JP6104466B2 - モータ制御定数計算装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所望の応答特性を得るために、モータ制御装置に設定する適切なモータ制御定数を計算するモータ制御定数計算装置に関するものである。
モータ速度制御において、速度応答性および負荷変動に伴う速度変動を抑制するロバスト性を向上させるためには、制御ゲインを大きくする必要がある。しかしながら、エンコーダまたはレゾルバから得られるモータ速度信号にはノイズが含まれるので、制御ゲインを大きくするとノイズが増幅されてしまい、モータ速度の安定性が低下する。したがって、制御ゲインを大きくするだけでは、達成可能な制御性能には限界がある。
このような事態を回避するため、一般的には、ローパスフィルタ(LPF)を挿入することでモータ速度信号のノイズを低減する手段がとられる。しかしながら、LPFのカットオフ周波数を低くすることでノイズ低減効果を高めるほど、モータ速度信号の位相が遅れて速度応答性が劣化する。
以上から、制御性能を向上させるためには、制御ゲインと、LPFのカットオフ周波数とのトレードオフを考慮し、モータ制御装置に設定するのに適切なモータ制御定数を決定しなければならない。
ここで、従来では、このようなトレードオフに起因して、モータ制御定数を試行錯誤して決定することにならないように、所望の応答速度を規定するパラメータを1つ与えるだけで、モータ制御定数を自動的に計算して決定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の従来技術では、所望の応答速度を規定するパラメータとして目標応答周波数ωfを与えれば、モータ制御定数を自動的に決定する。なお、当該従来技術が対象としているモータ制御定数は、モータ制御装置の位置制御部内の位置ループゲインと、速度制御部内の速度ループゲインおよび速度積分時定数と、トルクフィルタ部内のフィルタ定数と、電流制御部内の電流ループゲインおよび電流積分時定数と、速度信号作成部(すなわち、LPF)内のフィルタ時定数である。
また、特許文献1では、速度制御ループが速度ループゲインおよびモータ負荷慣性のみで表される2次系として考え、目標速度(速度指令)からモータ速度(実速度)までに至る範囲の伝達関数の特性方程式が重根になるように、速度ループゲインを決定している。さらに、フィルタ時定数を決定するための計算式は、制御系の安定条件および繰り返し行った実験に基づいて試行錯誤して規定されている。
特許第3561911号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1に記載の従来技術では、モータ速度信号のノイズを低減するLPFを無視して、速度ループゲインを決定する。したがって、決定した速度ループゲインを用いて、最終的にLPFを挿入してモータを制御した場合には、実際上、決定時に与えた目標応答周波数ωfよりも速度応答性が劣化する。すなわち、決定した速度ループゲインは、必ずしも適切なモータ制御定数とはいえないという問題がある。
また、特許文献1に記載の従来技術では、フィルタ時定数を決定するための計算式は、試行錯誤して規定される。この結果、ユーザ(作業者)の能力差によって、最適なモータ制御定数にばらつきが生じたり、適切なフィルタ時定数を決定するのに要する工数が増大したりするという問題がある。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、ユーザの能力差によって、ばらつきを生じさせるたり工数を増大させたりすることなく、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数を自動的に計算して決定することのできるモータ制御定数計算装置を得ることを目的とする。
本発明におけるモータ制御定数計算装置は、モータに対する速度指令として、目標速度を発生させる目標速度指令発生部と、目標速度指令発生部から入力された目標速度の信号波形をフィルタリング処理する第1LPFと、モータから検出されるモータ速度の信号波形のノイズを低減する第2LPFと、第1LPFを通過した目標速度と第2LPFを通過したモータ速度との偏差を計算する速度偏差計算部と、偏差に基づいてモータが発生する目標トルクを計算するモータ目標トルク計算部と、目標トルクに基づいてモータに印加する電圧を計算してモータに出力するモータ印加電圧計算部と、を備えたモータ制御装置に対して、モータが所望の応答特性を得るためのモータ制御定数を計算するモータ制御定数計算装置であって、所望の応答特性となるように応答速度を規定する目標応答時定数を入力して設定するための目標応答時定数入力部と、所望の応答特性となるように応答波形を規定する波形パラメータを入力して設定するための波形パラメータ入力部と、モータのモータ負荷慣性を入力して設定するためのモータ負荷慣性入力部と、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータに基づいて、正規化時定数を計算する正規化時定数計算部と、目標応答時定数入力部から取得した目標応答時定数と、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータと、正規化時定数計算部から取得した正規化時定数と、モータ負荷慣性入力部から取得したモータ負荷慣性とに基づいて、第1LPF、第2LPFおよびモータ目標トルク計算部に対して設定するためのモータ制御定数として、フィルタ時定数、比例ゲインおよび積分ゲインを計算するモータ制御定数計算部と、を備えたものである。
