JP6110776B2 - トンネル防災システム - Google Patents

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Description

本発明は、防災受信盤と、該防災受信盤と伝送線を介して接続された複数の中継器と、各中継器と個別の幹線を介して接続された複数の火災検知器とを有し、防災受信盤が、各中継器を介して、複数の火災検知器と信号伝送するトンネル防災システムに関する。
一般的にトンネル防災システムは、一定範囲を監視して火災を検知するための複数の火災検知器と、該各火災検知器と火災信号等の信号を送受信して集約する防災受信盤とを有している。
トンネル防災システムとしては、防災受信盤と各火災検知器とが中継器を介して各種信号の送受信を行うもの(R型伝送方式)があり、このようなものとしては、例えば特許文献1のものが挙げられる。各火災検知器は幹線によって中継器に接続されている。
特開2002−246962号
長いトンネルを監視するためには、多くの火災検知器が必要であり、それ故、各火災検知器が接続される中継器の数が多くなり、中継器の故障する可能性が高くなる。
しかし、特許文献1には、中継器(特許文献1の「中継増幅盤」)の故障への対応については言及がない。そのため、防災受信盤は、ある中継器が故障すると該中継器に接続されている火災検知器によって火災監視していた区間については、火災監視できなくなるという問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、中継器に故障が生じてもバックアップを可能して火災監視できなくなる区間が生じないトンネル防災システムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係るトンネル防災システムは、防災受信盤と、該防災受信盤と伝送線を介して接続された複数の中継器と、該各中継器に接続された複数の火災検知器とを有し、前記防災受信盤が、前記各中継器を介して、前記複数の火災検知器の状態監視を行うトンネル防災システムであって、
前記各中継器は、
平常時において第1火災検知器の状態監視を行う第1制御部と、平常時において第2火災検知器の状態監視を行う第2制御部と、前記第1制御部と前記第1火災検知器、前記第2火災検知器及び前記防災受信盤との信号の送受信を可能にする第1送受信回路と、前記第2制御部と前記第2火災検知器、前記第1火災検知器及び前記防災受信盤との信号の送受信を可能にする第2送受信回路と、
前記第1火災検知器と前記第1送受信回路及び前記第2送受信回路との接続/非接続、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路及び前記第1送受信回路との接続/非接続を切り換えるスイッチング手段とを備え、
平常時においては、
前記スイッチング手段は、前記第1火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にすると共に前記第1火災検知器と前記第2送受信回路との接続を非接続状態にし、かつ、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にすると共に前記第2火災検知器と第1送受信回路との接続を非接続状態にし、
前記第1制御部に異常が発生したときには、
前記スイッチング手段は、前記第1火災検知器と前記第1送受信回路を非接続状態にすると共に前記第1火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にし、
前記第2制御部に異常が発生したときには、
前記スイッチング手段は、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路を非接続状態にすると共に前記第2火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にすることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記防災受信盤は、前記第1制御部及び前記第2制御部の異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段によって異常が検知されたときにこれを前記第1制御部または前記第2制御部の異常が生じていない方に通知する通知手段を備え、
前記第1制御部に異常が発生したときには、
前記防災受信盤は前記第1制御部に異常が発生した旨を前記第2制御部に通知し、
