JP6108096B2 - 凹凸構造体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法に関する。
従来から、いわゆるモスアイフィルムに代表される、微細な凹凸が表面に成形された凹凸構造体が広く一般的に知られている。そして、この凹凸構造体は、各種表示装置において、反射防止フィルムや防汚フィルムなどとして用いられていることが多い。
このような凹凸構造体が開示された先行技術文献としては、例えば下記の特許文献1を挙げることができる。
特開2010−082830号公報
特許文献1に開示されている凹凸構造体をはじめ、従来の凹凸構造体のほとんどは、電離放射線硬化性樹脂を用い、これを所定の型に流し込んだ後に電離放射線を照射して硬化せしめ、その後、型から剥離することにより製造されている。
ここで、凹凸構造体は、前記の通り各種表示装置における反射防止フィルムや防汚フィルムとして用いられることが多いことから、耐擦傷性が要求される場合がある。そして前記のような製造方法により製造される凹凸構造体において耐擦傷性を向上する場合、電離放射線の照射エネルギーを上げることで、電離放射線硬化性樹脂を可能な限り強く硬化させることが望ましいと考えられていた。
しかしながら、単純に照射エネルギーを上げてしまうと、硬度は向上するものの脆くなってしまう場合があり、表面の微細な凹凸が壊れやすくなり、必ずしも耐擦傷性の向上にはつながらないことを発明者らは見出した。また、高い照射エネルギーで電離放射線硬化性樹脂を硬化させた場合、透明性が低下することも見出した。
本願発明はこのような状況においてなされたものであり、所望の微細な凹凸構造を有しつつ、耐擦傷性に優れた凹凸構造体の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本願発明は、表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法であって、凹凸構造を形成するための型を準備し、前記型に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料を塗布する工程と、前記塗布された凹凸構造体形成用材料に電子線を照射する工程と、電子線の照射により硬化した硬化物を前記型から剥離する工程と、を含み、前記電子線を照射する工程においては、パルスNMR法によって前記硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85%〜90%となるように、電子線を照射することを特徴とする。
また、上記課題を解決するための別の発明は、表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法であって、基材上に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料を塗布する工程と、前記塗布された凹凸構造体形成用材料に、凹凸構造を形成するための型を押し当てる工程と、前記型を押し当てられた状態の凹凸構造体形成用材料に電子線を照射する工程と、電子線の照射により硬化した硬化物を前記型から剥離する工程と、を含み、前記電子線を照射する工程においては、パルスNMR法によって前記硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85%〜90%となるように、電子線を照射することを特徴とする。
本発明の凹凸構造体の製造方法によれば、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料を電子線の照射により硬化するにあたり、パルスNMR法によって前記硬化物のT2緩和時間を測定した場合の0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85%〜90%となるように電子線が照射される。ここで、0μs〜20μs領域における成分は硬質成分であるため、この硬質成分の比率を100%とするのではなく、全体の85%〜90%とすることにより、つまり硬化の程度を調整することにより、硬いが脆くはない凹凸構造体とすることができ、その結果、耐擦傷性を付与することができる。
本発明の第1の実施形態を説明するための工程図である。 本発明の第2の実施形態を説明するための工程図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に限定されることはなく、技術思想を逸脱しない範囲において種々変形を行なって実施することが可能である。また、添付の図面においては、説明のために上下、左右の縮尺を誇張して図示することがあり、実際のものとは縮尺が異なる場合がある。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の凹凸構造体の製造方法の第1の実施形態を説明するための工程図である。
(凹凸構造体形成用材料を塗布する工程)
図1(a)に示すように、本実施形態においては、凹凸構造を形成するための型10が準備され、この型10に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料12を塗布する工程が行われる。
本実施形態において準備される型10については特に限定されることはなく、製造しようとする凹凸構造体によって適宜設計・準備すればよい。例えば、反射防止のために用いられる、いわゆるモスアイフィルムを製造する場合にあっては、凸部の平均高さを10〜1000nm程度、換言すれば凹部の平均深さを10〜1000nm程度に設計すればよく、また凹凸の周期にあっても10〜1000nm程度に設計してもよい。
また、型10の材質についても特に限定されることはなく、従来公知の材質から適宜選択して用いればよい。
型10に塗布される凹凸構造体形成用材料12については、電子線硬化型、つまり電子線の照射により硬化する性質を持つものであれば特に限定されることはなく、従来公知の電子線硬化型組成物などから適宜選択して用いることができる。
より具体的には、電子線の照射により励起して、重合反応を生じることにより架橋、硬化する性能の官能基を有する化合物(重合性化合物という場合がある)を含むものであれば特に限定はないが、単官能もしくは多官能モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを含む組成物を用いることができる。
単官能もしくは多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を1または2以上有する化合物を挙げることができる。
1のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、たとえば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。
2以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、2官能以上の(メタ)アクリレートを好ましく用いることができる。2官能(メタ)アクリレートとしては、たとえば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の直鎖アルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#300ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジ(メタ)アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジ(メタ)アクリレート;1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートとしては、たとえば、グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリプロピオネート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノベンゾエート等が挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、たとえば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、これらの化合物は、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、多塩基酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール、等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては特に限定はないが、多価イソシアネート化合物のイソシアネート基に、分子中に1個の水酸基と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物の水酸基が反応してなる4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを好ましく用いることができ、4官能以上20官能以下のウレタン(メタ)アクリレートをさらに好ましく用いることができる。上記範囲のウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、レンズを柔軟でありながら強度に優れるものとすることができる。
前記多価イソシアネート化合物としては特に限定はなく、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物としては、たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、分子中に3個のイソシアネート基を有する化合物としては、たとえば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を変性してなるトリメチロールプロパン付加アダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体等が挙げられる。このうち、本発明には、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が特に好ましい。
分子中に1個の水酸基と2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物としては、特に限定はないが、分子中に3個以上の水酸基を有する化合物の水酸基に、(メタ)アクリル酸が反応した化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸が開環反応した化合物等が挙げられる。また、分子中に3個以上の水酸基を有する化合物としては、特に限定はないが、たとえば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、テトラメチロールエタン、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジテトラメチロールエタン;これらのエチレンオキサイド変性化合物;これらのプロピレンオキサイド変性化合物;イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性化合物、プロピレンオキサイド変性化合物、ε−カプロラクトン変性化合物等が挙げられる。より具体的には、ジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジテトラメチロールエタン等が特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートには、上記4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートに加えて、3官能以下のウレタン(メタ)アクリレートが含有されていてもよい。かかる3官能以下のウレタン(メタ)アクリレートの化学構造には特に限定はなく、公知のものが使用できる。ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、1000以上30000以下であることが好ましく、1000以上10000以下であることが特に好ましい。分子量が小さすぎると、レンズの柔軟性が低下する場合があり、分子量が大きすぎると、レンズの強度が低下する場合がある。優れた表面特性を得る観点から、ウレタンアクレートオリゴマーの二重結合当量は、100〜800、好ましくは150〜500である。ここで、二重結合当量は、紫外線または電子線などの照射により励起して、重合反応を生じることにより架橋、硬化する性能の官能基1個あたりの分子量を意味する。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有する化合物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレート化合物をいい、レンズ層を剛直なものとすることができる。