を及ぼしうる。
本明細書に記載の実施形態によれば、航空機は二次支持構造体、及び二次支持構造体に係合するナットプレートを含む。ナットプレートは、ナットプレートの二次支持構造体に沿った動きを抑制するため、二次支持構造体の取付孔に係合する少なくとも1つの位置決め突起部を含む。ナットプレートはさらに、ナットプレートの二次支持構造体から離れる動きを追加的に抑制する手段を含む。
本明細書に記載の別の実施形態によれば、装置は、取付孔とランドの交互パターンとなる面を有するスパナバー、及びスパナバーに係合するナットプレートを備える。ナットプレートは、取付面及びスパナバーに接する取付面からアクセス可能な内面がネジ切りされたボアを有するボディ;各突起部がナットプレートのスパナバーに沿った動きを抑制するように取付孔の1つに係合している、取付面から延在する少なくとも1つの突起部;及び、取付ハードウェアを連携させることなく、ナットプレートのスパナバーから離れる動きを抑制するようにスパナバーに係合するための手段、を含む。
本明細書に記載の別の実施形態によれば、ナットプレートは、取付孔とランドがベースに等間隔で並んでいる薄いゲージ部材に係合するように構成されている。ナットプレートは、取付面及び取付面からアクセス可能な内面がネジ切りされたボアを有するボディ;取付面から取付孔の1つの中へ延在するように構成された位置決め突起部;及び、ボディに対して片持ち支持されてボディから外へ向かって延在する第1及び第2の弾性フィンガータブ、を含む。タブは、ナットプレートがベースから離れる動きを抑制するため、部材のリターンフランジに解放可能に係合するように構成されている。
これらの特徴、及び機能は、種々の実施形態において単独で達成することができるか、または他の実施形態において組み合わせることができる。実施形態のさらなる詳細は、下記の説明及び図面を参照することによって理解することができる。
航空機の図解である。 航空機の胴体の中の配線路ワイヤバンドルの図解である。 航空機の胴体の中の配線路ワイヤバンドルの図解である。 スパナバー及び自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の実装方法及び使用方法の図解である。 各種の実装段階での自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 各種の実装段階での自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 各種の実装段階での自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 各種の実装段階での自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 各種の実装段階での自己インデクシングナットプレートの第1の実施形態の図解である。 2つの側壁、側壁間隙カバー、自己インデクシングナットプレート、及び側壁間隙カバー取付用の長穴パターンを有するブラケットの図解である。 自己インデクシングナットプレート及び図7Aのブラケットの図解である。 図7Bのナットプレートの断面図である。 自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態の図解である。 リターンフランジを有するスパナバー上に自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態を実装する方法の図解である。 リターンフランジを有するスパナバーに係合する自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態の図解である。 リターンフランジを有するスパナバーに係合する自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態の図解である。 リターンフランジを有するスパナバーに係合する自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第2の実施形態に締結されうる各種の取付ハードウェアの図解である。 自己インデクシングナットプレートの第3の実施形態の図解である。 自己インデクシングナットプレートの第3の実施形態の図解である。 ブラケット、自己インデクシングナットプレート、及び押し込み式締結具を含むアセンブリの図解である。 ブラケット、自己インデクシングナットプレート、及び押し込み式締結具を含むアセンブリの図解である。 一般的な自己インデクシングナットプレートの図解である。
図1を参照すると、胴体110、翼アセンブリ120、尾部130、及び着陸装置アセンブリ140を含む航空機100が図解されている。推進エンジン150は翼アセンブリ120に取り付けられている。