前記第2制御部は前記防災受信盤の通知に基づいて前記第1火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にするように前記スイッチング手段を制御し、
前記第2制御部に異常が発生したときには、
前記防災受信盤は前記第2制御部に異常が発生した旨を前記第1制御部に通知し、
前記第1制御部は前記防災受信盤の通知に基づいて前記第2火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にするように前記スイッチング手段を制御することを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記スイッチング手段は、第1主リレーと第1副リレー、第2主リレーと第2副リレーを備えており、
前記第1主リレーは、第1主コモン接点と第1主メイク接点と第1主ブレイク接点とを有し、
前記第1副リレーは、第1副コモン接点と第1副メイク接点と第1副ブレイク接点とを有し、
前記第2主リレーは、第2主コモン接点と第2主メイク接点と第2主ブレイク接点とを有し、
前記第2副リレーは、第2副コモン接点と第2副メイク接点と第2副ブレイク接点とを有し、
前記第1主コモン接点は前記第1火災検知器と、前記第1主メイク接点は前記第1送受信回路と、前記第1主ブレイク接点は前記第1副ブレイク接点と接続され、
前記第1副コモン接点は前記第2副コモン接点と、前記第1副メイク接点は前記第1送受信回路と接続され、
前記第2主コモン接点は前記第2火災検知器と、前記第2主メイク接点は前記第2送受信回路と、前記第2主ブレイク接点は前記第2副ブレイク接点と接続され、
前記第2副メイク接点は前記第2送受信回路と接続されていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記第1制御部及び前記第2制御部は個別の電源によって電源供給されていることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記複数の中継器は2個の中継器が一対になっており、該各中継器は単一の電源を有しており、
前記一対の中継器のうち、
一方の中継器の前記電源は、前記一対の中継器のそれぞれの前記第1制御部に電源供給し、
他方の中継器の前記電源は、前記一対の中継器のそれぞれの前記第2制御部に電源供給していることを特徴とするものである。
本発明においては、第1制御部に異常が発生したときには、第1制御部は第1火災検知器と第1送受信回路を非接続状態にし、第2制御部は防災受信盤の通知に基づいて第1火災検知器と第2送受信回路を接続状態にするようにスイッチング手段を制御し、第2制御部に異常が発生したときには、第2制御部は第2火災検知器と第2送受信回路を非接続状態にし、第1制御部は防災受信盤の通知に基づいて第2火災検知器と第1送受信回路を接続状態にするようにスイッチング手段を制御するようにしたので、第1制御部又は第2制御部に故障が発生した場合においても、第1火災検知器及び第2火災検知器によって継続して火災監視を行うことができ、火災監視ができない区間が生じることがない。
本発明の一実施の形態に係る防災システムの中継器の平常時における内部状態の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る防災システム全体の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る防災システムの中継器の第1制御部の故障時における内部状態の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る防災システムの中継器の他の態様の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る防災システムの中継器のさらに他の態様の説明図である。
本発明の一実施の形態に係るトンネル防災システム1は、図2に示すように、防災受信盤3と、防災受信盤3と伝送線5を介して接続された複数の中継器7と、各中継器7に接続された複数の火災検知器(第1火災検知器9および第2火災検知器11)とを有しており、防災受信盤3が各中継器7を介して複数の第1火災検知器9および第2火災検知器11の状態監視を行うものである。
トンネル防災システム1は、中継器7を介して接続されている第1火災検知器9および第2火災検知器11等の端末機器毎に固有のアドレスを設定し、該アドレスを用いて各種信号の送受信を行う、いわゆるR型伝送方式である。
