JP6104761B2 - 炭化水素油の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素油の製造方法に関する。
石油の精製過程では、原油の常圧蒸留によって底塔油(常圧残油、AR:atmospheric residue)が得られる。常圧残油、及び常圧残油の減圧蒸留によって得られる減圧軽油それぞれに対して、脱硫処理や接触分解処理を行うことにより、ガソリン、潤滑油用基油その他化学品等の製品が得られる。一方、常圧残油の減圧蒸留によって得られる減圧残油は、上記の製品に比べて利益率の低い製品である。したがって、より利益率の高い製品を減圧残油から製造することが望まれる。
下記特許文献1には、減圧残油の溶剤脱れきによって得た溶剤脱れき油(DAO:Deasphalted Oil)を、常圧残油及び/又は減圧軽油と混合して原料油を調製し、この原料油の水素化精製によってガソリン等の燃料を製造する技術が開示されている。
特開2012−197350号公報
一般的に、原料油の水素化精製は、脱メタル工程と、これに続く脱硫工程と、を備える。脱メタル工程では、原料油を脱メタル触媒に接触させて水素化することにより、水素化脱硫触媒を劣化させるメタル成分(触媒毒)を原料油から除去する。脱硫工程では、脱メタル工程後の原料油を脱硫触媒に接触させて水素化することにより、原料油中の硫黄分を除去する。
本発明者らの研究の結果、従来の常圧残油の水素化精製と同様の方法で、溶剤脱れき油の水素化精製を行うと、メタル成分を除去する脱メタル触媒の活性(脱メタル活性)が予想に反して早期に下限に達し、脱メタル触媒の失活に追随して脱硫触媒の脱硫活性も急激に低下することが判明した。つまり、従来の常圧残油用の脱メタル触媒及び脱硫触媒を用いて溶剤脱れき油の水素化精製を行うと、常圧残油の水素化精製の場合に比べて、各触媒の寿命が短くなってしまう。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、脱硫触媒の失活を抑制することができる炭化水素油の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る炭化水素油の製造方法の一態様は、溶剤脱れき油のみを、水素ガスの存在下で脱メタル触媒に接触させる、脱メタル工程と、脱メタル工程を経た溶剤脱れき油を水素ガスの存在下で脱硫触媒に接触させる、脱硫工程と、を備え、脱メタル触媒は、少なくとも低反応性触媒及び高反応性触媒を含み、脱メタル触媒全体に占める低反応性触媒の体積の割合が、50体積%以上であり、低反応性触媒は、多孔質の担体と、担体に担持された第VI族元素と、を有し、高反応性触媒は、多孔質の担体と、担体に担持された第VI族元素及び第VIII族元素と、を有し、低反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率が、高反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率よりも低く、低反応性触媒における第VI族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率が、1質量%以上8質量%未満であり、低反応性触媒における第VIII族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率が、0質量%以上1質量%未満である。なお、脱メタル触媒及び脱硫触媒のいずれも水素化活性を有するものである。
低反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率が、高反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率よりも低いことが好ましい。
第VI族元素が、モリブデン又はタングステンのうち少なくともいずれか一種であり、第VIII族元素が、ニッケル又はコバルトのうち少なくともいずれか一種であることが好ましい。
脱メタル工程において、反応温度が、350〜450℃であり、水素ガスの分圧が、5〜25MPaであり、液空間速度(LHSV)が、0.1〜3.0h−1であり、水素/油比(溶剤脱れき油の体積に対する水素ガスの体積の比)が、400〜1500Nm/mであることが好ましい。
