JP6103858B2 - アルデヒド類浄化用吸着剤 - Google Patents

アルデヒド類浄化用吸着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6103858B2
JP6103858B2 JP2012190052A JP2012190052A JP6103858B2 JP 6103858 B2 JP6103858 B2 JP 6103858B2 JP 2012190052 A JP2012190052 A JP 2012190052A JP 2012190052 A JP2012190052 A JP 2012190052A JP 6103858 B2 JP6103858 B2 JP 6103858B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
triazole
amino
adsorbent
methyl
thiadiazole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012190052A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014046246A (ja
Inventor
隆太郎 和泉
隆太郎 和泉
信幸 谷
信幸 谷
清水 康弘
康弘 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cataler Corp filed Critical Cataler Corp
Priority to JP2012190052A priority Critical patent/JP6103858B2/ja
Publication of JP2014046246A publication Critical patent/JP2014046246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6103858B2 publication Critical patent/JP6103858B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、臭気、特にアルデヒド類について優れた吸着特性を有する吸着剤であって、一旦吸着した後は臭気成分を脱離させ難い吸着剤に関する。
空気中には、鼻粘膜、眼粘膜、咽頭粘膜等の諸粘膜、更には皮膚を刺激し得る化学物質が数多く存在している。中でも、建材や家具、日用品から発散するトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound (VOC))や、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の高揮発性有機化合物(Very Volatile Organic Compounds (VVOC))は、化学物質過敏症やシックハウス症候群の原因と考えられているため、環境省により排出規制等の対象となっている。しかしながら、これらの物質の多くは代替困難なものであり、仮に安全性の高い物質に代替できたとしても、その代替物質も化学物質である以上身体に何らかの影響を及ぼすことが懸念される。
平成15年7月に施行された改正建築基準法により、建材中のホルムアルデヒドの使用量も制限されることとなった。しかしながら、その代替物質であるアセトアルデヒドの使用量が近年急増しており、それによる健康被害を警告する専門家も存在している。
空気中の化学物質を除去する手段の一つとして、活性炭等の多孔質材がある。しかしながら、このような多孔質材による化学物質の物理的な吸着には限界があるため、補助的に化学的な吸着を行うための薬剤が多孔質材に添着されることがある。アセトアルデヒドを除去するための添着薬剤も多数知られており、例えば、特開平7−136502号公報にはアミノベンゼンスルホン酸が開示されている。
しかしながら、アミノベンゼンスルホン酸のような添着薬剤とアルデヒド類の反応は有機反応であり、多孔質担体への物理的な吸着速度と比較すると遥かに遅い。そのため、添着薬剤と反応することなくアルデヒド類が多孔質材から脱離してしまうことがある。性能の不足を添着薬剤の増量により補うことも考えられるが、薬剤の増量は多孔質担体の細孔の閉塞に繋がり、多孔質担体自体の性能が劣化するという問題が存在していた。
特開平7−136502号公報
本発明は、アルデヒド類について優れた吸着特性を有し、且つ、一旦吸着した後はアルデヒド類を脱離させ難い新規吸着剤を提供する。
本発明者が添着薬剤とアルデヒド類との反応速度を向上させる物質について種々検討した結果、添着薬剤としてアミノ基を有する有機化合物を選択した場合、特定の遷移金属塩と組み合わせることで多孔質材からのアルデヒド類の脱離が顕著に抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
1)多孔質担体を、1又は複数のアゾール化合物と、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とを含む薬液中に浸漬することにより得られる吸着剤、
2)前記アゾール化合物が4−アミノ−1,2,4−トリアゾールであり、前記遷移金属の塩が第二塩化鉄(FeCl3)である、1)に記載の吸着剤、
3)前記薬液が、前記多孔質担体の表面積1m2当たり0.04〜1マイクロモルの4−アミノ−1,2,4−トリアゾールと、0.04〜1マイクロモルの第二塩化鉄とを含む、1)又は2)に記載の吸着剤、
4)前記多孔質担体を前記薬液中に浸漬し、そして当該担体を乾燥することにより得られる、1)に記載の吸着剤、
