JP6108448B2 - 白金の抽出分離方法 - Google Patents

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本発明は、白金の抽出分離方法に関する。
レアメタル(例えば、コバルト(Co)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、カドミニウム(Cd)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、水銀(Hg)、ウラン(U)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)など)は我々の生活に必要不可欠なものであり、自動車用触媒や燃料電池、超強力磁石など現在の精密機器をはじめ多くの製品に使用されている。しかし、日本はこれら金属のほとんどを輸入に頼っており、資源の安定的な供給、環境保護の観点から、レアメタルのリサイクルは重要な技術である。中でも、白金(Pt)は、金と比べても算出量が少なく、装飾品に使用される金属として希少であるだけでなく、自動車触媒等の工業的な需要も多い金属であることから、近年の各国による資源獲得競争の中、価格が高騰しつつあり、そのリサイクル技術が切望されている。
レアメタルのリサイクルには、一般的にレアメタル含有水溶液からの溶媒抽出法が用いられており、様々な抽出剤が開発され、利用されている。例えば、特許文献1には、アミノアルキル基を有する環状フェノール硫化物を用いて、レアメタルであるクロム及びニッケルを含む金属の抽出実験を行ったことが記載されている。
しかし、特許文献1に記載の抽出実験においては、単一種類の金属を含有する溶液ごとに抽出が行われており、また、いずれの金属も高い抽出率で抽出されている。そのため、複数種類の金属が混在している中から、レアメタルを選択的に効率良く分離回収することが要求されるレアメタルのリサイクル技術として適用するには不十分であった。
特開2000−178271号公報
そこで、本発明は、複数種類の金属を含有する溶液の中から、白金を高効率で抽出できる、白金の抽出分離方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、アミノアルキル基を有する環状フェノール硫化物を用いて、白金を含む複数種類の金属を含有する溶液に対して抽出実験を行ったところ、白金のみが高選択的に分離抽出されることを特定した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体と、複数種類の金属を含有する溶液と、を接触させる工程を備える、白金の抽出分離方法である。
Figure 0006108448
(式中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、Zはスルフィド基、スルフィニル基、及びスルホニル基のうちのいずれかである。)
本発明において、一般式(1)におけるR、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましい。
本発明において、一般式(1)におけるRが水素原子であり、Zがスルフィド基であることが好ましい。
本発明において、溶液は酸を含んでいることが好ましい。
本発明において、溶液は、白金以外にロジウム、パラジウム、ジルコニウム、セリウム、バリウム、アルミニウム、ランタン、又は、イットリウムを含有していても良い。
本発明によれば、複数種類の金属を含有する溶液の中から、白金を高効率で抽出することができる。
実施例の抽出率の結果を示す図である。 比較例の抽出率の結果を示す図である。
本発明の白金の抽出分離方法は、下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体と、複数種類の金属を含有する溶液と、を接触させる工程を備える。
Figure 0006108448
一般式(1)において、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5の炭化水素基である。R、Rとしては、直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、アルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。
より具体的には、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜2のアルキル基(メチル基、エチル基)であることがさらに好ましく、エチル基であることが最も好ましい。
一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である。Rとしては、水素原子、又は、直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、アルキル基としては、上記R、Rにおいて例示したものと同様のものが挙げられる。
より具体的には、Rは水素原子又は炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基(メチル基、エチル基)であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
