図1,2に示すように、スロットマシン1の筐体2は前方に開放しており、前方から前扉3によって覆われている。前扉3の中央部には、筐体2の内部に配設された三つのリール9を視認するための視認窓4が設けられる。そして、前扉3の前面側には、視認窓4の下方に、遊技操作に用いるベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7などの各種スイッチが配設される。また、視認窓4の上方には、演出用の画像を表示する画像表示器10が配設される。画像表示器10は、液晶表示装置からなるものであり、前扉3の上部に嵌め込まれている。また、前扉3の前面側には、演出用ランプ12が複数配設され、前扉3の前面下部には、メダルの受皿14が配設される。また、前扉3の前面側には、メダルの払出枚数を表示する払出枚数表示器16と、クレジット枚数を表示するクレジット数表示器17とが配設されている。
図2に示すように、前扉3の背面側には、画像表示器10の裏側に、画像表示器10を制御する画像制御手段22が配設される。また、前扉3の背面側には、スピーカ11などが配設される。また、図2に示すように、筐体2には、リール9の上方に、メイン制御手段20やサブ制御手段21がケースに収納された状態で設置され、また、リール9の下方には、ホッパーユニット18が配設される。
次に、スロットマシン1の作動を制御する制御回路を、図3を参照して説明する。
メイン制御手段20は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技の進行に関する制御を行うものである。メイン制御手段20の入力ポートには、ベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7が接続される。また、メイン制御手段20の出力ポートには、リール9、払出枚数表示器16、クレジット数表示器17、ホッパーユニット18、サブ制御手段21が接続される。
ベットスイッチ5a,5bは、クレジットされているメダルを投入するためのものである。ベットスイッチ5a,5bとして、シングルベットスイッチ5aとマックスベットスイッチ5bとを備えている。シングルベットスイッチ5aは、クレジットされているメダルを1枚ずつ投入する。マックスベットスイッチ5bは、1ゲーム当たりの最大投入枚数のメダルを投入する。
各リール9は、円筒形状をなしており、図4に示すように、その外周面には「7」、「バーA」、「バーB」、「チェリー」、「ベルA」、「ベルB」、「スイカA」、「スイカB」、「リプレイA」、「リプレイB」の10種類の図柄が合計21個配されている。各リール9はステッピングモータ19を備えており(図3参照)、各ステッピングモータ19でリール9を回転させることで、外周面の図柄を視認窓4に変動表示することができ、また、ステッピングモータ19を任意の角度で停止させることで、視認窓4に外周面の図柄を選択的に停止表示させ得るよう構成されている。ここで、視認窓4には、入賞ラインが予め設定されており、後述するように、3つのリール9が停止したときに、入賞ライン上に停止表示された図柄の組合せ(以下、「出目」とも言う。)によって役に入賞したか否かが決定される。尚、この入賞ライン上に停止表示される図柄の組合せ(出目)が、所謂、図柄の停止表示態様に相当する。
スタートスイッチ6は、リール9の回転を開始させるものである。本実施例1では、レバー式スイッチが用いられており、レバーを傾動させることで、三つのリール9が回転を開始する。
三個のストップスイッチ7は、リール9の回転を停止させるものである。各ストップスイッチ7は、個々のリール9に対応付けられており、ストップスイッチ7を押圧操作すると、対応したリール9が所定遅延時間内に停止するよう構成されている。すなわち、このストップスイッチ7の操作順序によって、回転中のリール9の停止順序を選択することができる。
払出枚数表示器16は、入賞の際に払い出されたメダルの払出枚数を表示するものである。また、クレジット数表示器17は、予め定められた上限枚数(50枚)までのクレジット枚数を表示するものである。
ホッパーユニット18はメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するタンクと、タンクのメダルを払出口に向けて送り出す送出機構とを備えている。
サブ制御手段21は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技に関する演出の制御を行うものであり、サブ制御手段21のROMには、多岐に亘る演出パターンに関する固定データが記憶されている。サブ制御手段21の入力ポートには、メイン制御手段20が接続され、メイン制御手段20からサブ制御手段21に、遊技の進行に関する情報が入力される。そして、サブ制御手段21は、メイン制御手段20から入力される情報に基づいて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを実行させるために、演出用ランプ12やスピーカ11にコマンドを送信し、さらには、画像表示器10に所要の画像を表示させるために画像制御手段22にコマンドを送信する。
画像制御手段22は、CPU、RAM、ROM等を備え、画像表示器10の表示制御を行うものである。画像制御手段22のROMには、画像表示器10に表示する演出用画像を生成するためのデータが多量に記憶される。画像制御手段22は、サブ制御手段21からコマンドを受信すると、CPUにおいて演算処理し、演出用画像のデータをRAMに書きこんで画像表示器10に出力し、サブ制御手段21が選択した演出パターン通りの演出用画像を画像表示器10の表示画面に表示させる。
本実施例1のスロットマシン1では、リール9を回転させて図柄を変動表示させた後に、リール9を停止させて図柄を入賞ライン上に停止表示させるゲーム(単位遊技)が繰り返し実行される。具体的には、1回のゲームは、(1)ゲーム開始に必要な枚数のメダル投入、(2)スタートスイッチ操作、(3)リールの回転、(4)ストップスイッチ操作、(5)リールの停止、(6)出目に基づく入賞処理、(7)メダルの払い出し、の順序で行われる。
