JP6110675B2 - 車両用変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機の変速モードとして無段変速モードと多段変速モードとを有し、発進加速時は無段変速機の変速比を予め設定した所定変速比に固定するようにした車両用変速制御装置に関する。
一般に、発進加速時のトルクコンバータはロックアップクラッチが締結されていないため、エンジントルクがトルク増幅されて変速機に伝達される。
変速機が無段変速機(CVT)の場合、トルクコンバータからのトルクは、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に掛け渡しされた、駆動チェーンや駆動ベルト等の巻掛け式伝達要素を介して、駆動輪側へ出力される。各プーリは油圧により巻掛け式伝達要素を挟持すると共に溝幅を変化させることで、発進加速時の変速比を最適な値に設定している。
CVTの各プーリに対するクランプ圧(プライマリ圧、セカンダリ圧)は、巻掛け式伝達要素との間に滑りを生じさせないように、トルクコンバータからCVTのプライマリに入力されるトルク(以下、「CVT入力トルク」と称する)や目標変速比等に基づいて調圧される。上述したように、発進加速時のCVT入力トルクは、エンジンからのトルクがトルクコンバータによってトルク増幅されると共に、急激に増加されるため、それに応じて各クランプ圧も上昇させる必要がある。
ところで、CVTを搭載する車両のエンジンがディーゼルエンジンの場合、当該ディーゼルエンジンは低回転(例えば、1500〜2000[rpm]程度)で最大トルクが得られ、又、3000〜4000[rpm]程度で最大出力が得られる。そのため、例えば特許文献1(特開2010−274756号公報)の図7(a)に記載されているように、燃費優先の変速制御では、最大出力の範囲内で、最も燃費率の良好な変速ラインを通るようにCVTの変速比が設定される。
又、CVTの変速制御であっても、スポーティな走行を楽しもうとした場合、アップシフトやダウンシフトの際の変速比に段差を持たせること、すなわち、CVTの変速パターンを、通常の多段ギヤを用いて段階的に変速可能な自動変速機と同等の多段変速として、加速時における段差感を得るようにした変速制御も知られている。
例えば、特許文献2(特開2011−106615号公報)には、運転者がセレクトレバーを操作することで、CVTの変速モードを、燃費優先に設定された無段変速モード(以下、「CVTモード」と称する)から、スポーティ走行に適した多段変速モード(以下、「A/Tモード」と称する)へ切換えることのできる技術が開示されている。
又、最近では、常用領域はCVTモードでの変速制御を行い、運転者が、予め設定したアクセル開度を越えてアクセルペダルを踏み込んだ場合、変速モードがA/Tモードに自動的に切換わるようにした変速制御も知られている。
すなわち、図4に示すように、変速制御装置は、同図(a)に示すCVTモード用変速パターンと、同図(b)に示すA/Tモード用変速パターンとを有し、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ際に、このアクセル開度が、同図に二点鎖線で示すしきい値(モード切換判定開度)以内の場合は、同図(a)に示すCVTモード用変速パターンに従って変速制御を実行し、又、アクセル開度がしきい値(モード切換判定開度)を越えた場合は、同図(b)に示すA/Tモード用変速パターンに従って変速制御を実行する。
特開2010−274756号公報 特開2011−106615号公報
アクセルペダルの踏込み量に応じてCVTモードとA/Tモードとが自動的に切り換わる変速制御では、運転者がアクセルペダルを踏み込んで発進加速させる場合、アクセルペダルは開放状態から次第に踏み決まれるため、発進時は必ず、図4(a)に示すCVTモード用変速パターンが選択され、この変速パターンに従って変速比が設定される。又、CVTモードとA/Tモードとをスイッチ等により手動で切換えることができ、発進時にCVTモードが選択されている場合、当然、発進時はCVTモード用変速パターンに従って変速制御が行われる。
