まず、遊技機の実施例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施例のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1を示す背面図である。図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明においては、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときの上下左右方向を基準として説明する。
パチンコ遊技機1は、図1、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠110と、外枠110に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この打球供給皿3の下方には、操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上部には遊技者が押圧操作可能なプッシュボタン520が設けられている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば、図1に示すように、「左」(9L)、「中」(9C)、「右」(9R)の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
また、演出表示装置9の表示画面の左右側には、演出用可動物400L,400R(図13参照)が、それらの下端に設けられた前後方向を向く軸部材(図示略)周りに揺動可能に設けられており、可動物用モータ25c(図3参照)により、演出表示装置9の表示画面の左右側方に退避する退避位置と、演出表示装置9の表示画面の前側に重畳する演出位置と、の間で揺動可能に設けられている(図13(F)参照)。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていても良い。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていても良い。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ(全く同じでも良い。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでも良い。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしても良い。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしても良い。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしても良い。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であっても良い。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、及び第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。本実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成しても良い。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成しても良い。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づいて、賞球払出が実行される。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25aを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28L及び右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1及び図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、賞球LED51及び球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄及び演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄及び演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
本実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が例えば「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。尚、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。尚、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであっても良い。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであっても良い。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すれば良い。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に変動表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。尚、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしても良い。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)}に達するまで繰り返し実行される。尚、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されれば良い。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。尚、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしても良いし、複数の制御が組合せられて行われるようにしても良い。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であれば良い。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。本実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、本実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていても良い。また、例えば、特図ゲームにける変動表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしても良い。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア9L、9C、9Rでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御マイクロコンピュータ560等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、遊技制御マイクロコンピュータ560等の電源電圧を作成する電源回路、電源の遮断を検知する電断検出回路302、電源遮断時に遊技制御マイクロコンピュータ560にバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給回路等が搭載された第2電源基板31a、音声制御基板70及び球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。尚、主基板31及び第2電源基板31aは基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V及びDC12V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された第1電源基板990やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。第1電源基板990には、パチンコ遊技機1における主基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、本実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
