JP6108243B2 - 積層ブロー成形容器 - Google Patents
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Description
容器1は口筒部2、肩部3、胴部4を有し、外層11と内層12を積層したデラミボトルである。
また、穿孔装置30は主として受け部材31とハッチングして縦断面で示されるカッター部材40から構成されている。
カッター部材40は、支持部材32に水平状に配設される支持軸33に左右に摺動可能に支持された摺動部材41と、この摺動部材41に下方に垂下する支持棒42と、この支持棒42の先端に受け部材31のカッター受け台36に対向するよう配設されたポンチカッター43とからなっている。
そして、駆動手段(図示省略)により、支持軸33に沿って摺動部材41を図中、左側(X方向)に移動することによりポンチカッター43は、ボルト37の先端が支持棒34に突き当たるまで移動するが、その際、まず筒状刃44が容器1の口筒部2の内層12をカッター受け台36の受け面36aに押圧し、次いで容器1の口筒部2の外層11に圧入され、内層12を残して外層11を切抜き、内層12と外層11の間に大気を導入する吸気孔を穿孔する。
ここで、ポンチカッター43の筒状刃44の刃先とカッター受け面36aとの間隙tを、ボルト37を調整することにより内層12の厚さに調節すると、外層11のみに吸気孔を形成することができる。
このため、この種のデラミボトルを利用した注出容器製品では、内容液を注出した際におけるボトル内部の減圧により、吸気孔14を介して外層11と内層12の間に自然に外気をスムーズに導入することが困難な場合があり、多くの場合、吸気孔14を形成後、口筒部2を介してボトル内部を真空ポンプ等で強制的に減圧状態にして外層11と内層12をボトルの全領域に亘って剥離して外層11と内層12との密着を一端解消した状態とし、その後、口筒部から空気を吹き込んで、再び外層11と内層12を積層した状態として使用する場合が多い。
また、ポンチカッターによる外層11の穿孔加工により発生する抜きカスを取除くことが困難で、このカスが残って吸気孔が開口し難いと云う問題もある。
定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層と、この外層に剥離可能に積層する合成樹脂製の内層とから成り、口筒部の所定位置においてポンチカッターにより外層に吸気孔が穿孔されているブロー成形容器であって、
外層の内表面側端部における吸気孔の端部がラッパ状に拡径され、吸気孔の開口周縁部で且つ外層)と内層の間にノッチ状の間隙が周設されていることを特徴とする、と云うものである。
そして、このノッチ状に形成された間隙を起点として、積層する外層と内層との剥離をスムーズに開始、進展させることができ、外層と内層の間への外気の導入を、吸気孔を介して容易に達成することが可能となる。
また、未切抜き部を強引に破断することにより、この破断に伴って吸気孔の開口周縁部にバリが発生しこのバリにより凹凸を形成することができる。
定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層と、外層に剥離可能に積層する合成樹脂製の内層とから成るブロー成形容器の口筒部の所定位置においてポンチカッターにより外層に吸気孔形成する方法であって、
ポンチカッターは先端部に筒状刃を有し、この筒状刃の内周面に筒状刃の外層からの後退時に、外層からの抜け防止機能を発揮する係止部を配設したものを使用し、
筒状刃を刃先が外層の内表面の直近位置になるまで圧入前進させ、外層を完全に切抜くことなく先端に未切抜き部を周状に残存させた状態とし、
次に、筒状刃の後退に伴って係止部の抜け防止機能により、筒状刃内に残留する、未切抜き部を残して切抜かれた切抜き片を後退させ、この後退により未切抜き部を破断して切抜き片を完全に切抜かれた状態として吸気孔を穿孔する、と云うものである。
