JP6109004B2 - 真空断熱材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱容器の周囲に配設される真空断熱材及びその製造方法に関する。
近年、地球環境問題である温暖化対策として省エネルギー化活動が活発化しており、民生及び産業用機器の高効率化が重要視されてきている。真空断熱材は、ガスバリア性に優れた複合プラスチックラミネートフィルムからなる外包材に硬質プラスチック発泡体あるいはグラスウール等の繊維物からなる芯材を包囲して収納し、減圧密封して製造され、その優れた断熱性能によって冷蔵庫、冷凍機、及び給湯器等の消費電力量の低減に貢献している。
これらの機器における省エネルギーのさらなる高効率化には、任意の製品形状に対して真空断熱材を密接させ被覆率を高めることが望ましい。従来の真空断熱材は、製造上の問題から平板形状に成形される場合が多い。よって配設する面が曲面等の立体形状の場合には、断熱対象部との間に隙間をあけて平板形状の真空断熱材を配設するか、又は断熱対象部の形状に沿わせるため、折り曲げあるいはプレス等の後加工を行うのが一般的である。しかしながら、断熱対象部との間に隙間があると、真空断熱材による被覆率を高めることができず、充分な断熱性能を得られないという問題がある。また、後加工を行う場合、加工における応力によって、外包材が損傷しガスバリア性が低下する、皺が発生し断熱対象部に密接できない、局所的に断熱厚さが薄くなる等の現象が生じる。これら現象により、断熱性能及び信頼性が低下するという問題がある。
これら問題点の対策として、例えば特許文献1では、袋状にした外包材の中に芯材を挿入し、予め凹凸形状を形成した金型でクランプしながら外包材にて芯材を減圧密封している。これにより真空断熱材の表裏面に凹凸形状を転写して任意の立体形状の真空断熱材を得る技術が提案されている。
また特許文献2では、芯材を予め成形保持しておくことで、任意の立体形状の真空断熱材を得る技術が提案されている。
特許第4861715号公報 特開2009−63064号公報
上記特許文献1の技術では、平面形状である外包材の形状は、立体形状に成形される真空断熱材の展開形状とは異なることから、余剰となる部位が存在する。この余剰部位は、上下金型でクランプしたとき、あるいは真空槽から取り出して大気圧下に置かれたときに、外包材が芯材形状に追随しようとする過程で皺となってしまう。皺の発生により、本来の真空断熱材の形状に対して凹となる部位が形成され、断熱対象部に密接できなくなる。さらに、外包材には気密性を維持するためのガスバリア層が設けられているが、皺の発生により圧縮及び引張り等のストレスが外包材に加わる。その結果、ガスバリア層に亀裂が生じ、気密性が劣化して断熱性能及び信頼性が損なわれるという懸念もある。
また、上記特許文献2によれば、芯材を予め成形保持しておくことで任意の立体形状の真空断熱材が得られるとしているが、特許文献1の場合と同様に、外包材の形状は、芯材の展開形状とは異なっている。よって外包材には余剰部位が存在し、上述のように余剰部位に皺が発生する。したがって、引用文献2の技術においても、真空断熱材における断熱性能及び信頼性の確保という点において充分ではない。
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、従来に比べて高い断熱性能及び信頼性を有する真空断熱材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における真空断熱材は、ガスバリア性を有する外包材で芯材を包囲し減圧密封して製造される真空断熱材であって、上記外包材は、芯材の包囲前において、当該真空断熱材を配設する断熱対象部に密接可能な任意の立体形状に成形された外包材であり、上記芯材は、減圧密封状態において、製造後の大気圧下における真空断熱材の芯材と同じ厚さを有することを特徴とする。