一般式(1)において、Zは、スルフィド基、スルフィニル基、及びスルホニル基のうちのいずれかである。中でも、Zは、スルフィド基であることが好ましく、この場合、式(1)の化合物は、チアカリックス[4]アレーン誘導体と呼ばれる。
一般式(1)の化合物は、Zによりフェノール誘導体骨格が4個環状に繋がった構造であるが、4つのフェノール誘導体骨格が有する置換基R、R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、また4つのZも同じでも異なっていてもよい。製造の容易性及び得られる化合物の白金抽出特性からは、4つのフェノール誘導体骨格が有するR、R、R及び4つのZは、それぞれ同じであることが好ましい。
一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体は、公知の方法で合成することができる。例えば、4位がアルキル基であるアルキルフェノールを出発物質とし、これと単体硫黄とを、アルカリ金属試薬又はアルカリ土類金属試薬の存在下反応させることによって、スルフィド結合によって4つのアルキルフェノールが連結した環状フェノール硫化物を得、次いで、塩化アルミウムなどの触媒の存在下で脱アルキル化を行い、その後、4位の水素原子をアミノアルキル基に変換することによって得ることができる。
環状フェノール硫化物を合成する際に用いるアルカリ金属試薬やアルカリ土類金属試薬としては、金属単体、水素化物、ハロゲン化物、酸化物、炭酸塩、アルコキシドなどが挙げられる。また、アルキルアミノ基への変換方法としては、環状フェノール硫化物とアミン化合物とを反応させる方法が挙げられる。アミン化合物としては、一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体を
与えることができるものであれば特に限定されないが、ジアルキルアミンが好ましい。ジアルキルアミンとしては、入手の容易性及び反応性からジメチルアミン又はジエチルアミンが好ましい。環状フェノール硫化物のスルフィド基、すなわち一般式(1)におけるZは、必要に応じて過酸化水素や過ホウ酸ナトリウムなどの酸化剤を用いて酸化することによって、スルフィニル基やスルホニル基に転換することができる。
本発明の白金の抽出分離方法を実施する場合において、通常、一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体は溶液とされ、該溶液(以下、抽出剤溶液という。)に、白金が溶解した溶液(以下、白金溶液という。)を接触させることにより、白金が抽出剤溶液側に移行し、白金が抽出される。抽出剤溶液に使用する溶媒と白金溶液に使用する溶媒とは、お互いに溶けにくい溶媒が使用される。各溶液に使用される溶媒は、2種類以上の溶媒が混合されたものであってもよい。これらの溶媒の組合わせの中では、抽出剤溶液の溶媒が非水溶性の溶媒であり、白金溶液の溶媒が水溶液である組合わせが特に好ましい。
非水溶性の溶媒としては、一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体を溶解することができれば特に制限はなく、石油、ケロシン等の鉱油;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化溶媒等が挙げられる。
水溶液は、酸を含んでいることが好ましい。酸としては、水溶性であれば特に制限はなく、有機酸又は無機酸を使用することができる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸等が挙げられ、無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過酸化水素等が挙げられる。金属の溶解性の観点から無機酸が好ましく、無機酸としては、金属の溶解性の観点から塩酸が好ましい。また、2種類以上の酸が含まれていても良い。
また、白金溶液が酸を含んでなる場合において、溶液のpHは0以上7以下であることが好ましく、0以上5以下であることがより好ましく、0以上3以下であることがさらに好ましい。
白金溶液が酸を含んでいることにより、また、pHが上記範囲にあることにより、より効率的に白金を抽出すること可能となる。本発明者らは、その理由を、酸を含み、pHが上記範囲内にあることにより、白金が錯体(例えば、塩酸を含む場合にはクロロ錯体)を形成してマイナスにチャージされることにより、プロトン化しているアミンとの相互作用が強まり、白金の抽出が優先的に促進されるためであると推測している。
抽出剤溶液における、一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体の濃度は該環状フェノール硫化物誘導体の溶解度によって上限が限定される以外は特に制限はないが、あまりに濃度が低いと白金抽出効果が得られないため、通常1×10−6〜1Mの範囲で使用される。白金溶液中における白金の濃度は特に制限はなく、通常は1000ppm程度である。
