ここで、本願発明者らが新たに見出した従来の光ピックアップ装置の対物レンズアクチュエータの課題について説明する。図19に示す従来の構成のように、BD用対物レンズ133及びDVD/CD用対物レンズ134の二つの対物レンズがレンズホルダ121に搭載されている場合は、レンズホルダ121の一方の側面に配置されたフォーカシングコイル123、チルティングコイル127、及びトラッキングコイル125からなるコイル群とBD用対物レンズ133との距離と、他方の側面に配置されたフォーカシングコイル124、チルティングコイル128、及びトラッキングコイル126からなるコイル群とBD用対物レンズ133との距離とを比較すると、他方の側面に配置されたコイル群はBD用対物レンズ133から大きく離間している。
このような構成の場合、接着部131a、131b、131cの位置は、他方の側面に配置されたコイル群に比べて一方の側面に配置されたコイル群の方が近い位置関係となる。よって、他方の側面に配置されたコイル群によって発生する熱量の、BD用対物レンズ133の温度上昇への寄与は非常に小さい。
また、二つの対物レンズ133、134が搭載されている構成の場合は、レンズホルダ121の容積が大きくなるため、レンズホルダ121の熱容量が大きくなり、BD用対物レンズ133への熱量の流入は小さいものとなる。
したがって、接着部131aの位置の最適化により、一方の側面に配置されたコイル群からの熱の流入を平準化でき、BD用対物レンズ133の温度上昇の値そのものも小さく抑えることができる。
しかしながら、二つの対物レンズ133、134に代えて、BDと、DVD(及び/又はCD)との互換機能を有する1つの対物レンズのみをレンズホルダに搭載する場合、対物レンズと一方の側面に配置されたコイル群との距離と、対物レンズと他方の側面に配置されたコイル群との距離とは、等距離になり、対物レンズとコイル群とがそれぞれ近接する。
このような構成の場合、1つの対物レンズへの熱量の流入は、二つの対物レンズが搭載された構成に対して2倍の熱量が流入する。
また、レンズホルダの容積は、二つの対物レンズが搭載された構成に対して半分程度となるため、レンズホルダの熱容量も半分程度となり、レンズホルダの温度上昇の値そのものが2倍程度となってしまう。
したがって、接着部の位置を最適化して対物レンズへの熱量の流入を平準化することにより、対物レンズの温度分布のばらつきを小さく抑えることができても、対物レンズに流入する熱量が大きいために、対物レンズの温度上昇の値そのものは大きくなってしまう。
特に、対物レンズの下側には空気が滞留するために、放熱量が小さくなり、温度上昇がより大きくなる。
このように、対物レンズの温度分布のばらつきが抑えられた状態でも、温度上昇の値そのものが大きいと、光スポット上で球面収差が発生し、十分な集光特性が得られなくなってしまい、高密度の記録再生に対応できないという課題があった。
特に、BDと、DVD(及び/又はCD)との互換機能を有する1つの樹脂対物レンズでは、温度変化による球面収差の変化が大きく、1℃あたり5mλ以上の球面収差が発生してしまう。
ここで、対物レンズの温度変化に応じてコリメートレンズを光軸方向に移動させることにより、温度変化に伴って生じる球面収差を補正することが可能であるが、上記のように対物レンズの温度上昇が大きい場合、特に樹脂対物レンズを搭載している場合には、温度変化に伴って生じる球面収差の変化が大きくなり、コリメートレンズの可動範囲が非常に長くなる。この結果、温度変化に相当するコリメートレンズの可動範囲を確保することが困難となり、あるいは光ピックアップ装置の大型化が必要となり、装置としての商品性が著しく低下してしまい、光ピックアップ装置として致命的な課題となる。
さらに、対物レンズの温度上昇が大きくなると、表面のコーティングにヒビ割れや白濁等の損傷が発生し、最終的にはレンズ破壊に至るという重大な課題を有していた。
上記の新たな課題をも含めて、本発明の各実施の形態は、従来の光ピックアップ装置の課題を解決する。以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ピックアップ装置の概略構成を示す模式図であり、図2は、図1に示す光ピックアップ装置の具体的な構成を示す上面図である。
図1及び図2に示す光ピックアップ装置は、対物レンズ1、青色半導体レーザユニット21、赤色及び赤外半導体レーザユニット22、ビームスプリッタ26、コリメートレンズ27、ミラー28、対物レンズアクチュエータ29、プレートビームスプリッタ30、検出レンズ31、光検出器32、及び光学ベース33を備える。また、図2に示すように、光ピックアップ装置は、CL(コリメータレンズ)アクチュエータ44をさらに備え、CLアクチュエータ44は、CLホルダ41、CLアクチュエータ主軸42、及びステッピングモータ43を備える。
図1及び図2において、青色半導体レーザユニット21は、光学ベース33に保持されている。青色半導体レーザユニット21から出射される光ビームは、400nm〜415nmの波長を有し、本実施の形態では、青色半導体レーザユニット21は、例えば、略405nmの波長の光ビームを出射するように構成されている。なお、一般に、上述の波長を有する光は、青色〜紫色を有している。
赤色及び赤外半導体レーザユニット22は、光学ベース33に保持されている。赤色及び赤外半導体レーザユニット22から出射される光ビームは、640nm〜800nmの波長を有し、赤色及び赤外半導体レーザユニット22は、一種の波長の光ビームを単数出射したり、あるいは複数種の波長の光ビームを複数出射するように構成されている。本実施の形態では、赤色及び赤外半導体レーザユニット22は、例えば、DVDに対応する略660nmの波長の光ビームと、CDに対応する略780nmの光ビームとを出射するように構成されている。
対物レンズ1は、少なくとも略405nmの波長を含む複数の波長に対応した複数波長互換対物レンズであり、レンズ表面に波長選択機能を持つ微細な回折構造を有する。この回折構造は、レンズを透過する光ビームの波長によって焦点位置を任意に設定することができる。本実施の形態では、対物レンズ1として、例えば、略405nmの波長に加えて、略660nmの波長及び略780nmの波長の3種類の波長に対応した3波長互換対物レンズが用いられる。対物レンズ1には、作動距離が赤外光、赤色光、青色光の順に大きくなるように、回折構造が構成されており、例えば、各波長ごとの作動距離は、赤外光が略0.3mm、赤色光が略0.44mm、青色光が略0.5mmと設定している。
