JP6112647B2 - リフトオフ法用レジスト剤及び導体パターンの作製方法 - Google Patents

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本発明は、基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成するにあたって、基材上にレジスト皮膜を形成するために用いられるスクリーン印刷対応のリフトオフ法用レジスト剤、及びこのリフトオフ法用レジスト剤を用いる導体パターンの作製方法に関する。
従来、基材上に微細な導体パターンを形成するための手法の一つとして、リフトオフ法が採用されている。このリフトオフ法は、微細な導体配線を備える配線基板を形成するためなどに利用されている。また、近年、ITO等からなる透明電極を形成するためにも利用されている。
一般に、リフトオフ法では、基材上にレジスト剤を塗布成膜することで、レジスト皮膜からなるネガパターンを形成し、この基材におけるレジスト皮膜が形成されている面上に、導体を乾式法により堆積させ、続いて基材からレジスト皮膜とこのレジスト皮膜上の導体とを除去することで、基材上に導体パターンを形成する。
例えば、特許文献1には、レジスト剤として用いられる水溶性樹脂としてメチルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリビニルアルコールのいずれか1種あるいは2種以上の混合物を用い、この水溶性樹脂を合成樹脂フィルム上にパターン印刷し、合成樹脂フィルムのパターン印刷面の全面に金属酸化物を蒸着し、続いて合成樹脂フィルムを水洗して水溶性のパターン印刷部とその表層に蒸着された金属酸化物膜とを同時に除去することで、金属酸化物膜をパターン化することが、開示されている。
近年、タッチパネル等に使用される透明電極などにおいては導体パターンの更なる微細化が要請されており、そのため、レジスト皮膜からなるネガパターンの更なる微細化が必要とされている。
しかし、レジスト皮膜からなるネガパターンを微細化しようとすると、スクリーン印刷時はレジスト皮膜からなる細線ににじみやかすれ、欠けが生じやすくなる。このため、ガラス板等にネガパターンを枚葉印刷するにあたり、微細パターンが形成可能なレジスト剤は、未だ存在しないものであった。
特開2002−200833号公報
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成するために用いられるリフトオフ法用レジスト剤であって、導体パターンの微細化を可能とすることができるレジスト剤及び導体パターンの作製方法を提供することにある。
本発明の第一の形態に係るリフトオフ法用レジスト剤は、基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成するにあたって、基材上にレジスト皮膜を形成するために用いられるリフトオフ法用レジスト剤であって、ヒドロキシアルキルセルロースを8〜25質量%の割合で含有することを特徴とする。
本発明の第二の形態では、第一の形態において、前記ヒドロキシアルキルセルロースが、重量平均分子量の異なる二種以上の成分を含有する。
本発明の第三の形態では、第一又は第二の形態において、前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
本発明の第四の形態では、前記第一乃至第三のいずれか一の形態において、前記レジスト剤の、25℃、回転速度0.5rpmでの粘度が450〜2000dPa・sであり、その25℃でのTI値(0.5rpm/5rpm)が1.0〜2.0である。
本発明の第五の形態に係るリフトオフ法用レジスト剤は、第一乃至第四のいずれか一の形態において、スクリーン印刷法によってレジスト皮膜を形成するために用いられる。
本発明の第六の形態に係る導体パターンの作製方法は、基材上に、第一乃至第五のいずれか一の形態に係るレジスト剤を塗布成膜することで、レジスト皮膜からなるネガパターンを形成するステップ、
前記基材における前記レジスト皮膜が形成されている面上に、導体を乾式法により堆積させるステップ、及び
前記レジスト皮膜を水系のレジスト除去液に曝すことで、前記基材から前記レジスト皮膜とこのレジスト皮膜上の導体とを除去するステップを含む。
本発明の第七の形態では、第六の形態において、前記基材への前記レジスト剤の塗布を、スクリーン印刷法により行う。
