JP6105261B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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本発明は、口腔用組成物に関する。
う蝕が生じる主な原因として、口腔内のプラーク(歯垢)の存在が知られている。このプラークは、主に細菌とグルカンから形成されており、口腔内において細菌が産生する酸の滞留場所となっている。そして、この酸が歯牙を脱灰することによりう蝕が生じる。従って、う蝕の予防には、プラークの除去が非常に有効である。
プラークの除去に効果のある成分としては、デキストラナーゼやムタナーゼ等のグルカナーゼがよく知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。グルカナーゼは、歯牙平滑面を薄く覆う形成初期のプラークの除去において高い効果を有する。しかしながら、時間経過と共に厚みを増し、強固になったプラークの除去においては、グルカナーゼ単独ではやや不十分である。
斯かる問題に対処すべく、グルカナーゼと他の成分とを併用する技術が数多く提案されている。例えば、特許文献3では、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸塩及び重曹をグルカナーゼと併用することによりグルカナーゼの安定性を向上させる技術が提案されており、特許文献4では、アニオン性界面活性剤、ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩、特定の香料成分及びメントールをグルカナーゼと併用することによりグルカナーゼの滞留性を向上させる技術が提案されている。また特許文献5では、カチオン性ポリマー、脂肪酸アミドプロピルベタイン、非イオン性セルロース誘導体及び縮合リン酸をグルカナーゼと組み合わせて含有するグルカナーゼ配合歯磨組成物が提案されており、斯かるグルカナーゼ配合歯磨組成物がグルカナーゼ滞留性及び安定性に優れ、平滑面の強固なプラークに対して優れた除去効果を発揮することが確認されている。
特許第782154号明細書 特許第1055365号明細書 特開2011−6328号公報 特開2002-187829号公報 特開2011−132139号公報
臼歯の咬合面には、幅100μm、深さ1mm程度の微細な構造を有する窪みや溝(すなわち、小窩裂溝)が存在する。斯かる小窩裂溝には食物残渣が溜まり易く、ミュータンス菌やイースト菌、乳酸菌が定着し易い。また、唾液のフローが少ないため、菌の入れ替えも少ない。さらに、その微細な構造ゆえに、歯ブラシや有効成分が届きにくいことも大きな特徴である。すなわち、小窩裂溝は口腔内細菌の温床となり易い。実際、う蝕予防技術としてフッ化物が普及し、平滑面・隣接面のう蝕が減少している一方で、咬合面う蝕の割合が増加しているという現状がある。
咬合面う蝕を予防する技術の一つとして、小窩裂溝中のプラークを除去することが注目されている。しかしながら、平滑面の強固なプラークに対して十分な除去効果を示す上記特許文献3〜5記載の技術をもってしても、小窩裂溝中のプラークに対しては十分な除去効果が得られず、依然として小窩裂溝中にプラークが残存することを本発明者らは見出した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、咬合面う蝕を抑制すべく、小窩裂溝に存在するプラークを顕著に除去する口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、グルカナーゼにラクタム化合物を併用することにより、小窩裂溝に存在するプラークを顕著に除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]を提供する。
[1] (A)γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれるラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物及び/又はその塩と、(B)グルカナーゼとを含有する口腔用組成物。
[2] (A)成分が、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩である、[1]に記載の口腔用組成物。
[3] (B)成分が、デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼである、[1]又は[2]に記載の口腔用組成物。
本発明によれば、小窩裂溝に存在するプラークを顕著に除去する口腔用組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の説明において「%」は、特に説明がない限り「質量%」を意味する。
<(A)成分>
本発明の口腔用組成物に含有される(A)成分は、γ−ラクタム骨格、δ−ラクタム骨格及びε−ラクタム骨格からなる群から選ばれるラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物及び/又はその塩である。
本発明では、斯かる(A)成分を、(B)成分であるグルカナーゼと組み合わせて使用することにより、小窩裂溝に存在するプラークを顕著に除去する口腔用組成物を実現したものである。すなわち、(A)成分は、グルカナーゼの小窩裂溝中プラークに対する除去効果を改善する効果を奏する。
(A)成分としては、上記特定の3種のラクタム骨格のいずれかを有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩であれば、特に限定されず、分子中に二種以上のラクタム骨格及び/又は酸性基を有していてもよい。好適な一実施形態では、(A)成分は、ラクタム骨格としてγ−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有する。
(A)成分が有する酸性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、及びスルホン酸基等が挙げられる。中でも、酸性基としてはカルボキシル基が好ましい。
γ−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するγ−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、ピロリドンカルボン酸、4−(3−ヒドロキシフェニル)−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−3,5−ジオン、2−(3,5−ジオキソ−4−Aza−tricyclo(5.2.1.0(2,6))Dec−8−エン−4−yl)benzoic acid、及びそれらの塩が挙げられる。中でも、酸性基を有するγ−ラクタム化合物又はその塩としては、ピロリドンカルボン酸及びその塩が好ましい。
