JP6106862B2 - 洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛 - Google Patents

洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛 Download PDF

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本発明は、救急隊、消防隊或いは救援隊等が着用する感染防止衣又は医療従事者等の外衣として用いるのに適した、洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛に関するものである。
従来より、透湿性に優れた血液及びウイルスバリア性積層布帛として、表地、第一接着剤層、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなるものが知られている(特許文献1の段落0003)。微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムが用いられている理由は、これが透湿性に優れかつ血液及びウイルスバリア性にも優れているからである。
しかしながら、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムは摩擦耐久性が不十分であることが知られている(特許文献1の段落0004)。したがって、この血液及びウイルスバリア性積層布帛を用いた外衣に繰り返し洗濯したり、滅菌処理したりすると、透湿性が低下し、また血液バリア性やウイルスバリア性も低下するという欠点があった。このため、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に親水性樹脂皮膜を特定の態様で形成して、摩擦耐久性を向上させることが提案されている(特許文献1の特許請求項の範囲の項)。
しかるに、親水性樹脂被膜を設けた微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムを用いたウイルスバリア性積層布帛は、洗濯を繰り返すと、剥離しやすいということがあった。これは、親水性樹脂被膜自体が水洗によって溶解又は膨潤するためであると考えられる。また、親水性樹脂被膜と第一接着剤層及び/又は第二接着剤層との接着強度が水洗によって低下するためであると考えられる。
特開2001−315236号公報
本発明の課題は、洗濯を繰り返しても、剥離しにくいウイルスバリア性積層布帛を提供することにある。
本発明は、第一接着剤層及び第二接着剤層を構成している接着剤として特定の樹脂よりなる接着剤を採用すると共に、親水性樹脂被膜に代えて特定の疎水性樹脂被膜を採用することにより、上記した課題を解決したものである。すなわち、本発明は、表地、第一接着剤層、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、疎水性樹脂被膜、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなるウイルスバリア性積層布帛において、前記表地及び裏地は合成繊維を主体として構成されており、前記第一接着剤層及び第二接着剤層は、各々、架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されており、前記疎水性樹脂被膜は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されていることを特徴とする洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛に関するものである。
本発明に係るウイルスバリア性積層布帛は、洗濯耐久性に優れたものである。すなわち、当該ウイルスバリア性積層布帛を用いて得られた外衣は、使い捨てではなく、繰り返し洗濯及び滅菌処理して使用しうるものである。本発明に係るウイルスバリア性積層布帛は、表地4、第一接着剤層1、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3、疎水性樹脂被膜6、第二接着剤層2及び裏地5の順に積層一体化されてなる。
表地4及び裏地5は、従来公知の各種合成繊維を主体として構成された繊維布帛が用いられる。合成繊維としては、一般的に、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維等が用いられる。ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維は、洗濯及び滅菌処理耐久性に優れており、繰り返し再使用しても、強度低下が少ないからである。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維又はポリブチレンテレフタレート繊維等が用いられる。また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6繊維やナイロン66繊維等が用いられる。もちろん、洗濯及び滅菌処理耐久性に影響を与えない範囲で、その他の繊維を混合してもよい。その他の繊維としては、たとえば、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、トリアセテート系繊維又は綿や麻等の天然繊維が挙げられる。
繊維布帛としては、編織物又は不織布等が用いられるが、洗濯及び滅菌処理耐久性という観点からは編織物であるのが好ましい。具体的には、表地4及び裏地5として、ポリエチレンテレフタレート繊維或いはナイロン66繊維よりなるマルチフィラメント糸又は紡績糸を用いて製編織した編織物が用いられる。また、表地4と裏地5とは、同一の編織物であってもよいし、異なる編織物であってもよいが、一般的には同一の編織物を採用するのが好ましい。同一の編織物を採用すると、洗濯時や滅菌処理時において、表地4と裏地5が同様の収縮挙動を示すので、積層布帛がより剥離しにくくなり、洗濯及び滅菌処理耐久性が向上するからである。