脱硫工程において、反応温度が、350〜450℃であり、水素ガスの分圧が、5〜25MPaであり、液空間速度が、0.1〜3.0h−1であり、水素/油比が、400〜1500Nm/mであることが好ましい。
本発明によれば、脱硫触媒の失活を抑制することができる炭化水素油の製造方法が提供される。
図1aは、溶剤脱れき油中の含バナジウム化合物の分子量分布であり、図1bは、常圧残油中の含バナジウム化合物の分子量分布である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施形態に限られるものではない。
本発明に係る炭化水素油の製造方法の一態様では、原油の常圧蒸留によって底塔油(常圧残油)を得る。常圧残油は、沸点が343℃以上である留分の含有率が80質量%以上である重質油である。この常圧残油の減圧蒸留により、減圧軽油及び減圧残油を得る。原油の種類は特に限定されないが、原油の具体例としては、石油系の原油、オイルサンド由来の合成原油及びビチューメン改質油等が挙げられる。
減圧軽油の脱硫(例えば水素化脱硫)、及び脱硫後の流動接触分解又は水素化分解によって、炭化水素油が得られる。同様に、常圧残油の脱硫及び脱硫後の接触分解又は水素化分解によって、炭化水素油が得られる。
上記減圧残油の溶剤脱れきにより、溶剤脱れき油を得る。溶剤脱れき油は、溶剤脱れきにおいて、沸点が550℃以上である留分の含有率が70質量%以上である重質油(例えば、減圧残油)を溶剤で抽出した留分である。溶剤脱れきに用いる溶剤としては、炭素数が3〜6である鎖状飽和炭化水素を用いればよい。溶剤の具体例としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン及びノルマルヘキサンが挙げられる。これらの溶剤の一種又は複数種を溶剤として用いればよい。
本実施形態に係る炭化水素油の製造方法は、上記溶剤脱れき油を用いた脱メタル工程とこれに続く脱硫工程とを備える。脱メタル工程では、水素ガスの存在下で、溶剤脱れき油のみを脱メタル触媒に接触させる。その結果、溶剤脱れき油中のメタル成分が除去される。脱硫工程では、水素ガスの存在下で、脱メタル工程後の溶剤脱れき油を脱硫触媒に接触させる。その結果、溶剤脱れき油中の硫黄分(及び窒素分)が除去される。脱メタル工程及び脱硫工程を経た溶剤脱れき油の流動接触分解又は水素化分解により、炭化水素油が得られる。
脱メタル工程において、脱硫触媒にとっての触媒毒であるメタル成分を溶剤脱れき油から除去することにより、脱硫工程における脱硫触媒の失活を抑制し、脱硫触媒の寿命を延ばすことが可能になる。
以下では、脱メタル工程及び脱硫工程について詳しく説明する。
含メタル化合物は、金属と炭化水素とを含む物質である。含メタル化合物の構造は特に限定されないが、例えば、炭化水素と金属とが化学結合(例えば配位結合)を形成していてもよく、炭化水素が微粒子状の金属を被覆していてもよい。金属は、例えば、バナジウム又はニッケルである。炭化水素は、特に限定されないが、例えば、鎖状炭化水素若しくはその異性体、環状炭化水素、ヘテロ環式化合物、又は芳香族炭化水素等であればよい。含メタル化合物の分子量が小さいほど、脱メタル触媒による含メタル化合物の水素化や分解が進行し易く、メタルが含メタル化合物から除去され易い。含メタル化合物から除されたメタルは、脱メタル触媒に形成された無数の細孔内に取り込まれ、脱メタル工程で除去される。
以上のように、含メタル化合物の分子量が小さいほど、メタルは脱メタル触媒中に取り込まれ易い。以下では、含メタル化合物のうち分子量が比較的小さいものを、「易分解性メタル成分(decomposable metallic composition)」という。また、含メタル化合物のうち分子量が比較的大きいものを、「難分解性メタル成分(persistent metallic composition)」という。なお、バナジウムを有する含メタル化合物を、含バナジウム化合物という。
図1aに、溶剤脱れき油中の含バナジウム化合物の分子量分布(以下、「DAO分布」という。)を示す。このDAO分布は、本発明者らが行った以下の実験によって得たものである。