5)吸着剤の製造方法であって、多孔質担体を、1又は複数のアゾール化合物と、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とを含む薬液中に浸漬することを含んで成る、吸着剤の製造方法、
6)前記多孔質担体を乾燥することを更に含んで成る、5)に記載の製造方法、
7)1)〜4)のいずれかに記載の吸着剤を用いてアルデヒド類を浄化する方法、
8)1)〜4)のいずれかに記載の吸着剤を具備する浄化装置、
を提供する。
従来、アルデヒド類は多孔質担体に吸着されても破過しやすく、長期間多孔質担体内に保持することが困難であった。本発明の吸着剤によれば、アミノ基を有する有機化合物と遷移金属塩との特定の組み合わせによってアルデヒド類が迅速且つ大量に多孔質担体に吸着されるともに、吸着されたアルデヒド類が長期間脱離することなく多孔質担体内で保持される。
上記有機化合物と遷移金属塩を含む薬液を乾燥・固化した結晶をX線回折(XRD)にかけたところ、当該結晶は、有機化合物単独又は遷移金属塩単独の場合に得られるXRDパターンの総和とは全く異なるXRDパターンを示した。理論に拘束されることを意図するものではないが、上記有機化合物と遷移金属塩とは錯体を形成することにより、アルデヒド類の吸着・保持効果が有機化合物単独又は遷移金属塩単独の場合と比較して顕著に向上していると考えられる。
図1は、実施例1及び比較例1〜8の各吸着剤により吸着されたアセトアルデヒドの経時的な濃度変化を示すグラフである。 図2は、実施例1及び比較例1〜8の各吸着剤でアセトアルデヒドを30分間吸着した後のアセトアルデヒド濃度を示すグラフである。 図3は、実施例1及び比較例1〜8の各吸着剤により吸着されたアセトアルデヒドの総吸着量を示すグラフである。 図4は、実施例1及び比較例1〜8の各吸着剤からパージ後に脱離されたアセトアルデヒドの総脱離量を示すグラフである。 図5は、実施例1及び比較例1〜8のアセトアルデヒド脱離率(%)を示すグラフである。 図6は、有効成分の担持量とアセトアルデヒドの脱離量との関係を示すグラフである。 図7は、実施例1及び6〜8と比較例2の各吸着剤のアセトアルデヒド脱離量を示すグラフである。
本発明の吸着剤は、多孔質担体を、1又は複数のアゾール化合物と、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とを含む薬液中に浸漬することにより得られる。本発明で使用する多孔質担体は多数の細孔を有するものであれば特に限定されない。例を挙げると、多孔質担体として、活性炭、セピオライト、パリゴルスカイト、ゼオライト、活性炭素繊維、活性アルミナ、セピオライト混合紙、シリカゲル、活性白土、パーミキュライト、珪藻土などの無機質多孔質担体のほか、パルプ、繊維、高分子多孔質担体などの有機質多孔質担体が使用できる。これらの多孔質担体の中でも、活性炭は種々の臭気成分、特にアルデヒド類に対する吸着能に優れており好ましい。
多孔質担体の形状はアルデヒド類が接触可能なものであれば特に限定されない。例えば、粒状、粉末状、ハニカム状、あるいは繊維状の多孔質担体が使用できる。しかしながら、本発明で使用する多孔質担体の種類や形状は、除去すべきアルデヒド類の種類に応じて、あるいは吸着剤の設置場所に依存して選択される。
前記多孔質担体には、アミノ基を有する有機化合物、特にアゾール化合物及び/又はヒドラジド化合物が担持される。本明細書で使用する場合、「アゾール化合物」とは、ヘテロ原子を少なくとも1つ含む五員環芳香族化合物であって、当該ヘテロ原子の少なくとも1つが窒素原子である化合物を意味する。アゾール化合物にはジアゾール、トリアゾール、テトラアゾール等が含まれ、具体的には、3−メチル−5−ピラゾロン、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ラゾロン、3−フェニル−6−ピラゾロン、3−メチル−1−(3−スルホフェニル)−5−ピラゾロン等ピラゾロン化合物、ピラゾール、3−メチルピラゾール、1,4−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチルゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3−アミノピラゾール、5−アミノ−3−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸メチルエスル、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステル、3,5−メチルピラゾールジカルボン酸等のピラゾール化合物等、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ウラゾール(3,5−ジオキシ−1,2,4−トリアゾール)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール等、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−t−ブチル−2−メチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。中でも、3−アミノピラゾール、5−アミノ−3−メチルピラゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−t−ブチル−2−メチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾールが好ましく、4−アミノ−1,2,4−トリアゾールがさらに好ましい。アルデヒド類を吸着・保持する能力を損なわない限り、複数の種類のアゾール化合物を使用することができ、また、1種類又は複数種類の他の吸着剤と併用してもよい。アゾール化合物は、薬液中、多孔質担体の表面積1m2当たり0.04〜1マイクロモル、好ましくは0.06〜8マイクロモル含まれる。換言すると、BET比表面積が1000m2/gである多孔質担体を100g使用する場合、薬液はアゾール化合物を4〜100ミリモル、好ましくは6〜80ミリモル含む。
