JP6112935B2 - 前二輪式鞍乗り型揺動車両 - Google Patents

前二輪式鞍乗り型揺動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP6112935B2
JP6112935B2 JP2013070609A JP2013070609A JP6112935B2 JP 6112935 B2 JP6112935 B2 JP 6112935B2 JP 2013070609 A JP2013070609 A JP 2013070609A JP 2013070609 A JP2013070609 A JP 2013070609A JP 6112935 B2 JP6112935 B2 JP 6112935B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
swing
vehicle
vehicle body
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013070609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014193679A (ja
Inventor
洋平 川崎
洋平 川崎
昌之 藤田
昌之 藤田
賢三 清水
賢三 清水
一成 井口
一成 井口
俊一 宮岸
俊一 宮岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013070609A priority Critical patent/JP6112935B2/ja
Publication of JP2014193679A publication Critical patent/JP2014193679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6112935B2 publication Critical patent/JP6112935B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)

Description

本発明は、前二輪式鞍乗り型揺動車両に関する。
従来、車体フレームの前方に左右一対の前輪を備え、これら左右一対の前輪を車体フレームに対して互い違いに上下動させることで、二輪車のように車体のバンク(ローリング)を可能にした前二輪式鞍乗り型揺動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−195099号公報
ところで、上記においては、反力発生部材とダンパーとが揺動軸周りに設けられ、これら反力発生部材とダンパーとで車体の揺動をコントロールしている。
しかし、反力発生部材やダンパー等の揺動コントロール機構を揺動軸周りに設けると、揺動軸周りが大型化し易い。特に、ダンパーの軸方向を前後方向に指向させると、その周囲がより大型化するため、ダンパーを2つに分けて設ける等の工夫が必要になってしまう。また、揺動コントロール機構を単に揺動軸から離間させて配置すると、車体揺動時の揺動コントロール作用に左右で差異が生じ易くなる。
そこで本発明は、左右一対の前輪を備えた前二輪式鞍乗り型揺動車両において、揺動をコントロールするための機構を備えながらも揺動軸周りが大型化することを抑え、かつ車体揺動時の揺動コントロール作用を左右で同一にすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、左右一対のフロントフォーク(28L,28R)をそれぞれ操舵可能に支持する左右一対のキングピン軸(29L,29R)と、第一揺動軸(25)を中心に車体フレーム(5)に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ前記左右一対のキングピン軸(29L,29R)の上端部を支持するアッパーアーム(24)と、前記アッパーアーム(24)の下方に設けられ、前記第一揺動軸(25)と平行な第二揺動軸(27L,27R)を中心に車体フレーム(5)に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ前記左右一対のキングピン軸(29L,29R)の下端部を支持するロアアーム(26L,26R)と、を備える前二輪式鞍乗り型揺動車両(1)であって、前記アッパーアーム(24)の上方で前記アッパーアーム(24)と一体揺動可能に設けられる、又は前記ロアアーム(26L,26R)の下方で前記ロアアーム(26L,26R)と一体揺動可能に設けられるサブアーム(31)と、一端が前記アッパーアーム(24)と前記ロアアーム(26L,26R)との間で前記車体フレーム(5)に連結されるとともに、他端が前記サブアーム(31)に連結される伸縮式の反力発生装置(35)と、前記反力発生装置(35)とは別体の減衰力発生装置(38)と、を備え、前記反力発生装置(35)は、車両前面視で車体左右中央に伸縮軸線(C5)が位置するように配置され、前記減衰力発生装置(38)は、前記アッパーアーム(24)、ロアアーム(26L,26R)及びサブアーム(31)の少なくとも一つを含むアーム体(31)に支持され、前記減衰力発生装置(38)の入出力部(39)は、前記車体フレーム(5)にリンク機構(41A)及びダンパー連結軸(43)を介して連結されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記減衰力発生装置(38)はロータリー式ダンパーであり、前記入出力部(39)は前記第一揺動軸(25)及び第二揺動軸(27L,27R)と平行な軸とされ、前記入出力部(39)の軸方向視で、前記リンク機構(41A)は、前記車体フレーム(5)における前記アーム体(31)の揺動軸(25)と前記ダンパー連結軸(43)との間のオフセット部(23a)を含む平行リンクを形成することを特徴とする。
請求項3記載した発明は、前記ロアアーム(26L,26R)は左右一対に分割され、前記アッパーアーム(24)は左右一体に設けられ、前記アッパーアーム(24)又はこのアッパーアーム(24)に設けられた前記サブアーム(31)に、前記減衰力発生装置(38)が支持されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記第一揺動軸(25)及び第二揺動軸(27L,27R)の軸方向視で、前記アッパーアーム(24)、ロアアーム(26L,26R)及びキングピン軸(29L,29R)によって囲まれる範囲(sq1L,sq1R)の外側に前記減衰力発生装置(38)が配置されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、車体が左右何れに揺動しても、反力発生装置は常に同一量だけ圧縮されるため、車体揺動時に作用する揺動反力を左右で同一にし、走行フィーリングを良好にすることができる。