δ−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するδ−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタン酸、1−エチル−6−オキソ−3−ピペリジンカルボン酸、及びそれらの塩が挙げられる。中でも、酸性基を有するδ−ラクタム化合物又はその塩としては、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸及びその塩が好ましい。
ε−ラクタム骨格を有し、かつ酸性基を有するラクタム化合物又はその塩(以下、「酸性基を有するε−ラクタム化合物又はその塩」という。)としては、例えば、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、3−(2−ブロモ−5−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−2−アゼパノン、及びそれらの塩が挙げられる。中でも、酸性基を有するε−ラクタム化合物又はその塩としては、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸及びその塩が好ましい。
(A)成分が塩の形態である場合、斯かる塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定はされない。薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。
好適な一実施形態において、(A)成分は、ピロリドンカルボン酸、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、及びそれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物である。中でも、小窩裂溝中プラークの除去効果を高める観点から、(A)成分は、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩であることが特に好ましい。
(A)成分として用いられるラクタム化合物又はその塩は、公知のスキームに従って合成することができる。あるいは(A)成分として用いられるラクタム化合物又はその塩は市販品を用いてもよい。
酸性基を有するγ−ラクタム化合物であるピロリドンカルボン酸の市販品としては、例えば、味の素株式会社から発売されている「AJIDEW A−100(登録商標)」が挙げられる。
酸性基を有するδ−ラクタム化合物である6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸の市販品としては、例えば、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社から発売されている「(S)-6-Oxo-2-piperidine carboxylic acid(商品名)」が挙げられる。
酸性基を有するε−ラクタム化合物である3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸の市販品としては、例えば、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社から発売されている「3-(2-Oxoazepan-1-yl)propanoic acid(商品名)」が挙げられる。
本発明の口腔用組成物において、(A)成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は、小窩裂溝中プラークに対する顕著な除去効果の観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量の上限は、製剤安定性(色安定性及び保型性)、特に保型性の観点から、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
一実施形態において、本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は、口腔用組成物の全量に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
なお、本発明において、口腔用組成物中の各成分の含有量は、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。
<(B)成分>
本発明の口腔用組成物に含有される(B)成分は、グルカナーゼである。
グルカナーゼは、プラークの構成成分であるグルカンを分解する酵素であり、プラークの形成を抑制する効果を奏する。
(B)成分として好適に用いることのできるグルカナーゼとしては、例えば、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等が挙げられる。一実施形態において、(B)成分は、デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼである。中でも、(A)成分との組み合わせにおいて小窩裂溝中のプラークに対して高い除去効果を示す観点から、(B)成分としては、デキストラナーゼがより好ましい。
(B)成分として用いられるデキストラナーゼとしては、ケトミウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリア属、ラクトバチルス属、又はセルビブリオ属等に属する公知のデキストラナーゼ生産菌より公知の方法により得られるデキストラナーゼを好適に使用できるが、他の微生物より生産されたデキストラナーゼも使用することができる。デキストラナーゼの市販品としては、例えば、第一三共プロファーマ(株)製のデキストラナーゼなどを用いることができる。
(B)成分として用いられるムタナーゼとしては、シュードモナス属、トリコデルマ属、ストレプトマイセス属、アスペルギルス属、ブラボバクテリウム属、又はバシラス属等に属する公知のムタナーゼ生成菌(例えば、シュードモナス・エス・ピー、トリコデルマ・ハルジアヌム、ストレプトマイセス・ヴェレンシス、アスペルギルス・ニドランス、フラボバクテリウム・エス・ピー、及びバシラス・エス・ピー等)により公知の方法により得られるムタナーゼを好適に使用できるが、他の微生物より生産されたムタナーゼも使用することができる。ムタナーゼの市販品としては、例えば、天野エンザイム(株)製のムタナーゼなどを用いることができる。
