以下、図1〜図21を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1,図2に示すように、遊技機の一例としてのパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の側部に軸着され、開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に軸着されて開閉自在に取り付けられ、中央に大きく設けられたガラス窓4A及び当該ガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル扉4と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、パネル扉4の下部に取り付けられたハンドル7と、パネル扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8、及びパネル扉4の内部に配設された図外の複数の発光部等を備える。
受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出表示装置50に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部と、ダイアル部によって移動されるカーソルと対応する項目を選択する際や、演出表示装置50において展開される多様なボタン演出の際に押下されるボタン部とから構成される。
パチンコ機1の背面側には、図外の収容体や支持部材等を介して、図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成する副制御装置200と、払出制御装置300、及び発射制御装置400が搭載されている。主制御装置100、副制御装置200、払出制御装置300、発射制御装置400は、何れもCPU(Central Processing Unit)と、遊技処理に必要なプログラム、及び、遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。なお、これらの制御装置は、図外の電源供給装置からの電力供給により駆動する。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4Aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール27と遊技球規制レール28によって略円形状となるように区画形成されている。
受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図3に示すように、発射制御装置400は、払出制御装置300を経由して、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように図外の発射装置に搭載された発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域31に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
遊技盤30には、演出表示装置50と、演出表示装置50の下部に配設されたステージ55と、第1特別図柄表示装置35Aと、第2特別図柄表示装置35Bと、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(第1始動口)61と、第2始動入賞口(第2始動口)62と、開閉体62Aと、大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、可動体70、及び、図外の複数の遊技釘とが設けられている。以下、各部の詳細について説明する。
演出表示装置50は、遊技領域31の略中央部に配設される例えば液晶表示器,ドットマトリクス表示器,ブラウン管表示器,ドラム式表示器等から構成される表示装置である。本実施形態における演出表示装置50は、液晶表示器が採用されており、その表示画面に、例えば1〜9までの数字及び特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能である。また、演出表示装置50の表示画面には、演出図柄Sの変動中に展開される多様な予告演出やリーチ演出、或いは後述する特別遊技中から所定の期間継続して表示される特別遊技演出背景や、バトル演出背景を表現する特定の画像や動画等が表示可能であり、これらの演出に係る制御は後述の副制御装置200によって実行される。
また、演出図柄Sの変動時間は、後述の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間と略同期しており、一般に遊技者は、当該演出図柄Sの変動停止までに実行される多様な演出の行方を見守ることにより、大当り遊技への期待感を抱きながら遊技を進行する。
演出表示装置50の上部及び両側部の周囲を取り囲むように配設された装飾部には、可動体70が上下方向にスライド移動、かつ、スライド方向に直交する回転軸を中心として回転可能に配設されており、当該可動体70は、後述の副制御装置200によって制御される。
ステージ55は、演出表示装置50の下方に形成された前後左右方向に渡って延在する領域であって、当該ステージ55上に進入した遊技球は、左右方向に転動しながら下方に落下する。ステージ55の中央部には、球導入口が開設されており、当該球誘導入口に進入した遊技球は、下方に開設された球導出口55Aより下方に落下する。
第1始動入賞口61は、ステージ55の球導出口55Aの直下における遊技領域31の左右方向略中央部に配設された入賞部品により形成される。当該入賞部品は、遊技盤30の前面に突設され、所定の意匠が施された基体を備える。当該基体の上方には遊技球を取り込み可能な開口が開設されており、当該第1始動入賞口61に取り込まれた遊技球は、遊技盤30の後方に導出された後に機外に排出される。また、基体の内部には、第1始動口検出センサ91が配設されており、第1始動入賞口61に取り込まれた遊技球を検出する。第1始動口検出センサ91は、主制御装置100と図外のポートを介して接続されており、その検出信号は主制御装置100に出力される。
第2始動入賞口62は、遊技領域31の右側方に配設された入賞部品により形成される。当該入賞部品は、遊技盤30の前面に突設され、所定の意匠が施された基体を備える。当該基体の上方には遊技球を取り込み可能な開口が開設されており、当該第2始動入賞口62に取り込まれた遊技球は、遊技盤30の後方に導出された後に機外に排出される。また、基体の内部には、第2始動口検出センサ92が配設されており、第2始動口より取り込まれた遊技球を検出する。第2始動口検出センサ92は、主制御装置100と図外のポートを介して接続されており、その検出信号は主制御装置100に出力される。
開閉体62Aは、基体の内部に配設された回転軸を介して左右方向に開閉動作する一対の羽根状部材により構成される。開閉体62Aは、例えばソレノイド等のアクチュエータを含んで構成される図外の開閉体駆動装置の駆動により閉鎖状態、及び開放状態の2つの状態に可変し、遊技球の第2始動入賞口62への入球の難易を変動させる。例えば、一対の羽根状部品が直立した状態は、開閉体62Aの閉鎖状態であり、該状態においては一対の羽根部材の先端と、第2始動入賞口62の直上に配設された障壁部品62Bとの間隔が遊技球の直径未満となり、遊技球の第2始動入賞口62への入球が阻止される。一方で、一対の羽根状部品が水平方向に倒伏した状態は、開閉体62Aの開放状態であり、該状態においては一対の羽根部材の先端と、障壁部品62Bとの間隔が遊技球の直径以上となり、遊技球の第2始動入賞口62への入球が容易化される。
なお、開閉体62Aの開放動作は、遊技球がスルーチャッカ66を通過したことに基づいて実行される普通図柄に係る電子抽選(普図当否抽選)の結果が「当り」となった場合に、主制御装置100により実行される。
大入賞口64は、遊技領域31の右側部に配設される。大入賞口64は、アタッカ装置65によって入賞の可否が変化するように構成されている。アタッカ装置65は、概略、遊技盤30の前面と平行な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動自在に設けられた大入賞口64の形状とほぼ同じ長方形の蓋部材と、この蓋部材を駆動する図外のソレノイドとを備え、ソレノイドへの通電により蓋部材が前方向に回動して大入賞口64を開放するものである。アタッカ装置65が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。アタッカ装置65は、後述する第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が「当り」となった場合に実行される特別遊技中において主制御装置100によって開放駆動される。よって、遊技者は、特別遊技実行中において遊技球を遊技領域31の右側部方向に打ち出すことにより、遊技球を容易に大入賞口64内に入賞させることができる。また、大入賞口64の内部には、大入賞口検出センサ93が配設されており、大入賞口64に取り込まれた遊技球を検出する。大入賞口検出センサ93は、主制御装置100と図外のポートを介して接続されており、その検出信号は主制御装置100に出力される。
複数の一般入賞口67は、遊技盤30の前面に突設され、所定の意匠が施された基体を備える。当該基体の上方には遊技球を取り込み可能な開口が開設されており、当該一般入賞口67に取り込まれた遊技球は、遊技盤30の後方に導出された後に機外に排出される。また、基体の内部には、一般入賞口検出センサ95が配設されており、一般入賞口より取り込まれた遊技球を検出する。当該一般入賞口検出センサ95は、主制御装置100と図外のポートを介して接続されており、その検出信号は主制御装置100に出力される。
また、上述の第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64及び一般入賞口67に遊技球が取り込まれると、主制御装置100は、払出制御装置300に対して賞球払出コマンドを送信し、これを受信した払出制御装置300が賞球払出装置350を駆動することにより、遊技者に対して予め設定された所定個数の賞球が払い出される。主制御装置100により生成される賞球払出コマンドには、各入賞口に対応して予め設定された賞球数情報が含まれており、払出制御装置300は当該賞球払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて賞球払出装置350を制御して所定数の賞球を払出す。
また、主制御装置100は、後述する特別遊技の実行中において、大入賞口64への遊技球の取り込みに対応した賞球数情報を含む賞球数コマンドを生成し、副制御装置200側に送信する。副制御装置200側では当該賞球数コマンドに基づいて、特別遊技において遊技者が獲得した賞球数を積算記憶する処理を実行する。
本実施形態において、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞に対して予め設定された賞球数は3個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は15個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。また、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、大入賞口64、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