本実施例1では、図5,6に示すように、出目によって規定される複数種類の役が予め設定される。そして、リール9が停止した時に、当該役に係る出目が停止表示された場合には、当該役への入賞となり、入賞した役の種類に応じた処理が実行される。例えば、図5に示すベル9役は、入賞ライン上に、3つのリール9の図柄が、左から「スイカA」「バーA」「スイカA」の組合せとなる出目によって規定されるものであり、入賞ライン上に、ベル9役の出目が停止表示された場合には、該ベル9役の入賞となり、当該役の配当として割り当てられた1枚のメダルが遊技者に払い出される。役は、小役(ベル役、チェリー役、BB増加役)とリプレイ役とBB役とに大別される。小役は、入賞時に各役に割り当てられた配当のメダル枚数が払い出される役であり、リプレイ役は、入賞時にメダルを投入することなく次のゲームを実行可能となる役であり、BB役は、図6のBB増加役に必ず当選するゲームを所定回数行うBB遊技状態に移行する役である。
役抽選では、上記複数種類の役について当落が決定される。そして、役抽選に当選した役については当該ゲームでの入賞が許容されて、ストップスイッチ7の操作順序や操作タイミングによって、当該役に係る出目を停止表示させることが可能となる。一方、役抽選に当選しなかった役については当該ゲームでの入賞が許容されず、ストップスイッチ7の操作順序や操作タイミングに関わらず、当該役に係る出目が停止表示されないよう制御される。
役抽選では、複数種類の役について個別に当落を判定するのではなく、図7に示すように、複数の役をグループ化した役グループを複数設定し、いずれの役グループに当選したか否かを判定する。詳述すると、役グループは、BB役グループ、リプレイ役グループ、チェリー役グループ、Lベル役グループ、Cベル役グループ、Rベル役グループ、およびBB増加役グループの7種類が設定され、夫々の役は、いずれかの役グループに割り当てられている。そして、役抽選では、抽出した乱数値に基づいて、いずれか1つの役グループの当選、又は全ての役グループの落選(ハズレ)を決定する。例えば、役抽選で、Lベル役グループに当選した場合は、図7に示すように、ベル1〜8役、ベル9〜ベル19役、ベル21役、ベル22役、ベル24役、およびベル25役の23種類の役に同時当選となり、その他の役については落選となる。また、役抽選で、全ての役グループに落選となった場合は、全ての役について落選となる。ここで、役抽選の当選確率を図8に示す。通常遊技状態とAT遊技状態では、図8(a)のように、BB役グループ、リプレイ役グループ、チェリー役グループ、Lベル役グループ、Cベル役グループ、およびRベル役グループに当選する当選確率が夫々設定され、BB遊技状態では、図8(b)のように、BB増加役グループに100%当選するように設定されている。
次にリール9の停止制御について説明する。
スロットマシン1は、ストップスイッチ7が操作されてから190msの遅延期間内に、該ストップスイッチ7に対応するリール9を停止させる。そして、スロットマシン1は、リール9を停止させるまでの時間を遅延期間の範囲内で調整することで、入賞ライン上に停止表示させる図柄を0〜4コマ滑らせることができる。基本的には、スロットマシン1は、ストップスイッチ7が操作されると、役抽選で当選した役に係る出目が停止表示され、かつ、役抽選で落選した役に係る出目が停止表示されないように、入賞ラインに対して図柄を何コマ滑らせて停止させるかを決定する。
上述のように、役抽選で一つの役グループに当選すると、複数の役に同時当選するため、複数の役に係る出目の出現(停止表示)が同時に許容される。ただし、どの役に係る出目を停止表示可能となるかは、ストップスイッチ7の操作順序および操作タイミング、あるいは操作タイミングによって相違する。例えば、Lベル役グループに当選した場合には、遊技者が操作したストップスイッチ7の操作順序に対応するベル役に係る出目のなかから、操作タイミングに応じた出目を停止表示する。また、チェリー役グループに当選した場合には、遊技者が操作したストップスイッチ7の操作タイミングに応じた出目を停止表示する。このように、役抽選でいずれかの役グループに当選した場合は、ストップスイッチ7の操作順序および操作タイミング、あるいは操作タイミングによって、出現可能な出目が相違する。
ここで、本実施例1では、図5,6に示すように、BB増加役の配当が最も高く、次にチェリー役、ベル役の順に配当が低くなるように設定されている。ここで、BB増加役は、上述したようにBB遊技状態でのみ抽選される役であり、該BB増加役に当選するためには、先ずBB役に当選することが必須である。このBB役の当選確率は、図8(a)のように、チェリー役やベル役の当選確率に比して低く設定されている。同様に、チェリー役の当選確率は、ベル役の当選確率に比して低く設定されている。一方、ベル役であるLベル役グループ、Cベル役グループ、およびRベル役グループには、図5のように高配当のベル1〜ベル8役と低配当のベル9〜ベル26役とが含まれている。そして、高配当のベル1〜ベル8役に入賞させることができるのは、夫々に割り当てられたストップスイッチ7の操作順序に限られる。換言すれば、スロットマシン1は、役抽選でLベル役グループ、Cベル役グループ、またはRベル役グループに当選した場合でも、高配当のベル1〜ベル8役の入賞に必要な順序でストップスイッチ7が操作されなければ、ベル1〜ベル8役に係る出目を停止表示させない。例えば、本実施例1では、図7に示すように、Lベル役グループに当選した場合、左側のストップスイッチ7を最初に操作する操作(以下、左第一操作という)が、高配当のベル1〜ベル8役の入賞に必要な操作順序と規定されている。すなわち、Lベル役グループに当選した場合に、左第一操作以外の操作順序でストップスイッチ7の操作を行う限りは、高配当のベル1〜ベル8役に入賞することができない。