なお、第1火災検知器9および第2火災検知器11は、トンネル内に所定間隔(例えば25m間隔)で配置されて、所定範囲内の炎特有の波長の光を検出することで火災を検知可能になっている。
以下、上記各構成を詳細に説明する。
〔中継器〕
中継器7は、図1に示すように、複数の第1火災検知器9が接続された第1制御盤13と、複数の第2火災検知器11が接続された第2制御盤15と、第1制御盤13および第2制御盤15に電源を供給するスイッチング電源17とを有しており、各火災検知器9、11等から発信される信号を変換して中継するものである。
中継器7は、図2に示すように、トンネル内に所定間隔(例えば75m間隔)で配置されている。
中継器7の各構成についてさらに以下に詳細に説明する。
なお、第1制御盤13には複数の第1火災検知器9が接続されており、第2制御盤15には複数の第2火災検知器11が接続されているが、図1〜図5においては、一台ずつのみ図示している。
<第1制御盤>
第1制御盤13は、図1に示すように、防災受信盤3と信号を送受信する第1送受信回路19と、平常時において第1火災検知器9の状態監視を行う第1制御部21と、第1主リレー23および第1副リレー25と、第1火災検知器9を第1制御盤13に接続するための第1主接続端子部27と、第1制御盤13を第2制御盤15に電気的に接続するための第1副接続端子部29とを有している。
なお、第1火災検知器9は、端子部9aを備えており、端子部9aと第1主接続端子部27を電線で接続することで第1制御盤13に電気的に接続されている。
以下に第1制御盤13の各構成についてさらに詳細に説明する。
≪第1送受信回路≫
第1送受信回路19は、防災受信盤3と第1制御部21の間に設けられて、第1制御部21と防災受信盤3の間の信号の送受信をする回路である。また、第1送受信回路19は、これに接続されている第1火災検知器9又は第2火災検知器11と第1制御部21との信号の送受信を行う機能も有している。
≪第1制御部≫
第1制御部21は、第1送受信回路19を介して第1火災検知器9又は第2火災検知器11と信号の送受信を行ってこれらの状態監視を行う。常時には第1送受信回路19には第1火災検知器9が接続されており、第1制御部21は第1火災検知器9の状態監視を行う。後述するように、第2制御部33が故障した場合には、第2火災検知器11が第1送受信回路19に接続されることになるので、この場合には、第1制御部21は第2火災検知器11の状態監視を行う。
また、第1制御部21は、第1送受信回路19を介して、防災受信盤3と信号の送受信を行う。
さらに、第1制御部21は、第1送受信回路19を介して第1主リレー23および第1副リレー25に接続されており、これらのリレーを制御してメイク状態にする機能を有している。なお、平常時において第1主リレー23は第1制御部21によって制御されてメイク状態を維持しているが第1制御部21が故障するとメイク状態を維持できなくなって自動的にブレイク状態となる。
第1制御部21は、防災受信盤3から第1送受信回路19を介して第2制御部33が故障した旨の通知を受けると、第1副リレー25をメイク状態にする。
≪第1主リレー及び第1副リレー≫
第1主リレー23及び第1副リレー25について図1に基づいて説明する。
第1主リレー23は、第1主接続端子部27の接続先、すなわち第1火災検知器9の接続先を第1送受信回路19または第1副リレー25に切り替えるためのリレーである。
第1主リレー23は、第1主コモン接点23aと第1主メイク接点23bと第1主ブレイク接点23cとを有しており、第1主コモン接点23aは第1主接続端子部27に、第1主メイク接点23bは第1送受信回路19に、第1主ブレイク接点23cは第1副ブレイク接点25cにそれぞれ接続されている。
第1主リレー23は、平常時においてメイク状態、すなわち第1主コモン接点23aと第1主メイク接点23bが接続された状態になっており、第1火災検知器9は第1送受信回路19に接続されている。
第1主リレー23がブレイク状態、すなわち第1主コモン接点23aと第1主ブレイク接点23cが接続されると、第1火災検知器9は第1副リレー25に接続される。
第1副リレー25は、第1副接続端子部29の接続先を第1送受信回路19または第1主リレー23に切り替えるためのリレーである。
第1副リレー25は、第1副コモン接点25aと第1副メイク接点25bと第1副ブレイク接点25cとを有しており、第1副コモン接点25aは第1副接続端子部29に、第1副メイク接点25bは第1送受信回路19に、第1副ブレイク接点25cは第1主リレー23にそれぞれ接続されている。
