JP6110851B2 - ハニカム構造体成形用口金及びその製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形用口金及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハニカム構造体成形用口金及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、ハニカム構造体を作製した際に、ハニカム構造体の歪みの発生を抑制することが可能なハニカム構造体成形用口金及びその製造方法に関する。
従来、セラミック原料を押出成形してセラミックハニカム構造体を製造するための、押出成形用の口金として、ハニカム構造体成形用口金が用いられている。ハニカム構造体成形用口金は、例えば、両面に開口する複数の裏孔が形成された第2の板状部と、第2の板状部に形成された裏孔に連通するようにスリットが形成された第1の板状部とが、積層されて形成されている。このようなハニカム構造体成形用口金は、例えば、裏孔が形成された第2の板状部材と、第1の板状部材とが、ホットプレスにより接合され、第1の板状部材に、裏孔に連通するスリットが形成されて作製されている(例えば、特許文献1を参照)。
一方、上記のようなハニカム構造体成形用口金では、裏孔の直径に比べて、スリットの幅が非常に狭く形成されている。そのため、セラミック原料を裏孔から導入すると、裏孔内の圧力が高くなってスリットに応力が集中しやすい。したがって、スリットの摩耗や変形が生じやすく、問題となっていた。
このような問題に対して、スリットの摩耗や変形を抑制しようとするハニカム構造体成形用口金が検討されている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献2に記載の口金は、前面側に形成された成型溝(スリット)及び後面側に形成された断面四角形の開孔を有する成型部と、通孔部が形成されたダイス基部とを備える口金である。当該口金は、成型部が耐摩耗性合金により構成されている。
特開2006−51682号公報 特公平6−22806号公報
上記特許文献2に記載の口金によれば、通孔部(裏孔)からセラミック原料を導入した際に、セラミック原料は、耐摩耗性材料から形成された開孔(穴部)を経由して、スリット内に導入される。そのため、摩耗や変形が生じる問題を解消し得るものである。特に、通孔部が形成されるダイス基部がステンレス鋼で形成され、開孔及びスリットが形成される成型部が超硬合金で形成されている口金の場合は、摩耗や変形を抑えることができるものである。
一方、特許文献2に記載の口金においては、通孔部の円形の断面形状の直径が、開孔の四角形の断面形状の一辺より長く、且つ開孔の四角形の断面形状の対角線より短くなっている。そして、開孔の中心と通孔部の中心とがほぼ同位置に配置されている。開孔の形状(断面形状)が四角形であり、通孔部の形状(断面形状)が円形である場合において、上記のような形状の関係があるときには、開孔と通孔部とが、ほぼ同じ大きさで、ほぼ同位置に配置されているということができる。このように、開孔と通孔部とが、ほぼ同じ大きさで、ほぼ同位置に配置されている場合には、成型部(成型部になる材料)とダイス基部(ダイス基部になる材料)とを接合して口金を作製する際に、開孔と通孔部とが、ずれた状態になることがあった。ここで、「ずれた状態」とは、中心位置が一致しておらず、且つ、開孔の開口部の外周(外縁)と通孔部の開口部の外周(外縁)とが、交差している状態を意味する。また、開孔の開口部と通孔部の開口部とが、全く重なっていない状態も含まれる。このような開孔の開口部と、通孔部の開口部がずれた状態の口金を使用してハニカム構造体を成形すると、ハニカム構造体に歪みが生じ、成形性が低下する等、新たな問題が生じる。これは、開孔の開口部と、通孔部の開口部がずれた状態であるために、スリットにセラミック原料が十分に導入されないことや、各スリットから押出される際のセラミック原料に、圧力が均等にかからないことが原因である。また、開孔の開口部と、通孔部の開口部が、僅かにずれた状態であっても、成形性に影響が出るため、同様の問題が生じている。
したがって、ハニカム構造体を成形する際に、ハニカム構造体に歪みが生じることを抑制して、成形性をより良好にすることが求められている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明のハニカム構造体成形用口金は、穴部の直径が、裏孔の直径とは異なる大きさである。そして本発明は、第1の接合面における穴部の開口部が、第2の接合面における裏孔の開口部の内側に配置されているか、または、第2の接合面における裏孔の開口部が、上記第1の接合面における上記穴部の開口部の内側に配置されている。そのため、本発明は、ハニカム構造体を成形する際に、ハニカム構造体に歪みが生じることを抑制して、成形性をより良好にすることができるハニカム構造体成形用口金を提供することを特徴とする。
本発明によって、以下のハニカム構造体成形用口金及びその製造方法が提供される。
[1] 第2の接合面を有し、成形原料を導入するための裏孔が形成された1枚の板からなる第2の板状部と、第1の接合面を有し、前記裏孔に連通し成形原料を成形するためのスリットが形成されるとともに、前記裏孔及び前記スリットに連通する穴部が前記第1の接合面側に形成される、1枚の板からなる炭化タングステン基超硬合金製の第1の板状部とを備え、前記第2の板状部が、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成されたものであり、前記第1の板状部が、前記第1の接合面が前記第2の接合面に接するようにして前記第2の板状部に配設され、前記第1の接合面における前記穴部の開口部と前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の形状はいずれも円形であり、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径とは異なる大きさであり、前記第1の接合面における全ての前記穴部の開口部が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の内側に配置されており、前記穴部の前記第1の板状部の表面側の底部の形状が、前記第1の板状部の表面に直交する断面において、平らな形状であるハニカム構造体成形用口金。
[2] 前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径よりも大きく、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径の1.01〜1.50倍である[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[3] 前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径が、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径よりも大きく、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径が、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径の1.01〜1.50倍である[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[4] 前記穴部の深さが、0.1〜90mmである[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
] 前記第1の板状部の前記第1の接合面側の、前記スリットの端部に沿って形成されるとともに、前記スリットに連通し、前記スリットの幅よりも大きな幅の空間であるバッファ部を有する[1]〜[]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