本実施例1のスロットマシン1の遊技状態は、通常遊技状態とBB遊技状態とアシストタイム遊技状態(以下、AT遊技状態という)の三種類に大別される。
通常遊技状態は、ゲームで獲得が期待されるメダル枚数の少ない遊技状態であり、電源投入時や設定変更時は、この通常遊技状態に制御される。また、BB遊技状態は、上述したように、BB役に当選し且つ入賞した場合に、高配当のBB増加役に必ず当選するゲームを、所定回数実行する遊技状態であり、通常遊技状態に比してゲームで獲得が期待されるメダル枚数が多い、遊技者に有利な遊技状態である。ここで、BB遊技状態では、役抽選の当選確率とリール9の停止制御内容とが通常遊技状態と異なっており、BB役、リプレイ役、チェリー役、およびベル役に当選することが無い。そして、役抽選で落選することも無く、100%の確率でBB増加役に当選する。一方、AT遊技状態は、リール9の回転中にストップスイッチ7の操作順序が報知される報知ゲームが高頻度で実行される遊技状態であり、通常遊技状態に比べて、ゲームで獲得が期待されるメダル枚数の多い、遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態とAT遊技状態は、役抽選の当選確率とリール9の停止制御内容とが共通しているが、AT遊技状態中は、役抽選で、Lベル役グループ、Cベル役グループ、又はRベル役グループに当選すると、高配当のベル1〜ベル8役に入賞させるためのストップスイッチ7の操作順序を示す停止順序報知画像を画像表示器10に表示する。このように、AT遊技状態では、この停止順序報知画像が表示されることで、遊技者は、多量のメダルを獲得可能となる。尚、AT遊技状態でBB役に入賞した場合には、該AT遊技状態を中断してBB遊技状態へ一旦移行し、該BB遊技状態の終了に伴ってAT遊技状態へ復帰する。
AT遊技状態は、所定契機で実行されるAT抽選に当選すると開始され、所定の終了条件が満たされると終了して、通常遊技状態に復帰する。すなわち、本実施例1のスロットマシン1では、通常遊技状態において、AT抽選に短期間で当選できるか否かが、遊技の勝敗を左右する大きな要因となっている。尚、AT抽選とAT遊技状態の終了条件とは、本発明の要部に係ることから、その詳細は後述する。
図9は、メイン制御手段20の機能ブロック図である。図9に示すように、メイン制御手段20は、遊技制御手段41と、役抽選手段42と、リール制御手段43と、入賞判定手段44と、払出制御手段45と、遊技状態切替手段46と、AT抽選手段47と、上乗せ抽選手段48と情報送信手段49とを備えている。
遊技制御手段41は、役抽選手段42、リール制御手段43、入賞判定手段44、払出制御手段45などを制御することにより、遊技の統括的な制御を行うものである。
役抽選手段42は、複数用意された役について当選か否かを決定する役抽選を行うものである。役抽選手段42は、0〜65535の範囲の乱数を発生させる乱数発生手段と、スタートスイッチ6の操作を契機に乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出され得る乱数値に対して、当選となる役グループの範囲を規定した役抽選テーブルと、抽出乱数値と役抽選テーブルを参照することにより、いずれかの役グループに当選したか否かを決定する役抽選判定手段とを備えている。
リール制御手段43は、三つのリール9の回転を制御するものである。リール制御手段43は、ステッピングモータ19に信号を送り、各リール9の回転を制御する回転制御手段と、各リール9の現在の回転角度位置を検出するリール検出手段と、ストップスイッチ7の操作を契機としてリール9を停止させる停止制御手段とを備えている。
ここで、停止制御手段は、ストップスイッチ7が操作されてから190msの遅延期間内に、該ストップスイッチ7に対応するリール9を停止させる。停止制御手段は、190msの遅延期間中にリール9を図柄0〜4コマ分滑らせることができ、ストップスイッチ7が操作されると、役抽選の結果や、ストップスイッチ7の操作順序に応じた停止テーブルを参照し、当該停止テーブルに規定されたコマ数だけリール9の図柄を滑らせてから停止させる。
入賞判定手段44は、三つのリール9が停止したときに、入賞ライン上の図柄組合せを判定し、当該図柄組合せにより各種の役に入賞したか否かを判定するものである。尚、停止表示される図柄は、ストップスイッチ7を操作したときのリール9の回転位置に基づいて一義的に決まるものであることから、入賞判定手段44は、該ストップスイッチ7を操作したときの回転位置などを参照することにより上記した各種の役に入賞したか否かを判定するものとしても良い。
払出制御手段45は、各種の役に入賞したときに、入賞役の配当に応じた枚数のメダルの払出しを実行するものである。具体的には、入賞役に係るメダル枚数を、メダルのクレジット枚数に加算するかたちで払出しを実行する。このとき、クレジット枚数が上限枚数(50枚)に達した場合には、ホッパーユニット18を作動させて、上限枚数を超えた分のメダルを受皿14に払い出す。すなわち、本実施例1にあって、メダルの払出とは、クレジット枚数に加算すること、および受皿14に実際に払い出すことの両方を示している。さらに、払出制御手段45は、メダルの払出しに伴って、メダルの払出枚数を払出枚数表示器16で表示すると共に、クレジット枚数をクレジット数表示器17で表示する。
遊技状態切替手段46は、通常遊技状態とBB遊技状態とAT遊技状態とを切り替るものである。具体的には、通常遊技状態でAT抽選に当選すると、遊技状態をAT遊技状態に切り替え、AT遊技状態で所定の終了条件が成立すると、遊技状態を通常遊技状態に復帰させる。また、通常遊技状態またはAT遊技状態でBB役に入賞すると、遊技状態をBB遊技状態に切り替える。そして、BB遊技状態で所定回数のゲームが終了すると、BB役に入賞する前の遊技状態に復帰させる。尚ここで、BB遊技状態を終了した場合に、BB役に入賞する前の遊技状態と異なる遊技状態に移行させるようにしても良い。例えば、AT遊技状態でBB役に入賞した場合、BB遊技状態での遊技終了後に通常遊技状態に移行させても良い。この場合には、BB役への入賞をAT遊技状態の終了条件の一つとすることで実現できる。さらに、通常遊技状態でBB役に入賞した場合に、BB遊技状態での遊技終了後にAT遊技状態に移行させても良い。この場合には、BB役への入賞による付加特典としてAT遊技状態を付与することで実現できる。また、後述のようにBB遊技状態での遊技中においてAT抽選を実行し、該抽選に当選した場合に、当該BB遊技状態の終了後にAT遊技状態に移行させても良い。
