JP6103720B2 - シリンダーキャビネット - Google Patents
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Description
特許文献1の第16図に開示されているように、一般的なシリンダーキャビネットは、高い交換の頻度及び交換作業のし易さの理由から、扉に近い位置にガスシリンダーが配置されている。これらのガスシリンダーの奥側であって、ガスシリンダーの上方に位置する部分には、操作性の観点から、複数のバルブ(弁)等が配置される。
また、減圧弁及び開閉弁としては、自動で制御する自動弁を用いる場合と、自動弁よりもコストの安い手動弁を用いる場合と、がある。大学や企業の実験レベルでは、コスト削減の観点から、自動弁よりも手動弁が好まれている。
また、半導体デバイス製造装置(例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置)内にシリンダーキャビネットを組み込みたいという要望がでてきている。
これにより、これまでは、筐体のフットプリント面積の小型化が主に求められていたが、さらには筐体高さ方向の小型化が求められるようになった。
また、弁の一部が、ガス容器の奥側直近に配置され、扉を開けただけでは手動操作や交換作業などが行えない場合でも、ガス容器を弁から離間させることで、手動操作や交換作業などが可能となる。
これにより、手動操作や交換作業などに支障がでることなく、従来よりもシリンダーキャビネットの高さ方向の小型化を図ることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシリンダーキャビネットの斜視図であり、筐体本体に対して扉が閉じた状態(閉位置にある状態)を模式的に示す図である。図2は、図1に示すシリンダーキャビネットを構成する筐体及びガス容器収容部を透過させた状態で、シリンダーキャビネットの内部の概略構成を示した斜視図であり、かつ筐体本体に対して扉が閉じた状態を模式的に示す図である。
図3は、図2に示すシリンダーキャビネットを構成する扉及びガス容器収容部が、扉の下端を中心として、筐体本体に対してピッチ方向に開いた状態を模式的に示す斜視図である。図4は、図3に示すシリンダーキャビネットの構成要素のうち、筐体及びガス容器収容部のみを図示した斜視図である。
図3に点線で示す扉11−2及び扉本体34は、扉11−2及び扉本体34がピッチ方向Pに90度回転することで、シリンダーキャビネット10が載置される床面上に扉11−2及び扉本体34が載置された状態を模式的に示している。
また、図1〜図4において、同一構成部分には、同一符号を付す。
底板26、第1の側板27、第2の側板28、背面板29、及び天井板31は、矩形とされた板状の部材である。第1及び第2の側板27,28は、その下端が底板26と接続されている。また、第1及び第2の側板27,28は、Y方向において、対向するように配置されている。
背面板29は、筐体本体11−1に対して扉11−2が閉じた状態(図1及び図2に示す状態)において、扉11−2と対向している。背面板29は、扉11−2と対向する内面29aを有する。
天井板31は、その角部付近を貫通する貫通穴31Aを有する。貫通穴31Aは、ガス供給ライン16を筐体11から外部へ貫通させるための穴である。ガス供給ライン16が挿入された貫通穴31Aには、筐体11内を気密するためのシール部材(図示せず)が設けられていてもよい。
筐体本体11−1に対して開閉可能な状態で、筐体本体11−1を構成する背面板29と対向するように設けられている。
扉本体34は、筐体本体11−1に対して扉11−2が閉じた状態において、扉本体34及び筐体本体11−1に設けられたロック機構(図示していない)により、ロックされることで、筐体11内に閉空間を形成する。
筐体11内を監視する場合、筐体11の材料としては、例えば、透明或いは半透明な材料(例えば、アクリル樹脂)を用いることができる。なお、筐体11内を監視しない場合には、他の材料(例えば、鉄板、ステンレス鋼板等)を用いることができる。
筐体11の高さは、例えば、ガス容器収容部12に収容するガス容器のうち、最も高いガス容器の高さよりも60mm程度高い高さにすることができる。
また、図1〜図4では、一例として、扉11−2を例に挙げて説明したが、扉11−2の形状は、これに限定されない。例えば、上記説明した扉11−2に替えて、ガス容器収容部12を構成要素から除いた扉(つまり、扉本体34のみで構成された扉)を用いてもよい。この場合、第1及び第2のガス容器13,14は、ベルトなどによって扉本体34に直接固定される。