実験では、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いて、溶剤脱れき油を分子量の差により分画する。分画された個々の成分の分子量とは、ポリスチレンを標準試料とする較正曲線から求めたポリスチレン換算分子量(相対分子量)である。GPCによって分画された各成分中の金属(バナジウム)の質量換算又はモル換算の濃度を誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析によって測定する。図1aの横軸は、上記GPCに基づく値であり、含バナジウム化合物の分子量である。横軸の目盛は、対数目盛である。図1aの縦軸は、上記ICP発光分光分析で測定したバナジウムの濃度に対応する値であり、横軸に示す各分子量におけるバナジウムの量である。
図1bに、常圧残油中の含バナジウム化合物の分子量分布(以下、「AR分布」という。)を示す。このAR分布は、DAO分布と場合と同様に、常圧残油についてのGPC及びICP発光分光分析に基づいて、本発明者らが得たものである。
図1aのDAO分布は、小さい分子量において一つのピークを有している。またDAO分布は、分子量が大きい領域ではメタル成分(バナジウム成分)が少ないことを示している。一方、図1bのAR分布は、DAO分布とは対照的に、分子量の小さい領域から分子量が大きい領域にわたって多量のメタル成分(バナジウム成分)が存在することを示している。つまり、溶剤脱れき油に含まれるメタル成分(バナジウム成分)の殆どが易分解性メタル成分であり、対照的に、常圧残油は易分解性メタル成分のみならず、多量の難分解性メタル成分も含有している。
仮に溶剤脱れき油ではなく常圧残油を用いて脱メタル工程を実施する場合、常圧残油は、易分解性メタル成分のみならず、多量の難分解性メタル成分も含むので、脱メタル触媒の水素化活性が高いほど、メタル成分が常圧残油から除去され易い。
一方、溶剤脱れき油に含まれるメタル成分の殆どは易分解性メタル成分である。したがって、溶剤脱れき油の脱メタル工程に用いる脱メタル触媒の水素化活性が、常圧残油用の脱メタル触媒と同程度に高い場合、易分解性メタル成分の水素化が脱メタル触媒表面において短期間のうちに過度に進行してしまう。その結果、メタル成分に由来する過量の金属が短期間のうちに脱メタル触媒の表面近傍に堆積して、脱メタル触媒に形成された細孔の入口を塞いでしまい、金属が触媒の細孔内に取り込まれ難くなる。つまり、溶剤脱れき油用の脱メタル触媒の水素化活性が高過ぎる場合、メタル成分を溶剤脱れき油から除去することが困難になる。その結果、脱メタル工程後の脱硫工程において、溶剤脱れき油中に残存したメタル成分が脱硫触媒を失活させてしまう。
本発明者らは、常圧残油を水素化活性の高い脱メタル触媒に接触させると、脱メタル触媒の表面近傍のみならず脱メタル触媒の内部においても金属が堆積することを、実験によって解明した。また本発明者らは、溶剤脱れき油を水素化活性の高い脱メタル触媒に接触させると、脱メタル触媒の表面近傍における金属の堆積量が脱メタル触媒の内部における金属の堆積量よりも著しく多くなることを、実験によって解明した。これらの実験結果は、上記の脱メタル触媒の失活のメカニズムを裏付けるものである。
そして本発明者らは、含バナジウム化合物の分子量と脱メタル触媒の脱メタル活性との関係についての上記知見に基づき、失活し難い以下の脱メタル触媒を見出した。
本実施形態に脱メタル触媒は、少なくとも低反応性触媒及び高反応性触媒を含む。この低反応性触媒とは、従来の常圧残油の脱メタル工程に適した高反応性触媒に比べて、水素化活性が低い触媒である。脱メタル触媒全体に占める低反応性触媒の体積の割合は、50体積%以上である。脱メタル触媒全体に占める低反応性触媒の体積の割合は、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、又は90体積%以上であってもよい。一方、脱メタル触媒全体に占める高反応性触媒の体積の割合は、50体積%未満である。脱メタル触媒全体に占める高反応性触媒の体積の割合は、40体積%以下、30体積%以下、20体積%以下、10体積%以下であってもよい
本実施形態では、脱メタル触媒における低反応性触媒の体積の割合が上記の範囲内であるため、溶剤脱れき油中の易分解性メタル成分の水素化が脱メタル触媒表面において急激に進行する現象が抑制される。その結果、メタル成分に由来する過量の金属が短期間のうちに脱メタル触媒の表面近傍に堆積する現象が抑制され、脱メタル触媒に形成された細孔の入口が金属によって塞がれ難くなる。したがって、本実施形態では、長期間にわたって金属が触媒の細孔内に取り込まれ易くなり、メタル成分が溶剤脱れき油から除去され易くなる。その結果、脱メタル工程後の溶剤脱れき油中にメタル成分が残存し難くなり、脱硫工程においてメタル成分が脱硫触媒を失活させる現象が抑制される。つまり、脱硫触媒の寿命が長くなる。
