JPH11279566A - 超低硫黄重質油の製造方法 - Google Patents

超低硫黄重質油の製造方法

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JPH11279566A
JPH11279566A JP10101816A JP10181698A JPH11279566A JP H11279566 A JPH11279566 A JP H11279566A JP 10101816 A JP10101816 A JP 10101816A JP 10181698 A JP10181698 A JP 10181698A JP H11279566 A JPH11279566 A JP H11279566A
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catalyst
mol
catalyst layer
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JP10101816A
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Shigeo Kure
成雄 久禮
Hajime Okazaki
肇 岡崎
Hisao Sakota
尚夫 迫田
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Japan Petroleum Energy Center JPEC
Eneos Corp
Original Assignee
Petroleum Energy Center PEC
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の水素化処理触媒層を有する固定床反応
器を用いて反応器全体で高い脱硫活性が得られ、かつ脱
硫活性低下速度が小さく、高い脱硫活性が長期にわたっ
て維持することのできる硫黄分、メタル分等を含有する
重質油から超低硫黄重質油を製造する。 【解決手段】 特定の関係を有する複数の水素化処理触
媒層を有し、かつ各触媒層の触媒の性状(物性)が異な
る触媒を充填した触媒層である水素化処理反応器を用い
て重質油を各触媒層に順次通過させ各触媒層で水素化処
理条件下に水素ガスと接触させることを特徴とする超低
硫黄重質油の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の水素化処理
触媒層を有する固定床反応器で、硫黄分、メタル分等を
含有する重質油から超低硫黄重質油を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に固定床反応器に脱メタル触媒と脱
硫触媒の2種類の水素化処理触媒を充填し、硫黄含有量
が多い原油の常圧蒸留残渣油や減圧蒸留残渣油等の重質
油と接触させることによって重質油の硫黄分を低減し、
長期にわたって低硫黄重油を製造する方法が知られてい
る。しかし従来の技術では、硫黄含有量が多い重質油を
原料とした場合には、反応器全体の脱硫活性が低く、得
られる生成油の硫黄分は多く、性能上十分とはいえな
い。また、硫黄含有量の少ない常圧蒸留残渣油を原料と
した場合には、反応温度を上げることによって一時的に
超低硫黄重油が製造できる場合があるが、反応器全体の
脱硫活性の低下速度が大きく長期の運転ができないとい
う欠点があった。したがって、従来の技術では、反応器
全体の脱硫活性が低く、超低硫黄重油を長期にわたって
製造できないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数の水素
化処理触媒層を有する固定床反応器を用いて反応器全体
で高い脱硫活性が得られ、かつ脱硫活性低下速度が小さ
く、高い脱硫活性が長期にわたって維持することのでき
る硫黄分、メタル分等を含有する重質油から超低硫黄重
質油を製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【発明を解決するための手段】水素化処理触媒と重質油
原料を接触させることにより、脱硫反応が起こり原料油
中の硫黄分すなわちベンゾチオフェン類やジベンゾチオ
フェン類、メルカプタン類、チオエーテル類、ジチオエ
ーテル類などの有機硫黄化合物から硫黄分が除去でき
る。また、脱硫反応の他に原料油中のニッケルやバナジ
ウム、鉄、ナトリウムなどのメタル分を除去する脱メタ
ル反応や分解反応、脱窒素反応も同時に起こる。水素化
処理触媒として多孔質無機複合酸化物が使われている
が、その細孔内の表面または触媒の外表面でこれらの反
応が起こる。しかし、これらの反応の進行にともない、
コーク分やメタル分が2次的に生成し、水素化処理触媒
の細孔内や外表面に堆積する。これらの堆積物は水素化
処理触媒上の活性点を被毒し、脱硫活性などの、各反応
の活性低下を引き起こす。さらに、これらの堆積物は触
媒の細孔内に堆積し、細孔を塞ぎ、活性低下を引き起こ
す。水素化処理触媒の脱メタル活性が高ければ高いほど
メタル堆積量も多くなり、触媒活性低下の原因となる。
【0005】本発明者等は1年間使用した使用済み触媒
と処理された原料油の性状を詳細に検討することによ
り、廃触媒上の堆積物の状態は処理される原料油の性状
と使用する触媒の活性に大きく依存することを明らかに
した。同一触媒を用いた場合には、原料油中のニッケ
ル、バナジウム、鉄、ナトリウムなどの金属分が多けれ
ば多いほど触媒細孔内に堆積するメタル量は増加する関
係にある。また、処理される原料油の性状が重質である
ほど、触媒細孔内に堆積するコークの量は増加する。ま
た、堆積物と触媒活性との関係は、堆積メタル量は触媒
の脱メタル活性が高いほど増加し、堆積コーク量は触媒
の脱硫活性が高いほど増加することが解明した。堆積コ
ークや堆積金属分は、先に説明した理由で触媒活性低下
を引き起こすが、この対策として触媒の物性や担持金属
種、担持金属量を調節することが最も効果的であること
が明らかになった。
【0006】一方、本発明者等は堆積物による細孔閉塞
が触媒の物性や触媒活性に大きく依存することを明らか
にした。触媒の細孔径が小さいほど堆積物は触媒の細孔
の中に入りにくく細孔の入り口付近に堆積し、細孔閉塞
を起こしやすい。すなわち、細孔径が小さい場合には少
量の堆積物で細孔閉塞を引き起こす。したがって、細孔
閉塞を抑制するためには最適な物性の触媒を設計する必
要がある。細孔径は、触媒の表面積および細孔容積と密
接な関係があり、通常は窒素吸着法や水銀圧入法により
細孔分布として求められるが、簡易的に次式で平均細孔
径を求めることができる。
【0007】
【数1】
【0008】触媒活性については、原料油中のメタル分
を除去する脱メタル活性が細孔閉塞と密接な関係があ
る。原料油は、触媒の細孔内に入り、そこで脱メタル反
応や脱硫反応の各化学反応が起こるが、脱メタル反応が
起こると副生成物として原料油中の金属が生成し触媒上
に堆積する。脱メタル活性が高いと原料油が細孔の内部
に到達する前に細孔入り口で脱メタル反応がおこり、細
孔入り口に多くの金属が堆積し、細孔閉塞を引き起こ
す。この現象の対策として脱メタル反応を抑制するのが
効果的であるが、脱メタル活性を抑制しすぎると脱硫活
性も低下し、目標の脱硫率が達成できなくなる問題点が
ある。
【0009】本発明者等は、リアクター入り口から出口
までの各反応について詳細に検討したところ、出口に近
くなるにつれ脱硫反応、脱メタル反応、水素化反応が進
行し、油の性状も重質から軽質へ変化し、したがって、
リアクターでの反応位置によりその位置の油の性状に最
適な触媒を充填することにより、触媒の活性を高く維持
できることを明らかにした。具体的には、リアクターで
の反応位置による堆積物の量やその位置で接触する油の
性状などを以下に示す式により把握することが可能とな
った。
【0010】触媒を1年間使用した後抜き出し、リアク
ターの入り口から出口のメタル堆積分布ならびにコーク
堆積分布を調べた。メタル堆積分布は、リアクター入り
口で最も多く堆積しており、リアクター出口に向かって
減少していた。すなわちリアクター入り口付近の触媒は
メタル堆積による活性低下が大きく、出口の方に向かう
につれ堆積メタルによる活性低下が小さいということが
明らかになった。このように、触媒上に堆積するメタル
量はリアクター内の位置により異なる。したがって、リ
アクターに充填する水素化処理触媒は、充填する位置に
より適した耐メタル性をもった触媒を充填する必要があ
る。ここで水素化処理触媒の耐メタル性(N)は、次式
のように水素化処理触媒の表面積(SA)と細孔容積
(PV)を変数とする関数(f(PV)、g(SA))
によって表されることを見いだした。ここで、Eは定数
である。
【0011】
【数2】
【0012】一方、コーク堆積分布は、リアクター出口
で最も多く堆積しており、リアクター入り口に向かって
減少していた。したがって、リアクター出口付近の触媒
はコーク堆積による活性低下が大きく、入り口の方に向
かうにつれ堆積コークによる活性低下が小さいという傾
向があることが明らかになった。このように、触媒上に
堆積するコーク量はリアクター内の位置により異なる。
したがって、リアクターに充填する水素化処理触媒は、
充填する位置に適した耐コーク性をもった触媒を充填す
る必要がある。ここで水素化処理触媒の耐コーク性
(K)は、次式のように表されることを見いだした。こ
こで、Dは定数、h(SA)、j(PV)はSA、PV
を変数とする関数である。
【0013】
【数3】 さらに、水素化処理触媒の活性低下のメカニズムについ
てさらに詳細な検討を加えたところ、触媒上に堆積した
メタル量をMとし、触媒上に堆積したコーク量をCとし
たときに、脱硫反応の活性低下関数としてφs=Ls
(M,C)を定義し、脱メタル反応の活性低下関数とし
てφm=Lm(M,C)を定義すると、脱硫反応、脱メ
タル反応は次式によって表されることを見いだした。こ
こで、PH2 は水素分圧である。
【0014】
【数4】
【0015】本発明は、鋭意研究を重ねた結果、特定の
関係を有する複数の水素化処理触媒層を有する固定床反
応器を用いることにより、反応器全体で高い脱硫活性が
得られかつ活性低下速度が小さく、長期にわたって高い
脱硫活性が維持できることを見い出した。
【0016】すなわち、本発明は、請求項1がアルミナ
を主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から
選ばれる少なくとも一種の金属を0.03〜1.0モル
%と周期律表の第VIB族金属から選ばれる少なくとも一
種の金属を0.1〜1.1モル%担持させて得られる表
面積5.0×107〜1.2×1082/m3、細孔容積
0.36〜0.60m3/m3なる触媒を充填した第1触
媒層、アルミナを主成分とする触媒担体に周期律表の第
VIII族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.3
〜3モル%と周期律表の第VIB族金属から選ばれる少な
くとも一種の金属を0.7〜2.5モル%担持させて得
られる表面積9.0×107〜1.6×1082/m3
細孔容積0.35〜0.55m3/m3なる触媒を充填し
た第2触媒層およびアルミナを主成分とする触媒担体に
周期律表の第VIII族金属から選ばれる少なくとも一種の
金属を0.3〜4.0モル%と周期律表の第VIB族金属
から選ばれる少なくとも一種の金属を0.8〜5.0モ
ル%担持させて得られる表面積1.2×108〜1.0
×1092/m3、細孔容積0.30〜0.50m3/m
3なる触媒を充填した第3触媒層を有し、かつ各触媒層
の触媒の物性が異なる触媒を充填した触媒層である水素
化処理反応器を用いて重質油を第1触媒層から第3触媒
層まで順次通過させ各触媒層で水素化処理条件下に水素
ガスと接触させることを特徴とする超低硫黄重質油の製
造方法に関する。
【0017】ただし、特に断らない限り本明細書におい
て、金属担持量は触媒モル数基準で示し、表面積および
細孔容積は触媒容積基準で示すものとする。
【0018】請求項2に記載の発明は、上記第1〜第3
触媒層に加えて、さらに、アルミナを主成分とする触媒
担体に周期律表の第VIII族金属から選ばれる少なくとも
一種の金属を0.5〜4モル%と周期律表の第VIB族金
属から選ばれる少なくとも一種の金属を1.5〜5モル
%担持させて得られる表面積1.2×108〜1.5×
1092/m3、細孔容積0.30〜0.45m3/m3
なる触媒を充填した第4触媒層を有し、かつ各触媒層の
触媒の物性が異なる触媒を充填した触媒層である水素化
処理反応器を用いて重質油を第1触媒層から第4触媒層
まで順次通過させ各触媒層で水素化処理条件下に水素ガ
スと接触させることを特徴とする超低硫黄重質油の製造
方法に関する。
【0019】本発明の各触媒層のうち少なくとも1つの
触媒層は、少なくとも2種類の触媒からなることが望ま
しい。本発明の水素化処理に用いられる原料油は、重質
油である。重質油は硫黄分、メタル分等を含有する重質
油である。例えば石油原油の常圧蒸留残渣油;常圧蒸留
残渣油の減圧蒸留で得られる減圧蒸留残渣油;タールサ
ンド、オイルサンドあるいはビチューメン等から抽出、
改質した油;これらの油の脱硫重油;脱瀝油;重質原
油;ナフサ、灯油、軽油あるいは減圧軽油等で希釈した
重質原油;及びこれらの混合油が例示できる。
【0020】本発明で用いる重質油の硫黄含有量は、好
ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.3
〜6.0質量%の範囲にある。なお、本発明における硫
黄含有量とは、JIS K2541−1992に規定す
る「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」の「6.放射
線式励起法」に準拠して測定される硫黄含有量を意味す
る。以降、本発明における硫黄含有量とは、すべて上記
方法により測定される値を意味する。
【0021】本発明で用いる重質油のメタル分含有量
は、Niは好ましくは0〜300ppm、より好ましく
は0.5〜250ppm、Vは下限値が好ましくは0〜
3400ppm、より好ましくは、1〜1000ppm
の範囲にある。
【0022】本発明は、1つの固定床型反応器を用いる
場合には該反応器内に1〜3つの触媒層あるいは1〜4
つの触媒層を設け、該反応器の入口側(原料油供給側)
に第1触媒層、出口側に最後の触媒層を設ける。複数の
固定床型反応器を用いる場合には該反応器を直列に接続
し、第1反応器(原料油供給側)に第1触媒層、最後の
反応器に最後の触媒層を設ける。
【0023】本発明において、触媒層を3層に積層した
場合には、第1触媒層にアルミナあるいはアルミナを主
成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選ば
れる少なくとも一種の金属を0.03〜1.0モル%、
好ましくは0.20〜0.7モル%と周期律表の第VIB
族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.1〜
1.1モル%、好ましくは0.30〜0.90モル%担
持させて得られる表面積5.0×107〜1.2×108
2/m3、好ましくは7.0×107〜1.1×108
2/m3、細孔容積0.36〜0.60m3/m3、好まし
くは0.40〜0.55m3/m3なる触媒を充填する。
【0024】第2触媒層にアルミナあるいはアルミナを
主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜3モル%、好ま
しくは0.5〜1.5モル%と周期律表の第VIB族金属
から選ばれる少なくとも一種の金属を0.7〜2.5モ
ル%、好ましくは1.0〜2.0モル%担持させて得ら
れる表面積9.0×107〜1.6×1082/m3、好
ましくは9.5×107〜1.4×1082/m3、細孔
容積0.35〜0.55m3/m3、好ましくは0.38
〜0.53m3/m3なる触媒を充填する。
【0025】第3触媒層にアルミナあるいはアルミナを
主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜4.0モル%、
好ましくは0.8〜3.5モル%と周期律表の第VIB族
金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.8〜5.
0モル%、好ましくは1.5〜4.0モル%担持させて
得られる表面積1.2×108〜1.0×1092
3、好ましくは1.25×108〜8×1082
3、細孔容積0.30〜0.50m3/m3、好ましく
は0.35〜0.45m3/m3なる触媒を充填する。
【0026】本発明においては、各触媒層には前記の範
囲の触媒を充填するが、各触媒層では触媒物性が異なる
触媒を充填する必要がある。ここで触媒物性が異なる触
媒とは触媒の表面積、触媒の細孔容積及び触媒の担持量
が異なる触媒のことである。
【0027】本発明において、触媒層を4層に積層した
場合には、第1触媒層にアルミナあるいはアルミナを主
成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選ば
れる少なくとも一種の金属を0.03〜1.0モル%、
好ましくは0.20〜0.7モル%と周期律表の第VIB
族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.1〜
1.1モル%、好ましくは0.30〜0.90モル%担
持させて得られる表面積5.0×107〜1.2×108
2/m3、好ましくは7.0×107、細孔容積0.3
6〜0.60m3/m3、好ましくは0.40〜0.55
3/m3なる触媒を充填する。
【0028】第2触媒層にアルミナあるいはアルミナを
主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜3モル%、好ま
しくは0.51.5モル%と周期律表の第VIB族金属か
ら選ばれる少なくとも一種の金属を0.7〜2.5モル
%、好ましくは1.0〜2.0モル%担持させて得られ
る表面積9.0×107〜1.6×1082/m3、好ま
しくは9.5×107〜1.4×1082/m3、細孔容
積0.35〜0.55m3/m3、好ましくは0.38〜
0.53m3/m3なる触媒を充填する。
【0029】第3触媒層にアルミナあるいはアルミナを
主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜4.0モル%、
好ましくは0.8〜3.5モル%と周期律表の第VIB族
金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.8〜5.
0モル%、好ましくは1.0〜4.0モル%担持させて
得られる表面積1.2×108〜1.0×1082
3、好ましくは1.25×108〜8×1082
3、細孔容積0.30〜0.50m3/m3、好ましく
は0.35〜0.48m3/m3なる触媒を充填する。
【0030】第4触媒層にアルミナあるいはアルミナを
主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
ばれる少なくとも一種の金属を0.5〜4モル%、好ま
しくは0.9〜3.8モル%と周期律表の第VIB族金属
から選ばれる少なくとも一種の金属を1.5〜5モル
%、好ましくは1.6〜4.8モル%担持させて得られ
る表面積1.2×108〜1.5×1092/m3、好ま
しくは1.25×108〜1.2×1092/m3、細孔
容積0.30〜0.45m3/m3好ましくは0.35〜
0.42m3/m3なる触媒を充填する。
【0031】本発明においては、各触媒層には前記の範
囲の触媒を充填するが、各触媒層では触媒物性が異なる
触媒を充填する必要がある。ここで触媒物性が異なる触
媒とは触媒の表面積、触媒の細孔容積及び触媒の担持量
が異なる触媒のことである。
【0032】また請求項3に記載の発明において、各触
媒層のうち少なくとも1つの触媒層に少なくとも2種類
の触媒を充填することができる。すなわち同一触媒層に
触媒の表面積と細孔容積が同一で異なった金属を担持し
た触媒、あるいは各触媒の物性が上述の条件を満たし異
なる触媒を充填する。また本発明において、各触媒層に
充填する触媒の担持金属量の序列は、特に限定するもの
でないが、第一触媒層から第三触媒層もしくは第四触媒
層になるにつれて担持金属量を増加させることが好まし
い。
【0033】本発明に使用する触媒としては、アルミナ
あるいはアルミナを主成分とする従来公知の任意の水素
化処理用触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選ばれ
る少なくとも一種の金属と周期律表の第VIB族金属から
選ばれる少なくとも一種の金属を担持させて得られる触
媒が用いられる。
【0034】該担体としては、例えば、アルミナ、アル
ミナ−シリカ、アルミナ−ボリア、アルミナ−チタニ
ア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−マグネシア、ア
ルミナ−シリカ−ジルコニア、アルミナ−シリカ−チタ
ニアあるいは各種ゼオライト、セピオライト、モンモリ
ロナイト等の各種粘土鉱物などの多孔性無機酸化物をア
ルミナに添加した担体が挙げられる。
【0035】周期律表の第VIB族金属としてはクロム、
モリブデン、タングステンが好ましく用いられる。第VI
II族金属としては鉄、コバルト、ニッケルが好ましく用
いられる。
【0036】これらの金属は単独で用いても良く、二種
以上混合して用いても良い。二種以上の場合にはニッケ
ル−モリブデン、コバルト−モリブデン、ニッケル−タ
ングステン、ニッケル−コバルト−モリブデン、タング
ステン−コバルト−ニッケルが好ましく用いられる。ま
た、これらの金属は、好ましくは金属酸化物、金属硫化
物等として担持される。
【0037】本発明において、触媒の製造方法は公知の
触媒製造方法を用いることができる。例えば、浸漬法、
含浸法、共沈法等が挙げられる。本発明において水素化
処理の操作は、重質油を第1触媒層から最後の触媒層ま
で順次通過させ、各触媒層で水素化条件下に水素ガスと
接触させる。その重質油と水素ガスの接触は並行で下降
流または上昇流で行うことができ、また重質油と水素ガ
スを向流で行うこともできる。
【0038】本発明において、水素化処理(重質油原料
と水素化処理触媒との接触)条件は、反応温度が好まし
くは300〜480℃、より好ましくは350〜440
℃の範囲である。各触媒層の温度は同一温度とする。
【0039】水素化処理の入口の水素分圧は、好ましく
は10〜25MPa、より好ましくは13〜20MPa
の範囲である。入口の水素分圧が10MPa未満の場合
は触媒活性が十分に発揮されず、超低硫黄重質油製造の
ための脱硫反応が十分に行われないため好ましくない。
各触媒層の圧力は同一圧力とする。各触媒層で圧力が低
下した場合には各触媒層間に水素を導入して圧力を上げ
ることができる。
【0040】重質油原料の液空間速度(LHSV)は、
好ましくは0.02〜0.4h-1、より好ましくは0.
05〜0.35h-1の範囲である。水素化処理における
入口の水素/油比は、好ましくは100〜2000Nm
3/m3、より好ましくは500〜1600Nm3/m3
範囲である。各触媒層の触媒の充填量は好ましくは3〜
70容量%、より好ましくは5〜60容量%である。ま
た各触媒層の触媒の充填量は任意に選択できる。
【0041】本発明により得られる超低硫黄重質油は、
単独で製品重油として使用できる。また、例えば、石油
蒸留残渣物、灯油、直留軽油、減圧軽油、石油蒸留残渣
物を熱分解して得られる軽油や残油およびこれらの水素
化処理油;接触分解装置より得られる軽質軽油(ライト
サイクル油);重質軽油(ヘビーサイクル油);スラリ
ー油;等の他の重油基材を適宜配合して、製品重油とす
ることもできる。
【0042】
【発明の実施の形態】
【0043】
【実施例】(実施例1) 原料重質油の性状及び水素化処理の反応条件は次の通
りである。 [原料油とその性状] 重質油(アラビアンヘビー常圧蒸留残渣油) 比重(15/4℃) 0.9795 硫黄分(wt%) 3.96 窒素分(wt%) 0.41 残炭(wt%) 15.0 アスファルテン(wt% ) 7.30 Ni(ppm) 30 V(ppm) 110 [反応条件] 水素分圧(MPa) 10.3 温度(℃) 370〜390 液空間速度(LHSV)(hr-1) 0.16 水素/油比(Nm3/m3-oil) 1100 使用触媒 表1に示す物性の水素化処理触媒A〜Cを調製し、表2
に示す充填量にしたがって充填し積層した。 水素化処理触媒A〜C 触媒担体:アルミナ 担持金属:Mo Ni
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(比較例1)原料用重質油の性状及び反応
条件は実施例1と同じ条件で行った。表3に示す物性の
水素化処理触媒D〜Fを調製し、表4に示す充填量にし
たがって積層した。 水素化処理触媒D〜F 触媒担体:アルミナ、 担持金属:Mo Ni
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】(実施例2)原料重質油の性状及び水素
化処理の反応条件は次の通りである。 [原料油とその性状] 重質油(アラビアンヘビー常圧蒸留残渣油) 比重(15/4℃) 0.9795 硫黄分(wt%) 3.96 窒素分(wt%) 0.41 残炭(wt%) 15.0 アスファルテン(wt%) 7.30 Ni(ppm) 30 V(ppm) 110 [反応条件] 水素分圧(MPa) 10.3 温度(℃) 370〜390 液空間速度(LHSV)(hr-1) 0.18 水素/油比(Nm3/m3-oil) 1100 使用触媒 表5に示す物性の水素化処理触媒G〜Jを調製し、表6
に示す充填量にしたがって充填し積層した。 水素化処理触媒G〜J 触媒担体:アルミナ 担持金属:Mo Ni
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】(比較例2)原料用重質油の性状及び反応
条件は実施例2と同じ条件で行った。比較例1と同様の
水素化処理触媒D〜Fを調製し、表4に示す充填量にし
たがって積層した。
【0053】実施例及び比較例の水素化処理の脱硫活性
評価結果を、図1、2に示す。評価結果は、生成油硫黄
濃度を0.25mass%としたときの補正反応温度で
示した図1、2に示したとおり、補正反応温度は実施例
の方が比較例よりも低温で推移し、高い水素化活性を有
する。また、2000h以上経過すると活性差はさらに
広がる傾にあり、実施例1、2の方が、長期にわたって
高い活性が持続することが明らかである。
【0054】
【発明の効果】本発明は固定床反応器全体の脱硫活性が
高く、高い脱硫活性及び脱金属活性が長期にわたって持
続した。そのため、長期にわたって大量に生産でき、工
業的に実施するのに有利である重質油から超低硫黄重質
油を製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例1と実施例1の水素化処理触媒の脱硫
活性評価結果。
【図2】 比較例2と実施例2の水素化処理触媒の脱硫
活性評価結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫田 尚夫 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石油 株式会社中央技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分とする触媒担体に周期
    律表の第VIII族金属から選ばれる少なくとも一種の金属
    を0.03〜1.0モル%と周期律表の第VIB族金属か
    ら選ばれる少なくとも一種の金属を0.1〜1.1モル
    %担持させて得られる表面積5.0×107〜1.2×
    1082/m3、細孔容積0.36〜0.60m3/m3
    なる触媒を充填した第1触媒層、アルミナを主成分とす
    る触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選ばれる少な
    くとも一種の金属を0.3〜3モル%と周期律表の第VI
    B族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.7〜
    2.5モル%担持させて得られる表面積9.0×107
    〜1.6×1082/m3、細孔容積0.35〜0.5
    5m3/m3なる触媒を充填した第2触媒層およびアルミ
    ナを主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属か
    ら選ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜4.0モル
    %と周期律表の第VIB族金属から選ばれる少なくとも一
    種の金属を0.8〜5.0モル%担持させて得られる表
    面積1.2×108〜1.0×1092/m3、細孔容積
    0.30〜0.50m3/m3なる触媒を充填した第3触
    媒層を有し、かつ各触媒層の触媒の物性が異なる触媒を
    充填した触媒層である水素化処理反応器を用いて重質油
    を第1触媒層から第3触媒層まで順次通過させ各触媒層
    で水素化処理条件下に水素ガスと接触させることを特徴
    とする超低硫黄重質油の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミナを主成分とする触媒担体に周期
    律表の第VIII族金属から選ばれる少なくとも一種の金属
    を0.03〜1.0モル%と周期律表の第VIB族金属か
    ら選ばれる少なくとも一種の金属を0.1〜1.1モル
    %担持させて得られる表面積5.0×107〜1.2×
    1082/m3、細孔容積0.36〜0.60m3/m3
    なる触媒を充填した第1触媒層、アルミナを主成分とす
    る触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選ばれる少な
    くとも一種の金属を0.3〜3モル%と周期律表の第VI
    B族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.7〜
    2.5モル%担持させて得られる表面積9.0×107
    〜1.6×1082/m3、細孔容積0.35〜0.5
    5m3/m3なる触媒を充填した第2触媒層、アルミナを
    主成分とする触媒担体に周期律表の第VIII族金属から選
    ばれる少なくとも一種の金属を0.3〜4.0モル%と
    周期律表の第VIB族金属から選ばれる少なくとも一種の
    金属を0.8〜5.0モル%担持させて得られる表面積
    1.2×108〜1.0×1092/m3、細孔容積0.
    30〜0.5m3/m3なる触媒を充填した第3触媒層お
    よびアルミナを主成分とする触媒担体に周期律表の第VI
    II族金属から選ばれる少なくとも一種の金属を0.5〜
    4モル%と周期律表の第VIB金属から選ばれる少なくと
    も一種の金属を1.5〜5モル%担持させて得られる表
    面積1.2×108〜1.5×1092/m3、細孔容積
    0.30〜0.45m3/m3なる触媒を充填した第4触
    媒層を有し、かつ各触媒層の触媒の物性が異なる触媒を
    充填した触媒層である水素化処理反応器を用いて重質油
    を第1触媒層から第4触媒層まで順次通過させ各触媒層
    で水素化処理条件下に水素ガスと接触させることを特徴
    とする超低硫黄重質油の製造方法。
  3. 【請求項3】 各触媒層のうち少なくとも1つの触媒層
    が少なくとも2種類の触媒からなることを特徴とする請
    求項1または2項記載の方法。
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