また、係止部の抜け防止機能により、筒状刃内に残留する未切抜き部を残して切り抜かれた切抜き片を後退させ、この後退により未切抜き部を破断して切抜き片を完全に切抜かれた状態とし筒状刃内に残存させた状態とすることにより、切抜き片を吸気孔内から完全に取り除くことができ、切りカスが残って吸気孔が開口し難いと云う問題を完全に解消することができる。
上記構成は係止部の具体例の一つであり、縮径段部により抜け防止機能が十分に発揮され、筒状刃内に残留する切抜き片をこの縮径段部により引掛けるようにして未切抜き部を容易に破断することができる。
ここで、縮径段部を刃先からどの程度距離を置いて配置するか、縮径の程度どの程度にするかを含む、縮径段部の形状は上記した外層への圧入前進性、外層の切断性、抜け防止機能による未切抜き部の破断性等を考慮して適宜決めることができるものである。
本発明の積層ブロー成形容器にあっては、外層の内表面側端部で吸気孔がラッパ状に拡径した形状とすることにより、吸気孔の開口周縁部では外層と内層の間にノッチ状に間隙が形成されるので、この間隙を起点として、積層する外層と内層との剥離をスムーズに開始、進展させることができ、外層と内層の間への外気の導入を、吸気孔を介して容易に達成することができる。
さらに、外層の内表面側端部における吸気孔の開口周縁部にバリによる凹凸が形成されていることにより、当該凹凸が形成された吸気孔の開口周縁部では外層と内層の密着を回避することができ、前述したノッチ状の間隙の作用効果と相俟って、積層する外層と内層との剥離をよりスムーズ、また確実に開始、進展させることができ、外層と内層の間への外気の導入を、吸気孔を介して容易に達成することができる。
図1は、本発明の積層ブロー成形容器の一実施例を容器本体として利用したポンプ付き注出容器を部分的に縦断して示す側面図である。
デラミボトルである容器1は、定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層11と、この外層11に剥離自在に積層し、内袋を形成する合成樹脂製の内層12との積層壁構造を有する。そして有底筒状の胴部4の上端に、上方に縮径したテーパー筒状の肩部3を介して、外周面に螺条を突設し、この螺条の下位の外層11部分に、ポンチカッターにより吸気孔14を穿孔、形成した口筒部2を連設した構成となっている。
なお、本実施例の容器1では外層11は高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂製、内層12はナイロン樹脂である。また前後に一対(図1中では左右に一対)の吸気孔14を穿孔している。
図2(a)、(b)中、ラッパ状部分14aで示されるように吸気孔14は外層11の内表面側端部でラッパ状に拡径した形状となっている。
また、図2(a)、(b)中、クロスハッチングして示した外層11の内表面側端部における吸気孔14の開口周縁部には、ポンチカッターによる穿孔工程で発生するバリによる凹凸11cが形成されている。
なお、これらラッパ状部分14aやバリによる凹凸11cは後述する吸気孔の形成方法を採用することにより形成することができるものである。
そして、このノッチ状の間隙Nにより剥離進行の起点としての機能が発揮され、図2(a)中二点鎖線で示すように、積層する外層11と内層12との剥離をスムーズに開始、進展させて剥離空間Sを拡大し、外気Aを、吸気孔14を介して外層11と内層12の間に容易に導入することができる。
図3は吸気孔の形成方法の概略説明図で、使用する穿孔装置の全体的な構成は図9に示すものと類似的であり、先端部にカッター受け台36を配設した支持棒34を容器1の口筒部2内に挿入配置し、カッター受け台36に対向するようにポンチカッター43を配設する。
なお、図1に示される容器1のように、左右に一対の吸気孔14を形成する場合は、穿孔装置も左右対称状に配置して、左右に一対のポンチカッター43を配設して穿孔を実施する。
ポンチカッター43の筒状刃44を外層11内に圧入前進させ、外層11を完全に切抜くことなく先端に未切抜き部11bを周状に残存させた状態とし、その後ポンチカッター43を後退させながら、後述する係止部45の抜け防止機能により未切抜き部11bを破断し、吸気孔14を穿孔、形成する、と云うものである。