また、対物レンズ1は、樹脂成形によって形成される樹脂レンズであり、本実施の形態では、例えば、シクロオレフィンを重合して得られる樹脂であるシクロオレフィンポリマーを用いて成形されている。
図1に示すBD23、DVD24、及びCD25は、それぞれ円盤状記録媒体の一例である光ディスクであり、使用状態では、BD23、DVD24、及びCD25のうち一枚の光ディスクのみが使用されるが、図1では、作動距離の差を示すために、BD23、DVD24、及びCD25を同時に表記している。
本実施の形態は、波長略405nmのBD用の光ビーム、波長略660nmのDVD用の光ビーム及び波長略780nmの光ビームの3種類の波長の光ビームを1つの対物レンズ1によって集光し、各波長に対応した光ディスク(BD23、DVD24、又はCD25)に対して情報の記録再生を行う3波長互換対物レンズを用いた光ピックアップ装置である。
青色半導体レーザユニット21から出射された青色の光ビームは、ビームスプリッタ26で反射され、コリメートレンズ27に向かう。ここで、コリメートレンズ27は、光ビームを所定の発散度に変換するように設定されている。また、詳細は後述するが、図2に示すように、コリメートレンズ27は、CLホルダ41に固定され、CLホルダ41は、CLアクチュエータ主軸42及びステッピングモータ43の回転軸に移動可能に保持されている。コリメートレンズ27は、CLアクチュエータ44に搭載され、ステッピングモータ43によって光軸方向に駆動される。このように、コリメートレンズ27の位置を変位させることができるので、光ビームの発散度を任意の値に選択することができる。したがって、複数層の情報記録面を有する光ディスク(BD23)の各層ごとの基材厚の違いに対応した集光スポットの生成が可能である。
光ビームは、コリメートレンズ27を透過した後、ミラー28によって折り曲げられて対物レンズアクチュエータ29に搭載された対物レンズ1に向かう。対物レンズ1で絞られた青色の光ビームは、略0.5mmの作動距離にあるBD23の情報記録面上に集光されて照射される。
そして、BD23の情報記録面からの反射光は、往路と同様に、対物レンズ1を透過した後、ミラー28で反射され、さらに、コリメートレンズ27を透過してビームスプリッタ26に至る。復路では、光ビームは、ビームスプリッタ26を透過し、さらにプレートビームスプリッタ30及び検出レンズ31を透過した後、光検出器32に入射される。光検出器32は、入射した光ビームを光電変換して光ピックアップ制御回路(図示省略)へ出力し、光ピックアップ制御回路は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号及び光ディスク再生信号を生成する。
赤色及び赤外半導体レーザユニット22から出射された赤色の光ビームは、プレートビームスプリッタ30で反射され、ビームスプリッタ26を透過した後、コリメートレンズ27に向かう。光ビームは、コリメートレンズ27を透過した後、ミラー28によって折り曲げられて対物レンズアクチュエータ29に搭載された対物レンズ1に向かう。対物レンズ1で絞られた赤色の光ビームは、略0.44mmの作動距離にあるDVD24の情報記録面上に集光されて照射される。
そして、DVD24の情報記録面からの反射光は、往路と同様に、対物レンズ1を透過した後、ミラー28で反射され、さらに、コリメートレンズ27及びビームスプリッタ26を透過し、プレートビームスプリッタ30に至る。復路では、光ビームは、プレートビームスプリッタ30を透過し、さらに検出レンズ31を透過した後、光検出器32に入射される。光検出器32は、入射した光ビームを光電変換して光ピックアップ制御回路(図示省略)へ出力し、光ピックアップ制御回路は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号及び光ディスク再生信号を生成する。
赤色及び赤外半導体レーザユニット22から赤外の光ビームが出射された場合の動作は、上記した赤色の光ビームの場合と同様であり、赤外の光ビームは、上記と同様の経路を通って対物レンズ1に至る。対物レンズ1で絞られた赤外の光ビームは、略0.3mmの作動距離にあるCD25の情報記録面上に集光されて照射される。
そして、CD25の情報記録面からの反射光も、赤色の光ビームの場合と同様の経路を通って光検出器32に入射される。光検出器32は、入射した光ビームを光電変換して光ピックアップ制御回路(図示省略)へ出力し、光ピックアップ制御回路は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号及び光ディスク再生信号を生成する。
以上説明した構成部品として、青色半導体レーザユニット21、赤色及び赤外半導体レーザユニット22、ビームスプリッタ26、ミラー28、プレートビームスプリッタ30、検出レンズ31及び光検出器32は、光学ベース33に搭載されている。また、コリメートレンズ27は、CLアクチュエータ44に搭載され、CLアクチュエータ44は、光学ベース33に搭載される。対物レンズアクチュエータ29は、対物レンズ1の位置調整が完了した状態で光学ベース33に接着固定されている。
図2において、x軸は、対物レンズ1の中心を通り、スピンドルモータ47のターンテーブル47aの外縁の接線方向に平行な軸であり、y軸は、対物レンズ1の中心を通り、スピンドルモータ47のターンテーブル47aの半径方向に平行な軸である。また、スピンドルモータ47の回転中心は、y軸上に位置しており、ターンテーブル47aは、時計回りである回転方向Rmに回転駆動される。光学ベース33は、y軸に平行に配置された主軸45及び副軸46によって支持されており、光学ベース33が主軸45及び副軸46の円筒面を摺動することにより、対物レンズ1がy軸上を移動し、BD23又はDVD24又はCD25の任意の半径位置に移動可能に構成されている。