本発明の口腔用組成物において、(B)成分は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、小窩裂溝中のプラークに対して顕著な除去効果を示す観点から、1単位/g−口腔用組成物以上であることが好ましく、2単位/g−口腔用組成物以上であることがより好ましい。
本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量の上限は、製剤安定性(色安定性及び保型性)、特に色安定性の観点から、200単位/g−口腔用組成物以下であることが好ましく、50単位/g−口腔用組成物以下であることがより好ましい。
(B)成分としては、通常、10,000〜14,000単位/gのグルカナーゼを用いることが好ましい。
(B)成分として13,000単位/gのグルカナーゼを用いる場合、本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、小窩裂溝中のプラークに対して顕著な除去効果を示す観点から、0.0077質量%以上が好ましく、0.0154質量%以上がより好ましい。また、製剤安定性、特に色安定性の観点から、本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、1.54質量%以下が好ましく、0.385質量%以下がより好ましい。一実施形態において、本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は、0.0077〜1.54質量%であることが好ましく、0.0154〜0.385質量%であることがより好ましい。
ここで、デキストラナーゼ1単位とは、デキストランを基質として酵素反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量である。また、ムタナーゼ1単位とは、ムタンを基質として酵素反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるムタナーゼの量である。
本発明の口腔用組成物において、(A)成分と(B)成分の配合比には好ましい範囲がある。すなわち、小窩裂溝中のプラークに対して顕著な除去効果を示す観点から、本発明の口腔用組成物における、(B)成分に対する(A)成分の質量比[(A)成分/(B)成分]は、0.2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。また、製剤安定性の観点から、本発明の口腔用組成物における、(B)成分に対する(A)成分の質量比[(A)成分/(B)成分]は、950以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましい。小窩裂溝中プラークの顕著な除去効果と製剤安定性を高いレベルにて両立するにあたり、本発明の口腔用組成物における、(B)成分に対する(A)成分の質量比[(A)成分/(B)成分]は、0.2〜950であることが好ましく、3〜200であることがより好ましい。
<(C)成分>
本発明の口腔用組成物は、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果を一層高める観点から、さらに(C)成分として両性界面活性剤を含有することが好ましい。
(C)成分として好適に用いることのできる両性界面活性剤としては、例えば、酢酸ベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、及びアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。ここで、酢酸ベタイン型両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが、スルホベタイン型両性界面活性剤としてはアルキルスルホベタインが、イミダゾリン型両性界面活性剤としては2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが、アミノ酸型両性界面活性剤としてはアルキルジアミノエチルグリシンがそれぞれ挙げられる。
中でも、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果を一層高める観点から、(C)成分としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルスルホベタイン、及び2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインがより好ましく、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びラウリルジアミノエチルグリシンがさらに好ましい。
本発明の口腔用組成物において、(C)成分は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果を一層高める観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量の上限は、製剤安定性及び酵素安定性の観点から、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
一実施形態において、本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は、口腔用組成物の全量に対し、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
(C)成分を用いる場合、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合比には好ましい範囲がある。すなわち、本発明の口腔用組成物における、(B)成分に対する(A)成分と(C)成分の合計の質量比[((A)成分+(C)成分)/(B)成分]は、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果を一層高める観点から、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。また、製剤安定性及び酵素安定性の観点から、本発明の口腔用組成物における質量比[((A)成分+(C)成分)/(B)成分]は、50以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。一実施形態において、本発明の口腔用組成物における質量比[((A)成分+(C)成分)/(B)成分]は、小窩裂溝中プラークの顕著な除去効果、製剤安定性及び酵素安定性の何れをも高いレベルにて実現するにあたり、15〜50であることが好ましく、20〜30であることがより好ましい。