] 前記スリットの前記第2の板状部側の底部の形状が、前記スリットに直交する断面において、平らな形状、平らな形状において角部が直線状に切り取られた形状、外側に凸の曲線状、又は、外側に凸のV字状である[1]〜[]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
] 前記バッファ部の前記第2の板状部側の底部の形状が、前記スリットに直交する断面において、平らな形状、平らな形状において角部が直線状に切り取られた形状、外側に凸の曲線状、又は、外側に凸のV字状である[]または[]に記載のハニカム構造体成形用口金。
] 鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成された1枚の板からなる第2の板状部材に、円形の複数の裏孔を形成し、炭化タングステン基超硬合金により形成された1枚の板からなる第1の板状部材の一方の面である第1の接合面に、前記第2の板状部材に接合したときに前記裏孔に連通するとともに前記裏孔の直径とは異なる直径の円形の穴である複数の穴部を形成し、前記裏孔が形成された第2の板状部材の一方の面である第2の接合面と、前記穴部が形成された第1の板状部材の前記第1の接合面とを対向させた状態で、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを積層して、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを接合し、前記第1の板状部材の表面側から、穴部に連通するスリットを形成して、前記第1の接合面における全ての前記穴部の開口部が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の内側に配置されており、前記穴部の前記第1の板状部の表面側の底部の形状が、前記第1の板状部の表面に直交する断面において、平らな形状であるハニカム構造体成形用口金を作製するハニカム構造体成形用口金の製造方法。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、第2の板状部と第1の板状部とを備えるものである。第2の板状部は、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成されたものである。更に第2の板状部は、第2の接合面を有し、成形原料を導入するための裏孔が形成されたものである。第1の板状部は、炭化タングステン基超硬合金製である。更に、第1の板状部は、第1の接合面を有し、上記裏孔に連通し成形原料を成形するためのスリットが形成されるとともに、上記裏孔及び上記スリットに連通する穴部が上記第1の接合面側に形成されたものである。そして、上記第1の板状部は、第1の接合面が第2の接合面に接するようにして上記第2の板状部に配設される。更に、上記第1の接合面における穴部の開口部の直径が、第2の接合面における裏孔の開口部の直径とは異なる大きさである。更に、上記第1の接合面における上記穴部の開口部が、上記第2の接合面における裏孔の開口部の内側に配置されているか、または、上記第2の接合面における裏孔の開口部が、上記第1の接合面における穴部の開口部の内側に配置されている。このように、本発明のハニカム構造体成形用口金は、裏孔と穴部とが上記のような関係にあるため、ハニカム構造体を成形する際に、成形されるハニカム構造体に歪みが発生することを抑制して、成形性をより良好にすることが可能である。
本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、以下の通りである。すなわち、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成された第2の板状部材に、複数の裏孔を形成する。そして、炭化タングステン基超硬合金により形成された第1の板状部材の一方の面である第1の接合面に、第2の板状部材に接合したときに裏孔に連通するとともに裏孔の直径とは異なる直径の穴である複数の穴部を形成する。そして、裏孔が形成された第2の板状部材の一方の面である第2の接合面と、穴部が形成された第1の板状部材の第1の接合面とを対向させた状態で、第1の板状部材と第2の板状部材とを積層して、第1の板状部材と第2の板状部材とを接合する。そして、第1の板状部材の表面側から、穴部に連通するスリットを形成してハニカム構造体成形用口金を作製する。このように、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、第1の板状部材に形成された穴部の直径と、第2の板状部に形成された裏孔の直径とが異なる大きさである。そのため、成形性の良好なハニカム構造体成形用口金を得ることができる。
本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示し、スリットが形成された第1の板状部側から見た斜視図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示し、裏孔が形成された第2の板状部側から見た斜視図である。 図1に示すハニカム構造体成形用口金の、第1の板状部側の表面の一部を示す拡大平面図である。 図3に示すハニカム構造体成形用口金のA−A’断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の他の実施形態の、厚さ方向に平行な断面を示し、第2の接合面における裏孔の開口部が、第1の接合面における前記穴部の開口部の内側に配置されている状態を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、第1の板状部の表面に直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、第1の板状部の表面に直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態の、スリットに直交する断面の一部を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体成形用口金:
本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態について説明する。図1は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示し、スリットが形成された第1の板状部側から見た斜視図である。図2は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示し、裏孔が形成された第2の板状部側から見た斜視図である。図3は、図1に示すハニカム構造体成形用口金の、第1の板状部側の表面の一部を示す拡大平面図である。図4Aは、図3に示すハニカム構造体成形用口金のA−A’断面を示す模式図である。図4Aに示されるハニカム構造体成形用口金は、第1の接合面における穴部の開口部が、第2の接合面における裏孔の開口部の内側に配置されている状態を示している。