AT抽選手段47は、AT抽選の実行に係る制御を行うものである。また、上乗せ抽選手段48は、AT遊技状態の終了条件を示す設定ゲーム数を増加する上乗せ抽選の実行に係る制御を行うものである。AT抽選および上乗せ抽選は、本発明の要部に係ることから、AT抽選手段47および上乗せ抽選手段48の詳細については後述する。
情報送信手段49は、所定の情報等を含むコマンドを信号線に出力して、サブ制御手段21に送信するものである。
図10は、サブ制御手段21の機能ブロック図である。図10に示すように、サブ制御手段21は、情報受信手段51と、演出制御手段52と、操作順序報知手段53とを備えている。
情報受信手段51は、メイン制御手段20が送信するコマンドを信号線を介して受信するものである。
演出制御手段52は、演出の実行制御を行うものである。具体的には、演出制御手段52は、メイン制御手段20から受信したコマンドや、演出内容決定用の抽選に基づいて演出パターンを決定する演出決定手段54と、スロットマシン1で実行される全ての演出パターンを記憶した演出パターン記憶手段55と、画像制御手段22を介して画像表示器10に所要の画像を表示させる演出画像制御手段56と、スピーカ11の出力制御を行う音声制御手段57と、演出用ランプ12の点灯制御を行うランプ制御手段58とを備えている。
操作順序報知手段53は、ベル1〜ベル8役を入賞可能なストップスイッチ7の操作順序を、画像制御手段22を介して画像表示器10で報知するものである。操作順序報知手段53は、メイン制御手段20からサブ制御手段21に送信される当選した役グループの情報に基づいてベル1〜ベル8役に入賞可能なストップスイッチ7の操作順序を選択し、該操作順序を画像表示器10に表示する。具体的には、役抽選でLベル役グループに当選した場合に、サブ制御手段21がメイン制御手段20からLベル役グループに当選したことを示す情報を受信すると、操作順序報知手段53は、ストップスイッチ7の第一停止操作3パターンのなかから左ストップスイッチを最初に操作する操作順序を選択し、リール9の回転中に、選択した操作順序を遊技者に報知する。この操作順序報知手段53は、AT遊技状態で有効となるものであり、通常遊技状態では、メイン制御手段20からベル役当選に係る情報を受信しても、操作順序を報知しない。尚ここで、メイン制御手段20からサブ制御手段21に送信される情報は、前記のように役グループの情報とすることに限らず、ベル1〜ベル8役に入賞させることができるストップスイッチ7の操作順序を送信するようにしても良い。この場合には、メイン制御手段20で、ストップスイッチの操作順序を選択する処理を実行し、サブ制御手段21で、受信した操作順序を報知する処理を実行する。
以下に本発明の要部について説明する。
AT遊技状態は、上述したように、AT抽選に当選したことを契機として開始され、設定ゲーム数を全て消化することによって終了条件が成立して終了する。ここで、終了条件である設定ゲーム数は、AT抽選に当選した場合に設定される基本ゲーム数(例えば50ゲーム)と、AT遊技状態で上乗せ抽選に当選した場合に該基本ゲーム数に加算される上乗せゲーム数とにより定められる。すなわち、AT抽選に当選すると、基本ゲーム数が設定ゲーム数として設定されてAT遊技状態が開始され、該AT遊技状態で上乗せ抽選に当選すると、ゲーム消化により減算された設定ゲーム数に、上乗せゲーム数が加算されて設定ゲーム数が更新される。これにより、AT遊技状態の終了条件である設定ゲーム数は、該AT遊技状態で上乗せ抽選に当選した場合に、基本ゲーム数に上乗せゲーム数とを加算したゲーム数となる。尚、AT遊技状態で、上乗せ抽選に複数回当選すると、その分だけ上乗せゲーム数が加算される一方、上乗せ抽選に当選しない場合には、基本ゲーム数である設定ゲーム数が消化することによってAT遊技状態が終了する。
AT抽選の実行に係る制御は、上述したAT抽選手段47により行われる。具体的には、AT抽選手段47は、0〜255の範囲の乱数を発生させる乱数発生手段と、所定の抽出契機で乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出した乱数値が予め設定された当選値と一致するか否かにより当落判定する抽選判定手段とを備える。ここで、AT抽選の当選確率は、図11(a)のように、常に一定の確率(1/256)に設定されている。一方、上乗せ抽選の実行に係る制御は、上述した上乗せ抽選手段48により行われる。具体的には、上乗せ抽選手段48は、0〜127の範囲の乱数を発生させる上乗せ乱数発生手段と、所定の抽出契機で上乗せ乱数発生手段から乱数値を抽出する上乗せ乱数抽出手段と、抽出した乱数値を予め設定された当選値により当落判定する上乗せ抽選判定手段とを備える。さらに、上乗せ抽選手段48は、0〜127の範囲の乱数を発生させるゲーム乱数発生手段と、上乗せ抽選判定手段により当選した場合に、ゲーム乱数発生手段から乱数値を抽出するゲーム乱数抽出手段と、抽出される乱数値の範囲に予め設定された複数の上乗せゲーム数が夫々割り当てられたゲーム数抽選テーブルと、ゲーム数抽選テーブルに基づいてゲーム乱数抽出手段により抽出した乱数を判定して一の上乗せゲーム数を決定するゲーム数決定手段とを備えている。ここで、上乗せ抽選の当選確率は、図11(a)のように、常に一定の確率(1/128)に設定されている。そして、複数設定された上乗せゲーム数の夫々の抽選確率は、図11(b)のように設定されている。