CVTは、プライマリプーリに対するクランプ圧力を調整することで、巻掛け式伝達要素の巻掛径を変化させて変速制御を行い、又、セカンダリプーリに対して所定のクランプ圧を供給することで、巻掛け式伝達要素に張力を付与し、滑りを防止した状態で駆動輪側へのトルク伝達を行う。
ところで、発進におけるCVTの変速比は最も高く設定されている。この場合、プライマリプーリに対する巻掛径が最小で、セカンダリプーリの巻掛径が最大であるため、大きなセカンダリ圧が必要となる。これに対し、プライマリプーリ側はセカンダリプーリ側に対して巻掛け式伝達要素を押すことで駆動力を伝達しているため、例えば、低回転高トルク領域でアップシフトしようとするには、プライマリプーリに高いクランプ圧(ブライマリ圧)を印加して、巻掛け式駆動力伝達要素を挟持する必要がある。
更に、発進加速時は、トルクコンバータがロックアップしていないため、増幅されたトルクがプライマリプーリに入力される。又、CVTモード用変速パターンは、一般に燃費を優先する低回転高トルクの変速特性に設定されているため、発進後は比較的早いタイミングでアップシフトが開始される。このように、CVT入力トルクはトルクコンバータにて増幅されており、しかも、セカンダリ圧が高く設定されているので、アップシフトする際には、プライマリプーリに供給するクランプ圧(プライマリ圧)を比較的高く設定する必要がある。
その結果、特に、プライマリ圧を供給する圧力室の強度は、発進加速時のプライマリ圧に耐えうるようにケースの肉厚を厚くする等により高く設定する必要がある。ケースの強度を高く設定した場合、その分、製造コストが嵩み、装置全体が大型化するばかりでなく、重量増加により燃費が悪化してしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、発進加速時におけるCVTのプーリに供給するクランプ圧を必要以上に高く設定する必要がなく、圧力室の構造の簡素化、及び軽量化により小型化を実現できるばかりでなく、軽量化により燃費を改善することのできる車両用変速制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、変速比を連続的に変速可能な無段変速機と、前記無段変速機の変速モードとして前記変速比を連続的に設定可能な無段変速モードと該変速比を段階的に設定可能な多段変速モードとを有し、該各変速モードを選択的に切り換える切換手段と、前記切換手段により選択した変速モードに基づき前記無段変速機の変速制御を行う変速制御手段と、車速を検出する車速検出手段とを備える車両用変速制御装置において、前記変速制御手段は、車両の発進或いは発進後の加速運転を検出する発進加速検出手段と、前記発進加速検出手段で発進或いは発進後の加速運転と判定した場合、前記無段変速機の変速比を、前記車速検出手段で検出した前記車速が予め設定した判定車速に達するまで前記多段変速モードで設定される最大変速比に固定する発進加速制御手段とを備える。
本発明によれば、無段変速モードと多段変速モードとが切換えられる無段変速機の変速制御であっても、発進加速時の変速比は、予め設定した所定変速比に固定されるので、発進加速時におけるCVTのプーリに付与するクランプ圧を必要以上に高く設定する必要がなく、圧力室の構造の簡素化、及び軽量化により小型化を実現することができる。更に、軽量化により燃費改善を実現することができる。
エンジン制御系の概略構成図 無段変速装置の概略構成図 発進加速制御ルーチンを示すフローチャート (a)は無段変速モード用変速マップの概念図、(b)は多段変速モード用変速マップの概念図 発進加速時の変速パターンを示す特性図 (a)は発進加速時のタービン回転数の変化を示すタイムチャート、(b)は発進加速時のプライマリ圧とセカンダリ圧の変化を示すタイムチャート
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1の符号1は原動機であり、本実施形態ではディーゼルエンジンを例示している。従って、以下においては、原動機をディーゼルエンジンと読み換えて説明する。
このディーゼルエンジン1の燃焼室2に、吸気弁3、排気弁4を介して吸気通路5、排気通路6が連通されている。又、吸気通路5の上流側にスロットル弁10が介装されている。