本発明の一態様における真空断熱材によれば、外包材は真空断熱材を配設する断熱対象部に密接可能な任意の立体形状に予め成形され、さらに、芯材は減圧密封状態において製造後の真空断熱材の芯材と同じ厚さに設定される。よって、製造後に真空断熱材を断熱対象部の形状に沿わせるという後加工が不要であり、製造工程を簡略化でき、製品形状に密接して配設することが可能である。また、外包材への皺及び凹凸部の発生が抑えられ、気密性の低下を防ぐことができ、従来に比べて断熱性能及び信頼性の高い真空断熱材を得ることができる。
また、上述したように外包材への皺及び凹凸部の発生が抑えられることから、真空断熱材の長寿命化を図ることができ、製造時における歩留まり向上を図ることも可能となる。また、上述のように断熱性能の向上によって、断熱対象部における省エネルギー化をさらに進めることが可能となる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の斜視図である。 図1に示す真空断熱材の断面図である。 図1に示す真空断熱材に用いる外包材の要部断面図である。 図1に示す真空断熱材の製造方法を示すフローチャートである。 図1に示す真空断熱材の真空槽内における製造手順の概略を説明する図である。 本発明の実施の形態2における真空断熱材の斜視図である。 本発明の実施の形態3における真空断熱材の分解斜視図である。 本発明の実施の形態4における真空断熱材の斜視図である。 図8に示す真空断熱材の断面図である。
本発明の実施形態である真空断熱材及びその製造方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け当業者の理解を容易にするため、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、以下の説明及び添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
また本実施の形態における真空断熱材は、断熱を要する容器及び機器に使用可能である。ここで断熱を要する容器とは、温熱及び冷熱機器への使用に好適な真空断熱材により断熱された容器あるいは包囲体を意味する。また、断熱を要する機器とは、例えば自動販売機、保温保冷容器、冷蔵庫、温水器、家庭用あるいは業務用の給湯装置(給湯機)、家庭用あるいは業務用の冷凍、空調装置、及びジャーポット等真空断熱材が好適に使用可能な機器が相当する。
実施の形態1.
図1には、本実施の形態1における真空断熱材1を示し、この真空断熱材1の断面図を図2に示す。真空断熱材1は、芯材2と、この芯材2を包囲し収納するガスバリア性を有する複合プラスチックラミネートフィルム等から形成される、少なくとも2枚の外包材3とによって構成される。各外包材3によって包囲された内部は、減圧密封されて高真空状態に維持されている。また、芯材2が収納されていない外包材3の外周部4は、2枚以上の外包材3同士を減圧後に熱溶着することにより封止されている。
芯材2は、無機質繊維、有機質繊維のいずれか、又はこれらを組み合わせた複合材を用いることができる。複合材の具体例として、無機質繊維のみからなる層と有機質繊維のみからなる層とを積層させたもの、及び、無機質繊維と有機質繊維とを混合させた層等が挙げられる。ここで、無機質繊維として、例えばガラス繊維、ロックウール繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、及びスラグウール繊維等が挙げられる。また、有機質繊維として、例えばポリエステル繊維、ポリスチレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリノジック繊維、及びレーヨン繊維等の合成繊維のほか、綿、絹、麻等の天然繊維が挙げられる。耐熱性、及び芯材2自身からのガス発生を回避するという観点から、好ましくは無機質繊維のガラス繊維を用いるのが良く、近年多用されている。但し、芯材2は、ここに例示した材料に限定されるものではない。また、それぞれの繊維は、真空断熱材1を配設する断熱対象部に対して垂直な方向における熱伝導を抑制してより高い断熱効果を得るために、真空断熱材1の内部において、断熱対象面に対して平行に配置するのが好ましい。