図1〜図4Aに示されるように、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1は、第2の板状部3と、炭化タングステン基超硬合金製の第1の板状部7とを備えるものである。第2の板状部3は、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成されたものである。第2の板状部3は、第2の接合面6を有し、成形原料を導入するための裏孔5が形成されたものである。第1の板状部7は、第1の接合面10を有し、上記裏孔5に連通し成形原料を成形するためのスリット9が形成されるとともに、上記裏孔5及び上記スリット9に連通する穴部11が上記第1の接合面10側に形成されたものである。スリット9は、直接的には穴部11に連通している。つまり、スリット9は、穴部11を介して裏孔5に連通しているということができる。上記第1の板状部7は、上記第1の接合面10が上記第2の接合面6に接するようにして上記第2の板状部3に配設される。第1の接合面における穴部の開口部の直径は、第2の接合面における裏孔の開口部の直径とは異なる大きさである。更に、第1の接合面における穴部の開口部の直径は、第2の接合面における裏孔の開口部の直径より小さいものである。さらに、上記第1の接合面10における上記穴部11の開口部11aが、上記第2の接合面6における裏孔5の開口部5aの内側に配置されている。このようにハニカム構造体成形用口金1(1A)が構成されることにより、成形されるハニカム構造体の成形性が良好となる。「穴部11の開口部11aが、裏孔5の開口部5aの内側に配置されている」とは、開口径の大きな裏孔5と開口径の小さな穴部11とが連通するとともに、裏孔5の開口部の外周(外縁)と穴部11の開口部の外周(外縁)とが、交差していない状態を意味する。尚、穴部11の開口部の外周(外縁)が、裏孔5の開口部の外周(外縁)に内接する状態は、「穴部11の開口部11aが、裏孔5の開口部5aの内側に配置されている」に含まれる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金の厚さは、特に限定されないが、5〜100mmが好ましい。5mmより薄いと、成形時に口金が破壊されることがある。100mmより厚いと、ハニカム構造体を成形する際に、圧力損失が高く、成形し難いことがある。
(1−1)第2の板状部:
第2の板状部3は、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成されたものである。鋼材とは、ステンレス鋼、ダイス鋼及びハイス鋼からなる群から選択される少なくとも一種のことである。第2の板状部3の材質としては、これらの中でも、鋼材が好ましく、ステンレス鋼が更に好ましい。尚、本明細書において、「鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種」のことを「快削材」と称することがある。「快削材」は、炭化タングステン基超硬合金と比較して、容易に研削加工することができる材質(材料)である。第2の板状部3は、スリットが形成されていないため、第1の板状部7に比べて、摩耗の問題が少ない。第2の板状部3は、快削材製であるため、炭化タングステン基超硬合金に比べて、加工性に優れたものである。また、炭化タングステン基超硬合金より、快削材のほうが安価であるため、製造コストを低下させることが可能である。
第2の板状部3の材質の一種である上記「ステンレス鋼」としては、公知のステンレス鋼を用いることができる。例えば、SUS304、SUS303等を挙げることができる。
また、上記第2の板状部3の大きさは、特に限定されず、用途に合わせて、所望の大きさにすることができる。ただし、第2の板状部3が円板状である場合、円板の直径(一方の面及び他方の面の直径)は、30〜500mmが好ましい。
また、第2の板状部3の厚さについては、特に制限はなく、例えば、スリット形状、裏孔形状等を考慮して、用途に合わせて適宜決定することができる。
(裏孔)
上記第2の板状部3には、成形原料を導入するための裏孔5が形成されている。「裏孔5」は、成形原料を導入するための貫通孔(第2の板状部3の両面に開口する孔)である。このハニカム構造体成形用口金1を用いてハニカム構造体を成形する場合に、裏孔5からハニカム構造体の成形原料が導入される。
また、裏孔5の形状については、導入された成形原料を、穴部11及びスリット9に導くことができるような形状であれば特に制限はない。例えば、裏孔の「成形原料が流れる方向(第2の板状部の厚さ方向)に直交する断面」における形状が、円形であることが好ましい。また、裏孔5の開口部の直径は、0.5〜5.0mmであることが好ましく、0.8〜3.0mmであることが更に好ましい。このような裏孔5は、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等の方法によって形成することができる。これらの方法の中でも、効率的に、精度良く裏孔5を形成することが可能であることより、電解加工(ECM加工)が好ましい。裏孔の空間は、円柱形状であることが好ましい。この場合、裏孔の「成形原料が流れる方向(第2の板状部の厚さ方向)に直交する断面」における直径(裏孔の直径)が、一定の値となる。そして、この場合、裏孔の直径は、「第2の接合面における裏孔の開口部の直径」と同じ値になる。また、裏孔の個数は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造体の形状等に合わせて適宜決定することができる。
(第2の接合面)
第2の板状部3は、第2の接合面6を有している。第2の接合面6は、図4Aに示されるように、第2の板状部3の、第1の板状部7に接合されている(接している)面である。
(1−2)第1の板状部:
第1の板状部7は、炭化タングステン基超硬合金製の板状部材から構成される。裏孔5の直径に比べて、スリット9の幅が非常に狭く形成されている。そのため、成形原料を押出成形する際に、裏孔5内の圧力が高くなって、スリット9に応力が集中し、摩耗したり変形したりする等の不具合が生じやすい。そのため、第1の板状部7は、耐摩耗性の高い材料である炭化タングステン基超硬合金によって形成されている。
上記「炭化タングステン基超硬合金(超硬合金)」とは、炭化タングステンと結合材とが焼結した合金である。結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。このような炭化タングステン基超硬合金は、耐摩耗性や機械的強度に特に優れている。
また、上記第1の板状部7の大きさは、特に限定されず、用途に合わせて、所望の大きさにすることができる。ただし、第1の板状部7が円板状である場合、円板の直径は、30〜500mmが好ましい。第1の板状部7及び第2の板状部3が円板状である場合、第1の板状部7の直径は、第2の板状部材3の直径の90〜100%が好ましい。
なお、第1の板状部7の厚さは、0.6〜95mmが好ましく、0.6〜30mmが更に好ましく、1.0〜20mmが特に好ましい。また、第1の板状部7の厚さは、第2の板状部3の厚さの0.05〜5倍であることが好ましい。
(スリット)
第1の板状部7には、穴部11に連通し、成形原料を成形するためのスリット9が形成される。スリットは、第1の板状部7に形成された隙間(切れ込み)である。裏孔5から導入された成形原料が、ハニカム構造体成形用口金内で上記スリット9に入り、さらに、スリット9の開口部から成形原料が押し出されて、ハニカム形状の成形体が形成される。
第1の板状部7上のスリットが形成される領域や、スリットの形成パターンは、特に限定されず、用途に合わせて、適宜決定することができる。たとえば、スリットの形成パターンとしては、成形原料が押し出される(流れる)方向に直交する断面において、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、丸形、これらの多角形及び丸形の中の複数個が組み合されて形成されたパターン等が好ましい。例えば、図1〜図3に示されるハニカム構造体成形用口金1においては、成形原料が押し出される方向に直交する断面において、スリット9の形成パターンは、四角形である。
また、スリットの幅については、成形するハニカム構造体の形状によって適宜決定することができる。例えば、一般的な排ガスフィルター用又は触媒担体用のセラミックハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体成形用口金を製造するためには、スリットの幅が0.05〜1mmであることが好ましく、0.06〜0.5mmであることが更に好ましい。スリットの深さは、穴部に連通する深さであればよい。スリットの深さは、例えば、0.5〜10mmが好ましい。