脱メタル触媒が低反応性触媒及び高反応性触媒の両方を含む場合、脱メタル触媒が低反応性触媒から構成される低反応性触媒部(低反応性触媒層)と、高反応性触媒から構成される高反応性触媒部(高反応性触媒層)と、を備えることが好ましい。そして、溶剤脱れき油を低反応性触媒部に接触させた後で、高反応性触媒部に接触させることが好ましい。この場合、易分解性メタル成分の水素化が高反応性触媒表面において急激に進行する現象が抑制され、高反応性触媒に形成された細孔の入口が金属によって塞がれ難くなる。
低反応性触媒は、多孔質の担体と、担体に担持された第VI族元素と、を有する。低反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率が、0質量%以上である。一方、高反応性触媒は、多孔質の担体と、担体に担持された第VI族元素及び第VIII族元素と、を有する。低反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率は、高反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率よりも低い。
低反応性触媒及び高反応性触媒が上記の組成を有することで、低反応性触媒の水素化活性が高反応性触媒の水素化活性よりも低くなり、上記のような脱メタル触媒及脱硫触媒の失活を抑制することが可能になる。
低反応性触媒又は高反応性触媒が有する多孔質の担体は、特に限定されない。多孔質の担体の具体例としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。低反応性触媒の担体と高反応性触媒の担体とは、同じであってもよく、異なってもよい。各脱メタル触媒の中央細孔径は、10〜50nmであることが好ましい。なお、中央細孔径とは、窒素ガス吸着法で得られる細孔直径が2nm以上60nm未満である細孔の細孔容積の累積をVとするとき、各直径を有する細孔の容積量を累積させた累積細孔容積曲線において、累積細孔容積がV/2となる細孔径を意味する。中央細孔径が上記範囲内にある場合、メタル成分に由来する金属が脱メタル触媒中に取り込まれ易く、脱硫触媒の失活が抑制され易い。各脱メタル触媒の細孔容積は0.5〜1.5cm/g程度であればよい。各脱メタル触媒のBET比表面積は100〜250m/g程度であればよい。
上記の第VI族元素とは、短周期表(旧周期表)に属するものであり、IUPAC形式の長周期表(新周期表)の第6族元素に相当する。つまり、第VI族元素とは、クロム、モリブデン、タングステン及びシーボーギウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である。上記の第VIII族元素とは、短周期表に属するものであり、IUPAC形式の長周期表の第8族元素、第9族元素及び第10族元素に相当する。つまり、第VIII族元素とは、鉄、ルテニウム、オスミウム、ハッシウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、マイトネリウム、ニッケル、パラジウム、白金及びダームスタチウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である。低反応性触媒が有する第VI族元素と、高反応性触媒が有する第VI族元素とは、同じであってもよく、異なってもよい。低反応性触媒が有する第VIII族元素と、高反応性触媒が有する第VIII族元素とは、同じであってもよく、異なってもよい。
上記態様では、低反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率が、高反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率よりも低いことが好ましい。この場合、低反応性触媒の水素化活性が高反応性触媒の水素化活性よりも低くなり易い。