芯材2を包囲し収納する外包材3の構成を表す要部断面図を図3に示す。
外包材3は、ガスバリア性を有し、外部衝撃による損傷が起こりにくく、真空断熱材1内部の気密性を長期に渡り保持でき、かつ真空断熱材1のヒートブリッジ現象を防ぐために高断熱素材(低熱伝導の材料)であることが好ましい。具体的に外包材3は、少なくとも3層により構成される。つまり、真空断熱材1の気密性を保持するためのガスバリア層3bと、このガスバリア層3bに対して外側に位置してガスバリア層3bにおける亀裂発生等の損傷を防止するための表面保護層3aと、ガスバリア層3bに対して内側に位置し、内側に芯材2収納して減圧後に密封する熱溶着層3cとを有する。
表面保護層3aとして、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂等が挙げられる。また、ガスバリア層3bとして、アルミニウム箔等の金属箔、又は、アルミ蒸着、アルミナ蒸着、シリカ蒸着、あるいはインジウム蒸着等を施したポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、及びポリエステル樹脂等が挙げられる。また、熱溶着層3cとしては、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、リニア低密度ポリエチレン樹脂、未延伸ポリプロピレン樹脂、延伸ポリプロピレン樹脂、及びフィルム状のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。
尚、外包材3の各材料は、ここに例示した材料に限定するものではない。また、使用用途あるいは目的に応じて、外部衝撃からの保護を強化するために表面保護層3aを2層とするほか、外包材3内側の気密性保持を強化して長期信頼性を向上する目的で、ガスバリア層3bを2層としてもよい。
次に、本実施の形態1における真空断熱材1の製造工程について、図4及び図5を参照して以下に説明する。図4には、真空断熱材1の製造工程のフローチャートを示し、図5には、真空断熱材1の製造を行うための、上治具6及び下治具7を内装した真空槽5等を示している。上治具6は駆動装置21で昇降駆動可能である。真空槽5は、真空装置22にて槽内の真空度が制御される。また、駆動装置21及び真空装置22は、制御装置23にて動作制御される。
まず、図4のステップS1では、外包材3を、真空成形、冷間プレス、あるいは熱間プレス等の成形方法によって、任意の立体形状に成形保持する。本実施の形態1では、例えば図2あるいは図5に示すように、外包材3は例えば椀形状である。ここで任意の立体形状とは、当該真空断熱材1を配設する断熱対象部に密接可能となるいずれの立体形状を意味する。
尚、真空断熱材1を配設する断熱対象部は、一般的に形状、寸法等が標準化されており、上述の椀形状でほとんどの断熱対象部に対して対処可能である。
また、成形する形状によって、成形時に外包材3が伸びて部分的にガスバリア層3bの厚みが薄くなる傾向がある場合には、ガスバリア層3bの厚さを部分的に制御つまり厚みを増、減調整して、成形後の厚みが確保可能なようにしてもよい。また、上述の各成形方法により外包材3を成形する際、絞りの形状が深く、一度で加工を行うとガスバリア層3bの金属箔等に亀裂が生じる可能性がある場合には、この成形工程(S1)を2回以上に分けて成形を行ってもよい。具体的には、所望の完成形状において、成形後の絞り深さがその間口寸法の3分の1よりも深くなる場合には、工程を2回以上に分けて成形を行うのが好ましい。
尚、本実施の形態1では、このようにステップS1にて外包材3の成形を行うが、ステップS1は必須の工程ではない。即ち、既に成形された各外包材3を用いて、次のステップS2を実行してもよい。
