JP6112724B2 - 1,5−ナフチリジン誘導体およびそれを有効成分として含んでなる殺虫剤 - Google Patents

1,5−ナフチリジン誘導体およびそれを有効成分として含んでなる殺虫剤 Download PDF

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Description

本発明は、1,5−ナフチリジン誘導体、その製造法およびそれを有効成分として含んでなる農園芸用殺虫剤に関する。
農園芸用殺虫剤に関する新規化合物の探索、及びこれを有効成分として含んでなる新規殺虫剤の開発が盛んに進められている。しかしながら、これら新たな殺虫剤も繰り返し使用されることで、それに対する低感受性虫種の発現や、既存剤では防除できない難防除虫種の存在等が問題となる。このため、優れた殺虫活性を有する新規化学構造を有する農園芸用殺虫剤の継続的な開発は、依然として望まれている。
このような状況の中、キノリン骨格やナフチリジン骨格を有する農園芸用殺虫剤としては、引用文献1の様なキノリン誘導体や、引用文献2の様な1,5−ナフチリジン誘導体が知られているが、本発明に係る1,5−ナフチリジン誘導体については何ら開示されていない。
国際公開WO2006/013896 特開2013/112618
近年、低感受性虫種や難防除虫種の存在等の問題により、優れた殺虫活性を有する新規な農園芸用殺虫剤の開発が望まれている。従って、本発明は優れた有害生物防除効力を有する新規な1,5−ナフチリジン誘導体を提供することを課題とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、下記の式(I)で表される新規な1,5−ナフチリジン誘導体が顕著な殺虫活性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記一般式(I)で表される化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩;
Figure 0006112724
[式中、
は水素原子、または−CORを表し、
ここでRは、
C1−4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)、
C1−4のアルキルオキシ基(ここで、C1−4アルキルオキシ基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わし、
、およびXは、互いに独立して、
水素原子、
C1〜4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わし、
若しくは、XとXは一緒になって、
置換基を有していても良い−(CH−基(mは3または4である)(ここで、−(CH−基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていても良い直鎖または分岐鎖のC1−4アルキル基、若しくはC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わし、
およびXは、互いに独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
C1−4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)
C1−4アルキルオキシ基(ここで、C1−4アルキルオキシ基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わし、
Tは、C1−12のアルキル基または、アルケニル基(ここで、C1−12アルキル基または、アルケニル基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わし、
Zは、O、N−R、Sを表わし、
ここでRはR、または−CORを表し、Rは、
C1−4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、
同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表す。]、
(2)Rが−COR(ここでRは、C1−4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよく)、C1−4のアルキルオキシ基(ここで、C1−4アルキルオキシ基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよく)である(1)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(3)XおよびXが、それぞれ独立してC1−4アルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよく)である(2)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(4)XおよびXが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよい)である(3)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(5)Tは、C1−12のアルキル基または、アルケニル基(ここで、C1−12アルキル基または、アルケニル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよい)である(4)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(6)ZがOである(5)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(7)ZがN‐R(ここでRはR、または−CORを表し、RはC1−4のアルキル基(ここで、C1−4アルキル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよい)を表わす)である(5)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(8)ZがSである(5)に記載の化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩、
(9)(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の化合物またはその農園芸上許容可能な酸付加塩を有効成分として含んでなる、農園芸用殺虫剤、
(10)鱗翅目害虫、半翅目害虫、鞘翅目害虫、ダニ目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、双翅目害虫、アザミウマ目害虫、または植物寄生性線虫の防除のための、(9)に記載の農園芸用殺虫剤、
に関する。
本発明による1,5−ナフチリジン誘導体は、農園芸上の害虫に対して優れた防除効果を示し、農園芸用の殺虫剤として有用である。
式(I)は、本発明による化合物の一般的定義を提供する。式(I)化合物において挙げられる好適な置換基および/または基の範囲は、以下に具体的に説明される。
本明細書において、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
式(I)化合物のRは水素原子、または−CORを表す。