本発明に係るレジスト剤を用いて、基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成することにより、導体パターンの微細化を可能とすることができる。
本実施形態におけるリフトオフ法用レジスト剤は、ヒドロキシアルキルセルロースを、レジスト剤全量に対して8〜25質量%の割合で含有する。このため、レジスト剤をスクリーン印刷により微細なパターン状に塗布しても、印刷性が良好であり、このため、レジスト剤から形成されるレジスト皮膜のにじみ、かすれ、欠け等の不良が抑制される。また、このレジスト皮膜の剥離除去性にも優れる。このため、このレジスト剤を用いて、リフトオフ法により、微細なパターン状の導体パターンを形成することが可能となり、例えば幅100μm以下のライン状の導体パターンを形成することも可能となる。すなわち、ヒドロキシアルキルセルロースの割合が8質量%以上であることでレジスト皮膜のにじみが低減し、且つ剥離除去性が良好となる。またこの割合が25質量%以下であることで、レジスト剤が印刷に適した粘度に調整され、このため印刷時の版離れが良好になり、またレジスト皮膜にかすれや欠け等の不良が起こりにくくなる。このヒドロキシアルキルセルロースの割合は11〜23質量%の範囲であれば更に好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を含有することができる。特に、ヒドロキシアルキルセルロースがヒドロキシプロピルセルロースを含有することが、好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースが、重量平均分子量の異なる二種以上の成分を含有することも、好ましい。この場合、分子量の異なる二種以上の成分の配合比が調整されることで、レジスト剤の印刷性とレジスト皮膜の水溶性とがバランスよく調整される。特にヒドロキシアルキルセルロースが、重量平均分子量が10000以上40000未満の成分、重量平均分子量40000以上100000未満の成分、及び重量平均分子量100000以上910000未満の成分から選ばれる、二種以上の成分を含有することが好ましい。この場合、ヒドロキシアルキルセルロース全体に対して、重量平均分子量が10000以上40000未満の成分の割合が100〜0質量%の範囲、重量平均分子量40000以上100000未満の成分の割合が0〜100質量%の範囲、重量平均分子量100000以上910000未満の成分の割合が0〜10質量%の範囲であることが、好ましい。
このヒドロキシアルキルセルロースの割合は、重量平均分子量が10000以上40000未満の成分の割合が75〜20質量%の範囲、重量平均分子量40000以上100000未満の成分の割合が25〜80質量%の範囲、重量平均分子量100000以上140000未満の成分の割合が0〜10質量%の範囲であることが、さらに好ましい。
また、ヒドロキシアルキルセルロースが、日本曹達株式会社製の品番NISSO HPC−SSL(分子量〜40000)、品番NISSO HPC−SL(分子量〜100000)、品番NISSO HPC−L(分子量〜140000)、品番NISSO HPC−M(分子量〜620000)及び品番NISSO HPC−H(分子量〜910000)から選ばれる、二種以上の成分の混合物であることも、好ましい。
尚、ヒドロキシアルキルセルロースの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定される。
レジスト剤は、ヒドロキシアルキルセルロース以外の水溶性高分子を更に含有してもよい。この場合、水溶性高分子によってレジスト剤の粘度が調整され、レジスト剤の塗布性が良好となる。
水溶性高分子は、例えばカルボキシメチルセルロースなどの多糖類、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウムなどの有機酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル等から選択される、一種以上の化合物を含有する。水溶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分とグリコール成分との重合生成物である。多価カルボン酸成分及びグリコール成分のうち少なくとも一方は、水溶性ポリエステル樹脂に水溶性を付与するための成分(水溶性付与成分)を含むことが好ましい。水溶性付与成分は、水溶性ポリエステル樹脂の骨格構造の一部を構成することで、この水溶性ポリエステル樹脂にイオン性の極性基を導入し、これにより水溶性ポリエステル樹脂に水溶性を付与する。イオン性の極性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。イオン性の極性基は、中和されていてもよい。水溶性付与成分としては、例えば金属スルホネート基を有するジカルボン酸、三価以上の多価カルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体が、挙げられる。
