以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば横長に形成された押し込み式のボタンである。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。なお、演出切替ボタン45は単に「ボタン」、「プッシュボタン」等と称するものでもよい。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に左始動入賞口26、中始動入賞口27、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30及び振り分け装置200等が分布して設置されている。
このうち振り分け装置200は、遊技領域8aの下部分の中央位置に配置されている。振り分け装置200の上端部には振り分け装置入口202が形成されており、振り分け装置200の2つの下端部には振り分け装置出口204が形成されている。左始動入賞口26と中始動入賞口27は、2つの振り分け装置出口204の真下の位置に横一列に配列されている。こうした位置関係により、振り分け装置出口204から放出された遊技球は左始動入賞口26又は中始動入賞口27に極めて高い確率で入球することができる。
振り分け装置200の振り分け機構は、詳細には図示していないが、例えば2つの穴の開いた回転体や、2つの方向に傾斜した面を有する回転体、2つのルートに分岐した構造物等を用いることにより遊技球をほぼ均等に2方向へ交互に振り分けることができる。振り分け装置入口202に進入した遊技球は、このような振り分け機構により2方向へ交互に振り分けられて2つの振り分け装置出口204のいずれかから放出された後、その真下に配置されている左始動入賞口26又は中始動入賞口27にほぼ均等の割合で交互に入球することとなる。
また、始動ゲート20、可変入賞装置30及び可変始動入賞装置28は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。また、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24は遊技領域8aの右側部分に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、左始動入賞口26、中始動入賞口27、普通入賞口22,24に入球したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)や開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口30a)に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に左始動入賞口26に入球するか、中始動入賞口27に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、普通入賞口24に入球するか、開放動作時の可変入賞装置30に入球するか、作動時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、左始動入賞口26、中始動入賞口27、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30a)に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、左始動入賞口26や中始動入賞口27や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)や可変入賞装置30(大入賞口30a)、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有しており、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に点線で示されるように、1つの開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき右始動入賞口28aへの入球は不能又は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して右始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能又は容易な状態となり、右始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは右始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28a)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口30aへの入球を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。