が表すC1−4アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよいC1−4アルキル基を指す。ここで、このC1−4アルキル基は置換基を有していても良く、その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子に置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
が表わすC1−4のアルキルオキシ基は、置換基を有していても良い直鎖または分岐鎖のC1−4のアルキルオキシ基である。その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
が表わすC1−4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−または2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−n−ブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ−n−ブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロ−n−ブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、メトキシメチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−トリフルオロメトキシエチル基、2−トリフルオロメトキシエチル基、等が挙げられる。
R1が表わすC1−4のアルキルオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i-ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、エトキシメチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ基、等が挙げられる。
本発明に包含される化合物には、Rが水素であるとき、1,5−ナフチリジン−4−オールと1,5−ナフチリジン−4(1H)−オンの互変異性体があるが、両化合物とも本発明に含まれる。
式(I)化合物のX、Xが表すC1−4アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよいC1−4アルキル基を指す。ここで、このC1−4アルキル基は置換基を有していても良く、その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子に置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
式(I)化合物のX、Xが表すC1−4アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−または2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、メトキシメチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−トリフルオロメトキシエチル基、2−トリフルオロメトキシエチル基、等が挙げられる。
式(I)化合物のX、Xは、これらが一緒になって−(CH−基を取り得る。ここでX、Xは、置換基を有していても良い−(CH−基である。その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていても良い直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。また、mは3または4を表す。すなわち、X、Xにより、1,5−ナフチリジン環に飽和炭素5員環または飽和炭素6員環が接合した化合物であっても良い。好ましくは、X、Xが一緒になり−(CH−基、または−(CH−基であることが挙げられる。
式(I)化合物のX、Xが表すC1−4アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよいC1−4アルキル基を指す。ここで、このC1−4アルキル基は置換基を有していても良く、その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子に置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
式(I)化合物のX、Xが表わすC1−4のアルキルオキシ基は、置換基を有していても良い直鎖または分岐鎖のC1−4のアルキルオキシ基である。その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
式(I)化合物のX、Xが表すC1−4アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−または2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、メトキシメチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−トリフルオロメトキシエチル基、2−トリフルオロメトキシエチル基、等が挙げられる。
式(I)化合物のX、Xが表わすC1−4のアルキルオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、エトキシメチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピルオキシ基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロピルオキシ基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロピルオキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ基、等が挙げられる。
Tは、C1−12のアルキル基または、アルケニル基(ここで、C1−12アルキル基、またはアルケニル基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、及び/または、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよく)を表わす。
Tが表わすC1−12のアルキル基または、アルケニル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、n−ウンデカニル基、n−ドデカニル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2‐(トリフルオロメトキシ)エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、3,4,4−トリフルオロブタ-3-エン-1-イル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ‐2‐メトキシプロピル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ペンタデカフルオロヘプチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ヘプタデカフルオロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9‐ノナデカフルオロノニル基、等が挙げられる。