通過ゲート66は、第2始動入賞口62、及び大入賞口64の上方に配設されている。通過ゲート66は、遊技球が通過可能な上下開放の門型をなしたものであり、当該通過ゲート66を通過した遊技球は内部に格納された通過ゲート検出センサ94によって検出される。通過ゲート検出センサ94は、前述の各検出センサと同様に主制御装置100に接続されており、その検出信号が主制御装置100に出力される。
第1特別図柄表示装置35Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特図当否抽選(第1特図当否抽選)の結果を表示する表示器である。本実施形態における第1特別図柄表示装置35Aは、7セグメントディスプレイにより構成され、特図当否抽選の結果に基づいて特別図柄(1〜9までの数字や記号)を高速で点滅表示させた後に、特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示する。ここで、特別図柄が点滅表示している時間は、特別図柄の変動時間であり、導出表示されている時間は特別図柄の停止時間である。また、例えば特図当否抽選の結果が「当り」である場合に導出表示される特別図柄は、1〜9までの何れかの数字又は記号の組み合わせであり、「外れ」である場合に停止表示される特別図柄は、数字以外のアルファベットや「−」等の記号である。当該第1特別図柄表示装置35Aの変動表示制御は、主制御装置100により制御される。
第2特別図柄表示装置35Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特図当否抽選(第2特図当否抽選)の結果を表示する表示器である。第2特別図柄表示装置35Bは、第1特別図柄表示装置35Aと同様の7セグメントディスプレイにより構成され、主制御装置100により制御されることによって特別図柄を点滅表示させた後に、特図当否抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。なお、特別図柄の変動時間、停止時間及びその導出態様については上記第1特別図柄表示装置35Aにおけるものと同様である。なお、以下の説明においては第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄と言い、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄と言う場合がある。第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bは、演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に演出表示装置50と離間して配置されている。また、第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを規則的又はランダムに配列した形態等のものを採用することも可能である。
普通図柄表示装置41は、上述の第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの下方に配置され、遊技球の通過ゲート66の通過を契機に、主制御装置100により行われる普図当否抽選の結果を表示する表示器である。普通図柄表示装置41は並設された2つのLEDランプにより構成され、主制御装置100により制御されることによって普通図柄を交互に点滅表示させた後に、普図当否抽選の結果を表示する態様で所定の普通図柄を導出表示(停止表示)するものである。具体的には普図当否抽選の結果が「当り」の場合には2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、「外れ」のときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
以下、図3を参照し、上記構成からなる遊技盤30を備えたパチンコ機1のハードウェア上の構成について説明すると共に、パチンコ機1における主要な制御処理について概説する。
同図に示すように、主制御装置100は、遊技情報記憶手段110と、特図(特別図柄)当否抽選手段120と、特図種類決定手段130と、特図変動時間決定手段140と、特別遊技制御手段150と、遊技状態制御手段160、遊技回数計測手段170、及び普図(普通図柄)当否抽選手段180を備える。
遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62にそれぞれ対応する第1始動口検出センサ91及び第2始動口検出センサ92から出力される遊技球の検出信号の入力を契機として、複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶する。
図4(a)は、遊技情報記憶手段110の構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技情報記憶手段110は、特図当否抽選用乱数発生部111Aと、特図当否抽選用乱数取得部111Bと、特図種類決定用乱数発生部112Aと、特図種類決定用乱数取得部112Bと、特図変動時間決定用乱数発生部113Aと、特図変動時間決定用乱数取得部113B、及び、遊技情報保留記憶部115とから構成される。
特図当否抽選用乱数発生部111Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図当否抽選用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図当否抽選用乱数取得部111Bは、第1始動口検出センサ91又は第1始動口検出センサ92からの検出信号の入力に基づき、特図当否抽選用乱数発生部111Aにより発生した特図当否抽選用乱数を取得(ラッチ)する。
特図種類決定用乱数発生部112Aは、上記特図当否抽選用乱数発生部111Aと同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図種類決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。特図種類決定用乱数取得部112Bは、第1始動口検出センサ91又は第1始動口検出センサ92からの検出信号の入力に基づき、特図種類決定用乱数発生部112Aにより発生した特図種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
特図変動時間決定用乱数発生部113Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である特図変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。特図変動時間決定用乱数取得部113Bは、第1始動口検出センサ91又は第1始動口検出センサ92からの検出信号の入力に基づき、特図変動時間決定用乱数発生部113Aにより発生した特図変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
以上のとおり、上述の各乱数は、第1始動口検出センサ91又は第1始動口検出センサ92からの入力に基づいて同時に取得されるものである。そして以下の説明においては、これら同時に取得される複数の乱数を総称して「遊技情報」という場合がある。
遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞(第1始動口検出センサ91又は第2始動口検出センサ92からの入力)を契機として取得された遊技情報を記憶する記憶領域を有するRAMにより構成される。本実施形態においては、遊技情報保留記憶部115に記憶可能な遊技情報の上限は、第1始動入賞口61への入賞及び第2始動入賞口62への入賞にそれぞれについて4個(最大8個)とされており、遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された遊技情報を入賞口(検出信号)の種別に応じて、それぞれ独立して設けられた記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)内に順に記憶する。
また、各記憶領域に記憶された遊技情報は、始動条件の成立によって読み出され、当該読み出された遊技情報に基づく所定の遊技抽選処理(特図抽選処理,特図種類決定処理,特図変動時間決定処理)が実行されたのちに削除される。
次に、主制御装置100の特図当否抽選手段120によって実行される特図抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、特図当否抽選手段120、特図種類決定手段130、及び、特図変動時間決定手段140は、所定の始動条件が成立したことに応じて、前記遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報に含まれる各乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する特図当否抽選の結果(当否結果という場合がある。)、特別図柄の種類、及び、特別図柄の変動時間を決定する。
図5(a)は、特図当否抽選手段120の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図当否抽選手段120は、特図当否抽選用乱数読出し部121と、低確率用特図当否抽選テーブル122A及び高確率用特図当否抽選テーブル122Bを備えている。図5(b)に示すように、これらのテーブルには、0〜65535までの範囲の特図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。特図当否抽選手段120の特図当否抽選用乱数読出し部121は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用特図当否抽選テーブル122A及び高確率用特図当否抽選テーブル122Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した特図当否抽選用乱数に対応する当否結果を抽出,決定する。
本実施形態においては、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照された場合よりも、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照された場合の方が当否抽選の結果が「当り」となる確率が約10倍高く設定されている。いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段160によって設定される遊技状態によって異なり、遊技状態が後述する「特図低確率」である場合は、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照され、「特図高確率」である場合は、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される。
またここで、上記特図当否抽選が実行される契機となる始動条件とは、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中でないこと、かつ、特別遊技の実行中でないことであり、当該始動条件が成立したことに基づいて遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数が順次読み出され、対応する当否結果が抽出される。また、特図当否抽選用乱数の読出し順は、例えば入賞順(遊技情報記憶手段110に記憶された順序通り)である。
次に、主制御装置100の特図種類決定手段130により実行される特図種類決定処理ついて説明する。図6(a)は、特図種類決定手段130の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図種類決定手段130は、特図種類決定用乱数読出し部131と、前述の当否結果が「当り」である場合に参照される特図種類決定テーブル132を備えている。図6(b)に示すように、特図種類決定テーブル132は、それぞれ特1当り用特図種類決定テーブル132A,特2当り用特図種類決定テーブル132Bに細分化されている。これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図種類決定用乱数それぞれに対応する特図種類が規定されている。
特図種類決定手段130の特図種類決定用乱数読出し部131は、前述の当否結果が「当り」であることに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図種類決定用乱数を読み出し、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bのいずれかのテーブルを参照して、読み出した特図種類決定用乱数に対応する特図種類を抽出,決定する。
ここで、特1当り用特図種類決定テーブル132Aは、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルである。一方、特2当り用特図種類決定テーブル132Bは、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルである。換言すれば、特図種類決定用乱数が遊技情報保留記憶部115の第1記憶領域から読み出されたものである場合は、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照され、第2記憶領域から読み出されたものである場合は、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照される。
図6(b)に示すように、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特図種類決定用乱数に対して、特別図柄A、及び特別図柄Bのいずれかの特図種類が規定されている。なお、図中の「選択率」の項目は説明の便宜上付したものである。
特1当り用特図種類決定テーブル132Aには、特別図柄A及び特別図柄Bの選択率がそれぞれ40%,60%となるように規定されている。また、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特別図柄A及び特別図柄Bの選択率がそれぞれ70%,30%となるように規定されている。同図から明らかなとおり、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特1当り用特図種類決定テーブル132Aと、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特2当り用特図種類決定テーブル132Bとの間には、特別図柄の選択率に顕著な差が設けられており、具体的には、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照されるよりも、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合の方が、特別図柄Aが選択される確率が飛躍的に高くなっている。そして、これらのテーブルによって抽出,決定される特図種類は、後述する特別遊技の態様(ラウンド数)を決定する要素として用いられる。
また、これらの特図種類は、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様を決定する。本実施形態において、例えば特図種類が「特別図柄A」である場合、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に1〜9までの数字のうち、奇数が停止表示され、「特別図柄B」である場合、偶数が停止表示される。なお、前述の当否結果が「外れ」である場合は、当該特図種類決定処理は実行されず、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様は「−」とされる。
次に、主制御装置100の特図変動時間決定手段140により実行される特図変動時間決定処理ついて説明する。図7(a)は、特図変動時間決定手段140の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特図変動時間決定手段140は、特図変動時間決定用乱数読出し部141と、低確率用特図変動時間テーブル142と、高確率特図変動時間テーブル143を備えている。
図7(b)に示すように、低確率特図変動時間テーブル142は、外れ用の低確率特図変動時間テーブル142A、及び当り用の低確率特図変動時間テーブル142Bに細分化されている。
また、高確率特図変動時間テーブル143は、外れ,高速区間用の高確率特図変動時間テーブル143A、外れ,中速区間用の高確率特図変動時間テーブル143B、外れ,低速区間用の特図変動時間テーブル143C、外れ,特定遊技回数用の特図変動時間テーブル143D、及び当り用の高確率特図変動時間テーブル143Eに細分化されている。
これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図変動時間決定用乱数それぞれに対応する特別図柄の変動時間(1秒,2秒,4秒,6秒,12秒,30秒,45秒,90秒のいずれか)が規定されている。
特図変動時間決定手段140の特図変動時間決定用乱数読出し部141は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態、及び特別遊技後の特定の遊技回数に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した特図変動時間決定用乱数に対応する特別図柄の変動時間を抽出する。
ここで、外れ用の低確率特図変動時間テーブル142Aは、前述の当否結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。また、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bは、前述の当否結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。両者の選択率の比較からも明らかなように、当り用の低確率用特図変動時間テーブル142Bが参照される場合の方が、外れ用の低確率用特図変動時間テーブル142Aが参照される場合よりも長い変動時間が抽出される傾向にある。
また、外れ,高速区間用の高確率特図変動時間テーブル143Aは、前述の当否結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合において、「普図高確率」の開始(特別遊技の終了)から遊技回数(=特図当否抽選回数)が所定の回数(本例では19回)に達するまで参照されるテーブルである。また、外れ,中速区間用の高確率特図変動時間テーブル143Bは、前述の当否結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合において、遊技回数が所定の回数(本例では21回から65回)に達するまで参照されるテーブルである。また、外れ,低速区間用の高確率特図変動時間テーブル143Cは、前述の当否結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合において、遊技回数が所定の回数(本例では66回から70回)に達するまで参照されるテーブルである。
上記高確率特図変動時間テーブル143A乃至143Cに規定された変動時間の割合(選択率)から明らかなように、上記3つの高確率特図変動時間テーブル143A乃至143Cは、その種別が高速,中速、及び低速に向かうに従って、平均変動時間が長くなるように設定されている。例えば「普図高確率」の開始から遊技回数が19回目に達するまでは、極めて短時間(1秒又は2秒)の変動時間が抽出,決定され、遊技回数が21回目から65回目に達するまでは、平均変動時間が「普図高確率」の開始から遊技回数が19回目に達するまでの平均変動時間よりも長くなり、さらに遊技回数が66回目から70回目に達するまでは、平均変動時間が最も長くなる。
換言すれば、「普図高確率」における遊技回数が1回から19回の間は、特別図柄が変動を開始してから停止表示されるまでの間が極めて短時間となることにより、1回の特図抽選処理に対してその当否結果が導出されるまでの時間効率が最も高くなり、その後の遊技回数が増えるに従って時間効率が低くなる構成である。
外れ,特定遊技回数用の特図変動時間テーブル143Dは、前述の当否結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合において、「普図高確率」の開始(特別遊技の終了)から遊技回数が特定の回数(本例では20回目)においてのみ参照されるテーブルである。当該特図変動時間テーブル143Dには、特定の変動時間(本例では30秒)のみが規定されており、当該テーブルが参照されることにより、「普図高確率」の開始から20回目の特別図柄の変動時間は「30秒」となる。
なお、詳細については後述するが、当該特図変動時間テーブル143Dを設けたのは、演出表示装置50上において特別遊技が終了したことを遊技者に対して疑似的に看取させるエンディング演出を展開する時間を確保するためである。
当り用の高確率用特図変動時間テーブル143Eは、前述の当否結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合において参照されるテーブルである。なお、上述の各テーブルは例示に過ぎず、この他にも遊技情報の記憶(保留記憶数)に応じて異なる変動時間が規定されたテーブルを参照して特別図柄の変動時間を抽出,決定する構成としてもよい。
以上のとおり、主制御装置100は、特図当否抽選手段120、特図種類決定手段130、及び特図変動時間決定手段140を備えており、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を読み出し、読み出した遊技情報に対応する特図当否抽選の結果(当否結果)、特別図柄の種類、及び特別図柄の変動時間を抽出して決定する。
そして、主制御装置100は、上記抽出,決定された当否結果、特別図柄の種類、及び特別図柄の変動時間の情報を含む演出図柄変動コマンドを副制御装置200側に送信する。当該演出図柄変動コマンドを受信した副制御装置200側では、当否結果、特別図柄の種類及び特別図柄の変動時間に基づいて演出図柄の変動時間、及び、変動に際して表示される演出内容を決定し、演出表示装置50上で各種の演出を展開する処理を実行する。