航空機100はさらに、配線アセンブリ及び配管アセンブリを含む。配線アセンブリは、スパナバーなどの二次支持構造体に取り付けられるワイヤバンドルを含む。配管アセンブリは、連結管とスパナバーなど、二次支持構造体に取り付けられる配管を含む。これらの二次支持構造体は、胴体110及び翼アセンブリ120の内部に配置されることがある。
次に図2Aを参照すると、航空機胴体110の内部の幾つかの配線路ワイヤバンドル210、220、及び230が図解されている。フレームベイ配線路ワイヤバンドル210は、胴体110のフレーム112の間に配置されている。クラウン配線路ワイヤバンドル220は、胴体110のフレーム112を横断するように延在している。床配線路ワイヤバンドル230は、胴体110の床114の下に配置され、幾つかの床梁116を横断するように延在している。床配線路ワイヤバンドル230は、小さな管232を支持する。
さらに図2Bを参照すると、クラウン配線路ワイヤバンドル220の一部がさらに詳細に示されている。バンドル220のワイヤ222はスパナバー240に固定されている。スパナバー240は次に、ブラケット250によってフレーム112に固定されている。
スパナバー240は、ランドで分離された取付孔の反復パターンを有する薄いゲージ部材であってもよい。例えば、スパナバー240は、ランドによって分離された取付孔が事前に等間隔で穿孔された開孔パターンを有してもよい。
図13を参照すると、スパナバー240などの二次支持構造体にワイヤ支持ハードウェアを締結するための一般的な自己インデクシングナットプレート1310が図解されている。各ナットプレート1310は少なくとも1つの位置決め突起部1312を含む。各突起部1312は、ナットプレート1310の二次支持構造体に沿った動きを抑制するため、二次支持構造体の取付孔の1つに係合する。ナットプレート1310はさらに、ナットプレート1310の二次支持構造体から離れる動きを追加的に抑制する手段1314を含む。
図3は自己インデクシングナットプレート340の第1の実施形態を図解している。ナットプレート340はスパナバー310と係合して所定の位置に固定され、ナットプレート340の内面がネジ切りされたボアはスパナバー310の取付孔320に揃えられる。ナットプレート340は、リングポスト350又はPクランプ360(ワイヤバンドル又は配管を保持する)などの締結具ハードウェアを実装する前に、スパナバー310に係合される。その後、リングポスト350のネジ切りスタッド352又はPクランプボルト362が、スパナバー310の取付孔320に挿入され、ナットプレート340のボアに螺入されてもよい。ワイヤバンドル(図示せず)は、リングポスト350がナットプレート340に螺入された後に、リングポスト350に取り付けられてもよい。ワイヤバンドル又は配管(図示せず)は、Pクランプボルト362がナットプレート340に螺入されるにつれて、Pクランプ360によって保持される。
図4A及び4Bを参照すると、自己インデクシングナットプレート340のさらに詳細な第1の実施形態が図解されている。ナットプレート340は、平坦な取付面420及び取付面420まで延在する内面ボア450を有するボディ410を含む。ボア450は、締結具ハードウェア(例えば、リングポスト350)を係合するための内面がネジ切りされた部分460を有してもよい。幾つかの実施形態では、ネジ切りされた部分460は全長がネジ切りされた金属挿入物であってもよい。
ナットプレート340はさらに、取付面420から延在する第1及び第2の取付ポスト(位置決め突起部)430及び440を含む。取付ポスト430及び440は取付面420に対して直交していてよい。各取付ポスト430及び440は逃げ溝部分Uを有する。幾つかの実施形態では、ポスト430及び440は共に、ポスト430及び440よりも大きな断面を有する円形キャップ435及び445(抑制手段)で終端する。これらの実施形態では、各逃げ溝Uは、キャップ435又は445、ポスト430又は440、及び取付面420によって画定される。
ポスト430及び440はボア450の対向面に配置される。ボア450は、ポスト430及び440からオフセット距離だけずらされている(すなわち、ボア450はポスト430よりもポスト440に近い)。オフセット距離は、ポスト430及び440の逃げ溝部分Uがスパナバー310のランドに係合するとき(すなわち、ナットプレート340がスパナバー310に係合するとき)、ボア450がスパナバー310の孔320に揃うようになっている。
ナットプレート340はさらに、スプリングレバー480によってボディ410からヒンジ固定される固定部材470を含む。レバー480は、固定部材470を固定位置と非固定位置との間で動かすことができる。固定部材470は、スプリングレバー480の開放グリップレッジ482を引き上げることによって、後退させることができる。この後退機能は、誤配置されたナットプレート340を再配置可能にし、ナットプレート340をスパナバー310から解放して再利用可能にすることができるため、好ましい。