また、第一揺動軸及び第二揺動軸から離間して反力発生装置を支持することで、揺動軸周りが大型化したり複雑化することを避けることができる。
また、減衰力発生装置を反力発生装置や第一揺動軸及び第二揺動軸から離間して配置することができ、揺動軸回りをコンパクトにすることができる。また、減衰力発生装置をリンク機構を介して車体フレームに連結することで、減衰力発生装置の作動量のコントロールを容易にすることができる。
請求項2に記載した発明によれば、車体の揺動角度が0度の直立状態付近で揺動するときにも十分な減衰力を確保し易く、かつリンク機構が車体フレームの揺動軸及びダンパー連結軸間のオフセット部を含む平行リンクを形成することで、車体揺動角と同じ作動角度でロータリー式ダンパーを作動させ、リニアな減衰力を得ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、ロアアームを左右分割することでキングピン軸に傾斜を付け易くなり、キングピンオフセットを無くしながらもアッパーアーム及びロアアームの左右長さを抑えることができる。また、左右分割されたロアアームに減衰力発生装置を取り付けると、車体の左右揺動の特性を同一にし難くなるが、左右一体のアッパーアームに減衰力発生装置を取り付けることで、車体の左右揺動の特性を同一にし易い構成にできる。
請求項4に記載した発明によれば、揺動リンク部材(アッパーアーム、ロアアーム及びキングピン軸)に囲まれる範囲は車体の左右揺動時に収縮するが、この範囲の外方に減衰力発生装置を配置することで、減衰力発生装置の配置スペースが確保し易くなり、レイアウト自由度を向上できる。

本発明の実施形態における鞍乗り型車両の左側面図である。 上記鞍乗り型車両の前面図である。 上記鞍乗り型車両の前二輪懸架装置の左側面図である。 上記前二輪懸架装置の上部の左側面図である。 図4の車体左右中央での断面図である。 上記鞍乗り型車両の前輪操舵用のタイロッド周辺の斜視図である。 上記前二輪懸架装置のキングピン軸線に沿う上面図であり、(a)は前二輪懸架装置の直進操舵時、(b)は前二輪懸架装置の左操舵時、(c)は前二輪懸架装置の右操舵時をそれぞれ示す。 上記前二輪懸架装置の上下揺動軸に沿う前面図であり、(a)は車体の直立時、(b)は車体の左揺動時、(c)は車体の右揺動時をそれぞれ示す。 上記前二輪懸架装置の上下揺動軸に沿う前面図であり、(a)は車体の直立時、(b)は車体の左揺動時、(c)は車体の右揺動時をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPを示す。
図1、図2に示す鞍乗り型車両1は、車体前部に左右一対の前輪(操舵輪)2L,2Rを左右対称に備えるとともに、車体後部の左右中央に単一の後輪(駆動輪)3を備え、かつ車体を左右揺動(ローリング動)可能にした前二輪揺動車両として構成される。鞍乗り型車両1は、特に記載がなければ左右対称の構成を有する。以下の説明では、特に記載がなければ、左右前輪2L,2Rが水平な路面R上に接地した状態で、後述する前二輪懸架装置4に車重分の荷重が加わった1G状態で、車体が左右揺動角度を0度にした直立状態で、左右前輪2L,2Rの操舵角が0°の直進操舵状態にあるときの構成を説明する。なお、本実施形態では、左右対称の構成には左側の符号に「L」、右側の符号に「R」を付して区別するが、前記「L」、「R」を外した符号のみで示すこともある。
鞍乗り型車両1の車体フレーム5は、車体前部上側の左右中央でバータイプの操向ハンドル11を支持するヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12の下部から左右に分岐しつつ後下がりに後方へ延びる左右メインフレーム13と、ヘッドパイプ12の上部から左右に分岐しつつメインフレーム13よりも急傾斜で後下方へ延びて左右メインフレーム13の中間部に接合される左右ガセットフレーム13aと、ヘッドパイプ12近傍で左右メインフレーム13の前端部からメインフレーム13よりも急傾斜で後下方へ延びる左右ダウンフレーム14と、左右メインフレーム13及び左右ダウンフレーム14の中間部間に渡る左右ガセットパイプ13bと、左右ダウンフレーム14の下部から前上がりに前方へ延びつつ左右内側に湾曲する左右ロアアームフレーム16と、ヘッドパイプ12の下方で左右ロアアームフレーム16の前端部に支持されるロアアームブラケット15と、ロアアームブラケット15から上方に延びて左右メインフレーム13の前端部下側のガセット13cに結合される連結パイプ15aと、ヘッドパイプ12及びロアアームブラケット15を含むフレーム前端部5Fに支持されてこれらの前方に前二輪懸架装置4を支持する前懸架フレーム体20と、を備える。
ロアアームブラケット15及び左右ロアアームフレーム16は、左右ダウンフレーム14から前方に延びるブランチロアフレーム17を構成する。左右メインフレーム13の後端部からは、左右ピボットフレーム18が下方に延びる。左右ピボットフレーム18の上部からは、左右シートフレーム19が後上がりに後方へ延びる。
メインフレーム13の下方には、鞍乗り型車両1の原動機であるエンジン(内燃機関)6が搭載される。エンジン6の前方にはラジエータ6aが配置される。エンジン6の動力で駆動される後輪3は、スイングアーム7の後端部に支持される。スイングアーム7の前端部は、左右ピボットフレーム18に上下揺動可能に支持される。エンジン6の上方には収納ボックス8が配置され、収納ボックス8の後方には乗員着座用のシート9が配置され、シート9の下方には燃料タンク10が配置される。
ヘッドパイプ12は、その中心軸線(ステアリング軸線)C1を車両前面視で車体左右中心線CL上に配置する。軸線C1は、車両側面視で鉛直方向に対して上側ほど後側に位置するように傾斜する。
図4、図5を参照し、ヘッドパイプ12には、ステアリングシャフト12aが同軸かつ回動自在に挿通、支持される。ステアリングシャフト12aにおけるヘッドパイプ12の上方に突出する上端部には、バータイプの操向ハンドル11が取り付けられる。ステアリングシャフト12aにおけるヘッドパイプ12の下方に突出する下端部には、ステアリングリンク75を連結するボトムブラケット12bが取り付けられる。
前懸架フレーム体20は、ヘッドパイプ12の上下中間部から前上がりに前方へ延びる上支持フレーム21と、ロアアームブラケット15の前端部から前上がりに前方へ延びる下支持フレーム22と、上下支持フレーム21,22の前端部間に渡って上側ほど後側に位置するように傾斜して上下に延びるフロントサブフレーム23と、を有する。
上下支持フレーム21,22は互いに平行をなし、車両側面視でヘッドパイプ12の軸線C1と直交する方向よりも水平方向に対する傾斜角度を小さくして配置される。
フロントサブフレーム23は、上下支持フレーム21,22の軸方向を厚さ方向とした厚板形状をなし、車両側面視でヘッドパイプ12よりも鉛直方向に対する傾斜角を小さくして配置される。なお、トレール量等を調整するため、前記傾斜角は任意に変更可能であり、例えば上下支持フレーム21,22とヘッドパイプ12とが直交し、フロントサブフレーム23とヘッドパイプ12とが平行になるようにしてもよい。