(第1の接合面)
第1の板状部7は、第1の接合面10を有している。第1の接合面10は、図4Aに示されるように、第1の板状部7の、第2の板状部3に接合されている(接している)面である。
(穴部)
さらに、第1の板状部7には、「穴部11」が形成される。この「穴部11」は、第2の板状部3に形成される裏孔5、及び、第1の板状部7に形成されるスリット9に連通するように形成される。また、この「穴部11」は、第1の板状部7の「第1の接合面10」に形成された窪みである。すなわち、第1の接合面10側から、第1の接合面10に対して反対側の面(第1の板状部7の表面)に向けて形成される。尚、図4Aに示されるように、「穴部11」は、上記第1の板状部7の表面までは到達していない。すなわち、「穴部11」は、スリットには連通しているが、穴部11自体は貫通孔にはなっていない。従って、「穴部11」は、第1の板状部7内に、穴の先端部分(底の部分)である底部11bを有している。このような「穴部11」が形成されることにより、第2の板状部3に形成された裏孔5から導入された成形原料が、この「穴部11」を通過して、上記スリット9に入る。そして、スリットの開口部9aから成形原料が押し出され、ハニカム形状の成形体(ハニカム構造体)が形成される。
穴部11は、深さh(図4A参照)が0.1〜90mmであることが好ましく、0.5〜20mmであることが更に好ましい。このように、穴部11の深さhが上記範囲であることにより、成形性を向上させることができる。穴部の深さhが、0.1mm未満であると、成形原料を押出成形する際に、第1の板状部材の強度が低下し易くなることがある。穴部の深さhが、90mm超であると、本実施形態のハニカム構造体成形用口金を作製する際に、第1の板状部材を加工して穴部を形成することが困難となる。ここで、「穴部11の深さh」とは、図4Aに示されるように、第1の板状部の第1の接合面から、穴部の底部11bまでの距離である。
穴部11の開口部の直径は、0.5〜5.0mmであることが好ましく、0.8〜3.0mmであることが更に好ましい。このような穴部11は、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等の方法によって形成することができる。穴部11の形成方法としては、これらの中でも、効率的に、精度良く穴部11を形成することが可能であることより、電解加工(ECM加工)が好ましい。穴部の空間は、円柱形状であることが好ましい。この場合、穴部の「成形原料が流れる方向(第1の板状部の厚さ方向)に直交する断面」における直径(穴部の直径)が、一定の値となる。そして、この場合、穴部11の直径は、「第1の接合面における穴部の開口部の直径」と同じ値になる。また、穴部11の個数は、裏孔の個数と同じであることが好ましい。
(1−3)穴部の開口部と裏孔の開口部との関係:
図4Aに示されるように、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1(1A)は、第1の接合面10における穴部の開口部11aの直径dが、第2の接合面6における裏孔の開口部5aの直径Dとは異なる大きさである。更に、本実施形態のハニカム構造体成形用口金は、図4Aに示されるように、第1の接合面における穴部11の開口部の直径dは、第2の接合面における上記裏孔5の開口部の直径Dよりも小さく形成されている。そして、第1の接合面10における穴部11の開口部11aが、第2の接合面6における裏孔5の開口部5aの内側に配置されている。
「第1の接合面における穴部の開口部11a」は、第1の接合面10に開口する窪み(穴部)の入口部分である。なお、穴部の開口部11aの直径dは、穴部の底部11bの直径と同じ直径に形成されていることが好ましい。同様に、「第2の接合面における裏孔の開口部5a」は、第2の接合面6に開口する、第2の接合面6側の出口部分(成形原料の出口部分)である。セラミック原料は、この出口部分を通過すると同時に、穴部に供給される。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金は、上記第1の接合面10における上記穴部の開口部11aが、上記第2の接合面6における裏孔の開口部5aの内側に配置されている。このように穴部の開口部11aが、裏孔の開口部5aの内側に配置されると、「裏孔5からスリット9までの、セラミック原料の安定した(スムーズな)流れ」が、阻害されることを防止できる。すなわち、穴部11内の成形原料の流れの偏りが抑制され、成形原料が均一な圧力でスリット内に導入される。これにより、ハニカム構造体を成形した際のハニカム構造体の歪みを、防止できる。すなわち、成形性の良好なハニカム構造体を成形できるハニカム構造体成形用口金となる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金は、「第2の接合面6における裏孔の開口部5aの直径D」が、上記「第1の接合面10における穴部の開口部11aの直径d」の1.01〜1.50倍であることが好ましい。これにより、ハニカム構造の成形体(ハニカム構造体)を成形する際の成形性を向上させることができる。1.01倍より小さいと、ハニカム構造体成形用口金を製造する際に、第1の板状部と第2の板状部とを接合したときに、穴部の開口部と裏孔の開口部とが、ずれることがある。穴部の開口部と裏孔の開口部とが、ずれると、ハニカム構造体を成形する際に得られるハニカム構造体が変形し易くなる。1.50倍より大きいと、裏孔と裏孔とが連結して、所望の成形体を成形できないことがある。穴部の開口部の形状、及び裏孔の開口部の形状は、特に限定されないが、大きさが異なる同形状であることが好ましい。これにより、成形原料の流れをより均一にすることができる。また、穴部の開口部の形状、及び裏孔の開口部の形状は、円形が更に好ましい。円形とすることにより、成形原料の流れを更に均一にすることができる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金1(1A)を用いて押出成形されるセラミックハニカム構造体は、流体の流通方向に延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備えたセラミックハニカム構造体である。本実施形態のハニカム構造体成形用口金1(1A)を用いてセラミックハニカム構造体を製造する際に用いるセラミック原料は、セラミック粉末に水、バインダ、造孔剤等が混合、混練された原料である。
(1−4)本発明のハニカム構造体成形用口金の他の実施形態:
次に、本発明のハニカム構造体成形用口金の他の実施形態について説明する。本実施形態のハニカム構造体成形用口金は、以下のとおりである。すなわち、図4Bに示されるように、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態(図4Aを参照)において、第2の接合面6における裏孔5の開口部5aは、第1の接合面10における穴部11の開口部11aの内側に配置されている。本実施形態のハニカム構造体成形用口金においては、第2の接合面6における裏孔5の開口部5aが、第1の接合面10における穴部11の開口部11aより小さい。「裏孔5の開口部5aが、穴部11の開口部11aの内側に配置されている」とは、開口径の小さな裏孔5と開口径の大きな穴部11とが連通するとともに、裏孔5の開口部の外周(外縁)と穴部11の開口部の外周(外縁)とが、交差していない状態を意味する。尚、裏孔5の開口部の外周(外縁)が、穴部11の開口部の外周(外縁)に内接する状態は、「裏孔5の開口部5aが、穴部11の開口部11aの内側に配置されている」に含まれる。図4Bは、本発明のハニカム構造体成形用口金の他の実施形態の「厚さ方向に平行な断面」を示し、第2の接合面における裏孔の開口部が、第1の接合面における穴部の開口部の内側に配置されている状態を示す模式図である。