Zは、O、N−R、Sを表わし、
ここでRはR、または−CORを表す。
が表すC1−4アルキル基は、直鎖または分岐鎖のいずれであってもよいC1−4アルキル基を指す。ここで、このC1−4アルキル基は置換基を有していても良く、その置換基としては、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子に置換されていてもよい直鎖または分岐鎖のC1−4アルキルオキシ基が挙げられる。
が表わすC1−4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−または2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−プロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、メトキシメチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−メトキシエチル基、1−または2−トリフルオロメトキシエチル基、2−トリフルオロメトキシエチル基、等が挙げられる。
式(I)化合物の好ましい態様によれば、Rは−COR基であり、該Rは同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1−4のアルキル基、若しくは同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルオキシ基により置換されてもよいC1−4のアルキルオキシ基である。
が−COR基において、RがC1−4のアルキル基の場合、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基である。
またR基がC1−4のアルキルオキシ基の場合、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、i−プロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基である。
式(I)化合物の別の好ましい態様によれば、XおよびXは、互いに独立して、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1〜4のアルキル基である。
またはXとしては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、が挙げられる。
式(I)化合物の別の好ましい態様としては、XおよびXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1−4アルキル基である。XまたはXとしては、具体的には、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、が挙げられる。
式(I)化合物の別の好ましい態様としては、Tが同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1−12のアルキル基または、アルケニル基である。
Tとしては、具体的には、メチル基、プロピル基、n−ドデカニル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、3,4,4−トリフルオロブタ-3-エン-1-イル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニル基、等が挙げられる。
式(I)化合物の別の好ましい態様としては、Zは、O、N−R、Sを表わし、Rは、R基、及び/または、−COR基であり、該Rは同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1−4のアルキル基である。
は具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基である。
式(I)化合物の好ましい第1の態様としては、Rが−COR基であり、該Rはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基から選択される1種であり、XおよびXは、互いに独立して、メチル基またはエチル基であり、XおよびXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基であり、ZはOであり、Tはメチル基、プロピル基、n−ドデカニル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、3,4,4−トリフルオロブタ-3-エン-1-イル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ‐2‐メトキシプロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニル基、から1つ選択される。
式(I)化合物の好ましい第2の態様としては、Rが−COR基であり、該Rはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基から選択される1種であり、XおよびXは、互いに独立して、メチル基またはエチル基であり、XおよびXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基であり、ZはN−Rを表し、該Rは、メチル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、から選択される1種であり、XおよびXは、互いに独立して、メチル基またはエチル基であり、XおよびXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基であり、Tはメチル基、プロピル基、n−ドデカニル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、3,4,4−トリフルオロブタ-3-エン-1-イル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ‐2‐メトキシプロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニル基、から1つ選択される。
式(I)化合物の好ましい第3の態様としては、Rが−COR基であり、該Rはメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基から選択される1種であり、XおよびXは、互いに独立して、メチル基またはエチル基であり、XおよびXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基であり、ZはSであり、Tはメチル基、プロピル基、n−ドデカニル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、3,4,4−トリフルオロブタ-3-エン-1-イル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ‐2‐メトキシプロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ヘプタデカフルオロノニル基、から1つ選択される。