フロントサブフレーム23の上部には、前二輪懸架装置4における一体のアッパーアーム24の左右中央部を貫通する上揺動軸25の前端部が支持される。フロントサブフレーム23の下部には、前二輪懸架装置4における左右別体の左右ロアアーム26L,26Rの左右内側端部を貫通する左右の下揺動軸27L,27Rの前端部が支持される。上下揺動軸25,27は相互に平行をなし、かつ上下支持フレーム21,22とも平行に配置される。
図中符号C2は上揺動軸25の中心軸線、符号C3L,C3Rは左右の下揺動軸27L,27Rの中心軸線をそれぞれ示す。図2を参照し、車両前面視において、上揺動軸25の中心軸線C2は車体左右中心線CL上に配置され、左右の下揺動軸27L,27Rの中心軸線C3L,C3Rは車体左右中心線CLから左右にオフセットして配置される。
図2、図4を参照し、前二輪懸架装置4のアッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rは、ヘッドパイプ12の前方で左右に延びる。アッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部には、左右前輪2L,2Rを独立懸架する左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部が、車両側面視でヘッドパイプ12と平行かつヘッドパイプ12よりも前方にオフセットして配置された左右操舵軸(キングピン軸)29L,29Rを介して、操舵可能に支持される。図中符号C4L,C4Rは左右操舵軸29L,29Rの中心軸線(キングピン軸線)を示す。
前二輪懸架装置4は、左右前輪2L,2Rを接地させたままで、車体フレーム5、エンジン6及び後輪3等を含む車体本体を左右揺動可能とし、かつ車体本体の左右揺動に合わせて左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2L,2Rを左右揺動させる。逆に、前二輪懸架装置4は、車体本体に対して左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2L,2Rを互い違いに上下動させる。
図8(a)に示すように、上下揺動軸25,27の軸方向視で、アッパーアーム24の左右アーム部、左右ロアアーム26L,26R及び左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部は、フロントサブフレーム23も含めて、車体左右で平行リンク状に配置される。
すなわち、上揺動軸25の軸線C2、左右の下揺動軸27L,27Rの軸線C3L,C3R、アッパーアーム24の左右外側端部の後述する左右の上外支持軸25aL,25aRの軸線C2aL,C2aR、左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部の後述する左右の下外支持軸27aL,27aRの軸線C3aL,C3aRを車体左右で結ぶ四角形sq1L,sq1Rは、それぞれ概ね平行四辺形とされる。これにより、アッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの揺動時には、左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2L,2Rが略平行に上下動する。
また、上下揺動軸25,27の軸方向視で、アッパーアーム24の左右アーム部、左右タイロッド78L,78R及び左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部は、フロントサブフレーム23も含めて、車体左右で平行リンク状に配置される。
すなわち、上揺動軸25の軸線C2、アッパーアーム24の左右の上外支持軸25aL,25aRの軸線C2aL,C2aR、左右タイロッド78L,78R内外の揺動中心78acL,78bcL,78acR,78bcRを車体左右で結ぶ四角形sq1L’,sq1R’は、それぞれ概ね平行四辺形とされる。これにより、アッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの揺動時には、左右タイロッド78L,78Rも略平行に上下動し、左右前輪2L,2Rの舵角への影響が抑えられる。
なお、本実施形態における「平行リンク状」とは、入力側の角度と出力側の角度とを同一と感じられる程度に入出力側を連係させる機構を含む(以下同様)。
図2、図4を併せて参照し、アッパーアーム24の左右外側端部には、上下揺動軸25,27と平行な上外支持軸25aL,25aRを介して、左右上外ブラケット24aL,24aRがそれぞれ揺動可能に支持される。左右上外ブラケット24aL,24aRには、左右操舵軸29L,29Rの上端部がそれぞれ支持される。上外支持軸25aL,25aRの中心軸線C2aL,C2aRは、左右前輪2L,2Rの接地点T1L,T1Rよりも車体左右方向内側に位置している。図中符号T2は後輪3の接地点を示す。
左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部には、上下揺動軸25,27と平行な下外支持軸27aL,27aRを介して、左右下外ブラケット26aL,26aRがそれぞれ揺動可能に支持される。左右下外ブラケット26aL,26aRには、左右操舵軸29L,29Rの下端部がそれぞれ支持される。下外支持軸27aL,27aRの中心軸線C3aL,C3aRは、上外支持軸25aL,25aRの中心軸線C2aL,C2aRよりも左右外側で、左右前輪2L,2Rの接地点T1L,T1Rよりも左右内側に位置している。したがって、左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部間の距離H2は、アッパーアーム24の左右外側端部間の距離H1よりも長くなる。
アッパーアーム24上には、これを左右に跨ぐように設けられたダンパーフレーム体(サブアーム、アーム体)31が固定される。ダンパーフレーム体31は、車両前面視で上方に凸のV字形状をなすもので、その左右傾斜辺に沿って延びる左右一対かつ前後一対のフレームパイプ32と、左右フレームパイプ32の左右内側端部を連結するトップブラケット33と、左右フレームパイプ32の左右外側端に固設される左右固定プレート34と、を有する。左右固定プレート34は、アッパーアーム24の左右外側端部上に締結固定される。
図5を併せて参照し、トップブラケット33の前端部には、シリンダ式のスプリング装置(揺動反力発生装置)35の上端部が、上下揺動軸25,27と平行な上連結軸36及び球面軸受け35aを介して揺動可能に連結される。