本発明によれば、目標応答時定数入力部から取得した目標応答時定数と、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータと、正規化時定数計算部から取得した正規化時定数と、モータ負荷慣性入力部から取得したモータ負荷慣性とに基づいて、モータ制御装置に設定するモータ制御定数が自動的に計算される構成を備えている。これにより、ユーザの能力差によって、ばらつきを生じさせたり工数を増大させたりすることなく、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数を自動的に計算して決定することのできるモータ制御定数計算装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置を含むモータ制御システムの全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2におけるモータ制御定数計算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3におけるモータ制御定数計算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4におけるモータ制御定数計算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4におけるモータ制御定数計算装置の正規化波形表示部によって表示される応答波形の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態5におけるモータ制御定数計算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6におけるモータ制御定数計算装置を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。
以下、本発明によるモータ制御定数計算装置を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200を含むモータ制御システムの全体構成を示すブロック図である。
図1において、モータ制御システムは、モータ10と、モータ10に接続されるとともにモータ10からモータ速度信号を取得する検出器20と、モータ10の駆動を制御するモータ制御装置100と、モータ制御装置100に設定するための最適なモータ制御定数を計算するモータ制御定数計算装置200とを備える。
モータ制御装置100は、目標速度指令発生部101、第1LPF102、速度偏差計算部103、モータ目標トルク計算部104、モータ印加電圧計算部105、第2LPF106、モータ制御定数格納部107および第1通信I/F108を有する。
目標速度指令発生部101は、モータ10に対する速度指令として、目標速度ωrefを発生させ、第1LPF102を介して、速度偏差計算部103に出力する。したがって、速度偏差計算部103には、第1LPF102を通過することで信号波形がフィルタ時定数にフィルタリング処理され、目標速度ωrefが入力されることとなる。なお、以降では、第1LPF102を通過した目標速度ωrefを、特に目標速度ωref’と表記することとする。
ここで、第1LPF102の伝達関数Fref(s)は、比例ゲインKvp、積分ゲインKviおよび第1LPF102の時定数(フィルタ時定数)τLPFを用いて、例えば、下式(A)のように表されるとする。
Figure 0006104466
検出器20は、モータ10の位置を検出するとともに、検出結果に基づいてモータ10のモータ速度ω(実速度)をモータ速度信号として出力する。また、検出器20から出力されたモータ速度ωは、第2LPF106を介して、速度偏差計算部103に入力される。したがって、速度偏差計算部103には、第2LPFを通過することで信号波形のノイズが除去されたモータ速度ωが入力されることとなる。なお、以降では、第2LPF106を通過したモータ速度ωを、特にモータ速度ω’と表記することとする。このように、検出器20が出力するモータ速度ωは、第2LPF106に入力され、モータ速度ω’の形で、速度偏差計算部103にフィードバックされることとなる。
ここで、第2LPF106の伝達関数FLPF(s)は、第2LPF106の時定数(フィルタ時定数)τLPFを用いて、例えば、下式(B)のように表されるとする。
Figure 0006104466
速度偏差計算部103は、入力された目標速度ωref’と、モータ速度ω’との偏差、すなわち、速度偏差eω(=ωref’−ω’)を計算し、モータ目標トルク計算部104に出力する。
モータ目標トルク計算部104は、入力された速度偏差eωを用いて、モータ10の目標トルクTrefを計算する。また、モータ目標トルク計算部104は、計算した目標トルクTrefをモータ印加電圧計算部105に出力する。
ここで、モータ目標トルク計算部104の伝達関数CFB(s)は、比例ゲインKvpおよび積分ゲインKviを用いて、例えば、下式(C)のように表されるとする。
Figure 0006104466
モータ印加電圧計算部105は、入力された目標トルクTrefにモータ10が発生するトルクTが追従するように、モータ10に対して印加すべき電圧を計算し、モータ10に出力する。
モータ制御定数格納部107には、所望の応答特性を得るためにモータ制御定数計算装置200が自動的に計算した適切なモータ制御定数として、比例ゲインKvp、積分ゲインKviおよびフィルタ時定数τLPFが格納される。
第1LPF102、モータ目標トルク計算部104および第2LPF106は、モータ制御定数格納部107に格納されているモータ制御定数を取得する。このように、モータ制御定数計算装置200が自動的に計算した適切なモータ制御定数が、第1LPF102、モータ目標トルク計算部104および第2LPF106に設定されることとなる。
モータ制御定数計算装置200は、目標応答時定数入力部201、モータ制御定数計算部202、波形パラメータ入力部203、正規化時定数計算部204、モータ制御定数表示部205、モータ負荷慣性入力部206および第2通信I/F207を有する。また、モータ制御定数計算部202は、フィルタ時定数計算部202aおよび速度制御定数計算部202bを含む。
目標応答時定数入力部201は、モータ10が所望の応答特性となるように、応答速度を規定する目標応答時定数τdを入力して設定するためのものである。また、波形パラメータ入力部203は、モータ10が所望の応答特性となるように、応答波形を規定する波形パラメータγ1,γ2を入力して設定するためのものである。