可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の上方に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材30bを有している。この開閉部材30bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して左右方向に往復動作する。図示のように1つの開閉部材30bは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき大入賞口30aへの入球は不能又は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30bは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して大入賞口30aを開放する。この間に可変入賞装置30は遊技球の入球が可能又は容易な状態となり、大入賞口30aへの入球を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、このとき開閉部材30bは大入賞口30aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(開放時の大入賞口30a)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変入賞装置30に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c等を備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えばスペードの形状の装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下流には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある振り分け装置200への進入口となる振り分け装置入口202に流入しやすくなる。なお、ここでは振り分け装置200を用いた盤面構成を例に挙げているが、特に振り分け装置200を必須の構成とする必要はない。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や左始動入賞口26、中始動入賞口27、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30a)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、パチンコ機1の一部(受け皿ユニット6の中央部及びその周辺位置)を拡大して示す正面図である。上皿6bの手前位置には、ボタンユニット300がその下部を受け皿ユニット6に埋め込まれた状態で設置されており、その上部をなす演出切替ボタン45のみが遊技者により視認可能である。遊技者は、遊技の進行に伴い液晶表示器42に表示された指示に従いながら必要に応じて演出切替ボタン45を押し込み操作することとなる。ここでは演出切替ボタン45のみが示されているが、この他に上下左右の方向キー等が設けられている態様であってもよい。また、ボタンユニット300の詳細な構造については、詳しく後述する。
図5は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、左始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、左始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、中始動入賞口27又は可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口27又は右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で左始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口27又は右始動入賞口28aに遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する複数のLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、左始動入賞口26、中始動入賞口27、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30a)にそれぞれ対応して左始動入賞口スイッチ80、中始動入賞口スイッチ83、右始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82,83は、左始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)、中始動入賞口27への遊技球の入球を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口30a)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22に対応した第1入賞口スイッチ81、普通入賞口24に対応した第2入賞口スイッチ86が装備されている。第1入賞口スイッチ81は盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入球を検出し、第2入賞口スイッチ86は盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入球を検出する。なお、ここでは普通入賞口22,24について個別の入賞口スイッチ81,86を用いる構成を例に挙げているが、例えば全ての普通入賞口22,24に対し共通の入賞口スイッチを用いる構成としてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84、第1入賞口スイッチ81及び第2入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔ボタンユニットの構造〕