スロットル弁10は、エンジン制御ユニット(ECU)41からの制御信号によって駆動されるスロットルアクチュエータ11に連設されており、このスロットルアクチュエータ11の動作によりスロットル開度が所定に設定される。又、このスロットル弁10の上流側に、インタークーラ12が介装され、このインタークーラ12の上流側に、ターボ過給機13のコンプレッサ13aが介装されている。更に、ターボ過給機13のコンプレッサ13a上流側に、エアクリーナ14が介装され、このエアクリーナ14の下流側に吸入空気量センサ15が介装されている。一方、ディーゼルエンジン1の排気通路6に、ターボ過給機13のタービン13bが介装されている。
又、タービン13b下流側の排気通路6に、主として排気ガス中の炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)を触媒反応により酸化させるディーゼル用酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst;DOC)22と、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、還元浄化するNOx吸蔵還元型触媒(Lean NOx Trap catalyst;LNT)23と、排気ガス中の煤やカーボンスート(Soot)、可溶性有機成分(Soluble Organic Fraction;SOF)、サルフェート(sulfate;SO4)等の粒子状物質(Particulate Matter;PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter;DPF)24とが、上流側から順に介装されている。
次に、ディーゼルエンジン1の燃料噴射系について説明する。このディーゼルエンジン1は、周知のコモンレール式燃料噴射システムを採用しており、燃焼室2に、ECU41によって制御されるインジェクタ25が臨まされている。又、燃焼室2のインジェクタ25の噴射ノズル近傍に、グローコントローラ27によって通電が制御されるグロープラグ26が臨まされている。
インジェクタ25は、各気筒に分岐配管される燃料配管28を介してコモンレール29に接続されており、コモンレール29に、図示しない燃料タンクから燃料を吸い上げて加圧するサプライポンプ30が接続されている。このサプライポンプ30によって高圧に昇圧された燃料がコモンレール29に蓄圧され、各気筒への燃料配管28を介して、各気筒のインジェクタ25に高圧燃料が供給される。
サプライポンプ30は吸入量を調整する吸入調量電磁弁31を有し、ECU41は、サプライポンプ30の吐出圧、すなわちコモンレール29の燃料圧力を、例えばエンジン回転数と負荷とに応じた最適値となるように、吸入調量電磁弁31をフィードバック制御する。
次に、ECU41を中心とする電子制御系について説明する。ECU41は、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェイス等からなる周知のマイクロコンピュータを中心として構成されている。
ECU41に、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ15、クランク軸1aの回転位置を検出するクランク角センサ32、アクセルペダルの踏込み量からアクセル開度AP[%]を検出するアクセル開度検出手段としてのアクセル開度センサ33、車速V[Km/h]を検出する車速検出手段としての車速センサ34等、各種センサ・スイッチ類が接続されている。
ECU41のCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムに従い、ディーゼルエンジン運転状態を検出する各種センサ類からの信号、車内ネットワーク42を介して入力される各種制御情報に基づいて、燃料圧力制御、燃料噴射制御、吸気制御、過給圧制御等の各種ディーゼルエンジン制御を実行し、ディーゼルエンジン1の運転状態を最適状態に維持する。例えば、燃料噴射制御においては、クランク角センサ32からの信号に基づくエンジン回転数Ne[rpm]とアクセル開度センサ33で検出したアクセル開度AP等に応じて、マップ参照等により燃料噴射量や噴射タイミングを決定し、噴射タイミングに到達した気筒に対して、所定に燃料噴射させる。本実施形態で示すディーゼルエンジン1は、ターボ過給機13との組み合わせにより、エンジン回転数が2000[rpm]以下の低回転であっても高トルクを発生させることが可能となる。