スプリング装置35は、ロッド式のストロークガイドとコイルスプリングとを組み合わせたもので、車体の直立状態には、中心軸線(ストローク軸線)C5を車両前面視で車体左右中心線CL上に配置する。スプリング装置35の下端部は、フロントサブフレーム23における上揺動軸25よりも下方かつ下揺動軸27よりも上方となる位置に、上下揺動軸25,27と平行な下連結軸37及び球面軸受け35bを介して揺動可能に連結される。図中符号C6,C7は上下連結軸36,37の中心軸線を示す。
図8(a)に示すように、スプリング装置35は、車体が直立状態にあるときには、車体左右中心で鉛直方向に延びた最伸長状態となる。このときのスプリング装置35における軸線C6,C7間の全長をL0とする。
一方、図8(b)、図8(c)に示すように、スプリング装置35は、車体が直立状態から左右に揺動したときには、前記最伸長状態から短縮するようにストロークする。すなわち、図8(b)、図8(c)のスプリング装置35の全長L1,L2は、図8(a)の全長L0よりも短くなる。このときのスプリング装置35が伸長しようとする力が、車体を直立状態に戻そうとする復元力となり、かつ車体のローリング動に対する反力となる。
スプリング装置35は、車体が直立状態にあるときに車体左右中心上に配置されることから、車体のローリング動に対する伸縮量が、車体の左右何れへの揺動時にも同一となる。このため、スプリング装置35にリンク機構を組み合わせる等の対応をしなくとも、車体が左右何れに揺動した場合にも同一の復元反力が得られる。
図2、図9に示すように、ダンパーフレーム体31の例えば右フレームパイプ32には、車体の揺動エネルギーを減衰するためのロータリ式の揺動ダンパー(揺動減衰力発生装置)38が支持される。
揺動ダンパー38は、直方体形状のハウジング内に扇形状の油室を形成し、この油室内でベーンを揺動させることで減衰力を得る(何れも不図示)。前記ベーンと一体揺動するダンパー揺動軸39は、前記ハウジングの車体搭載時における前面から前方に突出する。このダンパー揺動軸39の突出部分には、揺動レバー41の基端部が一体揺動可能に取り付けられる。
揺動レバー41の先端部には、リンクロッド42の上端部がリンク連結軸42aを介して揺動可能に連結される。リンクロッド42の下端部は、フロントサブフレーム23における上揺動軸25の右下方となる位置にダンパー連結軸43を介して揺動可能に連結される。すなわち、ダンパー揺動軸39は、揺動レバー41及びリンクロッド42を含むリンク機構41Aを介して車体フレーム5に連結される。
ダンパー揺動軸39、リンク連結軸42a及びダンパー連結軸43は、上下揺動軸25,27と平行な軸である。図中符号C8はダンパー揺動軸39の中心軸線、符号C8aはリンク連結軸42aの中心軸線、符号C9はダンパー連結軸43の中心軸線をそれぞれ示す。
図9(a)に示すように、リンク機構41Aは、フロントサブフレーム23におけるダンパーフレーム体31を支持する上揺動軸25とリンクロッド42を連結するダンパー連結軸43との間に渡るオフセット部23aを含んで、平行リンク状に配置される。
すなわち、上揺動軸25の軸線C2、ダンパー揺動軸39の軸線C8、リンク連結軸42aの軸線C8a、及びダンパー連結軸43の軸線C9を結ぶ四角形sq3は、概ね平行四辺形とされる。
これにより、図9(b)、図9(c)に示すように、車体揺動時等にアッパーアーム24及びフロントサブフレーム23が所定角度だけ相対揺動すると、これと同等の角度で前記ハウジング内のベーンが揺動し、揺動ダンパー38に所定の減衰力を発生させる。揺動ダンパー38は、前記ハウジング内の油圧回路の設定等により、車体の左右何れへの揺動時にも同一の減衰力を発生させる。
揺動ダンパー38は、発生する減衰力の大きさを鞍乗り型車両1の車速に応じて変化させる電子制御式の可変ダンパーとされる。揺動ダンパー38の油圧回路は、例えば左右前輪2L,2Rに設けた車輪速センサーから得られる車速情報に基づき、ソレノイドバルブ等を作動させて油路を切り替える。これにより、揺動ダンパー38は、鞍乗り型車両1の停車時又は低車速時には、作動油の流動抵抗を大きくして減衰力を増加させて車体の揺動を抑え、車速が増加した際には、作動油の流動抵抗を小さくして揺動抵抗を減少させて車体の揺動を軽快にする。揺動ダンパー38は、上下揺動軸25,27の軸方向視で、前記四角形sq1L,sq1Rよりも外側に配置される(図8(a)参照)。
図2、図4を参照し、ダンパーフレーム体31の後部には、車体フレーム5に対するアッパーアーム24の揺動軌跡に沿うように、車両前面視で円弧状に延びるロックプレート44が固定される。ロックプレート44は、上下揺動軸25,27の軸方向と直交する板状をなし、このロックプレート44の上端位置には、ロックプレート44を厚さ方向で挟圧可能なロックキャリパ45が配置される。ロックキャリパ45は、上支持フレーム21上に固設された支持ブラケット21aに支持される。
ロックキャリパ45はケーブル式であり、車体前部左側に配置された操作ボックス46から延びる不図示の操作ケーブルの一端が連結される。前記操作ケーブルの他端は、操作ボックス46下部の揺動ロックレバー47の作用端に連結される。この揺動ロックレバー47の操作により、ロックキャリパ45を作動させてロックプレート44を挟圧し、車体の左右揺動をロック可能である。操作ボックス46は、その上部にパーキングブレーキレバー48を有し、このパーキングブレーキレバー48の作用端から延びる不図示の操作ケーブルが、例えば後輪3近傍に設けた不図示のパーキングブレーキに連結される。
アッパーアーム24が支持する左右の上外ブラケットと、左右ロアアーム26L,26Rが支持する左右の下外ブラケットとの間には、左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部が、左右操舵軸29L,29Rを介してそれぞれ操舵可能に支持される。
図3は、左前輪2L及びハブh等を取り外した状態の左フロントフォークユニット28Lを示すが、右フロントフォークユニット28Rは左右対称の構成とする。以下、図2、図3を参照して左右フロントフォークユニット28L,28Rを説明する。
左右フロントフォークユニット28L,28Rは、左右前輪2L,2Rの左右内側に隣接するように、トレーリングリンク式のフロントサスペンション52Aを構成する。左右フロントフォークユニット28L,28Rは、上部がアッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部に支持されるフォーク本体51と、フォーク本体51の下端部に前端部52aが揺動可能に支持されるトレーリングアーム52と、トレーリングアーム52の後部とフォーク本体51の上部との間に渡るクッションユニット54と、トレーリングアーム52の後端部52bに一体揺動可能に設けられる前輪車軸57と、前輪車軸57の後方でサポートブラケット62aを介してブレーキキャリパ62を支持するとともに前輪車軸57に揺動可能に支持されるキャリパブラケット58と、前輪車軸57の上方で後端部がキャリパブラケット58に揺動可能に連結されるとともに前端部がフォーク本体51の下部に揺動可能に連結されるトルクロッド59と、を備える。