本発明の1,5−ナフチリジン誘導体は、遊離塩基体(フリー体)であっても良く、または農園芸上許容可能な適当な酸との酸付加塩の形態も含まれる。具体的な酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、等の無機酸類、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、等のカルボン酸類、メシル酸、トシル酸、ベンゼンスルホン酸、等のスルホン酸類、等が挙げられる。
さらに、一般式(I)の化合物の置換基の具体的な組合せの例を表1〜3に示すが、本特許はこれに限定されるものではない。
Figure 0006112724
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Figure 0006112724
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本発明の化合物(I)はさまざまな方法で製造することができる。その製造方法の具体例として、以下のスキームに従う方法により本発明の化合物(I)を製造することができる。なお、以下のスキームにおいて、R、X、X、X、X、T、Zは上記の記載と同義である。
[工程1]一般式(II)の化合物は、一般式(II−1)のニトロピリジン化合物と、一般式(II−2)化合物を、塩基存在下で反応することによって製造できる。一般式(II−1)においてLGは有機合成における一般的な脱離性置換基を表す。前記脱離性置換基の具体例としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素のハロゲン、又はメタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基が挙げられる。一般式(II−2)においてYは、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基を表す。

Figure 0006112724
[工程2]一般式(III)の化合物は、前記一般式(II)の化合物を、酸性条件下における鉄粉などの金属粉による還元、またはパラジウムなどの金属触媒存在下における水素添加などの一般的な方法で還元することによって製造できる。

Figure 0006112724
[工程3]一般式(IV)の化合物は、前記一般式(III)の化合物と一般式(IV−1)の3−オキソカルボン酸化合物(Rは水素原子、アルキル基を表わす)を、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒存在下で反応させることにより製造できる。反応溶媒として、キシレンなどの非水溶性溶媒を用い加熱還流にて脱水反応を行なうことによって効率的に製造できる。一般式(IV)の化合物は、一般式(I)の化合物において、R基が水素原子の化合物であり、本発明に含まれる。

Figure 0006112724
[工程4]前記一般式(IV)の化合物の4位水酸基を置換基変換することにより、一般式(V)の化合物を製造できる。すなわち、前記一般式(IV)の化合物を、塩基性条件下、一般式(V−1)で表わされるハロゲン化合物と反応させることによって製造できる。または、一般式(V−1)で表されるハロゲン化合物に換わり、酸無水物;(RCO)Oを反応させることによって製造できる。なお、一般式(V)の化合物は、本発明に係る一般式(I)の化合物において、Rが−CORの化合物であり、本発明に係る化合物である。
Figure 0006112724
一般式(I)で表される化合物は、以下の実施例で示されるように、農園芸有害害虫に対して優れた防除効果を示すものである。従って、本発明によれば、式(I)で表される化合物を有効成分として含んでなる農園芸用殺虫剤が提供される。また、本発明による農園芸用殺虫剤は、これらの化合物の農園芸上許容可能な酸付加塩を有効成分として含むものとしてもよい。
具体的な酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、等の無機酸類、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、等のカルボン酸類、メシル酸、トシル酸、ベンゼンスルホン酸、等のスルホン酸類、等が挙げられる。
本発明において防除の対象とする虫種(一般式(I)で表される化合物が防除効果を示す虫種)は特に限定されるものではなく、広範な農園芸における有害害虫の防除に用いる事ができる。好ましい防除対象虫種としては、例えば、鱗翅目害虫(例えば、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ、タマナヤガ、トリコプルシア属、ヘリオティス属(Heliothis spp)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp)等のヤガ類;ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、ハイマダラノメイガ、シバツトガ、ワタノメイガ、ノシメマダラノメイガ等のメイガ類;モンシロチョウ等のシロチョウ類;アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ、コドリンガ等のハマキガ類;モモシンクイガ等のシンクイガ類;リオネティア属等のハモグリガ類;リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類;コナガ等のスガ類;ワタアカミムシ等のキバガ類;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ類;イガ、コイガ等のヒロズコガ類など)、半翅目害虫(例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ等のアブラムシ類;ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類;ツマグロヨコバイ等のヨコバイ類;アカヒゲホソミドリカスミカメ、チャバネアオカメムシ、ミナミアオカメムシ、ホソヘリカメムシ等のカメムシ類;オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ類;クワコナカイガラムシ等のカイガラムシ類;グンバイムシ類;キジラミ類など)、鞘翅目害虫(例えば、メイズウィービル、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類;チャイロコメノゴミムシダマシ等のゴミムシダマシ類;ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類;キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドポテトハムシ、ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のハムシ類;イネドロオイムシ、アオバアリガタハネカクシ、シンクイムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ類;カミキリムシ類など)、ダニ目害虫(例えば、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