さらに、モータ負荷慣性入力部206は、モータ10の負荷特性に応じたモータ負荷慣性Jを入力して設定するためのものである。このように目標応答時定数入力部201、波形パラメータ入力部203およびモータ負荷慣性入力部206を備えて構成することで、ユーザは、所望の目標応答時定数τd、波形パラメータγ1,γ2、およびモータ負荷慣性Jを、モータ制御定数計算部202に自由自在に設定することができる。
正規化時定数計算部204は、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2に基づいて、正規化時定数τsを計算し、モータ制御定数計算部202に出力する。ここで、正規化時定数τsの計算方法を述べる。モータ制御装置100において、目標速度ωrefからモータ速度ωに至るまでの伝達関数G(s)は下式となる。
Figure 0006104466
さらに、波形パラメータγ1,γ2およびτeを下式で定義する。
Figure 0006104466
これらを用いることで、伝達関数G(s)は下式に書き換えることができる。
Figure 0006104466
したがって、τesを新たな変数とみなして伝達関数G(s)をG(τes)として考えることができる。伝達関数G(τes)の応答波形は分母多項式の係数により決定され、これは波形パラメータγ1,γ2の値により一意に定まる。また、応答波形の時間方向の尺度は変数τesに依存することから、応答速度はτeにより決定される。以上に基づき、変数τesをs’に置き換えて時間軸をτeで正規化した伝達関数をGn(s’)とし、そのステップ応答の時定数を計算したものを正規化時定数τsとする。なお、正規化時定数τsは、波形パラメータγ1,γ2の組み合わせに対して1対1で対応する。
伝達関数Gn(s’)は、波形パラメータγ1,γ2を用いて、下式(D)のように表される。
Figure 0006104466
モータ制御定数計算部202は、モータ制御装置100に設定するためのモータ制御定数として、比例ゲインKvp、積分ゲインKviおよびフィルタ時定数τLPFを計算し、モータ制御装置100に出力する。なお、本実施の形態1では、例示した上式(A)〜(C)で表された各伝達関数から分かるように、第1LPF102に設定するための比例ゲインKvp、積分ゲインKviおよびフィルタ時定数τLPFと、第2LPF106に設定するための時定数τLPFと、モータ目標トルク計算部104に設定するための比例ゲインKvpおよび積分ゲインKviとを計算する場合を例示している。
フィルタ時定数計算部202aは、目標応答時定数入力部201から取得した目標応答時定数τdと、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2と、正規化時定数計算部204から取得した正規化時定数τsとに基づいて、下式(E)を満たすように、フィルタ時定数τLPFを計算する。
Figure 0006104466
ここで、上式(E)の導出方法を述べる。正規化時定数τsに対して、実時間の応答を表す伝達関数G(s)の時定数はτeτsとなる。したがって、目標応答時定数τdを達成するためにフィルタ時定数τLPFに課される条件は下式となる。
Figure 0006104466
上式を式変形することで、上式(E)が得られる。
また、フィルタ時定数計算部202aは、計算したフィルタ時定数τLPFに基づいて、下式(F)にしたがって、カットオフ周波数fLPFもモータ制御定数として併せて計算する。
Figure 0006104466
速度制御定数計算部202bは、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2と、モータ負荷慣性入力部206から取得したモータ負荷慣性Jと、フィルタ時定数計算部202aから取得したフィルタ時定数τLPFとに基づいて、下式(G)、(H)にしたがって、比例ゲインKvpおよび積分ゲインKviを計算する。
Figure 0006104466
このように、モータ制御定数計算部202が計算した比例ゲインKvp、積分ゲインKviおよびフィルタ時定数τLPFは、第2通信I/F207および第1通信I/F108を介して、モータ制御定数格納部107に入力される。これにより、モータ制御定数計算部202が自動的に計算したこれらのモータ制御定数は、モータ制御定数格納部107によって、第1LPF102、モータ目標トルク計算部104および第2LPF106に設定されることとなる。
モータ制御定数表示部205は、モータ制御定数計算部202が計算したモータ制御定数を表示する。これにより、ユーザは、モータ制御定数計算部202が計算したモータ制御定数の具体的な数値を、直ちに目視で確認することができる。
以上、本実施の形態1によれば、目標応答時定数入力部から取得した目標応答時定数と、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータと、正規化時定数計算部から取得した正規化時定数と、モータ負荷慣性入力部から取得したモータ負荷慣性とに基づいて、モータ制御装置に設定するモータ制御定数が自動的に計算される構成を備えている。
加えて、伝達関数G(s)の安定性は、理論的には、γ1≧1.5、γ2≧1.5とすることで保証される。振動およびオーバーシュートの観点からは、経験則として、γ1=2.5、γ2=2とすることで、良好な応答波形が得られる。一般的に、応答速度と異なり応答波形は、モータ速度制御の目的に依らず所望の形状はある程度限定されることから、ユーザは波形パラメータ入力部203にデフォルト値として、γ1=2.5、γ2=2付近を予め設定しておくことが好適である。さらに、モータ負荷慣性Jが固定であれば、モータ負荷慣性入力部206にデフォルト値として、この固定されたモータ負荷慣性Jを予め設定しておくことが好適である。本発明によれば、応答速度は目標応答時定数τdにより、応答波形は波形パラメータγ1,γ2により独立に調整できることから、波形パラメータγ1,γ2、モータ負荷慣性Jのデフォルト値を設定しておけば、ユーザは目標応答時定数τdだけを与えるだけで、所望の応答特性を実現するモータ制御定数が得られる。