次のステップS2では、真空槽5内の上治具6及び下治具7のそれぞれに、ステップS1にて任意の立体形状に成形保持された外包材3を配置する。ここで上治具6及び下治具7は、それぞれ外包材3と同一の立体形状に加工されている。よって上治具6及び下治具7への各外包材3の配置は容易に実行可能である。また上治具6及び下治具7は、真空槽5内部で、芯材2を上治具6と下治具7との間にクランプして圧縮し、任意の立体形状に保持する役割を行う。
上治具6及び下治具7に対して外包材3を設置する方法としては、吸着パットによる吸引固定、両面テープによる粘着固定等の方法が挙げられるが、これらに限定されない。即ち、真空槽5の内部で、外包材3と、上治具6及び下治具7とのズレ及び落下等を防止可能な手法であれば良い。
次のステップS3では、外包材3が設置された下治具7の上に芯材2を設置する。芯材2を下治具7に対して位置決めするために、芯材2に対して予め下治具7とインローとなるような加工を施してもよい。
次のステップS4では、図5に示すように、上治具6と下治具7とで芯材2をクランプすることにより、真空断熱材1の完成形状と同じ厚みまで芯材2を圧縮する。その後、真空装置22にて真空槽5内部を減圧し、規定の真空度に達した時点で外包材3の外周部4を熱溶着し、上下の外包材3間に芯材2を密封する。尚、本実施の形態1では図5に示すように、駆動装置21にて上治具6を下治具7側へ移動させているが、駆動方向はこれに限定されず、上治具6及び下治具7が相対的に近接、離間するよう駆動すればよい。
ここで、上述のように減圧密封前に、完成形状と同じ厚みまで芯材2を圧縮する目的について以下に説明する。
一般的な真空断熱材の製造方法では、単に減圧下において外包材内側に芯材を密封することから、真空断熱材の内部は高真空状態になっている。したがって、減圧密封後、製造した真空断熱材を大気圧下に置いたときには、真空断熱材の内部と外気との圧力差によって芯材2は圧縮される。このとき外包材3は芯材2の形状に追随しようとするため、真空断熱材には皺等の表面凹凸が発生してしまう。皺等の表面凹凸が発生することにより、従来技術での問題点として既に説明したように、真空断熱材の断熱性能及び信頼性の低下が生じる。
これに対して、本実施の形態1では上述のように、芯材2の減圧密封前に予め芯材2を完成形状と同じ厚みまで圧縮しておき、圧縮後、減圧し密封する。これにより、真空断熱材1の製造後、大気圧下に置かれたときの真空断熱材1における皺等の表面凹凸の発生を抑制することができる。具体的には、芯材2として例えば目付2800g/mのガラス繊維を用いた場合、真空槽5内部で減圧前に、芯材2を10mmの厚さまで圧縮しておくのが好ましい。
このように本実施の形態1の製造方法によれば、外包材3は、製造された真空断熱材1を配設する断熱対象部に密接可能となる任意の立体形状に予め成形されていることから、外包材3が芯材2の立体形状に追随しようとして外包材3の余剰部位が皺となってしまうことはない。よって、真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性の向上が期待できる。
また、芯材2の減圧密封前に予め芯材2を完成形状と同じ厚みまで圧縮することで、真空断熱材1として完成後、大気圧による芯材2の変形を防止して真空断熱材1における皺等の表面凹凸の発生を抑制可能である。したがって真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性の向上が期待できる。
以上説明した製造方法にて製造された真空断熱材1を断熱対象部へ配設する際の固定方法としては、セロハンテープ、クラフトテープ、両面テープ等の粘着テープによる、通常の貼付け固定方法のほか、ホットメルト、接着剤、発泡性樹脂等による接着固定方法を用いても良い。好ましくは、真空断熱材1と断熱対象部との間に隙間が生じない状態で配設でき、配設後においても、剥がれ及び脱落等のない方法とすることが望ましい。
実施の形態2.