したがって、図2に示すように、上面視において、BD23(又はDVD24又はCD25)は時計周りに回転し、対物レンズ1の中心を原点とし、BD23の半径方向であるトラッキング方向をy軸とし、BD23のトラックの接線方向をx軸とするxy平面(xy座標系)において、y軸はBD23の中心側を正方向とし、x軸はy軸の正方向を時計回りに90°回転した方向を正方向とし、xy平面をx軸及びy軸によって分割した4つの領域を反時計回りに第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限として規定することができる。
次に、図2を用いてCLアクチュエータ44の構成について説明する。
図2において、コリメートレンズ27は、CLホルダ41に搭載されており、CLホルダ41は、x軸に対して平行に配置されたCLアクチュエータ主軸42に支持されている。CLホルダ41がCLアクチュエータ主軸42の円筒面を摺動することにより、コリメートレンズ27は、x軸上を移動し、ミラー28(図1参照)とビームスプリッタ26との間の任意の位置に移動可能に構成されている。
ステッピングモータ43は、回転軸がx軸と略平行になるように配置されていて、回転軸と同軸にリードスクリューが設けられている。
CLホルダ41の端部には、ステッピングモータ43のリードスクリューの溝にかみ合う突起が設けられており、ステッピングモータ43が回転することにより、リードスクリューが回転し、その結果、CLホルダ41は、CLアクチュエータ主軸42に沿って移動する。また、ステッピングモータ43に入力する駆動信号のパルス数を調整することにより、リードスクリューの回転量が決定され、コリメートレンズ27の移動量を設定することができる。
次に、図3、図4、図5及び図6を用いて、対物レンズアクチュエータ29の構成について説明する。
図3は、図2に示す対物レンズアクチュエータの構成を示す斜視図であり、図4は、図2に示す対物レンズアクチュエータの構成を示す上面図であり、図5は、図2に示す対物レンズアクチュエータの可動体の構成を示す斜視図であり、図6は、図2に示す対物レンズアクチュエータのマグネット及びコイルの構成を示す斜視図である。
ここで、図3、図5及び図6に示すz軸は、対物レンズ1の中心軸であり、x軸、y軸と相互に直交し、それぞれ3次元直交座標系を構成している。また、図3及び図6に示すr方向は、x軸周りの回転方向であるラジアルチルト方向である。
図3及び図4に示す対物レンズアクチュエータ29は、レンズホルダ2、二つのフォーカシングコイル4a、4b、二つのトラッキングコイル5a、5b、二つの端子板6、二つのマグネット8a、8b、6本のサスペンションワイヤー9、固定部材10、固定基板11、及びヨークベース12を備える。また、固定部材10、固定基板11及びヨークベース12は、サスペンションワイヤー9の一端を保持するアクチュエータベースの一例である。
レンズホルダ2は、成形された樹脂から構成され、略直方体形状を有している。レンズホルダ2の上面には、対物レンズ1が搭載されている。レンズホルダ2におけるx軸に垂直な二つの側面には、フォーカシングコイル4a、4bと、トラッキングコイル5a、5bとが取り付けられており、y軸に垂直な二つの側面にはそれぞれ端子板6が取り付けられている。
次に、図5等を用いて、可動体7の詳細構成を説明する。可動体7は、対物レンズ1、レンズホルダ2、二つのフォーカシングコイル4a、4b、二つのトラッキングコイル5a、5b、及び二つの端子板6から構成されている。
レンズホルダ2は、z軸を中心とする円形の開口A1を有しており、この開口A1から対物レンズ1に光ビームが入射する。したがって、対物レンズ1に入射する有効光ビーム径は、この開口A1の径によって決定される。
レンズホルダ2の上側の平坦面P1のうち、上面視において、x軸及びy軸からなるxy平面の第2象限に位置する領域を中心に対物レンズ搭載部2aが突出して設けられ、第4象限に位置する領域を中心に対物レンズ搭載部2bが突出して設けられている。対物レンズ1は、第1の固定部の一例である対物レンズ搭載部2a及び第2の固定部の一例である対物レンズ搭載部2bに固定され、対物レンズ搭載部2aは、レンズホルダ2の平坦面P1のうち、少なくとも第2象限内に位置し、対物レンズ搭載部2bは、少なくとも第4象限内に位置している。
本実施の形態では、対物レンズ搭載部2aの大部分(例えば、対物レンズ搭載部2a全体の75%以上の部分)が第2象限に位置し、残りの一部(例えば、対物レンズ搭載部2a全体の25%未満の部分)が第1象限に位置し、対物レンズ搭載部2bの大部分(例えば、対物レンズ搭載部2b全体の75%以上の部分)が第4象限に位置し、残りの一部(例えば、対物レンズ搭載部2b全体の25%未満の部分)が第3象限に位置している。
対物レンズ搭載部2aには、平坦面P1から上方へ約0.4mmの離間距離を有する位置に対物レンズ載置面Paが形成され、対物レンズ搭載部2bには、平坦面P1から上方へ約0.4mmの離間距離を有する位置に対物レンズ載置面Pbが形成されている。対物レンズ載置面Pa、Pbの縁には、z軸を中心軸とする四つの円筒面Ca、Cbが立ち上がっている。
対物レンズ1のコバ下面1aが対物レンズ載置面Pa、Pbに載置されることにより、対物レンズ1のz軸方向の位置決めが行われ、四つの円筒面Ca、Cbに対物レンズ1の外径を沿わせることにより、対物レンズ1のx軸方向及びy軸方向の位置決めが行われる。なお、円筒面の数及び位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
また、対物レンズ載置面Paには、一部領域が開放された接着剤塗布部3aが設けられ、対物レンズ載置面Pbには、一部領域が開放された接着剤塗布部3bが設けられており、レンズホルダ2に対して対物レンズ1が位置決めされた状態で、接着剤塗布部3a、3bに接着剤を注入して硬化させることにより、接着剤塗布部3a、3bがレンズホルダ2と対物レンズ1との接着部となり、対物レンズ1がレンズホルダ2に固着される。なお、接着剤塗布部の数及び位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