幾つかの実施形態では、ボディ410、ポスト430及び440、キャップ435及び445、固定部材470並びにスプリングレバー480はプラスチック製である。ボディ410は、全長がネジ切りされた金属挿入物の周囲に成形される突起を含んでもよい。
次に図4Cを参照すると、スパナバー310に固定されたナットプレート340が図解されている。図4Cはスパナバー310の次の特徴;第1のランド311、第1の孔312、第2のランド313、第2の孔314、第3のランド315、第3の孔316、及び第4のランド317を示す。
ナットプレート340は、ポスト430及び440がスパナバー310の第1のランド311及び第3のランド315に当接するとき、スパナバー310に係合する。ナットプレート340は、固定部材470を第3の孔316に挿入してポスト440と第4のランド317の間の空間を占めることによって、スパナバー310に固定される。このように固定されるナットプレート340により、ナットプレート340のボア450はスパナバー310の第2の孔314に揃えられる。
次に図4Dを参照すると、これはライン4D−4Dに沿った図4Bの断面図である。幾つかの実施形態では、ポスト430及び440は断面が楕円形であってもよい。さらに、ポスト430及び440は中実であることが好ましい。この幾何形状により、ポスト430及び440は、締結具(例えば、リングポストスタッド352)がナットプレート340上で回転されるときに発生するせん断力に耐えることができる。
ポスト430及び440は従来のピンバーブ(pin barb)よりも優れている。ポスト430及び440は従来のピンバーブよりも大きな断面積を有し、より大きなトルク負荷(締結具をナットプレートに螺入するときに発生する)を処理するのにさらに適している。ポスト430及び440はまた、より大きなレッジ面積を有し、軸荷重に抗することができる。したがって、ポスト430及び440はスパナバー310から係合が外れてナットプレート340を解放することが起こりにくい。これに対して、ピンバーブは内向きにつぶれて係合が外れる傾向にある。
次に図5及び図6A〜6Eを参照すると、二次支持構造体610の上にナットプレート340を実装する方法が図解されている。支持構造体610の3つの孔がナットプレート340によって使用される。
図5のブロック510及び図6Aを参照すると、ナットプレート340は片手で保持され、支持構造体610の面の上に配置される。ナットプレート340のポスト430及び440は、支持構造体610の第1の孔620及び第2の孔630に揃えられる。
図5のブロック520及び図6Bを参照すると、第1の取付ポスト430及び第2の取付ポスト440は、ナットプレート340の取付面が支持構造体610に接触するまで、第1の孔620及び第2の孔630に(矢印の方向に)しっかりと押し込まれる。この時点では、内面ボア450の中心軸は中心(第3の)孔640に揃っていない。加えて、スプリングレバー480は上向きに屈曲している。取付ポスト430及び440の逃げ溝部分は、支持構造体610に係合していない(図6Cも参照)。
図5のブロック530及び図6Dを参照すると、ナットプレート340は、取付ポスト430及び440がランド615及び625に当接するまで、矢印の方向に摺動される。この時点では、ナットプレート340のボア450は中心孔640に揃っている。したがって、ナットプレート340は自己インデクシングされている。
取付ポスト430及び440の逃げ溝部分は、支持構造体610のゲージよりもわずかに広くても或いは狭くてもよい。幾つかの実施形態では、間隙はわずかに狭くてもよく、ナットプレート340が押し込まれて係合する際に、キャップ445はランド625によって外向きに屈曲されてランド625に嵌る(図6E)。
図5のブロック540では、ナットプレート340は所定の位置に固定されている。スプリングレバー480は、第2の取付ポスト440とトレーリングランド635との間の空間に、固定部材470を押し込むように、押下される。固定部材470が孔630に嵌められる際に、「カチッ」という可聴音が発生することがある。可聴音によって、ナットプレート340が支持部材610に適切に係合したことを示す付加的情報が実装作業者に提供される。
第2の取付ポスト440のトレーリング面442は、固定部材470と結合するように平坦になっていてもよい(図6E)。固定部材470は、ナットプレート340が支持構造体610に沿って動くのを防止する。キャップ435及び445は、係合したナットプレート340が支持構造体610から引き離されるのを防止する。
図5のブロック550で、締結具はナットプレート340に実装される。これはナットプレートが実装された直後に、又はある程度時間が経過してから実行されてもよい。
ナットプレート340はスパナバー及び同様の二次支持構造体に限定されない。例えば、ナットプレート340は、ブラケットなどの二次支持構造体を介して側壁パネルに側壁間隙カバーを取り付けるために使用されてもよい。