又、図2に示すように、ECU41は、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに基づく車内ネットワーク42を介して、後述する自動変速装置51を制御する変速制御手段としての変速制御ユニット(TCU)43等の各制御ユニットと双方向通信自在に接続されている。
次に、図2を参照して自動変速装置51の構成について説明する。自動変速装置51は、トルクコンバータ52と無段変速機(CVT)53とを備えている。
トルクコンバータ52は、そのポンプインペラ52aがディーゼルエンジン1のクランク軸1aに連設され、このポンプインペラ52aに対向するタービンランナ52bにタービン軸52cが連設されている。更に、このタービン軸52cが、遊星歯車機構等で構成された前後進切換装置53を介してCVT53のプーリ入力軸53aに連設されている。このプーリ入力軸53aにプライマリプーリ53bが軸支されている。尚、このトルクコンバータ52は、発進加速時の車速Vが、予め設定したロックアップ車速(15〜20[Km/h]程度)に達すると、図示しないロックアップクラッチが締結して、クランク軸1aとタービン軸52cとが直結状態となる。
又、CVT53は、プーリ入力軸53aに平行なプーリ出力軸53cを有し、このプーリ出力軸53cにセカンダリプーリ53dが軸支されている。更に、この両プーリ53b,53d間に、駆動ベルトや駆動チェーン等の巻掛け式伝達要素53eが巻装されている。更に、プーリ出力軸53cには、終減速装置55の減速歯車群55aを介してディファレンシャル装置55bが連設され、このディファレンシャル装置55bには、前輪或いは後輪の駆動輪56aを軸着する駆動軸56が連設されている。
又、CVT53のプライマリプーリ53bにはプライマリ圧力室53fが併設され、このプライマリ圧力室53fに圧力制御回路57からプライマリ圧が供給される。一方、セカンダリプーリ53dにはセカンダリ圧力室53gが併設され、このセカンダリ圧力室53gに圧力制御回路57からセカンダリ圧が供給される。
プライマリプーリ53bはプライマリ圧によりプーリ溝幅が調整され、セカンダリプーリ53dはセカンダリ圧により、トルク伝達に必要な張力が巻掛け式伝達要素53eに付与する。これらプライマリ圧及びセカンダリ圧は、TCU43によりディーゼルエンジン1の運転状態等に基づいて設定され、これらの圧力を通じて両プーリ53b,53dの溝幅が互いに反比例状態に制御されることにより所望の変速比が実現される。
又、TCU20に、トルクコンバータ52に設けられているタービン軸52cの回転数(タービン回転数)Nt[rpm]を検出するタービン回転数センサ61、CVT53のプーリ出力軸53cの回転数(セカンダリ回転数)Ns[rpm]を検出するセカンダリ回転数センサ62等のセンサ類が接続されている。尚、前進走行時は前後進切換装置53が一体回転しているため、タービン回転数Ntはプーリ出力軸53cの回転数と同じ値を示す。
TCU43は、上述したECU41と同様、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェイス等からなる周知のマイクロコンピュータを中心として構成されており、CPUはROMに記憶されている制御プログラムに従い、トルクコンバータ52に設けられているロックアップクラッチに対するロックアップ制御、前後進切換装置53の前後進切換制御、及び、CVT53の両圧力室53f,53gに供給する油圧を制御する。ROMには、制御プログラム以外に、後述するCVTモード用変速マップ、A/Tモード用変速マップ等の固定データが記憶されている。尚、ロックアップクラッチに対するロックアップ制御、前後進切換装置53の前後進切換制御についての説明は省略する。
又、TCU43は、変速モードとして、CVTモードとA/Tモードとを備えている。CVTモードは、図4(a)に示すCVTモード用変速マップを参照して、変速比を連続的に可変設定するものであり、A/Tモードは、図4(b)に示すA/Tモード用変速マップを参照して、予め設定される固定変速比を段階的に設定するものである。この各変速モードに設定されている変速マップは、車速Vとタービン回転数Ntとに基づき最適な変速比が選択できるように設定されている。