、オリゴニカス属等のハダニ類;トマトサビダニ、ミカンサビダニ、チャノサビダニ等のフシダニ類;チャノホコリダニ等のホコリダニ類;コナダニ類など)、膜翅目害虫(例えば、カブラハバチ等のハバチ類など)、直翅目害虫(例えば、バッタ類など)、双翅目害虫(例えば、イエバエ類;イエカ類;ハマダラカ類;ユスリカ類;クロバエ類;ニクバエ類;ヒメイエバエ類;ハナバエ類;マメハモグリバエ、トマトハモグリバエ、ナスハモグリバエ等のハモグリバエ類;ミバエ類;ノミバエ類;ショウジョウバエ類;チョウバエ類;ブユ類;アブ類;サシバエ類など)、アザミウマ目害虫(例えば、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ハナアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、カキクダアザミウマなど)、植物寄生性線虫(例えば、ネコブセンチュウ類;ネグサレセンチュウ類;シストセンチュウ類;イネシンガレセンチュウ等のアフェレンコイデス類;マツノザイセンチュウなど)である。より好ましくは鱗翅目害虫、半翅目害虫、鞘翅目害虫、ダニ目害虫、双翅目害虫、アザミウマ目害虫、または植物寄生性線虫である。
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容可能な酸付加塩は、農園芸用殺虫剤の有効成分としての使用が提供される。
一般式(I)で表される化合物を農園芸用殺虫剤として用いる場合、一般式(I)で表される化合物をそのまま用いても良いが、適当な固体担体、液体担体、ガス状担体等、界面活性剤、分散剤、その他の製剤用補助剤、等とともに混合して農薬製剤を調製して用いても良い。前記農薬製剤として、好ましくは、乳剤、EW剤、液剤、懸濁剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、DL粉剤、粉粒剤、粒剤、錠剤、油剤、エアゾル、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、マイクロカプセル剤、等を挙げる事ができる。これら農薬製剤として任意に選択される剤型として用いることができる。
前記固体担体としては、例えばタルク、ベンナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、バーミキュライト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、酸性白土、珪砂、珪石、ゼオライト、パーライト、アタパルジャイト、軽石、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、尿素等が挙げられる。
前記液体担体としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、n−ヘキサン、ケロシン、灯油等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ダイズ油、綿実油等の植物油類、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
また、前記ガス状担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル等があげられる。
前記界面活性剤および前記分散剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸塩、POEポリスチリルフェニルエーテル硫酸塩およびリン酸塩、POE・POPブロックポリマー等が挙げられる。
さらに、前記製剤用補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、α化デンプン、アラビアガム、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ステアリン酸カルシウム、及び消泡剤、防腐剤等が挙げられる。
上記の各種担体、界面活性剤、分散剤、および製剤用補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
当該農薬製剤中における有効成分である一般式(I)で表される化合物の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、乳剤で1−75重量%、粉剤では0.3−25重量%、水和剤では1−90重量%、粒剤では0.5−10重量%である。
本発明による農園芸用殺虫剤は、そのままで、または希釈して用いることができる。また、本発明による農園芸用殺虫剤は他の殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合または併用することができる。混合または併用することができる薬剤としては、例えば、ペスティサイド マニュアル(第16版 The British Crop Protection Council 発行)およびシブヤインデックス(SHIBUYA INDEX 第16版、2011年、SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP 発行;およびSHIBUYA INDEX 第17版、2012年、SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP 発行)に記載のものが挙げられる。
より具体的には、殺虫剤は、例えば、アセフェート(acephate)、ジクロルボス(dichlorvos)、EPN、フェニトロチオン(fenitothion)、フェナミホス(fenamifos)、プロチオホス(prothiofos)プロフェノホス(profenofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)のような有機リン酸エステル系化合物;メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)、アルジカルブ(aldicarb)、オキサミル(oxamyl)、プロポキスル(propoxur)、カルバリル(carbaryl)、フェノブカルブ(fenobucarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、ピリミカーブ(pirimicarb)、カルボフラン(carbofuran)、ベンフラカルブ(benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)のようなネライストキシン誘導体;ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)のような有機塩素系化合物;ペルメトリン(permethrin)、テフルトリン(tefluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルバリネート(fluvalinate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)のようなピレスロイド系化合物;ジフルベンズロン(diflubenzuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;またはメトプレン(methoprene)のような幼若ホルモン様化合物であり得る。