次に図7Aを参照すると、2つの隣接する側壁パネル710及び712並びにその間の間隙714が図解されている。図7Aはまた、間隙714を覆うためのカバー720、カバー取付締結具740、及び関連するブラケット730を図解している。
さらに、図7Bを参照する。側壁間隙カバー720はブラケット730に取り付けられ、ブラケット730は第1の矩形スロット732及び第2の矩形スロット734、並びにその間の開口部(例えば、孔又は平行なスロット)736を備えるカスタムスロットパターンを有する。ナットプレート700は、矩形の断面を有する第1のポスト702及び第2のポスト704を含む(図7C)。ナットプレート700は、ポスト702及び704を矩形スロット732及び734に挿入し、ナットプレート700を矢印の方向に動かすことによって、ブラケット730に取り付けられる。次に、固定部材706が第2のポスト704とトレーリングランドとの間の空間に挿入される。この固定された位置で、ナットプレートのボア708は取付ブラケット730の開口部736に揃えられる。ナットプレート700が取付ブラケット730に固定された後、従来のネジ切りされた締結具740又はリングポストはナットプレート700に螺入される。
図8A及び8Bを参照すると、自己インデクシングナットプレート810の第2の実施形態が図解されている。ナットプレート810の第2の実施形態は、リターンフランジを有するスパナバーに係合するように構成されている。ナットプレート810は、平坦な取付面830及び取付面830まで延在する内面ボア840を有するボディ820を含む。ボア840は、締結具ハードウェアを係合するための内面がネジ切りされた部分を有してもよい。
ナットプレート810はさらに、取付面830から外向きに延在するボス(位置決め突起部)850を含む。ボス850は内面ボア840と同軸上に揃えられている。以下で説明するように、ボスはスパナバーの表面に沿ってナットプレートの動きを抑制するように構成されている。
ナットプレート810はさらに、ナットプレート810がスパナバーから離れる動きを抑制するため、第1及び第2の弾性フィンガータブ860及びクロスバー870を含む。第1及び第2の弾性フィンガータブ860は、ボディ820に対して片持ち支持されて、ボディ820の1つの端部から外へ向かって延在する。タブ860は、スパナバーのリターンフランジに解放可能に係合するように構成されている。クロスバー870はボディ820の対向端部に配置され、ボディ820を横断して延在する。
図9Aを追加的に参照すると、リターンフランジ902を有するスパナバー900の上にナットプレート810を実装する方法が図解されている。ステップ950では、ナットプレート810はスパナバー900の表面904上で横向きに配置され、クロスバー870は表面904に接触し、スパナバー900に沿って長さ方向に配向される。ステップ960では、ナットプレート810は、クロスバー870がスパナバー900の幅を横断して延在するまで、反時計まわりに90度回転される。
ステップ970では、弾性フィンガータブ860は、ナットプレート810がスパナバー表面904に向かって下向きに回転されるにつれて、内側に圧迫される。スパナバー900に沿ったナットプレート810の位置は、ボス850がスパナバー取付孔に係合するまで、調整される(取付孔は図10で最もわかりやすく図解されている)。ボス850は取付孔にぴったりと適合するように構成されている。ステップ970が完了した後に、ナットプレート820の取付面830はスパナバー表面904にぴったりとくっついている。
ステップ980では、弾性タブが解放され、タブ860がリターンフランジ902に係合する。ボス850はスパナバー900に沿ってナットプレート810の動きを抑制し、タブ860及びクロスバー870はナットプレート810がスパナバー900から離れる動きを抑制する。このように、ナットプレート810は、取付具ハードウェアと係合される前に、スパナバー900と係合される。
図9Bは、スパナバー900と係合しているナットプレート810の別の図解である。図9Cは、図9Bの線9C−9Cに平行な方向から見たナットプレート810及びスパナバー900の図解であるが、スパナバー900のリターンフランジ902に係合する弾性フィンガータブ860を示している。垂直停止ブロック及び多段加工部865は、リターンフランジ902の内寸の高さに適合する。
図9Dは、図9Bの線9D−9Dに平行な方向から見たナットプレート810及びスパナバー900の図解である。クロスバー870はスパナバー900のリターンフランジ902に当接している。
図10は、ナットプレート810に締結することによって、スパナバー900に固定されうる取付ハードウェアの様々な種類を図解している。取付ハードウェアは、限定しないが、Pクランプ1010、リングポスト1020、及びサドル1030を含む。