これにより、ユーザの能力差によって、ばらつきを生じさせたり、工数を増大させたりすることなく、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数を自動的に計算して決定することができる。また、熟練者でなくとも、誰でも容易に、試行錯誤することなく、モータ制御装置に対して適切なモータ制御定数を設定することができる。この結果、ユーザの能力差によって生じる制御性能のばらつきを防ぐことができるとともに、設定作業に要する開発工数を大幅に削減することができる。
なお、上式(E)の等号が成立するように計算されたフィルタ時定数τLPFに基づいて、上式(F)にしたがってカットオフ周波数fLPFが計算された場合(すなわち、fLPF=τsγ1γ2/2πτdの場合)には、以下のような効果が得られる。
すなわち、第2LPF106のカットオフ周波数fLPFは、モータ10の応答特性が目標応答時定数τdを達成できる範囲内では、理論的に最小となる。したがって、所望の応答特性を達成しつつ、可能な限りノイズを低減することのできるモータ速度制御系が得られる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2におけるモータ制御定数計算装置200は、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200の構成(図1)と比べて以下の点が異なる。すなわち、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200と同様の構成に加えて、ランプ応答仕様入力部208をさらに有する。そこで、このような相違点を中心に、以下に説明する。
図2は、本発明の実施の形態2におけるモータ制御定数計算装置200の構成を示すブロック図である。
ランプ応答仕様入力部208は、モータ10が所望のランプ応答特性となるように、ランプ応答仕様として、ランプ応答の目標加速度arefと、ランプ応答の目標加速度に対する定常偏差の絶対値essの許容値erampを入力して設定するためのものである。このように、ランプ応答仕様入力部208をさらに備えて構成することで、ユーザは、所望の目標応答時定数τd、波形パラメータγ1,γ2、およびモータ負荷慣性Jに加えて、さらに所望のランプ応答仕様を、モータ制御定数計算部202に自由自在に設定することができる。そして、ランプ応答仕様をさらに加味した上で、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数を自動的に計算して決定することができる。
すなわち、フィルタ時定数計算部202aは、目標応答時定数入力部201から取得した目標応答時定数τdと、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2と、正規化時定数計算部204から取得した正規化時定数τsと、ランプ応答仕様入力部208から取得した目標加速度arefおよび許容値erampとに基づいて、下式(I)を満たすように、フィルタ時定数τLPFを計算する。
Figure 0006104466
なお、上式(I)の右辺について補足説明すると、min(τd/τsγ1γ2,eramp/|aref|γ1γ2)という表記は、τd/τsγ1γ2およびeramp/|aref|γ1γ2のそれぞれの値を比較し、小さい方の値をとることを意味している。
なお、上式(I)の導出方法は次のようなものである。目標速度ωrefからモータ速度ωに至るまでの伝達関数G(s)において、目標加速度をarefとした場合のランプ応答の定常偏差の絶対値essは下式となる。
Figure 0006104466
上式から、ランプ応答の定常偏差の絶対値essを許容値eramp以下に抑えるためにフィルタ時定数τLPFに課される条件が得られ、さらに目標応答時定数τdに関する条件式(E)と組み合わせることで、上式(I)が得られる。
フィルタ時定数計算部202aは、このように計算したフィルタ時定数τLPFに基づいて、上式(F)にしたがって、カットオフ周波数fLPFを計算する。
また、速度制御定数計算部202bは、このように計算したフィルタ時定数τLPFに基づいて、上式(G)、(H)にしたがって、比例ゲインKvpおよび積分ゲインKviを計算する。このように、本実施の形態2では、目標応答速度とランプ応答仕様の両方を加味して適切なモータ制御定数を計算することができる。
以上、本実施の形態2によれば、先の実施の形態1に対して、モータが所望のランプ応答特性となるようにランプ応答仕様として、ランプ応答の目標加速度と、目標加速度に対する定常偏差の許容値とを入力して設定するためのランプ応答仕様入力部をさらに備え、ランプ応答仕様入力部から取得したランプ応答仕様に基づいて、モータ制御定数を計算する構成を備えている。
これにより、目標応答速度とランプ応答仕様両方を加味して計算された適切なモータ制御定数をモータ制御装置に設定することができる。
なお、上式(I)の等号が成立するように計算されたフィルタ時定数τLPFに基づいて、上式(F)にしたがってカットオフ周波数fLPFが計算された場合には、以下のような効果が得られる。
すなわち、第2LPF106のカットオフ周波数fLPFは、モータ10の応答特性が目標応答時定数τdを考慮するとともにランプ応答の目標加速度に対する定常偏差の絶対値essの許容値erampを考慮した範囲内では、理論的に最小である。したがって、所望の応答特性として所望の速度応答性およびランプ応答仕様を考慮しつつ、可能な限りノイズを低減することのできるモータ速度制御系が得られる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3におけるモータ制御定数計算装置200は、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200の構成(図1)と比べて以下の点が異なる。すなわち、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200と比べて、目標応答時定数入力部201の代わりにフィルタ時定数入力部209を有し、フィルタ時定数計算部202aの代わりに目標応答時定数計算部202cを有する。そこで、このような相違点を中心に、以下に説明する。