また、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を打球供給皿3や余剰球受皿4に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、本実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくても良く、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしても良い。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御マイクロコンピュータ560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。本実施例では、ROM54及びRAM55は遊技制御マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていれば良く、ROM54は外付けであっても内蔵されていても良い。また、I/Oポート部57は、外付けであっても良い。遊技制御マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
尚、遊技制御マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御マイクロコンピュータ560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄及び演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が第2電源基板31aにおいて作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサ304が放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているものとする。
遊技制御マイクロコンピュータ560のリセット端子には、第2電源基板31aからのリセット信号が入力される。第2電源基板31aには、遊技制御マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路(図示略)が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載しても良い。
さらに、遊技制御マイクロコンピュータ560の入力ポートには、第2電源基板31aから電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、第2電源基板31aには、遊技機において使用される所定電圧(本実施例ではDC12V)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電断検出回路302が搭載されている。尚、電断検出回路302を第2電源基板31aに搭載するのではなく、第1電源基板990、主基板31に搭載するようにしても良い。また、遊技制御マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23a及び各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。尚、RAMは外付けであっても良い。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ及び入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
尚、本実施例では、演出制御基板80には、例えば、演出制御用CPU120やRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100やVDP(図示略)などが搭載され、複数の機種間で共通に使用可能な共通基板とされている。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージ装飾LED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
枠ボタン基板509には、該枠ボタン基板509に接続されているプッシュボタン520の操作を検出するフォトセンサからなるボタンスイッチ516aからの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)からの指示に基づいて、該枠ボタン基板509に接続されているソレノイド517L,517Rの駆動信号及び該枠ボタン基板509に接続されているボタンLED519の表示駆動信号を出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)がソレノイド517L,517Rの動作やボタンLED519の表示を制御できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、プッシュボタン520を有する操作ボタンユニット516について、図4〜図10に基づいて説明する。図4は、打球供給皿形成部の上面に設けられた操作ボタンユニットを示す平面図である。図5は、操作ボタンユニットを示す分解斜視図である。図6は、(A)は合体前の操作ボタンユニットを示す横断平面図、(B)は合体後の操作ボタンユニットを示す横断平面図である。図7は、図6(A)のA−A断面図である。図8は、プッシュボタンを押圧操作した状態を示す縦断面図である。図9は、図6(B)のB−B断面図である。図10は、プッシュボタン及び透明カバーを押圧操作した状態を示す縦断面図である。
図4に示すように、下扉枠103の前面に突設された打球供給皿形成部3aの上面には、打球供給皿3が形成されているとともに、その前方における左右方向の略中央部には、操作ボタンユニット516が設けられている。操作ボタンユニット516は、図4〜図7に示すように、中央に設けられたプッシュボタン520と、このプッシュボタン520の左右側方に配置されてプッシュボタン520に対して離接可能に設けられた可動部材521L,521Rと、プッシュボタン520が内部に配置され、かつ、可動部材521L,521Rが出し入れされる透光性を有する合成樹脂材にて構成されたカバー部材522と、から主に構成されている。プッシュボタン520は、平面視で略十角形をなす立体状に形成され、その上面には微細な凹凸により形成された装飾が施されている(図4参照)。
カバー部材522は、略箱状をなし、上面に平面視で矩形状に開口された上面開口522aが形成され、この上面開口522aからプッシュボタン520の一部が突出されている(図7参照)。更に、カバー部材522の下面には、プッシュボタン520が通過可能な大きさの下面開口522bが形成されている(図6参照)。また、左右側部に側部開口522cが形成されており、この側部開口522cから可動部材521L,521Rが左右方向に出し入れ可能となっている(図6及び図7参照)。
尚、カバー部材522の上面522e開口522aの周囲に形成された上面にも、微細な凹凸により形成された装飾が施されている(図4参照)。プッシュボタン520の上面に形成された装飾とカバー部材522の上面522eに形成された装飾とは互いに関連した模様とされている。
これらプッシュボタン520、カバー部材522、可動部材521L,521Rは、打球供給皿形成部3aの上面に凹設された配置用枠523内に上下動可能に配置されている。配置用枠523は、中央部にカバー部材522及びプッシュボタン520を上下動可能とする中央凹部523aが形成されているとともに、中央凹部523aの左右側には、可動部材521L,521Rがスライド移動可能な側方凹部523bが形成されている。側方凹部523bは、中央凹部523aの左右側部における深さ(上下)方向の略中央位置から左右方向にそれぞれ延設されている。