透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3は、空孔率が50〜90%程度で、かつ、最大細孔径が0.01〜10μm程度で、公知のものである。また、その厚みは6〜50μm程度である。具体的には、市販品であるゴアテックス(登録商標)(W.L.ゴア アンド アソシエイツ インコーポレイティド社製)やテトラテックス(登録商標)(日本ドナルドソン株式会社製)が用いられる。この微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3は、疎水性樹脂被膜6によって、摩擦耐久性が向上している。
疎水性樹脂被膜6は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として形成されている。非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるものである。ジオール及びジイソシアネートが、両者共に二官能であるため、架橋することのない非架橋型ポリウレタン樹脂となる。かかる非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含む溶液を、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3に塗布し乾燥すれば、疎水性樹脂被膜6が形成されることになる。したがって、疎水性樹脂被膜6は、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3の微多孔に入り込んだり、塗布面から反対面へ突き抜けたりした状態となっている。図1は模式的に示したものであるため、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3の片面に貼合された状態となっているが、現実には、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3の内部や他面にも疎水性樹脂被膜6の一部が存在することになる。
疎水性樹脂被膜6は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されているが、さらに、非架橋型の他のポリウレタン樹脂を混合してもよい。たとえば、非架橋型ポリエーテルポリウレタン樹脂や非架橋型ポリエステルポリウレタン樹脂等を混合してもよい。他のポリウレタン樹脂を混合するのは、透湿度をより向上させたり、風合を良好にするためなどの理由からである。
第一接着剤層1及び第二接着剤層2は、各々、架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されている。架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオールとポリメリックMDI等のポリイソシアネートとを反応させて得られるものである。ポリメリックMDI等のポリイソシアネートは、三官能以上であるため、ポリカーボネートジオールと反応させると網目状の架橋型ポリウレタン樹脂となる。ジオールとポリイソシアネートの硬化は、湿気が存在すると進行するので、大気雰囲気下で湿気硬化型ポリウレタン樹脂よりなる溶液を塗布して、第一接着剤層1及び第二接着剤層2を形成するのが好ましい。もちろん、硬化剤を含むポリウレタン樹脂溶液を塗布して、第一接着剤層1及び第二接着剤層2を形成してもよい。
架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体とする接着剤は、ホットメルト型接着剤でも溶液型接着剤でもよい。ホットメルト型接着剤としては、空気中の湿気で硬化するタイプ(湿気硬化型)のものを採用するのが好ましい。また、溶液型接着剤としては、硬化剤と架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂とからなる2液型のものを採用するのが好ましい。
ポリカーボネートジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキルジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、 2−ペンチル,2−プロピル−1,3−プロパンジオール等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール等の1種または2種以上のジオールとジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等の1種または2種以上の炭酸ジエステルとのエステル交換反応により得られるものが用いられる。この中でも、有機溶剤に対する溶解性や溶融樹脂としての粘性面等から、結晶性を低減させる意味合いで、ジオールとしては、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを主体とし、炭酸ジエステルとしては、高圧湿熱滅菌に対する耐久性の観点から、ジアリールカーボネートを主体として用いるのが好ましい。
ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1 ,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニールジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが用いられる。高圧湿熱滅菌に対する耐久性の観点から、芳香族ジイソシアネートを主体として用いるのが好ましい。また、三官能以上のポリイソシアネートとしては、一般的にポリメリックMDIが用いられる。なお、鎖延長剤として、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレンジアミン等を混合して、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂又は架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を形成してもよいことは、言うまでもない。