AT抽選手段47によるAT抽選は、払出制御手段45が入賞役の配当に応じた枚数のメダルを払い出すことに伴って実行される。すなわち、AT抽選が実行されるためには、入賞判定手段44によりチェリー役、ベル役、またはBB増加役に入賞して、払出制御手段45によりメダルが払い出されることが必要である。ここで、AT抽選は、一枚のメダルを払い出す毎に実行されることから、複数のメダルが払い出される場合には、該メダルの払出枚数の数だけ繰り返し実行される。具体的には、低配当のベル9〜ベル26役に入賞した場合、AT抽選が1回実行されるのみである一方、チェリー役に入賞した場合には、AT抽選が15回実行される。そして、AT抽選の当選確率は、上述したように、常に一定の当選確率(1/256)に設定されていることから、低配当のベル9〜ベル26役に入賞した場合に比して、チェリー役やBB増加役に入賞した場合はAT抽選で当選する可能性が高くなる。
ここで、払出制御手段45は、メダルの払い出しを実行する場合に、メダルの払出数を払出枚数カウンタに設定し、一枚のメダルを払い出す毎に、該払出枚数カウンタから「1」づつ減算する。本実施例1では、この払出枚数カウンタを減算する処理を実行する毎に、AT抽選を一回実行するようにしている。尚、メダルを払い出す処理としては、メダルのクレジット枚数に、払い出すメダル枚数を加算するかたちで払い出す場合と、ホッパーユニット18を作動して、実際にメダルを払い出す場合とがある。いずれの場合も、払出枚数カウンタにメダルの払出数を設定することから、該払出枚数カウンタの減算処理毎にAT抽選を実行する。
こうしたAT抽選は、通常遊技状態と、AT抽選に当選していないBB遊技状態とで実行され、これ以外の、AT遊技状態、AT遊技状態を中断中のBB遊技状態、またはAT抽選に当選し且つ該AT遊技状態への移行前の状態では実行されず、代わりに上乗せ抽選が実行される。上乗せ抽選は、AT抽選と同様に、払出制御手段45が入賞役の配当に応じた枚数のメダルを払い出すことに伴って実行される。そして、上乗せ抽選は、AT抽選と同様に、一枚のメダルを払い出す毎に一回実行される。例えば、AT遊技状態で高配当のベル1〜ベル8役に入賞した場合には、上乗せ抽選が5回実行される。尚、上乗せ抽選の当選確率は、上述したように、常に一定の当選確率(1/128)に設定され、当選した場合に決定される上乗せゲーム数の抽選確率も常に一定である。
尚ここで、AT抽選は、上述したように、通常遊技状態と、AT抽選に当選していないBB遊技状態とで実行され、これ以外の、AT遊技状態、AT遊技状態を中断中のBB遊技状態、またはAT抽選に当選し且つ該AT遊技状態への移行前の状態では実行されないこととしたが、これに限らず、これら状態では、次回のAT遊技状態を付与するか否かの抽選を行うようにすることもできる。また、前記の各状態では、上乗せ抽選以外に、セット継続抽選やセット数上乗せ抽選などを実行することもできる。
一方、本実施例1では、一枚のメダルを払い出すために、ホッパーユニット18を作動するコマンドを発信し且つ払出枚数カウンタの減算処理を行うと、メイン制御手段20からサブ制御手段21へメダルの払出を知らせる情報信号を送信する。クレジット枚数にメダル枚数を加算する場合も同様に、貯留枚数表示器に「1」加算し且つ払出枚数カウンタの減算処理を行うと、サブ制御手段21へ前記情報信号を送信する。サブ制御手段21では、前記情報信号を受信すると、音声制御手段57を介して予め設定された払出音データに従って、スピーカ11を出力制御し、メダルの払い出しを報知する通常の払出演出音(例えば、「ドゥル」)を発生させる。さらに、サブ制御手段21は、前記情報信号を受信すると、ランプ制御手段58を介して予め設定された払出光データに従って、演出用ランプ12を点灯制御し、メダルの払い出しを報知する通常の払出演出光(例えば、黄色の光)を発光させる。このように本実施例1では、一枚のメダルを払い出すことに伴って、前記払出演出音の発生と払出演出光の発光とを行う。
こうしたメダルの払出を知らせる情報信号は、上記したAT抽選または上乗せ抽選における当落結果の内容を含むものとしている。そして、サブ制御手段21では、この情報信号を受信すると、その情報信号がAT抽選または上乗せ抽選の落選結果を示すものであった場合には、上述した通常の払出演出音の発生と通常の払出演出光の発光とを実行する。一方、情報信号がAT抽選または上乗せ抽選の当選結果を示すものであった場合には、通常と異なる払出演出音(例えば、「ピローン」)をスピーカ11から発生させると共に、通常と異なる払出演出光(例えば、虹色の光)を演出用ランプ12で発光させる。ここで、本実施例1では、通常と異なる払出演出音の発生制御と、通常と異なる払出演出光の発光制御とを、AT抽選または上乗せ抽選で当選した一枚のメダルの払出に伴ってのみ実行する。具体的には、チェリー役に入賞した場合に、3枚目のメダルの払出に伴って実行されたAT抽選で当選すると、該3枚目のメダルの払出に伴って、通常と異なる払出演出音を発生すると共に通常と異なる払出演出光を発光し、4枚目から15枚目のメダルの払出に伴って、通常の払出演出音を発生すると共に通常の払出演出光を発光する。
上述したように、本実施例1では、AT抽選または上乗せ抽選を、役の入賞により発生するメダルの払出に伴って実行するようにしたから、役の入賞か否かを決めるストップスイッチ7の操作に、従来に無い新たな動機付けを行うことができる。これにより、ゲーム中で全てのメダルが払い出されるまで遊技者に適度な緊張感を生じさせ得ることから、何度もゲームが繰り返されている場合にも遊技者の意欲を維持できる。さらに、メダルの払出を伴う役に入賞しなければ、AT抽選および上乗せ抽選が実行されないことから、該役の入賞如何によって、AT遊技状態という利益の獲得に差が生ずる。そのため、ストップスイッチ7の操作に対する遊技者の意識を効果的に高め、より積極的な操作を促すことができる。