図6に本発明の実施の形態2における真空断熱材1−2の斜視図を示す。上述した実施形態1の真空断熱材1と比較すると、本実施形態2の真空断熱材1−2では、外包材3の外周部4を外包材3の立体形状に沿った形状で熱溶着している点で相違する。真空断熱材1−2のその他の構成は、実施形態1の真空断熱材1に同じである。よって、ここでの構成の詳しい説明は省略する。以下では、外周部4を外包材3の立体形状に沿った形状で熱溶着する理由について説明する。
一般的には、外周部4の熱溶着は、実施形態1の真空断熱材1の場合のように直線状に施される。一方、任意の立体形状の外周部4が例えば曲面あるいは切り欠き等を有する形状である場合、熱溶着された外周部4と任意の立体形状を有する芯材2との間には、芯材2が収納されていない外包材3のみが存在する余剰面積部分、例えば図1に「4a」で
示す部分、が増えてしまう。この余剰面積部分は、外包材3のみで構成されるため断熱性能を持たない不要な部位となる。また、この余剰面積部分は、真空断熱材1を断熱対象部に配設する際に、他の構成部品と干渉する場合が多い。よってこの干渉を回避するため、芯材2の任意の立体形状に沿うように余剰面積部分を、例えば芯材2側へ折り返してテープ等で固定するのが一般的である。
しかしながら、このような、余剰面積部分を含む外包材3を折り返して芯材2側に固定する場合、真空断熱材1の製造工程内に、外包材3の折り返し工程が必要になる。またさらに、外包材3を折り返す際に外包材3のガスバリア層3bに応力が作用し、ガスバリア層3bに亀裂等の損傷が発生する懸念がある。
これに対して本実施の形態2のように、予め芯材2の形状に沿って外周部4を熱溶着することで、上述の外包材3の折り返し工程は不要であり、さらにガスバリア層3bにおける亀裂等の損傷発生の可能性もない。したがって、本実施の形態2における真空断熱材1−2によれば、実施の形態1で説明した真空断熱材1が有する効果を備えることは勿論、真空断熱材1に比べてさらに断熱性能及び長期信頼性の向上が期待できる。
実施の形態3.
図7に本発明の実施の形態3における真空断熱材1−3の構成例を分解斜視図にて示す。図7に示すように、本実施形態3の真空断熱材1−3では、外包材3の立体形状に合わせた立体形状に、芯材2の立体形状を予め成形している。その他の構成は、本実施形態3では、実施の形態2における真空断熱材1−2の構成と同じにしているが、実施の形態1における真空断熱材1の構成と同じとしてもよい。尚、各構成の詳しい説明について、ここでの説明は省略する。
芯材2の成形方法について説明する。一例として、芯材2を形成する繊維材料をシート状に加工し、該シートを積層して任意の立体形状へ成形する。あるいはまた、上記繊維材料を帯状に加工し、これを任意の立体形状に配置し成形する方法、上記繊維材料を熱プレスにより成形保持する方法等が挙げられる。実施の形態1にて説明したように、芯材2を形成する繊維材料の配向が真空断熱材の性能を大きく左右するため、芯材2を形成する繊維材料の配向方向を断熱対象部の断熱対象面と平行となる方向へ配向制御することが望ましい。また、事前に成形した芯材2の形状を長期保持するため、フェノール樹脂等のバインダ材を添加しても良い。
芯材2の形状を外包材3の立体形状に予め同じにすることで得られる効果について説明する。
外包材3の立体形状に一致させた立体形状の芯材2を、実施の形態1、2で説明した製造方法に適用することで、真空槽5内部の下治具7に芯材2を設置する際の芯材2の位置決めがより容易となる。実施の形態1にて説明したように、下治具7及び上治具6は、外包材3の形状に一致した形状を有していることから、外包材3の立体形状に芯材2の形状を合わせることで、上記位置決めが容易になる。この結果、芯材2を下治具7にセットする治具の構造を簡略化でき、かつ製造工程の効率化を図ることができる。また、減圧密封前に上治具6と下治具7とで芯材2をクランプして圧縮する際に芯材2がずれるというような不具合等の発生を抑制することも可能となり、真空断熱材1−3の製造歩留まりを改善することも可能となる。
実施の形態4.