上記のように、対物レンズ搭載部2aと対物レンズ搭載部2aとの間には、レンズホルダ2に対物レンズ1が固定された結果、対物レンズ1のコバ下面1aとレンズホルダ2の上側の平坦面P1との間に二つの空隙Ga、Gb(図5の破線で囲まれたハッチング領域)が形成される。ここで、図4に示すように、上面視において、空隙Gaは、x軸及びy軸からなるxy平面の第1象限に位置する領域を中心に形成され、空隙Gbは、第3象限に位置する領域を中心に形成されている。すなわち、空隙Gaは、少なくとも第1象限内に位置し、空隙Gbは、少なくとも第3象限内に位置している。
また、第1象限側の空隙Gaと第3象限側の空隙Gbとは、対物レンズ1の下側の空間によって繋がっており、第1象限側の空隙Gaから第3象限側の空隙Gbに至る通風路が、対物レンズ1の下側に形成されることとなる。このとき、図4に示すように、BD23、DVD24及びCD25のうちのいずれかの光ディスクの時計回りの回転(回転方向Rmの回転)によって、光ディスクの表面近傍に発生する渦巻き状の気流Fの流れが矢印方向に沿って構築されている。したがって、渦巻き状の気流Fは、第1象限の領域を中心に構成された空隙Gaから第3象限の領域を中心に構成された空隙Gbに向けて通風路を貫通するように通り抜ける。
また、第1象限側の空隙Gaから進入した気流Fは、通風路内部では対物レンズ1の下側の凸面1bに沿ってレンズ周縁部に一端拡散した後(図4中の破線で示す経路)、第3象限側の空隙Gbに向けて収束し、最終的に通風路の外部に排出される。
フォーカシングコイル4a、4bは、矩形形状に巻回された扁平コイルである。ここで、図4に示すように、上面視において、フォーカシングコイル4aは、レンズホルダ2のx軸に対して垂直な一方の側面のうち、x軸及びy軸からなるxy平面の第1象限内に位置する領域に接着されて固定され、フォーカシングコイル4bは、レンズホルダ2のx軸に対して垂直な他方の側面のうち、第3象限内に位置する領域に接着されて固定されている。したがって、フォーカシングコイル4aは、第1象限内のレンズホルダ2の側面に固定され、フォーカシングコイル4bは、第3象限内のレンズホルダ2の側面に固定され、フォーカシングコイル4aとフォーカシングコイル4bとは、z軸に対して互いに軸対称な位置関係となっている。
トラッキングコイル5a、5bは、矩形形状に巻回された扁平コイルである。上面視において、トラッキングコイル5aは、レンズホルダ2のx軸に垂直な一方の側面の中心に接着されており、トラッキングコイル5aの接着位置の中心がx軸上に位置するように配置されている。トラッキングコイル5bは、レンズホルダ2のx軸に垂直な他方の側面の中心に接着されており、トラッキングコイル5bの接着位置の中心がx軸上に位置するように配置されている。
フォーカシングコイル4a及びフォーカシングコイル4bは、端子板6、サスペンションワイヤー9、及び固定基板11を介して、それぞれ独立に駆動信号を供給される。
トラッキングコイル5a及びトラッキングコイル5bは、端子板6を介して直列に結線された状態で、端子板6、サスペンションワイヤー9、及び固定基板11を介して駆動信号を供給される。
以上のように構成された可動体7の重心は、上面視において、略z軸上に位置している。
図3及び図4において、固定部材10及び固定基板11は、それぞれヨークベース12に固定されている。サスペンションワイヤー9は、光ディスクの情報記録面に対して垂直な方向であるフォーカシング方向と、光ディスクの半径方向であるトラッキング方向とに移動可能にレンズホルダ2を支持する支持機構の一例である。本実施の形態では、サスペンションワイヤー9は、例えば、6本の弾性金属線によって構成されており、基端側を固定基板11に、先端側を端子板6にそれぞれ半田固定されている。結果として、可動体7は、サスペンションワイヤー9によって、固定基板11が固定されているヨークベース12に対してフォーカシング方向(光ディスクの情報記録面に対して垂直な方向)であるz軸方向、トラッキング方向(光ディスクの半径方向)であるx軸方向及びラジアルチルト方向rに移動可能に支持されている。
また、固定部材10には、サスペンションワイヤー9を挿通するための開口が設けられており、この開口に流動性の制振剤を注入後、ゲル状に硬化することにより、サスペンションワイヤー9の共振を減衰することができる。
対物レンズアクチュエータ29は、光学ベース33に構成された光学系に対する対物レンズ1のx方向、y方向、及びz方向の位置並びに傾斜角を調整された状態で、ヨークベース12の固定部12a、12b、12c、12dの各部を光学ベース33に接着固定されている。
図3、図4、及び図6において、二つのマグネット8a、8bは、x軸と略一致する位置を境界線とする二つの領域にx軸に平行な方向でかつ逆向きに磁化されている。二つのマグネット8a、8bは、ヨークベース12に固定されていて、z軸に対して互いに軸対称となる位置に配置されている。
具体的には、マグネット8aは、上面視において、x軸上に着磁境界面Maを有し、トラッキングコイル5aの対物レンズ1の光軸と略平行な二つの辺S5a、S5a’に逆向きの磁界を付与し、かつフォーカシングコイル4aのy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4aに磁界を付与する。マグネット8bは、上面視において、x軸上に着磁境界面Mbを有し、トラッキングコイル5bの対物レンズ1の光軸と略平行な二つの辺S5b、S5b’に逆向きの磁界を付与し、かつフォーカシングコイル4bのy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4bに磁界を付与する。
上記の構成により、フォーカシングコイル4a、4bを対物レンズ1に対してレンズホルダ2の下方に取り付けることができるので、発熱源となるフォーカシングコイル4a、4bを対物レンズ1から離間することができ、対物レンズ1の温度上昇を抑制することができる。
次に、図6を用いて、マグネット8a、8bと、フォーカシングコイル4a、4b及びトラッキングコイル5a、5bとの関係についてさらに詳細に説明する。