ガス容器収容部12は、箱形状とされた収容部である。ガス容器収容部12を構成するガス容器収容部上板37には、第1のガス容器13の下部を挿入するための第1の貫通穴38と、第2のガス容器14の下部を挿入するための第2の貫通穴39と、が設けられている。
上記構成とされたガス容器収容部12の材料としては、例えば、強度や耐久性に優れた材料である鉄板、ステンレス鋼板等を用いることができる。
第1及び第2のガス容器13,14は、最高で42MPa程度の耐圧性を有する耐圧容器(例えば、ボンベ)である。第1及び第2のガス容器13,14としては、例えば、マンガン鉱製のガス容器、アルミ合金製のガス容器、FRP(繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)製のガス容器等を用いることができる。
第1及び第2のガス容器13,14には、例えば、毒性ガス、可燃性ガス、腐食性ガス等のガスを充填することができる。第1及び第2のガス容器13,14の内容量は、例えば、0.35L〜50Lの範囲内で適宜設定することができる。
上記第1及び第2のガス容器13,14は、その下部がガス容器収容部12に収容された状態で、ベルト(図示せず)によりガス容器収容部12に固定されている。
主ガス供給ライン16−1は、他端(ガス供給ライン16の他端)がガスの消費先と接続されている。主ガス供給ライン16−1の一部は、貫通穴31Aを介して、筐体11内に導入されている。主ガス供給ライン16−1の一端は、筐体11内に配置されており、かつ2つに分岐されている。
なお、図1〜図4には、図示していないが、ガス供給ライン16に、開閉弁を設けてもよい。
第1の分岐ガス供給ライン16−2は、一端(ガス供給ライン16の一端)が第1のガス容器13の接続口(図示せず)と継手(図示せず)を介して接続されている。第1の分岐ガス供給ライン16−2の一部は、背面板29の内面29aに配置されている。
そこで、第1の分岐ガス供給ライン16−2(ガス供給ライン16の一部)のうち、筐体11内で第1のガス容器13と第1の減圧弁19との間を接続している部分の長さは、回動機構24(離間機構)により、第1のガス容器13が第1の減圧弁19から最も離間させられた状態において、第1の減圧弁19と第1のガス容器13(具体的には、第1のガス容器13のうち、第1の分岐ガス供給ライン16−2が接続されている部分)との間の直線距離の2倍以上の長さとするとよい。
また、第1のガス容器13と第1の減圧弁19との間の配管形状は、例えば、コイル状にすることができる。
また、第2のガス容器14と第2の減圧弁22との間の配管形状は、例えば、コイル状にすることができる。
また、第1の分岐ガス供給ライン16−2のうち、第1の分岐ガス供給ライン16−2の分岐位置と第1の開閉弁18との間に位置する部分に、逆止弁(図示せず)を設けてもよい。
また、第2の分岐ガス供給ライン16−3のうち、第2の分岐ガス供給ライン16−3の分岐位置と第2の開閉弁21との間に位置する部分に、逆止弁(図示せず)を設けるとよい。
上記構成とされたガス供給ライン16は、第1及び第2のガス容器13,14に充填されたガスをガスの消費先に供給するためのラインである。
さらには、複数の分岐ガス供給ラインが筐体11内で分岐した主ガス供給ラインと、独立した他の分岐ガス供給ラインとが、それぞれの貫通穴を介して筐体11の外に導かれ、それぞれのガスの消費先に接続されていてもよい。
第1の開閉弁18が開かれると、第1の減圧弁19により、第1のガス容器13内のガスが減圧されてガスの消費先に供給される。
上記第1の開閉弁18は、手動弁であるため、必要に応じて、シリンダーキャビネット10の使用者が手動操作する。
第1の減圧弁19は、その一部が第1のガス容器13と対向する背面板29の内面29aに配置されており、残部が第1のガス容器13の上端の位置(高さ)よりも上方に位置する背面板29の内面29aに配置されている。
上記第1の減圧弁19は、手動弁であるため、必要に応じて、シリンダーキャビネット10の使用者が手動操作する。
なお、第1の実施の形態では、一例として、1つの第1の減圧弁19(図3参照)を設けた場合を例に挙げて説明したが、複数の第1の減圧弁19を直列に配列させてもよい。
第2の開閉弁21が開かれると、第2のガス容器14内のガスは、ガスの消費先に供給される。
第2の減圧弁22は、第1のガス容器13と対向する背面板29の内面29aに配置されている。第2の減圧弁22は、第1の減圧弁19の下方に配置されている。
上記第2の開閉弁21及び第2の減圧弁22は、手動弁であるため、必要に応じて、シリンダーキャビネット10の使用者が手動操作する。