第1副リレー25は、平常時においてブレイク状態、すなわち第1副コモン接点25aと第1副ブレイク接点25cが接続された状態になっており、第1副接続端子部29は第1主リレー23に接続されている。
第1副リレー25がメイク状態、すなわち第1副コモン接点25aと第1副メイク接点25bが接続されると、第1副接続端子部29は第1送受信回路19に接続される。
<第2制御盤>
第2制御盤15は、図1に示すように、防災受信盤3と信号を送受信する第2送受信回路31と、平常時において第2火災検知器11の状態監視を行う第2制御部33と、第2主リレー35および第2副リレー37と、第2火災検知器11を第2制御盤15に接続するための第2主接続端子部39と、第2制御盤15を第1制御盤13に接続するための第2副接続端子部41とを有している。
なお、第2火災検知器11は、端子部11aを備えており、端子部11aと第2主接続端子部39を電線で接続することで第2制御盤15に電気的に接続されている。
第2主リレー35は、第2主接続端子部39の接続先を第2送受信回路31または第2副リレー37に切り替えるためのリレーである。
第2主リレー35は、第2主コモン接点35aと第2主メイク接点35bと第2主ブレイク接点35cとを有しており、第2主コモン接点35aは第2主接続端子部39と、第2主メイク接点35bは第2送受信回路31と、第2主ブレイク接点35cは第2副ブレイク接点37cとそれぞれ接続されている。
第2主リレー35は、平常時においてメイク状態、すなわち第2主コモン接点35aと第2主メイク接点35bが接続された状態になっており、第2火災検知器11は第2送受信回路31に接続されている。
第2主リレー35がブレイク状態、すなわち第2主コモン接点35aと第2主ブレイク接点35cが接続されると、第2火災検知器11は第2副リレー37に接続される。
第2副リレー37は、第2副接続端子部41の接続先を第2送受信回路31または第2主リレー35に切り替えるためのリレーである。
第2副リレー37は、第2副コモン接点37aと第2副メイク接点37bと第2副ブレイク接点37cとを有しており、第2副コモン接点37aは第2副接続端子部41に、第2副メイク接点37bは第2送受信回路31に、第2副ブレイク接点37cは第2主リレー35にそれぞれ接続されている。
第2副リレー37は、平常時においてブレイク状態、すなわち第2副コモン接点37aと第2副ブレイク接点37cが接続された状態になっており、第2副接続端子部41は第2主リレー35に接続されている。
第2副リレー37がメイク状態、すなわち第2副コモン接点37aと第2副メイク接点37bが接続されると、第2副接続端子部41は第2送受信回路31に接続される。
第2制御盤15の他の構成は第1制御盤13と同様であるため、その説明を省略する。
中継器7は、以上のような構成であるため、第1制御盤13の第1主リレー23および第1副リレー25、第2制御盤15の第2主リレー35および第2副リレー37のメイク/ブレイク状態を切り替えることによって、第1火災検知器9の接続先を第1送受信回路19にするか、第2送受信回路31にするかを切り替えることができ、同様に、第2火災検知器11の接続先を第2送受信回路31にするか、第1送受信回路19にするかを切り替えることができることができる。具体的には以下の通りである。
第1火災検知器9を第1送受信回路19に接続させるためには、上述したとおり、第1主リレー23をメイク状態にする(図1参照)。これによって、第1火災検知器9は、第1主接続端子部27、第1主リレー23を経由して第1送受信回路19に接続される。
第1火災検知器9を第2送受信回路31に接続させるためには、第1主リレー23をブレイク状態、第1副リレー25をブレイク状態にし、さらに第2副リレー37をメイク状態にする(図3参照)。
こうすることで、第1火災検知器9は、第1主接続端子部27、第1主リレー23、第1副リレー25、第1副接続端子部29、第2副接続端子部41、第2副リレー37を経由して第2送受信回路31に接続される。
この場合、第2送受信回路31には、第1火災検知器9と第2火災検知器11が接続され、第1火災検知器9及び第2火災検知器11が第2制御部33によって状態監視されることになる。
同様に、各リレーのメイク/ブレイク状態を以下のように切り替えることによって、第2火災検知器11の接続先を第2送受信回路31にするか、第1送受信回路19にするかを切り替えることができる。
第2火災検知器11を第2送受信回路31に接続させるためには、上述したとおり、第2主リレー35をメイク状態にする(図1参照)。これによって、第2火災検知器11は、第2主接続端子部39、第2主リレー35を経由して第2送受信回路31に接続される。