このCVTモードとA/Tモードとは、アクセル開度APに基づいて切換えられる。すなわち、アクセル開度APが、予め設定したモード切換判定開度APo(例えば、APo=50〜70{%]程度)以下の場合、CVTモードが選択され、図4(a)に示すCVTモード用変速マップを参照して変速比が設定される。又、アクセル開度APがモード切換判定開度APoを越えている場合、A/Tモードが選択され、図4(b)に示すA/Tモード用変速マップを参照して変速段が設定される。尚、図4(b)の括弧内の数字は変速段を表している。このA/Tモード用変速マップは、各変速段が最大出力(馬力)を得ることのできる出力(馬力)優先の変速特性に設定されている。従って、A/Tモードではスポーティな走行性能を得ることが可能となる。このように、TCU43はアクセル開度APに基づき変速モードを選択的に切換える機能を有しており、この機能が本発明の切換手段に対応している。
本実施形態では、変速モードがアクセル開度APに基づいて自動的に切換えられるため、アクセルペダルの踏込み量の少ない常用領域ではCVTモードが選択され、CVTモード用変速マップに沿った変速制御が実行される。又、登坂路走行等での高負荷運転、高速走行時の加速運転等、アクセルペダルを大きく踏み込んだ状態での走行ではA/Tモードが選択され、A/Tモード用変速マップに沿った変速制御が実行される。
尚、図4に示すように、本実施形態ではCVTモード用変速マップの最大変速比がA/Tモード用変速マップの1速に対応し、CVTモード用変速マップの最小変速比がA/Tモード用変速マップの7速に対応しており、CVTモード用変速マップには、1速に対応する最大変速比ラインと7速に対応する最小変速ラインとの間で変速比が連続的に設定されている。
図4(a)に示すCVTモード用変速マップは、燃焼効率の良い低回転高トルクを活用した燃費優先の変速特性に設定されている。そのため、発進後の走行において車速Vが上昇すれば、それに従って、変速比は直ちにアップシフトされる。一方、加速させるべく、アクセルペダルを大きく踏み込んだ際に、アクセル開度APがモード切換判定開度APoを越えれば、変速モードはA/Tモードに自動的に切り換わり、多段変速の変速特性で走行させることができる。
ところで、停車している状態のCVT53の変速比は最大(A/Tモードの1速に相当)に設定されているため、セカンダリプーリ53dに対する巻掛け式伝達要素53eの巻掛径は大きく、発進に際しては大きなプライマリ圧を印加して巻掛け式伝達要素53eとの間の滑りを防止させる必要がある。従って、図4(b)に示すように、発進時のセカンダリ圧Psは、最大圧まで一時的に大きく立ち上げられ、発進後、このプライマリ圧を時間で徐変して連続的に低下させている。
一方、発進加速時において、車速Vがロックアップ車速に達するまでは、トルクコンバータ52のロックアップクラッチは非ロックアップ状態であるため、ディーゼルエンジン1の出力は、このトルクコンバータ52でトルク増幅されてCVT53のプーリ入力軸53a(プライマリプーリ53b)に伝達される。プライマリプーリ53bに伝達されるCVT入力トルクは、巻掛け式伝達要素53eを押圧することでセカンダリプーリ53dに伝達される。従って、発進加速時のような高トルクがプライマリプーリ53bに入力されている状態で、アップシフトさせようとするにはプライマリプーリ53bに高いプライマリ圧Ppを供給しないと巻掛け式伝達要素53eとの間に滑りが生じてしまう。
そのため、TCU43では、発進加速時において、車速Vが予め設定した加速終了を判定するしきい車速Vo(例えば、ロックアップが開始される車速であり、約25〜30[Km/h]付近)に達するまでは、A/Tモードの1速を発進加速変速比として選択し、アップシフトさせることなく1速で走行させるようにしている。
TCU43で実行される発進加速時の変速制御は、具体的には、図3に示す発進加速制御ルーチンに従って処理される。
このルーチンでは、先ず、ステップS1で、車速Vとアクセル開度APとを読込み、続くステップS2で、車速Vとアクセル開度APとに基づき発進か否かを判定する。