トレーリングアーム52の前揺動軸53及びトルクロッド59の前後揺動軸60,61は、前輪車軸57と平行に配される。図中符号C11は前揺動軸53の中心軸線、符号C15,C16は前後揺動軸60,61の中心軸線、符号C12は前輪車軸57における左右方向に沿う中心軸線をそれぞれ示す。
フォーク本体51は、アッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部の間に左右操舵軸29L,29Rを介して支持されるアッパーブラケット65と、アッパーブラケット65における操舵軸29の前方に張り出すパイプ挿通部65aに上部が挿通、固定されるフォークパイプ66と、を有する。
フォークパイプ66の上部は、車両側面視で操舵軸29よりも鉛直方向に対する角度を大きくしてパイプ挿通部65aに挿通される。フォークパイプ66及びパイプ挿通部65aは、左右前輪2L,2Rの内側端よりも左右内側に配置される。
フォークパイプ66は、パイプ挿通部65aの下方で前下方に湾曲して延びた後、前輪車軸57よりも前方となる位置で下方に湾曲して延びる。フォークパイプ66の下端部には、トレーリングアーム52の前端部52aを支持するピボットブラケット67が固設される。ピボットブラケット67は、車両側面視で前輪車軸57の上前方に配置される。
フォークパイプ66の中間部の後下側には、クッションユニット54の上端部54aを支持する上クッションブラケット68が固設される。フォークパイプ66の下部後側には、トルクロッド59の前端部を支持する前ロッドブラケット69が固設される。フォークパイプ66の中間部の前上側には上前ガセット70が固設され、フォークパイプの下湾曲部の後内周側には下後ガセット71が固設され、フォークパイプ66の上部後側には上後ガセット72が固設される。
トレーリングアーム52は、ピボットブラケット67から下後方に延びるように配置される。トレーリングアーム52の後端部52bからは、前輪車軸57が左右外側に突出する。前輪車軸57には、前輪2のハブhが回転自在かつ脱落不能に取り付けられる。ハブhの左右外側には、前輪2のホイールwの中心部が複数のホイールナットnにより締結される。ハブhの外周には、ブレーキキャリパ62に挟圧されるブレーキディスク63が取り付けられる。
クッションユニット54は、車両側面視で上側ほど後側に位置するように傾斜したロッド式のダンパーと、ダンパーの周囲を巻回するコイルスプリングとを有する。クッションユニット54の上端部54aは、上クッションブラケット68に上支持軸55を介して支持される。クッションユニット54の下端部54bは、トレーリングアーム52の前輪車軸57寄りの部位に下支持軸56を介して支持される。上下支持軸55,56は前輪車軸57と平行な軸である。図中符号C13,C14は上下支持軸55,56の中心軸線、符号C17はクッションユニット54の中心軸線(ストローク軸線)をそれぞれ示す。
クッションユニット54の上部前側には、前記ダンパーに連通するサブタンク54cが配置される。サブタンク54cは、軸線C17と平行に延びる円筒状をなし、前記ダンパー及びコイルスプリングを含むクッション本体とフォーク本体51との間のスペースに配置される。
クッションユニット54は、前輪2の上下動によるトレーリングアーム52の揺動によって、軸線C17に沿ってストロークし、前輪2に入力された衝撃等を吸収するとともに前輪2の上下動を減衰させる。
キャリパブラケット58は、前輪車軸57に相対回転自在に外嵌する基部58aと、基部58aの後上方に延びる上アーム部58bと、基部58a及び上アーム部58bの後方に延びる支持プレート部58cとを有する。上アーム部58bの上端部には、クッションユニット54の左右外側を通過したトルクロッド59の後端部が後揺動軸61を介して連結される。
ブレーキキャリパ62は、前輪2と一体回転するブレーキディスク63の後下部を車軸方向で挟み込むように配置される。ブレーキキャリパ62は、不図示のマスターシリンダから供給された油圧によって、ブレーキディスク63を挟圧して前輪2の回転を制動する。ブレーキディスク63、ブレーキキャリパ62及びキャリパブラケット58は、前輪2における左右内側方に開放する椀状のホイールwの内側に配置される。
ブレーキディスク63及びブレーキキャリパ62を主とする前輪ブレーキは、左右前輪2L,2Rにそれぞれ設けられる。同様の構成の後輪ブレーキは、単一の後輪3に設けられる。前輪ブレーキへの油圧供給は、例えば操向ハンドル11の右グリップに配置したブレーキレバーの操作を主になされる。これにより、左右前輪2L,2Rが同時に制動される。後輪ブレーキへの油圧供給は、例えば右ステップに配置したブレーキペダルの操作を主になされる。前後輪ブレーキは、互いに独立した操作入力で個別に作動するものであってもよく、かつ少なくとも一方の操作入力で互いに連動して作動するものであってもよい。
トルクロッド59は、キャリパブラケット58の上アーム部58bの上端部をフォーク本体51の下部に連結することで、前輪制動時にブレーキキャリパ62からキャリパブラケット58に入力される制動反力を、サスペンションフレームであるフォーク本体51に入力する。前輪制動時には、前記制動反力によりトレーリングアーム52が揺動してクッションユニット54をストロークさせようとするが、前記制動反力をトルクロッド59を介してフォーク本体51に入力することで、前輪制動時におけるトレーリングアーム52の揺動によるピッチングが抑えられる。
フォーク本体51の下部、トレーリングアーム52、キャリパブラケット58及びトルクロッド59は、車両側面視で平行リンク状に配置される。
すなわち、前揺動軸53の軸線C11、前輪車軸57の軸線C12、前後揺動軸60,61の軸線C15,C16を車両側面視で結ぶ四角形sq3は、概ね平行四辺形とされる。
左右操舵軸29L,29Rのキングピン軸線C4L,C4Rは、車両側面視では鉛直方向に対して上側ほど後側に位置するように傾斜する。換言すれば、左右キングピン軸線C4L,C4Rは、ステアリング軸線C1と平行となるように傾斜する。また、左右キングピン軸線C4L,C4Rは、車両前面視では鉛直方向に対して上側ほど左右内側に位置するように傾斜する。
車両前面視における左右キングピン軸線C4L,C4Rの下方への延長部分は、左右前輪2L,2Rの接地点(接地中心)T1L,T1Rに至る。
車両側面視におけるキングピン軸線C4の下方への延長部分の路面Rとの交点T1’は、前輪2の接地点T1の前方に位置してトレールを生じさせる。車両側面視におけるキングピン軸線C4の鉛直方向に対する傾斜角はキャスター角となる。前輪車軸57は、車両側面視でキングピン軸線C4の前方にオフセットしている。
左右前輪2L,2R及び後輪3の各タイヤは、断面円弧状のトレッド面を有する。左右前輪2L,2Rは、車体のバンク時(ローリング時)には、前二輪懸架装置4の作用により前記車体本体と同様に傾き、トレッド面の接地点をセンターからサイドに移行させる。このとき、左右前輪2L,2Rには、トレールの作用によって傾いた方向に舵角が生じる。