フォーカシングコイル4a、4bの上側のy軸に平行な辺S4a、S4bは、マグネット8a、8bの磁極面にそれぞれ対向する位置に配置されている。したがって、フォーカシングコイル4a、4bにそれぞれ独立に駆動信号が供給され、同じ大きさの電流がそれぞれ矢印Aa、Abの向きに流されたとき、フォーカシングコイル4a、4bには、同じ大きさでz軸の正方向(図中の上側)の駆動力が発生し、対物レンズ1は、z軸の正方向に駆動される。一方、それぞれ矢印Aa、Abと逆向きの電流が流されたときは、対物レンズ1は、z軸の負方向(図中の上側)に駆動される。また、フォーカシングコイル4a、4bのそれぞれに流される電流の大きさを調整することにより、ラジアルチルト方向rのモーメント力が発生し、対物レンズ1が傾斜するので、チルト方向の駆動も行うことができる。
トラッキングコイル5a、5bのz軸に平行な二つの辺S5a、S5a’、S5b、S5b’は、マグネット8a、8bの着磁境界面Ma、Mbを境界としてそれぞれ異なる磁極面に対向する位置に配置されている。したがって、トラッキングコイル5a、5bが直列に結線され、トラッキングコイル5a、5bに矢印Ac、Adの向きの電流が流されたとき、トラッキングコイル5a、5bにはy軸の正方向(図中の左側)の駆動力が発生し、対物レンズ1は、y軸の正方向に駆動される。一方、それぞれ矢印Ac、Adと逆向きの電流が流されたときは、対物レンズ1は、y軸の負方向(図中の右側)に駆動される。
上記の構成により、本実施の形態では、レンズホルダ2に対物レンズ1が固定された結果、レンズホルダ2の上側の平坦面P1上のx軸及びy軸からなるxy平面の略第1象限及び略第3象限に相当する領域において、対物レンズ1のコバ下面1aとレンズホルダ2の平坦面P1との間に、二つの空隙Ga、Gbが構成される。第1象限側の空隙Gaと、第3象限側の空隙Gbとは、対物レンズ1の下側の空間によって繋がっており、第1象限側の空隙Gaから第3象限側の空隙Gbに至る通風路が、対物レンズ1の下側に形成されることとなる。
ここで、BD23、DVD24及びCD25のうちのいずれかの光ディスクの時計回りの回転によって、光ディスクの表面近傍に発生する渦巻き状の気流Fの流れが矢印方向に沿って構築されているため、渦巻き状の気流Fは、略第1象限の領域に構成された空隙Gaから略第3象限の領域に構成された空隙Gbに向けて貫通するように通風路を通り抜け、対物レンズ1の下側の表面を効率良く放熱することが可能となる。
また、第1象限側の空隙Gaから進入した気流Fは、通風路内部では対物レンズ1の下側の凸面1bに沿ってレンズ周縁部に一端拡散した後、第3象限側の空隙Gbに向けて収束し、通風路外部に排出される。したがって、特に、温度上昇が大きくなる対物レンズ1の周縁部の放熱に適した気流Fの流れが発生し、対物レンズ1の熱量を全体的に効率良く放熱し、この放熱の結果、対物レンズ1全体の温度を均一化することが可能となる。
したがって、フォーカシングコイル4a、4b及びトラッキングコイル5a、5bで発生する熱量が、接着剤塗布部3a、3bの接着剤を介して流入しても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能となる。この結果、対物レンズ1がBDを含むDVD又はCDとの互換機能を有する樹脂対物レンズであっても、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンを可能とする光ピックアップ装置及び光ディスク装置を実現することができる。
さらに、フォーカシングコイル4a、4bは、レンズホルダ2のx軸に垂直な両端面で、x軸及びy軸からなるxy平面の略第1象限及び略第3象限に相当する領域にz軸に対して互いに軸対称な位置関係でそれぞれ配置接着されている。したがって、発熱量が大きくなり易いフォーカシングコイル4a、4bを気流Fの流れに沿った配置とすることにより、発熱源となるフォーカシングコイル4a、4bを直接冷却することができる。加えて、レンズホルダ2のフォーカシングコイル4a、4bから対物レンズ1に至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
また、トラッキングコイル5a、5bは、レンズホルダ2のx軸に垂直な両端面で、x軸及びy軸からなるxy平面においてx軸上に相当する領域にそれぞれ配置接着されている。その結果、フォーカシングコイル4aとトラッキングコイル5aとの組と、フォーカシングコイル4bとトラッキングコイル5bとの組とがそれぞれ近接して配置される。したがって、発熱源を集中化した状態で、それぞれの組を気流Fの流れに沿った配置とすることにより、発熱源となるフォーカシングコイル4a、4b及びトラッキングコイル5a、5bを直接冷却することができる。さらに、レンズホルダ2の集中化された発熱源から対物レンズ1に至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
また、フォーカシングコイル4aとトラッキングコイル5aとの組と、フォーカシングコイル4bとトラッキングコイル5bとの組とをそれぞれ近接して配置したので、駆動源が集中化されてマグネット8a、8bのy軸方向の寸法を小さくすることができ、結果として、マグネット8a、8bの容積を縮小して光ピックアップ装置のコストを低減することが可能となる。
なお、光学ベース33の下面から光ディスクの下面までの寸法が11mm以下である薄型の光ピックアップ装置に対して、本実施の形態の構成を適用することにより、より熱容量が小さいレンズホルダ2であっても、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となり、良好な集光特性を得て、安定した高密度記録再生を実現する薄型のピックアップ装置を実現することが可能となる。
また、本実施の形態では、集光レンズである対物レンズ1をBD23、DVD24及びCD25に対応する3種類の波長の互換を可能とする3波長互換対物レンズとしたが、BDとDVDとに、又は、BDとCDとに対応する2種類の波長の互換を可能とする複数波長互換対物レンズとしても、同様の効果を実現することができる。
さらに、対物レンズ1を3波長互換対物レンズではなく、BDのみに対応した波長の光を集光する樹脂レンズとしても、同様の効果を実現することができる。