第2火災検知器11を第1送受信回路19に接続させるためには、第2主リレー35をブレイク状態、第2副リレー37をブレイク状態にし、さらに第1副リレー25をメイク状態にする。
こうすることで、第2火災検知器11は、第2主接続端子部39、第2主リレー35、第2副リレー37、第2副接続端子部41、第1副接続端子部29、第1副リレー25を経由して第1送受信回路19に接続される。
なお、平常時は図1の状態であり、すなわち第1火災検知器9は第1送受信回路19に接続されており、第2火災検知器11は第2送受信回路31に接続されている。
なお、第1主リレー23および第1副リレー25と、第2主リレー35および第2副リレー37とが本発明のスイッチング手段に相当する。
<スイッチング電源>
スイッチング電源17は、図示しない外部の電源装置に接続され、第1制御盤13および第2制御盤15に電源を供給するものであり、この電源供給を受けて第1制御部21、第2制御部33が稼働している。
〔防災受信盤〕
防災受信盤3はトンネル防災システム1全体を監視するためのものである。防災受信盤3には、図2に示すように、複数の中継器7がシリアルに接続される。
防災受信盤3は、第1制御部21及び第2制御部33の異常を検知する異常検知手段3aと、異常検知手段3aによって異常が検知されたときにこれを第1制御部21及び第2制御部33に通知する通知手段3bを備えている。
以上のように構成された本実施の形態に係るトンネル防災システム1を用いて、第1制御部21又は第2制御部33の故障時における火災検知器9、11の接続先の切替え動作を、ある中継器7の第1制御部21が故障した場合を例に挙げて以下に説明する。
平常時においては、上述したとおり、第1火災検知器9は第1送受信回路19に接続されており、第2火災検知器11は第2送受信回路31に接続されており、第1制御部21と第2制御部33とによる火災監視が行われている。
そして、第1制御部21と第2制御部33は、防災受信盤3の異常検知手段3aによって定期的に状態を確認する信号の送信が行われ、これに応答することで、異常の有無が監視されている。
第1制御部21が故障すると、上述したとおり、第1主リレー23をメイク状態に維持できなくなり、自動的にブレイク状態となる。これによって、第1火災検知器9は、第1送受信回路19と非接続状態になるとともに、第2制御盤15の第2副リレー37に接続される。なお、この時点において第2副リレー37はブレイク状態である。
一方、防災受信盤3は、異常検知手段3aによって上記中継器7の第1制御部21の異常を検知し、該検知した情報に基づいて、通知手段3bによって上記中継器7の第2制御部33に第1制御部21が故障した旨を通知する。
第2制御部33は、上記通知に基づいて第2副リレー37をメイク状態にする。
こうすることで、第1火災検知器9が第2送受信回路31に接続され、第2制御部33による火災監視を行うことができる。
以上のように本実施の形態においては、第1制御部21が故障しても第1火災検知器9の接続先を第1送受信回路19から第2送受信回路31に切り替えることにより、引き続き第2制御部33による火災監視を行うことができ、火災監視できなくなる区間が生じることがない。
なお、上記では第1制御部21が故障した場合について説明したが、第2制御部33が故障した場合についても同様であり、第2火災検知器11が第1送受信回路19に接続されることで第1制御部21による火災監視を行うことができる。
上記中継器7の構成では、第1制御盤13と第2制御盤15に対して一つのスイッチング電源17で電源供給しているため、万が一、スイッチング電源17が故障すると、各制御盤に設けられている第1制御部21及び第2制御部33の両方が動作しなくなってしまい、中継器7に接続されている火災検知器9、11の全てに対して状態監視ができなくなり、火災監視できない区間が生じることになる。
そこで、第1制御盤13と第2制御盤15とで互いに独立した電源系統にすることが望ましい。このような中継器の一例を図4に示す。
図4に示す中継器51は図2の中継器7の変形例であり、2つのスイッチング電源17を有している。図4において、図2と同様のものには同一の符号を付している。
図4に示すように、第1制御盤13と第2制御盤15は、別々のスイッチング電源17に接続されており、互いに独立した電源系統になっている。
そのため、仮に第1制御盤13に電源を供給しているスイッチング電源17が故障して、それによって第1制御部21が動作しなくなった場合も、第2制御盤15は動作し続けることができ、上記実施の形態1で説明したように、第1送受信回路19を介して第1制御部21に接続されていた第1火災検知器9を第2送受信回路31に接続して、第2制御部33による火災監視を行うことができる。