また、その他の殺虫剤として、ブブロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroxymate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、アセキノシル(acequinocyl)、フィプロニル(fipronyl)、エトキサゾール(ethoxazole)、イミダクロプリド(imidacloprid)、クロチアニジン(chlothianidin)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、ピメトロジン(pymetrozine)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロテトラマト(spirotetaramat)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、ピリダリル(pyridalyl)、スピノサド(spinosad)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、有機金属系化合物、ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラジン系化合物のような化合物が挙げられる。更に、本発明による農園芸用殺虫剤は、BT剤、昆虫病原ウイルス剤などのような微生物農薬と、混用または併用することもできる。
用いられる殺菌剤は、例えば、アゾキシストルビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxym-methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)などのストロビルリン系化合物;メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジン系化合物;トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、シメコナゾール(simeconazole)のようなアゾール系化合物;キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンコゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロビネブ(propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、カーベンダジム(carbendazole)のようなベンズイミダゾール系化合物;メタラキシル(metalaxyl)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフラセ(ofurase)、ベナラキシル(benalaxyl)、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラン(cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;水酸化第二銅(copper hydroxide)、オキシキノリン銅(oxine-copper)のような銅系化合物;ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物;ホセチルアルミニウム(fosetyl-aluminium)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl)のような有機リン系化合物;キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinchlozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)のようなベンズアニリド系化合物;フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、ジメトモルフ(dimethomorph)のようなモルフォリン系化合物;水酸化トリフェニルスズ(fenthin hydroxide)、酢酸トリフェニルスズ(fenthin acetate)のような有機スズ系化合物;フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物であり得る。また、その他の殺菌剤として、フサライド(fthalide)、フルアジナム(fluazinam)、シモキサニル(cymoxanil)、トリホリン(triforine)、ピリフェノックス(pyrifenox)、フェナリモル(fenarimol)、フェンプロピディン(fenpropidin)、ペンシクロン(pencycuron)、シアゾファミド(cyazofamid)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)などが挙げられる。
また、本発明の一般式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容可能な酸付加塩は、その有効量を、植物または土壌に適用することにより、農園芸上の害虫の防除することができる。すなわち、農園芸上の害虫の防除方法が提供される。ここで、本発明による防除方法には、一般式(I)で表される化合物またはそれらの農園芸上許容可能な酸付加塩を、密閉された空間において燻煙処理によって適用する方法も含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例 2−エチル−3−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イルアセテート(化合物No.1−31)
[工程1] 2−クロロ−5−ニトロピリジン(1.00g、6.31mmol)、2,2,2−トリフルオロエタノール(0.76g、7.57mmol)、ジメチルアセトアミド(10mL)、炭酸カリウム(1.74g、12.62mmol)の混合物を、80℃で2時間反応させた。反応液を氷水に注ぎいれ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、溶液を濃縮し、5−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジンの粗結晶を得た。
[工程2] 鉄粉(1.76g、31.55mmol)、80%エタノール水(40mL)、濃塩酸(0.6mL)、工程1で得られた5−ニトロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジンの混合物を7時間加熱還流した。室温まで冷却し、鉄粉を濾別した後、濾液を減圧濃縮し反応混合物を得た。この反応混合物を酢酸エチルに溶解したのち、水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、乾燥、濃縮し6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−アミンの粗結晶1.25gを得た。