また、対物レンズ1が、DVDとCDとに対応する互換対物レンズ、DVDのみ又はCDのみに対応する対物レンズであっても、あるいはこれらの対物レンズがガラスレンズであっても、本実施の形態と同様の構成を適用することにより、同様の放熱効果を得ることが可能である。この場合、フォーカシングコイル又はトラッキングコイルに通電することのできる許容電流を大きくすることができ、光ディスクの回転数をより高速化することが可能となり、高転送レートに対応した光ピックアップ装置及び光ディスク装置を実現することができる。なお、上記の対物レンズに関する点は、後述する他の実施の形態においても、同様である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における光ピックアップ装置について説明する。図7は、本発明の実施の形態2における光ピックアップ装置の対物レンズアクチュエータの構成を示す斜視図であり、図8は、図7に示す対物レンズアクチュエータの構成を示す上面図であり、図9は、図7に示す対物レンズアクチュエータの可動体の構成を示す斜視図であり、図10は、図7に示す対物レンズアクチュエータのマグネット及びコイルの構成を示す斜視図である。
ここで、本実施の形態の光ピックアップ装置は、図1及び図2に示す対物レンズアクチュエータ29が図7等に示す対物レンズアクチュエータ29’に変更された点を除き、図1及び図2に示す光ピックアップ装置と同様に構成されているので、全体構成の図示を省略して適時図1及び図2をも参照して説明する。
本実施の形態の光ピックアップ装置は、対物レンズ1、青色半導体レーザユニット21、赤色及び赤外半導体レーザユニット22、ビームスプリッタ26、コリメートレンズ27、ミラー28、図7に示す対物レンズアクチュエータ29’、プレートビームスプリッタ30、検出レンズ31、光検出器32、及び光学ベース33を備える(図1及び図2参照)。また、光ピックアップ装置は、CLアクチュエータ44をさらに備え、CLアクチュエータ44は、CLホルダ41、CLアクチュエータ主軸42、及びステッピングモータ43を備える(図2参照)。
上記の各構成部材は、対物レンズアクチュエータ29’を除き、図1及び図2に示す光ピックアップ装置と同様に構成されているので、詳細な説明を省略し、図7乃至図10を用いて、本実施の形態の主要な特徴部分である対物レンズアクチュエータ29’の構成について、以下詳細に説明する。
図7及び図8に示す対物レンズアクチュエータ29’は、レンズホルダ2’、四つのフォーカシングコイル4a’〜4d’、二つのトラッキングコイル5a、5b、二つの端子板6、二つのマグネット8a’、8b’、6本のサスペンションワイヤー9、固定部材10、固定基板11、及びヨークベース12を備える。対物レンズアクチュエータ29’は、対物レンズ1の位置調整が完了した状態で光学ベース33(図1及び図2参照)に接着固定されている。
ここで、図7乃至図10において、x軸は、対物レンズ1の中心を通り、スピンドルモータ47のターンテーブル47aの外縁の接線方向に平行な軸であり、y軸は、対物レンズ1の中心を通り、スピンドルモータ47のターンテーブル47aの半径方向に平行な軸である。また、スピンドルモータ47の回転中心は、y軸上に位置しており、ターンテーブル47aは、時計回りである回転方向Rmに回転駆動される。
したがって、本実施の形態でも、図8に示すように、上面視において、BD23(又はDVD24又はCD25)は時計周りに回転し、対物レンズ1の中心を原点とし、BD23の半径方向であるトラッキング方向をy軸とし、BD23のトラックの接線方向をx軸とするxy平面(xy座標系)において、y軸はBD23の中心側を正方向とし、x軸はy軸の正方向を時計回りに90°回転した方向を正方向とし、xy平面をx軸及びy軸によって分割した4つの領域を反時計回りに第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限として規定することができる。
また、図7、図9及び図10に示すz軸は、対物レンズ1の中心軸であり、x軸、y軸と相互に直交し、それぞれ3次元直交座標系を構成している。また、図7及び図10に示すr方向は、x軸周りの回転方向であるラジアルチルト方向である。
レンズホルダ2’は、成形された樹脂から構成され、略直方体形状を有している。レンズホルダ2’の上面には、対物レンズ1が搭載されている。レンズホルダ2’におけるx軸に垂直な二つの側面には、フォーカシングコイル4a’〜4d’と、トラッキングコイル5a、5bとが取り付けられており、y軸に垂直な二つの側面にはそれぞれ端子板6が取り付けられている。
次に、図9等を用いて、可動体7’の詳細構成を説明する。可動体7’は、対物レンズ1、レンズホルダ2’、四つのフォーカシングコイル4a’〜4d’、二つのトラッキングコイル5a、5b、及び二つの端子板6から構成されている。
レンズホルダ2’は、z軸を中心とする円形の開口A1を有しており、この開口A1から対物レンズ1に光ビームが入射する。したがって、対物レンズ1に入射する有効光ビーム径は、この開口A1の径によって決定される。
レンズホルダ2’の上側の平坦面P1のうち、上面視において、x軸及びy軸からなるxy平面の第2象限に位置する領域を中心に対物レンズ搭載部2aが突出して設けられ、第4象限に位置する領域を中心に対物レンズ搭載部2bが突出して設けられている。対物レンズ1は、第1の固定部の一例である対物レンズ搭載部2a及び第2の固定部の一例である対物レンズ搭載部2bに固定され、対物レンズ搭載部2aは、レンズホルダ2の平坦面P1のうち、少なくとも第2象限内に位置し、対物レンズ搭載部2bは、少なくとも第4象限内に位置している。
本実施の形態でも、対物レンズ搭載部2aの大部分(例えば、対物レンズ搭載部2a全体の75%以上の部分)が第2象限に位置し、残りの一部(例えば、対物レンズ搭載部2a全体の25%未満の部分)が第1象限に位置し、対物レンズ搭載部2bの大部分(例えば、対物レンズ搭載部2b全体の75%以上の部分)が第4象限に位置し、残りの一部(例えば、対物レンズ搭載部2b全体の25%未満の部分)が第3象限に位置している。