図3は、本発明の実施の形態3におけるモータ制御定数計算装置200の構成を示すブロック図である。また、先の実施の形態2のようにランプ応答仕様を設定しないことを前提として、目標応答時定数τdと、フィルタ時定数τLPFとは、上式(E)から分かるように、1対1の関係がある。したがって、モータ制御定数計算装置200を図3に示すような構成にすることができる。
フィルタ時定数入力部209は、モータ10が所望の応答特性となるように、フィルタ時定数τLPFを入力して設定するためのものである。このように、目標応答時定数入力部201の代わりにフィルタ時定数入力部209を備えて構成することで、ユーザは、所望のフィルタ時定数τLPFを、モータ制御定数計算部202に自由自在に設定することができる。
目標応答時定数計算部202cは、フィルタ時定数入力部209から取得したフィルタ時定数τLPFと、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2と、正規化時定数計算部204から取得した時定数τsとに基づいて、下式(J)を満たすように、目標応答時定数τdを計算する。
Figure 0006104466
また、速度制御定数計算部202bは、フィルタ時定数入力部209から取得したフィルタ時定数τLPFに基づいて、上式(G)、(H)にしたがって、比例ゲインKvpおよび積分ゲインKviを計算する。
以上、本実施の形態3によれば、先の実施の形態1に対して、フィルタ時定数入力部から取得したフィルタ時定数と、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータと、正規化時定数計算部から取得した正規化時定数と、モータ負荷慣性入力部から取得したモータ負荷慣性とに基づいて、モータ制御装置に設定するモータ制御定数が自動的に計算される構成を備えている。
これにより、ノイズ低減を優先的に考慮してフィルタ時定数τLPFを入力して設定することができ、先の実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上式(J)の等号が成立するようにτdが計算された場合(すなわち、τd=τLPFτsγ1γ2の場合)には、以下のような効果が得られる。
すなわち、目標応答時定数τdは、フィルタ時定数入力部209から取得したフィルタ時定数τLPFを第2LPF106の時定数として設定した場合に達成可能な範囲内で、理論的に最小となる。したがって、応答速度よりもノイズ低減を優先してモータ制御定数を設定したい場合には、本実施の形態3が有効である。
例えば、車両の推進装置としてモータを使用する場合、一般的にモータ回転角度の検出器としてレゾルバが用いられる。しかし、レゾルバの取り付け誤差または電気回路の特性に起因して、モータ回転角度に同期した脈動(レゾルバ脈動)がレゾルバ出力に重畳する問題がある。また、レゾルバ脈動は、モータ回転角度に同期した周波数で発生する。そこで、この周波数を考慮して、フィルタ時定数入力部209にフィルタ時定数τLPFを入力して設定することで、脈動の影響を優先的に低減した上で、達成可能な最速の速度応答性を有するモータ速度制御系が得られる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4におけるモータ制御定数計算装置200は、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200の構成(図1)と比べて以下の点が異なる。すなわち、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200と同様の構成に加えて、正規化波形表示部210をさらに有する。そこで、このような相違点を中心に、以下に説明する。
図4は、本発明の実施の形態4におけるモータ制御定数計算装置200の構成を示すブロック図である。
本発明によれば、応答速度は目標応答時定数τdにより、応答波形は波形パラメータγ1,γ2により独立に調整できる。
したがって、波形パラメータ入力部203に入力して設定する波形パラメータγ1,γ2を変化させることで、目標応答速度を満たしたまま、ステップ応答における振動の程度およびオーバーシュートの程度を独立に設定することができる。
正規化波形表示部210は、波形パラメータ入力部203から取得した波形パラメータγ1,γ2に基づいて、目標速度ωrefからモータ速度ωに至るまでの伝達関数G(s)の時間軸をτeで正規化したGn(s’)に対する応答波形を表示する。
したがって、ユーザは、波形パラメータ入力部203に入力して設定する波形パラメータγ1,γ2を変化させながら、正規化波形表示部210の表示を確認することで、望ましい応答波形を実現する波形パラメータγ1,γ2を視覚的に選択することができる。また、このように波形パラメータγ1,γ2を視覚的に選択することができるので、所望の応答特性(目標応答速度、ランプ応答仕様)を満たしたまま、振動およびオーバーシュートの程度を容易に調整することができる。
ここで、正規化波形表示部210によって表示される応答波形の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態4におけるモータ制御定数計算装置200の正規化波形表示部210によって表示される応答波形の一例を示す説明図である。なお、図5では、伝達関数Gn(s’)に対する応答波形の具体例として、この伝達関数に対するステップ応答の応答波形を例示している。
なお、図5(a)においては、ユーザが波形パラメータ入力部203に対して、波形パラメータγ2をγ2=2に固定した状態で、波形パラメータγ1を変化させながら入力した場合に表示されるそれぞれの応答波形を示している。また、図5(b)においては、図5(a)の応答波形における目標値付近を拡大したものである。