配置用枠523において、中央凹部523aの上方は開放されているが、側方凹部523bの上方は、打球供給皿形成部3aの上面板3bにより覆われている。つまり、この上面板3bにおける中央凹部523aに対応する箇所には開口3cが形成されている。上面板3bは、透明な部材に塗膜M(図7参照)を塗り付けて形成されているが、開口3cの左右近傍における側方凹部523bに対応する部分には、塗膜Mが形成されていない透視部3dとされている。
可動部材521L,521Rは、後述する非合体位置と合体位置との間で移動可能に設けられており、非合体位置にある可動部材521L,521Rをカバー部材522及び透視部3dを通して上方から視認できるようになっている。尚、合体位置にある可動部材521L,521Rは、カバー部材522内に入り込み、このカバー部材522を通して合体位置にある可動部材521L,521Rを上方から視認できるようになっている(図4参照)。
また、可動部材521L,521Rは、プッシュボタン520の左右側面に嵌合される凹状壁521aを有するとともに、この凹状壁521aの下端縁からプッシュボタン520に向かって延びる延設係合板521bを有している。
尚、可動部材521L,521Rは、その上面に微細な凹凸により形成された装飾が施されていてもよい。また、内部に発光用のダイオード等を設け、上面が発光するようにしてもよい。
プッシュボタン520は、図7に示すように、配置用枠523の中央凹部523aの底面部に固定されるボタンベース520aと、このボタンベース520aの上部に昇降自在に取り付けられるボタンネック520bと、このボタンベース520aの上面に一体に装着されるボタントップ520cと、から主に構成される。尚、ボタンベース520aは図5において図示を省略している。
プッシュボタン520は、ボタンネック520b内に、複数のボタンLED519が設けられたLED基板が内蔵されており、このボタンLED519の発光が透光性を有するボタントップ520cを通過して拡散することで、プッシュボタン520が発光するようになっている。また、ボタンベース520aとボタンネック520bとの間にコイルバネ520dが設けられている。
ボタンネック520b及びボタントップ520cは、ボタンベース520aに対してコイルバネ520dにより上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持される。そして、係合片522dが被係合長孔522fの上端に係合することで、図7に示すように、押圧操作を受付け可能な操作位置に保持される。
遊技者によりプッシュボタン520が押圧されると、コイルバネ520dによる付勢力によりプッシュボタン520が操作位置に復帰するようになっている。更に、ボタンベース520a内には、ボタンスイッチ516aを有する基板520eが配置されており、この基板520eは、配置用枠523の中央凹部523aにネジ(図示略)により固定されている。また、この基板520eの上面には、ボタンスイッチ516aが設けられており、このボタンスイッチ516aにより検出される突起状の被検出部520fがボタンネック520bの下端に設けられている。
遊技者によりプッシュボタン520が押圧されると、ボタンネック520b及びボタントップ520cが降下し、ボタンネック520bの被検出部520fがボタンスイッチ516aにより検出され、この検出によりプッシュボタン520が押圧された検出信号が枠ボタン基板509を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される(図3参照)。また、ボタンネック520bの下部には、側方に突出される係合凸部520gが設けられるとともに、ボタンベース520aには、ボタンネック520bの係合凸部520gが係合され、かつ上下方向に長い被係合長孔520hが設けられている。この被係合長孔520hによりボタンネック520b及びボタントップ520cの上下方向の移動範囲が規定されている。
カバー部材522は、平面視横長矩形状をなす筒体であり、プッシュボタン520の左右位置に可動部材521L,521Rが配置可能に形成されている。カバー部材522の左右側の下辺からは、側方に延設された係合片522dが設けられている。このように構成されたカバー部材522は、図5に示すように、下面開口522bを介してボタンネック520b及びボタントップ520cの上方から嵌合することで、カバー部材522の上面522eにおける上面開口522aの周縁がボタントップ520c周縁により保持される。つまり、カバー部材522は、ボタンネック520b及びボタントップ520cに対して上下方向に相対移動可能とされている。
また、この係合片522dは、配置用枠523の中央凹部523aの側面に上下方向に延設された被係合長孔522fに上下方向に移動可能に係合され、この被係合長孔522fによりカバー部材522の上下方向の移動範囲が規定されている。
可動部材521L,521Rは、側方凹部523b内を左右方向に移動自在に設けられ、凹状壁521aがプッシュボタン520の左右側面に接触(または近接)する合体位置(図6(A)、図9、図10参照)と、合体位置よりも凹状壁521aがプッシュボタン520の左右側面に対し左右側方に離れる非合体位置(図6(A)図7、図8参照)と、の間で変位(スライド移動)可能に設けられている。
図5及び図6に示すように、プッシュボタン520及びカバー部材522は、中央凹部523a内に配置され、可動部材521L,521Rは、側方凹部523b内に配置され、中央凹部523a内に移動可能とされている。また、左右の側方凹部523bの下方位置には、各可動部材521L,521Rをプッシュボタン520に向かって押圧して移動させるためのソレノイド517L,517Rが設けられている。
ソレノイド517L,517Rは、電磁石を内蔵した本体と、この本体から延びてコイルバネ517aの付勢力により突出する方向に付勢されたロッド517bと、を備えている。このロッド517bの先端には、側方凹部523bの底面に形成された左右方向に延びる長孔523cを介して上方に延びた後、プッシュボタン520に向けて屈曲する側面視略L字状に延びるリンク部材517cが設けられている。
リンク部材517cの先端は、可動部材521L,521Rの外側壁に形成された上下方向を向く縦長の連結長孔518に挿入されており、可動部材521L,521Rの外側壁における連結長孔518の近傍を左右側から挟み込むように規制するガイド片517dが形成されている(図6及び図7参照)。これにより、可動部材521L,521Rは、リンク部材517cに対して上下方向に摺動可能、かつ、左右方向に移動不能に連結されている。
ソレノイド517L,517Rに内蔵された電磁石が励磁されていない状態では、ロッド517bの先端がコイルバネ517aにより本体から離れる方向に付勢され、このロッド517bにリンク部材517cを介して連結された可動部材521L,521Rが、プッシュボタン520から離間される。
図7に示すように、プッシュボタン520(ボタンネック520b及びボタントップ520c)が操作位置にあるとき、このプッシュボタン520によりカバー部材522が中央凹部523aの上部位置に保持される。この状態において、カバー部材522の上面522eと上面板3bの上面とが面一になるとともに、カバー部材522の左右の側部開口522cがそれぞれ左右の側方凹部523bの開口に対向して、カバー部材522の内部と側方凹部523bとが連通するようになっている。また、カバー部材522の底面と側方凹部523bの底面とが面一になり、これらの底面上を可動部材521L,521Rがスライド可能とされる。
図6(A)、図7、図8に示すように、可動部材521L,521Rが非合体位置にあるときに、可動部材521L,521Rにおける一部は、カバー部材522の側部開口522cに入り込んでいる。つまり、可動部材521L,521Rは、一部がカバー部材522内に嵌合され、他の部分が側方凹部523b及び上面板3bにより形成される空間内に嵌合されることで、カバー部材522は中央凹部523a内上部の操作位置に保持される。
すなわち、カバー部材522の上面522eを遊技者が押圧しても、カバー部材522の左右端部が可動部材521L,521Rを介して側方凹部523bに係止されていることで、配置用枠523に対するカバー部材522の下降動作が規制される。
尚、本実施例では、可動部材521L,521Rが非合体位置にあるときは、カバー部材522の下降動作が規制されるように構成されているが、非合体位置にあるときでも、ボタンネック520b及びボタントップ520cとともにカバー部材522が降下されるようにしてもよい。