図7は、ボタンユニット300の初期状態における斜視図である。ここで初期状態とは、ボタンユニットの上部をなす演出切替ボタン45が押し込み操作されていない位置(初期位置)にある状態をいう。
ボタンユニット300の外観は、ボタンケース310とその上部に被せられた演出切替ボタン45とにより、全体として角部に丸みのある台形が高さ方向に延びた形状をなしている。ボタンケース310は、深さを有した容器状に形成されており、その内部空間にボタンユニット300を構成する様々な部材を格納している。ボタンケース310の上端部は、側面が外方に向け屈曲されてなる。ボタンユニット300は、ボタンケース310の上端部から下の部分が受け皿ユニット6に埋め込まれた状態で設置される。
演出切替ボタン45は、ボタンケース310の上部に形成された開口を覆っている。演出切替ボタン45は、ある程度の高さを有しており、初期状態においてはボタンケース310の上端部より上方に大きく突出している。
図8は、ボタンユニット300の押下状態における斜視図である。ここで押下状態とは、演出切替ボタン45が押し込み操作された位置(押下位置)にある状態をいう。
押下状態においては、演出切替ボタン45は高さ方向の大半の部分がボタンケース310の内側に入り込んでおり、ボタンケース310の上端部より上方には演出切替ボタン45の上部(操作面)のみが顔をのぞかせている。
図9は、ボタンユニット300の分解斜視図である。発明の理解を容易とするために、この図においてはボタンユニット300を構成する主要な部材のみを図示し、その他の部材(例えば、ネジやばね、内蔵の装飾体等)については図示を省略することとする。
ボタンユニット300を分解すると、下から順にボタンケース310、可動部材320、フォトセンサ330、基板340、ボタンカバー350が重ね合わされて組み立てられていることが分かる。ボタンユニット300は、容器状に形成されたボタンケース310の内部空間にボタンユニット300を構成する他の構成部材が収容されてなる。
ボタンケース310は、ボタンユニット300の最下部をなしており、ボタンユニット300そのものは、演出切替ボタン45に対する押し込み操作に伴い変位しない。ボタンケース310は、固定柱312、リブ314及びガイドスリーブ316を有している。リブ314と固定柱312はボタンケース310の底板から上向きに起立しているのに対し、ガイドスリーブ316はボタンケース310の底板を貫通して下向きに突出している。2つの固定柱312は、ボタンケース310の内部空間に収容される他の部材に設けられた貫通孔を通ることにより、他の部材の水平方向における位置を決定する。固定柱312の手前側には、リブ314が設けられている。リブ314は、演出切替ボタン45の押下に伴う可動部材320の変位方向を案内する役割を有している。リブ314の形状や機能等については、詳しく後述する。ボタンケース310の底板の左右両端部には、ガイドスリーブ316が設けられている。2つのガイドスリーブ316は、可動部材320に設けられた可動柱326を受け入れて演出切替ボタン45の押下に伴う可動柱326の変位方向を案内する役割を有している。
可動部材320は、ボタンケース310の上に重ねられ、演出切替ボタン45の押下に伴い変位する。可動部材320は、貫通孔322、遮光板324、支持筒325及びリブ受け孔328を有している。2つの貫通孔322は、可動部材320の底板を穿孔して形成されており、ボタンケース310に形成された固定柱312を受け入れる。遮光板324は、鉛直方向に板状に延び、その上端部が可動部材320の底面に接続している。
2つの支持筒325は、可動部材320の底板を貫通して上下方向に突出しており、その内面で柱状に形成された可動柱326を支持している。可動柱326は、支持筒325の下端より下方まで大きく飛び出した状態で固定されている。可動柱326は、ボタンケース310に設けられたガイドスリーブ316に受け入れられる。リブ受け孔328は、可動部材320の底板を穿孔して形成されており、ボタンケース310に設けられたリブ314を受け入れる。演出切替ボタン45の押下に伴い変位する可動部材320その他の部材は、可動柱326とガイドスリーブ316等が連携することにより、初期位置と押下位置との間にて変位可能に支持されている。演出切替ボタン45が押下されると、可動部材320はリブ314に案内されて下方に変位するとともに、可動柱326がガイドスリーブ316に案内されて下方に変位する。また、演出切替ボタン45の押下が解除されると、可動部材320は再びリブ314に案内されて上方に変位するとともに、可動柱326がガイドスリーブ316に案内されて上方に変位する。
基板340は、その底面にフォトセンサ330が固定された状態で可動部材320の上に重ねられる。基板340はボタンケース310に対し間接的に固定されており、演出切替ボタン45の押下に伴い変位しない。基板340にはこれを穿孔して形成された2つの柱受孔342を有している。柱受孔342は、ボタンケース310に形成された固定柱312を受け入れる。基板340の上面には、演出切替ボタン45を点灯させるための複数のLEDチップ(図示されていない)が搭載されている。基板340の底面に固定されたフォトセンサ330は、2つの脚を有しており、初期状態においては遮光板324が2つの脚に挟まれた位置に存在するのに対し、押下状態においては遮光板324が2つの脚から下方に外れた位置に存在する。遮光板324をこのような位置に配置することにより、フォトセンサ330は演出切替ボタン45に対する押し込み操作を検知することできる。なお、フォトセンサ330の構造については、改めて後述する。
