JP4895916B2 - 注出キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、プルリングを介して密閉栓を引きちぎって開栓する合成樹脂製の注出キャップ(プルトップタイプのキャップ)に関するものであり、該注出キャップを容器の口部から取り外して分別回収することにより資源の有効活用を図ろうとするものである。
破断予定溝に沿って密閉壁を引きちぎり注出開口を形成する注出キャップは、容器の不正な開封を防止することが可能であり、しかも容器を高い密封状態に維持できることから、近年、食用油や醤油、飲料等を入れる容器等に多用されている。
ところで、この種の注出キャップは、有効資源の活用を図る観点から容器の廃棄に際しては該注出キャップを取り外して分別回収することが要求されているところ、該注出キャップは、商品の流通時あるいは使用時において簡単に外れることがないように強固に打栓されており、使用済み容器を廃棄するに際して注出キャップを取り外すのは容易でないのが現状であった。
この点に関する先行技術としては、容器口部にアンダーカット結合する係止突条を、キャップ本体の外筒の内周面に突周設し、外筒の前側外周面及び外周面に、それぞれ破断不能な連結片及び破断可能な弱化部を介して連結されたリング体により外筒を囲み、リング体に、後側に設けたヒンジを介して蓋体を一体設し、キャップ本体が容器口部に組付いた状態で、外筒とリング体とが当接もしくは近接し、容器口部に対する外筒の組付き強度を、人手により蓋体の強引な引上げ操作により取外しできる程度設定したヒンジキャップが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-246338号公報
しかしながら、上記従来のヒンジキャップは蓋体の強引な引上げ操作を伴うものであることからキャップ本体が取り外される前にヒンジが破断してしまうこともしばしば見受けられ未だ改善の余地が残されていた。
本発明の課題は、上記のようなヒンジ部の破断を伴うことなしに確実に容器の口部から取り外すことができる新規な注出キャップを提案するところにある。
本発明は、注出筒部を有し容器の口部にアンダーカット係合にて固定保持されるベースと、このベースの注出筒部の内側に一体成形され破断予定溝に沿う引きちぎりによって注出開口を形成する密閉壁と、この密閉壁に支柱を介して接続し該密閉壁の引きちぎりを司るプルリングと、前記ベースの先端開口に合わさり該注出筒部を閉塞する蓋体と、前記ベースの外周壁を隙間を隔てて取り囲む環状体と、この環状体及びベースをその下端部において部分的に切り離し可能に連結する連結片とを備えた注出キャップであって、
前記環状体の内壁面及びベースの外周壁の少なくとも一方に、ベースの周りに沿って連続的又は断続的に伸延する凹部を1以上設けたことを特徴とする注出キャップである。
ベースと環状体との間の隙間に指を差し込み、差し込んだ指でベースを支えながら蓋体を引上げて容器の口部から注出キャップを取り外すことで、ヒンジ部分からの破断が回避される。
指を差し込む隙間に形成された凹部は、注出キャップの取り外しに際して指の滑り止めとして機能するので、ベースをしっかりと支えることができる。
また、上記の凹部は、注出キャップを成形する金型の対応部位に凸部を設けることによって形成することになるので、金型の対応部位の厚さが増すこととなりその結果として該金型の使用寿命の延長化が可能となる。
とくに本発明で対象としている注出キャップの成形に際しては、滑り止めとして機能する凹部を設けることにより、その部位に対応する金型の肉厚が厚くできるため金型自体の強度を高めることができるとともに、樹脂圧の分散化が可能となり成形性の改善にもつながる。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1(a)(b)は本発明にしたがう注出キャップの実施の形態を示した図である。
図において1は容器の口部にアンダーカット係合によって固定保持することができるベースである。このベース1は注出筒部1aを有する。