このように、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1(1B)は、「裏孔5の開口部5aが、穴部11の開口部11aの内側に配置されている」ため、穴部11内の成形原料が均一な流れになり、均一な圧力でスリット内に導入される。これにより、成形されるハニカム形状の成形体の形状が変形することを防止することができる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金は、「第1の接合面10における穴部の開口部11aの直径d」が、「第2の接合面6における裏孔の開口部5aの直径D」の1.01〜1.50倍であることが好ましい。これにより、ハニカム構造の成形体を成形する際の成形性を向上させることができる。1.01倍より小さいと、ハニカム構造体成形用口金を製造する際に、第1の板状部と第2の板状部とを接合したときに、穴部の開口部と裏孔の開口部とが、ずれることがある。1.50倍より大きいと、穴部と穴部とが連結して、所望の成形体を成形できないことがある。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図5に示されるように、「スリットの底部9bの形状(第2の板状部3側の底部の形状)が、スリット9に直交する断面において、外側に凸の曲線状」であるものも好ましい態様である。ここで、本明細書において「スリット9に直交する断面」というときは、スリット9に直交するとともに、スリット9の深さ方向(第1の板状部の表面から内部に向かう方向)に平行な断面であることを意味する。スリットの底部9bは、スリット9に直交する断面において、スリット9の「第1の板状部7の第1の接合面10側」の端部である。尚、スリット9の、「第1の板状部7の表面7a側」の端部が、スリット9の開口部9aになる。また、本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図6に示されるように、「スリットの底部9bの形状が、スリット9に直交する断面において、外側に凸のV字状」であるものも好ましい態様である。また、本発明のハニカム構造体成形用口金においては、「スリットの底部の形状が、スリットに直交する断面において、「平らな形状(直線状)において角部が直線状に切り取られた(C面取りされた)形状」」であるものも好ましい態様である。また、本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図7に示されるように、「スリット9の形状が、スリット9に直交する断面において、開口部9aからスリットの底部9bに向かって細くなるようなテーパー状」であるものも好ましい態様である。スリットの形状としては、上記のような種々の形状を挙げることができる。図5は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1C)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。図6は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1D)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。図7は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1E)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図8に示されるように、穴部11の底部11bの形状が、第1の板状部7の表面7aに直交する断面において、外側に凸の曲線状であるものも好ましい態様である。また、本発明のハニカム構造体成形用口金は、「穴部の底部の形状(穴部の、第1の板状部の表面側の底部の形状(即ち、穴部の先端部分である底部の形状))が、第1の板状部の表面に直交する断面において、「平らな形状(直線状)において角部が外側に凸の曲線状に形成された形状」」であることも好ましい態様である。また、本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図9に示されるように、穴部11の底部11bの形状が以下のようなものも、好ましい態様である。つまり、穴部11の底部11bの形状が、「第1の板状部7の表面7aに直交する断面において、「平らな形状(直線状)において角部が直線状に切り取られた(C面取りされた)形状」」であるものも好ましい態様である。穴部11の底部11bの形状としては、上記のような種々の形状を挙げることができる。尚、図8,9に示されるハニカム構造体成形用口金1F,1Gにおいては、スリット9の底部9bの形状は、スリット9に直交する断面において、平らな形状(直線状)である。これは、スリット9の底部9bの形状が、スリット9に直交する断面において、角部が直角になるような形状であるということもできる。図8は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1F)の、第1の板状部7の表面7aに直交する断面の一部を示す断面図である。図9は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1G)の、第1の板状部7の表面7aに直交する断面の一部を示す断面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、「「第1の板状部の第1の接合面側の、スリットの端部」に沿って形成されるとともに、スリットに連通し、スリットの幅よりも大きな幅の空間である」バッファ部、を有することが好ましい。図10に示されるように、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態は、スリット9に直交する断面において、スリット9の「第1の板状部7の第1の接合面10側」の端部に連通する空間であるバッファ部21が形成されたものである。バッファ部21の幅Aは、スリット9の幅よりも大きい。バッファ部21は、スリット9全体の「第1の板状部7の第1の接合面10側」の端部に沿うように形成されている。ハニカム構造体成形用口金1Hは、バッファ部21を有することにより、裏孔5から流入させた成形原料を、幅の狭いスリット9内に流入させる前に、幅の広いバッファ部21内に容易に広げることができる。そして、成形原料を、バッファ部21からスリット9内に流入させることができる。これにより、成形原料をスリット9全体に、均一に流し易くなる。また、ハニカム構造体成形用口金1Hが、バッファ部21を有することにより、成形原料を押出成形する際の圧力損失を小さくすることができる。バッファ部21の幅Aは、0.1〜4.0mmが好ましく、0.2〜3.0mmが更に好ましく、0.5〜2.0mmが特に好ましい。バッファ部21の幅Aが0.1mmより狭いと、成形原料をスリット9全体に、均一に流し易くする効果が低減することがある。バッファ部21の幅Aが4.0mmより広いと、成形時に口金が破壊され易くなることがある。また、バッファ部21の深さBは、0.05〜5.0mmが好ましく、0.1〜4.0mmが更に好ましく、0.5〜2.0mmが特に好ましい。バッファ部21の深さBが、0.05mmより浅いと、成形原料をスリット9全体に、均一に流し易くする効果が低減することがある。バッファ部21の深さBが、5.0mmより深いと、加工が困難となることがある。バッファ部21の深さとは、バッファ部21の、「ハニカム構造体成形用口金1Hの厚さ方向」における長さのことである。尚、ハニカム構造体成形用口金1Hにおいては、スリット9に直交する断面において、バッファ部21の形状が長方形である。すなわち、バッファ部21の底部21aの形状(第2の板状部3側の底部の形状)が、スリット9に直交する断面において、「平らな形状(直線状)」である。