低反応性触媒又は高反応性触媒が有する第VI族元素は、モリブデン又はタングステンのうち少なくともいずれか一種であることが好ましく、モリブデンであることがより好ましい。低反応性触媒又は高反応性触媒がこれらの第VI族元素を有することにより、脱メタル触媒及脱硫触媒の失活が顕著に抑制される。低反応性触媒又は高反応性触媒が有する第VIII族元素は、ニッケル又はコバルトのうち少なくともいずれか一種であることが好ましく、ニッケルであることがより好ましい。高反応性触媒がこれらの第VIII族元素を有することにより、脱メタル触媒及脱硫触媒の失活が顕著に抑制される。
上記態様では、低反応性触媒における第VI族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率は、1質量%以上8質量%未満であり、1質量%以上6質量%以下であることがより好ましい。低反応性触媒における第VIII族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率は、0質量%以上1質量%未満である。低反応性触媒における第VI族元素の酸化物又は第VIII族元素の酸化物の含有率の下限が上記の値であることにより、低反応性触媒が十分な水素化活性を有することができる。また、低反応性触媒における第VI族元素の酸化物又は第VIII族元素の酸化物の含有率の上限が上記の値であることにより、易分解性メタル成分の急激な水素化が抑制され、脱メタル触媒の脱メタル活性が維持され易くなる。なお、第VI族元素の酸化物とは、例えば、MoO又はWOである。第VIII族元素の酸化物とは、例えば、NiO又はCoOである。
高反応性触媒における第VI族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率は、8質量%以上30質量%以下であればよい。高反応性触媒における第VIII族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率は、1質量%以上10質量%以下であればよい。高反応性触媒における第VI族元素の酸化物又は第VIII族元素の酸化物の含有率が上記の範囲にある場合、本発明の効果が得られ易い。
脱硫触媒は、特に限定されない。脱硫触媒としては、多孔質の担体と、担体に担持された活性金属とを有するものを用いればよい。担体としては、アルミナ、シリカ又はシリカ−アルミナを用いればよい。活性金属としては、長周期表の第5族元素、第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素のうち少なくとも一種を用いればよい。特に活性金属としては、ニッケル又はコバルトのうち少なくとも一種と、モリブデン又はタングステンのうち少なくとも一種との組合せが好ましい。具体的な組合せとしては、Ni−Mo、Co−Mo又はNi−Co−Moが挙げられる。脱硫触媒の中央細孔径は8〜12nm程度であればよい。脱硫触媒の細孔容積は0.4〜1.0cm/g程度であればよい。脱硫触媒のBET比表面積は180〜250m/g程度であればよい。
脱メタル触媒及び脱硫触媒の形状は、特に限定されない。各触媒の形状は、例えば、角柱状、円柱状、三つ葉状、四つ葉状、又は球状であればよい。各触媒の大きさも特に限定されないが、脱メタル触媒の粒径は1〜8mm程度であれはよく、脱硫触媒の粒径は0.8〜3.0mm程度であればよい。
脱メタル工程における溶剤脱れき油の水素化処理(脱メタル)は、以下の反応条件下で実施することが好ましい。
反応温度(脱メタル触媒の温度):350〜450℃。より好ましくは350〜410℃。
反応場における水素ガスの分圧:5〜25MPa。より好ましくは10〜20MPa。
液空間速度(LHSV):0.1〜3.0h−1。より好ましくは0.1〜2.0h−1
水素/油比:400〜1500Nm/m。より好ましくは500〜1200Nm/m
脱硫工程における溶剤脱れき油の水素化脱硫は、以下の反応条件下で実施することが好ましい。
反応温度(脱硫触媒の温度):350〜450℃。より好ましくは350〜430℃。
反応場における水素ガスの分圧:5〜25MPa。より好ましくは10〜20MPa。
液空間速度(LHSV):0.1〜3.0h−1。より好ましくは0.1〜2.0h−1
水素/油比:400〜1500Nm/m。より好ましくは500〜1200Nm/m