レジスト剤は、無機フィラーを更に含有してもよい。この場合、レジスト剤から形成されるレジスト皮膜が、樹脂マトリックスと無機フィラーとを備え、樹脂マトリクス中に無機フィラーが分散する。このレジスト皮膜中の樹脂マトリクスと無機フィラーとの間の界面に液体が浸入しやすくなり、そのため、レジスト皮膜に液体が浸み込みやすくなる。その結果、レジスト皮膜が加熱されてから水系のレジスト除去液に曝される場合に、レジスト皮膜が更に除去されやすくなる。
無機フィラーは、特に制限されないが、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、及びクレーから選択される、一種以上を含有することが好ましい。
また、無機フィラーは、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等から選ばれる一種以上の白色系体質顔料を含有することも好ましい。この場合、レジスト剤から形成されるレジスト皮膜の白色性が向上することでレジスト皮膜の外観が向上し、またレジスト皮膜の耐熱性が向上する。また、無機フィラーの表面には親水化処理が施されていることが好ましい。この場合、レジスト皮膜の剥離性が更に向上する。
上記のように無機フィラーの平均粒径は、0.03〜10μmの範囲であることが好ましい。この場合、レジスト皮膜が加熱されてから水系の洗浄剤に曝される場合に、レジスト皮膜が更に除去されやすくなる。すなわち、この平均粒径が0.03μm以上であることで、樹脂マトリクスと無機フィラーとの界面から液体が特に浸入しやすくなり、レジスト皮膜内部に液体がしみ込みやすくなる。またこの平均粒径が10μm以下であることでレジスト皮膜の表面の平滑性が良くなり、このためレジスト皮膜にボイドが生じにくくなる。この平均粒径は、0.03〜5μmの範囲であることが好ましく、0.08〜1.5μmの範囲であれば特に好ましい。尚、無機フィラーの平均粒径は、遠心沈降光透過法により測定される。
また、レジスト剤中の無機フィラーの割合は、レジスト剤中の樹脂全量に対して0.1〜400質量%の範囲であることが好ましい。この場合、レジスト皮膜が加熱されてから水系の洗浄剤に曝される場合に、レジスト皮膜が更に除去されやすくなる。すなわち、この割合が0.1質量%以上であることで、レジスト皮膜が除去されやすくなり、且つ耐熱性、成形加工性が良好になる。またこの割合が400質量%より大きくなると、レジスト皮膜中に水溶性官能基の割合が少なくなるため、十分な水溶性が確保されない。この無機フィラーの割合は、20〜350質量%の範囲であれば更に好ましく、50〜300質量%の範囲であれば特に好ましい。但し、無機フィラーが親水性フィラーであれば、前記の割合に限定されない。
また、レジスト剤が、チキソトロピー性付与剤を含有することも好ましい。この場合、レジスト剤に適度なチキソトロピー性が付与され、このためレジスト剤の塗布性が改善される。また、基材上に塗布されたレジスト剤が加熱された場合のレジスト剤の粘度低下が抑制され、このためレジスト剤が流動することによる形状変化が、抑制される。チキソトロピー性付与剤としては、公知の材料が使用される。例えばチキソトロピー性付与剤は、有機ベントナイト、微粉シリカ、モンモリロナイト、及びハイドロタルサイトから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、レジスト剤は、必要に応じ、浸透剤、難燃剤、静電気防止剤、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防錆剤、分散助剤等の適宜の添加剤を含有してもよい。