また、バッファ部21の「底部21aに対して反対側の端部21b」の、ハニカム構造体成形用口金1Hの厚さ方向における位置は、スリット9に直交する断面において、穴部11の底部11bと同じ位置であることが好ましい態様である。バッファ部21の「底部21aに対して反対側の端部21b」は、バッファ部21の「スリット9に繋がっている」端部である。図10は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1H)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図11に示されるように、バッファ部21が形成されるとともに、スリット9に直交する断面において、バッファ部21の底部21aの形状が、外側に凸の曲線状であるものも好ましい態様である。図11は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1I)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図12に示されるように、バッファ部21が形成されるとともに、バッファ部21の形状が、以下のような形状であることも好ましい態様である。すなわち、スリット9に直交する断面において、バッファ部21の形状が、「底部21aの形状が「平らな形状(直線状)において角部が直線状に切り取られた(C面取りされた)形状」」となっている形状であることも好ましい態様である。また、スリットに直交する断面において、底部の形状が「V字状」のバッファ部が形成された、ハニカム構造体成形用口金も好ましい態様である。図12は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1J)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。
本発明のハニカム構造体成形用口金においては、図13に示されるように、バッファ部21が形成されるとともに、バッファ部21の配置が、以下のような配置であることも好ましい態様である。すなわち、ハニカム構造体成形用口金1Kの厚さ方向において、バッファ部の底部21aが穴部11の底部11bと重なるように、バッファ部21が形成(配置)されていることも、好ましい態様の1つである。図13は、本発明のハニカム構造体成形用口金の更に他の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1K)の、スリット9に直交する断面の一部を示す断面図である。バッファ部21の形状としては、例えば、上記図10〜図13に示されるハニカム構造体成形用口金1H〜1Kのバッファ部のように、種々の形状を挙げることができる。
なお、図5〜図13に示されるハニカム構造体成形用口金1C〜1Kは、穴部の開口部の直径が、裏孔の開口部の直径よりも小さく、穴部の開口部が裏孔の開口部の内側に配置された例である。更に、ハニカム構造体成形用口金1C〜1Kにおいて、穴部の開口部の直径が、裏孔の開口部の直径よりも大きく、裏孔の開口部が穴部の開口部の内側に配置された実施形態も好ましい態様である。また、本発明のハニカム構造体成形用口金に形成されるスリット9は、図5〜図8に示されるハニカム構造体成形用口金1C〜1Fのそれぞれのスリット9の形状と同じ形状のスリットが2つ以上組み合わされたもの、であってもよい。また、本発明のハニカム構造体成形用口金に形成される穴部は、図8〜図10に示されるハニカム構造体成形用口金1F〜1Hのそれぞれの穴部11の形状と同じ形状の穴部が2つ以上組み合わされたもの、であってもよい。また、本発明のハニカム構造体成形用口金に形成されるバッファ部は、図10〜図13に示されるハニカム構造体成形用口金1H〜1Kのそれぞれのバッファ部21の形状と同じ形状のバッファ部が2つ以上組み合わされたもの、であってもよい。
(2)ハニカム構造体成形用口金の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一の実施形態について説明する。本実施形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、図1〜図4Aに示される本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態(ハニカム構造体成形用口金1)を製造する方法である。尚、図4Bに示される本発明のハニカム構造体成形用口金の他の実施形態についても、裏孔と穴部のそれぞれの開口部の大きさの関係が異なるだけで、同様にして製造することができる。
まず、快削材により形成された円板状の第2の板状部材3に、複数の裏孔5を形成する(工程(1))。裏孔5の「開口部の直径」等の各条件は、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態において好ましいとされた条件とすることが好ましい。
裏孔5を形成する方法については特に制限はないが、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等の方法を好適に用いることができる。これらのなかでも、電解加工(ECM加工)を用いることが好ましい。電解加工(ECM加工)を用いることにより、効率的に寸法精度の高い裏孔を形成することができる。
次に、炭化タングステン基超硬合金(超硬合金)により形成された第1の板状部材7の一方の面(第1の接合面10)に、穴部11を形成する(工程(2))。第1の板状部材7の一方の面は、第2の板状部材3と接合する側の面(第1の接合面10)である。穴部11は、穴部11の直径dが裏孔5の直径Dよりも小さくなるように形成する(図4A参照)。穴部11の個数は、裏孔5の個数と同じにし、穴部11の配置は、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを接合した際に、裏孔5の配置と同じ位置になるようにする。第2の板状部材3における裏孔5の配置、及び第1の板状部材7における穴部11の配置の詳細については、以下の通りである。すなわち、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを接合した際に、穴部の開口部11aが裏孔の開口部の内側に配置されるように、穴部11を配置する。
穴部11を形成する方法については特に制限はないが、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等の方法を好適に用いることができる。これらのなかでも、電解加工(ECM加工)を用いることが好ましい。電解加工(ECM加工)を用いることにより、効率的に寸法精度の高い裏孔を形成することができる。
次に、第2の板状部材3の一方の面である第2の接合面6と、第1の板状部材7の第1の接合面10とを対向させた状態で、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを積層し、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを接合する(工程(3))。これにより、第2の板状部材3の第2の接合面6と、第1の板状部材7の第1の接合面10とが接合された状態となる。
また、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを積層する際に、第1の板状部材7と第2の板状部材3との間に接合材を配置することが好ましい。そして、第1の板状部材7と第2の板状部材3との間に接合材を配置した状態で、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを接合することが好ましい。接合材の形状は、フィルム状、シート状、板状等の形状であることが好ましい。