抽出温度は使用する溶媒の沸点以下であれば特に制限はなく、通常室温付近で行われる。抽出操作は抽出剤溶液と白金溶液とを振とう、攪拌などにより互いに接触させることにより行われる。振とうは通常毎分60〜200回程度行えばよい。また、振とう時間は30分程度行うことが好ましい。
本発明において、溶液に含有される複数種類の金属は、特に限定されず、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、3B金属等が含まれていても良い。中でも本発明の白金の抽出分離方法は、レアメタル含有溶液からの白金の抽出に特に好適に利用される。例えば、白金以外にロジウム、パラジウム、ジルコニウム、セリウム、バリウム、アルミニウム、ランタン、又は、イットリウムを含むPGM(Platinum−Group Metals)溶液から、白金を選択的にしかも高効率で分離抽出することができる。これにより、希少性が高く有用な白金をリサイクル利用することができる。また、白金を分離した後のPGM溶液には、白金がほとんど含まれていないため、白金を除去する操作としても利用できる。よって、本発明は、PGM溶液から白金を単離する際の、前処理としても利用できる。
以下、実施例により、本発明に係る白金の抽出分離方法について、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の具体的形態に限定されるものではない。
(製造例1)
<環状フェノール硫化物中間体オリゴマー(A)の製造>
Figure 0006108448
1000mL容の三口フラスコに、p−tert−ブチルフェノール300g(2.0mol)、ジフェニルエーテル(PhO)64.0mL、及び、エチレングリコール56.0mL(1.0mol)を入れ、窒素雰囲気下で加熱撹拌し、60℃に達した後、酸化カルシウム28.0g(0.5mol)を投入し、約20分間で120℃まで昇温して2時間反応させた。その後、エチレングリコールと、生成した水とを減圧溜去した。減圧溜去の際に同時に溜去されたジフェニルエーテルを追加した後、再び窒素雰囲気下で加熱撹拌し、100℃に達した後、硫黄95.9g(3.0mol)を加え、230℃まで昇温して3時間反応させた。その後、放冷して110℃になったことを確認し、トルエン250mLを徐々に加えて反応液の粘性を下げ、この反応液を4Nの硫酸500mLの中に注いで反応を停止させた。析出した硫酸カルシウムを濾過し、濾液を飽和硫酸ナトリウム水溶液にて洗浄した後、濾液を濃縮し、80℃に加温した。これを、別途準備しておいた80℃に加温した酢酸1Lに注ぎ、80℃で約1時間撹拌後、室温で一晩放置した。析出した沈殿物を蒸留水にて洗浄後、未洗浄の酢酸を除くため、大量のクロロホルムに溶解させ、硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、一晩減圧乾燥させることにより、環状フェノール硫化物中間体オリゴマー(A)を得た。環状フェノール硫化物中間体オリゴマー(A)の収率は、67.8%であった。
(製造例2)
<環状フェノール硫化物(B)の製造>
Figure 0006108448
500L容の三口フラスコに、製造例1で得られた環状フェノール硫化物中間体オリゴマー(A)30g、ジフェニルエーテル64.0mL、水酸化ナトリウム3.99g、及び、酢酸1.62gをこの順に入れて、窒素雰囲気下で加熱撹拌し、100℃で硫黄2.14gを全量加えて約1時間で230℃まで昇温し、4時間反応させた。その後、放冷し、トルエンを添加し反応液の粘性を下げたところで、2Nの硫酸(100mL)を反応液に注いで反応を停止させた。その後、水相を除去し、飽和硫酸ナトリウム水溶液、次いで、水で洗浄し、濃縮後、濃縮液中のジフェニルエーテルを減圧留去した。その後、生成物をアセトンで洗浄し、析出した沈殿を濾取して減圧乾燥することにより、環状フェノール硫化物の粗結晶を得た。この粗結晶をクロロホルムに溶解させて再結晶することにより、環状フェノール硫化物(B)を精製した。精製後の環状フェノール硫化物(B)の収量は、4.162gであり、収率は、13.90%であった。
なお、環状フェノール硫化物(B)(4量体)と、その他の多量体とは、溶解度の差により分離した。
(製造例3)
<環状フェノール硫化物誘導体(脱tertブチルTC4A)の合成>
Figure 0006108448
1000mL容の二口フラスコに、製造例2で得られた環状フェノール硫化物(B)15.0g(20.8mmol)を入れ、これにトルエン450mL加えて30分間攪拌し、環状フェノール硫化物(B)を溶解させた。次いで、フェノール20.0g(211.3mmol)、塩化アルミニウム100g(750.0mmol)を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。その後、反応液を室温まで放冷した。2000mL容の三角フラスコに2Nの塩酸900mLを用意し、氷浴下で前記反応液をゆっくり加え、室温で一晩攪拌することで塩化アルミニウムを失活させた。これにより得られた沈殿を濾過し、得られた淡黄色粉末を水500mL、次いで、アセトン500mLで洗浄後、濾取した粗成生物を500mL容の三角フラスコに移し、アセトンを加えて攪拌後、減圧乾燥機により乾燥させることで、白色粉末の環状フェノール硫化物誘導体(脱tert−ブチルTC4A)を得た。収量は、6.99gであり、収率は、68%であった。