上記の条件下で脱メタル工程及び脱硫工程を実施することにより、脱メタル触媒及び脱硫触媒の失活が抑制され易く、脱硫工程後の溶剤脱れき油中の硫黄分の濃度を0.6質量%未満に低減することが可能となる。
脱メタル工程又は脱硫工程における反応温度が上記下限値以上である場合、脱硫工程後の溶剤脱れき油中の硫黄分の含有率を低下させ易くなる。反応温度が上記上限値以下である場合、コーキング反応が抑制され易く、脱メタル工程又は脱硫工程を行う反応器(反応塔)内の差圧が生じ難い。
脱メタル工程又は脱硫工程における水素ガスの分圧が上記下限値以上である場合、脱メタル及び脱硫反応が進行し易くなり、脱メタル触媒及び脱硫触媒の失活が抑制され易い。水素ガスの分圧が上記上限値以上である場合、反応塔に高い耐圧性が要求されたり、水素ガスの消費量が増加したりするため、脱メタル工程又は脱硫工程の経済性が良くない。
脱メタル工程又は脱硫工程における溶剤脱れき油の液空間速度が上記下限値未満である場合、溶剤脱れき油の処理量が少なく、脱メタル工程又は脱硫工程の経済性が良くない。
液空間速度が上記上限値以下である場合、脱メタル触媒及び脱硫触媒が失活し難く、反応温度を低い水準に維持し易い。
水素/油比が上記下限値以上である場合、脱メタル触媒及び脱硫触媒の失活を抑制し易い。水素/油比が上記上限値以上である場合、水素/油比の増加によって各触媒の失活が抑制される傾向が緩やかになる。
脱メタル工程の上記反応条件と、脱硫工程の上記反応条件とは、異なってもよい。一つの反応塔内で脱メタル工程を実施した後、別の反応塔内で脱硫工程を実施してもよい。脱メタル触媒と脱硫触媒とを同一の反応塔内に設置し、同一の反応条件下で脱メタル工程及び脱硫工程を連続的に実施してよい。この場合、脱メタル触媒から構成される脱メタル触媒部(脱メタル触媒層)と、脱硫触媒から構成される脱硫触媒部(脱硫触媒層)とを設けて、溶剤脱れき油を脱メタル触媒部に接触させた後に、脱硫触媒部に接触させればよい。
溶剤脱れき油中の全ての含バナジウム化合物中のバナジウム量のうち、分子量(ポリスチレン換算分子量)が3000以下である含バナジウム化合物中のバナジウム量の割合は、全ての含バナジウム化合物中のバナジウム量に対して80質量%以上であることが好ましい。この場合、脱メタル触媒及び脱硫触媒の失活が顕著に抑制される。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順で、溶剤脱れき油のみを用いた脱メタル工程及び脱硫工程を実施した。
用いた溶剤脱れき油の性状は、以下の通りであった。
硫黄分の含有率: 4.7質量%。
バナジウムの含有率: 42質量ppm。
ニッケルの含有率: 21質量ppm。
アスファルテンの含有率: 0.2質量%。
15℃における密度: 1.01g/cm
100℃における動粘度: 456mm/s。
残炭分の含有率: 14.4質量%。
窒素分の含有率: 0.24質量%。
溶剤脱れき油の上記性状の分析法は、以下の通りである。
硫黄分の含有率: JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」。
バナジウム及びニッケルの含有率: JIS K0116「発光分光分析通則」。
アスファルテンの含有率: IP−143(ASTM D6560)「Determination of Asphaltenes in Crude Petroleum and Petroleum Products」。
15℃における密度: JIS K2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算法」。
100℃における動粘度: JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」。
残炭分の含有率: JIS K2270「原油及び石油製品−残留炭素分試験方法」。
窒素分の含有率: JIS K2609「原油及び石油製品‐窒素分試験方法」。
溶剤脱れき油中の含バナジウム化合物の分子量分布を、上記のGPC及びICP発光分光分析により測定した。分子量が3000以下である含バナジウム化合物中のバナジウム量は、溶剤脱れき油中の全ての含バナジウム化合物中のバナジウム量に対して94質量%であった。なお、GPC及びICP発光分光分析は以下の条件で行った。
[GPCの条件]