中継器7の他の変形例を図5に示す。図5に示す中継器53は一対になっており、それぞれ1つのスイッチング電源17を備えている。図5において、図2と同様のものには同一の符号を付している。
図5に示すように、一対の中継器53のうち、一方の中継器53のスイッチング電源17には、一対の中継器53のそれぞれの第1制御盤13が接続されており、他方の中継器53のスイッチング電源17には、一対の中継器53のそれぞれの第2制御盤15が接続されて電源が供給されている。このように、第1制御盤13と第2制御盤15は、互いに独立した電源系統になっている。
従って、仮に各第1制御盤13に電源を供給しているスイッチング電源17が故障しても、各第2制御盤15は動作し続けることができ、各第1火災検知器9の接続先を第2送受信回路31に切り替えることによって、引き続き第2制御部33による火災監視を行うことができる。
第2制御盤15に電源を供給しているスイッチング電源17が故障した場合でも同様であり、各第1火災検知器9および各第2火災検知器11は第1送受信回路19に接続されて、第1制御部21による火災監視を行うことができる。
上記の説明から明らかなように、発明においては、図4の中継器51や図5の中継器53のように第1制御部21と第2制御部33に接続するスイッチング電源17が別のものである場合、スイッチング電源17が電源断となったことに起因して第1制御部21と第2制御部33が動作不能になった場合も、本発明における第1制御部21や第2制御部33に異常が発生したときに該当する。
以上のように中継器51、中継器53においては、一方のスイッチング電源17が故障しても、他方のスイッチング電源17に接続されている制御盤によって、第1火災検知器9または第2火災検知器11の接続先を、第1送受信回路19または第2送受信回路31に切り替えることにより、引き続き他方の制御盤の制御部による火災監視を行うことができ、火災監視できなくなる区間が生じることがない。
なお、本実施の形態では、第1制御盤13および第2制御盤15に接続される機器として火災検知器を記載しているが、第1制御盤13および第2制御盤15に接続される機器は火災検知器のみに限定されるものではなく、例えば信号変換器などを接続してもよい。
また、本実施の形態では、一つの中継器7に第1制御盤13と第2制御盤15が設置されて、いずれかの制御盤に異常が発生した場合に他方の制御盤でバックアップするようにしたものであるが、この考え方を拡張すれば、一つの中継器7に一つの第1制御盤13が設置され、他の中継器7に他の第2制御盤15が設置されている場合において、いずれかの制御盤に異常が発生した場合に他方の制御盤でバックアップすることもできる。
1 トンネル防災システム
3 防災受信盤
3a 異常検知手段
3b 通知手段
5 伝送線
7 中継器
9 第1火災検知器
9a 端子部
11 第2火災検知器
11a 端子部
13 第1制御盤
15 第2制御盤
17 スイッチング電源
19 第1送受信回路
21 第1制御部
23 第1主リレー
23a 第1主コモン接点
23b 第1主メイク接点
23c 第1主ブレイク接点
25 第1副リレー
25a 第1副コモン接点
25b 第1副メイク接点
25c 第1副ブレイク接点
27 第1主接続端子部
29 第1副接続端子部
31 第2送受信回路
33 第2制御部
35 第2主リレー
35a 第2主コモン接点
35b 第2主メイク接点
35c 第2主ブレイク接点
37 第2副リレー
37a 第2副コモン接点
37b 第2副メイク接点
37c 第2副ブレイク接点
39 第2主接続端子部
41 第2副接続端子部
51 中継器(他の態様)
53 中継器(さらに他の態様)

Claims (5)

  1. 防災受信盤と、該防災受信盤と伝送線を介して接続された複数の中継器と、該各中継器に接続された複数の火災検知器とを有し、前記防災受信盤が、前記各中継器を介して、前記複数の火災検知器の状態監視を行うトンネル防災システムであって、
    前記各中継器は、
    平常時において第1火災検知器の状態監視を行う第1制御部と、平常時において第2火災検知器の状態監視を行う第2制御部と、前記第1制御部と前記第1火災検知器、前記第2火災検知器及び前記防災受信盤との信号の送受信を可能にする第1送受信回路と、前記第2制御部と前記第2火災検知器、前記第1火災検知器及び前記防災受信盤との信号の送受信を可能にする第2送受信回路と、