レジスト剤は、水系溶媒を含有することが好ましい。水系溶媒とは、水であり、或いは水と親水性有機溶媒とを含有する混合溶媒である。この場合、レジスト剤中で水溶性ポリエステル樹脂が水系溶媒中に溶解又は分散し、このため、レジスト剤からレジスト皮膜が形成されるにあたって、レジスト剤が更に塗布されやすくなる。親水性有機溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;シクロヘキサノン等から選択される、少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、水系溶媒が水とアルコールとを含有する混合溶媒であり、レジスト剤中のアルコールの割合が5〜50質量%の範囲であることが好ましい。この場合、スクリーン印刷中のスキージのすべりが良くなり、また皮膜からのスクリーン印刷版の版離れもよくなり、このため、連続印刷性が向上する。
導体パターンの更なる微細化のためには、レジスト剤の25℃での粘度が450〜2000dPa・sの範囲であり、且つその25℃でのTI値(0.5rpm/5rpm)が1.0〜2.0であることが好ましい。この場合、レジスト剤の印刷性が更に向上し、にじみが更に抑制され、版離れが更に向上し、またスクリーン印刷時にスクリーンから抜けるレジスト剤の量が容易に調整可能となる。尚、TI値(0.5rpm/5rpm)は、回転速度5rpmでの粘度に対する回転速度0.5rpmでの粘度の比である。このレジスト剤の粘度は、450〜1500dPa・sの範囲であればより好ましく、480〜1250dPa・sの範囲であれば特に好ましい。また、レジスト剤のTI値は、1.0〜1.7であればより好ましく、1.0〜1.4の範囲であれば特に好ましい。
尚、レジスト剤の粘度は、レジスト剤中のヒドロキシアルキルセルロース、水溶性高分子、無機フィラー、溶媒等の構成成分種類及び割合が変更されることで、適宜調整される。また、レジスト剤のチキソトロピーインデクスは、レジスト剤中のヒドロキシアルキルセルロース、水溶性高分子、無機フィラー、溶媒、チキソトロピー性付与剤等の構成成分種類及び割合が変更されることで、適宜調整される。
本実施形態によるレジスト剤は、基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成するにあたって、基材上にレジスト皮膜を形成するために用いられる。
基材の材質には、特に制限されないが、例えば適宜の樹脂フィルム、ガラス、石英、各種金属、セラミック、紙等が挙げられる。樹脂フィルムが用いられる場合、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリコーン等の樹脂から形成されるフィルムが用いられる。
リフトオフ法により導体パターンが形成されるにあたっては、まず基材上にレジスト剤が塗布成膜されることで、レジスト皮膜からなるネガパターンが形成される。レジスト剤の塗布方法としては、刷毛塗り法、スクリーン印刷法、グラビア印刷、スプレー法、ディップ法、バーコーター、ロールコーターその他の公知の塗布手段が採用され得る。特にスクリーン印刷法が好ましい。本実施形態は、幅100μm以下のパターンが、従来の写真法ではなくスクリーン印刷法によって形成可能であることに特徴がある。続いて、必要に応じてレジスト剤が乾燥される。これにより、硬化反応を伴うことなく、基材上にパターン化されたレジスト皮膜が形成される。レジスト皮膜の厚みは、特に制限されないが、0.5〜5μmが好ましい。レジスト皮膜にボイドが生じない程度であれば、レジスト皮膜の厚みが薄い方が、レジスト皮膜が剥離されやすくなるため、好ましい。
本実施形態では、上述の通り、レジスト剤がヒドロキシアルキルセルロースを、レジスト剤全量に対して8〜25質量%の割合で含有するため、スクリーン印刷によりレジスト剤を微細なパターン状に塗布することが容易である。このため、レジスト剤を、従来は写真法でなければ困難であった微細なパターン状に塗布することが可能となり、例えば幅100μm以下のライン状に塗布することも可能である。このため、本実施形態によるレジスト剤を使用することで、微細な導体パターンが容易に形成される。
レジスト皮膜が形成された後、蒸着、スパッタリング等の乾式法によって、基材上に導体が成膜される。導体としては、Al、Ti、Pb、Ni、Cu、Ag、Au、Cr、Sn、In等の金属、ITO、Al2O3、SiO2等の酸化物が挙げられる。