また、図8に示すように、可動部材521L,521Rが非合体位置にあるときに、遊技者が操作ボタンユニット516の押圧操作を行う、つまりプッシュボタン520の上面を遊技者が押圧すると、プッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cが降下し、ボタンネック520bの被検出部520fがボタンスイッチ516aにより検出され、プッシュボタン520が押圧された検出信号が枠ボタン基板509を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。尚、遊技者が操作ボタンユニット516の押圧操作を止めると、コイルバネ520dによる付勢力によりプッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cが元の位置に復帰するようになっている。
図6(B)及び図9に示すように、ソレノイド517L,517Rに内蔵された電磁石が励磁されると、突出されたロッド517bがコイルバネ517aの付勢力に抗して引き込まれるとともに、ロッド517bにリンク部材517cを介して連結された可動部材521L,521Rをプッシュボタン520に近づく方向に押圧し、可動部材521L,521Rの凹状壁521aがプッシュボタン520の左右側面に当接するようになる。すなわち、可動部材521L,521Rの凹状壁521aがプッシュボタン520の左右側面に当接する位置が合体位置となっている。
この合体位置においては、可動部材521L,521R全体がカバー部材522内に完全に入り込むとともに、延設係合板521bがプッシュボタン520のボタンネック520bの下面側に滑り込んで接触した状態となる。つまり、カバー部材522に対する可動部材521L,521Rの下降動作が延設係合板521bにより当接規制されることで、プッシュボタン520に対しカバー部材522が一体化されるとともに、このカバー部材522を介して、プッシュボタン520に対し可動部材521L,521Rが一体化(合体)される。
このように可動部材521L,521Rが合体位置にあるときには、可動部材521L,521Rの全体がカバー部材522内に入り込んで一体化されるので、遊技者がプッシュボタン520の上面を遊技者が押圧すると、その押圧力がボタンネック520bの下面側に接触した延設係合板521bを介して可動部材521L,521Rに加わり、この可動部材521L,521R及びカバー部材522も、プッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cとともに降下される。
また、カバー部材522の上面522eを遊技者が押圧した場合であっても同様に、カバー部材522と一体となって可動部材521L,521Rとプッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cとが降下されるようになっている。
つまり、可動部材521L,521Rが非合体位置にあるときには、遊技者が押圧操作できる範囲がプッシュボタン520の上面に限られていたが、可動部材521L,521Rが合体位置にあるときには、遊技者が押圧操作できる範囲がプッシュボタン520の上面のみならず、カバー部材522の上面522eにおける上面開口522aの周囲領域まで広がる。つまり、可動部材521L,521Rが合体位置に移動してプッシュボタン520に対してカバー部材522を介して可動部材521L,521Rが一体化されたときに、該プッシュボタン520の上面の周囲における可動部材521L,521Rに対応する領域であるカバー部材522の上面522eに、遊技者により操作される被操作部が形成される。
尚、ここでは、遊技者が押圧操作できる範囲がプッシュボタン520の上面のみならず、カバー部材522の上面522eにおける上面開口522aの周囲領域全体に広がる(増加する)ようになっているが、このように上面522eにおける上面開口522aの周囲領域全体が操作可能範囲となってもよいし、該上面522eにおける上面開口522aの周辺領域の一部が操作可能範囲となるようにしてもよい。
尚、図10に示すように、可動部材521L,521Rが合体位置にあるときには、ソレノイド517L,517Rの電磁石が励磁された状態が維持され、可動部材521L,521Rがプッシュボタン520に接触(近接)された状態が維持される。この状態で、可動部材521L,521Rが降下される際には、可動部材521L,521Rの外側板がリンク部材517cのガイド片517dに摺接案内されながら降下されるため、合体位置にある可動部材521L,521Rがカバー部材522から脱することが防止される。
そして、プッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cが降下されることで、ボタンネック520bの被検出部520fがボタンスイッチ516aにより検出され、プッシュボタン520が押圧された検出信号が枠ボタン基板509を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。尚、遊技者が操作ボタンユニット516の押圧操作を止めると、コイルバネ520dによる付勢力によりプッシュボタン520のボタンネック520b及びボタントップ520cと可動部材521L,521Rとカバー部材522が元の操作位置に復帰する。
また、図9に示すように、合体位置にある可動部材521L,521Rを非合体位置に戻す際には、ソレノイド517L,517R内の電磁石を励磁することで、ロッド517bの先端がコイルバネ517aにより本体から離れる方向に付勢され、これによりリンク部材517cを介して可動部材521L,521Rをプッシュボタン520から離れる方向に移動される。
このように構成された操作ボタンユニット516においては、可動部材521L,521Rが非合体位置に維持される非合体位置を駆動初期位置としており、後述する合体演出の実行タイミングにおいて合体位置まで移動させるようになっている。また、演出制御用CPU120は、可動部材521L,521Rが非合体位置にあるときでも合体位置にあるときでも、プッシュボタン520の操作を有効に受付ける操作有効期間を設定可能としている。
尚、本実施例では、左右に設けられたソレノイド517L,517Rにより動作するリンク部材517cによって、左右の各可動部材521L,521Rがプッシュボタン520に当接する合体位置とプッシュボタン520から離れる非合体位置とで移動可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一のソレノイドからリンク機構等を介して左右の可動部材521L,521Rに動力を伝達し、1つのソレノイドを用いて左右の可動部材521L,521Rを連動させるようにしてもよい。
尚、本実施例では、リンク部材517cに対して可動部材521L,521Rが上下方向に摺動可能に連結されていたが、例えば、リンク部材517cの先端及び可動部材521L,521Rのうち一方に電磁石や永久磁石等を設けるとともに他方に磁性体を設け、磁力によりリンク部材517cに対し可動部材521L,521Rを上下方向に移動可能、かつ、左右方向に引き出し可能に連結してもよい。
尚、本実施例では、左右に設けられた各ソレノイド517L,517Rにより動作する左右のリンク部材517cによって左右の各可動部材521L,521Rを同態様にて連動させているが、例えば、左右のうち一方のソレノイドのみを励磁して一方の可動部材のみを動作させたり、左右のうち一方の可動部材を一方向に動作させる一方で他方の可動部材を他方向に動作させたりするなど、左右に設けられた各ソレノイド517L,517Rをそれぞれ個別に制御するようにしてもよい。
また、可動部材521L,521Rは、図7に示す非合体位置から図9に示す合体位置に向けて移動を開始すると直ちに延設係合板521bがボタンネック520bの下側に入り込んでカバー部材522に対するボタンネック520b及びボタントップ520cの降下を規制するため、移動中にプッシュボタン520やカバー部材522が押圧操作されても下降しないようになっているが、移動中においてもプッシュボタン520の操作ができるようにしてもよい。
また、本実施例では、可動部材521L,521Rによりカバー部材522やボタンネック520b及びボタントップ520cの降下が規制されるようになっていることで、降下を規制するための部材や機構を設けなくて済むので製造コストを低減できるが、カバー部材522以外の部材により降下が規制されるようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、可動部材521L,521Rを非合体位置から合体位置まで移動させるタイミングにおいてボタンスイッチ516aがプッシュボタン520の操作を検出しているときは、検出信号の入力がなくなるまでソレノイド517L,517Rを励磁して可動部材521L,521Rを移動させるタイミングを遅延または停止するようになっているため、可動部材521L,521Rの延設係合板521bの先端がプッシュボタン520の左右側面520jに当接して移動が規制されることでソレノイドに負荷がかかることが防止されている。
また、本実施例では、可動部材521L,521Rを非合体位置から合体位置まで移動させるタイミングにおいてボタンスイッチ516aがプッシュボタン520の操作を検出しているときは、検出信号の入力がなくなるまでソレノイド517L,517Rを励磁して可動部材521L,521Rを移動させないようにしているが、例えば、後述する合体演出において可動部材521L,521Rを非合体位置から合体位置まで移動させるタイミングの前(例えば、1〜3秒前など)において、プッシュボタン520の操作、つまり、プッシュボタン520の下降動作を機械的に規制する規制機構を設け、合体位置まで移動させるタイミングの直前にプッシュボタン520の下降動作が規制されるようにしてもよく、このようにすれば、可動部材521L,521Rを非合体位置から合体位置まで移動させるタイミングを遅延させたり停止させたりせずに、所定のタイミングで移動を開始させることができる。
次に、このように構成された操作ボタンユニット516を用いた演出の一例を、図11〜図15に基づいて説明する。
本実施例では、特別図柄の変動パターンとして複数種類のパターンが定められており、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがあり、本実施例では、スーパーリーチ変動パターンとして、スーパーA〜Cの3つの変動パターン(図示略)があり、各スーパーA〜Cの変動パターンに対応して演出内容が異なるスーパーリーチ演出A〜Cが実行されるようになっている。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
演出制御用CPU120は、主基板31から演出制御コマンドとして演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合、該受信した変動パターンに対応する変動パターンに基づいて演出図柄の変動表示を行うとともに、変動パターンの種別がスーパーリーチ変動パターン(スーパーA〜C)である場合、該スーパーリーチ変動パターンに対応するスーパーリーチ演出A〜Cを選択して実行する。
スーパーリーチ演出A〜Cのうちスーパーリーチ演出Aは、操作ボタンユニット516を用いた演出とされており、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動開始時に、図11に示すスーパーリーチ演出パターン決定テーブルを用いて、変動表示結果に応じて複数のパターンSP1−1、1−2、2−1、2−2、3−1のうちからいずれかを選択し、該選択した演出パターンに基づいてスーパーリーチ演出を実行する。尚、他のスーパーリーチ変動パターン(スーパーB,C)に対応するスーパーリーチ演出B,Cにおいても、対応するスーパーリーチ演出パターン決定テーブルを用いて、変動表示結果に応じて複数のパターンのうちからいずれかを選択するようになっている。
尚、本実施例では、変動時間が異なる複数のスーパーリーチ変動パターン(スーパーA〜C)それぞれに対応するスーパーリーチ演出A〜Cが予め定められていたが、一のスーパーリーチ変動パターンに対して内容の異なる複数種類のリーチ演出のうちからいずれかを選択するようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出Aを選択した場合、演出図柄の変動が開始されてからリーチ状態が成立した後、所定のタイミングにおいてプッシュボタン520の周囲に設けられた可動部材521L,521Rをプッシュボタン520に当接させる合体演出を実行するとともに、この合体演出に応じてプッシュボタン520の操作を有効化し、この操作有効期間内にプッシュボタン520が操作されたときまたはプッシュボタン520が操作されずに操作有効期間が終了したときに、演出表示装置9の表示画面の左右側方に設けられた演出用可動物400L,400R(図13参照)による可動演出(所定の演出)または演出表示装置9の表示画面にキャラクタが割り込み表示されるカットイン演出(所定の演出)を実行する。
具体的には、パターンSP1−1は、プッシュボタン520に対し可動部材521L,521Rが合体する合体演出を行うとともに、プッシュボタン520の操作後に実行する操作後演出として、左右双方の演出用可動物400L,400Rが退避位置から演出位置まで揺動する可動演出を行うパターンとされている。パターンSP1−2は、合体演出を行うとともに、操作後演出として、カットイン演出として該カットイン画面が表示画面の半分以上を占めるカットイン(大)演出を行うパターンとされている。
パターンSP2−1は、合体演出を行わないとともに、操作後演出として、右側の演出用可動物400Rのみが退避位置から演出位置まで揺動する可動演出を行うパターンとされている。パターンSP2−2は、合体演出を行わないとともに、操作後演出としてカットイン画面がパターンSP1−2のカットイン画面よりも小さいカットイン(小)演出を行うパターンとされている。
パターンSP3−1は、合体演出を行わないとともに、操作後演出として可動演出やカットイン演出などを行わない旨を示す非実行画像(例えば、操作が不発に終わったことを示す画像の表示など)を表示するパターンとされている。つまり、パターンSP3−1は、合体演出及び可動演出やカットイン演出などの操作後演出を行わない(非実行)パターンとされている。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動開始時において、変動表示結果に応じてこれらパターンSP1−1、1−2、2−1、2−2、3−1のうちからいずれかを選択する。具体的には、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路(図示略)や演出制御カウンタ設定部(図示略)のランダムカウンタなどから抽出した演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、図11に示すスーパーリーチ演出決定テーブルを参照することにより、スーパーリーチ演出パターンを決定する。
演出制御用CPU120は、図11に示すような決定割合で、スーパーリーチ演出の種別を決定すればよい。図11に示す決定割合の設定例では、変動表示結果が「確変大当りA」、「通常大当りC」、「ハズレ」のいずれに対応したものであるかに応じて、スーパーリーチ演出のパターンの決定割合を異ならせている。尚、本実施例では、変動表示結果が「確変大当りB」、「小当り」の場合には、スーパーリーチ変動パターン(スーパーリーチA〜C)が選択されないようになっているため、「確変大当りB」、「小当り」に対応する乱数値は設定されていないが、変動表示結果が「確変大当りB」、「小当り」の場合でも、スーパーリーチ変動パターン(スーパーリーチA〜C)が選択されるようにしてもよく、このような場合、「確変大当りB」、「小当り」に対応する各パターンの決定割合を設定すればよい。