上記アゾール化合物は、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とともに多孔質担体に担持される。当該塩としては、第一塩化鉄(FeCl2)、第二塩化鉄(FeCl3)、硝酸マンガン、塩化コバルトが好ましく、特に第一塩化鉄、第二塩化鉄及び硝酸マンガンが好ましい。遷移金属塩は、薬液中、多孔質担体の表面積1m2当たり0.04〜1マイクロモル、好ましくは0.06〜0.8マイクロモル含まれる。換言すると、BET比表面積が1000m2/gである多孔質担体を100g使用する場合、薬液は遷移金属塩を4〜100ミリモル、好ましくは6〜80ミリモル含む。
上記アゾール化合物及び遷移金属塩は、これらの有効成分を水又はその他の可溶性溶媒等に溶解した後、得られた薬液を上記多孔質担体に浸漬することで担持される。活性炭等の多孔質担中には多数の細孔が存在しており、上記有効成分はこれらの細孔が有する吸着力により細孔表面に均一に担持される。薬液中の有効成分は、高濃度であると有効成分同士が固まりやすく細孔内に不均一に担持される場合がある。均一に担持する観点から、薬液は上記アゾール化合物及び遷移金属塩をそれぞれ、多孔質担体の表面積1m2当たり0.04〜1マイクロモル含むことが好ましく、0.06〜0.8マイクロモル含むことがより好ましい。浸漬後の多孔質担体を所定の条件のもと乾燥することにより本発明の吸着剤が得られる。アゾール化合物は有機物であるため、上記乾燥工程はアゾール化合物が熱劣化しない温度、例えば110℃以下で行うことが好ましい。
本発明の吸着剤はアルデヒド類の吸着及び保持に優れているため、種々の装置に具備されることが意図され、特に家庭用又は業務用の空気清浄機、自動車等の車室内に搭載されるキャビンフィルター等に好適に使用することができる。本発明の吸着剤は単独でもアルデヒド類の除去に優れた性能を発揮するが、当該性能に悪影響が生じない限り、用途に応じて他の化学物質除去手段と併用することもできる。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.吸着剤の調製
(実施例1)
水250gに4−アミノ−1,2,4−トリアゾールを1g(12ミリモル)、FeCl3 39%水溶液を5g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例1)
水250gにFeCl3 39%水溶液を5g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例2)
水250gに4−アミノ−1,2,4−トリアゾールを1g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例3)
水250gにアジピン酸ジヒドラジドを2.1g(12ミリモル)、FeCl3 39%水溶液を5g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例4)
水250gにアジピン酸ジヒドラジドを2.1g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例5)
水250gにアジピン酸ジヒドラジドを2.1g(12ミリモル)、FeCl3 39%水溶液を5g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液を不織布に噴霧し、80℃で4時間乾燥し、吸着剤を調製した。
(比較例6)
水250gにFeCl3 39%水溶液を10g(24ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤5Aを調製した。
水250gに4−アミノ−1,2,4−トリアゾールを2g(24ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液にBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭100gを浸漬させ、5分撹拌した後、25分放置した。放置後、よく水を切り80℃で4時間乾燥し、吸着剤5Bを調製した。吸着剤5Aと吸着剤5Bを1:1で混合することで混合吸着剤を調製した。
(比較例7)
水250gに4−アミノ−1,2,4−トリアゾールを1g(12ミリモル)、FeCl3 39%水溶液を5g(12ミリモル)加え薬液を調製した。この薬液を80℃で乾燥、固化し、固形薬剤を調製した。BET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭を100gに対して、薬剤Aを2.4g混合し、吸着剤を調製した。
2.性能評価
上述のように得られた吸着剤のアセトアルデヒド吸着量及び脱離量について以下のとおり評価した。直径30mmのカラムに各吸着剤を2g充填し、アセトアルデヒド濃度100ppm、20Lの循環装置(7L/分ポンプを有する)にカラムを接続した。30分間アセトアルデヒドを循環を行った後、アセトアルデヒドの減衰濃度を測定し、吸着量とした。続いて、30分間アセトアルデヒドを循環・吸着させた吸着剤入りのカラムを窒素20Lの循環装置に取り換え、30分間循環(窒素パージ)を行った。そのとき循環装置内の増加したアセトアルデヒド濃度を測定し脱離量とした。また、脱離量を吸着量で除した値を脱離率と定義した。コントロールとして、薬剤が添着されていないBET比表面積1000m2/gのヤシ殻活性炭を準備した(比較例8)。