図8に本発明の実施の形態4における真空断熱材1−4の斜視図を示す。この真空断熱材1−4は、半球形状の頂点部分の一箇所に円形の穴形状部8を設けている。その他の構成は、本実施形態4では、実施の形態2における真空断熱材1−2の構成と同じにしているが、実施の形態1における真空断熱材1の構成、及び実施の形態3における真空断熱材1−3の構成と同じとしてもよい。
ここで穴形状部8は、図9に示すように、本実施の形態4では真空断熱材1−4の例えば中央部に形成され、2つの外包材3及び芯材2を共に貫通して延在する開口部に相当する。
真空断熱材1−4の製造工程としては、まず芯材2及び外包材3について、真空断熱材1−4の例えば中央部をトリミングして予め穴開け加工を施す。次に、穴開け加工を施した芯材2及び外包材3を用いて、実施の形態1及び実施の形態2で説明したのと同様の製造工程を実行する。これにより、穴形状部8を有する真空断熱材1−4を得ることができる。ここで穴形状部8では、図9に示すように一例として内側の外包材3が外側の外包材3へ向かって立ち上がり、外側の外包材3との重なり部分8aにて融着が行われる。
また、芯材2の穴開け加工は、減圧密封前に行う必要があるが、外包材3の穴開け加工については、真空断熱材1を減圧密封して真空槽5から取り出した後に行っても良い。
穴形状部8を設けたことによる効果について以下に説明する。
真空断熱材1−4を配設する断熱容器を組み立てる際、配管及びブラケット等の他部品と真空断熱材1−4との干渉を穴形状部8を利用することで回避し、真空断熱材1−4を断熱対象部に密接させることができる。よって、従来では真空断熱材を配設不可能であった箇所にも真空断熱材1−4を配設可能となり、断熱対象部の被覆率をより高めることが可能となる。したがって、断熱容器のさらなる断熱性能の向上が期待できるほか、組立性の理由から、従来、真空断熱材を適用できずに、例えば硬質ウレタンフォームあるいはEPS(ビーズ法発泡スチロール)を用いて断熱していた箇所に対しても適用可能となる。その結果、従来と同等の断熱効果をより薄い真空断熱材1−4で得ることが可能となり、断熱容器の小型及び省スペース化も可能となる。
また、穴形状部8は、真空断熱材1−4を断熱容器に配設する際にインローとして使用することも可能である。つまり、穴形状部8に他部品を挿入することで真空断熱材1−4を保持することができ、従来、真空断熱材を配設する際に必要であった両面テープ等の粘着剤あるいはホットメルト等の接着剤が不要となる。その結果、製造コストの削減、及びリードタイムの短縮が可能となる。
本実施の形態4における真空断熱材1−4では、図8に示すように、半球形状の真空断熱材1−4の頂点部分の一箇所に円形の穴形状部8を設けた。しかしながら真空断熱材1−4は、これに限定されるものではなく、例えば複数の円形の穴形状部8を有しても良い。また、穴形状部8についても、円形に限定されず、例えば三角形、四角形等の多角形形状、及び楕円形等の任意の形状が可能である。また複数の穴形状部8を有する場合には、複数種の形状の穴形状部8を組み合わせて穴開き及び切り欠き形状を形成してもよい。
1、1−2、1−3、1−4 真空断熱材、2 芯材、3 外包材、
3b ガスバリア層、4 外周部、8穴形状部。

Claims (3)

  1. ガスバリア性を有する外包材と芯材とを備えた真空断熱材の製造方法であって、
    当該真空断熱材を配設する断熱対象部に密接可能な任意の立体形状に予め成形した外包材にて上記芯材を包囲し、
    上記外包材に包囲された芯材を、製造後の大気圧下における真空断熱材の芯材と同じ厚さまで圧縮しながら減圧して上記外包材にて密封し、真空断熱材を形成する、
    ことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  2. 上記外包材の外周部を当該外包材の立体形状に沿った形状にて熱溶着し、上記芯材を密封する、請求項に記載の真空断熱材の製造方法。
  3. 上記芯材は、上記外包材による密封前に、上記外包材における任意の立体形状と同じ立体形状に予め成形されている、請求項1又は2に記載の真空断熱材の製造方法。
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