エポキシ(メタ)アクリレートとしては特に限定はないが、具体的にはたとえば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコ−ルのジグリシジルエーテル類;グリセリンジグリシジルエーテル等のグリセリングリシジルエーテル類;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのPO変性ジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリジルエーテル等のビスフェノール系化合物のジグリシジルエーテル類等に、(メタ)アクリル酸を付加させた構造を有するもの等が挙げられる。また、縮重合されたエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させた構造を有するものが挙げられる。更に、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の縮重合物に、たとえばエピクロロヒドリン等を反応させて得られた構造を有するエポキシ樹脂に対して、(メタ)アクリル酸を付加させた構造を有するもの等が挙げられる。
上記化合物のほかに、電子線に対し硬化性を示す樹脂や電子線に対し非硬化性を示す樹脂を、本発明の目的を達成できる範囲で加えることができる。たとえば、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
凹凸構造体形成用材料12の全体に対する電子線硬化型組成物の配合比率としては、特に限定されることはない。たとえば、電子線硬化型組成物としてウレタンアクレートオリゴマーを用い、これと重合性モノマーを混合して凹凸構造体形成用材料12とする場合にあっては、ウレタンアクレートオリゴマーと重合性モノマーとの配合比率は、8:2〜2:8とすることが好ましい。この範囲よりもウレタンアクレートオリゴマーの比率が多くなると粘度が高くなり、泡の発生によって成型が困難となる可能性があり、一方でこの範囲よりも重合性モノマーの比率が多くなると、粘度が下がり、インキ流れによって成型が困難となる可能性があるからである。
また、凹凸構造体形成用材料12は、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、反応性微粒子、帯電防止剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤などを挙げることができる。
また、凹凸構造体形成用材料12には、溶剤を含有させることもできる。この場合の溶剤としては、たとえば、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶剤は凹凸構造体形成用材料12全体に対して、10%以下であることが好ましく、5%以下がより好ましく、含まれないのが最も好ましい。この範囲よりも溶剤の含有量が多くなると、粘度が下がり、インキ流れによって成型が困難となったり、凹凸構造体形成用材料12に電子線を照射して硬化したとき、凹凸構造体内部に気泡が残ったりする可能性がある。
凹凸構造体形成用材料12を型10に塗布する方法については特に限定されることはなく、慣用されている各種塗布方法を適宜選択して用いることができる。例えばスプレーなどによって塗布してもよいし、ディップコーティング法やスピンコーティング法を用いてもよい。
型10に塗布される凹凸構造体形成用材料12の厚さについても特に限定されることはなく、製造目的物である凹凸構造体の用途などに応じて適宜設計可能である。例えば、10μm〜200μm程度でもよい。
(電子線を照射する工程)
次いで、図1(b)に示すように、型10に塗布された凹凸構造体形成用材料12に電子線を照射する工程が行われる。
ここで、本実施形態においては、当該電子線を照射するにあたり、パルスNMR法によって照射後の硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85〜90%となるように、電子線を照射することに特徴を有している。このように、照射後の硬化物のT2緩和時間を測定することにより得られる0μs〜20μs領域における成分比率を考慮しつつ電子線を照射することにより、凹凸構造体形成用材料12を適度に硬化せしめることができ、その結果、硬いが脆くはない凹凸構造体とすることで耐殺傷性を向上することができる。
ここで、本願におけるパルスNMR法による硬化物のT2緩和時間の測定について説明する。使用する装置は、パルスNMR測定装置(日本電子株式会社製:JNM−MU25)であり、測定温度は室温である。また測定方法は、ソリッドエコー法(90°x−τ−90°y)である。
また、本願におけるT2緩和時間とは、パルスNMR測定において、測定されるプロトンのスピン−スピン緩和時間T2のことを指す。T2緩和時間の逆数と硬化物つまりポリマーの架橋密度(分子運動の拘束の度合い)とは正の直線相関を示すため、T2緩和時間は硬化物を構成するポリマー成分の架橋密度の指標となり得る。具体的には、硬化物をパルスNMR測定すると、1以上の(例えば、2または3の)T2緩和時間が得られ、T2緩和時間の大小は、硬化物を構成するポリマー成分の架橋密度の高低に対応する。すなわち、分子運動が拘束された架橋密度の高いポリマー成分、つまり硬質成分は、小さいT2緩和時間を示す。一方、架橋密度の低いポリマー成分、つまり軟質成分は、大きいT2緩和時間を示す。
本実施形態においては、0μs〜20μs領域における成分比率、つまり架橋密度の低い、いわゆる軟質成分が全体の85〜90%となるように電子線を照射しているため、適度に軟質成分が残存した硬化物を得ることができるので、硬いが脆くなく、したがって耐擦傷性に優れた凹凸構造体を製造することができるのである。
ここで、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85〜90%となるような電子線の照射条件については、特に限定することはなく、照射する電子線の照射線量、印加電圧、電子線の照射源から凹凸構造体形成用材料12までの距離、照射方向、さらには照射時間などを適宜調整すればよい。
(凹凸構造体を剥離する工程)
次いで、図1(c)に示すように、前記電子線照射工程によって硬化された硬化物、つまり凹凸構造体20を型10から剥離する工程が行われる。
当該工程については特に言及することはなく、凹凸構造体20の表面に形成された凹凸構造を破壊しないように適宜剥離すればよい。
本実施形態にかかる製造方法によれば、所望の微細な凹凸構造を有し、かつ耐擦傷性に優れた凹凸構造体20を製造することができる。
<第2の実施形態>
図2は、本発明の凹凸構造体の製造方法の第2の実施形態を説明するための工程図である。なお、第2の実施形態において用いられる凹凸構造体形成用材料12や型10などについては、前記第1の実施形態と同じであるため、ここでの説明は省略し、第2の実施形態については、その工程順のみ説明する。
(凹凸構造体形成用材料を塗布する工程)
図2(a)に示すように、本実施形態においては、基板50が準備され、この基板50上に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料12を塗布する工程が行われる。
ここで用いられる基板50としては特に限定されることはなく、最終的に製造される凹凸構造体においても基板として機能ことを考慮し、凹凸構造体の用途や求められる性能に応じて適宜選択することができる。その材質としては、例えば、ガラスや各種樹脂さらには紙などであってもよい。また、、基板50の厚さについても特に限定されることはないが、例えば数10μm〜数mmとしてもよい。
(型を押し当てる工程)
次いで、図2(b)に示すように、凹凸構造を形成するための型10を押し当てる工程が行われる。
(電子線を照射する工程)
次いで、図2(c)に示すように、凹凸構造体形成用材料12に電子線を照射する工程が行われる。この工程においては、前記第1の実施形態と同様、パルスNMR法によって照射後の硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85〜90%となるように、電子線が照射される。
(凹凸構造体を剥離する工程)
次いで、図2(d)に示すように、前記電子線照射工程によって硬化された硬化物、つまり凹凸構造体20を型10から剥離する工程が行われる。
図2に示した本実施形態にかかる製造方法によっても、所望の微細な凹凸構造を有し、かつ耐擦傷性に優れた凹凸構造体20を製造することができる。
(実施例1)
基板として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、この上に以下に示す凹凸構造体形成用材料を厚さ20μmとなるように塗布した。
<凹凸構造体形成用材料>
・ウレタンアクリレート系電子線硬化性樹脂組成物(ビームセット575:荒川化学工業社製:固形分100%)
次いで、モスアイ型反射防止フィルム製造用の金属製の型を準備し、ゴムローラを用いて10N/cmの荷重で前記型を凹凸構造体形成用材料に押し当てた。
次いで、基板側からから電子線(照射線量5Mrad、印加電圧165kV)を照射して凹凸構造体形成用材料を硬化させ、型から剥離することで実施例1の反射防止フィルムとしての凹凸構造体を得た。
<パルスNMR法によるT2緩和時間の測定>
実施例1の反射防止フィルムとしての凹凸構造体を短冊状にカットし、これを隙間なくサンプルチューブに充填し、パルスNMR測定装置(日本電子株式会社製:JNM−MU25)を用いてT2緩和時間を測定した。なお、測定温度は室温であり、測定方法はソリッドエコー法(90°x−τ−90°y)とした。そして、測定したT2緩和時間の全体に対する0μs〜20μs領域における成分比率を算出した。
<耐擦傷性評価>
実施例1の反射防止フィルムとしての凹凸構造体の凹凸が形成された表面を、50gの荷重をかけた#0000番のスチールウールで10往復こすり、傷の有無を目視にて確認した。
測定したT2緩和時間の全体に対する0μs〜20μs領域における成分比率、耐擦傷性評価の結果、および諸条件について以下の表1に纏める。
(実施例2〜9及び比較例1〜5)
電子線の照射条件を変えることにより、T2緩和時間の全体に対する0μs〜20μs領域における成分比率を変えた実施例および比較例の凹凸構造体、さらには、使用する凹凸構造体形成用材料を変えた実施例および比較例の凹凸構造体を製造し、それぞれについて、実施例1と同様の耐擦傷性評価を行った。
その結果も合わせて以下の表1に纏める。
Figure 0006108096
ただし、表中の「凹凸構造体形成用材料」の欄のAおよびBは以下の材料をいう。
A:ウレタンアクリレート系電子線硬化性樹脂組成物
(ビームセット575:荒川化学工業社製:固形分100%)
B:ペンタエリスリトールポリアクリレート系電子線硬化性樹脂組成物
(ビームセット700:荒川化学工業社製:固形分100%)
また、表中の「耐擦傷性評価」の欄の○および×は以下を意味する。
○:目視により傷が確認できない
×:目視により傷が確認できる
実施例および比較例からも、本願発明の製造方法によれば、耐擦傷性に優れた凹凸構造体を製造することができることが分かった。
10…型
12…凹凸構造体形成用材料
20…凹凸構造体
50…基板

Claims (2)

  1. 表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法であって、
    凹凸構造を形成するための型を準備し、
    前記型に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料を塗布する工程と、
    前記塗布された凹凸構造体形成用材料に電子線を照射する工程と、
    電子線の照射により硬化した硬化物を前記型から剥離する工程と、
    を含み、
    前記電子線を照射する工程においては、パルスNMR法によって前記硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85〜90%となるように、電子線を照射する
    ことを特徴とする表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法。
  2. 表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法であって、
    基材上に、電子線硬化型の凹凸構造体形成用材料を塗布する工程と、
    前記塗布された凹凸構造体形成用材料に、凹凸構造を形成するための型を押し当てる工程と、
    前記型を押し当てられた状態の凹凸構造体形成用材料に電子線を照射する工程と、
    電子線の照射により硬化した硬化物を前記型から剥離する工程と、
    を含み、
    前記電子線を照射する工程においては、パルスNMR法によって前記硬化物のT2緩和時間を測定した場合、0μs〜20μs領域における成分比率が全体の85〜90%となるように、電子線を照射する
    ことを特徴とする表面に凹凸構造を有する凹凸構造体の製造方法。
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