なお、第1の実施の形態では、一例として、1つの第2の減圧弁22(図3参照)を設けた場合を例に挙げて説明したが、複数の第2の減圧弁22を直列に配列させてもよい。
これにより、筐体11の高さを低くして、シリンダーキャビネット10の高さ方向の小型化を図ることができる。
回動機構24は、筐体本体11−1の底板26の端部を中心として、扉11−2及びガス容器収容部12をピッチ方向Pに傾けさせるための機構である。
回動機構24としては、例えば、蝶番や、ステー等を用いることができる。
これにより、第1の開閉弁18、第1の減圧弁19、第2の開閉弁21、及び第2の減圧弁22(以下、これら4つの手動弁を単に、「手動弁A」という)の前面側に、使用者が第1の開閉弁18、第1の減圧弁19、第2の開閉弁21、及び第2の減圧弁22を手動操作するための空間を形成することができる。
扉本体34の傾斜角度が45度よりも小さいと、手動弁Aの前面側に、手動弁Aを操作するために必要な空間を十分に確保することが困難となってしまう。
また、第1及び第2のガス容器13,14内に同じガスを充填する場合、第1のガス容器13内のガスが無くなった際、第2の開閉弁21及び第2の減圧弁22を開けることで、ガス容器の交換を行うことなく、第2のガス容器14内に充填されたガスを、ガスの消費先に供給することができる。
扉11−2は、第1及び第2のガス容器13,14の交換時、手動弁Aの開閉時、供給するガスの種類の切り替え時、及び供給するガスの圧力の調整時等に開かれる。
次いで、扉本体34に設けられた取手部(図示せず)を持って、扉11−2、ガス容器収容部12、及びガス容器収容部12に固定された第1及び第2のガス容器13,14を一体的に、ピッチ方向Pに回転させ、扉本体34を床面(シリンダーキャビネット10が載置された床面)上に載置する。つまり、図3に点線で示す扉本体34の状位置まで扉本体34を回動させる。
その後、筐体本体11−1に対して、扉11−2を閉じて、第1及び第2の側板27,28に扉本体34をロックすることで、手動弁Aの手動操作に伴うシリンダーキャビネット10の操作が完了する。
また、手動弁Aの一部が、第1及び第2のガス容器13、14の奥側直近に配置され、扉11−2を開けただけでは手動操作や交換作業などが行えない場合でも、第1及び第2のガス容器13、14を弁から離間させることで、手動操作や交換作業などが可能となる。
これにより、シリンダーキャビネット10の高さ方向の小型化を図ることができる。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るシリンダーキャビネットの斜視図であり、筐体本体に対して扉が閉じた状態(閉位置にある状態)を模式的に示す図である。図5において、図1〜図4に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図6は、図5に示すシリンダーキャビネットを構成する筐体及びガス容器収容部を透過させた状態で、シリンダーキャビネットの内部の概略構成を示した斜視図であり、かつ筐体本体に対して扉が閉じた状態を模式的に示す図である。図6において、図1〜図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図7は、図6に示すシリンダーキャビネットを構成する扉が開き、かつガス容器収容部の下端を中心として、筐体本体に対してガス容器収容部がピッチ方向に傾いた状態を模式的に示す斜視図である。図7において、図1〜図6に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
扉51は、閉位置において、図示していないロック機構により、筐体本体11−1に対して固定されていてもよい。
蝶番47は、扉51の左側の端部と該端部と接触する第1の側板27の端部とを連結するように1つ以上(一例として、図5では2つの蝶番47を図示した)設けられている。これにより、扉51は、筐体本体11−1に対して、開閉可能な構成とされている。
これにより、第1及び第2のガス容器13,14を収容するガス容器収容部12は、底板26の端部を中心として、ピッチ方向Pに回動可能な構成とされている。
第2の実施の形態では、一例として、ガス容器が2本同時に回動可能な構成になっているが、ガス容器収容部12が分割され、ガス容器を1本ずつ回動可能な構成であってもよい。
なお、図示していないが、ガス容器収容部12に、ガス容器収容部12をピッチ方向Pに回動させやすくするための取手部を設けてもよい。
始めに、扉51が筐体本体11−1にロックされている場合には、そのロックを解除する。次いで、筐体本体11−1の前方にガス容器収容部12を移動させることが可能な状態まで扉51を開ける。
よって、上記構成とされた第2の実施の形態のシリンダーキャビネット45は、第1の実施の形態のシリンダーキャビネット10と同様な効果を得ることができる。
また、蝶番を扉51の上端部に配置させることで、扉51を上に押し上げる構成としてもよい。さらに、扉51として、例えば、シャッターやアコーディオンカーテン等を用いてもよい。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るシリンダーキャビネットを構成する筐体及びガス容器収容部を透過させた状態で、シリンダーキャビネットの内部の概略構成を示した斜視図であり、かつ筐体本体に対して扉が閉じた状態(閉位置にある状態)を模式的に示す図である。図8において、図1〜図4に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図9は、図8に示すシリンダーキャビネットを構成する扉及びガス容器収容部が、筐体の奥行方向に対して筐体本体から離間した状態を模式的に示す斜視図である。図9において、図1〜図4、及び図8に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図10は、図9に示すシリンダーキャビネットの構成要素のうち、筐体及びガス容器収容部のみを図示した斜視図である。図10において、図1〜図4、図8、及び図9に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
スライド機構57は、X方向に対して、第1及び第2のガス容器13,14を収容するガス容器収容部12、並びに扉11−2を一体的に移動させるための機構である。
また、第3の実施の形態では、扉11−2とガス容器収容部12とは一体であったが、第2の実施の形態のように、扉11−2とガス容器収容部12とが別体であってもよい。
Claims (6)
- 筐体本体、及び該筐体本体に対して開閉可能な扉を含む筐体と、
前記筐体内に配置され、前記扉の内面側に固定された状態でガス容器を収容するガス容器収容部と、
前記筐体内から該筐体の外部に引き回されたラインであり、継手を介して一端が前記ガス容器と接続され、該ガス容器内に充填されたガスを前記筐体の外部に供給するガス供給ラインと、
前記筐体内に配置された前記ガス供給ラインに設けられ、前記筐体本体に対して閉位置にある前記扉と対向する前記筐体の背面板の内面であって、
前記弁の少なくとも一部を、前記ガス容器収容部に収容された前記継手を含む前記ガス容器の上端の位置よりも低い位置に配置された弁と、
を有し、
前記ガス容器収容部は、収容した前記ガス容器を前記弁から離間させるための離間機構を有していることを特徴とするシリンダーキャビネット。 - 前記弁は、1つの手動弁、または少なくとも1つの手動弁を含む複数の弁で構成されて
いることを特徴とする請求項1記載のシリンダーキャビネット。 - 前記ガス容器収容部は、前記扉に固定されており、
前記離間機構は、前記扉の下端部と、該扉の下端部と接触する前記筐体本体の底板の端部と、を連結するように設けられ、前記底板の端部を中心として、前記扉及び前記ガス容器収容部をピッチ方向に回動させる回動機構であることを特徴とする請求項1または2記載のシリンダーキャビネット。 - 前記扉と前記ガス容器収容部とは、別体とされており、
前記離間機構は、前記ガス容器収容部の下端部と、該ガス容器収容部の下端部と接触する前記筐体本体の底板の端部と、を連結するように設けられ、前記底板の端部を中心として、前記ガス容器収容部をピッチ方向に回動させる回動機構であることを特徴とする請求項1または2記載のシリンダーキャビネット。 - 前記ガス容器収容部は、前記扉に固定されており、前記離間機構は、前記筐体本体から離間する該筐体本体の奥行方向に前記扉及び前記ガス容器収容部を一体に移動させるスライド機構であることを特徴とする請求項1または2記載のシリンダーキャビネット。
- 前記ガス供給ラインのうち、前記筐体内で前記弁と前記ガス容器との間を接続している部分の長さが、前記離間機構により前記ガス容器が前記弁から最も離間させられた際の前記弁と前記ガス容器との間の直線距離の2倍以上の長さであることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載のシリンダーキャビネット。
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