以上、本実施の形態4によれば、先の実施の形態1〜3に対して、波形パラメータ入力部から取得した波形パラメータに基づいて、伝達関数Gn(s’)に対する応答波形を表示する正規化波形表示部をさらに備えて構成されている。
これにより、正規化波形表示部の表示を確認しながら視覚的に波形パラメータを選定することできるとともに、実時間の応答速度とは無関係に、速度制御時の振動およびオーバーシュートの程度を容易に調整することができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5におけるモータ制御定数計算装置200は、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200の構成(図1)と比べて以下の点が異なる。すなわち、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200と同様の構成に加えて、応答波形表示部211および数値解析条件入力部212をさらに有する。そこで、このような相違点を中心に、以下に説明する。
図6は、本発明の実施の形態5におけるモータ制御定数計算装置200の構成を示すブロック図である。
応答波形表示部211は、モータ制御定数計算部202が計算したモータ制御定数と、モータ負荷慣性入力部206から取得したモータ負荷慣性Jとを用いて、数値解析条件入力部212に入力された数値解析条件の下で数値解析を実行し、シミュレーション結果として、モータ10の応答波形を表示する。
数値解析条件入力部212は、解析条件を入力して設定するためのものである。このように、数値解析条件入力部212を備えて構成することで、ユーザは、所望の数値解析条件を、応答波形表示部211に自由自在に設定することができる。
なお、数値解析条件として、例えば、ステップ応答の初期速度および目標速度と、ランプ応答の初期速度、目標速度および目標加速度と、定速応答の目標速度と、モータ速度信号に重畳させるノイズの振幅、位相および周波数とが入力される。
このように、応答波形表示部211によって数値解析が実行されることで得られるシミュレーション結果が表示される。これにより、ユーザは、モータ制御定数計算部202が計算したモータ制御定数がモータ制御装置100に設定された場合に、所望の制御性能を達成できるかを、数値解析により直ちに確認することができる。
ここで、例えば次のような形で応答波形表示部211を活用することができる。すなわち、車両の推進装置としてモータを使用する場合、一般的にモータ回転角度の検出器としてレゾルバが用いられる。
しかし、レゾルバの取り付け誤差または電気回路の特性に起因して、モータ回転角度に同期した脈動がレゾルバ出力に重畳する問題がある。また、レゾルバ出力信号は、微分により速度信号に変換して速度制御に用いられるが、速度信号に重畳した脈動の影響により、モータへのトルク指令が振動的になる。その結果として、モータ速度が変動する問題が発生し、その大きさは、モータ制御装置100に設定するモータ制御定数に依存する。
そこで、数値解析条件入力部212にノイズとして、レゾルバ脈動の振幅、位相および周波数を入力し、応答波形表示部211の表示によって制御性能を確認することで、モータ10を実環境に近い条件で直ちに事前検証することができるので、開発工数を削減することができる。
以上、本実施の形態5によれば、先の実施の形態1〜4に対して、数値解析条件を入力して設定するための数値解析条件入力部と、モータ制御定数計算部が計算したモータ制御定数と、モータ負荷慣性部から取得したモータ負荷慣性とを用いて、数値解析条件部から取得した数値解析条件の下で数値解析を実行し、モータの応答波形を表示する応答波形表示部と、をさらに備えて構成されている。
これにより、数値解析条件入力部に入力して設定した数値解析条件下でモータが所望の制御性能を達成することができるか否かを、直ちに視覚的に検証することができる。この結果、開発工数を削減することができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6におけるモータ制御定数計算装置200は、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200の構成(図1)と比べて以下の点が異なる。すなわち、先の実施の形態1におけるモータ制御定数計算装置200と同様の構成に加えて、モータ負荷慣性計算部213をさらに有する。そこで、このような相違点を中心に、以下に説明する。
図7は、本発明の実施の形態6におけるモータ制御定数計算装置200を含むモータ制御システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態6では、検出器20は、モータ10から取得したモータ速度ωを第1通信I/F108を介して、モータ負荷慣性計算部213に出力する。また、モータ目標トルク計算部104は、計算した目標トルクTrefを第1通信I/F108を介して、モータ負荷慣性計算部213に出力する。
モータ負荷慣性計算部213は、第2通信I/F207を介して取得したモータ速度ωおよび目標トルクTrefに基づいて、モータ負荷慣性Jを計算し、モータ負荷慣性入力部206に出力する。なお、モータ負荷慣性計算部213によるモータ負荷慣性Jの計算方法としては、様々な方法が考えられるが、例えば、モータ速度ωを数値的に微分することで得られる角加速度をaとすると、モータ負荷慣性Jは、下式(K)にしたがって計算される。なお、以降では、モータ負荷慣性計算部213が計算したモータ負荷慣性Jを特に、モータ負荷慣性J’と表記する。
Figure 0006104466
モータ負荷慣性入力部206は、モータ負荷慣性計算部213から入力されたモータ負荷慣性J’が新たに設定され、このモータ負荷慣性J’をモータ制御定数計算部202に出力する。このように、モータ負荷慣性入力部206には、これまでに入力して設定されたモータ負荷慣性Jが逐次更新され、モータ負荷計算部213が計算したモータ負荷慣性J’が新たに設定され、更新後のモータ負荷慣性J’がモータ制御定数計算部202に出力される。