また、本実施例1では、一枚のメダルの払出に伴ってAT抽選または上乗せ抽選が実行されることから、これら抽選の契機を遊技者に可視的に示すことができ、遊技者の関心を効果的に高めることができる。加えて、AT抽選または上乗せ抽選に当選した場合には、メダルの払出に伴って通常と異なる払出演出音および払出演出光を発生することから、該当選を遊技者に明確に報知でき、AT遊技状態という利益獲得を遊技者が実感できるという利点がある。さらにまた、AT抽選の当選確率を全ての役に対して同一としていると共に、上乗せ抽選の当選確率を全ての役に対して同一としていることから、役に応じて異なる当選確率を設定した従来構成に比して、該当選確率のデータ量を削減することができるという利点もある。
次に、本実施例1における、AT抽選および上乗せ抽選の実行を、遊技の流れに従って説明する。
図12は、メイン制御手段20のCPUの制御内容にあって、メインルーチンを構成するメイン制御処理の制御内容を示したものである。メイン制御処理において実行される各ステップS1〜S9の詳細は下記の通りである。
S1:前遊技が終了後、若しくは電源ONされてからROM及びRAMの状態確認を行い、異常がなければメダル投入操作を有効とする。そして、一遊技に必要なメダル数(規定数)が投入若しくはクレジットからのベット操作が行われたか否かを検知し、いずれかが操作されるまで待機する。
S2:スタートスイッチ6が操作されるまで待機する。
S3:役抽選処理を実行する。役抽選処理では、スタートスイッチ6の操作によって乱数を抽出し、抽出された乱数値に基づいて、各種の役に当選したか否かを決定する。そして、役抽選の結果をRAMに記憶するとともに、サブ制御手段21に送信する。
S4:各リール9の回転を開始し、一定速度で回転させる。
S5:ストップスイッチ7が操作されるまで待機する。
S6:ストップスイッチ7が操作されると、役抽選の結果と、操作順序、及び操作タイミングに基づいて、対応するリール9の停止角度を決定し、当該角度でリール9を停止させる。
S7:全てのリール9の回転が停止するまで待機する。
S8:入賞判定処理を実行する。入賞判定処理の詳細は後述する。
S9:払出処理を実行する。払出処理の詳細は後述する。
図13は、上記の入賞判定処理の内容を示したものである。入賞判定処理では、入賞ライン上に停止表示した図柄の組合せが、上記した役抽選処理により当選した役に対応する図柄の組合せと一致しているか否かの判定を行う(S11)。そして、一致していた場合には、当該役に入賞したと判定し、不一致であった場合には、ハズレ(落選)と判定する(S12)。入賞した場合には、入賞した役の配当に応じてメダル枚数を、払出枚数カウンタに設定する(S13)。例えば、通常遊技状態でLベル役グループのベル9〜ベル19役、ベル21役、ベル22役、ベル24役、ベル25役のいずれかに入賞した場合には、払出枚数カウンタに「1」を設定する。また、チェリー役に入賞した場合には、払出枚数カウンタに「15」を設定する。
図14は、上記の払出処理の内容を示したものである。払出処理では、メダルの払い出しを行うか否かを判定し(S21)、メダルを払い出す場合には、クレジット枚数が上限枚数(50枚)に達したか否かを判定する(S22)。そして、クレジット枚数が上限枚数に達している場合には、払出枚数表示器16で表示するメダル払出枚数に「1」加算して表示し(S23)、ホッパーユニット18に所定のコマンドを送信する(S24)。ここで、ホッパーユニット18は、コマンドの受信により作動して、1枚のメダルを受皿14に払い出す。次に、上記の入賞判定処理で設定した払出枚数カウンタから「1」減算する(S25)。ATフラグがONであるか否かを判定し(S26)、ATフラグがOFFである場合には、AT抽選処理を実行する(S27)。AT抽選処理では、上記したように常に一定の当選確率(1/256)でAT抽選を実行し、当選した場合には前記したATフラグをONとして設定ゲーム数に基本ゲーム数を設定する。このATフラグのONは、AT遊技状態で上記の設定ゲーム数を全て消化することにより終了条件が成立すると、解除され、該ATフラグがOFFとなる。すなわち、ATフラグのONによって、AT遊技状態、該AT遊技状態を中断中のBB遊技状態、AT抽選に当選し且つ該AT遊技状態への移行前の状態のいずれかを示している。一方、ATフラグがONである場合には、上乗せ抽選処理を実行する(S28)。上乗せ抽選処理では、上記したように常に一定の当選確率(1/128)で上乗せ抽選を実行し、当選した場合には、上乗せゲーム数を決定して、決定した上乗せゲーム数を設定ゲーム数に加算して該設定ゲーム数を更新する。次に、メダル払出の実行を示す情報信号をサブ制御手段21に送信する(S29)。この情報信号には、AT抽選または上乗せ抽選の当落結果の情報をも含む。払出枚数カウンタが「0」であるか否かを判定し(S30)、「0」でない場合には、前記のS23に戻って同様の処理を再度実行する一方、「0」の場合には払出処理を終了する。
尚、払出処理は、上記したS23〜S29までの各ステップにおいて、S23,S24,S25,S29はその処理順序を適宜変更することが可能である。また、S26〜S28については、S23,S24,S25,S29の少なくともいずれか一のステップの後で実行されるようにすれば、その処理順序を変更可能である。このように処理順序を変更する場合は、S23,S24,S25,S29のいずれかの処理の実行を契機にAT抽選処理または上乗せ抽選処理を実行することとなるが、本発明の主旨を逸脱するものではない。
一方、払出処理にあって、クレジット枚数が上限枚数よりも少ないと判定した場合には(S22)、払出枚数表示器16で表示するメダル払出枚数に「1」加算して表示し(S31)、クレジット枚数に「1」加算してクレジット数表示器17の表示を更新する(S32)。そして、上記の入賞判定処理で設定した払出枚数カウンタから「1」減算する(S33)。次に、ATフラグがONであるか否かを判定し(S34)、該ATフラグがOFFである場合には、AT抽選処理を実行する(S35)。一方、ATフラグがONである場合には、上乗せ抽選処理を実行する(S36)。そして、メダル払出の実行を示す情報信号をサブ制御手段21に送信する(S37)。払出枚数カウンタが「0」であるか否かを判定し(S38)、「0」でない場合には、前記のS22に戻って同様の処理を再度実行する一方、「0」の場合には払出処理を終了する。ここで、AT抽選処理、上乗せ抽選処理、情報信号を送信する処理とは、クレジット枚数が上限に達している場合と同様に実行される。