接合材の材質としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つを含む金属又は合金であることが好ましい。さらに、第1の板状部材7と第2の板状部材3との間に挟んで、加熱しながら加圧(ホットプレス)したときに、第1の板状部7と第2の板状部3の少なくとも一方の内部に浸透するものであることが好ましい。接合材を、このように構成することによって、第1の板状部7と第2の板状部3との接合を良好なものとすることができる。
また、接合材は、例えば、パラジウム(Pd)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、コバルト(Co)、リン(P)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)等の添加剤を更に含んだものであってもよい。このような添加剤を更に含んだものは、接合温度を下げることができ、信頼性を向上させることができる。
第1の板状部材7と第2の板状部材3とを積層して接合する際には、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを積層したものを、ホットプレスにより接合することが好ましい。ホットプレスを行う際の温度は、900〜1200℃であることが好ましく、1000〜1150℃であることが更に好ましい。このような温度で加熱することにより、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを良好に接合するとともに、第2の板状部材3の強度低下を防止することができる。また、ホットプレスを行う時間は、1分〜1時間が好ましく、10〜45分が更に好ましい。1分より短いと、第1の板状部材7と第2の板状部材3とを、強い接合強度で接合できないことがある。1時間より長いと、第1板状部材および第2の板状部材に母材劣化相が生じやすくなる。また、ホットプレスを行う際の圧力は、第1の板状部材7及び第2の板状部材3の形状、大きさ等によって適宜決定することができるが、0.01〜100MPaが好ましく、0.1〜10MPaが更に好ましい。ホットプレスを行う装置としては、例えば、「富士電波工業株式会社製、FVHP−R」等を使用することができる。
次に、第1の板状部7の「第1の接合面に対して反対側の面」(表面側)から、穴部11に連通するスリット9を形成してハニカム構造体成形用口金1を得る(図1〜図4A参照)(工程(4))。スリット9は、「裏孔5に連通する穴部11」に連通するため、穴部11を介して裏孔5にも連通しているということができる。第1の板状部材にスリットを形成する方法については特に制限はないが、例えば、ダイヤモンド砥石による研削加工等の従来公知の方法を好適に用いることができる。また、図1〜図4Aに示されるハニカム構造体成形用口金1は、スリット9により形成されるセルブロック13の平面形状(スリットの形成パターン)が四角形である。スリットの形成パターン等のスリットについての各条件は、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態において好ましいとされた条件と同じであることが好ましい。
また、図5に示されるハニカム構造体成形用口金1Cにおけるスリット9を形成する際には、例えば、先端(外周)形状が「外側に凸の曲線」になっているダイヤモンド砥石等を用いることが好ましい。また、図6に示されるハニカム構造体成形用口金1Dにおけるスリット9を形成する際には、例えば、先端(外周)形状が「V字状」になっているダイヤモンド砥石等を用いることが好ましい。また、図7に示されるハニカム構造体成形用口金1Eにおけるスリット9を形成する際には、例えば、全体の断面形状がV字状になっているダイヤモンド砥石等を用いることが好ましい。
また、図10〜図13に示されるハニカム構造体成形用口金1H〜1Kに形成されるバッファ部21は、以下のような方法で形成することが好ましい。例えば、ワイヤー放電加工機を用いて、第1の板状部材のスリットから、バッファ部21を形成する方法が好ましい。また、ワイヤー放電加工機を用いて、第1の板状部材の表面側からスリットを形成し、その際に、スリットの先端に、幅広の穴であるバッファ部を形成する方法も好ましい方法である。バッファ部を形成する際に、バッファ部の形状は、ワイヤー径、加工条件、ワイヤー軌跡等によって調整することができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ステンレス鋼(SUS303)製の板状部材(第2の板状部材)に、直径2mmの裏孔(貫通孔)を放電加工(EDM加工)によって形成した。これにより、「第2の接合面における裏孔の開口部の直径」は、2mmとなる。第2の板状部材の形状は、直径200mmの円板形状とした。また、第2の板状部材の厚さは、50mmであった。裏孔を形成した領域(裏孔形成領域)は、第1の板状部材の中心を中心とした、円形状の領域であり、その直径が150mmの領域とした。裏孔のピッチは5mmとした。
次に、炭化タングステン基超硬合金製の第1の板状部材の一の面(第1の接合面)側に、穴部(窪み)を電解加工(ECM加工)によって形成した。穴部の直径を1.5mmとし、穴部の深さを5mmとした。これにより、第1の接合面における穴部の開口部の直径は、1.5mmとなる。また、第1の板状部材の形状は、直径200mmの円板形状とした。また、第1の板状部材の厚さは、10mmであった。第1の板状部材の材質である炭化タングステン基超硬合金は、炭化タングステンに、2質量%のコバルトが含有されるものであった。
次に、第1の板状部材と第2の板状部材とを、その間に、接合材を配して積層した。第1の板状部材と第2の板状部材とを積層する際には、上記第1の板状部材の第1の接合面が、第2の板状部材の第2の接合面とが対向するようにした。接合材としては、厚さ0.01mmのフィルム状のアルミニウム(Al)を用いた。
次に、第1の板状部材と第2の板状部材とを積層したものを、0.5MPa、900℃の条件で、0.5時間ホットプレスして、第1の板状部材と第2の板状部材とを接合させた。ホットプレスする際には、第1の板状部材及び第2の板状部材よりも大きな「プレス用板状部材」で、「第1の板状部材と第2の板状部材とを積層したもの(積層体)」を挟み、当該「プレス用板状部材」によって当該積層体を加圧することが好ましい。これにより、積層体を均一に加圧することができる。尚、「ホットプレスする」とは、「加熱しながら加圧する」ということを意味する。
この様にして得られた「第1の板状部材と第2の板状部材とを接合させたもの」を、常温まで冷却した後に、第1の板状部材にスリットを形成して、図1〜図4Aに示すような構造のハニカム構造体成形用口金を得た。スリットは、ダイヤモンド砥石によって、穴部に連通するように格子状に形成した。スリットの幅は0.5mm、スリットのピッチは5mmとした。スリットを形成する際には、スリットの交点に穴部が位置するようにした。得られたハニカム構造体成形用口金は、第1の接合面における穴部の開口部が、第2の接合面における裏孔の開口部の内側に配置されているものであった。得られたハニカム構造体成形用口金について、以下に示される「成形試験」を行った。結果を表1に示す。
(成形試験)
セラミック原料として、アルミナ、タルク及びカオリンの混合物を用いる。当該混合物に、有機バインダを混合し、水を添加して混練し、真空土練機により坏土(成形原料)を作製する。得られた坏土を、ハニカム構造体成形用口金を装着した押出成形機により成形して、円筒状のハニカム成形体を得る。次に、得られたハニカム成形体を、誘電乾燥機を用いて乾燥させ、その後、焼成炉を用いて焼成して、ハニカム構造体を得る。上記方法によりハニカム構造体を100個作製する。得られたハニカム構造体について、セルの「歪み」の有無を目視により観察する。「歪み」のないものを良品とし、「歪み」のあるものを不良品として、良品の歩留まりを算出する。
Figure 0006110851
参考例2)