図4〜図6を参照し、ステアリングシャフト12aの下端部に取り付けられるボトムブラケット12bには、ステアリングリンク75の後端部が球面軸受け75bを介して連結される。ステアリングリンク75の前端部は、フロントサブフレーム23の後面側に支承されたベルクランク部材76の第一アーム76aに球面軸受け75aを介して連結される。
ベルクランク部材76は、車両側面視で操舵軸29よりも鉛直方向に対する傾斜を大きくした中継軸77を介して、フロントサブフレーム23の後面側の車体左右中央に揺動可能に支持される。
ベルクランク部材76の第二アーム76bには、左右タイロッド78L,78Rの左右内側端が左右球面軸受け78aL,78aRを介して連結される。左右タイロッド78L,78Rの左右外側端は、それぞれ左右フォーク本体51のアッパーブラケット65の後部に左右球面軸受け78bL,78bRを介して連結される(図2参照)。
これにより、操向ハンドル11と左右前輪2L,2Rとが連係され、操向ハンドル11が左右に操舵されると、ステアリングシャフト12a、ステアリングリンク75、ベルクランク部材76及び左右タイロッド78L,78Rを介して、左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2L,2Rが左右何れかに操舵される。
ベルクランク部材76は、車両側面視で左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部と重なるように配置される。このベルクランク部材76から概ね左右方向に沿うように延びる左右タイロッド78L,78Rを介して、左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2L,2Rが操舵される。
ヘッドパイプ12に支持したステアリングシャフト12aから、ヘッドパイプ12の前方にオフセットした左右フロントフォークユニット28L,28Rに向けて、左右方向に対して大きく傾斜した左右タイロッドを延ばして連結した場合、左右方向に沿うように左右タイロッドを延ばして連結する場合と比べて、左右前輪2L,2Rの操舵角を同一にし難い。
すなわち、ステアリングシャフト12aの回動を、ヘッドパイプ12の前方にオフセットしたベルクランク部材76の回動に変換した後、ベルクランク部材76から左右タイロッド78L,78Rを延ばして左右フロントフォークユニット28L,28Rに連結することで、左右前輪2L,2Rの操舵角を同一にし易くなる。ベルクランク部材76は、左右フロントフォークユニット28L,28R間に効率よく配置できる。
図7は、図4中VII矢視図(キングピン軸線C4の車両側面視での傾斜に沿う矢視図)である。
図7(a)に示すように、ステアリングシャフト12aの下端部のボトムブラケット12b、これに連結されるステアリングリンク75、及びベルクランク部材76の第一アーム76aは、平行リンク状に配置される。
すなわち、ステアリング軸線C1、中継軸77の軸線C18(図示都合上、点で示す)、ステアリングリンク75前後の球面軸受け75a,75bの揺動中心75ac,75bcを結ぶ四角形sq4は、概ね平行四辺形とされる。これにより、操向ハンドル11の回動角とベルクランク部材76の回動角とが略同一になる(図7(a)、図7(b)参照)。
また、図7(a)において、ベルクランク部材76の第二アーム76b、左右タイロッド78L,78R及び左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部は、横長かつ前側よりも後側が狭い左右一対の四節リンクを形成する。
すなわち、中継軸77の軸線C18、左右タイロッド78L,78R内外の球面軸受け78aL,78bL,78aR,78bRの揺動中心78acL,78bcL,78acR,78bcR、及び左右キングピン軸線C4L,C4Rを車体左右でそれぞれ結ぶ左右の四角形sq5L,sq5Rは、それぞれ軸線C18及び左右キングピン軸線C4L,C4R間の距離が左右タイロッド78L,78R内外の揺動中心78acL,78bcL,78acR,78bcR間の距離よりも長く形成される。
さらに、軸線C18と左右タイロッド78L,78R内側の揺動中心78acL,78acRとを結ぶ直線は、後側ほど左右外側に位置するように傾斜して配置され、左右キングピン軸線C4L,C4Rと左右タイロッド78L,78R外側の揺動中心78bcL,78bcRとを結ぶ直線は、車両前後方向に沿うように配置される。また、前者の直線は後者の直線よりも長くされる。
このような左右の四節リンクは、所謂アッカーマン機構と同等の作用を奏し、左右前輪2L,2Rを操舵した際、左右前輪2L,2Rの内の内輪側の操舵角を外輪側の操舵角よりも大きくする。すなわち、図7(b)に示す如く左操舵した際、左前輪2Lの操舵角θ1Lは右前輪2Rの操舵角θ1Rよりも大きく、図7(c)に示す如く右操舵した際、右前輪2Rの操舵角θ2Rは左前輪2Lの操舵角θ2Lよりも大きい。
図5に示すように、上下揺動軸25,27の水平面(路面Rに相当)に対する側面視の傾斜角度θ1,θ2は互いに同一であり、これらは本実施形態では20度に設定される。
車体の左右揺動は、上下揺動軸25,27と平行な前上がりの軸中心になされることから、左右前輪2L,2Rを接地させたまま車体を左右揺動させようとすると、左右前輪2L,2Rが車体に対する上下動に伴い前後方向にも互い違いに移動しようとする。したがって、左右前輪2L,2Rにブレーキをかけて静止させることで、車体を左右揺動させようとしてもこの揺動が制限される。
図3に示す1G状態のフロントフォークユニット28において、トレーリングアーム52の前後端の軸線C11,C12を車両側面視で結ぶ直線をアーム長基準線52cとすると、このアーム長基準線52cの水平面(路面Rに相当)に対する側面視の傾斜角度θ3は、本実施形態では上下揺動軸25,27の傾斜と同じ20度に設定される。
そして、1G状態からクッションユニット54をストロークさせてトレーリングアーム52を揺動させると、前輪2は上下動に伴い前後方向にも移動しようとする。したがって、左右前輪2L,2Rにブレーキをかけて静止させることで、左右クッションユニット54が別個にストロークすることによる車体の左右揺動が制限される。
なお、上下揺動軸25,27の傾斜角度θ1,θ2は20度に限らず、20度を超えた角度とすれば、左右前輪2L,2Rの前後移動量が増えることから左右前輪2L,2Rの制動による車体揺動を制限する効果が高まる。同様に、トレーリングアーム52の傾斜角度θ3も20度に限らず、20度を超えた角度とすれば、上記同様に車体揺動を制限する効果が高まる。