疎水性樹脂被膜6は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含む溶液を、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3に塗布して形成する。塗布方法としては、グラビアコーター法、キスコーター法又はロールナイフコーター法等の従来公知の方法を採用することができる。本発明においては、グラビアコーター法を採用するのが好ましい。グラビアコーター法は、表面に凹凸が付与されたグラビアコールを用いて、塗布するものであり、この凹凸を適宜選択することによって、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3全面に疎水性樹脂被膜6を設けることもできるし、部分的に疎水性樹脂被膜6を設けることができる。疎水性樹脂被膜6は、微細な凹凸を持つグラビアロールを用いて、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3全面に設けるのが好ましい。
第一接着剤層1と第二接着剤層2は、架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を表地4、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3、疎水性樹脂被膜6又は裏地5に塗布して形成する。塗布方法は、前記と同様に従来公知の方法を採用しうるが、グラビアコーター法を採用するのが好ましい。そして、第一接着剤層1と第二接着剤層2の場合は、比較的粗い凹凸を持つグラビアロールを用いて、被塗布面に部分的に形成するのが好ましい。たとえば、グラビアロールの凹凸を、比較的粗い格子柄或いはドット柄或いは亀甲柄とし、被塗布面に10〜90%程度の割合で、第一接着剤層1又は第二接着剤層2を形成するのが好ましい。
本発明に係る洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛は、ウイルスバリア性及び血液バリア性に優れているため、救急隊、消防隊或いは救援隊等が着用する感染防止衣や、手術着等の医療従事者の外衣を縫製する際の素材として好適である。また、食品や薬品等の製造者の作業着を縫製する際の素材としても好適である。
本発明に係るウイルスバリア性積層布帛は、表地、第一接着剤層、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、疎水性樹脂被膜、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されている。そして、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの微多孔に入り込んだり、突き抜けたりした状態となっている疎水性樹脂被膜が非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂よりなり、一方、第一接着剤層及び第二接着剤層のいずれもが架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂よりなっている。すなわち、疎水性樹脂被膜、第一接着剤層及び第二接着剤層のいずれもが、ポリカーボネートポリウレタン樹脂よりなっているため、相互に親和性が良好で、接着力が高くなっている。したがって、繰り返し洗濯を行っても、積層布帛が剥離しにくく、洗濯耐久性に優れるという効果を奏する。
実施例1
表地、裏地及び透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムとして、以下のものを準備した。
[表地及び裏地]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸56dtex/24fを用いて、32Gトリコットハーフを編成し、公知の方法で精練(精練剤;日華化学株式会社製「サンモールFL」 1g/L、80℃で20分)、染色(分散染料;ダイスタージャパン株式会社製「DianixBlueUN−SE」0.5%omf、130℃で30分)を行って、表地及び裏地を準備した。表地と裏地は同一である。
[透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム]
厚み20μmのポリテトラフルオロエチレンフィルム[日本ドナルドソン株式会社製、商品名「Tetratex」(登録商標)]を準備した。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に、格子柄の凹凸を持つグラビアロール(20線/inch、深度;0.15mm、容積;約65cm3/m2)を用いて、120℃にて溶融させ粘度が2500mPa・sの湿気硬化型ホットメルト接着剤[DIC株式会社製、主成分;架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂、タイプ;無溶剤型、商品名「タイフォースNH−100X」(登録商標)]を塗布し、接着剤層を得た。接着剤層の厚みは約50μmであり、その占有面積は約40%であった。自然冷却後に、圧力300kPaで接着剤層に表地を当接して貼合し、常温下で2日間熟成を行って架橋を進行させ、第一接着剤層を形成した。