本発明の口腔用組成物の形状、剤形は特に限定されない。例えば、液体系(液体、液状、ペースト状)、固体系(固体、固形状)などの各種形状に調製できる。剤形の例としては、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、粉歯磨などの歯磨剤組成物、洗口剤組成物、塗布剤組成物、口腔用パスタ、口中清涼剤組成物、食品形態(例えば、チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチなど)が挙げられる。
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に使用し得る公知の添加成分を配合することができる。斯かる添加成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、(C)成分以外の界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、光沢剤、pH調整剤、溶剤、賦形剤が挙げられ、剤型に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
研磨剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤を配合する場合、その配合量は、歯磨剤においては組成物全体の2〜40質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。洗口剤においては、組成物全体の0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。
粘結剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。粘結剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。粘結剤を用いる場合の配合量は、通常、組成物全体に対して0.01〜3質量%である。
粘稠剤(湿潤剤)としては、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。粘稠剤を用いる場合、その配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、通常、組成物全体に対して1〜60質量%である。
界面活性剤としては、(C)成分以外の界面活性剤が挙げられ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を用いることができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好ましく、発泡性・耐硬水性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどがより好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好適に用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素鎖長が、炭素数で14〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が15〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が20〜100であることが好ましい。アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素鎖長が炭素数12〜14であることが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が16〜18であることが好ましい。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40であることが好ましい。
斯かる(C)成分以外の界面活性剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。当該界面活性剤を用いる場合の配合量は、通常、組成物全体に対して0〜10質量%であり、0.01〜5質量%であることが好ましい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。甘味剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。甘味剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。防腐剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。防腐剤を用いる場合、配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
香料としては、例えば、天然香料、合成香料(単品香料)、調合香料(油脂香料(油性香料)、粉末香料など)が挙げられる。香料は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
天然香料としては、例えば、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、メントール油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油、クローブ油、タイム油、セージ油、ハッカ油、ローズマリー油、マジョラム油、オリガナム油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油等が挙げられる。
単品香料としては、例えば、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルリオアセテート、シネオール、オイゲノール等が挙げられる。
調合香料とは、単品香料及び/又は天然香料を調合して作られる香料である。例えば、メントールミクロン、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー、ハーブミントフレーバー等が挙げられる。
香料の形態は限定されず、精油、抽出物、固形物、及びこれらのいずれかを噴霧乾燥した粉体のいずれでも構わない。上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1質量%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料は、製剤組成中に0.1〜2.0質量%使用するのが好ましい。