図11A及び11Bを参照すると、自己インデクシングナットプレート1110の第3の実施形態が図解されている。第2の実施形態と同様に、自己インデクシングナットプレート1110の第3の実施形態は、平坦な取付面1130及び内面ボア1140を有するボディ1120を含む。ナットプレート1110はさらに、ボディ1120に片持ち支持されて、ボディ1120から外へ向かって第1の方向に延在する第1及び第2の弾性フィンガータブ1150を含む。第1及び第2のタブ1150は、スパナバーのリターンフランジに解放可能に係合するように構成されている。
第2の実施形態とは異なり、ナットプレート1110の第3の実施形態は、ボスの代わりに第1及び第2の位置決めピン1170を含む。位置決めピン1170はスパナバーの2つの取付孔に係合するように構成されており、これによりナットプレート1110がスパナバーの表面に沿って移動するのを抑制する。位置決めピン1170が取付孔に係合すると、内面ボア1140はスパナバーの別の取付孔(2つの係合した孔の間)に揃えられる。
第2の実施形態とは異なり、ナットプレート1110の第3の実施形態は、クロスバーの代わりに第3及び第4の弾性タブ1160を含む。これらの付加的な弾性タブ1160はボディ1120に片持ち支持されて、ボディ1120から外に向かって、第1の方向と対向する第2の方向に延在する。第3及び第4のタブ1160はまた、スパナバーのリターンフランジに解放可能に係合するように構成されている。
各タブ1150及び1160は、垂直停止ブロック及び多段加工部を含む。これらは、リターンフランジの内寸の高さの許容誤差範囲に適合する。
ナットプレート1110の第3の実施形態を実装するため、第1及び第2のタブ1150が内側に圧迫され、第3及び第4のタブ1160が内側に圧迫される。ナットプレート1110はスパナバーの開放スロット上方に配置され、次にスロットまで降ろされる。位置決めピン1170は取付孔に配置され、次にタブ1150及び1160が解放される。ナットプレート1110は、取付具ハードウェアと係合される前に、スパナバーと係合される。
本明細書では、ナットプレートは、リングポスト及び他の支持ハードウェアに限定されることはなく、ネジ切りされた締結具に限定されることもない。例えば、ナットプレートは本明細書では押し込み式締結具と共に使用されてもよい。
図12A及び12Bを参照すると、ブラケット1220、自己インデクシングナットプレート1230、及び押し込み式締結具1240を含むアセンブリ1210が図解されている。ブラケット1220はナットプレート1230取付用の長穴パターンを有してもよい。押し込み式締結具1240は、例えば、Pクランプ1250をブラケット1220に締結するために使用されることがある。ナットプレート1230の内面ボア1235は、図12Bに示すように、滑らかであってもよく、また押し込み式バーブを係合する場合にはネジ切り加工が施されていなくてもよい。他の実施形態では、押し込み式締結具用にネジ切りされていてもよい。
本明細書に記載のナットプレートは、従来のナット及びワッシャーに対して幾つかの利点を提供する。本明細書に記載のナットプレートは、リングポストなどの締結具ハードウェアを実装する必要なく、実装されうる。独立して実装することにより、製造フローを軽減し、モジュラー化が可能となる。1つの実施例に過ぎないが、本明細書に記載の複数のナットプレートは、配線路ワイヤバンドルモジュールを形成するため、スパナバーにあらかじめ実装されている。配線路ワイヤバンドルをあらかじめ組み立てることによって、ワイヤバンドルを航空機に実装する際の実装作業者の接触時間が短縮される。ワイヤバンドルモジュールを実装することは、個々のワイヤを実装することよりも効率的である。
本明細書のナットプレートは自己インデクシング方式である。ナットプレートが二次支持部材に係合すると、そのボアは支持構造体の孔と位置が揃えられる。実装の時間は短縮される。
しかも、ナットプレートの実装に工具は不要である。締結具にワッシャーをはめ込み、締結具の上でナットを回すため、手先の器用さは要求されない。二次支持構造体の裏側を見る必要はない。本明細書に記載のナットプレートは二次支持構造体に押し込むだけで、所定の位置に嵌め込まれ、そこに固定される。
本明細書に記載のナットプレートは、従来のナット及びワッシャーよりも部品点数が少ない。締結具を不要にするだけでなく、ナットプレートはワッシャーも不要にする。
本明細書に記載されている単一のナットプレートによって可能になる時間と費用の節約はわずかかもしれない。しかしながら、商用航空機の締結作業の総数を考えると、総体での節約は相当量になりうる。