対物レンズ搭載部2aには、平坦面P1から上方へ約0.4mmの離間距離を有する位置に対物レンズ載置面Paが形成され、対物レンズ搭載部2bには、平坦面P1から上方へ約0.4mmの離間距離を有する位置に対物レンズ載置面Pbが形成されている。対物レンズ載置面Pa、Pbの縁には、z軸を中心軸とする四つの円筒面Ca、Cbが立ち上がっている。
対物レンズ1のコバ下面1aが対物レンズ載置面Pa、Pbに載置されることにより、対物レンズ1のz軸方向の位置決めが行われ、四つの円筒面Ca、Cbに対物レンズ1の外径を沿わせることにより、対物レンズ1のx軸方向及びy軸方向の位置決めが行われる。なお、円筒面の数及び位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
また、対物レンズ載置面Paには、一部領域が開放された接着剤塗布部3aが設けられ、対物レンズ載置面Pbには、一部領域が開放された接着剤塗布部3bが設けられており、レンズホルダ2’に対して対物レンズ1が位置決めされた状態で、接着剤塗布部3a、3bに接着剤を注入して硬化させることにより、対物レンズ1がレンズホルダ2’に固着される。なお、接着剤塗布部の数及び位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
上記のように、レンズホルダ2’に対物レンズ1が固定された結果、対物レンズ1のコバ下面1aとレンズホルダ2’の上側の平坦面P1との間に二つの空隙Ga、Gb(図9の破線で囲まれたハッチング領域)が形成される。ここで、図8に示すように、上面視において、空隙Gaは、x軸及びy軸からなるxy平面の第1象限に位置する領域を中心に形成され、空隙Gbは、第3象限に位置する領域を中心に形成されている。すなわち、空隙Gaは、少なくとも第1象限内に位置し、空隙Gbは、少なくとも第3象限内に位置している。
さらに、レンズホルダ2’の上側の平坦面P1のうち、上面視において、x軸及びy軸からなるxy平面の第1象限に位置する領域にレンズプロテクタ13aが突出して設けられ、第3象限に位置する領域にレンズプロテクタ13bが突出して設けられている。レンズプロテクタ13a、13bは、円柱形状を有する凸部であり、対物レンズ1と光ディスクとの接触を防止する。このため、レンズプロテクタ13a、13bの高さは、上面の端部が光ディスクに接触したとき、対物レンズ1が光ディスクに接触しない高さに設定されている。なお、レンズプロテクタの形状は、上記の例に特に限定されず、対物レンズ1と光ディスクとの接触を防止することができれば、他の形状を用いてもよい。
ここで、レンズホルダ2’には、対物レンズ搭載部2a、2bが第2象限及び第4象限に位置する領域に配置されているので、可動体7’の慣性モーメントに対して対物レンズ搭載部2a、2bがアンバランスな配置となる。しかしながら、本実施の形態では、レンズプロテクタ13a、13bを第1象限及び第3象限に位置する領域に配置することにより、可動体7’の慣性モーメントのバランスを取っている。この結果、熱対策のために対物レンズ搭載部2a、2bをアンバランスな位置に配置しても、レンズプロテクタ13a、13bにより可動体7’の慣性モーメントのバランスを取ることができるので、可動体7’の不要なローリングを防止することができる。
また、第1象限側の空隙Gaと第3象限側の空隙Gbとは、対物レンズ1の下側の空間によって繋がっており、第1象限側の空隙Gaから第3象限側の空隙Gbに至る通風路が、対物レンズ1の下側に形成されることとなる。このとき、図8に示すように、BD23、DVD24及びCD25のうちのいずれかの光ディスクの時計回りの回転(回転方向Rmの回転)によって、光ディスクの表面近傍に発生する渦巻き状の気流Fの流れが矢印方向に沿って構築されている。
ここで、レンズプロテクタ13aが気流Fの上流側に位置するが、レンズプロテクタ13aの幅が空隙Gaの幅に対して十分に小さいため、渦巻き状の気流Fは、第1象限の領域を中心に構成された空隙Gaから第3象限の領域を中心に構成された空隙Gbに向けて通風路を貫通するように通り抜ける。
また、第1象限側の空隙Gaから進入した気流Fは、通風路内部では対物レンズ1の下側の凸面1bに沿ってレンズ周縁部に一端拡散した後(図8中の破線で示す経路)、第3象限側の空隙Gbに向けて収束し、最終的に通風路の外部に排出される。
フォーカシングコイル4a’〜4d’は、矩形形状に巻回された扁平コイルである。ここで、図8に示すように、上面視において、フォーカシングコイル4a’は、レンズホルダ2’のx軸に対して垂直な一方の側面のうち、x軸及びy軸からなるxy平面の第1象限内に位置する領域に接着されて固定され、フォーカシングコイル4b’は、レンズホルダ2’のx軸に対して垂直な他方の側面のうち、第2象限内に位置する領域に接着されて固定され、フォーカシングコイル4c’は、レンズホルダ2のx軸に対して垂直な他方の側面のうち、第3象限内に位置する領域に接着されて固定され、フォーカシングコイル4d’は、レンズホルダ2のx軸に対して垂直な一方の側面のうち、第4象限内に位置する領域に接着されて固定されている。
したがって、フォーカシングコイル4a’とフォーカシングコイル4c’とは、z軸に対して互いに軸対称な位置関係となり、フォーカシングコイル4b’とフォーカシングコイル4d’とは、z軸に対して互いに軸対称な位置関係となり、フォーカシングコイル4a’〜4d’は、対物レンズ1の中心である原点が重心となるようにバランス良く配置されている。
トラッキングコイル5a、5bは、矩形形状に巻回された扁平コイルである。上面視において、トラッキングコイル5aは、レンズホルダ2のx軸に垂直な一方の側面の中心に接着されており、トラッキングコイル5aの接着位置の中心がx軸上に位置するように配置されている。トラッキングコイル5bは、レンズホルダ2のx軸に垂直な他方の側面の中心に接着されており、トラッキングコイル5bの接着位置の中心がx軸上に位置するように配置されている。
フォーカシングコイル4a’、4b’と、フォーカシングコイル4c’、4d’とは、端子板6、サスペンションワイヤー9、及び固定基板11を介して、それぞれ独立に駆動信号を供給される。