また、モータ制御定数計算部202は、モータ負荷慣性入力部206が更新したモータ負荷慣性J’を用いて、モータ制御定数を計算する。したがって、モータ10の負荷変動が発生した場合であっても、モータ制御定数計算部202は、このような負荷変動に対応したモータ制御定数を計算することができる。
ここで、モータ10の負荷変動が発生する要因の具体例として、例えば、車両の推進装置としてモータを用いる場合、乗員または荷物による車重の変化、路面摩擦の変化、あるいは登坂時の斜面下方向の重力の影響などがある。しかしながら、本実施の形態6の構成によれば、モータ制御定数計算部202が負荷変動に対応したモータ制御定数を計算する。この結果、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数のもとで、車両の速度制御が可能となる。
以上、本実施の形態6によれば、先の実施の形態1〜5に対して、モータ制御装置から取得した目標速度および目標トルクに基づいて、モータ負荷慣性を計算するモータ負荷慣性計算部をさらに備え、モータ負荷慣性入力部は、入力して設定されているモータ負荷慣性を、モータ負荷慣性計算部が計算したモータ負荷慣性に逐次更新するとともに、更新後のモータ負荷慣性をモータ制御定数計算部に出力する構成を備えている。
これにより、モータ負荷慣性の変動時においても、負荷変動に対応したモータ制御定数を計算することができる。この結果、このモータ制御定数をモータ制御装置に設定し直すことで、所望の応答特性を得るための適切なモータ制御定数のもとで、モータの制御を行うことができる。
なお、本実施の形態6においては、モータ負荷慣性Jが変動した場合の値をモータ負荷計算部202が事前にわかっている場合、以下のように構成してもよい。すなわち、複数のモータ負荷慣性Jに対応するモータ制御定数をあらかじめ計算しておき、モータ負荷慣性Jとモータ制御定数との関連付け(例えば、テーブル)をあらかじめ規定し、モータ制御定数計算部202の記憶部に記憶しておいてもよい。
この場合、モータ負荷慣性計算部202は、モータ制御装置100からモータ速度ωおよび目標トルクTrefをオンラインで取得してモータ負荷慣性Jを再計算することなく、事前にわかっているモータ負荷変動に対応したモータ負荷慣性Jをモータ負荷慣性入力部206へ出力する。
このように構成することで、モータ制御定数計算部202は、事前にわかっているモータ負荷変動に対応した適切なモータ制御定数を記憶部(関連付け)の中から直接選択することができる。すなわち、モータ制御定数計算部202は、モータ負荷慣性入力部206から取得したモータ負荷慣性Jに対応した適切なモータ制御定数を記憶部(関連付け)の中から直接選択することとなる。
また、この記憶部の中から直接選択したモータ制御定数をモータ制御装置100に設定することで、モータ負荷慣性Jを再計算してモータ負荷慣性入力部206の更新をすることなく、適切なモータ制御定数のもとで、モータ10の制御が可能となる。さらに、この記憶部の中から直接選択したモータ制御定数をモータ制御装置100に設定することで、センサノイズまたは外乱などによるモータ速度信号の乱れにより精度の高いモータ負荷慣性Jの値の更新が困難な状況であっても、適切なモータ制御定数のもとで、モータ10の制御が可能となる。
具体的には、例えば、モータ10を推進装置とする車両において、変速機によるギヤチェンジは、モータ負荷変動となる。また、変速機がとり得る変速比は、事前にわかっていることが多い。そこで、複数の変速比に対応するモータ制御定数をあらかじめ計算しておき、モータ制御定数計算部202の記憶部に記憶しておけばよい。
この場合、モータ制御定数計算部202は、事前にわかっている変速比に対応した適切なモータ制御定数を記憶部の中から直接選択する。したがって、ギヤチェンジに伴う負荷変動時にも、モータ制御装置100からモータ速度ωおよび目標トルクTrefをオンラインで取得してモータ負荷慣性Jを再計算することなく、適切なモータ制御定数のもとで、車両を走行させることができる。

Claims (9)

  1. モータに対する速度指令として、目標速度を発生させる目標速度指令発生部と、
    前記目標速度指令発生部から入力された前記目標速度の信号波形をフィルタリング処理する第1LPFと、
    前記モータから検出されるモータ速度の信号波形のノイズを低減する第2LPFと、
    前記第1LPFを通過した前記目標速度と前記第2LPFを通過した前記モータ速度との偏差を計算する速度偏差計算部と、
    前記偏差に基づいて前記モータが発生する目標トルクを計算するモータ目標トルク計算部と、
    前記目標トルクに基づいて前記モータに印加する電圧を計算して前記モータに出力するモータ印加電圧計算部と、
    を備えたモータ制御装置に対して、前記モータが所望の応答特性を得るためのモータ制御定数を計算するモータ制御定数計算装置であって、
    前記所望の応答特性となるように応答速度を規定する目標応答時定数を入力して設定するための目標応答時定数入力部と、
    前記所望の応答特性となるように応答波形を規定する波形パラメータを入力して設定するための波形パラメータ入力部と、
    前記モータのモータ負荷慣性を入力して設定するためのモータ負荷慣性入力部と、
    前記波形パラメータ入力部から取得した前記波形パラメータに基づいて、正規化時定数を計算する正規化時定数計算部と、
    前記目標応答時定数入力部から取得した前記目標応答時定数と、前記波形パラメータ入力部から取得した前記波形パラメータと、前記正規化時定数計算部から取得した前記正規化時定数と、前記モータ負荷慣性入力部から取得した前記モータ負荷慣性とに基づいて、前記第1LPF、前記第2LPFおよび前記モータ目標トルク計算部に対して設定するためのモータ制御定数として、フィルタ時定数、比例ゲインおよび積分ゲインを計算するモータ制御定数計算部と、
    を備えたモータ制御定数計算装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御定数計算装置において、