演出図柄変動コマンドの送信に対応して、主制御装置100は、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに対して変動開始信号を出力し、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を、抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否結果を示す態様で停止表示させる。これにより、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された遊技情報に対する一回の遊技処理が終了する。
図8は、上述した主制御装置100による一連の遊技抽選処理のフローである。同図に示すように、主制御装置100は、S200において、遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されているかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合判定を繰り返す。主制御装置100は、S201において、現在の遊技状態が特別遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S202に移行する。なお、特別遊技中であるか否かの判定は、特別遊技中においてRAMに設定される特別遊技フラグの有無(ON「1」,OFF「0」)により行われる。主制御装置100は、S202において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S203に移行する。なお、変動中であるか否かの判定は、変動中においてRAMに設定される特別図柄変動フラグの有無(ON,OFF)により行われる。
主制御装置100は、S203において、遊技情報を読み出し、S204に移行する。具体的には、主制御装置100の特図当否抽選手段120、特図種類決定手段130、及び特図変動時間決定手段140が、それぞれ対応する特図当否抽選用乱数、特図種類決定用乱数、及び特図変動時間決定用乱数を読み出す。上記S201及びS202の判定処理から明らかなように、特図当否抽選手段120等による遊技情報に係る抽選処理は、始動条件として設定された現在の遊技状態が特別遊技中でないこと、かつ、特別図柄が変動中でないことを条件として実行される。
主制御装置100は、S204において、特図当否抽選手段120による特図当否抽選処理を実行して、当否結果を抽出,決定し、S205に移行する。主制御装置100は、S205においてS204における当否結果が「当り」であるかを判定し、YESの場合S206に移行し、NOの場合S207に移行する。主制御装置100は、S206において、特図種類決定手段130による特図種類決定処理を実行して、特図種類を抽出,決定し、S207に移行する。
主制御装置100は、S207において、特図変動時間決定手段140による特図変動時間決定処理を実行して、特図変動時間を抽出,決定し、S208に移行する。図9は、特図変動時間決定手段140による特図変動時間決定処理の流れを示すサブチャートである。同図に示すように、特図変動時間決定手段140は、S270において、遊技状態が「普図低確率」であるかを判定し、YESの場合S271に移行し、NOの場合S274に移行する。特図変動時間決定手段140は、S271において、当否結果が「外れ」であるかを判定し、YESの場合S272に移行し、NOの場合S273に移行する。特図変動時間決定手段140は、S272において、特図変動時間テーブル142Aを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。
また、同様に特図変動時間決定手段140は、S273において、特図変動時間テーブル142Bを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。
一方、特図変動時間決定手段140は、遊技状態が「普図高確率」であることに基づいてS274において当否結果が「外れ」であるかを判定し、YESの場合S275に移行し、NOの場合S282に移行する。
特図変動時間決定手段140は、S275において、現在の遊技回数が、遊技状態が「普図高確率」となってから(特別遊技の終了から)20回目であるかを判定し、YESの場合S276に移行し、NOの場合S277に移行する。
当該遊技回数の判定は、後述の遊技回数計測手段170が備える変動テーブル切替用カウンタC2の値に基づいて実行され、当該カウンタC2の値が「20」である場合に判定がYESとなり、それ以外の値である場合に判定がNOとなる。
特図変動時間決定手段140は、S276において、特図変動時間テーブル143Dを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。特図変動時間決定手段140は、S277において、現在の遊技回数が、遊技状態が「普図高確率」となってから1回目から19回目の範囲であるかを判定し、YESの場合S278に移行し、NOの場合S279に移行する。特図変動時間決定手段140は、S278において、特図変動時間テーブル143Aを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。
特図変動時間決定手段140は、S279において、現在の遊技回数が、遊技状態が「普図高確率」となってから21回目から65回目の範囲であるかを判定し、YESの場合S280に移行し、NOの場合S281に移行する。特図変動時間決定手段140は、S280において、特図変動時間テーブル143Bを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。特図変動時間決定手段140は、S281において、特図変動時間テーブル143Cを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。特図変動時間決定手段140は、S282において、当否結果が「当り」であることに基づいて特図変動時間テーブル143Eを参照し、S283において変動時間を抽出,決定し、一回の処理を終了する。
以上の通り、特図変動時間決定手段140は、当否結果と、遊技状態(「普図低確率」又は「普図高確率」)と、さらに「普図高確率」である場合には現在の遊技回数に応じてそれぞれ対応する何れかの特図変動時間テーブルを参照して変動時間を抽出,決定する。
図8に戻り、主制御装置100は、S208において抽出,決定された当否結果、特図種類、変動時間に係る情報に基づいて第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御して、変動時間経過後に当否結果を示す態様で停止表示せる。また、主制御装置100は、S209において抽出,決定された当否結果、特図種類、変動時間に係る情報を含む演出図柄変動コマンドを副制御装置200側に送信し、演出図柄Sの変動表示を開始させる。
次に、主制御装置100の特別遊技制御手段150について説明する。特別遊技制御手段150は、上述の特図当否抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果が「当り」である場合に当該「当り」であることを示す態様で特別図柄が停止表示された後、遊技者とって有利な特別遊技を実行する。ここで、特別遊技の具体的態様は、前述の特図種類に応じて予め設定されている。
例えば、特図種類が、「特別図柄A」である場合、特別遊技制御手段150は、アタッカ駆動装置65に制御信号を出力し、例えば大入賞口64を16R(ラウンド)開放状態とする。ここで、1R当りの開放時間は開放開始から30秒が経過するまで、又は遊技球が10個入賞するまでのいずれかの条件が成立するまでとされている。また、各ラウンド間のインターバルは、2.5秒とされている。よって、特図種類が、「特別図柄A」であることを契機として特別遊技が実行された場合、遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(獲得可能賞球数)は、約2400個(15×10×16)となる。一方、特別図柄の種類が、「特別図柄B」である場合、特別遊技制御手段150は、アタッカ駆動装置65に制御信号を出力し、大入賞口64を4R(ラウンド)開放状態とする。なお、1R当りの開放時間及び各ラウンド間のインターバルは、前記と同様である。よって、当該特別遊技が実行された場合に遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(獲得可能賞球数)は、約600個(15×10×4)となる。そして、当該特別遊技は、最終ラウンド(16R又は4R)に開放中の大入賞口64が閉鎖されることにより終了する。
以上のとおり、本実施形態に係るパチンコ機1においては、特別図柄の種類が「特別図柄A」であるか、或いは、「特別図柄B」であるかによって獲得可能な賞球数が大きく異なるように設定されており、同じ特別遊技であっても特別図柄の種類(=特別遊技の種類)によって当該特別遊技によって得られる獲得可能賞球数が大きく異なるように設定されている。また、上記特別遊技の実行中には、特別遊技の開始に対応して主制御装置100により生成,送信される特別遊技演出開始コマンドに基づいて、副制御装置200による専用の特別遊技演出が展開される。
次に、遊技状態制御手段160について説明する。遊技状態制御手段160は、特別遊技が実行されたこと、又は特別遊技後の遊技回数が所定の上限回数に達したことを契機として、遊技状態を切り替える遊技状態切替処理を実行する。
ここで、本実施形態において醸成される遊技状態は、遊技者にとって不利な「特図低確率」かつ「普図低確率」、及び遊技者にとって有利な「特図高確率」かつ「普図高確率」の2通りの遊技状態であり、所定の契機で上記2通りの遊技状態を相互に切り替える。具体的には、図10(a)に示すように、遊技状態制御手段160は、RAMの記憶領域に設定された特図用フラグ及び普図用フラグを切り替えることにより2通りの遊技状態を醸成する。
図10(b)は、遊技状態制御手段160による遊技状態切替処理を示すフローチャートである。同図に示すように、S300において遊技状態制御手段160は、特別遊技が開始されたかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合S303に移行する。S301において遊技状態制御手段160は現在の遊技状態(特別遊技開始前の遊技状態)が「特図低確率」かつ「普図低確率」であるかを判定し、YESの場合S302に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。なお、ここで判定がNOの場合とは、遊技状態が「特図高確率」かつ「普図高確率」である場合において特別遊技を獲得した状況(所謂連荘)であって、この場合には当該特別遊技後においても「特図高確率」かつ「普図高確率」が維持されることとなる。
S302において、遊技状態制御手段160は前述の特図用フラグ及び普図用フラグをOFFからON(「0」→「1」)に切り替えて遊技状態を「特図低確率」かつ「普図低確率」から「特図高確率」かつ「普図高確率」へと切替,変更して一回の処理を終了する。特別遊技中において当該処理が実行されることにより、特別遊技後の遊技は、「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態から開始されることとなる。
一方、S300における判定がNOである場合、即ち、特別遊技が開始されていない場合には、遊技状態制御手段160は、S303において現在の遊技状態が「特図高確率」かつ「普図高確率」であるかを判定し、YESの場合S304に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。なお、ここで判定がNOの場合とは、遊技状態が「特図低確率」かつ「普図低確率」の場合である。
S304において、遊技状態制御手段160は、後述する遊技回数計測手段170の遊技状態切替用カウンタC1の値が、予め設定された遊技回数の閾値(本例では70回)に達したかを判定し、YESの場合S305に移行し、NOの場合当該判定を繰り返し実行する。ここで、遊技状態切替用カウンタC1は、特別遊技終了後からの遊技回数を計測するカウンタであって、当該遊技状態切替用カウンタC1により計測された遊技回数が閾値(69回)以下であれば判定がNOとなり、閾値に達した場合に判定がYESとなる。なお、詳細については後述するが、遊技状態切替用カウンタC1の値(遊技回数)は、特別遊技が実行された場合、又は遊技回数が予め設定された閾値(上限)に達した場合にクリアされる。
S305において、遊技状態制御手段160は、特別遊技後の遊技回数が予め設定された上限回数に達したことに基づいて、特図用フラグ及び普図用フラグをONからOFF(「1」→「0」)に切り替えて、遊技状態を「特図高確率」かつ「普図高確率」から「特図低確率」かつ「普図低確率」へと切替,変更して一回の処理を終了する。当該処理が実行されることにより、特別遊技終了後、71回目以降の遊技抽選においては低確率用特図当否抽選テーブル122A,低確率用特図変動時間テーブル142A又は142B等が参照されて当否結果、及び変動時間が抽出,決定されることとなる。
以上の遊技状態切替処理から明らかなように、本実施形態に係る「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態は、特別遊技終了後から、遊技回数(=特図当否抽選の回数)が所定の上限回数(70回)に達するまで継続するものであり、図11に示すように、当該遊技状態中に再び特別遊技を獲得できれば、当該特別遊技終了後の遊技状態も再び「特図高確率」かつ「普図高確率」となり(リセットされ)、所謂連荘による遊技状態のループが実現可能となっている。
換言すれば、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技回数の制限が付された「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態中に、如何に獲得可能賞球数が多い方の特別遊技(本例の場合、特図種類Aに基づく特別遊技)を獲得できるかが遊技者にとっての最大の関心事となる。
次に、遊技回数計測手段170について説明する。図12(a)に示すように、遊技回数計測手段170は、遊技状態切替用カウンタC1と、変動テーブル切替用カウンタC2とを備える。遊技状態切替用カウンタC1、及び変動テーブル切替用カウンタC2は、前述した特図当否抽選手段120、特図種類決定手段130、及び特図変動時間決定手段140によって行われる遊技抽選処理が実行されるたびに(=特別図柄が変動するたびに)その値が加算されるハードウェア又はソフトウェア上のカウンタである。
前述のとおり、遊技状態切替用カウンタC1の値は、遊技状態制御手段160によって参照され、当該値に基づいて特図用フラグ及び普図用フラグのON,OFF動作が実行される。また、変動テーブル切替用カウンタC2の値は、特図変動時間決定手段140によって参照され、当該値に基づいて「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態である場合の特定の特図変動時間テーブル(143A乃至143D)が参照される。
以下、図12(b)を参照して、遊技回数計測手段170による遊技回数計測処理について説明する。同図に示すようにS400において遊技回数計測手段170は、現在の遊技状態が「特図高確率」かつ「普図高確率」であるかを判定し、YESの場合S401に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。即ち、遊技状態が「特図低確率」かつ「普図低確率」である場合は、遊技状態切替用カウンタC1、及び変動テーブル切替用カウンタC2による遊技回数の計測は実行されない。S401において遊技回数計測手段170は、前述の遊技抽選処理が実行されたかを判定し、YESの場合S402に移行し、NOの場合当該判定を繰り返し実行する。
S402において遊技回数計測手段170は、遊技状態切替用カウンタC1及び変動テーブル切替用カウンタC2の値を加算し(+1)、S403に移行する。S403において遊技回数計測手段170は、前記遊技抽選(当否結果)が「当り」であるかを判定し、YESの場合S404に移行し、NOの場合S405に移行する。S404において遊技回数計測手段170は、遊技状態切替用カウンタC1及び変動テーブル切替用カウンタC2の値をクリアして一回の処理を終了する。
S405において遊技回数計測手段170は、遊技状態切替用カウンタC1及び変動テーブル切替用カウンタC2の値が予め設定された閾値(70回)に達したかを判定し、YESの場合S406に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。S406において遊技回数計測手段170は、遊技状態切替用カウンタC1及び変動テーブル切替用カウンタC2の値をクリアして一回の処理を終了する。
以上のとおり、遊技回数計測手段170の遊技状態切替用カウンタC1、及び変動テーブル切替用カウンタC2は、遊技状態が「特図高確率」かつ「普図高確率」である場合に、遊技抽選が実行される度に加算されるカウンタであって、順次加算される値が閾値に達した場合、又は、当否結果が「当り」となり特別遊技が実行される場合にクリアされるカウンタである。
なお、本実施形態においては、遊技状態切替用カウンタC1及び変動テーブル切替用カウンタC2を区別して設ける構成としたが、単一のカウンタにより遊技回数を計測し、当該カウンタの値に基づいて特図用フラグ及び普図用フラグのON,OFF動作や、特定の特図変動時間テーブル(143A乃至143D)を参照してもよい。
次に、普図当否抽選手段180について概説する。普図当否抽選手段180は、通過ゲート66を遊技球が通過したことを契機に、開閉体62Aの開放の可否に係る電子抽選(普図当否抽選)により決定するものである。具体的には、普図当否抽選手段180は、前述の特図当否抽選手段120と略同様に構成され、ループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である普図抽選用乱数を発生させる普図抽選用乱数発生手段から、通過ゲート66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、通過ゲート検出センサ94からの検出信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図抽選用乱数を取得(ラッチ)し、取得した普図抽選用乱数が「当り」であるか「外れ」であるかを低確率用普図抽選テーブル、又は、高確率用普図抽選テーブルを参照して抽出,決定する。
図示は省略するが、低確率用普図抽選テーブル及び高確率用普図抽選テーブルには、普図当否用乱数と当否結果(「当り」又は「外れ」)との対応関係が規定されており、例えば低確率用普図抽選テーブルを参照した場合の「当り」の確率は1/120に設定され、高確率用普図抽選を参照した場合の「当り」の確率は1/1.1に設定されている。
つまり、高確率用普図抽選テーブルの方が、低確率用普図抽選テーブルに比べて格段に「当り」に当選する確率が高くなるように設定されている。また、本実施形態において、低確率用普図抽選テーブルは、遊技状態が「普図低確率」の場合に参照され、高確率用普図抽選テーブルは、遊技状態は「普図高確率」の場合に参照される。
また、主制御装置100は、前述の普図当否抽選手段180による当否結果が「当り」である場合において図外の開閉体駆動装置を駆動制御し、開閉体62Aを所定時間、所定の態様により開放状態とする。例えば、主制御装置100は、「普図高確率」の場合において開閉体62Aを例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、「普図低確率」の場合において開閉体62Aを開放時間0.2秒で1回開放させる。
つまり、遊技状態が「普図高確率」である場合、普図当否抽選手段180による普図当否抽選の結果(当否結果)が殆ど「当り」となり、開閉体62Aが頻繁に開放されるため、遊技者が遊技球を遊技領域31の右側方に打ち出すことにより、第2始動入賞口62に容易に入賞させることができ、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。
次に、主制御装置100より送信される各種のコマンドに基づいて動作する副制御装置200について説明する。図3に示すように、副制御装置200は、主として演出表示装置50上で変動表示される演出図柄Sの演出パターンや、背景表示パターンを決定し、当該決定された演出パターンや背景表示パターンに基づいて演出表示装置50を制御する演出表示制御手段210と、特別遊技中において主制御装置100から送信される賞球数コマンドに基づいて特別遊技中に払出された賞球数を積算して記憶する賞球数積算記憶手段220と、演出表示制御手段210により決定された演出パターンに基づいて、スピーカ8から出力される楽曲や効果音の種類を決定する音声制御手段230、及びパネル扉4の内部や遊技盤30に搭載されたLED等の発光部の発光パターンや可動体70の動作パターンを決定する役物制御手段240を備える。
以下、演出表示制御手段210について説明する。図13に示すように、演出表示制御手段210は、演出パターン決定部210Aと、背景表示パターン決定部210Bと、演出モード制御部210Cと、遊技回数計測部210Dを備える。
演出パターン決定部210Aは、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドの受信と同時に、図外の乱数発生手段より0から19までの演出パターン決定用乱数を取得し、当該演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを演出パターン決定テーブル215より選択,決定する。また、背景パターン決定部210Bは、現在の演出モードに対応した背景パターンを背景表示パターン決定テーブル216より選択,決定する。以下、演出パターン決定テーブル215、及び背景パターン決定テーブル216について説明する。
図14に示すように、演出パターン決定テーブル215は、演出図柄変動コマンドに含まれる当否結果情報と変動時間情報と対応するように細分化されており、演出表示制御手段210は、当否結果情報と変動時間情報に対応する演出パターン決定テーブル215A乃至215Lのいずれかを参照し、演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを選択,決定する。
ここで、例えば演出パターン決定テーブル215Aは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「1秒」である場合に参照されるテーブルであり、当該演出パターン決定テーブル215Aには、演出パターン決定用乱数の全てに「外れ演出1」なる演出パターンが規定されている。また、演出パターン決定テーブル215Bは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「2秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数の全てに「外れ演出2」なる演出パターンが規定されている。