本開示の1つの態様は、二次支持構造体240、310、610、820、900、1220及び、ゲージを有する二次支持構造体240、310、610、820、900、1220に係合するナットプレート340、700、810、1110、1230、1310を備える航空機100に関する。ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310は、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310の二次支持構造体240、310、610、820、900、1220に沿った動きを抑制するため、二次支持構造体240、310、610、820、900、1220の取付孔310、314、316、320、620、630、732、734に係合する少なくとも1つの位置決め突起部430、440、470、702、704、706、850、1170、1312を含む。ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310はまた、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310の二次支持構造体240、310、610、820、900、1220から離れる動きを追加的に抑制するための手段U、860、1150、1160、1314を含む。
航空機100の1つの実施例では、二次支持構造体240、310、610、820、900、1220はスパナバー240、310、900を含み、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310は取付ハードウェアを使用することなく抑制される。
1つの変形例では、航空機100はまた、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310に締結される取付ハードウェア740、840、850、1010、1020、1030、1240、1250を含む。
1つの代替例では、航空機100はまた、取付ハードウェア740、840、850、1010、1020、1030、1240、1250によって支えられるワイヤバンドル210、220、230を含む。
別の実施例では、航空機100はまた、取付ハードウェア740、840、850、1010、1020、1030、1240、1250によって支えられる配管232を含む。
航空機100の別の変形例では、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310は、内面がネジ切りされたボア450、460、708、840、1140、1235を有するボディ410、820、1120を含む。
航空機100の別の代替例では、ボディ410、820は二次支持構造体240、310、610、820、1220に対して取付面420、830を有する。少なくとも1つの位置決め突起部430、440、470、702、706、850、1170、1312は第1及び第2のポスト430、440、702、704並びに固定部材470、706を含む。第1及び第2のポスト430、440、702、704は取付面420、830から延在し、スパナバー240、310を備える二次支持構造体240、310、610、820、1220のそれぞれの取付孔310、314、316、320、620、630、732、734を通る。固定部材470、706は、ポスト430、440、702、704の1つとランド310、313、315、317、330、615、625、635との間の空間を占める。手段U、1314は、各ポスト430、440、702、704に逃げ溝部分Uを含む。
航空機100のさらに別の実施例では、ボア450、460、708は、ボア450、460、708が二次支持構造体240,310、610、820、1220の取付孔310、314、316、320、620、630、732,734のうちの1つと揃うように、第1及び第2のポスト430、440、702、704からある距離だけずらされている。
航空機100のさらに別の変形例では、ランド310、313、315、317、330、615、625、635に当接している第1及び第2のポスト430、440、702、704は中実で、断面は楕円形である。
航空機100のさらに別の代替例では、固定部材470、706は弾性がありヒンジでボディ410、820に連結されており、これにより固定部材470、706は後退可能になっている。
航空機100のさらに別の実施例では、第1及び第2のポスト430、440、702、704は拡大されたキャップ435、445で終端する。キャップ及び取付面420、830は、二次支持構造体240、310、610、820、1220のゲージよりも狭い逃げ溝部分Uを形成し、ナットプレート340、700、1230、1310が押し込まれると、拡大されたキャップ435、445はランド310、313、315、317、330、615、625、635のうちの1つに嵌り、二次支持構造体240、310、610、820、1220と係合する。
航空機100のさらに別の変形例では、スパナバー900はリターンフランジ902を有し、手段U、860、870、1150、1160、1314は、ボディ820、1120に対して片持ち支持されてボディ820、1120から外へ向かって延在する第1及び第2の弾性フィンガータブ860、1150を含み、タブはリターンフランジ902に解放可能に係合する。
航空機100のさらに別の代替例では、手段U、860、870、1150、1160、1314はさらに、弾性フィンガータブ860と対向するボディ820に取り付けられたバー870を含む。バー870は、取付面830を横断して、リターンフランジ902の下に配置されているバー870の対向端部まで延在する。
航空機100のさらにまた別の実施例では、手段U、860、870、1150、1160、1314はさらに、ボディ1120に対して片持ち支持されてボディ1120の対向側面から外へ向かって延在する第3及び第4の弾性フィンガータブ1160であって、リターンフランジ902に解放可能に係合する第3及び第4の弾性フィンガータブ1160を含む。
本開示の別の態様は、取付孔320とランド330の交互パターンとなる面904を有するスパナバー240,310、900、並びにスパナバー240、310、900と係合するナットプレート340、700、810、1110、1230、1310を含む装置に関する。ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310は、取付面420、830、1130、並びに取付面420、830、1130からアクセス可能な内面がネジ切りされたボア450、460、708、840、1140、1235を有するボディ410、820、1120を含む。取付面はスパナバー240、310、900に接触している。ナットプレートはまた、取付面420、830、1130から延在する、少なくとも1つの突起部430、440、702、704、850、1170を含む。各突起部430、440、702、704、850、1170は、ナットプレート340、700、810,1110、1230、1310のスパナバー240、310、900に沿った動きを抑制するため、取付孔320の1つと係合する。ナットプレートは、取付ハードウェアと協働することなく、ナットプレート340、700、810、1110、1230、1310のスパナバー240、310、900から離れる動きを抑制するため、スパナバー240、310、900と係合するための手段U、860、870、1150、1160、1314をさらに含む。
装置の1つの実施例では、スパナバー900はリターンフランジ902を有し、手段U、860、870、1150、1160、1314は、ボディ820、1120に対して片持ち支持されてボディ820、1120から外へ向かって延在する第1及び第2の弾性フィンガータブ860、1150を含む。第1及び第2の弾性フィンガータブ860、1150は、リターンフランジに解放可能に係合するように構成されている。
本開示のさらに別の態様は、ベースとリターンフランジ902を有する薄いゲージ部材900に係合するように構成されたナットプレート810、1110、1230、1310に関する。ベースは孔とランドの交互パターンを有する。ナットプレート810、1110、1230、1310は、取付面830、1130及び取付面830、1130からアクセス可能な内面がネジ切りされたボア840、1140を有するボディ820、1120;取付面830、1130から取付孔の1つの中へ延在するように構成された位置決め突起部850、1170;及び、ボディ820、1120に対して片持ち支持されてボディ820、1120から外へ向かって延在する第1及び第2の弾性フィンガータブ860、1150、を含む。第1及び第2の弾性フィンガータブ860、1150は、ナットプレート810、1110、1230、1310がベースから離れる動きを抑制するため、リターンフランジ902に解放可能に係合するように構成されている。
1つの実施例では、ナットプレート810はまた、フィンガータブ860と対向するボディ820に取り付けられたバー870を含む。バー870は取付面830を横断して延在し、バー870の対向端部はリターンフランジ902の下に配置されている。
1つの変形例では、ナットプレート1110はまた、ボディ1120に対して片持ち支持されてボディ1120の対向側面から外へ向かって延在する第3及び第4の弾性フィンガータブ1160を含む。第3及び第4の弾性フィンガータブ1160は、リターンフランジ902に解放可能に係合するように構成されている。
上述した本明細書で用いられる用語「実施例」、「変形例」、「代替例」は入れ換え可能である。
本明細書のナットプレートは航空機に限定されない。他の応用には、限定するものではないが、船舶、自動車及び電気製品が含まれる。

Claims (8)

  1. ゲージを有する二次支持構造体(240、310、610、900、1220)に係合するナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)を備えるアセンブリであって、
    前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)は、
    前記二次支持構造体(240、310、610、1220)に対する取付面(420、830)を有し、内面がネジ切りされたボア(450、460、708、840、1140、1235)を画定するボディ(410、820、1120)と、
    前記二次支持構造体(240、310、610、900、1220)の取付孔(310、314、316、320、620、630、732、734)に係合し、前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)の前記二次支持構造体(240、310、610、900、1220)に沿った第1の方向の動きを抑制する少なくとも1つの位置決め突起部(430、440、470、702、704、706、850、1170、1312)と、
    固定部材(470、706)であって、前記ボディ(410、820、1120)に対して片持ち支持される第1端と、第2自由端と、前記第2自由端に接続され前記固定部材(470、706)から外へ向かって延在する開放グリップを含み、前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)の前記第1の方向とは異なる第2の方向の動きを抑制するように操作可能である、固定部材(470、706)と、を含み、
    前記少なくとも1つの位置決め突起部(430、440、470、702、704、706、850、1170、1312)は第1及び第2のポスト(430、440、702、704)を含み、前記第1及び第2のポスト(430、440、702、704)は前記取付面(420、830)から延在し、前記二次支持構造体(240、310、610、1220)のそれぞれの取付孔(310、314、316、320、620、630、732、734)を通り、かつ、第1及び第2のポスト(430,440、702、704)の各々に逃げ溝部分(U)を含み、前記逃げ溝部分(U)は前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)の第3の方向の動きを抑制するように操作可能であり、前記固定部材(470、706)は前記第1及び第2のポスト(430、440、702、704)の1つとランド(310、313、315、317、330、615、625、635)との間の空間を占める、アセンブリ。
  2. 前記二次支持構造体(240、310、610、900、1220)はスパナバー(240、310、900)を含み;前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)は取付ハードウェアを使用することなく抑制される、請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 取付ハードウェア(740、840、850、1010、1020、1030、1240、1250)は、前記ナットプレート(340、700、810、1110、1230、1310)に締結される、請求項に記載のアセンブリ。
  4. 前記取付ハードウェア(740、840、850、1010、1020、1030、1240、1250)は、ワイヤバンドル(210、220、230)又は配管(232)を支持する、請求項3に記載のアセンブリ。
  5. 前記ボア(450、460、708)は、前記ボア(450、460、708)が前記二次支持構造体(240、310、610、1220)の前記取付孔(310、314、316、320、620、630、732,734)のうちの1つと揃うように、前記第1及び第2のポスト(430、440、702、704)からある距離だけずらされている、請求項に記載のアセンブリ。
  6. 第1及び第2のポスト(430、440、702、704)の前記ランド(310、313、315、317、330、615、625、635)に当接している部分は中実で、断面は楕円形である、請求項に記載のアセンブリ。
  7. 前記固定部材(470、706)は弾性があり、また、後退可能になっている、請求項5または6に記載のアセンブリ。
  8. 前記第1及び第2のポスト(430、440、702、704)の各々は拡大されたキャップ(435、445)で終端し、前記キャップ及び前記取付面(420、830)は前記二次支持構造体(240、310、610、1220)のゲージよりも狭い前記逃げ溝部分(U)を形成し、前記ナットプレート(340、700、1230、1310)が押し込まれると、前記拡大されたキャップ(435、445)は前記ランド(310、313、315、317、330、615、625、635)のうちの1つに嵌り、前記二次支持構造体(240、310、610、1220)と係合する、請求項5から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
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