尚、払出処理は、上記したS31〜S37までの各ステップにおいて、S31,S32,S33,S37はその処理順序を適宜変更することが可能である。また、S34〜S36については、S31,S32,S33,S37の少なくともいずれか一のステップの後で実行されるようにすれば、その処理順序を変更可能である。このように処理順序を変更する場合は、S31,S32,S33,S37のいずれかの処理の実行を契機にAT抽選処理または上乗せ抽選処理を実行することとなるが、本発明の主旨を逸脱するものではない。
図15は、サブ制御手段21のCPUで実行される払出演出処理の制御内容を示したものである。払出演出処理は、メイン制御手段20から、上記したメダル払出の実行を示す情報信号を受信した場合に実行される。払出演出処理では、メイン制御手段20から送信された情報信号を受信したか否かを確認することによって、メダルの払出があるか否かを判定する(S41)。そして、メダルの払出があった場合には、AT抽選または上乗せ抽選に当選したか否かを判定する(S42)。ここで、AT抽選または上乗せ抽選に当選していた場合には、当選演出を選択する処理を実行する(S43)。この処理では、上述した通常と異なる払出演出音(例えば、「ピローン」)を発生する音データを選択すると共に、上述した通常と異なる払出演出光(例えば、虹色の光)を発光する光データを選択する。そして、演出実行処理を実行して(S44)、選択した音データに従ってスピーカ11から払出演出音を発生すると共に、選択した光データに従って演出用ランプ12で払出演出光を発光する。こうして、AT抽選または上乗せ抽選に当選すると、メダルの払出に伴って、通常と異なる払出演出音と払出演出光を発生する。
一方、AT抽選または上乗せ抽選に落選していた場合には、非当選演出を選択する処理を実行する(S45)。この処理では、上述した通常の払出演出音(例えば、「ドゥル」)の音データと通常の払出演出光(例えば、黄色の光)の光データとを選択する。そして、演出実行処理を実行して(S44)、通常の払出演出音を発生すると共に通常の払出演出光を発光する。
尚、サブ制御手段21では、上述したように、画像表示器10で、遊技の進行に従って様々な演出画像を表示する。本実施例1では、AT抽選や上乗せ抽選の当落結果に関わらず、所定の演出画像を表示する。
また、本実施例1の構成にあっては、遊技を終了する際の精算処理によりメダルを払出す場合にはAT抽選および上乗せ抽選を実行しない。すなわち、AT抽選と上乗せ抽選とは、役の入賞によるメダルの払出に伴ってのみ実行される。これにより、メダルの投入と精算とを繰り返すだけで、遊技を行うこと無くAT抽選の機会を得るという不正行為を防止することができる。
図12〜図15のフローチャートにあって、本発明に係る役抽選手段は、ステップS3の役抽選処理で主に実現され、本発明に係る入賞判定手段は、ステップS8および図13の入賞判定処理で主に実現される。また、本発明に係る遊技価値供与手段は、ステップS9および図14の払出処理における、ステップS21〜S24およびS31〜S32で主に実現される。また、本発明にかかる特典抽選手段は、S27、S28、S35、およびS36で主に実現される。また、本発明に係る供与演出手段は、図15の払出演出処理で主に実現され、本発明に係る価値供与演出は、払出演出音および払出演出光で実現される。
実施例8は、上述の実施例7と同様に、メイン制御手段20とサブ制御手段21との間で、双方向通信を可能とするものであり、メイン制御手段20は、サブ制御手段21から発信された応答信号を受信すると、AT抽選または上乗せ抽選を実行する。尚、本実施例8は、メイン制御手段20が前記応答信号の受信に伴ってAT抽選または上乗せ抽選を実行すること以外は、上述した実施例7と同じ構成であることから、同じ構成要素には同一の符号を記し、同一の構成要素および処理内容の説明を適宜省略する。
メイン制御手段20では、上述した実施例7と同様に図19の払出処理を実行する。この払出処理では、払出枚数カウンタから「1」減算すると(S25,S35)、メダル払出の実行を示す情報信号をサブ制御手段21に送信する(S29,S37)。サブ制御手段21では、図24の応答送信処理を実行する。この応答送信処理では、メイン制御手段20から送信された情報信号を受信したか否かを確認し(S51)、該情報信号を受信すると、該受信を示す応答信号をメイン制御手段20に送信する(S52)。メイン制御手段20では、図25の払出抽選処理を実行する。払出抽選処理では、サブ制御手段21から送信された応答信号を受信したか否かを確認し(S61)、該応答信号を受信すると、ATフラグがONであるか否かを判定し(S62)、ATフラグがOFFである場合には、AT抽選処理を実行し(S63)、ATフラグがONである場合には、上乗せ抽選処理を実行する(S64)。そして、AT抽選または上乗せ抽選の結果を示す当落情報信号を、サブ制御手段21に送信する(S65)。サブ制御手段21では、当落情報信号を受信すると、実施例1と同様に図15の払出演出処理を実行して、払出演出音と払出演出光とを発生する。尚、AT抽選処理(S63)および上乗せ抽選処理(S64)は、上述した実施例1の払出処理で実行されるAT抽選および上乗せ抽選と同様の処理を行うものである。
このように本実施例8の構成にあっては、メイン制御手段20が、情報信号の受信を示す応答信号の受信に伴って、AT抽選または上乗せ抽選を実行するようにしたものである。ここで、AT抽選または上乗せ抽選は、一枚のメダルが払い出される毎に送信される情報信号に対する応答信号を受信することに伴って実行することから、実質的にメダルの払出に伴って実行される。したがって、本実施例8の構成にあっても、上述した実施例7(すなわち、実施例1)と同様の作用効果を奏する。
