JP6105894B2 - 土台締結用ナット - Google Patents

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Description

本発明は、基礎コンクリートから立設され、土台に設けられたボルト孔に挿入されたアンカーボルトに螺合して土台を基礎コンクリートに緊締するために用いる土台緊締用ナットに関する。
基礎コンクリートから立設され、土台に設けられたボルト孔に挿入されたアンカーボルトに螺合して土台を基礎コンクリートに緊締するために用いる土台緊締用ナットとして、本出願人は、皿部(つば部)の下面側に、基礎コンクリート上に載置された土台を切削する切削刃を設けたものを提案している(例えば、特許文献1〜3参照。)
特許第2929576号公報 特許第3007297号公報 特開2009−91727号公報
しかし、上述の特許文献1〜3の土台締結用ナットでは、皿部の下面側に、円筒部の周囲から皿部の外周端まで一体的または断続的に延びる切削刃を設けているため、皿部の下面側に接触する土台表面全てを切削することになり、この土台締結用ナットを回転させるためには、大きな回転トルクが必要であった、そのため、この土台締結用ナットを回転させる工具であるインパクトレンチ等の負荷が大きいという問題があった。
そこで、本発明は、土台締結用ナットを回転させる工具の負荷を従来より低減させた土台締結用ナットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の土台締結用ナットは、基礎コンクリートから立設され、土台に設けられたボルト孔に挿入されたアンカーボルトに螺合するネジ孔を有する円筒部と、円筒部の上端に連設した皿部とを有する土台緊締用ナットであって、皿部の下面には、円筒部の周囲から皿部の外周端方向へ途中まで漸次上昇し、かつ、当該土台緊締用ナットの外側に向かって膨出する湾曲面を有する第1下面と、その第1下面の外周から皿部の外周端まで水平に延びる水平面を有する第2下面とを有し、その第2下面にのみ、基礎コンクリート上に載置された土台を切削する切削刃を突設したことを特徴とする。
ここで、皿部の第2下面に設けられる切削刃は、皿部の下面を平面視した際、回転方向側となる刃側の形状が、その中央が凸になるように湾曲していると良い。
本発明の土台締結用ナットでは、皿部の下面に、円筒部の周囲から皿部の外周端方向へ途中まで漸次上昇し、かつ、当該土台緊締用ナットの外側に向かって膨出する湾曲面を有する第1下面と、その第1下面の外周から皿部の外周端まで水平に延びる水平面を有する第2下面とを有し、その第2下面にのみ基礎コンクリート上に載置された土台を切削する切削刃を設け、第1下面には切削刃を設けないようにしたため、土台締結用ナットを回転させるための回転トルクが減少し、この土台締結用ナットを回転させる工具であるインパクトレンチ等の負荷を減少させることができる。
特に、本発明の土台締結用ナットでは、第1下面は当該土台緊締用ナットの外側に向かって膨出する湾曲面を有するので、切削刃近傍では第1下面の湾曲面が垂直方向、すなわち当該ナットの進行方向およびボルト孔の軸方向と平行に近付くことになる。そのため、第1下面の湾曲面が木材に接触した際の負荷が小さくなり、切削刃付きの土台締結用ナットを回転させる際の回転トルクが減少して、土台締結用ナットを回転させる工具であるインパクトレンチ等の負荷を減少させることができると共に、円筒部と皿部との境界部分が肉厚となるので、回転時の負荷による土台締結用ナット自体の破損もより防止できる。
本発明に係る土台締結用ナットの使用状態を示す断面図である。 (a),(b)それぞれ、土台締結用ナットの平面図、正面図である。 (a),(b)それぞれ、土台締結用ナットの底面図、A−A線部分断面図である。
以下、本発明に係る土台締結用ナットの実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態はその寸法等も含めあくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
図1〜図3に示すように、この土台締結用ナット1は、基礎コンクリート2から立設され、土台3に設けられたボルト孔31に挿入されたアンカーボルト4に螺合するネジ孔11aを有するその外径が約16mmの円筒部11と、円筒部11の上端に連設した外周端が円形の皿部12とを有する。なお、
皿部12の直径は、約45mmで、その上面には、図2(a),(b)に示すように、この土台締結用ナット1を回転させるインパクトレンチ(図示せず。)先端の6角形のビット(図示せず。)が嵌る対辺で約17mm、対角で約20mmのビット嵌合部12aが形成されている。皿部12の下面には、図2(a),(b)や図3(a),(b)に示すように、円筒部11の周囲から皿部12の外周端方向へ途中まで漸次上昇する湾曲面を有する第1下面121と、その第1下面121の外周から皿部12の外周端まで水平に延びる水平面を有する第2下面122とを有する。なお、第2下面122の厚さは、約3.5mmであり、第1下面121と第2下面122と合わせ厚さ(高さ)は、約10mmで、土台締結用ナット1の上下方向の長さ(高さ)は、全体として、約38mmとなる。
そして、この土台締結用ナット1では、図3(a)に示すように、その第2下面122に、基礎コンクリート2上に載置された土台3を切削する3つの切削刃122aを突設したことを特徴とする。
ここで、皿部12の第2下面122に設けられる切削刃122aは、皿部12の下面を平面視した際、図3(a)に示すように、回転方向側となる刃側の形状が、その中央が凸になるように例えば、曲率半径が約22mmで湾曲している。これにより、切削刃122aは、その刃先が湾曲していない直線状の場合よりも、土台3を切削した際に発生する切り屑をその内側または外側に均等に排出することになり、切り屑の排出性が向上する。
また、切削刃122aは、第2下面122にのみ設けられ、円筒部11に連続する湾曲面の第1下面121には設けられていないため、皿部11の下面側に接触する土台3の表面全てを切削せず、切削刃122aが設けられている第2下面122との接触面のみ切削することになる。
その結果、この土台締結用ナット1によれば、第1下面121に切削刃122aを設けない分、この土台締結用ナットを回転させるための回転トルクが減少し、この土台締結用ナット1を回転させる工具であるインパクトレンチ等の負荷を減少させることができる。
また、皿部12の第1下面121の外周側の外径は、約26mmであるのに対し、土台3に設けられたボルト孔31の内径は、それより小さい約20mm前後である。そのため、第1下面121に切削刃122aを設けないとしても、第1下面121の湾曲面がボルト孔31の内周縁を押し潰して拡径し、第1下面121がボルト孔31に嵌入するので、第1下面121に切削刃122aを設けなくても何ら問題ない。
1 土台締結用ナット
11 円筒部
12 皿部
121 第1下面
122 第2下面
122a 切削刃
2 基礎コンクリート
3 土台
31 ボルト貫通孔
4 アンカーボルト

Claims (2)

  1. 基礎コンクリートから立設され、土台に設けられたボルト孔に挿入されたアンカーボルトに螺合するネジ孔を有する円筒部と、
    円筒部の上端に連設した皿部とを有する土台緊締用ナットであって、
    皿部の下面には、円筒部の周囲から皿部の外周端方向へ途中まで漸次上昇し、かつ、当該土台緊締用ナットの外側に向かって膨出する湾曲面を有する第1下面と、その第1下面の外周から皿部の外周端まで水平に延びる水平面を有する第2下面とを有し、その第2下面にのみ、基礎コンクリート上に載置された土台を切削する切削刃を突設したことを特徴とする土台緊締用ナット。
  2. 請求項1記載の土台緊締用ナットにおいて、
    皿部の第2下面に設けられる切削刃は、皿部の下面を平面視した際、回転方向側となる刃側の形状が、その中央が凸になるように湾曲していることを特徴とする土台緊締用ナット。
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