以上説明したように、上記実施形態における鞍乗り型車両1は、左右一対の前輪2L,2Rと、左右前輪2L,2Rをそれぞれ懸架する左右一対のフロントフォークユニット28L,28Rと、左右フロントフォークユニット28L,28Rをそれぞれ操舵可能に支持する左右一対の操舵軸29L,29Rと、上揺動軸25を中心に左右中央部が車体フレーム5に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ左右操舵軸29L,29Rの上端部を支持するアッパーアーム24と、アッパーアーム24の下方に設けられ、上揺動軸25と平行な左右一対の下揺動軸27L,27Rを中心に左右内側端部が車体フレーム5に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ左右操舵軸29L,29Rの下端部を支持する左右一対のロアアーム26L,26Rと、を備え、アッパーアーム24の上方でアッパーアーム24と一体揺動可能に設けられるダンパーフレーム体31と、一端がアッパーアーム24とロアアーム26との間で車体フレーム5に連結されるとともに、他端がダンパーフレーム体31に連結される伸縮式のスプリング装置35と、を備え、スプリング装置35が、車両前面視で車体左右中央に伸縮軸線C5が位置するように配置されるものである。
この構成によれば、車体が左右何れに揺動しても、スプリング装置35は常に同一量だけ圧縮されるため、車体揺動時に作用する揺動反力を左右で同一にし、走行フィーリングを良好にすることができる。
また、上揺動軸25及び下揺動軸27から離間してスプリング装置35を支持することで、揺動軸周りが大型化したり複雑化することを避けることができる。
上記鞍乗り型車両1は、スプリング装置35とは別体の揺動ダンパー38を備え、揺動ダンパー38がダンパーフレーム体31に支持され、揺動ダンパー38のダンパー揺動軸39が、車体フレーム5にリンク機構41A及びダンパー連結軸43を介して連結されることで、揺動ダンパー38をスプリング装置35や上揺動軸25及び下揺動軸27から離間して配置することができ、揺動軸回りをコンパクトにすることができる。また、揺動ダンパー38をリンク機構41Aを介して車体フレーム5に連結することで、揺動ダンパー38の作動量のコントロールを容易にすることができる。
上記鞍乗り型車両1は、揺動ダンパー38はロータリー式ダンパーであり、ダンパー揺動軸39は上揺動軸25及び下揺動軸27L,27Rと平行な軸とされ、ダンパー揺動軸39の軸方向視で、リンク機構41Aが、車体フレーム5におけるダンパーフレーム体31の揺動軸(アッパーアーム24の上揺動軸25)とダンパー連結軸43との間のオフセット部23aを含む平行リンクを形成することで、車体の揺動角度が0度の直立状態付近で揺動するときにも十分な減衰力を確保し易く、かつリンク機構41Aが車体フレーム5の上揺動軸25及びダンパー連結軸43間のオフセット部23aを含む平行リンクを形成することで、車体揺動角と同じ作動角度でロータリー式ダンパーを作動させ、リニアな減衰力を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、ダンパーフレーム体31は、アッパーアーム24の上方ではなく、左右ロアアーム26の何れかの下方に設けてもよい。この場合、ダンパーフレーム体31が左右ロアアーム26の相対変位を許容する構成であれば、左右ロアアーム26に跨ってダンパーフレーム体31を設けてもよい。
スプリング装置35は、単なるストロークガイドではなくダンパーを有したり、コイルスプリングではなくラバー等の弾性部材を用いたり、圧縮ガスを封入したガススプリングであってもよい。
揺動ダンパー38は、ダンパーフレーム体31、アッパーアーム24及びロアアーム26の何れに支持されてもよい。揺動ダンパー38は、ロータリ式(回転式)ではなくシリンダ式(伸縮式)であってもよい。
本実施形態では、車体前部に左右一対の前輪を備えるとともに車体後部に単一の後輪を備えた揺動三輪車に適用したが、車体前部に左右一対の前輪を備えるとともに車体後部に左右一対の後輪を備えた揺動四輪車に適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 鞍乗り型車両(前二輪式鞍乗り型揺動車両)
2L,2R 左右前輪
4 前二輪懸架装置
5 車体フレーム
23a オフセット部
24 アッパーアーム
25 上揺動軸(第一揺動軸)
26L,26R 左右ロアアーム
27L,27R 左右下揺動軸(第二揺動軸)
28L,28R 左右フロントフォークユニット(フロントフォーク)
29L,29R 左右操舵軸(キングピン軸)
31 ダンパーフレーム体(サブアーム、アーム体)
35 スプリング装置(反力発生装置)
C5 軸線
38 揺動ダンパー(減衰力発生装置)
39 ダンパー揺動軸(入出力部)
41A リンク機構
43 ダンパー連結軸

Claims (4)

  1. 左右一対のフロントフォーク(28L,28R)をそれぞれ操舵可能に支持する左右一対のキングピン軸(29L,29R)と、
    第一揺動軸(25)を中心に車体フレーム(5)に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ前記左右一対のキングピン軸(29L,29R)の上端部を支持するアッパーアーム(24)と、
    前記アッパーアーム(24)の下方に設けられ、前記第一揺動軸(25)と平行な第二揺動軸(27L,27R)を中心に車体フレーム(5)に揺動可能に支持されるとともに、左右外側端部にそれぞれ前記左右一対のキングピン軸(29L,29R)の下端部を支持するロアアーム(26L,26R)と、
    を備える前二輪式鞍乗り型揺動車両(1)であって、
    前記アッパーアーム(24)の上方で前記アッパーアーム(24)と一体揺動可能に設けられる、又は前記ロアアーム(26L,26R)の下方で前記ロアアーム(26L,26R)と一体揺動可能に設けられるサブアーム(31)と、
    一端が前記アッパーアーム(24)と前記ロアアーム(26L,26R)との間で前記車体フレーム(5)に連結されるとともに、他端が前記サブアーム(31)に連結される伸縮式の反力発生装置(35)と、
    前記反力発生装置(35)とは別体の減衰力発生装置(38)と、を備え、
    前記反力発生装置(35)は、車両前面視で車体左右中央に伸縮軸線(C5)が位置するように配置され
    前記減衰力発生装置(38)は、前記アッパーアーム(24)、ロアアーム(26L,26R)及びサブアーム(31)の少なくとも一つを含むアーム体(31)に支持され、前記減衰力発生装置(38)の入出力部(39)は、前記車体フレーム(5)にリンク機構(41A)及びダンパー連結軸(43)を介して連結されることを特徴とする前二輪式鞍乗り型揺動車両。
  2. 前記減衰力発生装置(38)はロータリー式ダンパーであり、前記入出力部(39)は前記第一揺動軸(25)及び第二揺動軸(27L,27R)と平行な軸とされ、