ボタンカバー350は、蓋状に形成されてボタンユニット300の最上部をなし、その上部が遊技者からの押し込み操作を受け入れる演出切替ボタン45として機能する。ボタンカバー350は、ネジ孔352を介し可動部材320に対して固定され、演出切替ボタン45の押下に伴い変位する。ボタンカバー350は透光性を有する部材で形成されており、基板340に搭載されているLEDチップが発した光を演出切替ボタン45の上方に透過させる。これにより、遊技者は演出切替ボタン45の点灯状態を視認することが可能となる。
図10は、フォトセンサ330の構造を説明する平面図である。
この図に示されるように、フォトセンサ330は基板340の底面に実装(固定)されており、基板340を介して通電される。フォトセンサ330は、コの字の開放部分を下向きにした形状をなしており、2つの脚を有している。2つの脚の内側には、一対の発光部332及び受光部334が設けられている。一方の脚に設けられた発光部332は、他方の脚に設けられた受光部334に向けて赤外線IRを発する。受光部334は、発光部332から発せられた赤外線IRの光軸上に障害物が存在しなければ赤外線IRを受光することができる。
上述したように、演出切替ボタン45が押し込み操作されていない状態(初期位置)においては、遮光板324が2つの脚に挟まれた位置、すなわち赤外線IRの光軸上に位置しているため、遮光板324が発光部332から発せられた赤外線IRを遮り、受光部334は赤外線IRを受光することができない。これに対し、演出切替ボタン45が押し込み操作された状態(押下位置)においては、遮光板324が赤外線IRの光軸状から外れる位置に変位するため、受光部334は発光部332から発せられた赤外線IRの受光が可能となる。
このように、受光部334による赤外線IRの受光状態は、演出切替ボタン45の押下に伴う遮光板324の変位に応じて、変化する。フォトセンサ330は、受光部334の受光状態に基づいて演出切替ボタン45に対する押し込み操作又はその解除を検知することができる。具体的には、フォトセンサ330は、受光部334が赤外線IRを受光していれば演出切替ボタン45に対する押し込み操作を検知し、受光部334が赤外線IRを受光していなければ演出切替ボタン45に対する押し込み操作の解除を検知することができる。
〔初期状態における構成部材の相互位置〕
図11は、ボタンユニット300の初期状態における縦断面図(図7中のXI−XI切断線に沿う断面図)である。
この図に示されるように、ボタンカバー350はその下端が可動部材320の上端にぴたりと接続した状態に組み立てられる。したがって、ボタンカバー350が下方に変位すると、これに連動して可動部材320及びその一部をなす遮光板324も同時に下方に変位する。一方、ボタンカバー350と可動部材320とに挟まれる位置に設けられたインナーレンズ360及び基板340に加え、基板340の底面に固定されたフォトセンサ330は、それぞれが直接的又は間接的にボタンケース310に対して固定されている。したがって、これらの部材330,340,360は、ボタンカバー350が下方に変位しても常に一定の位置に保たれる。
可動柱326は、その上部が可動部材320の底板を貫通して上下に延びた支持筒325により支持されている一方で、その下部はボタンケース310に形成されたガイドスリーブ316及びガイドスリーブ316の内側に密着した補助スリーブ317により可動となる状態で受け入れられている。したがって、可動柱326は、ボタンカバー350が下方に変位するとこれに連動して下方に変位する。このとき、圧縮コイルばね327は、上方から押し込まれて支持筒325と補助スリーブ317との間で圧縮されることとなる。
この図に示されたボタンユニット300は初期位置にあるため、ボタンカバー350の上部(演出切替ボタン45)はボタンケース310の上端部より上方に大きく突出している。また、遮光板324はフォトセンサ330の2つの脚に挟まれる位置にある。フォトセンサ330は、2つの脚がボタンケース310の底板から高さ方向に起立したリブ314の間に位置している。
図12は、ボタンユニット300の初期状態における横断面図(図11中のXII−XII切断線に沿う断面図)である。
リブ314は、2つのU字形状が各々の開放部同士を対向させた形状に形成されている。フォトセンサ330の2つの脚は、リブ314に囲まれた位置にある。フォトセンサの一方の脚の内側には発光部332が設けられ、これに対向する他方の脚の内側には受光部が設けられている。遮光板324は、発光部332から発せられる赤外線IRの光軸上に位置している。このように、初期状態においては赤外線IRが遮光板324により遮られるため、受光部334は赤外線IRを受光することができない。
〔押下状態における構成部材の相互位置〕
図13は、ボタンユニット300の押下状態における縦断面図(図8中のXIII−XIII切断線に沿う断面図)である。
ボタンユニット300を構成する各部材の相互位置を確認するために、この図に示された押下状態におけるボタンユニット300を図11に示された初期状態におけるボタンユニット300と比較してみる。なお、各図中に描いた切断線(図11中のXII-XII線及び図13中のXIV−XIV線)のボタンケース310に対する絶対位置(受皿ユニット6を基準とした位置)は同一である。