そして、アクセル開度APが0[%]で、且つ車速Vが0[Km/h]の場合は停車状態と判定し、又、AP>0、且つV>0の場合は、発進後の加速運転と判定して、それぞれステップS3へ分岐する。一方、AP>0、且つV=0の場合は、発進と判定して、ステップS4へ進む。
ステップS3では、車速Vと判定車速Voとを比較し、V≦Voの場合、停車中或いは発進後の加速運転と判定して、発進準備、或いは発進加速制御を継続すべくステップS4へ進む。一方、V>Voの場合は、TCU43における発進加速終了と判定し、そのままルーチンを抜ける。尚、発進加速制御が終了した後は、アクセル開度APとモード切換判定開度APoとを比較し、AP<APoの場合、変速モードとしてCVTモードを選択し、CVTモード用変速マップ(図4(a)参照)に従って変速制御を実行する。一方、AP≧APoの場合、変速モードとしてA/Tモードを選択し、A/Tモード用変速マップ(図4(b)参照)に従って変速制御を実行する。尚、上述したステップS2,S3での処理が、本発明の発進加速検出手段に対応している。
又、発進、或いは発進後の加速運転と判定されて、ステップS2、或いはステップS3からステップS4へ進むと、変速モードをA/Tモードに設定すべく、A/Tモード用変速マップを読込み、ステップS5で変速比をA/Tモード用変速マップの1速に固定して、ルーチンを抜ける。尚、ステップS4,S5での処理が、本発明の発進加速制御手段に対応している。
その結果、例えば、運転者がイグニッションスイッチをONして、ディーゼルエンジン1を稼働させた後、アクセルペダルを踏み込んで発進させようとすると、ステップS4で変速モードが自動的にA/Tモードに設定され、ステップS5で変速比がA/Tモード用変速マップの1速に固定されるため、発進加速時に直ちにアップシフトされず、車速Vはタービン回転数Ntに比例して上昇される。
図5に示すように、本実施形態では、発進加速時において、変速段をA/Tモード用変速マップの1速に固定したので、車速Vが判定車速Voに達するまでは、車速Vをタービン回転数Ntに比例して上昇させることができる。これ対し、従来は、発進加速時の変速モードとしてCVTモードが選択され、CVTモード用変速マップに基づいて変速比が設定されるため、同図に一点鎖線で示すように、車速Vが、発進直後の所定車速(約10〜15[Km/h]付近)に達した時点で自動的にアップシフトされてしまう。
その後、車速Vが判定車速Voを越えると、上述した発進加速制御ルーチンによる発進加速時の変速制御は終了し、図においてはA/Tモードに切り換わるため、A/Tモード用変速マップに従って、変速制御が実行される。
この場合、車速Vが判定車速Voを越えたときに、変速モードとしてA/Tモードが選択されて、2速へアップシフトされても、上述したCVTモードにおけるアップシフトの開始タイミングに比し、同じアクセルペダルの踏込み量であっても、図5に示すように、アップシフトの開始タイミングを時間taだけ遅らせることができる。
このときの、タービン回転数Ntとプライマリ圧Pp、及びセカンダリ圧Psの変化を、図6に示すタイムチャートを用いて説明する。
停車中の車両に対し、運転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数Neを上昇させると、トルクコンバータ52のタービン回転数Ntは、エンジン回転数Neに対し、所定のトルク増幅率に応じた速度比で上昇される。そのとき、図6(b)に示すように、CVT53のセカンダリ圧Psは最大圧まで急激に上昇し、発進時におけるセカンダリプーリ53dと巻掛け式伝達要素53eとの間の滑りを防止する。一方、プライマリ圧Ppも、巻掛け式伝達要素53eを介してセカンダリプーリ53dへトルク伝達するに必要な圧力まで上昇する。
そして、セカンダリ圧Psは、一旦最大圧力に達した後、低下方向へ時間で徐変される。一方、アップシフトはプライマリ圧Ppを一時的に高くすることで行うため、図6(b)に示すように、CVTモード、A/Tモードの何れにおいても、一時的に圧力が上昇される。アップシフト時のプライマリ圧Ppは、セカンダリ圧Psとのバランスで設定されるため、セカンダリ圧Psが高い場合は、その分高く設定される。