一方、前記のポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、ドット柄のハイメッシュグラビアロール(73メッシュ、ドット;円、幅;0.25mm、ドット面積;約50%、深度;0.05mm、)を用いて、下記処方1に示す組成の非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂溶液を塗布した。塗布量は10g/m2(乾燥後の厚みは約2.5μmに相当する。)で、塗布面積は約75%であった。その後、120℃で2分間の乾燥を行い、厚みが1.5〜2.0μmの疎水性樹脂被膜を形成した。乾燥後において、疎水性樹脂被膜の厚みが約0.5〜1.0μm程度減少しているのは、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂がポリテトラフルオロエチレンフィルムの微多孔に入り込んだり、反対面へ突き抜けて第一接着剤層と接触しているためである。
<処方1>
レザミンCUS1500 100質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分30質量%の非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂溶液)
メチルエチルケトン 55質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 10質量部
次に、前記疎水性樹脂被膜面に対し、第一接着剤層を形成したのと同一の方法で第二接着剤層を形成すると共に裏地を貼合し、積層布帛を得た。
最終仕上として、下記処方2に示すフッ素系撥水剤エマルジョンを調製し、パディング法にてピックアップ率40%の割合で積層布帛に付与し、120℃で2分間の乾燥後、170℃で1分間ファイナルセットを行い、洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛を得た
(処方2)
アサヒガードAG−E082 50質量部
(旭硝子株式会社製、フッ素系撥水剤エマルジョン)
メイカネート WEB 10質量部
(明成化学工業株式会社製、ブロックドイソシアネート架橋剤)
イソプロピルアルコール 10質量部
実施例2
実施例1と同一の方法で、第一接着剤層を形成し、表地とポリテトラフルオロエチレンフィルムとを貼合した。そして、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、ドット柄のハイメッシュグラビアロール(102メッシュ、ドット;円、幅;0.2mm、ドット面積;約60%、深度;0.05mm)を用いて、下記処方3に示す組成の非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂溶液を塗布した。塗布量は20g/m2(乾燥後の厚みは約3.5μmに相当する。)で、塗布面積は約100%であった。その後、120℃で2分間の乾燥を行い、厚みが2.5〜3.0μmの疎水性樹脂被膜を形成した。乾燥後において、疎水性樹脂被膜の厚みが約0.5〜1.0μm程度減少しているのは、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂がポリテトラフルオロエチレンフィルムの微多孔に入り込んだり、反対面へ突き抜けて第一接着剤層と接触しているためである。
<処方3>
レザミンCUS1500 100質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分30質量%の非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂溶液)
ハイレムンY267M−1 30質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分17質量%の非架橋型ポリエーテルポリウレタン樹脂溶液)
メチルエチルケトン 65質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 10質量部
次に、裏地の片面に、亀甲柄のハイメッシュグラビアロール(64メッシュ、線幅;0.35mm、凹部面積;約80%、深度;0.08mm)を用いて、110℃にて溶融させ粘度が3000mPa・sの湿気硬化型ホットメルト接着剤[DIC株式会社製、主成分;架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂、タイプ;無溶剤型、商品名「タイフォースNH−100X」(登録商標)]を塗布し、接着剤層を得た。自然冷却後に、圧力300kPaで接着剤層に前記疎水性樹脂被膜を当接して貼合し、常温下で4日間熟成を行って架橋を進行させ、第二接着剤層を形成した。以上のようにして積層布帛を得た。
最終仕上として、上記処方2に示すフッ素系撥水剤エマルジョンを調製し、パディング法にてピックアップ率35%の割合で積層布帛に付与し、120℃で2分間の乾燥後、170℃で1分間ファイナルセットを行い、洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛を得た
比較例1
実施例1で用いた処方1を下記処方4に示す組成のポリエーテルポリウレタン樹脂溶液(固形分質量18質量%、粘度1600mPa・s/ 25℃)に代える他は、実施例1と全く同一の方法により、ウイルスバリア性積層布帛を得た。
<処方4>
ハイムレンY−261−1NS 100質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分質量30%のポリエーテルポリウレタン樹脂)
メチルエチルケトン 55質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 10質量部
実施例1、2及び比較例1で得られたウイルスバリア性積層布帛について、以下の試験を施した。この結果を表1に示した。
[耐水圧(kPa)]