また、2はベース1の注出筒部1aの内側に一体成形される密閉壁、3は密閉壁2に設けられた破断予定溝であり、この破断予定溝3に沿う引きちぎりによって注出開口を形成する。
4は密閉壁2の引きちぎりを司るプルリング、5はプルリング4を密閉壁2に接続する支柱、6はベース1の外周壁1bを隙間mを隔てて取り囲む環状体、7はベース1の前面で該ベース1の下端と環状体6の下端を相互に切り離し不能につなぐ連結片であり、この連結片7のベース1側の接続部位には図2にその要部を示す如く、ベース1の外周壁を分断し連結片7による引上げで外周壁1bを部分的にめくり上げスリットSが設けられている。
また、8はベースの前面及び背面を除いて該ベース1の下端と環状体6の下端を相互に切り離し可能につなぐ連結薄肉片、9はベース1の先端開口に合わさり注出筒部1aを閉塞する蓋体である。この蓋体9は管状体6の背面上端部でヒンジhを介してつながっている。
10はヒンジhが位置する部位における環状体6の内壁面に設けられた凹部である。この凹部10はヒンジhを含むベース1の周方向の半分程度の範囲(ヒンジhが中央に位置させるのが好ましい。)に設けることができ、注出キャップを容器の口部から取り外す際に指の滑り止めとして機能する。
さらに、11は連結薄肉片8の相互間に形成され洗浄等によって侵入した水を排出する開孔である。
上記の構成になる注出キャップは、容器の口部からの取り外すべく、蓋体9を引上げると、連結薄肉片8が次々に破断していき、環状体6も引上げられる。該連結薄肉片8が全て破断され連結片9まで達すると、図3に示すように、連結片9によりスリットSの相互間に位置するベース1の外周壁1bがめくり上げられ、この時、ベース1のアンダーカットcによる係合が解除されることとなり、ここを起点にして注出キャップが容器の口部から容易に離脱する。
蓋体9を引上げる際には、ベース1と環状体6との間の隙間mに指を差し入れて引上げ操作を補助することになるが、凹部10による滑り止め機能が有効に発揮されるのでベース1を確実に支えることができる。
凹部10は図4に示すようにベース1の外周壁1bに設けてもよいし、図5に示すようにベース1の外周壁1b及び環状体6の内壁面の両方に設けることができる。
図4に示すような凹部10を設ける場合には、容器の口部に注出キャップを固定保持(打栓)する際に、外周壁1bの変形が容易となりスムーズな打栓が行え、効率的な作業が可能となる。
また、図5に示すような凹部10を設けるには図4に示す凹部10と同様の効果が期待できるだけでなく、一層高い滑り止め効果が期待できるとともに、注出キャップを形成する金型の該当部位の厚さを厚くできるので、金型の長寿命化が可能となる。
蓋体をつなぐヒンジが破断することなしに容器の口部から取り外すことのできる注出キャップが提供できる。
(a)(b)は本発明にしたがう注出キャップの実施の形態を示した図である。 図1の要部を拡大して示した図である。 注出キャップの取り外し状況を示した図である。 本発明にしたがう実施の形態の他の例を示した図である。 本発明にしたがう実施の形態の他の例を示した図である。
符号の説明
1 ベース
1a 注出筒部
1b 外周壁
2 密閉壁
3 破断予定溝
4 プルリング
5 支柱
6 環状体
7 連結片
8 連結薄肉片
9 蓋体
10 凹部
11 開孔
m 隙間
S スリット

Claims (1)

  1. 注出筒部を有し容器の口部にアンダーカット係合にて固定保持されるベースと、このベースの注出筒部の内側に一体成形され破断予定溝に沿う引きちぎりによって注出開口を形成する密閉壁と、この密閉壁に支柱を介して接続し該密閉壁の引きちぎりを司るプルリングと、前記ベースの先端開口に合わさり該注出筒部を閉塞する蓋体と、前記ベースの外周壁を隙間を隔てて取り囲む環状体と、この環状体及びベースをその下端部において部分的に切り離し可能に連結する連結片とを備えた注出キャップであって、
    前記環状体の内壁面及びベースの外周壁の少なくとも一方に、ベースの周りに沿って連続的又は断続的に伸延する凹部を1以上設けたことを特徴とする注出キャップ。
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