薬用成分としては、例えば以下の成分が挙げられる:クロロヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の殺菌又は抗菌剤;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン酸2カリウム塩、ε−アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、アラントイン等の収斂剤;塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤など。薬用成分を使用する場合の配合量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定することができる。
着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。着色剤を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.00001〜3質量%であることが好ましい。
光沢剤としては、例えば、シェラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。光沢剤を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して0.01〜5質量%が好ましい。
本発明の口腔用組成物のpH(20℃)は、通常、6〜10であり、好ましくは6〜9である。pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸やアルカリ、緩衝剤が挙げられる。pH調整剤を配合する場合、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
溶剤としては、例えば、水、及び、エタノール、プロパノールなどの炭素原子数3以下の低級アルコール等が挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常配合される。溶剤として水を配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して20〜95質量%であることが好ましい。溶剤として低級アルコールを配合する場合、その配合量は、組成物全体に対して1〜20質量%であることが好ましい。
賦形剤としては、例えば、水飴、ブドウ糖、果糖、転化糖、デキストリン、オリゴ糖等などが挙げられる。口腔用組成物が食品製剤である場合、通常、賦形剤を配合する。賦形剤を配合する場合、その配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下に記載の実施例1〜36、比較例1及び2は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明は、以下に記載の実施例に限定されるものではない。
以下に記載の実施例1〜36及び比較例1及び2に用いた主な原料を下記にまとめて記載する。
[実施例及び比較例に使用した主な原料]
<(A)成分>
(A−1):ピロリドンカルボン酸
味の素株式会社製、「AJIDEW A−100(登録商標)」
(A−2):6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸
シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、商品名「(S)-6-Oxo-2-piperidine carboxylic acid」
(A−3):3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸
シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、商品名「3-(2-Oxoazepan-1-yl)propanoic acid」
<(B)成分>
(B−1):デキストラナーゼ
第一三共プロファーマ(株)製、13,000単位/g品
(B−2):ムタナーゼ
天野エンザイム(株)製、13,000単位/g品
<(C)成分>
(C−1):ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
日光ケミカルズ(株)製、商品名「NIKKOL AM−301」
(C−2):ラウリルジアミノエチルグリシン
三洋化成(株)製、商品名「レボン15 (30質量%ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム水溶液)」を用い、配合量は純分換算で示した。
<その他の添加成分>
無水ケイ酸(研磨剤)、ラウリル硫酸ナトリウム(アニオン界面活性剤)、プロピレングリコール(粘稠剤)、ソルビトール(粘稠剤)、フッ化ナトリウム(薬用成分)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(粘結剤)、サッカリンナトリウム(甘味剤)、香料、水酸化ナトリウム(pH調整剤)、精製水(溶媒)
実施例1〜36及び比較例1、2
上述の成分を用いて、表1〜5に示す配合比(質量部)に従って、下記慣用の歯磨剤組成物の調製方法により、実施例1〜36及び比較例1、2の歯磨剤組成物を調製した。
(歯磨剤組成物の調製方法)
精製水中に下記「(i)I相用の有効成分」と「(ii)I相用の添加成分」を常温で混合溶解させたI相を調製した。一方、プロピレングリコール中に、下記「(iii)II相用の添加成分」を常温で溶解・分散させたII相を調製した。次に、撹拌中のI相の中にII相を添加混合し、III相を調製した。最後に、III相中に、下記「(iv)III相用の添加成分」を、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、4kPaまで減圧し脱泡を行い、歯磨剤1.0kg(100質量部)を得た。
(I相、II相、III相に配合した有効成分及びその他の添加成分)
(i)I相用の有効成分:ピロリドンカルボン酸、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシン
(ii)I相用の添加成分:フッ化ナトリウム、ソルビトール、サッカリンナトリウム、水酸化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム
(iii)II相用の添加成分:プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルパラベン
(iv)III相用の添加成分:デキストラナーゼ、ムタナーゼ、無水ケイ酸、香料
上述のようにして得られた実施例1〜36及び比較例1、2の歯磨剤組成物について、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果及び製剤安定性を以下のようにして評価した。
(小窩裂溝中のプラークに対する除去効果の評価)
(1)小窩裂溝モデルの作製
アパタイト板(直径7mm、厚さ3.5mm)を半月状に切断し、その切断面にマイクロカッター((株)マルトー製)で長さ3.5mm、深さ1mm、幅120μmの溝を形成した。更に、溝を側方から観察するため、溝の形成されたアパタイト板をTegaderm(住友スリーエム(株)製医療用透明シール)及びアクリル板で挟持することにより、小窩裂溝モデルを作製した。
(2)プラーク除去効果の評価
実施例及び比較例で調製した各歯磨剤組成物を、人工唾液で4倍希釈した遠心上清を試料サンプル液として使用した。ここで、人工唾液は、最終濃度が50mM KCl、1mM KH2PO4、1mM CaCl2、0.1mM MgCl2となるように、蒸留水にKCl、KH2PO4、CaCl2、MgCl2を添加し、KOHでpHを7.0に調整することにより調製した。
ストレプトコッカス ソブライナス(S.sobrinus NIDR6715)を接種した1%スクロース含有BHI培地中に、小窩裂溝モデルを溝が上を向くように浸して、37℃で24時間、嫌気培養し、溝にプラークを形成させた。その後、BHI培地中でさらに24時間嫌気培養し、溝にプラークを固着させた。
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄後、プラークが形成した小窩裂溝モデルを試料サンプル液2mL中に、37℃で3分間浸漬した。次いで、アパタイト板の切断面に付着したプラークを、歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラットカット4列 ふつう)により約10ストローク刷掃することにより除去した。
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄して分解剥離したプラークを除去した後、0.1%クリスタルバイオレット液中にプラークが形成した小窩裂溝モデルを25分間浸し、溝に残存したプラークを染色した。余分なクリスタルバイオレット液を蒸留水で洗浄除去し、30%酢酸200μlを用いて色素を溶出させた。得られた色素溶出液の全量を96ウェルプレートに移し、吸光度を測定した。
吸光度は590nmで測定し、ブランク(歯磨剤組成物を加えていない人工唾液で処置)に対する吸光度(プラーク量)の減少率をプラーク除去率とした。各歯磨剤組成物について、上記の試験を3回実施して平均値を算出し、下記評価基準に基づき、プラーク除去効果を評価した。なお、下記評価基準において4点以上のスコアを示した場合に、小窩裂溝中のプラークに対する除去効果が高い歯磨剤組成物であると判断した。
<評価基準>
6点:プラーク除去率80%以上
5点:プラーク除去率70%以上80%未満
4点:プラーク除去率60%以上70%未満
3点:プラーク除去率50%以上60%未満
2点:プラーク除去率30%以上50%未満
1点:プラーク除去率30%未満
(製剤安定性の評価)
実施例及び比較例で調製した歯磨剤組成物について、製造直後の外観及び50℃環境下で1ヶ月保管後の外観を目視で確認し、下記評価基準に基づき製剤安定性(変色及び保型性)を評価した。
<評価基準>
5点:変色せず、保型性に問題が無い。
4点:変色及び/又は保型性の劣化が僅かに見られるが、問題ないレベルである。
3点:変色及び/又は保型性の劣化が見られるが、問題ないレベルである。
2点:製造直後は問題ないが、50℃環境下で1ヶ月保管後に、変色及び保型性の少なくとも一つが著しく悪化し、問題がある。
1点:変色及び保型性の少なくとも一つが製造直後から著しく悪く、問題がある。
Figure 0006105261
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(A)成分と(B)成分を併用しない比較例1及び2の歯磨剤組成物は、小窩裂溝中のプラークを十分に除去できないことが確認された。
一方、(A)成分と(B)成分を併用する実施例1〜36の歯磨剤組成物は、小窩裂溝中のプラークを顕著に除去できることが確認された。特に、(A)成分、(B)成分に加えて(C)成分を含有する実施例28〜36の歯磨剤組成物は、小窩裂溝中のプラークの除去効果及び製剤安定性を極めて高いレベルにて両立できることが確認された。

Claims (8)

  1. (A)ピロリドンカルボン酸、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、及びそれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物0.1〜10質量%と、(B)デキストラナーゼ及び/又はムタナーゼ0.0077〜1.54質量%とを含有する口腔用組成物。
  2. (B)成分に対する(A)成分の質量比[(A)成分/(B)成分]が0.2〜950である、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. さらに、(C)成分として、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルスルホベタイン、及び2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインからなる群から選ばれる一種以上を含有する、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. (C)成分の含有量が、0.01〜5質量%である、請求項に記載の口腔用組成物。
  5. (B)成分に対する(A)成分と(C)成分の合計の質量比[((A)成分+(C)成分)/(B)成分]が15〜50である、請求項又はに記載の口腔用組成物。
  6. (B)成分の含有量が、13,000単位/gのグルカナーゼ換算値として、0.0077〜1.54質量%である、請求項1〜の何れか1項に記載の口腔用組成物。
  7. 20℃におけるpHが6〜10である、請求項1〜の何れか1項に記載の口腔用組成物。
  8. 歯磨剤又は洗口剤である、請求項1〜の何れか1項に記載の口腔用組成物。
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