また、演出パターン決定テーブル215Cは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「4秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数の全てに「外れ演出3」なる演出パターンが規定されている。また、演出パターン決定テーブル215Dは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「6秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数の全てに「外れ演出4」なる演出パターンが規定されている。一方、演出パターン決定テーブル215Eは、当否結果が「当り」であって、変動時間が「6秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数の全てに「当り演出(即当り演出)1」なる演出パターンが規定されている。
また、演出パターン決定テーブル215Fは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「12秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「外れ演出5」又は「外れ演出6」なる演出パターンが規定されている。また、演出パターン決定テーブル215Gは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「30秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「外れ演出7」又は「外れ演出8」なる演出パターンが規定されている。一方、演出パターン決定テーブル215Hは、当否結果が「当り」であって、変動時間が「30秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「当り演出2」又は「当り演出3」なる演出パターンが規定されている。また、演出パターン決定テーブル215Iは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「45秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「外れ演出9」、「外れ演出10」及び「外れ演出11」なる演出パターンが規定されている。一方、演出パターン決定テーブル215Jは、当否結果が「当り」であって、変動時間が「45秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「当り演出4」、「当り演出5」、及び「当り演出6」なる演出パターンが規定されている。
また、演出パターン決定テーブル215Kは、当否結果が「外れ」であって、変動時間が「90秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「外れ演出12」乃至「外れ演出15」なる演出パターンが規定されている。一方、演出パターン決定テーブル215Lは、当否結果が「当り」であって、変動時間が「90秒」である場合に参照されるテーブルであり、演出パターン決定用乱数に対して所定の割合で「当り演出7」乃至「当り演出10」なる演出パターンが規定されている。
上記演出パターンには、予告パターン情報、及びリーチパターン情報が含まれており、その種別に応じて異なる予告演出及びリーチ演出が演出表示装置50上で展開されるようになっている。ここで、予告演出とは、例えば演出図柄Sがリーチを形成することや、リーチ形成後にスーパーリーチ演出が発生すること、或いは、演出図柄Sの停止態様が前述の当否結果が「当り」となった場合の態様で表示される事などを事前に示唆する演出であって、特定の画像表示や動画表示が演出表示装置50上において展開される。
また、リーチ演出とは、例えば演出図柄Sがリーチを形成した後、残る1つの演出図柄Sが停止表示されるまでの間に演出表示装置50上において展開される画像表示や動画表示等の演出である。また、ここで「リーチ」とは、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが同一の数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態であって、残余の1つの演出図柄Sが、先行して仮停止した状態の演出図柄S(リーチ図柄)と同一の数字又はキャラクターで停止すれば特別遊技(大当り)となり得る状態をいう。
逆に「非リーチ」とは上記状態以外の状態を言い、例えば「外れ演出1」乃至「外れ演出5」が抽出,決定された場合「非リーチ」の演出が展開される。
演出表示制御手段210は、演出パターン決定テーブル215から上記した1つの演出パターンを抽出,決定し、演出表示装置50に対して、決定された演出パターンに含まれる予告パターン情報、リーチパターン情報、及び当否結果情報を含む変動開始コマンドを送信する。演出表示装置50は、変動開始コマンドの内容に基づいて所定の画像表示や、動画表示を図外のROMから読み出すとともに、読出した画像表示や、動画表示をその画面上に表示しつつ決定された演出図柄Sを変動表示させ、変動時間経過後に当否抽選の結果情報に応じて演出図柄Sを当否結果を示す所定の態様で停止表示させる。特に、演出表示制御手段210は、現在の演出モードが「バトル演出モード」である場合において、後述する特定の対戦キャラクターP1〜P7が遊技者側のキャラクターと戦う様子を画像や動画により表現し、その勝敗結果を示す画像や動画の表示とともに、演出図柄Sを停止表示させる。
ここで、当否結果が「当り」である場合の演出図柄Sの停止態様は、原則的には3つの演出図柄Sの全てが同一の数字又はキャラクターで停止する態様であり、「外れ」である場合の停止態様は上記以外の態様である。そして遊技者は、上記演出図柄Sの停止態様(組み合わせ)を視認することにより前述の特図当否抽選の結果を認識することができる。
次に、背景表示パターン決定部210Bについて説明する。背景表示パターン決定部210Bは、現在の演出モードに応じて背景表示パターン決定テーブル216から所定の背景表示パターンを選択,決定し、前述した特別遊技の実行中や演出図柄Sの変動表示中において、演出表示装置50上において表示される背景表示が上記決定された背景表示となるように演出表示装置50を制御する。また、背景表示パターン決定部210Bは、演出モードが後述する「バトル演出モード」である場合において、対戦キャラクター決定用カウンタC4によりカウントされる値に基づいて「バトル演出モード」のバトル演出背景の種別を決定する。
図15(a)は、背景表示パターン決定テーブル216を示す模式図である。同図に示すように、背景表示パターン決定テーブル216には、複数の演出モードと対応するように、特別遊技演出背景、賞球表示演出背景、バトル演出背景、低速消化用背景、及び通常消化用背景が規定されている。背景表示パターン決定テーブル216は、後述の演出モード制御部210Cの制御により設定される演出モードフラグの状態に応じて現在の演出モードに応じた演出背景を抽出,決定する。
また、図15(b)に示すように、バトル演出背景は、それぞれ背景として含まれる特定の対戦キャラクターP1〜P7が異なるバトル演出背景A乃至バトル演出背景Gに細分化されており、背景表示パターン決定部210Bは、現在の演出モードが「バトル演出モード」であることを条件として、バトル演出背景A乃至バトル演出背景Gの中からいずれかのバトル演出背景を抽出,決定する。
ここで、図15(a)に示すように、本例における演出モードには、前述の特別遊技の開始から特別遊技の終了まで継続する「特別遊技演出モード」、特別遊技の終了後、遊技回数が1回目から19回目に達するまで継続する「高速消化モード」、特別遊技の終了から遊技回数が20回に達したときに設定される「賞球数表示モード」、遊技回数が21回目に達してから65回目に達するまで継続する「バトル演出モード」、遊技回数が66回目に達してから70回に達するまで継続する「低速消化モード」、及び、遊技回数が71回目に達した場合、換言すれば、遊技状態が「特図低確率」かつ「普図低確率」である場合に設定される「通常消化モード」に分類される。
図16は、上述した各背景表示のうち、「特別遊技演出モード」、及び「高速消化モード」において演出表示装置50上に表示される特別遊技演出背景の具体例を示す図である。同図に示すように、主制御装置100から送信される特別遊技演出開始コマンドの受信に基づいて、まず演出表示装置50の表示画面上には、冒頭に「SPECIAL BONUS」との表示がなされ、遊技者に対してこれから特別遊技が開始されることを報知するオープニング演出が表現される。そして、オープニング演出後、複数のラウンドの進行中には、特定の演出キャラクターK1やK2を含むビデオクリップ等の動画が継続して表示される。また、当該ビデオクリップの右下には現在のラウンドを示すラウンド表示部P1が設けられ、現在のラウンド進行が把握可能となっている。
そして、さらに特別遊技実行中において表示されるビデオクリップは、特別遊技終了後、遊技回数が19回に達するまで継続して表示される。このように、特別遊技の開始と連動して表示されるオープニング演出を含む特別遊技演出背景が、特別遊技の終了後(最終ラウンド閉鎖後)にも継続して表示されることにより、遊技者は、特別遊技終了後においてもその外観上、あたかも特別遊技が依然として継続して実行されているような感覚となる。つまり、本実施形態における遊技機は、オープニング演出と対応するエンディング演出をあえて特別遊技の終了と同時に表現することなく、特別遊技と特別遊技後の遊技(1回目〜19回目までの遊技)を一連の演出(本例ではビデオクリップ)により一回の特別遊技であるかのように表現している。
また、一方で特別遊技終了後、遊技回数が19回に達するまで継続して表示される特別遊技演出背景には、表示画面右下に小さく演出図柄Sが変動表示する様子を示す変動表示領域R1が設けられており、さらに表示画面中央上部には、前回までの特別遊技において獲得した賞球数が表示される賞球数表示領域R2が設けられている。
なお、賞球数表示領域R2に表示される賞球数は、後述の賞球数積算記憶手段220によって計測されており、背景表示パターン決定部210Bは、当該賞球数積算記憶手段220によって記憶された賞球数を賞球数表示領域R2に表示する。
次に、「賞球数表示モード」と対応し、特別遊技演出背景の次に表示される賞球表示演出背景について説明する。図16に示すように、賞球表示演出背景は、これまで継続していた「高速消化モード」中において獲得した特別遊技の回数(連荘回数)を表示する連荘回数表示領域R3と、「高速消化モード」中に獲得した特別遊技中において遊技球が得た賞球数の積算を表示する賞球数積算表示領域R4とを含んで構成され、これら連荘回数や、賞球数の積算を「Result」として遊技者に対して表示することにより、あたかも1回の特別遊技であるかのように表現された特別遊技と特別遊技後の遊技(1回目〜19回目までの遊技)が終了したことを報知するエンディング演出が表現される。なお、当該背景表示においても、表示画面右下に小さく演出図柄Sが変動表示(20回目の変動表示)する様子を示す変動表示領域R1が設けられている。
以上の通り、賞球表示演出背景は、特別遊技の開始と対応して表示される前述のオープニング演出と対応するエンディング演出として位置付けられており、遊技者はオープニング演出が表示されてから、エンディング演出が表示されるまでの間、1回の特別遊技が継続しているかのように遊技を進行することができる。