    前記第1火災検知器と前記第1送受信回路及び前記第2送受信回路との接続/非接続、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路及び前記第1送受信回路との接続/非接続を切り換えるスイッチング手段とを備え、
    平常時においては、
    前記スイッチング手段は、前記第1火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にすると共に前記第1火災検知器と前記第2送受信回路との接続を非接続状態にし、かつ、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にすると共に前記第2火災検知器と第1送受信回路との接続を非接続状態にし、
    前記第1制御部に異常が発生したときには、
    前記スイッチング手段は、前記第1火災検知器と前記第1送受信回路を非接続状態にすると共に前記第1火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にし、
    前記第2制御部に異常が発生したときには、
    前記スイッチング手段は、前記第2火災検知器と前記第2送受信回路を非接続状態にすると共に前記第2火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にすることを特徴とするトンネル防災システム。
  2. 前記防災受信盤は、前記第1制御部及び前記第2制御部の異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段によって異常が検知されたときにこれを前記第1制御部または前記第2制御部の異常が生じていない方に通知する通知手段を備え、
    前記第1制御部に異常が発生したときには、
    前記防災受信盤は前記第1制御部に異常が発生した旨を前記第2制御部に通知し、
    前記第2制御部は前記防災受信盤の通知に基づいて前記第1火災検知器と前記第2送受信回路を接続状態にするように前記スイッチング手段を制御し、
    前記第2制御部に異常が発生したときには、
    前記防災受信盤は前記第2制御部に異常が発生した旨を前記第1制御部に通知し、
    前記第1制御部は前記防災受信盤の通知に基づいて前記第2火災検知器と前記第1送受信回路を接続状態にするように前記スイッチング手段を制御することを特徴とする請求項1記載のトンネル防災システム。
  3. 前記スイッチング手段は、第1主リレーと第1副リレー、第2主リレーと第2副リレーを備えており、
    前記第1主リレーは、第1主コモン接点と第1主メイク接点と第1主ブレイク接点とを有し、
    前記第1副リレーは、第1副コモン接点と第1副メイク接点と第1副ブレイク接点とを有し、
    前記第2主リレーは、第2主コモン接点と第2主メイク接点と第2主ブレイク接点とを有し、
    前記第2副リレーは、第2副コモン接点と第2副メイク接点と第2副ブレイク接点とを有し、
    前記第1主コモン接点は前記第1火災検知器と、前記第1主メイク接点は前記第1送受信回路と、前記第1主ブレイク接点は前記第1副ブレイク接点と接続され、
    前記第1副コモン接点は前記第2副コモン接点と、前記第1副メイク接点は前記第1送受信回路と接続され、
    前記第2主コモン接点は前記第2火災検知器と、前記第2主メイク接点は前記第2送受信回路と、前記第2主ブレイク接点は前記第2副ブレイク接点と接続され、
    前記第2副メイク接点は前記第2送受信回路と接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル防災システム。
  4. 前記第1制御部及び前記第2制御部は個別の電源によって電源供給されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトンネル防災システム。
  5. 前記複数の中継器は2個の中継器が一対になっており、該各中継器は単一の電源を有しており、
    前記一対の中継器のうち、
    一方の中継器の前記電源は、前記一対の中継器のそれぞれの前記第1制御部に電源供給し、
    他方の中継器の前記電源は、前記一対の中継器のそれぞれの前記第2制御部に電源供給していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトンネル防災システム。
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