移動相: テトラヒドロフラン(THF)及びo−キシレンの混合溶媒。
移動相におけるTHFとo−キシレンとの体積比: 30%:70%。
移動層の流速: 0.8mL/min。
測定時間: 20分。
カラム(column)の種類: ShodexTM KF−G及びKF−803。
カラムのオーブンの温度:40℃
RI attenuator: ×4。
RI polarity: +。
*装置名: アジレント社製のHP1100。
[ICP発光分光分析の条件]
観測高さ: 20.0mm。
RF出力: 1.5kW。
光電子増倍管の電圧: 高。
測定波長: 309.311nm。
分光器: R。
A/D attenuator: 1/4。
*装置名: SIIナノテクノロジー社製のSPS3100。
以下のように、脱メタル触媒及び脱硫触媒を反応塔内に充填した。
第一触媒層、第二触媒層及び第三触媒層をこの順序で反応塔内に積層した。第一触媒層は、脱メタル触媒である低反応性触媒のみからなる層である。第二触媒層は、脱メタル触媒である高反応性触媒のみからなる層である。第三触媒層は、脱硫触媒のみからなる層である。第一触媒層及び第二触媒層の体積の合計(脱メタル触媒の全体積)に占める第一触媒層(低反応性触媒)の体積の割合は、50体積%であった。第一触媒層及び第二触媒層の体積の合計(脱メタル触媒の全体積)に占める第二触媒層(高反応性触媒)の体積の割合は、50体積%であった。第三触媒層の体積は、第一触媒層及び第二触媒層の体積の合計と同じであった。
低反応性触媒は、多孔質のγアルミナと、γアルミナに担持されたMoO及びNiOとを備えるものであった。低反応性触媒におけるMoOの担持量(含有率)は、低反応性触媒の全質量に対して5.0質量%であった。低反応性触媒におけるNiOの担持量(含有率)は、低反応性触媒の全質量に対して0.5質量%であった。低反応性触媒(γアルミナ)の中央細孔径は18nmであった。低反応性触媒のBET比表面積は180m/gであった。
高反応性触媒は、多孔質のγアルミナと、γアルミナに担持されたMoO及びNiOとを備えるものであった。高反応性触媒におけるMoOの担持量(含有率)は、高反応性触媒の全質量に対して9.0質量%であった。高反応性触媒におけるNiOの担持量(含有率)は、高反応性触媒の全質量に対して2.0質量%であった。高反応性触媒(γアルミナ)の中央細孔径は19nmであった。高反応性触媒のBET比表面積は180m/gであった。
脱硫触媒は、多孔質のγアルミナと、γアルミナに担持されたMoO及びNiOとを備えるものであった。脱硫触媒におけるMoOの担持量(含有率)は、脱硫触媒の全質量に対して12.0質量%であった。脱硫触媒におけるNiOの担持量(含有率)は、脱硫触媒の全質量に対して3.0質量%であった。脱硫触媒(γアルミナ)の中央細孔径は10nmであった。脱硫触媒のBET比表面積は230m/gであった。
脱メタル工程及び脱硫工程では、水素ガスが存在する反応塔内で、溶剤脱れき油を第一触媒層に導入し、第一触媒層を通過した溶剤脱れき油を第二触媒層に導入し、第二触媒層を通過した溶剤脱れき油を第三触媒層に導入した。このように、脱メタル工程及び脱硫工程を連続的に実施した。脱メタル工程及び脱硫工程の反応条件は、以下の通りであった。
[反応条件]
初期の反応温度(各触媒層の温度)
第一触媒層及び第二触媒層(脱メタル触媒): 360℃。
第三触媒層(脱硫触媒): 370℃。
反応塔内の水素ガスの分圧: 14.4MPa。
液空間速度: 0.44h−1
水素/油比: 900Nm/m
脱メタル工程及び脱硫工程では、脱メタル触媒及び脱硫触媒の活性が時間の経過とともに低下する。そのため、脱メタル工程及び脱硫工程では、時間の経過に伴って反応塔が備えるヒーターで反応塔内を加熱して反応温度を増加させ、脱メタル触媒及び脱硫触媒の活性を補った。各触媒の活性を補うことにより、第三触媒層を通過した溶剤脱れき油(脱メタル工程及び脱硫工程後の溶剤脱れき油)における硫黄分の含有率を0.6質量%未満に維持した。そして、脱メタル工程及び脱硫工程の開始時点から反応温度が反応塔の耐熱温度400℃に到達するまでの日数を計測した。この日数を脱硫触媒の絶対寿命という。また、絶対寿命を300日で除した値を脱硫触媒の相対寿命という。実施例1における脱硫触媒の絶対寿命及び相対寿命を下記表1に示す。
(実施例2及び3、並びに比較例1〜4)