次に、図16を参照し、「高速消化モード」中における特図当否抽選の結果が「当り」となり、特図変動時間が「6秒」に決定した場合の演出の流れについて説明する。演出パターン決定手段210は、主制御装置100から送信される変動コマンドに含まれる当否結果情報と変動時間情報が「当り」及び「6秒」であることに基づいて、演出パターン決定テーブル215Eを参照し、演出パターンを「当り演出1(即当り演出)」に決定する。図16に示すように、当該「当り演出1」は、例えば「6秒」の変動時間の終期に突如として「+15R」なる表示を表示する演出であり、当該「当り演出」が表示されることにより、遊技者はあたかも特別遊技の継続中において、ラウンド数が増加(上乗せ)されたかのような感覚を得ることができる。
そして、例えば「高速消化モード」中に当否結果が繰り返し「当り」となり、上記当り演出1が繰り返し表示されれば、ラウンド数の上乗せが繰り返し行われたような感覚を得ることができ、「高速消化モード」中における遊技性がより一層向上することとなる。なお、低速消化用背景、及び通常消化用背景の具体例については省略するが、これらの背景は、前述の特別遊技演出背景、及び賞球表示演出背景とその具体的態様が異なり、現在の演出モードを遊技者に対して把握可能とする背景であれば如何なる態様であってもよい。
次に、「バトル演出モード」と対応し、賞球表示演出背景の次に表示されるバトル演出背景について説明する。図17に示すとおり、バトル演出背景にはそれぞれ登場する対戦キャラクターP(1〜7)が異なるA乃至Gまでの種別が存在し、これらのバトル演出背景は一定の条件を満たすたびに、AからGの方向に向かって順に切替,変更されて表示される。また、バトル演出背景に含まれる対戦キャラクターPは、遊技者側に対する敵側のキャラクターとして位置付けられており、いずれかのキャラクターPを含むバトル演出背景が演出表示装置50上に表示されることにより、遊技者はバトル演出モードにおける敵側のキャラクターを認識することができる。また、バトル演出背景の切替、換言すれば対戦キャラクターPの切替処理は、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値に基づいて実行される。
次に、「バトル演出モード」中において実行される背景パターン決定部210Bのバトル演出背景切替処理、及び対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント処理について説明する。図18は、特別遊技の終了から遊技回数が21回目に達した後、65回目に達するまでの範囲に表示されるバトル演出背景Aの様子を示す模式図である。
同図に示すように、「通常モード」中に特別遊技を獲得し、その後の「特別遊技演出モード」、「高速消化モード」、及び「賞球数表示モード」を経て「バトル演出モード」に達した場合には、賞球表示演出背景から対戦キャラクターP1を含むバトル演出背景Aに切り替わる。ここで、バトル演出背景A〜Gは、例えばそれぞれ対応する対戦キャラクターP1〜P7がその仕草や表情を変えながら動作するように表現された動画により構成されている。
図19(a)は、バトル演出背景切替処理を示すフローチャートである。同図に示すとおり、背景パターン決定部210Bは、S600において現在の演出モードが「バトル演出モード」であるかを判定し、YESの場合S601に移行し、NOの場合、他の演出モードに対応した上述のいずれかの演出背景を選択,決定して一回の処理を終了する。
背景パターン決定部210Bは、S601において対戦キャラクター決定用カウンタC4の値を参照し、S602に移行する。背景パターン決定部210Bは、S602において対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値に予め対応付けられたいずれかのバトル演出背景(A〜G)を背景表示パターン決定テーブル216から選択,決定し、当該抽出,決定されたバトル演出背景が演出表示装置50上において表示されるように演出表示装置50を制御する。
具体的には、背景パターン決定部210Bは、抽出,決定されたバトル演出背景の種別情報(A〜G)を含む背景切替コマンドを演出表示装置50側に送信し、演出表示装置50側ではバトル演出背景情報に対応する対戦キャラクター(P1〜P7)が含まれるバトル演出背景に係る動画をその演出表示装置50の表示画面上に表示する。なお、「通常モード」中に特別遊技を獲得し、その後の「特別遊技演出モード」、「高速消化モード」、及び「賞球数表示モード」を経て「バトル演出モード」に初めて移行した場合のバトル演出背景の種別はAであり、対戦キャラクターはP1となる。
また、図15(b)に示すように、バトル演出背景の種別(A〜G)は、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値(0〜6)と対応付けられている。
即ち、本例においては、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値が増加する程、バトル演出背景がAからGの方向に順に切り替えられる構成である。換言すれば、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値が増加する程、対戦キャラクターがP1〜P7の方向に順に切り替えられる構成である。
図19(b)は、上述のバトル演出背景切替処理において参照される対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント処理を示すフローチャートである。対戦キャラクター決定用カウンタC4は、「0」〜「6」までの値を取り得るカウンタであって、そのカウント値は、背景パターン決定部210Bによる前述のバトル演出背景切替処理において参照される。背景パターン決定部210Bは、S700において、現在の演出モードが「バトル演出モード」であるかを後述の演出モードフラグの状態に基づいて判定し、YESの場合S701に移行し、NOの場合S703に移行する。
背景パターン決定部210Bは、S701において、主制御装置100から送信される特別遊技演出コマンドを受信したかを判定し、YESの場合S702に移行し、NOの場合、一回の処理を終了する。背景パターン決定部210Bは、S702において、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値を「1」加算して一回の処理を終了する。つまり、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値は、演出モードが「対戦演出モード」であって、かつ、当該モード中に特別遊技が獲得されたことを条件として加算されるものである。従って、同じ「特図高確率」かつ「普図高確率」の状態である「高速消化モード」、「賞球数表示モード」、或いは「低速消化モード」中に特別遊技を獲得した場合であってもカウント値が加算されることはなく、結果としてバトル演出背景、換言すれば、対戦キャラクターPが切り替えられることはない。
なお、本例においては、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値を加算するものとしたが、所定のカウント値から減算するものとしてもよい。
背景パターン決定部210Bは、S703において、現在の演出モードが「通常演出モード」であるかを演出モードフラグの状態に基づいて判定し、YESの場合S704に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。背景パターン決定部210Bは、S704において、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値を初期化(クリア処理)して一回の処理を終了する。つまり、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値は、特別遊技終了後、70回継続する「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態の終了とともにクリア処理され、カウント値は再び「0」となる。
以下、図20を参照し、特別遊技獲得のタイミングと、対戦キャラクターPの切替処理との関係について説明する。なお、同図の例は通常消化モード中に特別遊技を獲得した後の流れを示すものである。
図20(a)に示す例は、初回の特別遊技終了後の「バトル演出モード」中に2回目の特別遊技を獲得した例を示すものである。上述の対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント処理で説明したとおり、演出モードが「バトル演出モード」である場合に特別遊技を獲得した場合、換言すればいずれかの対戦キャラクターPが表示されている間に特別遊技を獲得した場合、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値が加算(本例では、「0」→「1」)される。そして、当該カウント値が加算される契機となった特別遊技の終了後に再度移行する「バトル演出モード」のバトル演出背景の種別は前記加算後のカウント値「1」に従ったバトル演出背景Bとなり、その対戦キャラクターPの種別は、対戦キャラクターP2となる。つまり、本例においては、前回の「バトル演出モード」において表示されていた対戦キャラクターP1から、異なる対戦キャラクターP2に切替,変更される。
一方、図20(b)に示す例は、初回の特別遊技の終了後の「バトル演出モード」を経て、「低速消化モード」中に2回目の特別遊技を獲得した例を示すものである。上述の対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント処理で説明したとおり、演出モードが「バトル演出モード」以外の「低速消化モード」であるときに特別遊技を獲得した場合、換言すればいずれかの対戦キャラクターPが表示されていない間に特別遊技を獲得した場合、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値は加算されることなく維持される。そして、当該カウント値が維持される契機となった特別遊技の終了後に再度移行する「バトル演出モード」のバトル演出背景の種別は、維持されたカウント値「0」に従ったバトル演出背景Aとなる。つまり、本例においては、前回の「バトル演出モード」において表示されていた対戦キャラクターP1が切替,変更されることなく再び表示される。また、対戦キャラクター決定用カウンタC4のカウント値は、「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態の終了とともにクリア処理されるため、一度でも「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態から、「特図低確率」かつ「普図低確率」の状態に移行(転落)した場合には、それまでのカウント値に関わらず「0」となり、当該転落後の遊技状態において特別遊技を獲得した場合、当該特別遊技後の「バトル演出モード」においては、初期の対戦キャラクターとして設定された対戦キャラクターAが表示されることとなる。