本実施形態では、発進加速時の変速モードをA/Tモードの1速に固定することで、変速開始タイミングがCVTモードよりも時間taだけ遅らすことができ、従って、図6(a)に示すように、セカンダリ圧Psが、時間taの徐変により、ΔPsだけ低下される。セカンダリ圧Psが低下することで、同図に示すように、アップシフト時のプライマリ圧Ppを、CVTモードに比しA/Tモードのときは、ΔPp1だけ低く設定することができる。尚、A/Tモード時のプライマリ圧Ppの増加量ΔPp2には、多段変速における変速速度の増加に伴う圧力増加分も含まれている。
このように、本実施形態では、変速モードとしてCVTモードとA/Tモードとを有し、この変速モードがアクセルペダルの踏込み量で自動的に切り換わる場合であっても、発進加速時の変速比をA/Tモードの1速に固定したので、変速開始タイミングを、従来のCVTモード時の変速開始タイミングに比し、時間taだけ遅らせることができる。それにより、プライマリ圧Ppの圧力上昇を、従来のCVTモードに比し、ΔPp1だけ低く設定することができるため定格圧力が低くなり、その分、プライマリ圧力室53fを形成するケースの肉厚を薄くする等、構造の簡素化、及び軽量化を実現することができる。更に、構造の簡素化、及び軽量化によりCVT53の小型化を実現することができる。又、軽量化により燃費を改善することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、CVTモードとA/Tモードの切り換えは手動により選択的に切り換えるようにしてもよい。その際、上述した発進加速制御手段は発進時の変速モードとしてCVTモードが選択される場合に適用される。又、CVTモードにおける発進加速変速比は、A/Tモードに設定されている1速とは異なる変速比に設定するようにしても良い。更に、原動機は、低回転高トルクを発生させることのできるものであれば、ターボ付きディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンであっても良い。
更に、図3のステップS3で判定する発進加速の終了は、車速V以外に、発進後の経過時間、発進後の加速度、発進後のエンジン回転数Neの変化、ブライマリ圧Ppの低下、アクセル開度APの変化等に基づいて判定するようにしても良い。
1…ディーゼルエンジン
33…アクセル開度センサ
34…車速センサ
43…変速制御ユニット
51…自動変速装置
52…トルクコンバータ
53b…プライマリプーリ
53d…セカンダリプーリ
53e…巻掛け式伝達要素
53f…プライマリ圧力室
53g…セカンダリ圧力室
61…タービン回転数センサ
62…セカンダリ回転数センサ
AP…アクセル開度
APo…モード切換判定開度
Ne…エンジン回転数
Nt…タービン回転数
Pp…プライマリ圧
Ps…セカンダリ圧
ta…時間
V…車速
Vo…判定車速

Claims (2)

  1. 変速比を連続的に変速可能な無段変速機と、
    前記無段変速機の変速モードとして前記変速比を連続的に設定可能な無段変速モードと該変速比を段階的に設定可能な多段変速モードとを有し、該各変速モードを選択的に切り換える切換手段と、
    前記切換手段により選択した変速モードに基づき前記無段変速機の変速制御を行う変速制御手段と
    車速を検出する車速検出手段と
    を備える車両用変速制御装置において、
    前記変速制御手段は、
    車両の発進或いは発進後の加速運転を検出する発進加速検出手段と、
    前記発進加速検出手段で発進或いは発進後の加速運転と判定した場合、前記無段変速機の変速比を、前記車速検出手段で検出した前記車速が予め設定した判定車速に達するまで前記多段変速モードで設定される最大変速比に固定する発進加速制御手段と
    を備えることを特徴とする車両用変速制御装置。
  2. アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段を有し
    前記発進加速検出手段は、前記車速検出手段で検出した前記車速と前記アクセル開度検出手段で検出した前記アクセル開度とに基づいて発進を判定す
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用変速制御装置。
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