[工程3] 工程2で得られた3−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン、パラトルエンスルホン酸一水和物(1.8g、9.47mmol)、2−メチル−3−オキソペンタン酸メチル(1.82g、12.6mmol)、キシレン(15mL)の混合物を、水を留去しながら7.5時間加熱還流させた後、室温まで冷却し、反応液を氷水に注ぎいれ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、溶液を濃縮し、2−エチル−3−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,5−ナフチリジン−4−オールの粗生成物を得た。
[工程4] 工程3で得られた2−エチル−3−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,5−ナフチリジン−4(1H)−オンの組成生物に、無水酢酸15mLを加え、30分間、加熱還流した。加熱終了後、無水酢酸を減圧下、留去し、組成生物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−エチル−3−メチル−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イルアセテート0.17gを得た。
上記、実施例と同様の方法より合成した本発明による一般式(I)の化合物のプロトンNMRスペクトルデータ及び融点は表4〜6の通りであった。
Figure 0006112724

Figure 0006112724
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Figure 0006112724
また、本発明に係る一般式(I)で表される化合物を有効成分として含有する農薬製剤例を以下に挙げる。
Figure 0006112724
上記成分を均一に混合し、粉砕して水和剤を得た。
Figure 0006112724
上記成分を均一に混合して粉剤を得た。
Figure 0006112724
上記成分を均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
Figure 0006112724
上記成分を均一に粉砕・混合し、水を加えてよく練合した後、造粒乾燥して粒剤を得た。
Figure 0006112724
キサンタンガム1%水溶液および適当量の水を除いた上記処方の全量を予備混合した後、湿式粉砕機にて粉砕した。その後、得られた粉砕物にキサンタンガム1%
水溶液および残りの水を加え、100重量%のフロアブル剤を得た。
Figure 0006112724
上記成分を均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
生物試験例1:ワタアブラムシ(Aphis gossypii)防除試験
キュウリ葉を直径2.8cmに切り、水で湿らせた脱脂綿の上に置いた。ここにワタアブラムシ成虫2頭を放虫し、24時間産仔させた後、成虫を除去した。このキュウリ葉に200ppmになるように希釈した供試化合物の希釈液2mLを散布塔を用いて散布した。風乾後、脱脂綿とともにプラスチックカップに入れ、蓋をして25℃の定温室にて飼育した。処理5日後に生死を観察し、死虫率を算出した。
その結果、No.1−7、1−37、3−23の化合物は80%以上の死虫率を示した。
生物試験例2:タバココナジラミ(Bemisia tabaci)防除試験
キュウリ葉を直径6.0cmに切り、水で湿らせた脱脂綿の上に置いた。このキュウリ葉に、200ppmになるように希釈した供試化合物の希釈液2mLを散布塔を用いて散布した。風乾後、このキュウリ葉をプラスチックカップに入れ、20頭のシルバーリーフコナジラミ雌成虫を放虫し、蓋をして25℃の定温室内にて飼育した。処理5日後に生死を観察し、死虫率を算出した。
その結果、No.1−1、1−3、1−7、1−11、1−34、1−36、1−37、2−24の化合物は80%以上の死虫率を示した。
生物試験例3:ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)防除試験
キャベツ葉を直径5.0cmに切り、このキャベツ葉を200ppmになるように希釈した供試化合物の希釈液20mLに浸漬し、風乾した。風乾後、キャベツ葉をプラスチックカップ内に入れ、5頭のハスモンヨトウ2令幼虫を放虫し、蓋をして25℃の定温室にて飼育した。処理3日後に幼虫の生死を観察し、死虫率を算出した。
その結果、No.1−1、1−3、1−7、1−11、1−31、1−35、1−37の化合物は80%以上の死虫率を示した。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で表される化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩;
    Figure 0006112724
    [式中、X 、X は、メチル基を表し、X 3、 は水素原子を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、Oを表わし、Tは、フッ素原子で置換されたC1〜C12のアルキル基又はアルケニル基を表す。]
    又は、
    [式中、X は、エチル基を表し、X は、メチル基を表し、X 3、 は水素原子を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、Oを表わし、Tは、フッ素原子で置換されたC1〜C12のアルキル基又はアルケニル基を表す]
    又は、
    [式中、X は、エチル基を表し、X は、メチル基を表し、X は、メチル基を表し は水素原子を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、Oを表わし、Tは、フッ素原子で置換されたC1〜C12のアルキル基又はアルケニル基を表す。]
    又は、
    [式中、X は、エチル基を表し、X は、メチル基を表し、X は、水素原子を表し、X メチル基を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、Oを表わし、Tは、フッ素原子で置換されたC1〜C12のアルキル基又はアルケニル基を表す。]
  2. 、X は、メチル基を表し、X 、X は、水素原子を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、N−RBを表し、RBはアセチル基を表し、Tは、2,2,2−トリフルオロエチル基を表す、
    前記式(I)で表される化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩。
  3. 1、 は、メチル基を表し、X 3、 は水素原子を表し、R は、−COR を表し、ここでR は、メチル基を表し、Zは、Sを表し、Tは、ドデカニル基をあらわす、
    前記式(I)で表される化合物、またはその農園芸上許容可能な酸付加塩。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の化合物またはその農園芸上許容可能な酸付加塩を有効成分として含んでなる、農園芸用殺虫剤。
  5. 鱗翅目害虫、半翅目害虫、鞘翅目害虫、ダニ目害虫、膜翅目害虫、直翅目害虫、双翅目害虫、アザミウマ目害虫、または植物寄生性線虫の防除のための、請求項に記載の農園芸用殺虫剤。
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