本実施形態では、レジスト剤が非反応性のヒドロキシアルキルセルロースを含有するため、上記のようにレジスト剤が塗布され、或いは更に加熱されることで溶剤が除去されると、硬化反応を伴わずにレジスト皮膜が形成される。このため、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などを含有する反応硬化型のレジスト剤を使用される場合にはレジスト皮膜中に未反応の低分子量の有機成分が残存することがあるのに対し、本実施形態では、レジスト皮膜中に低分子量の有機成分が残存しにくい。このため、蒸着やスパッタリング等により導体が成膜される際に、レジスト皮膜が減圧下に配置されても、レジスト皮膜からは低分子量の有機成分が放出されにくい。このため、このような有機成分によって導体の成膜に悪影響が与えられるような事態が、起こりにくくなる。この結果、導体の成膜性が向上する。
続いて、レジスト皮膜が水系のレジスト除去液に曝されることで、基材上からレジスト皮膜が除去され、これによりレジスト皮膜上の導体も基材上から除去される。これにより、基材上に残存する導体によって、導体パターンが形成される。
水系のレジスト除去液としては、水を用いることができる。また、水系のレジスト除去液として、水と親水性有機溶媒とを含有する混合液を用いることもできる。親水性有機溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル;シクロヘキサノン;非イオン性、陰イオン性、および陽イオン性からなる界面活性剤等から選択される、少なくとも一種を含有することが好ましい。特に水系の洗浄剤が水であることが好ましい。
レジスト皮膜は、適宜の手法によって、レジスト除去液に曝される。例えばレジスト除去液が、レジスト皮膜を覆う導体に向けてスプレー塗布されたり、レジスト皮膜及びこれを覆う導体がレジスト除去液に浸漬されたりすることで、レジスト皮膜がレジスト処理液に曝される。
尚、レジスト皮膜の大部分が導体によって覆われていても、蒸着やスパッタリング等により形成される薄膜は微視的には不均一で微細な隙間が多く存在するため、レジスト除去液は導体の隙間を通じてレジスト皮膜へ到達することができる。この場合、レジスト皮膜へ到達するレジスト除去液の量が僅かであっても、本実施形態ではレジスト皮膜が従来品より良好な水溶性を有するため、レジスト皮膜は基材上から容易に除去される。このため、基材上にはレジスト皮膜及びこのレジスト皮膜上の導体が、残存しにくくなる。その結果、基材上に導体パターンが容易に形成される。
また、上記の通り、レジスト剤はヒドロキシアルキルセルロースを含有するため、水系の組成物として調製されることができ、更にレジスト剤から形成されるレジスト皮膜は水系レジスト除去液によって容易に除去される。このため、レジスト剤が使用される場合の労働安全性及び環境保全性が、優れている。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、下記の実施例のみに制限されるものではない。尚、下記において、断りのない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
[レジスト剤の調製及び評価]
(レジスト剤の調製)
下記の原料を用意した。
・ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、品番NISSO HPC−SSL)、
・ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、品番NISSO HPC−SL)、
・ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、品番NISSO HPC−L)、
・炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、品名:Silver−W、平均粒径1.5μm)、
・微粉シリカ(日本アエロジル株式会社製、品名:AEROSIL200、平均粒径約0.012μm)、
・プロピレングリコール、及び
・水。
上記原料を、後掲の表に示す割合で配合し、3本ロールミルで混練することで、ペースト状のレジスト剤を調製した。
(レジスト剤の粘度及びTI値)
各実施例及び比較例で得られたレジスト剤の粘度を、東機産業株式会社製のコーンプレートタイプ粘度計TV−30にロータ(No.(3°×R14))を取り付けたものを用いて、25℃、回転数0.5rpmの条件で測定した。
また、回転数を5rpmに変更した場合についても、レジスト剤の粘度を測定し、これに基づき、レジスト剤のTI値(0.5rpm/5rpm)を導出した。
これらの結果を後掲の表に示す。
(レジスト皮膜の剥離性及び微細加工性)
PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂製のフィルム上にレジスト剤を、スクリーン印刷法により最少線幅が30μmのネガパターンが形成されるように印刷した。尚、500メッシュのコンビネーションスクリーンマスク(SUS/ポリエステル)に、厚み15μmの直間法フィルム(品名マイスターGAM FJ−15、互応化学工業株式会社製)を貼り付けることで、スクリーン印刷のためのスクリーン印刷版を作製した。
このフィルム上のレジスト剤を80℃で20分加熱することで乾燥させた。これにより、フィルム上にレジスト皮膜を形成した。尚、いずれの実施例及び比較例においても、レジスト皮膜の厚みは0.5〜3μmであった。
続いて、フィルム上に、スパッタリング法によりAlを蒸着することで、厚み0.4μmの金属膜を形成した。尚、スパッタリング装置としてはキャノン・アネルバ株式会社製のSPCシリーズを用い、スパッタリングの条件は、真空度10-4Pa、印加電圧5.1kVとした。
続いて、フィルム上のレジスト皮膜を除去するために、フィルムにおける金属膜が形成されている面に、流水を水温50℃、圧力0.005MPaの条件で5分間吹き付けた。
試験後のフィルムの表面を観察し、その結果を次のように評価し、後掲の表の「剥離性」の欄に示す。
A:フィルム上にレジスト皮膜の残存が認められない。
B:フィルム上に僅かにレジスト皮膜の残渣が認められる。
C:フィルム上に全体的にレジスト皮膜の残渣が認められる。
また、フィルム上に残存する導体パターンの形状を、線幅が100μmの個所と線幅が30μmの個所の各々において、顕微鏡で観測し、その結果を、導体パターンのがたつき、パターン幅により、次のように評価し、後掲の表の「微細加工性」の欄に示す。
A:導体パターン幅のばらつきが±20%以内でラインにがたつきがない。
B:導体パターン幅のばらつきが±40%以内でラインにややがたつきがあるが、使用可能範囲である。
C:導体パターン幅のばらつきが±40%を超えてラインにがたつきがある。
尚、評価がAであるかBであるかが、判別しにくい場合、A〜Bと評価した。
Figure 0006112647
上記結果に示されるように、実施例1〜11では、レジスト皮膜の剥離性は良好であった。実施例3では、レジスト皮膜を剥離させると、ややうっすら残渣が残ったが、やわらかいスポンジで軽くなぞることできれいに剥離した。さらに、実施例1、2、4〜7では、重量平均分子量の異なる2種のヒドロキシプロピルセルロースを用いることで、良好な剥離性と微細加工性が得られた。

Claims (7)

  1. 基材上にリフトオフ法により導体パターンを形成するにあたって、基材上にレジスト皮膜を形成するために用いられる非反応性のリフトオフ法用レジスト剤であって、ヒドロキシアルキルセルロースを8〜25質量%の割合で含有することを特徴とする。
  2. 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、重量平均分子量の異なる二種以上の成分を含有する請求項1に記載のレジスト剤。
  3. 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する請求項1又は2に記載のレジスト剤。
  4. 前記レジスト剤の、25℃、回転速度0.5rpmでの粘度が450〜2000dPa・sであり、その25℃でのTI値(0.5rpm/5rpm)が1.0〜2.0である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレジスト剤。
  5. スクリーン印刷法によってレジスト皮膜を形成するために用いられる請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレジスト剤。
  6. 基材上に請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレジスト剤を塗布成膜することで、レジスト皮膜からなるネガパターンを形成するステップ、
    前記基材における前記レジスト皮膜が形成されている面上に、導体を乾式法により堆積させるステップ、及び
    前記レジスト皮膜を水系のレジスト除去液に曝すことで、前記基材から前記レジスト皮膜とこのレジスト皮膜上の導体とを除去するステップを含む導体パターンの作製方法。
  7. 前記基材への前記レジスト剤の塗布を、スクリーン印刷法により行う請求項6に記載の導体パターンの作製方法。
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