    前記入出力部(39)の軸方向視で、前記リンク機構(41A)は、前記車体フレーム(5)における前記アーム体(31)の揺動軸(25)と前記ダンパー連結軸(43)との間のオフセット部(23a)を含む平行リンクを形成することを特徴とする請求項1に記載の前二輪式鞍乗り型揺動車両。
  3. 前記ロアアーム(26L,26R)は左右一対に分割され、
    前記アッパーアーム(24)は左右一体に設けられ、
    前記アッパーアーム(24)又はこのアッパーアーム(24)に設けられた前記サブアーム(31)に、前記減衰力発生装置(38)が支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の前二輪式鞍乗り型揺動車両。
  4. 前記第一揺動軸(25)及び第二揺動軸(27L,27R)の軸方向視で、前記アッパーアーム(24)、ロアアーム(26L,26R)及びキングピン軸(29L,29R)によって囲まれる範囲(sq1L,sq1R)の外側に前記減衰力発生装置(38)が配置されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の前二輪式鞍乗り型揺動車両。
JP2013070609A 2013-03-28 2013-03-28 前二輪式鞍乗り型揺動車両 Active JP6112935B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013070609A JP6112935B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 前二輪式鞍乗り型揺動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013070609A JP6112935B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 前二輪式鞍乗り型揺動車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014193679A JP2014193679A (ja) 2014-10-09
JP6112935B2 true JP6112935B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=51839282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013070609A Active JP6112935B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 前二輪式鞍乗り型揺動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6112935B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2982588B1 (en) * 2014-01-31 2019-09-18 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Vehicle
JP6106702B2 (ja) * 2015-03-18 2017-04-05 本田技研工業株式会社 揺動型車両
CN106114721B (zh) * 2016-07-18 2018-07-10 温州卓达运动健身器材有限公司 一种双轮轮架装置
JP6568895B2 (ja) * 2017-05-31 2019-08-28 本田技研工業株式会社 鞍乗り型の小型車両、及び車両の車体フレームの剛性調整装置
CN108791566B (zh) * 2018-06-08 2023-07-04 刘玉华 一种具有z字形曲轴的自平衡四轮车
JP7357211B2 (ja) * 2019-01-31 2023-10-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 三輪自転車
CN110395341A (zh) * 2019-08-12 2019-11-01 吕榕志 倒三轮的前双轮自回正平衡总成(低速款可变形)装置
TWM598811U (zh) * 2020-04-22 2020-07-21 光陽工業股份有限公司 車輛

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11334671A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Abanteku:Kk カート兼用自転車
JP4330658B1 (ja) * 2009-01-19 2009-09-16 株式会社新生電機製作所 三輪自転車
JP5270394B2 (ja) * 2009-02-10 2013-08-21 博司 守瀬 前輪二輪式三輪車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014193679A (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6112935B2 (ja) 前二輪式鞍乗り型揺動車両
JP6043274B2 (ja) 前二輪式鞍乗り型揺動車両
JP6006714B2 (ja) 揺動車両の揺動制御システム
JP5478311B2 (ja) 鞍乗型揺動四輪車両
JP5528870B2 (ja) フロント2輪式鞍乗型車両
JP6121230B2 (ja) 車両
JP6120567B2 (ja) 車輌の操舵装置
TW201512013A (zh) 車輛
CN105480343A (zh) 摩托车
JP6112934B2 (ja) 前二輪式鞍乗り型揺動車両
JP6112933B2 (ja) 前二輪式鞍乗り型揺動車両
JP2008534370A (ja) モータサイクル
JP7195773B2 (ja) 鞍乗り型車両
JP2004122870A (ja) 揺動機構付き3輪車
JP2019214300A (ja) 鞍乗り型車両
CN102039968B (zh) 骑跨型轮式车辆及其框架
CN101472787B (zh) 骑跨型轮式车辆及其框架
JP6063861B2 (ja) 揺動車両の揺動制御システム
JP6241747B2 (ja) 前二輪式鞍乗り型揺動車両
JP6029447B2 (ja) 鞍乗り型車輌の前輪支持構造
JP6029445B2 (ja) 車輌の前輪支持構造
JP7430060B2 (ja) リーン型車両
JP2014040131A (ja) 鞍乗り型揺動車両の前二輪懸架装置
WO2021131702A1 (ja) 車両
JP2014040130A (ja) 鞍乗り型揺動車両の前二輪懸架装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6112935

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150