本発明のスロットマシンは、上述した実施例1〜8の構成に限定されるものではなく、上述した実施例以外の構成についても本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、上述した実施例1〜8の別例を、以下に説明する。
上述した実施例1の別例として、AT抽選または上乗せ抽選に当選した場合に、通常と異なる払出演出音、または通常と異なる払出演出光のいずれか一方のみを発生するようにしても良い。また、上述した実施例5〜8の別例として、実施例1〜4および前記の別例と同様に、通常と異なる払出演出音、通常と異なる払出演出光、および特別演出画像を適宜選択して発生させることができる。また、実施例5,6の別例として、メイン制御手段20とサブ制御手段21との間で、双方向に通信可能とするようにしても良い。
また、上述した実施例1の別例として、通常と異なる払出演出音および通常と異なる払出演出光を、当該ゲーム中で当選したメダルの払出以降に発生する全てのメダルの払出に伴って発生させるようにしても良い。この場合の払出演出処理では、実施例3の払出演出処理(図17参照)と同様に、当選演出を選択する処理(S43)でメダル払出残数により払出枚数が残っている場合に継続演出フラグをONとし、同一ゲームで次に情報信号を受信した場合に、AT抽選または上乗せ抽選が落選であっても、当選演出を選択する処理(S43)を実行する。これにより、AT抽選または上乗せ抽選に当選すると、同一ゲームでこれ以降のメダルの払出に伴って通常と異なる払出演出音と通常と異なる払出演出光とを発生する。さらに、この別例にあって、通常と異なる払出演出音および通常と異なる払出演出光のいずれか一方のみを、当該ゲーム中で当選したメダルの払出以降に発生する全てのメダルの払出に伴って発生させるようにしても良い。また、上述した実施例4の別例として、前述と同様に、通常と異なる払出演出音、通常と異なる払出演出光、および特典演出画像を、当該ゲーム中で当選したメダルの払出以降に発生する全てのメダルの払出に伴って発生させるようにしても良い。さらには、通常と異なる払出演出音、通常と異なる払出演出光、および特典演出画像のいずれか一又は二つを、当該ゲーム中で当選したメダルの払出以降に発生する全てのメダルの払出に伴って発生させるようにしても良い。また、実施例5〜8の別例として、前記した実施例1の別例や実施例4の別例と同様の構成とすることも可能である。
また、上述した実施例1〜8では、AT抽選と上乗せ抽選を、メダルの払出に伴って実行するようにしたものであるが、その他の構成として、例えば、ART遊技状態に移行するためのART抽選、高当選確率状態へ移行するための抽選、低当選確率状態へ移行するための抽選、プレミアAT遊技状態またはプレミアART遊技状態へ移行するための抽選、様々な特典演出を実行するための抽選などを、メダルの払出に伴って実行することも可能である。ここで、特典演出としては、設定値示唆演出、プレミア演出、カスタマイズ演出などが好適である。
また、上述した実施例1〜8は、AT抽選や上乗せ抽選に当選すると、払出演出音、払出演出光、画像表示器10で特典演出画像32により報知する構成としたが、これに限らず、例えばリール演出や可動装飾部材の可動などにより報知する構成とすることもできる。また、AT抽選や上乗せ抽選に当選したときに発生させる通常と異なる演出(価値供与演出)として、実施例1〜8は、払出演出音、払出演出光、演出画像の報知態様を変化させたり追加させたりする構成としたが、無音、非発光、画像消去などのように演出をしないことにより報知するようにしても良い。この場合、遊技者は、通常とは違いという違和感を感じるため、AT抽選や上乗せ抽選に当選したことを認識できる。
また、上述した実施例1〜8では、ホッパーユニットによるメダルの払出、またはクレジット枚数の加算に伴って、AT抽選または上乗せ抽選を実行するようにした構成であるが、この他の構成として、例えば封入式と言われる構成に適用することも可能である。この封入式は、メダルをスロットマシンの筐体内に封入することにより、遊技者がメダルに触れることなく遊技をすることが可能なものである。かかる封入式の構成にあっても、メダルの払出に相当する処理が、筐体内で実行されることから、これに伴ってAT抽選などを実行することにより、本発明の構成を実現できる。
また、上述した実施例1〜8では、役の入賞によるメダルの払出に伴ってAT抽選と上乗せ抽選とを実行するようにした構成であるが、さらにリプレイ役に入賞した場合も、AT抽選と上乗せ抽選とを実行するようにしても良い。ここで、リプレイ役に入賞した場合には、メダルの払出を生じないが、リプレイに必要なメダルの払出があったものと仮定して、AT抽選と上乗せ抽選とを実行する。
また、上述した実施例5〜8では、本発明の第二制御部をサブ制御手段21とした構成であるが、これに限らず、メイン制御手段(第一制御部)20から払出に関する信号(情報)を受信して、該信号に基づく処理を実行する構成を備えたものであれば、第二制御部として適宜採用できる。例えば、払出装置を駆動させる駆動回路を第二制御部として採用可能である。また、本発明にかかる第一制御部と第二制御部とは直接接続される構成に限らず、中継基板などを介して接続されるものであっても良い。
また、上述した実施例7,8にあって、サブ制御手段(第二制御部)21からメイン制御手段(第一制御部)20へ送信する応答信号としては、メイン制御手段20から情報信号を受信した旨を送信するものであっても良いし、メイン制御手段20から情報信号を受信したことに基づいて、対応する処理を実行し、該処理を終了した旨を送信するものであっても良い。
1 スロットマシン
6 スタートスイッチ
7 ストップスイッチ
9 リール(図柄表示部)
10 画像表示器
20 メイン制御手段(第一制御部)
21 サブ制御手段(第二制御部)