JP6107457B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
そこで、袋状とされたシートカバーの開口側に開閉自在のファスナを設けて、シートカバーの装着時に開口を広げられるようにしている(下記特許文献1参照)。
このような問題に鑑み本発明の課題は、ファスナを乗物用シートのデザインに活かすことにより、ファスナがシートカバーの外部に露出しても見栄えを良くすることにある。
第1発明によれば、ファスナを成す帯状体をシート表面上に描かれるデザイン上の1本のラインとしてシートカバー上に設置するため、ファスナを乗物用シートのデザインを良くするためのものとして利用することができる。しかも、ファスナの帯状体によって描かれるラインは、通常行われるステッチによるラインに比べて単独の帯状体でも太くて存在感をアピールできるものとすることができる。そのため、ファスナがシートカバーの外部に露出しても見栄えを良くすることができる。その結果、ファスナを隠す位置に設置するような制約なしに自由度高くシートをデザインすることができる。
第2発明によれば、帯状体に装飾が施されることにより、ファスナの見栄えを良くし、更に乗物用シートのデザインを良くするためにファスナを利用することができる。
ファスナのエレメントは、金属や樹脂でできており、シートカバーの表皮材に比べて硬いため、乗物用シートに着座した乗員がファスナに触れると、表面が柔らかく、滑らかに形成されたシートカバーの途中でファスナに触れたとき、乗員に異物感を与える。第3発明によれば、ファスナが乗員の着座時に触れ難い位置に設置されているため、上記異物感を乗員に与える可能性を抑制することができる。
また、ファスナがカマチ部に設置されているため、このファスナを開閉してカマチ部に隣接するサイドサポート部のシートカバー内に、例えばサイドサポートとして機能する部品のようなものを任意に挿入することができる。
自動車用フロントシート(以下、単にシートという)10は、周知のとおり、主にシートバック12、シートクッション16及びヘッドレスト14が組み合わされて成る。シートバック12は、骨格であるバックフレーム(不図示)の乗員着座面側に緩衝体であるバックパッド(不図示)を設け、このバックフレームを含むバックパッドの表面に袋状のシートカバーを被せて成る。シートクッション16は、骨格であるクッションフレーム(不図示)の乗員着座面側に緩衝体であるクッションパッド(不図示)を設け、このクッションフレームを含むクッションパッドの表面にシートカバーを被せて、シートカバーの周辺でクッションフレームに吊り込まれて成る。
ファスナ22は、2本のテープ22A、22Bがエレメント22Cによって結合されることによって1本の帯状体とされている。シートバック12のカマチ部12Bのシートカバー20A、20Bを、図4に示すように、各テープ22A、22Bに縫合することによって、シートバック12のカマチ部12Bには、2本のテープ22A、22Bの一部とエレメント22Cとから成る帯状体がシート表面上に描かれるデザイン上の1本のラインとして意匠面上に目立つように設置される。ファスナ22は、シートバック12の上部のヘッドレスト14との境界部からシートバック12の下端部まで滑らかな曲線を描くように設けられている。シートバック12の下端部には、ファスナ22のエレメント22Cを結合させた状態のスライダ22E及びプラー22Dが位置している。スライダ22E及びプラー22Dを含むシートバック12の下端部は、シートクッション16の下部も含めて、シールド18によって被われている。図1では、スライダ22E及びプラー22Dを含むファスナ22の先端部は、シートバック12の下端部から突出した状態とされているが、振動を受けたとき異音を発生しないようにするため、適当な留め具によってバックフレームに固定されるのが好ましい。
なお、ここでは、エレメント22Cにメッキが施されており、更に装飾効果が高められている。
なお、シートクッション16に設けられたファスナ22は、これを開閉する機能上の意味はなく、デザイン上の必要のみで設けられている。
また、上記実施形態では、ファスナ22がシートバック12及びシートクッション16のカマチ部12B、16Aにあり、乗員の着座時に触れ難い位置に設置されているため、乗員に異物感を与える可能性を抑制することができる。即ち、ファスナ22のエレメント22Cは、金属や樹脂でできており、シートカバーの表皮材に比べて硬いため、シート10に着座した乗員がファスナ22に触れると、表面が柔らかく、滑らかに形成されたシートカバーの途中でファスナ22に触れたとき、乗員に異物感を与える。上記実施形態では、この問題を抑制している。
更に、上記実施形態では、ファスナ22がシートバック12及びシートクッション16のカマチ部12B、16Aに設置されているため、このファスナ22を開閉してカマチ部12B、16Aの天板部側に隣接するサイドサポート部のシートカバー内に、例えばサイドサポートとして機能する部品のようなものを任意に挿入することができる。
1.上記実施形態では、シートフレームの着座面側に設けられる緩衝体として、発泡ウレタン製のバックパッドを採用したが、金属製のパネルを採用しても良い。
2.上記実施形態では、ファスナによる帯状体をシートバック及びシートクッションの両カマチ部に1本ずつ設けたが、それ以外に追加して設けても、また減らしても良い。
3.上記実施形態では、シートバックに袋状のシートカバーを被せる例を説明したが、シートクッションも袋状のシートカバーを被せるものとしても良い。或いは、シートクッションのみが袋状のシートカバーを被せるものとされても良い。
4.上記実施形態では、本発明を自動車用シートに適用したが、飛行機、船、電車等のシートに適用しても良い。
12 シートバック
12A 天板部
12B カマチ部
12C 背裏部
14 ヘッドレスト
16 シートクッション
16A カマチ部
18 シールド
20A、20B シートカバー
22 ファスナ(帯状体)
22A、22B テープ
22C エレメント
22D プラー
22E スライダ
Claims (3)
- クッションフレームの着座面側に緩衝体を設け、このクッションフレームを含む緩衝体の表面に袋状のシートカバーを被せて成るシートクッションを備える乗物用シートであって、
前記袋状のシートカバーは、着座面の両側部にカマチ部を備え、
このカマチ部には、シートの前部から後部にかけて前後方向に伸びるファスナが、このカマチ部に限定して設けられており、
このファスナは、前後方向に伸びる2本のテープがエレメントによって結合されることによって1本の帯状体とされ、この帯状体をシートカバーの外表面上に露出させて設置することを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1において、
前記ファスナのエレメントには、メッキが施されていることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1又は2において、
シートクッションの下部は、シールドにより被われており、
前記ファスナの後端は、前記シールドにより被われていることを特徴とする乗物用シート。
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