(製造例4)
<環状フェノール硫化物誘導体(ジエチルアミンTC4A)の合成>
Figure 0006108448
200mLの三口フラスコに1、4−ジオキサン(100mL)を入れ、ここにチアカリックス[4]アレーン(1.00g、2.02mmol)、ジエチルアミン(4.4519g、60.87mmol)、ホルムアルデヒド(7.2701g、89.58mmol)、酢酸(25mL)を加えて、窒素雰囲気下、室温で6日間撹拌した。反応溶液中の溶媒を留去した後、黄色油状物に水(100mL)を加え、500mL分液ロートに移し、クロロホルム(50mL×3回)にて洗浄した。黄色透明水溶液に10%KCO水溶液(250mL)を加えることで白色沈殿物が析出した。この沈殿物を桐山ロート(60mm)にて濾過し、水(1000mL)で洗浄した。この白色固体を60℃で3日間減圧乾燥することで目的物(1.226g、収率73.2%)が得られた。
(実施例)
<環状フェノール硫化物誘導体(ジエチルアミンTC4A)を用いたレアメタルの抽出分離>
製造例4で得られた環状フェノール硫化物誘導体(ジエチルアミンTC4A)をレアメタル抽出剤とした、レアメタル抽出実験を行った。まず、上記環状フェノール硫化物誘導体(ジエチルアミンTC4A)をクロロホルムに溶解して濃度を2.92mMとした有機層50mLと、工場より排出されたレアメタルを数種類含む廃棄物を塩酸及び過酸化水素で処理により水溶液化したPGM(Platinum−Group Metals)溶液(Rh:264.3ppm、Pd:737.8ppm、Pt:434.1ppm、Zr:198.2ppm、Ce:>3840.5ppm、Ba:2118.2ppm、Al:2272.5ppm、La:666.9ppm、Y:36.3ppm)を蒸留水にて50倍に希釈した水層50mL(pH:0.8)とを200mLの分液ロートに入れ、30分間浸透撹拌した。その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装置により分析し、その得られた結果をもとに抽出率(E%)を下記の式(I)にて求めた。環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の金属濃度はモル濃度比1:1とした。
(E%)=(C−C)/C×100 (I)
ただし、C:抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C:抽出後の水層中の金属濃度(ppm)
抽出結果を図1のグラフに示す。
(比較例)
<環状フェノール硫化物(B)を用いたレアメタルの抽出分離>
実施例1において、ジエチルアミンTC4Aの代わりに、製造例2で得られた環状フェノール硫化物(B)を抽出剤として、同様の条件にて抽出分離を行った。抽出結果を図2のグラフに示す。
図1のグラフからわかるように、本願の白金の抽出分離方法(実施例)によれば、白金を高効率(90%)で抽出できることが示された。このことから、窒素を含む官能基を導入することで、白金に対する選択性が向上するものと推測される。これに対し、比較例(tert−ブチルTC4A)の場合には、図2のグラフからわかるように、選択性が得られず、且つ、効率も良くないことが明らかである。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、白金の抽出分離方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明は、使用済み電化製品等の精密機器に多く含まれる金属、とりわけ、レアメタルの中から、白金を選択的に回収し、再利用する方法として好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物誘導体を含む溶液と、少なくとも白金を含む複数種類のレアメタルを含有する溶液と、を接触させる工程を備える、白金の抽出分離方法。
    Figure 0006108448
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5の炭化水素基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基であり、Zはスルフィド基、スルフィニル基、及びスルホニル基のうちのいずれかである。)
  2. 前記R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基である、請求項1に記載の抽出分離方法。
  3. 前記Rが水素原子であり、前記Zがスルフィド基である、請求項1又は2に記載の抽出分離方法。
  4. 前記溶液が、白金以外に、ロジウム、パラジウム、ジルコニウム、セリウム、バリウム、アルミニウム、ランタン、又は、イットリウムを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の抽出分離方法。
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