各吸着剤により吸着されたアセトアルデヒドの経時的な濃度変化を図1に、そして30分後のアセトアルデヒド濃度を図2に示す。図1及び2の結果から、4−アミノ−1,2,4−トリアゾールとFeCl3を同一の活性炭に吸着させた実施例1の吸着剤は30分以内にアセトアルデヒドを速やかに吸着することが分かった。一方、4−アミノ−1,2,4−トリアゾールとFeCl3のいずれか一方を同一の活性炭に吸着させた吸着剤(比較例1及び2)、アジピン酸ジヒドラジドとFeCl3を同一の活性炭又は不織布に吸着させた吸着剤(比較例3及び5)はいずれも実施例1の吸着剤よりもアセトアルデヒドの吸着能が劣る結果となった。
上記性能評価において各吸着剤が吸着し、そしてパージ後に脱離したアセトアルデヒドの合計量をそれぞれ図3及び4に、そして脱離量を吸着量で除してパーセンテージで表した値を図5に示す。実施例1の吸着剤は総吸着量が多く、且つ脱離量が顕著に少なかった。実施例1の吸着剤と比較した場合、不織布を用いて得られた比較例5の吸着剤は吸着能が劣っており、また、同一有効成分の固形薬剤から調製した比較例7の吸着剤は脱離量が多いという結果となった。
以上の結果から、特定のアゾール化合物と遷移金属の塩の組み合わせはアセトアルデヒドの吸着・保持に極めて有効な薬剤となり得ることが明らかとなった。有効成分の組み合わせのみならず、担持方法も吸着剤の性能に影響を及ぼした。事実、浸漬担持により製造された実施例1の吸着剤は、同一有効成分の固形薬剤から調製した吸着剤(比較例7)と比較して長時間アセトアルデヒドを保持した。
3.有効成分量の検討
実施例1に記載の吸着剤の製造方法に従い、表1に記載の有効成分量の異なる吸着剤を製造した。得られた吸着剤を上述の性能評価にかけ、アセトアルデヒドの脱離量を測定した。結果を図6に示す。
Figure 0006103858
図6の結果から、BET比表面積1000m2/gの多孔質担体100g当たり4〜100ミリモル、すなわち多孔質担体の表面積1m2当たり0.04〜1マイクロモルのアゾール化合物と遷移金属塩とを含む薬液に多孔質担体を浸漬して調製された本発明の吸着剤はいずれもアセトアルデヒドの脱離量が0.01mg以下であった。
4.遷移金属塩の種類の検討
実施例1に記載の吸着剤の製造方法に従い、異なる遷移金属塩を担持した吸着剤を製造した。遷移金属塩は、第二塩化鉄(FeCl3)に代えて硫酸マンガン(実施例6)、塩化コバルト(実施例7)及び第一塩化鉄(FeCl2)(実施例8)を使用した。何れの金属塩も12ミリモル使用した。得られた吸着剤を上述の性能評価にかけ、アセトアルデヒドの脱離量を測定した。結果を図7に示す。
図7の結果は、硝酸マンガン又は第一塩化鉄を第二塩化鉄の代わりに使用した場合、アルデヒド脱離量は顕著に低減したことを示している。

Claims (9)

  1. 多孔質担体、1又は複数のアゾール化合物、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とともに担持されている、アルデヒド類浄化用吸着剤。
  2. 吸着剤の製造方法であって、多孔質担体を、1又は複数のアゾール化合物と、鉄、マンガン及びコバルトから成る群から選択される1又は複数の遷移金属の塩とを含む薬液中に浸漬することを含んで成る、アルデヒド類浄化用吸着剤の製造方法。
  3. 前記アゾール化合物が、3−メチル−5−ピラゾロン、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ラゾロン、3−フェニル−6−ピラゾロン、3−メチル−1−(3−スルホフェニル)−5−ピラゾロン、ピラゾール、3−メチルピラゾール、1,4−ジメチルピラゾール、3,5−ジメチルゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3−アミノピラゾール、5−アミノ−3−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸メチルエスル、3−メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステル、3,5−メチルピラゾールジカルボン酸、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジ−n−ブチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オン、ウラゾール(3,5−ジオキシ−1,2,4−トリアゾール)、1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヒドロキシ−7−メチル−1,3,8−トリアザインドリジン、1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−t−ブチル−2−メチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、及び2−アミノ−1,3,4−チアジアゾールから選択される化合物である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記遷移金属の塩が、第一塩化鉄(FeCl 2 )、第二塩化鉄(FeCl 3 )、硝酸マンガン、及び塩化コバルトから選択される塩である、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記アゾール化合物が4−アミノ−1,2,4−トリアゾールであり、前記遷移金属の塩が第二塩化鉄(FeCl 3 )である、請求項2に記載の製造方法。
  6. 前記薬液が、前記多孔質担体の表面積1m 2 当たり0.04〜1マイクロモルの4−アミノ−1,2,4−トリアゾールと、0.04〜1マイクロモルの第二塩化鉄とを含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記多孔質担体を乾燥することを更に含んで成る、請求項2〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 請求項1に記載の吸着剤を用いてアルデヒド類を浄化する方法。