以上の通り、本実施形態に係る対戦キャラクターPの切替処理は、特別遊技終了後の「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態において、遊技回数が21回目から65回目に達するまでの範囲で継続する「バトル演出モード」中に特別遊技を獲得することを条件として実行される処理である。一方で、特別遊技終了後の「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態であっても、「バトル演出モード」以外の演出モード中(遊技回数1回目から20回目,遊技回数66回目から70回目)に特別遊技を獲得した場合には、対戦キャラクターPを切替,変更することなく次回の「バトル演出モード」中に表示する。
このような処理が実行されることにより、「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態における特別遊技の獲得回数(「連荘回数」或いは「ループ回数」)のみに依存することなく、対戦キャラクターPを変更できるため演出の単調化を防止して、遊技の興趣が向上するとともに、遊技者の全ての対戦キャラクターPを出現させたい(キャラクターコンプリート)との思いにより、繰り返しの遊技を促進させることができる。
次に、演出モード制御部210Cについて説明する。前述のとおり、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される遊技回数に基づいて、特に特別遊技の開始から大当り遊技終了後、遊技回数が70回に達するまでの間のRAMの記憶領域内に設けられた図21(a)に示す演出モードフラグを切り替えて制御する(「0」又は「1」)。例えば、演出モード制御部210Cは、主制御装置100から特別遊技演出コマンドが送信されたことに基づいて、特別遊技演出フラグを制御し(「0」→「1」)、演出モードを特別遊技演出モードに変更する。そして、演出モードが特別遊技演出モードに変更されることにより、背景表示パターン決定部210Bにより、特別遊技演出背景が抽出,決定され、演出表示装置50上に前述のビデオクリップからなる特別遊技演出背景(オープニング演出)が表示される。
また、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される特別遊技後の遊技回数が「1回」となったこと、換言すれば特別遊技終了後、最初の遊技が開始されたことに基づいて、特別遊技演出フラグを制御(「1」→「0」)するとともに、高速消化演出フラグを制御(「0」→「1」)し、演出モードを高速消化モードに変更する。なお、前述のとおり、演出モードが高速消化モードに変更された場合であっても、演出表示装置50上には前述のビデオクリップからなる特別遊技演出背景が継続して表示される。
また、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される特別遊技後の遊技回数が「20回」となったことに基づいて、高速消化演出フラグを制御(「1」→「0」)するとともに、賞球数表示演出フラグを制御(「0」→「1」)し、演出モードを賞球数表示モードに変更する。そして、演出モードが賞球数表示演出モードに変更されることにより、背景表示パターン決定部210Bにより、賞球表示演出背景が抽出,決定され、演出表示装置50上に前述のエンディング演出が表示される。
また、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される特別遊技後の遊技回数が「21回」となったことに基づいて、賞球数表示演出フラグを制御(「1」→「0」)するとともに、バトル演出フラグを制御(「0」→「1」)し、演出モードをバトル演出モードに変更する。そして、演出モードがバトル演出モードに変更されることにより、背景表示パターン決定部210Bによる前述のバトル演出背景切替処理が実行され、特定のバトル演出背景が抽出,決定される。また、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される特別遊技後の遊技回数が「66回」となったことに基づいて、バトル演出フラグを制御(「1」→「0」)するとともに、低速消化フラグを制御(「0」→「1」)し、演出モードを低速消化モードに変更する。
そして、演出モードが低速消化モードに変更されることにより、背景表示パターン決定部210Bにより、低速消化用背景表示が抽出,決定される。また、演出モード制御部210Cは、遊技回数計測部210Dにより計測される特別遊技後の遊技回数が「71回」となったことに基づいて、低速消化演出フラグを制御(「1」→「0」)するとともに、通常消化演出フラグを制御(「0」→「1」)し、演出モードを通常消化モードに変更する。そして、演出モードが通常消化モードに変更されることにより、背景表示パターン決定部210Bにより、通常消化用背景表示が抽出,決定される。
このように、本実施形態に係る演出モードは、特別遊技終了後の遊技回数に応じて、演出モードごとに設定されたフラグ(演出モードフラグ)を切り替えることにより、切り替えられる。そして、当該演出モード(フラグ)の状態は、前述の背景表示パターン決定部210Bにより参照され、背景表示パターン決定部210Bは演出モードに対応した背景表示を抽出,決定する。
次に、遊技回数計測部210Dについて説明する。遊技回数計測部210Dは、図外のカウンタを有し、特別遊技の終了後から遊技回数が所定の回数に達するまでの間、遊技回数を加算して記憶して遊技回数を計測する。具体的には、遊技回数計測部210Dは、前述の演出図柄変動コマンドを受信するたびに、カウンタの値を加算(+1)する。当該カウンタの値は、71回に達したと同時にクリア処理され、次回の特別遊技の終了後に再び加算される。また、前述のとおり、遊技回数計測部210Dにより計測された遊技回数が、演出モードを制御する演出モード制御部210Cにより随時参照されており、遊技回数に基づく演出モードの切り替え処理が実行される。
次に、副制御装置200の賞球数積算記憶手段220について説明する。図3に示すように、賞球数積算記憶手段220は、賞球数積算カウンタC3を備え、特別遊技の開始から、特別遊技終了後、遊技回数が所定の回数(本例では19回)に達するまでの間に獲得された特別遊技において遊技者に払出された賞球数を積算して記憶する。
図21(b)は、賞球数積算記憶手段220によって実行される賞球数積算記憶処理のフローチャートである。同図に示すように、賞球数積算記憶手段220は、S500において、前述の特別遊技演出フラグの有無(「0」又は「1」)により、特別遊技が開始されたかを判定し、YESの場合S501に移行し、NOの場合当該判定を繰り返し実行する。賞球数積算記憶手段220は、S501において、特別遊技の実行中に主制御装置100から送信される前述の賞球数情報を含む賞球数コマンドを受信したかを判定し、YESの場合S502に移行し、NOの場合当該判定を繰り返し実行する。
賞球数積算記憶手段220は、S502において、賞球数コマンドに含まれる賞球数情報(例えば「15個」)に基づいて賞球数積算カウンタC3の値を加算して更新し、S503に移行する。賞球数積算記憶手段220は、S503において、前述の特別遊技演出フラグの有無(「0」又は「1」)により、特別遊技が終了したか判定し、YESの場合S504に移行し、NOの場合S501に移行して賞球数積算カウンタC3の値を加算して更新する処理を繰り返し実行する。これにより、1回の特別遊技において遊技者が獲得した賞球数(本例においては、「2400個」又は「600個」)が積算して記憶される。
賞球数積算記憶手段220は、S504において、前述の高速消化演出フラグの有無(「0」又は「1」)により、高速消化モードが継続中であるかを判定し、YESの場合S505に移行し、NOの場合S506に移行する。
賞球数積算記憶手段220は、S505において、高速消化モードが継続中に特別遊技演出フラグがON(「1」)とされ、再び特別遊技が開始されたかを判定し、YESの場合S501に移行し、NOの場合S504に移行する。一方、S504の判定がNOである場合、賞球数積算記憶手段220は、S506において、賞球数積算カウンタC3の値をクリアする処理を実行して一回の処理を終了する。
以上のフローから明らかなとおり、賞球数積算記憶手段220は、特別遊技が開始されたことに基づいて、賞球数コマンドの受信に応じて賞球数を積算して記憶するとともに、特別遊技終了後においては、演出モードが高速消化モードであること、かつ、当該モード中に特別遊技が開始されたことを契機として、当該特別遊技において払出された賞球数を前回の特別遊技において払出された賞球数に積算して記憶する。また、ここで前回の特別遊技とは、当該特別遊技を獲得した時点の遊技状態(「特図高確率」かつ「普図高確率」)を醸成する契機となった特別遊技である。
つまり、賞球数積算記憶手段220の賞球数積算カウンタC3の値は、高速消化モード中に特別遊技が繰り返し獲得,開始され、当該特別遊技を契機とする高速消化モードが途切れることなく繰り返しループする状況下においては、例えば、「2400」、「4800」、「7200」と増加することとなる。一方で、特別遊技終了後、高速消化モードが終了した場合には、賞球数積算カウンタC3がクリアされるため、例えばその後のバトル演出モードや低速モード中に特別遊技が開始された場合には、賞球数積算カウンタC3の値は「2400」等となる。なお、上記賞球数の増加の例は、特図種類が「特別図柄A」であった場合を想定している。
即ち、賞球数積算記憶手段220は、特別遊技終了後の高速消化モードが途切れることなく、複数回継続して実行される限りにおいては、当該高速消化モード中に開始された特別遊技により払い出された賞球数を順次積算して記憶するものであって、あたかも1回の特別遊技であるかのように表現される高速消化モード中に当該処理が実行されることにより、1回の特別遊技で1回に得られる賞球数を超える賞球の払出しを得たかのような感覚を遊技者に看取させることができる。
具体的には、賞球数積算記憶手段220によって計測された賞球数は、前述の背景表示パターン決定部210Bによって参照され、賞球数積算表示領域R4に表示される賞球数として用いられる。賞球数積算表示領域R4を含むエンディング演出において、このような積算賞球数が表示されることにより、当該積算賞球数があたかも1回の特別遊技において獲得した賞球数であるかのような感覚を与えることができ、高速消化モード終了までの遊技者の期待感,達成感を向上させることができる。
次に、音声制御手段230、及び役物制御手段240について説明する。音声制御手段230は、演出パターン決定手段210Aにより決定された演出パターンに対応する楽曲データや効果音データを図外のROMから読み出して、アンプやスピーカを含んで構成された図外の音声回路側に出力し、スピーカ8から所定の楽曲音や効果音を出力させることにより、特別図柄及び演出図柄Sが停止表示されるまでの間の遊技を盛り上げる。また、特に音声制御手段230は、特別遊技演出モード、及び高速消化モード中においては、一連の背景表示として表示されるビデオクリップに対応する楽曲データを出力し、特別遊技演出モード、及び高速消化モードにおいて一連の演出表示がなされていることを遊技者に看取させる。
役物制御手段240は、演出パターン決定手段210Aにより決定された演出パターンに対応するランプ点灯データや、可動体駆動データを図外のROMから読み出して、パネル扉4や遊技盤30上に配設されたLED、或いは遊技盤30上に配設された可動体70の各ドライバ回路側に出力し、LEDの点灯や可動体の動作を実行させることにより遊技を盛り上げる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。