押下状態においては、まず、ボタンカバー350の位置が下方に変位し、その高さ方向の大半の部分がボタンケース310の内側に大きく入り込んでいる。また、ボタンカバー350の変位に伴い、これに接続している可動部材320と、可動部材320に接続している遮光板324及び可動柱326も同様に、ボタンカバー350と同じ変位量で下方に変位している。遮光板324は、下方に変位したことによりフォトセンサ330の2つの脚の間(光軸上)から外れた位置にある。なお、フォトセンサ330とリブ314は、いずれもボタンカバー350の変位に伴い変位しないため、相互位置は初期状態における場合と変化していない。
可動柱326は、ガイドスリーブ316に案内され、より具体的にはガイドスリーブ316の内側に密着して設けられた補助スリーブ317の内側面に案内されて下方に変位している。圧縮コイルばね327は、ボタンカバー350の変位に伴い変位する支持筒325(可動部材320)と変位しない補助スリーブ317(ガイドスリーブ316)との間に配置されているため、ボタンカバー350の変位に伴い下向きの力を受けて圧縮される。したがって、コイルばね327の長さは、図11に示されたボタンユニット300における場合よりも短くなっている。
図14は、ボタンユニット300の押下状態における横断面図(図13中のXIV−XIV切断線に沿う断面図)である。ここでも、ボタンユニット300を構成する各部材の相互位置を確認するために、この図に示された押下状態におけるボタンユニット300を図12に示された初期状態におけるボタンユニット300と比較してみる。
初期状態(図12)においては支持筒325及び可動柱326が断面で示されているのに対し、押下状態(図14)においては上面の輪郭のみで示されている。これにより、可動部材320及びこれに接続する各部材が初期位置より下方の位置に押し下げられていることが分かる。
また、遮光板324は、可動部材320が下方に押し下げられたことに連動し、発光部332から発せられる赤外線IRの光軸上から外れた位置に変位している。したがって、押下状態においては、赤外線IRは遮光板324により遮られないため、受光部334が赤外線IRを受光することができる。
〔リブの形状及び機能〕
図15は、ボタンケース310を単独で示す斜視図である。
この図に示されるように、ボタンケース310の底板は、幅方向でみた中央部が隆起しており、この左右に連なる両端部よりも高い位置に形成されている。ボタンケース310が固定柱312、リブ314及びガイドスリーブ316を有しているのは上述した通りであるが、そのうち固定柱312とリブ314は底板の中央部に、ガイドスリーブ316は底板の左右両端部に、それぞれ設けられている。
リブ314は、曲面状に形成されボタンケース310の底板から高さ方向に起立した2つの壁からなり、各々がその凹面を相互に対向させている。リブ314をこのような形状に形成することにより断面係数や断面二次半径を向上させ、高い剛性と座屈に対する強さを確保することができる。ボタンユニット300においては、ボタンケース310の上には可動部材320が重ねられ、リブ314は可動部材320の底板を貫通するリブ受け孔328に通される。リブ314と可動部材320とをこのような相互位置に配置することにより、演出切替ボタン45の押下に伴い変位する可動部材320をリブ314の外側面に沿って変位させることが可能となる。
本実施形態では、リブ314の外側面と可動部材320との間には、演出切替ボタン45の操作性を考慮して多少の間隔が設けられている。このため、ボタンユニット300に生じたガタつき具合や演出切替ボタン45の押し込み方によっては可動部材320が高さ方向に加え幅方向にも多少変位しうる。このとき、幅方向への変位量によっては、可動部材320がリブ314に接触又は衝突し、可動部材320の内側面(リブ受け孔328の側面)からリブ314の外側面に対して幅方向の力が加えられることとなる。リブ314は、上述したように断面係数を考慮した形状により高い剛性が確保されているため、このようにして可動部材320から幅方向の力を受けたとしても、破損する心配がない。
図16は、ボタンケース310を単独で示す平面図である。
ボタンケース310を平面視すると、2つの固定柱312、リブ314及び2つのガイドスリーブ316は、各々がボタンケース310の底板において左右対称となる位置に設けられていることが分かる。
リブ314は、同一のU字形状に形成された2つの壁がその開放部同士を対向させて左右対称に配置されている。なお、本実施形態においては、空間上の制約から、リブ314に求められる剛性をより省スペースで実現するために窪みの小さなU字型を採用したが、リブ314の剛性が確保できれば、この形状に限定されるものではない。例えば、リブ314が設けられる位置に空間上の余裕があり、周囲に配置される他の部材とリブ314との間に干渉が生じない場合には、U字型に代えてコの字型を採用し、コの字形状に形成された2つの壁を各々の開放部同士を対向させて配置してもよい。
〔リブによるフォトセンサの干渉防止構造〕
図17は、フォトセンサ330の周辺を拡大して示す縦断面図(図11中の一点鎖線XVIIに囲まれた枠内の拡大図)である。