  9. 請求項1に記載の吸着剤を具備する、アルデヒド類浄化装置。
JP2012190052A 2012-08-30 2012-08-30 アルデヒド類浄化用吸着剤 Expired - Fee Related JP6103858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012190052A JP6103858B2 (ja) 2012-08-30 2012-08-30 アルデヒド類浄化用吸着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012190052A JP6103858B2 (ja) 2012-08-30 2012-08-30 アルデヒド類浄化用吸着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014046246A JP2014046246A (ja) 2014-03-17
JP6103858B2 true JP6103858B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=50606481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012190052A Expired - Fee Related JP6103858B2 (ja) 2012-08-30 2012-08-30 アルデヒド類浄化用吸着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6103858B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102037666B1 (ko) * 2017-11-27 2019-10-29 연세대학교 산학협력단 올레핀에 대한 선택적 흡착능을 갖는 분리 흡착제 및 이의 제조방법
JP2020074849A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 大阪ガスケミカル株式会社 臭気物質吸着剤

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535984B2 (ja) * 1974-09-04 1978-03-03
JP3308637B2 (ja) * 1992-03-13 2002-07-29 英史 平井 新規な複合体およびその製造方法、ならびに該複合体よりなる酸素吸着剤
JP2000157618A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Ube Ind Ltd アルデヒド捕捉除去剤
JP4194729B2 (ja) * 2000-02-22 2008-12-10 クラレケミカル株式会社 多孔質吸着剤およびフィルター
JP2006116093A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Toagosei Co Ltd 人工ゼオライトを用いた消臭剤および消臭剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014046246A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015077536A (ja) 吸着シート及びその製造方法、並びにそれを使用した空気清浄機
JP6103858B2 (ja) アルデヒド類浄化用吸着剤
JP2014133220A (ja) シート状低脱離吸着剤
JP2001000524A (ja) 低級アルデヒド類の吸着剤
JP2008178788A (ja) 吸着剤
WO2007004614A1 (ja) 吸着剤及びその製造方法
JP2006280487A (ja) 消臭フィルター
WO2016060124A1 (ja) 脱臭材の製造方法
JP2007014857A (ja) 吸着剤およびその製造方法
JP6816258B2 (ja) アルデヒド除去用吸着剤及び脱臭材並びにそれらの製造方法
WO2016031474A1 (ja) 吸着剤
JP7139166B2 (ja) シート状吸着材及びその製造方法
JP2006026598A (ja) 吸着剤
JP5229784B2 (ja) タバコ消臭フィルター
JP3489136B2 (ja) 脱臭剤の製造方法
JP6512855B2 (ja) ヨウ素担持用組成物、その組成物を用いて調製した脱臭剤並びにその製造方法及びそれを用いた脱臭方法
JP2019051508A (ja) アルデヒド類吸着材及びこれを用いたフィルター体
JP2003093872A (ja) 吸着剤およびその製造方法
JP3500584B2 (ja) アルデヒド類の吸着剤
JP5528234B2 (ja) 硫黄系臭気脱臭剤
JP2000107555A (ja) 脱臭方法
JPH07178152A (ja) 脂肪族アルデヒド吸着剤
JP2003053180A (ja) 吸着剤の製造方法
KR20150144270A (ko) 탈취 필터
JP3718490B2 (ja) 水浄化用フィルター及び使用済みフィルターの活性化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6103858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees