JP6104572B2 - 三次元サイプの壁面形状の導出方法、導出装置及び導出プログラム - Google Patents

三次元サイプの壁面形状の導出方法、導出装置及び導出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ブロック剛性及び接地性を高めた三次元サイプのサイプ壁面形状を導出する方法、導出装置及び導出プログラムに関する。
氷雪路面を走行する場面で用いられるスタッドレスタイヤなどのタイヤでは、陸部(ブロック)の踏面にサイプと呼ばれる切り込みが形成されており、サイプによるエッジ効果によって、摩擦係数の低い氷雪路面での性能が高められている。近年、このようなタイヤにおいても、オールシーズンタイヤに対する需要の高まりから、乾燥路面での性能が要求される傾向にある。しかし、サイプによって氷雪路面での性能を高められる一方で、踏面に沿った方向におけるブロック剛性がサイプに起因して低下し、陸部が倒れ込んで踏面が浮きやすくなり、その結果、踏面の一部に接地圧力が集中して接地性が損なわれ、乾燥路面での性能が悪化するという背反事象が知られている。なお、以下では、踏面に沿った方向をただ単に水平方向と表記する場合がある。また、水平方向におけるブロック剛性をただ単にブロック剛性と表記する場合がある。
そこで、氷雪路面及び乾燥路面での性能を向上させる一つの有効な手段として、特許文献1には、水平方向におけるサイプ壁面の形状を深さ方向で変化させたいわゆる三次元サイプを採用することが開示されている。このような三次元サイプは、サイプ壁面が凹凸形状を有するために、対向する両サイプ壁面にそれぞれ形成された凸部と凹部とが係合して互いに支え合うことで、陸部(ブロック)の倒れ込み及び踏面の浮きが抑制され、三次元サイプ以外のサイプに比してブロック剛性及び接地性が向上する。しかし、三次元サイプであっても、サイプ壁面の形状(凹凸具合等)に応じてブロック剛性及び接地性が異なるため、ブロック剛性及び接地性をより一層高めたサイプ壁面形状を模索することが要求される。
適切なサイプ壁面形状を導出するために、タイヤの設計分野においてもコンピュータシミュレーションを用いることが考えられる。サイプ壁面形状に関連しないが、例えば、特許文献2には、タイヤブロックを有限要素法によりモデル化しておき、路面に接地させた状態で荷重及び強制変位をかけたときに踏面に作用する接地圧分散を算出するとともに、接地圧分散を適正化したブロックの最適な接地面形状を最適化手法により求めることが開示されている。
特開2002−321509号公報 特開2005−8011号公報
しかしながら、上記特許文献2を含め他の文献には、ブロック剛性を高め且つ接地性を高めるための三次元サイプのサイプ壁面の最適な凸凹形状を検索する技術は、開示も示唆もされていないようである。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、ブロック剛性とサイプ壁面形状の相関関係を見いだし、ブロック剛性及び接地性を高めた三次元サイプのサイプ壁面形状を導出する方法、導出装置及び導出プログラムを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
すなわち、本発明の三次元サイプ壁面形状の導出方法は、タイヤ踏面に形成される三次元サイプの壁面形状をコンピュータが導出する方法であって、
初期形状の三次元サイプを有するタイヤブロックを、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデルを生成するステップと、
前記三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面のいずれか一方のサイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域に設定するステップと、
予め設定された制約条件の下、前記ブロックモデルを路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけて前記ブロックモデルを変形させ、前記一対のサイプ壁面同士の係合で発現する接触圧力値を、前記設計領域を構成する節点毎に有限要素解析により算出するステップと、
前記各節点の接触圧力値に基づき定まる前記設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値よりも高くなるか否かを判定し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くないと判定した場合には、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くなるまで補正後のブロックモデルによる有限要素解析を繰り返すステップと、を含み、
前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の高い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側へ位置変更するとともに、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の低い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側へ位置変更することにより、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正することを特徴とする。