リブ314の外側面とこれに対向する可動部材320の内側面との間には、間隔B1,B2が設けられている。一方、可動部材320の一部をなす遮光板324とフォトセンサ330との間にも、間隔A1,A2が設けられている。工場出荷時のボタンユニット300においては、間隔A1と間隔A2とは同じ大きさであり、間隔B1,B2もまた同じ大きさである。説明の便宜のため、この場合における間隔A1,A2の大きさをAとし、間隔B1,B2の大きさをBとする。このとき、間隔Aは間隔Bより大きく設定されている。言い換えると、遮光板324とフォトセンサ330の間に設けられた間隔A(A1,A2)とリブ314と可動部材320との間に設けられた間隔B(B1,B2)との間において、A>Bの関係が成り立つ。
リブ314と可動部材320との間に間隔が設けられていることにより、演出切替ボタン45が使用され続けて多少のガタつきが生じたとしても、ボタンユニット300は遊技者による押し込み操作を受け入れ続けることができる。つまり、この場合、可動部材320は高さ方向に変位するのと同時に幅方向にも変位しうる。可動部材320の幅方向への変位量は、Bが最大値となる。例えば、可動部材320がBの大きさだけ左に変位した場合、可動部材320の内側面はリブ314の外側面に接触し、それ以上左に変位することは不可能である。このとき、遮光板324も可動部材320の変位に伴いBだけ左に変位しているが、遮光板324とフォトセンサ330との間に設けられた間隔AはBより大きいため、遮光板324とフォトセンサ330との間に干渉は生じない。
このように、リブ314と可動部材320との間に遮光板324とフォトセンサ330との間の間隔より小さな間隔が設けられることにより、リブ314は演出切替ボタン45の押下に伴う可動部材320の変位方向を適切に案内しつつ、フォトセンサ330と遮光板324と間には常にクリアランスを確保することができる。したがって、リブ314の作用によりフォトセンサ330と遮光板324とを一切干渉させず、干渉を要因とするフォトセンサ330の動作不良や故障が発生しないため、フォトセンサ330ひいてはボタンユニット300、パチンコ機1の耐久性及び信頼性を向上させることが可能となる。
〔電飾基板の浸水防止構造〕
図18は、電飾基板の防水構造を説明するボタンユニットの初期状態における横断面図(図11中のXII−XII切断線に沿う断面図)である。
ボタンユニット300はパチンコ機1の前面側に設置されるため、外部に露出した箇所(ボタンカバー350の上部をなす演出切替ボタン45)に例えば遊技者が飲みかけた飲料水がこぼされたり、遊技者の汗が飛び散ったりする等により、やむを得ず液体LQがボタンユニット300の内部に浸入することが有り得る。この場合、液体LQはまずボタンユニット300の上方から浸入し、ボタンカバー350の外側面とボタンケース310の内側面との間を通過後、さらにボタンカバー350の下端に接続した可動部材320の外側面とボタンケース310の内側面との間を通過し、最終的にはボタンケース310の底板上に落下する。液体LQがボタンユニット300に浸入し続けると、ボタンケース310の底板上に液体LQによる水溜りが形成される。
基板340は、LEDチップやフォトセンサ330等に対する通電制御を行っているため、浸水すると基板340に搭載された部品がショートを起こして誤作動が生じる虞がある。したがって、基板340の浸水は確実に防止しなければならない。本実施形態においては、基板340を可動部材320とボタンカバー350とに挟まれた空間に配置することにより、基板340の浸水防止を実現した。
図18に示されるように、ボタンカバー350の下端と可動部材320の上端は隙間なく接続しているため、この位置に配置することにより基板340への上方からの浸水を確実に防止することができる。また、ボタンケース310の底板上に形成された水溜りは、遊技に伴い振動したり、底板にそって面積が拡大したりすることは有り得るが、水溜りの液体LQが高さ方向に跳ね上がる程の衝撃が発生することは有りえないため、基板340への下方からの浸水も同時に防止することが可能となる。なお、ボタンケース310の底板上に形成された水溜りは、時間の経過と共に自然に乾燥して消滅する。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
例えば、演出切替ボタン45に対する押し込み操作の検知に関し、フォトセンサ330は、発光部322から発せられた赤外線IRが受光部334により受光されると押し込み操作がなされたと検知し、発光部322から発せられた赤外線IRが受光部334により受光されないと押し込み操作が解除されたと検知する構成としたが、これに限定されない。例えば、フォトセンサ330と遮光板324との上下方向の位置を逆さにし、検知における判断も上述した態様とは逆、すなわち、発光部322から発せられた赤外線IRが受光部334により受光されなかった場合に押し込み操作がなされたと検知し、発光部322から発せられた赤外線IRが受光部334により受光された場合に押し込み操作が解除されたと検知する構成としてもよい。
また、基板340の浸水防止構造として、ボタンユニット300の上方から浸入した液体LQをボタンケース310が受け入れその底面上に水たまりを形成させる形態としたが、ボタンケース310の底板を貫通する排水孔を設け、この排水孔を介してボタンケース310が受け入れた液体LQを水抜きできる構造を適用することも可能である。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。