第2の板状部の裏孔の直径を、第1の板状部の穴部の直径より小さく形成した以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体成形用口金を作製した。尚、第2の接合面における裏孔の開口部が、第1の接合面における穴部の開口部の内側に配設されるようにした。第1の接合面における穴部の開口部の直径を2.0mmとした。また、穴部の深さを5mmとした。また、第2の接合面における裏孔の開口部の直径を1.5mmとした。得られたハニカム構造体成形用口金について、上記「成形試験」を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
第2の板状部材の裏孔の直径と、第1の板状部材の穴部の直径とを同じ大きさにした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体成形用口金を作製した。第1の接合面における穴部の開口部の直径、及び、第2の接合面における裏孔の開口部の直径を、それぞれ2.0mmとした。得られたハニカム構造体成形用口金においては、「第1の接合面における穴部の開口部の外周」と、「第2の接合面における裏孔の開口部の外周」とが、交差するように、第1の板状部材と第2の板状部材とが接合されていた。つまり、裏孔と穴部とがずれた状態で第1の板状部材と第2の板状部材とが接合されていた。
表1より、実施例1及び参考例2のハニカム構造体成形用口金を用いてハニカム構造の成形体を成形すると、良好な成形性を得られることがわかる。一方、比較例1のハニカム構造体成形用口金は、裏孔と穴部とがずれた状態で第1の板状部材と第2の板状部材とが接合されているため、成形されたハニカム構造の成形体に歪みが生じ易く、ハニカム構造体製造における歩留まりが悪くなることが実証された。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、触媒用担体、排気ガス中の微粒子を捕集するフィルタ等に用いられるハニカム構造体を作製する際に利用することができる。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K:ハニカム構造体成形用口金、3:第2の板状部(第2の板状部材)、5:裏孔、5a:裏孔の開口部、6:第2の接合面、7:第1の板状部(第1の板状部材)、7a:表面(第1の板状部の表面)、9:スリット、9a:スリットの開口部、9b:スリットの底部、10:第1の接合面、11:穴部、11a:穴部の開口部、11b:底部、13:セルブロック、21:バッファ部、21a:バッファ部の底部、21b:端部(バッファ部の、底部に対して反対側の端部)、d:穴部の開口部の直径、D:裏孔の開口部の直径、h:穴部の深さ、A:バッファ部の幅、B:バッファ部の深さ。

Claims (8)

  1. 第2の接合面を有し、成形原料を導入するための裏孔が形成された1枚の板からなる第2の板状部と、
    第1の接合面を有し、前記裏孔に連通し成形原料を成形するためのスリットが形成されるとともに、前記裏孔及び前記スリットに連通する穴部が前記第1の接合面側に形成される、1枚の板からなる炭化タングステン基超硬合金製の第1の板状部とを備え、
    前記第2の板状部が、鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成されたものであり、
    前記第1の板状部が、前記第1の接合面が前記第2の接合面に接するようにして前記第2の板状部に配設され、
    前記第1の接合面における前記穴部の開口部と前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の形状はいずれも円形であり、
    前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径とは異なる大きさであり、
    前記第1の接合面における全ての前記穴部の開口部が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の内側に配置されており、
    前記穴部の前記第1の板状部の表面側の底部の形状が、前記第1の板状部の表面に直交する断面において、平らな形状であるハニカム構造体成形用口金。
  2. 前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径よりも大きく、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径の1.01〜1.50倍である請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  3. 前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径が、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径よりも大きく、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の直径が、前記第1の接合面における前記穴部の開口部の直径の1.01〜1.50倍である請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  4. 前記穴部の深さが、0.1〜90mmである請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
  5. 前記第1の板状部の前記第1の接合面側の、前記スリットの端部に沿って形成されるとともに、前記スリットに連通し、前記スリットの幅よりも大きな幅の空間であるバッファ部を有する請求項1〜のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
  6. 前記スリットの前記第2の板状部側の底部の形状が、前記スリットに直交する断面において、平らな形状、平らな形状において角部が直線状に切り取られた形状、外側に凸の曲線状、又は、外側に凸のV字状である請求項1〜のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
  7. 前記バッファ部の前記第2の板状部側の底部の形状が、前記スリットに直交する断面において、平らな形状、平らな形状において角部が直線状に切り取られた形状、外側に凸の曲線状、又は、外側に凸のV字状である請求項またはに記載のハニカム構造体成形用口金。
  8. 鉄、鋼材、アルミ合金、銅合金、チタン合金及びニッケル合金からなる群から選択される少なくとも一種により形成された1枚の板からなる第2の板状部材に、円形の複数の裏孔を形成し、
    炭化タングステン基超硬合金により形成された1枚の板からなる第1の板状部材の一方の面である第1の接合面に、前記第2の板状部材に接合したときに前記裏孔に連通するとともに前記裏孔の直径とは異なる直径の円形の穴である複数の穴部を形成し、
    前記裏孔が形成された第2の板状部材の一方の面である第2の接合面と、前記穴部が形成された第1の板状部材の前記第1の接合面とを対向させた状態で、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを積層して、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを接合し、
    前記第1の板状部材の表面側から、穴部に連通するスリットを形成して、
    前記第1の接合面における全ての前記穴部の開口部が、前記第2の接合面における前記裏孔の開口部の内側に配置されており、
    前記穴部の前記第1の板状部の表面側の底部の形状が、前記第1の板状部の表面に直交する断面において、平らな形状であるハニカム構造体成形用口金を作製するハニカム構造体成形用口金の製造方法。
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