本発明の三次元サイプ壁面形状の導出装置は、タイヤ踏面に形成される三次元サイプの壁面形状を導出する装置であって、
初期形状の三次元サイプを有するタイヤブロックを、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデルを生成するモデル生成部と、
前記三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面のいずれか一方のサイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域に設定する設計領域設定部と、
予め設定された制約条件の下、前記ブロックモデルを路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけて前記ブロックモデルを変形させ、前記一対のサイプ壁面同士の係合で発現する接触圧力値を、前記設計領域を構成する節点毎に有限要素解析により算出する圧力算出部と、
前記各節点の接触圧力値に基づき定まる前記設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値よりも高くなるか否かを判定する判定部と、
前記設計領域のサイプ壁面形状を補正する補正部と、を備え、
前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くないと前記判定部が判定した場合には、前記設計領域のサイプ壁面形状を前記補正部が補正し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くなるまで補正後のブロックモデルによる有限要素解析を繰り返すように構成されており、
前記補正部は、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の高い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側へ位置変更するとともに、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の低い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側へ位置変更することにより、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正することを特徴とする。
三次元サイプは、踏面に沿った方向の形状がサイプ深さ方向によって変化するサイプを意味する。
タイヤのブロックが変形すると、三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面同士が均一ではなく部分的に複数領域で接触しあう。これら複数の接触領域は倒れ込みを抑制する効果の寄与度が他の領域に比して大きい領域であると考えられる。接触領域の凸形状をより大きな凸形状にするとともに、接触領域の凹形状をより大きな窪みにすれば、トレッドのせん断変形に対してサイプ壁面同士の接線方向の動きがより一層拘束されて係合強度が向上し、サイプ壁面全体に作用する接触圧力が高くなる。サイプ壁面全体に作用する接触圧力が高くなれば、結果として、ブロック剛性が高まり、接地性が向上することが判明した。
本発明は、このようなブロック剛性とサイプ壁面形状の相関関係を見いだして利用したものである。平均接触圧力値よりも高い接触圧力値の節点及びこれに対面する対面節点を法線方向外側へ位置変更するので、倒れ込み抑制効果の寄与度の高い接触領域の凹凸形状をより大きな凹凸形状に変更することになるので、係合強度が向上し、評価関数の値が大きくなる方向に適切に補正することが可能となる。それでいて、各節点の接触圧力値に基づき定まる設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値を用いているので、解析により踏面の接地圧分散を評価することなくサイプ壁面に注目するだけで、ブロック剛性及び接地性を高めたサイプ壁面形状を導出することが可能となる。
製造コストを考慮したサイプ壁面形状を導出するためには、前記モデル生成部は、前記三次元サイプのサイプ幅はサイプ全体で一定になり、且つ、一方のサイプ壁面を形成する節点と他方のサイプ壁面を形成する節点が、サイプ幅方向以外のサイプ深さ方向及びサイプ長さ方向の座標位置が同一の対面関係となるように、前記ブロックモデルを生成し、
前記補正部は、前記設計領域の節点の移動距離及び当該節点と対面する対面節点の移動距離が同一となるように位置変更することが好ましい。
計算コストを低減するためには、前記節点の位置変更による移動距離は、当該節点の接触圧力値と前記全節点の平均接触圧力値との差の大きさに応じた値に設定されることが好ましい。
計算コストを低減するためには、前記設計領域は、前記サイプ壁面のうち少なくともサイプ底側端部を除く部位に設定されていることが好ましい。
本発明は、上記方法を構成するステップを、プログラムの観点から特定することも可能である。
すなわち、本発明の三次元サイプ壁面形状の導出プログラムは、タイヤ踏面に形成される三次元サイプの壁面形状を導出するプログラムであって、
初期形状の三次元サイプを有するタイヤブロックを、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデルを生成するステップと、
前記三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面のいずれか一方のサイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域に設定するステップと、
予め設定された制約条件の下、前記ブロックモデルを路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけて前記ブロックモデルを変形させ、前記一対のサイプ壁面同士の係合で発現する接触圧力値を、前記設計領域を構成する節点毎に有限要素解析により算出するステップと、
前記各節点の接触圧力値に基づき定まる前記設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値よりも高くなるか否かを判定し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くないと判定した場合には、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くなるまで補正後のブロックモデルによる有限要素解析を繰り返すステップと、をコンピュータに実行させ、
前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の高い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側へ位置変更するとともに、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の低い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側へ位置変更することにより、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正することを特徴とする。このプログラムを実行することによっても、上記方法が奏する作用効果を得ることができる。
本発明に係る三次元サイプ壁面形状の導出装置を模式的に示すブロック図。 三次元サイプを有する陸部(ブロック)を模式的に示す斜視図。 ブロックモデルを模式的に示す斜視図。 ブロックモデルを模式的に示す側面図。 ブロックモデルを模式的に示す平面図。 設計領域に関する説明図。 他の実施形態に係る設計領域に関する説明図。 ブロックモデルの補正に関する説明図。 ブロックモデルの補正に関する説明図。 三次元サイプ壁面の形状を導出する方法を示すフローチャート。 初期形状の三次元サイプを有するブロックの解析結果を示す図。 本発明の導出方法により導出した形状の三次元サイプを有するブロックの解析結果を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
[三次元サイプ壁面形状の導出装置]
図1に示す本発明の三次元サイプ壁面形状の導出装置2は、図2に示す水平方向(踏面1aに沿った方向)に対するブロック1の剛性及び接地性を高めたサイプ壁面形状を、コンピュータシミュレーションを用いて導出する装置である。三次元サイプは、図2に示すように、水平方向におけるサイプ壁面形状が深さ方向RDで変化するサイプである。本実施形態の三次元サイプ10は、踏面1aにおけるサイプ壁面13の形状が波形状又はギザギザ状の凹凸形状であり、踏面1aの法線方向に対してサイプ壁面13の凹凸列がサイプの長手方向側に傾斜した第1の凹凸サイプ部S1と、第1の凹凸サイプ部S1とはサイプ壁面13の凹凸列が逆向きに傾斜した第2の凹凸サイプ部S2とが、サイプ深さ方向RDに交互に配置されている。
具体的に、三次元サイプ壁面形状の導出装置2は、図1に示すように、初期設定部20と、モデル生成部21と、設計領域設定部22と、圧力算出部23と、判定部24と、補正部25とを有する。これら各部20〜25は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図示しない処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
図1に示す初期設定部20は、キーボードやマウス等の既知の操作部を介してユーザからの操作を受け付け、初期形状の三次元サイプを有するタイヤモデルに関する設定、タイヤモデルにかける荷重値、タイヤモデルの変位方向及び変位距離など、有限要素法を用いたシミュレーションに必要な各種設定を実行し、これら設定値をメモリ(図示せず)に記憶する。
図1に示すモデル生成部21は、図3A〜図3Cに示すように、ユーザが予め設定した初期形状の三次元サイプ10を有するタイヤブロック1を、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデル1を生成する。図3Aはブロックモデル1の斜視図であり、図3Bはブロックモデル1の側面図であり、図3Cはブロックモデル1の平面図である。ブロックモデル1は、有限要素法(FEM)によるシミュレートを実施するために、タイヤ陸部(ブロック)を有限個の要素でモデル化したものである。ブロックモデル1を生成するための各種設定は初期設定部20により実施される。例えばブロックモデル1のゴム材料の物性(ゴム定数など)の数値データや、サイプ壁面13同士の摩擦係数、路面とブロック踏面の摩擦係数等が挙げられる。ブロックモデル1の変位方向としては、踏面1aに沿った方向であれば任意の方向に設定可能である。本実施形態では、変位方向をタイヤ前後方向CDに設定しているが、タイヤ幅方向WDでもよく、タイヤ前後方向CD及びタイヤ幅方向WDの両成分を有する方向に設定してもよい。なお、ここでは、サイプ幅方向(タイヤ前後方向CD)をx方向とし、サイプ長さ方向(タイヤ幅方向WD)をy方向とし、サイプ深さ(タイヤ径方向RD)をz方向として説明する。
本実施形態では、図3Cに示すように、三次元サイプ10のサイプ幅dxはサイプ全体で一定となるように設定され、且つ、一方のサイプ壁面13aを形成する節点eと他方のサイプ壁面13bを形成する節点e’が、サイプ幅方向以外のサイプ深さ方向及びサイプ長さ方向の座標位置が同一の対面関係となるように、ブロックモデルが生成される。具体的には、一方のサイプ壁面13aの或る節点eの座標を(X,Y,Z)とした場合に、当該節点eと対面関係にある節点e’の座標は(X+dx,Y,Z)である。dxは、サイプ幅である。勿論、サイプ幅一定という制約を設けないのであれば、任意の座標位置の節点同士を関連付けても良い。
図1に示す設計領域設定部22は、初期設定部20による設定に従い、サイプ壁面形状を変更するための基礎となる設計領域をブロックモデル1に設定する。具体的には、設計領域設定部22は、図4Aに示すように、三次元サイプ10を形成する一対のサイプ壁面13a・13bのいずれか一方のサイプ壁面13aのうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域Arに設定し、サイプ壁面を形成する節点のうち踏面を形成する節点e以外の節点を設計領域Arの節点とする。踏面1aを形成する節点eを設計領域Arから除外するのは、踏面1aにおけるサイプ形状を変更しないように維持するためである。
また例えば、図4Bに示すように、設計領域Arを、サイプ壁面13aのうちサイプ底側端部も除いた部位に設定し、サイプ底を形成する節点ebtを設計領域Arから除外してもよい。これは、サイプ底部は、ブロックが変形してもサイプ壁面同士が接触しないため、サイプ底部を設計領域から除外して計算コストを低減するためである。勿論、設計領域Arは、サイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除外していれば、サイプ底側端部を設計領域に含めても含めなくてもどちらでもかまわない。なお、ここでは、単一の節点を設計領域Arから除外したが、複数の節点を設計領域Arから除外してもよい。
図1に示す圧力算出部23は、初期設定部20により予め設定された制約条件の下、ブロックモデル1を路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけてブロックモデル1を変形させ、一対のサイプ壁面13a・13b同士の係合で発現する接触圧力値Pを、設計領域Arを構成する節点毎に有限要素解析により算出する。サイプ壁面13aを形成する節点数をNとし、各々の節点をeとした場合に、節点eの圧力値Pをそれぞれ算出する。iは1からNまでの自然数である。
図1に示す判定部24は、圧力算出部23の算出結果を用いて、各節点の接触圧力値に基づき定まる設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値thよりも高くなるか否かを判定する。本実施形態では、評価関数の値は、サイプ壁面を形成する節点eの圧力値Pの平均値Pavgとしているが、サイプ壁面全体の圧力値に対応する値であれば、これに限定されない。例えばPの合計値であってもよく、また、各節点の接触圧力値Pと平均値Pavgとの差値の絶対値の合計であってもよい。目標閾値thは、ユーザの操作を介して初期設定部20により予め設定される。
図1に示す補正部25は、評価関数の値が目標閾値thよりも高くないと判定部24が判定した場合に、設計領域Arの節点eの位置を移動することでサイプ壁面13の形状を変更する。具体的に、補正部25は、設計領域を構成する全節点e(i=1〜N)のうち全節点の平均圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの高い節点を抽出する。抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を、図5Aに示すように、各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側L1へ位置変更する。また、補正部25は、設計領域を構成する全節点e(i=1〜N)のうち全節点の平均圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの低い節点を抽出する。抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を、図5Bに示すように、各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側L2へ位置変更する。
図5に示すように、設計領域の節点eの移動距離及び当該節点eと対面する対面節点e’の移動距離は、同一であり、その値として予め定められた一定値を採用してもよいが、節点の接触圧力Piと全節点の平均接触圧力値Pavgとの差の大きさ(絶対値)|P−Pavg|に応じた値に設定してもよい。
[三次元サイプ壁面形状の導出方法]
上記導出装置1を用いて、ブロック剛性及び接地性が良好となる三次元サイプの壁面形状を導出する方法を説明する。
まず、ステップST1(図6参照)において、図1に示す初期設定部20は、操作部(図示せず)を介してユーザの操作を受け付け、有限要素解析、サイプ壁面形状の変更に必要となる各種設定を設定する。
次のステップST2(図6参照)において、図1に示すモデル生成部21は、図3A〜Cに示すように、初期形状の三次元サイプ10を有するタイヤブロック1を、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデル1を生成する。このとき、モデル生成部21は、図3Cに示すように、三次元サイプ10のサイプ幅dxはサイプ全体で一定になり、且つ、一方のサイプ壁面13aを形成する節点eと他方のサイプ壁面13bを形成する節点e’が、サイプ幅方向以外のサイプ深さ方向及びサイプ長さ方向の座標位置が同一の対面関係となるように、ブロックモデル1を生成する。
次のステップST3(図6参照)において、図1に示す設計領域設定部22は、図4に示すように、三次元サイプ10を形成する一対のサイプ壁面13a・13bのいずれか一方のサイプ壁面13aのうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域Arに設定する。
次のステップST4(図6参照)において、図1に示す圧力算出部23は、予め設定された制約条件の下、ブロックモデル1を路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけてブロックモデル1を変形させ、一対のサイプ壁面13a・13b同士の係合で発現する接触圧力値Pを、設計領域Arを構成する節点毎に有限要素解析により算出する。
次のステップST5(図6参照)において、図1に示す判定部24は、サイプ壁面を形成する節点eの接触圧力値Pの平均値Pavgの値を評価関数の値として算出する。次のステップST6において、図1に示す判定部24は、評価関数の値が目標閾値thよりも大きいか否かを判定する。
図6に示すステップST6において、評価関数の値が目標閾値thよりも高くないと判定部24が判定した場合(ST6:NO)には、補正部25は、設計領域Arを構成する全節点eのうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの高い節点を抽出し(図6のST7参照)、図5Aに示すように、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側L1へ位置変更する(図6のST8参照)。次のステップST9(図6参照)において、補正部25は、設計領域Arを構成する全節点eのうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの低い節点を抽出し、図5Aに示すように、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側L2へ位置変更する(図6のST10参照)。このように、ステップST7〜10を実行することで、サイプ壁面形状を補正し、ステップST4に示す補正後のブロックモデル1による解析の実行に戻る。
図6に示すステップST6において、評価関数の値が目標閾値thよりも高いと判定部24が判定した場合(ST6:YES)には、現時点のブロックモデル1が最適な形状であるとして、導出する。
上記方法及び装置によるサイプ壁面形状の導出結果について説明する。
図7Aは、初期形状の三次元サイプを有するブロックモデル1を用いて、ブロック剛性及び路面との接地圧分散を有限要素解析(FEM)により解析した結果を示す接地面の圧力分布図である。図7Bは、導出結果の形状の三次元サイプを有するブロックモデル1を用いて、ブロック剛性及び路面との接地圧分散を有限要素解析(FEM)により解析した結果を示す接地面の圧力分布図である。図7及び図7Bを比較すれば明らかであるが、図7Aは、サイプで区画されたブロックの浮きが顕著であるのに対し、図7Bは浮きが良くしされていることが分かる。数値データに関し、図7Aの結果を100として指数化した場合に、図7Bの解析結果は、ブロック剛性が119.4と高くなり、剛性が向上するとともに、接地圧分散が78.3と小さくなり、接地性が向上した。したがって、三次元サイプ壁面全体の接触圧力(平均値又は合計)が大きくなるほど、結果として、ブロック剛性が高くなり、その結果、ブロック変形時の踏面の浮きが抑制されて、接地分散が小さくなり、接地性が向上することが分かる。
以上のように、本実施形態の三次元サイプ壁面形状の導出方法は、タイヤ踏面1aに形成される三次元サイプ10の壁面形状をコンピュータが導出する方法であって、
初期形状の三次元サイプ10を有するタイヤブロック1を、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデル1を生成するステップST2と、
三次元サイプ10を形成する一対のサイプ壁面13a・13bのいずれか一方のサイプ壁面13aのうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域Arに設定するステップST3と、
予め設定された制約条件の下、ブロックモデル1を路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけてブロックモデル1を変形させ、一対のサイプ壁面13a・13b同士の係合で発現する接触圧力値Pを、設計領域Arを構成する節点毎に有限要素解析により算出するステップST4と、
各節点の接触圧力値Pに基づき定まる設計領域Ar全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値Pavgが予め定めた目標閾値thよりも高くなるか否かを判定し、評価関数の値Pavgが目標閾値thよりも高くないと判定した場合には、設計領域Arのサイプ壁面形状を補正し、評価関数の値Pavgが目標閾値thよりも高くなるまで補正後のブロックモデル1による有限要素解析を繰り返すステップ(ST5〜ST10)と、を含み、
設計領域Arを構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの高い節点を抽出し、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側L1へ位置変更するとともに、設計領域Arを構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの低い節点を抽出し、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側L2へ位置変更することにより、設計領域Arのサイプ壁面形状を補正する。
本実施形態の三次元サイプ壁面形状の導出装置1は、タイヤ踏面1aに形成される三次元サイプ10の壁面形状を導出する装置であって、
初期形状の三次元サイプ10を有するタイヤブロック1を、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデル1を生成するモデル生成部21と、
三次元サイプ10を形成する一対のサイプ壁面13a・13bのいずれか一方のサイプ壁面13aのうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域Arに設定する設計領域設定部22と、
予め設定された制約条件の下、ブロックモデル1を路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけてブロックモデル1を変形させ、一対のサイプ壁面13a・13b同士の係合で発現する接触圧力値Pを、設計領域Arを構成する節点毎に有限要素解析により算出する圧力算出部23と、
各節点の接触圧力値Pに基づき定まる設計領域Ar全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値Pavgが予め定めた目標閾値thよりも高くなるか否かを判定する判定部24と、
設計領域Arのサイプ壁面形状を補正する補正部25と、を備え、
評価関数の値Pavgが目標閾値thよりも高くないと判定部24が判定した場合には、設計領域Arのサイプ壁面形状を補正部25が補正し、評価関数の値Pavgが目標閾値thよりも高くなるまで補正後のブロックモデル1による有限要素解析を繰り返すように構成されており、
補正部25は、設計領域Arを構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの高い節点を抽出し、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向外側L1へ位置変更するとともに、設計領域Arを構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値Pavgよりも接触圧力値Pの低い節点を抽出し、抽出した節点e及び当該節点eに対面する対面節点e’を各節点におけるサイプ壁面の法線方向内側L2へ位置変更することにより、設計領域Arのサイプ壁面形状を補正する。
タイヤのブロック1が変形すると、三次元サイプ10を形成する一対のサイプ壁面13a・13b同士が均一ではなく部分的に複数領域で接触しあう。これら複数の接触領域は倒れ込みを抑制する効果の寄与度が他の領域に比して大きい領域であると考えられる。接触領域の凸形状をより大きな凸形状にするとともに、接触領域の凹形状をより大きな窪みにすれば、トレッドのせん断変形に対してサイプ壁面同士の接線方向の動きがより一層拘束されて係合強度が向上し、サイプ壁面全体に作用する接触圧力が高くなる。サイプ壁面全体に作用する接触圧力が高くなれば、結果として、ブロック剛性が高まり、接地性が向上することが判明した。
そこで、本実施形態では、このようなブロック剛性とサイプ壁面形状の相関関係を見いだして利用したものである。平均接触圧力値Pavgよりも高い接触圧力値Pの節点e及びこれに対面する対面節点e’を法線方向外側L1へ位置変更するので、倒れ込み抑制効果の寄与度の高い接触領域の凹凸形状をより大きな凹凸形状に変更することになるので、係合強度が向上し、評価関数の値Pavgが大きくなる方向に適切に補正することが可能となる。それでいて、各節点eの接触圧力値Pに基づき定まる設計領域Ar全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値Pavgを用いているので、解析により踏面の接地圧分散を評価することなくサイプ壁面に注目するだけで、ブロック剛性及び接地性を高めたサイプ壁面形状を導出することが可能となる。
さらに、本実施形態では、モデル生成部21は、三次元サイプ10のサイプ幅dxはサイプ全体で一定になり、且つ、一方のサイプ壁面13aを形成する節点eと他方のサイプ壁面13bを形成する節点e’が、サイプ幅方向(x方向)以外のサイプ深さ方向(z方向)及びサイプ長さ方向(y方向)の座標位置が同一の対面関係となるように、ブロックモデル1を生成し、
補正部25は、設計領域Arの節点eの移動距離及び当該節点eと対面する対面節点e’の移動距離が同一となるように位置変更する。
この構成及び方法によれば、溝幅が一定を保ったまま、サイプ壁面形状を変更できるので、一定厚みの板をブレードとしてサイプを形成することができ、製造コストを考慮して形状を導出することが可能となる。
さらに、本実施形態では、節点eの位置変更による移動距離は、当該節点eの接触圧力値Pと全節点の平均接触圧力値Pavgとの差の大きさに応じた値に設定される。
この構成及び方法によれば、節点eの接触圧力値Pと全節点の平均接触圧力値Pavgとの差、すなわち倒れ込み抑制の寄与度に応じた値に移動距離が設定されるので、より一層最適解に近づける補正を行うことができ、移動距離が一律に一定の場合に比べて計算コストを低減でき、導出を高速化することが可能となる。
さらに、本実施形態では、設計領域Arは、サイプ壁面13aのうち少なくともサイプ底側端部を除く部位に設定されている。この構成及び方法によれば、サイプ壁面13aのうちサイプ底側端部は、ブロックが変形してもサイプ壁面13a・13b同士が接触しない部位であるので、当該部位を設計領域Arから除外して計算コストを低減でき、導出を高速化することが可能となる。
本実施形態に係る三次元サイプ壁面形状の導出プログラムは、上記三次元サイプ壁面形状の導出方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、補正部25による節点の位置変更に制約を設けることが好ましい。具体的には、設計領域Arと設計領域以外の領域の境界付近の節点の位置変更距離に設けることが挙げられる。このような制約条件がなければ、設計領域と非設計領域との間に段差が発生してしまうおそれがあり、段差発生を抑制することが可能になる。他の例としては、同様の趣旨であるが、サイプ全体の体積変化に制約を設けても良い。この制約により上記段差の発生を抑制することが可能となる。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…ブロックモデル(タイヤブロック、陸部)
1a…踏面
10…三次元サイプ
13、13a、13b…サイプ壁面
e、e’、e、e’…節点
P、P…接触圧力値
avg…平均接触圧力値
th…目標閾値
L1…法線方向外側
L2…法線方向内側

Claims (9)

  1. タイヤ踏面に形成される三次元サイプの壁面形状をコンピュータが導出する方法であって、
    初期形状の三次元サイプを有するタイヤブロックを、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデルを生成するステップと、
    前記三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面のいずれか一方のサイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域に設定するステップと、
    予め設定された制約条件の下、前記ブロックモデルを路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけて前記ブロックモデルを変形させ、前記一対のサイプ壁面同士の係合で発現する接触圧力値を、前記設計領域を構成する節点毎に有限要素解析により算出するステップと、
    前記各節点の接触圧力値に基づき定まる前記設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値よりも高くなるか否かを判定し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くないと判定した場合には、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くなるまで補正後のブロックモデルによる有限要素解析を繰り返すステップと、を含み、
    前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の高い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向のうち壁面の凹凸形状が大きくなる側へ位置変更するとともに、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の低い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向のうち壁面の凹凸形状が小さくなる側へ位置変更することにより、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正することを特徴とする三次元サイプ壁面形状の導出方法。
  2. 前記三次元サイプのサイプ幅はサイプ全体で一定になり、且つ、一方のサイプ壁面を形成する節点と他方のサイプ壁面を形成する節点が、サイプ幅方向以外のサイプ深さ方向及びサイプ長さ方向の座標位置が同一の対面関係となるように、前記ブロックモデルを生成し、
    前記設計領域の節点の移動距離及び当該節点と対面する対面節点の移動距離が同一となるように位置変更する請求項1に記載の三次元サイプ壁面形状の導出方法。
  3. 前記節点の位置変更による移動距離は、当該節点の接触圧力値と前記全節点の平均接触圧力値との差の大きさに応じた値に設定される請求項1又は2に記載の三次元サイプ壁面形状の導出方法。
  4. 前記設計領域は、前記サイプ壁面のうち少なくともサイプ底側端部を除く部位に設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の三次元サイプ壁面形状の導出方法。
  5. タイヤ踏面に形成される三次元サイプの壁面形状を導出する装置であって、
    初期形状の三次元サイプを有するタイヤブロックを、節点で区画される有限要素でモデル化したブロックモデルを生成するモデル生成部と、
    前記三次元サイプを形成する一対のサイプ壁面のいずれか一方のサイプ壁面のうち少なくとも踏面側端部を除いた部位を設計領域に設定する設計領域設定部と、
    予め設定された制約条件の下、前記ブロックモデルを路面に接地させた状態で所定荷重及び所定方向への変位をかけて前記ブロックモデルを変形させ、前記一対のサイプ壁面同士の係合で発現する接触圧力値を、前記設計領域を構成する節点毎に有限要素解析により算出する圧力算出部と、
    前記各節点の接触圧力値に基づき定まる前記設計領域全体に作用する接触圧力値に対応する評価関数の値が予め定めた目標閾値よりも高くなるか否かを判定する判定部と、
    前記設計領域のサイプ壁面形状を補正する補正部と、を備え、
    前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くないと前記判定部が判定した場合には、前記設計領域のサイプ壁面形状を前記補正部が補正し、前記評価関数の値が前記目標閾値よりも高くなるまで補正後のブロックモデルによる有限要素解析を繰り返すように構成されており、
    前記補正部は、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の高い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向のうち壁面の凹凸形状が大きくなる側へ位置変更するとともに、前記設計領域を構成する全節点のうち当該全節点の平均接触圧力値よりも接触圧力値の低い節点を抽出し、抽出した節点及び当該節点に対面する対面節点を各節点におけるサイプ壁面の法線方向のうち壁面の凹凸形状が小さくなる側へ位置変更することにより、前記設計領域のサイプ壁面形状を補正することを特徴とする三次元サイプ壁面形状の導出装置。
  6. 前記モデル生成部は、前記三次元サイプのサイプ幅はサイプ全体で一定になり、且つ、一方のサイプ壁面を形成する節点と他方のサイプ壁面を形成する節点が、サイプ幅方向以外のサイプ深さ方向及びサイプ長さ方向の座標位置が同一の対面関係となるように、前記ブロックモデルを生成し、
    前記補正部は、前記設計領域の節点の移動距離及び当該節点と対面する対面節点の移動距離が同一となるように位置変更する請求項5に記載の三次元サイプ壁面形状の導出装置。
  7. 前記節点の位置変更による移動距離は、当該節点の接触圧力値と前記全節点の平均接触圧力値との差の大きさに応じた値に設定される請求項5又は6に記載の三次元サイプ壁面形状の導出装置。
  8. 前記設計領域は、前記サイプ壁面のうち少なくともサイプ底側端部を除く部位に設定されている請求項5〜7のいずれかに記載の三次元サイプ壁面形状の導出装置。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させプログラム。
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