    前記モータが所望のランプ応答特性となるようにランプ応答仕様として、ランプ応答の目標加速度と、前記目標加速度に対する定常偏差の許容値とを入力して設定するためのランプ応答仕様入力部をさらに備え、
    前記モータ制御定数計算部は、
    前記ランプ応答仕様入力部から取得した前記ランプ応答仕様にも基づくように前記モータ制御定数を計算する
    モータ制御定数計算装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御定数計算装置において、
    前記モータ制御定数計算部は、
    式(L)、(M)、(N)
    Figure 0006104466
    において、
    式(L)を満たすように前記フィルタ時定数を計算し、式(M)、(N)を満たすように、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを計算し、
    ここで、前記フィルタ時定数をτLPF、前記目標応答時定数をτd、前記波形パラメータをγ1,γ2、前記正規化時定数をτs、前記比例ゲインをKvp、前記積分ゲインをKvi、前記モータ負荷慣性をJと表記している
    モータ制御定数計算装置。
  4. 請求項2に記載のモータ制御定数装置において、
    前記モータ制御定数計算部は、
    式(O)、(P)、(Q)
    Figure 0006104466
    において、
    式(O)を満たすように前記フィルタ時定数を計算し、式(P)、(Q)を満たすように、前記比例ゲインおよび前記積分ゲインを計算し、
    ここで、前記フィルタ時定数をτLPF、前記ランプ応答の目標加速度をaref、前記ランプ応答の目標加速度に対する定常偏差の許容値をeramp、前記目標応答時定数をτd、前記波形パラメータをγ1,γ2、前記正規化時定数をτs、前記比例ゲインをKvp、前記積分ゲインをKvi、前記モータ負荷慣性をJと表記している
    モータ制御定数計算装置。
  5. モータに対する速度指令として、目標速度を発生させる目標速度指令発生部と、
    前記目標速度指令発生部から入力された前記目標速度の信号波形をフィルタリング処理する第1LPFと、
    前記モータから検出されるモータ速度の信号波形のノイズを低減する第2LPFと、
    前記第1LPFを通過した前記目標速度と前記第2LPFを通過した前記モータ速度との偏差を計算する速度偏差計算部と、
    前記偏差に基づいて前記モータが発生する目標トルクを計算するモータ目標トルク計算部と、
    前記目標トルクに基づいて前記モータに印加する電圧を計算して前記モータに出力するモータ印加電圧計算部と、
    を備えたモータ制御装置に対して、前記モータが所望の応答特性を得るためのモータ制御定数を計算するモータ制御定数計算装置であって、
    前記所望の応答特性となるように前記第1LPFおよび前記第2LPFにおけるフィルタ時定数を入力して設定するためのフィルタ時定数入力部と、
    前記所望の応答特性となるように応答波形を規定する波形パラメータを入力して設定するための波形パラメータ入力部と、
    前記モータのモータ負荷慣性を入力して設定するためのモータ負荷慣性入力部と、
    前記波形パラメータ入力部から取得した前記波形パラメータに基づいて、正規化時定数を計算する正規化時定数計算部と、
    前記フィルタ時定数入力部から取得した前記フィルタ時定数と、前記波形パラメータ入力部から取得した前記波形パラメータと、前記正規化時定数計算部から取得した前記正規化時定数と、前記モータ負荷慣性入力部から取得した前記モータ負荷慣性とに基づいて、前記第1LPF、前記第2LPFおよび前記モータ目標トルク計算部に対して設定するためのモータ制御定数として、比例ゲインおよび積分ゲインを計算するモータ制御定数計算部と、
    を備えたモータ制御定数計算装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のモータ制御定数計算装置において、
    前記波形パラメータ入力部から取得した前記波形パラメータに基づいて、前記目標速度から前記モータ速度に至るまでの伝達関数の時間軸を正規化した伝達関数に対する応答波形を表示する正規化波形表示部をさらに備える
    モータ制御定数計算装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ制御定数計算装置において、
    数値解析条件を入力して設定するための数値解析条件入力部と、
    前記モータ制御定数計算部が計算した前記モータ制御定数と、前記モータ負荷慣性部から取得した前記モータ負荷慣性とを用いて、前記数値解析条件部から取得した前記数値解析条件の下で数値解析を実行し、前記モータの応答波形を表示する応答波形表示部と、
    をさらに備えるモータ制御定数計算装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のモータ制御定数計算装置において、
    前記モータ制御装置から取得した前記目標速度および前記目標トルクに基づいて、前記モータ負荷慣性を計算するモータ負荷慣性計算部をさらに備え、
    前記モータ負荷慣性入力部は、
    入力して設定されている前記モータ負荷慣性を、前記モータ負荷慣性計算部が計算した前記モータ負荷慣性に逐次更新するとともに、更新後の前記モータ負荷慣性を前記モータ制御定数計算部に出力する
    モータ制御定数計算装置。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載のモータ制御定数計算装置において、
    前記モータ制御定数計算部は、
    あらかじめ計算しておいた、複数のモータ負荷慣性に対応するモータ制御定数を記憶する記憶部を有し、
    事前にわかっているモータ負荷変動に対応した適切なモータ制御定数を前記記憶部の中から直接選択する
    モータ制御定数計算装置。
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