図11に示すように、変動表示結果が「確変大当りA」、「通常大当りC」である場合には、「ハズレ」である場合よりも、合体演出、可動演出、カットイン演出が実行される割合(パターンSP3−1以外のパターンが決定される割合)が高くなっている。特に、合体演出及び左右の演出用可動物400L,400Rの作動、カットイン(大)の表示が実行される割合(パターンSP1−1、1−2のパターンが決定される割合)が高くなっている。このような設定により、パターンSP3−1以外のパターンを実行すること、特に、合体演出を行うことで、変動表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、変動パターンが「確変大当りA」である場合には、「通常大当りC」、「ハズレ」である場合よりも、左右の可動物400L,400Rの作動が実行されるパターンSP1−1が決定される割合が高くなっている。このような設定により、パターンSP1−1に基づく演出を実行することで、変動表示結果が「確変大当りA」となることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、各パターンにおいて、変動表示結果が「大当り」となる大当り信頼度は、パターンSP1−1が最高、パターンSP1−2が高、パターンSP2−1が中、パターンSP2−2が低となっている。このような設定により、いずれのパターンが実行されるかにより、変動表示結果が「大当り」となることを予告・示唆することができる。
また、合体演出が実行される場合、左右の可動物400L,400Rの作動またはカットイン(大)が実行されるのに対し、合体演出が実行されない場合には、左右の可動物400L,400Rのうち右側のみが作動またはカットイン(小)が実行されるようになっている。つまり、演出制御用CPU120は、合体演出が行われた場合にボタン操作を受付けたときと、合体演出が行われない場合にボタン操作を受付けたときとで、異なる操作後演出を実行する。特に、合体演出が行われた場合にボタン操作を受付けたときには、大当り信頼度が高い左右の可動物400L,400Rの作動やカットイン(大)が実行されるのに対し、合体演出が行われなかった場合にボタン操作を受付けたときには、大当り信頼度がパターン1−1,1−2のときよりも左右の可動物400L,400Rのうち右側のみが作動またはカットイン(小)が実行されるようになっている。
尚、本実施例では、合体演出が行われた場合にボタン操作を受付けたときは、左右のうち右側の可動物400Rのみ作動またはカットイン(小)を実行せず、合体演出が行われなかった場合にボタン操作を受付けたときは、左右の可動物400L,400Rの作動やカットイン(大)を実行しないようになっていたが、合体演出が行われた場合にボタン操作を受付けたときに、合体演出が行われなかった場合にボタン操作を受付けたときよりも低い割合で左右のうち右側の可動物400Rのみ作動またはカットイン(小)を実行してもよいし、合体演出が行われなかった場合にボタン操作を受付けたときに、合体演出が行われた場合にボタン操作を受付けたときよりも低い割合で左右の可動物400L,400Rの作動またはカットイン(大)を実行するようにしてもよい。
次に、スーパーリーチ演出Aの演出態様の一例を、図12のタイミングチャートに基づき、図13〜図15を参照しながら説明する。
図12(A)は、変動表示結果が大当りとなる変動においてパターンSP1−1、1−2のいずれかが選択された場合を示している。演出図柄の変動が開始した後(ta1)、所定期間が経過した時点でリーチ状態が成立し、スーパーリーチ演出Aが開始される(ta2、図13(a)、図14(a)参照)。
スーパーリーチ演出Aが開始されると、演出表示装置9の表示画面に味方キャラクタCAと敵キャラクタCBとが登場し(図13(B)、図14(B)参照)、バトルを開始する(図13(C)、図14(C)参照)画像が表示される。
次いで、スーパーリーチ演出Aが開始されてから所定期間が経過した時点で(ta3)、可動部材521L,521Rが移動してプッシュボタン520に合体する合体演出が実行されるとともに、合体した時点でその旨が演出表示装置9の表示画面に表示される(図13(D)、図14(D)参照)。
その後、プッシュボタン520の操作が有効に受付けられる操作受付期間(例えば、3秒間)が開始されるとともに(ta4)、演出表示装置9の表示画面に、プッシュボタン520の操作を促す操作促進画面が表示される(図13(E)、図14(E)参照)。
そして、操作受付け期間内にプッシュボタン520の操作がボタンスイッチ516aにて検出された場合(ta5)、パターンSP1−1の場合は、左右の演出用可動物400L,400Rが退避位置から演出位置まで揺動する可動演出が実行される(図13(F)参照)。また、パターンSP1−2の場合は、演出表示装置9の表示画面に、味方キャラクタCAのカットイン(大)画面が表示されるカットイン演出が実行される(図14(F)参照)。
次いで、操作受付期間が終了し(ta6)、所定期間が経過した時点で、可動部材521L,521Rが合体位置から退避するとともに、操作後演出が終了する(ta7)。操作後演出の終了後、バトルに勝利した味方キャラクタCAが表示された後(図13(G)参照)、スーパーリーチ演出Aが終了するとともに演出図柄が「777」にて停止表示され(ta8)、大当りとなった旨が報知される(図13(H)、図14(H)参照)。
図12(B)は、変動表示結果がハズレとなる変動においてパターンSP2−1、2−2のいずれかが選択された場合を示している。演出図柄の変動が開始した後(tb1)、所定期間が経過した時点でリーチ状態が成立し、スーパーリーチ演出Aが開始される(tb2、図15(a)参照)。
スーパーリーチ演出Aが開始されると、演出表示装置9の表示画面に味方キャラクタCAと敵キャラクタCBとが登場し(図15(B)参照)、バトルを開始する(図15(C)参照)画像が表示される。
次いで、スーパーリーチ演出Aが開始されてから所定期間が経過した時点で(tb3)、可動部材521L,521Rが移動してプッシュボタン520に合体する合体演出の実行タイミングとなるが、ここでは可動部材521L,521Rは移動せず、合体演出が実行されないとともに、演出表示装置9の表示画面ではバトルが継続して表示される(図15(D)参照)。
その後、プッシュボタン520の操作が有効に受付けられる操作受付期間(例えば、3秒間)が開始されるとともに(tb4)、演出表示装置9の表示画面に、プッシュボタン520の操作を促す操作促進画面が表示される(図15(E)参照)。
そして、操作受付け期間内にプッシュボタン520の操作がボタンスイッチ516aにて検出された場合(tb5)、パターンSP2−1の場合は、右側の演出用可動物400Rのみが退避位置から演出位置まで揺動する可動演出が実行される(図15(F)参照)。また、パターンSP2−2の場合は、演出表示装置9の表示画面に、味方キャラクタCAのカットイン(小)画面が表示されるカットイン演出が実行される(図15(G)参照)。
次いで、操作受付期間が終了し(tb6)、所定期間が経過した時点で、操作後演出が終了する(tb7)。操作後演出の終了後は、特に図示はしないが、味方キャラクタCAがバトルに敗北した画像が表示された後、スーパーリーチ演出Aが終了するとともに演出図柄が「767」などのハズレ態様にて停止表示され(tb8)、ハズレとなった旨が報知される。
尚、パターンSP3−1に基づく演出においては、特に詳細な説明はしないが、合体演出の開始タイミング(ta3、tb3)においても合体演出が実行されないとともに、プッシュボタン520の操作が操作有効期間内に検出された場合(ta5、tb5)、演出表示装置9の表示画面に可動演出やカットイン演出が実行されない旨を示す非実行画像が表示される。
尚、本実施例では、操作受付期間内の所定時点でプッシュボタン520の操作が検出された場合、その時点で操作受付期間が終了して操作後演出が開始されるようになっていたが、操作受付期間内にプッシュボタン520の操作が検出されてもその時点で操作受付期間を終了しないとともに操作後演出も開始せず、操作受付期間が終了してから操作後演出を開始するようにしてもよい。また、この場合、操作受付期間内において1回のプッシュボタン520の操作のみを有効に受付け、2回目以降の操作は受付けないようにすることが好ましい。
また、操作受付期間内にプッシュボタン520の操作が検出されなかった場合、操作受付期間が終了した時点で、決定されているパターン1−1、1−2、2−1、2−2、3−1に基づく操作後演出の実行を開始してもよい。あるいは、パターン3−1に基づく操作後演出(非実行画像の表示)や、操作しなかった場合の専用の表示画像等を表示するようにしてもよい。
また、本実施例では、スーパーリーチ演出を開始してから所定期間が経過した時点(ta3など)で合体演出が開始され、合体が完了した旨が演出表示装置9の表示画面に表示されるようになっていたが、例えば、スーパーリーチ演出が開始されてから合体演出の開始タイミングとなる前に、合体演出が実行される可能性を演出表示装置9の表示画面などにて示唆する示唆演出等を行うようにしてもよく、このようにすることで、合体演出に対する期待感を高めることができる。
また、本実施例では、合体演出を行うことが決定されている場合、合体演出の開始タイミングとなった時点で合体演出が開始されるようになっていたが、合体演出の開始タイミングとなる前に操作受付期間を開始し、該操作受付期間内にプッシュボタン520の操作を受付けたタイミングで合体演出を開始するようにしてもよい。また、この場合、合体演出が開始された後にもう一度プッシュボタン520の操作を受付けたときに、操作後演出が開始されるようにしてもよいし、合体演出が開始されてから所定時間が経過した時点で操作後演出が開始されるようにしてもよい。
また、本実施例では、合体演出が行われた後に操作受付期間が開始されるようになっていたが、合体演出が開始される前から操作受付期間を開始し、合体演出が開始される前や合体演出の実行中にもプッシュボタン520の操作を受付けるようにしてもよい。さらに、このようにした場合、合体演出が開始される前にプッシュボタン520の操作を受付けたときと、合体演出の実行中にプッシュボタン520の操作を受付けたときとで、操作後演出の内容が異なるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出Aの実行中において、可動部材521L,521Rが合体位置にある状態のときと、可動部材521L,521Rが非合体位置にある状態のときとで、つまり、合体演出を行ったときと合体演出を行わなかったときとで、プッシュボタン520が操作されたときに該操作を有効に受付ける操作受付期間を開始する処理を実行する。すなわち、プッシュボタン520の操作が有効に受付けられる操作受付期間において、可動部材521L,521Rは合体位置にあるときもあれば、非合体位置にある場合もある。このように、可動部材521L,521Rが合体位置にある状態のときと可動部材が非合体位置にある状態のときとで、プッシュボタン520の周囲の態様が変わるため、プッシュボタン520を操作することに対する遊技者の興味を引き付けて操作意欲を高めることができるので、遊技の興趣が向上する。
また、操作を受付け可能な操作位置と押圧操作されて操作が検出される下降位置との間で移動可能に設けられるプッシュボタン520を可動するようにしなくても、その周囲にある可動部材521L,521Rを可動させることで、プッシュボタン520の周囲の態様を変化させることができるため、遊技者に操作される機会が多いプッシュボタン520の構造を複雑化させることなく、その周囲の態様を変化させることが可能となるばかりか、プッシュボタン520に影響を及ぼすことがないので、可動部材521L,521Rの可動動作を多様化することができる。
また、プッシュボタン520の動作方向(上下方向)に対して直交する方向(左右方向)に可動部材521L,521Rは移動可能に設けられていることで、遊技者は可動部材521L,521Rの移動を認識しやすくなる。
また、可動部材521L,521Rは、合体位置にある状態のときには、プッシュボタン520が操作されたときに該プッシュボタン520とともに移動するようにカバー部材522を介してプッシュボタン520と一体化され、プッシュボタン520に可動部材521L,521Rが一体化されたときに、該プッシュボタン520の周囲における該可動部材521L,521Rに対応する領域であるカバー部材522の上面522eに、遊技者により操作される被操作部が形成されることで、可動部材521L,521Rが第1状態になると、プッシュボタン520の上面に加えてその周囲にも被操作部が形成されることで、プッシュボタン520の周囲の態様だけでなく操作範囲も変わるため、プッシュボタン520を操作することに対する遊技者の興味を引き付けて操作意欲を高めることができるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、可動部材521L,521Rは、合体位置においてカバー部材522を介してプッシュボタン520に一体化されて該プッシュボタン520とともに移動するようになっていたが、合体位置においてもプッシュボタン520とともに移動しなくてもよい。
また、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出Aの実行中において、操作受付期間内に遊技者によるプッシュボタン520の操作を受付けた(ボタンスイッチ516aによりプッシュボタン520を検出した)ことに応じて、例えば、可動演出やカットイン演出などの操作後演出を実行可能であり、可動部材521L,521Rが合体位置にある状態で操作を受付けたときと、非合体位置にある状態で操作を受付けたときとで、異なる演出を実行する。つまり、演出制御用CPU120は、合体演出が行われるパターンSP1−1,1−2に基づくスーパーリーチ演出Aを実行するとき、操作後演出として左右の演出用可動物400L,400Rを揺動する可動演出またはカットイン(大)演出を実行するのに対し、合体演出が行われないパターンSP2−1,2−2に基づくスーパーリーチ演出Aを実行するとき、操作後演出として右の演出用可動物400Rのみを揺動する可動演出またはカットイン(小)演出を実行するので、プッシュボタン520を操作した後の操作後演出の内容が異なる(同じ可動演出でも可動する演出用可動物の数、場所等が異なる。同じカットイン演出でもカットイン画面の大きさが異なる)ので、操作部材を操作することに対する遊技者の興味を引き付けて操作意欲を高めることができるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、プッシュボタン520を操作したときに可動部材521L,521Rが合体演出を実行したときと実行しなかったときとで、操作後演出の演出態様が異なるだけでなく、合体演出を実行したときの方が、合体演出を実行しなかった場合よりも可動演出において演出用可動物の作動数が多い、カットイン演出画面が大きいなど、同じ内容の演出でも演出態様が派手になるようにしているため、大当りに対する期待感を高めることができる。さらに、合体演出を実行したときに、合体演出を実行しなかった場合よりも演出用LED等の発光数を多くしたり、発光輝度やスピーカ等の音量等を大きくしてもよい。
また、このように、合体演出の実行の有無に応じて操作後演出の演出態様が異なれば、その内容は種々に変更可能であり、例えば、合体演出を実行したときと実行しなかったときとで、操作後演出として内容が異なる演出を実行してもよいし、合体演出を実行したときには、合体演出を実行しないときの演出に加えて別個の演出を追加して実行してもよい。
また、前記実施例では、リーチ演出の一例であるスーパーリーチ演出Aにおいて合体演出や操作後演出が実行されるようになっていたが、スーパーリーチ演出B,Cにおいて合体演出や操作後演出を実行可能としてもよい。さらに、スーパーリーチ演出だけでなく、演出図柄の変動表示中において実行され大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される種々の演出において、合体演出や操作後演出を実行可能としてもよい。
また、前記実施例では、変動表示結果が大当りになるとき、合体演出が実行されるパターンSP1−1,1−2が、合体演出が実行されないパターンSP2−1,2−2よりも高い割合で決定され、かつ、大当り信頼度もパターンSP1−1,1−2の方がパターンSP2−1,2−2よりも高くなっていたが、変動表示結果が大当りになるとき、合体演出が実行されるパターンSP1−1,1−2よりも合体演出が実行されないパターンSP2−1,2−2の方が高い割合で決定され、かつ、大当り信頼度もパターンSP1−1,1−2よりもパターンSP2−1,2−2の方が高くなるようにしてもよい。さらに、合体演出が実行されるとき、合体演出が実行されないときよりも操作後演出の演出態様が派手に行われるようになっていたが、合体演出が実行されないとき、合体演出が実行されるときよりも操作後演出の演出態様が派手に行われるようにしてもよい。
また、本実施例では、合体位置において、操作部材としてのプッシュボタン520に対し可動部材521L,521Rが、側面520jに凹状壁521aが当接するとともに、カバー部材522とともに上下動可能に設けられていたが、合体位置においてプッシュボタン520の側面520jに対し近接すれば当接しなくてもよいし、カバー部材522とともに上下動しなくてもよい。
また、本実施例では、可動部材521L,521Rはカバー部材522を介してプッシュボタン520に一体化するようになっているが、カバー部材522を介すことなく、プッシュボタン520に対して可動部材521L,521Rが直接組み付けられるようになっていてもよい。
また、可動部材521L,521Rがプッシュボタン520に合体したときに、可動部材521L,521Rの上面に施された装飾(図示略)と、プッシュボタン520の上面やカバー部材522の上面522eに施された装飾と、が合致して一の模様や図形を構成するようにしてもよい。
また、本実施例では、可動部材521L,521Rの内部に発光ダイオード等を配設していなかったが、内部に演出用LEDを配設し、その光がカバー部材522を通して遊技者から視認できるようにしてもよい。
図16〜図18には、本発明の変形例としての操作ボタンユニットが示されている。図16は、(A)は変形例1としての操作ボタンユニットにおける合体前、(B)は合体後を示す斜視図である。図17は、(A)は変形例2としての操作ボタンユニットにおける合体前、(B)は合体後を示す斜視図である。図18は、(A)は変形例3としての操作ボタンユニットにおける合体前、(B)は動作途中、(C)は合体後を示す断面図である。
図16(A)に示すように、本変形例1における操作ボタンユニット1516は、打球供給皿形成部3aの上面に設けられた略矩形状をなすプッシュボタン1520と、このプッシュボタン1520の周囲に配置される炎の形状を模った可動部材1521と、から主に構成されている。尚、本変形例1のプッシュボタン1520におけるコイルバネやフォトセンサ等の構成は、前記実施例のプッシュボタン520と略同一構成であるので説明を省略する。
図16(B)に示すように、本変形例1における可動部材1521は、打球供給皿形成部3aに設けられた駆動モータ(図示略)を正方向に回転駆動させることにより、打球供給皿形成部3aの上面側から突出されるとともに、駆動モータ(図示略)を逆方向に回転駆動させることにより、突出された状態から降下されるようになっている。尚、本変形例1では、遊技者がプッシュボタン1520を押圧操作することに応じて可動部材1521を上昇させるようにし、可動部材1521が上昇しているときは、プッシュボタン1520が押圧し難くなる。そして、所定時間経過後に可動部材1521が降下して元の位置に復帰するようになっている。
このように、本変形例1における可動部材1521は、プッシュボタン1520の周囲に上下方向に昇降可能に配置されている。つまり、可動部材1521は、可動部材1521の所定部位である上面1521aが、プッシュボタン1520の所定部位である上面1520aに対し上下方向に近接する第1状態(下降位置にある状態)と該第1状態よりも上面1521aが上面1520aに対し上方向に離れる第2状態(上限位置にある状態)とに昇降可能に設けられていてもよい。
図17(A)に示すように、本変形例2における操作ボタンユニット2516は、打球供給皿形成部3aの上面に設けられた略矩形状をなすプッシュボタン2520と、このプッシュボタン2520の周囲に配置される複数のブロック状の可動部材2521と、から主に構成されている。尚、本変形例2のプッシュボタン2520におけるコイルバネやフォトセンサ等の構成は、前記実施例のプッシュボタン520と略同一構成であるので説明を省略する。
図17(B)に示すように、本変形例2における各可動部材2521は、打球供給皿形成部3aに設けられたリンク機構(図示略)により一体的に動作するように連携されており、このリンク機構に連結された駆動モータ(図示略)を正方向に回転駆動させることにより、それぞれの可動部材2521がプッシュボタン2520から離れる方向に移動する。
本変形例2における可動部材2521は、プッシュボタン2520の周囲に上下方向に昇降可能に配置されている。つまり、可動部材1521は、各可動部材2521の所定部位である側面2521aが、プッシュボタン2520の所定部位である側面2520aに対し左右方向に近接する第1状態(図17(A)参照)と該第1状態よりも側面2521aが離れる第2状態(上限位置にある状態)とにスライド移動可能に設けられていている。
また、可動部材は、操作部材の周囲に1つのみ配設されるものだけでなく、本変形例2のように、プッシュボタン2520の周囲に複数の可動部材2521が配設されていてもよい。
図18(A)に示すように、本変形例3における操作ボタンユニット3516は、打球供給皿形成部3aの上面に設けられた略矩形状をなすプッシュボタン3520と、このプッシュボタン3520の近傍に配置された可動部材3521と、から主に構成される。尚、本変形例3のプッシュボタン3520におけるコイルバネやフォトセンサ等の構成は、前記実施例のプッシュボタン520と略同一構成であるので説明を省略する。
図18(B)及び図18(C)に示すように、本変形例3における可動部材3521の基端部には、打球供給皿形成部3a内部に設けられた駆動モータ(図示略)を回転駆動させることにより、回転動作を行う回動軸3521bが設けられており、この回動軸3521bを中心として可動部材3521が回転されるようになっている。
そして、本変形例3では、駆動モータ(図示略)を回転駆動させることにより、可動部材3521の先端部(所定部位)がプッシュボタン3520から離間する位置(図18(A)参照)と、可動部材3521が立設する位置(図18(B)参照)と、可動部材3521の先端部(所定部位)がプッシュボタン3520に近接する位置(図18(C)参照)と、の間で変位可能となっている。
このように、本変形例3における可動部材3521は、プッシュボタン3520の周囲に左右方向に回動可能に配設されている。つまり、可動部材3521は、各可動部材3521の所定部位である先端面3521aが、プッシュボタン3520の所定部位である側面3520aに対し近接する第1状態(図18(C)参照)と該第1状態よりも先端面3521aが離れる第2状態(図18(A)参照)とに変化可能であれば、左右上下方向にスライド移動可能に設けられているものだけでなく、左右方向を向く回動軸3521bや上下方向を向く回動軸(図示略)等を中心として回動可能に設けられていてもよい。
また、可動部材は、操作部材の所定部位に対して可動部材の所定部位が所定方向(例えば左右方向)に近づいたり離れるように変化可能に設けられていれば、他方向(例えば上下方向)に近づいたり離れたりしなくてもよい。つまり、可動部材全体が、操作部材に対し近づいたり離れたりしなくてもよい。
また、前記実施例では、プッシュボタン520の所定部位に対し可動部材521L,521Rが近接または当接する第1状態において、可動部材521L,521Rはカバー部材522を介してプッシュボタン520に合体、つまり、一体化されるようになっていたが、上記変形例1〜3に示すように、第1状態において一体化されるものでなくてもよい。
また、前記実施例では、プッシュボタン520の所定部位に対し可動部材521L,521Rが近接または当接する第1状態と離れる第2状態とで、プッシュボタン520の操作範囲が広がるようになっていたが、上記変形例1〜3に示すように、第1状態と第2状態とで、操作範囲が変化しなくてもよい。
また、前記実施例や変形例1〜3では、可動部材は第1状態と第2状態とに変化可能に設けられ、第1状態と第2状態とに1段階の動作で変化するようになっていたが、複数段階の動作を経て変化するようにしてもよい。例えば、前記実施例においては、合体位置と非合体位置との間に中間位置を1以上設け、非合体位置から中間位置まで移動したときに一旦停止した後、いずれかの中間位置から合体位置まで移動するようにしてもよい。
このようにした場合、例えば、合体演出を実行しない場合でも、可動部材を中間位置まで移動させることで、合体位置まで移動することに対する期待感を煽ることができる。また、合体演出の実行の有無に応じて可動部材の移動量を決定するとともに、移動量が多くなるほど大当りの期待度が高くなるようにすることで、合体演出が実行されることに対する期待感を高めることができる。
また、上記のように可動部材を段階的に移動させるだけでなく、可動部材を速くまたは遅く移動させたり、異なる移動経路から移動させたり、振動させたりするなど、パターン毎に移動態様を異ならせるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。