このため上記吸気孔の形成方法にあっては、ポンチカッター43の先端部に配設される筒状刃44の刃先は、外層11内部に留まり内層12に直接当接することがないので、従来の形成方法のようにポンチカッターの刃先による刃痕を内層12に残すことなく吸気孔14を形成することができる。
このポンチカッター43は、先端部に筒状刃44を有し、この筒状刃44の内周面に係止部45の一実施形態である縮径段部45aを間歇状に4箇所(図5(b)参照)に周設している。
なお、このポンチカッター43の刃先44pの径は4mmで、縮径段部45aの形成位置と刃先44pの間隔h(図4(b)参照)は0.8mmである。
図6(a)に示されるように、筒状刃44が圧入前進限の位置で、刃先44pは外層11の内周面直前の位置に位置する。本実施例では吸気孔14を穿孔する口筒部2の下部の肉厚は2.5mmであるが、外層11の内周面から約0.02mmの位置を圧入前進限界としており、外層11を完全に切抜くことなく先端に未切抜き部11bを周状に残存した状態で、切抜き片11aが筒状刃44内に残留していることになる。
また、未切抜き部11bの破断時には、合成樹脂(本実施例ではHDPE樹脂)が多少なりとも延伸変形するため、図6(c)中の拡大図でクロスハッチングして示されるように破断に伴うバリによる凹凸11cが形成される。
図7の例は、図4のポンチカッターと同様に縮径段部45aを係止部45としたものであるが、図4のものに対しての縮径段部45aを全周に亘って形成しているのが特徴的で、その分、圧入前進性と抜け防止機能のバランスを考慮して縮径段部45aによる縮径の程度を小さくし、また縮径段部45aの形成位置と刃先44pの間隔hを0.4mmと小さくしているのが特徴的である。
たとえば、使用するポンチカッターについては3つの例を説明したが、さらに適宜の形状の突起を複数周状に配設して係止部を構成する等、圧入前進性と抜け防止機能を考慮してさらにさまざまなバリエーションのものを採用することができる。
また、本発明のデラミボトルタイプの積層ブロー成形容器は、ポンプ付き注出容器の容器本体の他にも、口筒部に櫛体を嵌合させた櫛体付き注出容器の容器本体や、スクイズタイプのデラミ容器としても使用することができる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
11;外層
11a;切抜き片
11b;未切抜き部
11c;(バリによる)凹凸
12;内層
14;吸気孔
14a;ラッパ状部分
S ;剥離空間
N ;ノッチ状の間隙
A ;外気
21;キャップ
22;螺合筒壁
23;頂壁
25;注出ポンプ
26;ノズルヘッド
27;組付きフランジ
28;パッキング片
30;穿孔装置
31;受け部材
32;支持部材
33;支持軸
34;支持棒
36;カッター受け台
36a;受け面
37;ボルト
40;カッター部材
41;摺動部材
42;支持棒
43;ポンチカッター
44;筒状刃
44p;刃先
45;係止部
45a;縮径段部
45a1;テーパー部
45b;テーパー状縮径部
46;透孔
t ;隙間
Claims (2)
- 定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層(11)と、該外層(11)に剥離可能に積層する合成樹脂製の内層(12)とから成り、口筒部(2)の所定位置においてポンチカッターにより外層(11)に吸気孔(14)が穿孔されているブロー成形容器であって、
前記外層(11)の内表面側端部における前記吸気孔(14)の端部がラッパ状に拡径され、前記吸気孔(14)の開口周縁部で且つ前記外層(11)と前記内層(12)の間にノッチ状の間隙(N)が周設されていることを特徴とするブロー成形容器。 - 外層(11)の内表面側端部における吸気孔(14)の開口周縁部に、ポンチカッターによる穿孔工程で発生するバリによる凹凸(11c)を有する請求項1記載のブロー成形容器。
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