JIS L−1096(高水圧法)に基づいて測定した。なお、表地及び裏地が編地のために、測定時に過剰な膨れが生じ、測定に支障を来すことが多々あるので、それを防止する目的で、経緯共に78dtex/24fナイロン6マルチフィラメント糸を用いた平織物の210本タフタ(経糸密度120本/inch、緯糸密度90本/inch)を積層布帛上に重ねて測定した。
[透湿度(g/m2・hr)]
JIS L−1099 B−1法(酢酸カリウム法)の記載に準拠して測定した。
[剥離強度(N/2.54cm巾)]
JIS L 1089に記載の方法に準拠して経方向の剥離強度を測定した。なお、剥離強度測定の際には、表地と裏地をチャックで把持し、表地及び裏地間の剥離強度を測定したものである。
[人工血液バリア性]
ASTM F 1670−08 B法に基づいて評価した。
[ウイルスバリア性]
ASTM F 1671−07 B法に基づいて評価した。
[表1]
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実施例1 実施例2 比較例1
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耐水圧(kPa) 250以上 250以上 250以上
透湿度(g/m2・hr) 325 418 462
剥離強度(N/2.54cm巾) 3.9 3.5 3.2
人工血液バリア性 合格 合格 合格
ウイルスバリア性 合格 合格 合格
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実施例1、2及び比較例1で得られたウイルスバリア性積層布帛に以下の工業洗濯及び滅菌処理を5サイクル施した。そして、工業洗濯及び滅菌処理後のウイルスバリア性積層布帛の耐水圧、人工血液バリア性及びウイルスバリア性を、上記した方法で測定した。また、表地と裏地の剥離状況を目視により観察した。その結果を表2に示した。
[1サイクルの工業洗濯]
工業洗濯機(スガ試験機株式会社製、LM−W型)を用いて、標準的な1回分の洗濯時間「 73℃×20分間」 から、下記条件を1サイクル(10回分)とした。
浴比;1:40(1.5kg:60L)
洗剤;ピュア−石鹸(株式会社不動化学製)1g/L、苛性ソーダ0.08g/Lを添加しpH値を10に調整したものを用いた。
工程;洗い(73℃×200分間)→湯洗(40℃×30分間)→オーバーフローすすぎ(常温×15分間)→脱水→タンブル乾燥(60℃×20分間)
[1サイクルの滅菌処理]
株式会社平山製作所製、高圧蒸気滅菌器「HV50型」を用いて、標準的な1回分の滅菌時間 「135℃×8分間」 から、「 135℃×80分間」 を1サイクル(10回分)とした。
[表2]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 実施例2 比較例1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
耐水圧(kPa) 250以上 250以上 115
人工血液バリア性 合格 合格 合格
ウイルスバリア性 合格 合格 不合格
剥離状況 なし なし 全体的に
部分剥離あり
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
表1と表2を対比すれば明らかなとおり、ポリテトラフルオロエチレンフィルムに非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を塗布した疎水性樹脂被膜を設けた実施例1及び2に係る積層布帛は、ポリテトラフルオロエチレンフィルムにポリエーテルポリウレタン樹脂を塗布した親水性樹脂被膜を設けた比較例1に係る積層布帛に比べて、洗濯及び滅菌処理後において、剥離しにくいということが分かる。また、比較例1に係る積層布帛は、親水性樹脂被膜であるため、洗濯及び滅菌処理後に、ウイルスバリア性が低下していることが分かる。
本発明の一例に係る積層布帛の模式的横断面図である。
1 第一接着剤層
2 第二接着剤層
3 透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム
4 表地
5 裏地
6 疎水性樹脂被膜

Claims (4)

  1. 表地、第一接着剤層、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、疎水性樹脂被膜、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなるウイルスバリア性積層布帛において、
    前記表地及び裏地は合成繊維を主体として構成されており、
    前記第一接着剤層及び第二接着剤層は、各々、架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されており、
    前記疎水性樹脂被膜は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体として構成されていることを特徴とする洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛。
  2. 疎水性樹脂被膜は、非架橋型ポリカーボネートポリウレタン樹脂を主体とし、さらに非架橋型ポリエーテルポリウレタン樹脂が混合されている請求項1記載の洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛。
  3. 第一及び第二接着剤層は、格子柄、ドット柄又は亀甲柄であって、その占有面積が10〜90%である請求項1記載の洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛。
  4. 表地及び裏地が同一の編織物である請求項1記載の洗濯耐久性に優れたウイルスバリア性積層布帛。
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