実施例2及び3、並びに比較例1〜4では、第一触媒層及び第二触媒層の体積の合計(脱メタル触媒の全体積)に占める第一触媒層(低反応性触媒)の体積の割合を表1に示す値に調整した。また、実施例2及び3、並びに比較例1〜4では、第一触媒層及び第二触媒層の体積の合計(脱メタル触媒の全体積)に占める第二触媒層(高反応性触媒)の体積の割合を表1に示す値に調整した。各触媒層の体積の割合以外は実施例1と同様に、実施例2及び3、並びに比較例1〜4の脱メタル工程及び脱硫工程を実施した。なお、比較例1では、脱メタル触媒として、第一触媒層(低反応性触媒)を用いず、第二触媒層(高反応性触媒)のみを用いた。一方、実施例3では、脱メタル触媒として、第二触媒層(高反応性触媒)を用いず、第一触媒層(低反応性触媒)のみを用いた。
実施例1と同様の方法で計測した、実施例2及び3、並びに比較例1〜4における脱硫触媒の絶対寿命及び相対寿命を下記表1に示す。
Figure 0006104761
表1に示すように、メタル触媒全体に占める低反応性触媒の体積の割合が50体積%以上である実施例1〜3では、比較例1〜4に比べて、脱硫触媒の寿命が長いことが確認された。つまり、実施例1〜3では、脱硫触媒の失活が抑制されたことが確認された。脱硫触媒の失活は、脱メタル触媒の失活に起因することに鑑みれば、実施例1〜3では、比較例1〜4に比べて、脱メタル触媒の失活が抑制されたことが確認された。
本発明に係る炭化水素油の製造方法は、溶剤脱れき油を原料として用いたガソリン、潤滑油用基油その他化学品等の製造に適している。

Claims (5)

  1. 溶剤脱れき油のみを、水素ガスの存在下で脱メタル触媒に接触させる、脱メタル工程と、
    前記脱メタル工程を経た溶剤脱れき油を水素ガスの存在下で脱硫触媒に接触させる、脱硫工程と、
    を備え、
    前記脱メタル触媒は、少なくとも低反応性触媒及び高反応性触媒を含み、
    前記脱メタル触媒全体に占める前記低反応性触媒の体積の割合が、50体積%以上であり
    記低反応性触媒は、多孔質の担体と、前記担体に担持された第VI族元素と、を有し
    記高反応性触媒は、多孔質の担体と、前記担体に担持された第VI族元素及び第VIII族元素と、を有し、
    前記低反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率が、前記高反応性触媒における第VIII族元素の触媒質量基準の含有率よりも低く、
    前記低反応性触媒における第VI族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率が、1質量%以上8質量%未満であり、
    前記低反応性触媒における第VIII族元素の酸化物の触媒質量基準の含有率が、0質量%以上1質量%未満である、
    炭化水素油の製造方法。
  2. 前記低反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率が、前記高反応性触媒における第VI族元素の触媒質量基準の含有率よりも低い、
    請求項1に記載の炭化水素油の製造方法。
  3. 第VI族元素が、モリブデン又はタングステンのうち少なくともいずれか一種であり、
    第VIII族元素が、ニッケル又はコバルトのうち少なくともいずれか一種である、
    請求項1又は2に記載の炭化水素油の製造方法。
  4. 前記脱メタル工程において、
    反応温度が、350〜450℃であり、
    前記水素ガスの分圧が、5〜25MPaであり、
    液空間速度が、0.1〜3.0h−1であり、
    水素/油比が、400〜1500Nm/mである、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
  5. 前記脱硫工程において、
    反応温度が、350〜450℃であり、
    前記水素ガスの分圧が、5〜25MPaであり、
    液空間速度が、0.1〜3.0h−1であり、
    水素/油比が、400〜1500Nm/mである、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の炭化水素油の製造方法。
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