トラッキングコイル5a及びトラッキングコイル5bは、端子板6を介して直列に結線された状態で、端子板6、サスペンションワイヤー9、及び固定基板11を介して駆動信号を供給される。
以上のように構成された可動体7’の重心は、上面視において、略z軸上に位置している。
図7及び図8において、固定部材10及び固定基板11は、それぞれヨークベース12に固定されている。サスペンションワイヤー9は、光ディスクの情報記録面に対して垂直な方向であるフォーカシング方向と、光ディスクの半径方向であるトラッキング方向とに移動可能にレンズホルダ2を支持する支持機構の一例である。本実施の形態では、サスペンションワイヤー9は、例えば、6本の弾性金属線によって構成されており、基端側を固定基板11に、先端側を端子板6にそれぞれ半田固定されている。結果として、可動体7’は、サスペンションワイヤー9によって、固定基板11が固定されているヨークベース12に対してフォーカシング方向(光ディスクの情報記録面に対して垂直な方向)であるz軸方向、トラッキング方向(光ディスクの半径方向)であるx軸方向及びラジアルチルト方向rに移動可能に支持されている。
また、固定部材10には、サスペンションワイヤー9を挿通するための開口が設けられており、この開口に流動性の制振剤を注入後、ゲル状に硬化することにより、サスペンションワイヤー9の共振を減衰することができる。
対物レンズアクチュエータ29’は、光学ベース33に構成された光学系に対する対物レンズ1のx方向、y方向、及びz方向の位置並びに傾斜角を調整された状態で、ヨークベース12の固定部12a、12b、12c、12dの各部を光学ベース33に接着固定されている。
図7、図8、及び図10において、二つのマグネット8a’、8b’は、x軸と略一致する位置を境界線とする二つの領域にx軸に平行な方向でかつ逆向きに磁化されている。二つのマグネット8a’、8b’は、ヨークベース12に固定されていて、y軸を対称軸として線対称となる位置に配置されている。
具体的には、マグネット8a’は、上面視において、x軸上に着磁境界面Maを有し、トラッキングコイル5aの対物レンズ1の光軸と略平行な二つの辺S5a、S5a’に逆向きの磁界を付与し、かつフォーカシングコイル4a’のy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4a’に磁界を付与するとともに、フォーカシングコイル4d’のy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4d’に磁界を付与する。マグネット8b’は、上面視において、x軸上に着磁境界面Mbを有し、トラッキングコイル5bの対物レンズ1の光軸と略平行な二つの辺S5b、S5b’に逆向きの磁界を付与し、かつフォーカシングコイル4b’のy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4b’に磁界を付与するとともに、フォーカシングコイル4c’のy軸と略平行な二つの辺のうち光ディスクに近い上側の辺S4c’に磁界を付与する。
上記の構成により、フォーカシングコイル4a’〜4d’を対物レンズ1に対してレンズホルダ2の下方に取り付けることができるので、発熱源となるフォーカシングコイル4a’〜4d’を対物レンズ1から離間することができ、対物レンズ1の温度上昇を抑制することができる。
次に、図10を用いて、マグネット8a、8bと、フォーカシングコイル4a’〜4d’及びトラッキングコイル5a、5bとの関係について説明する。
フォーカシングコイル4a’〜4d’の上側のy軸に平行な辺S4a’〜S4d’は、マグネット8a’、8b’の磁極面にそれぞれ対向する位置に配置されている。したがって、フォーカシングコイル4a’、4b’と、フォーカシングコイル4c’、4d’とにそれぞれ独立に駆動信号が供給され、同じ大きさの電流がそれぞれ矢印Aa’〜Ad’の向きに流されたとき、フォーカシングコイル4a’〜4d’には、同じ大きさでz軸の正方向(図中の上側)の駆動力が発生し、対物レンズ1は、z軸の正方向に駆動される。一方、それぞれ矢印Aa’〜Ad’と逆向きの電流が流されたときは、対物レンズ1は、z軸の負方向(図中の上側)に駆動される。また、フォーカシングコイル4a’、4b’と、フォーカシングコイル4c’、4d’とのそれぞれに流される電流の大きさを調整することにより、ラジアルチルト方向rのモーメント力が発生し、対物レンズ1が傾斜するので、チルト方向の駆動も行うことができる。
トラッキングコイル5a、5bのz軸に平行な二つの辺S5a、S5a’、S5b、S5b’は、マグネット8a’、8b’の着磁境界面Ma、Mbを境界としてそれぞれ異なる磁極面に対向する位置に配置されている。したがって、トラッキングコイル5a、5bが直列に結線され、トラッキングコイル5a、5bに矢印Ac、Adの向きの電流が流されたとき、トラッキングコイル5a、5bにはy軸の正方向(図中の左側)の駆動力が発生し、対物レンズ1は、y軸の正方向に駆動される。一方、それぞれ矢印Ac、Adと逆向きの電流が流されたときは、対物レンズ1は、y軸の負方向(図中の右側)に駆動される。
次に、空隙Ga、Gbの位置及び大きさについて検討を行った結果について説明する。図11は、図7に示す対物レンズアクチュエータの可動体に設けられた空隙の位置及び大きさを説明するための上面図であり、図12は、図11に示す可動体における気流の流れをシミュレーションした結果を示す模式図であり、図13は、図11のXIII−XIII線による可動体の断面図である。
図11に示すように、上面視において、対物レンズ1とレンズホルダ2’との間に形成される空隙Gaの中心は、x軸の正方向の部分を反時計回りに30°回転させた直線La上に位置することが好ましく、空隙Gbの中心は、x軸の正方向の部分を反時計回りに210°回転させた直線Lb上に位置することが好ましい。光ディスクの回転数及び光ディスクの半径方向の対物レンズ1の位置等によりレンズホルダ2’に対する気流Fが流れる方向はある程度変化するが、上記の位置に空隙Ga、Gbの中心を配置することにより、気流Fが、x軸の正方向の部分を反時計回りに30°回転させた直線を中心として流入し、第1象限から第3象限へ流れていくので、空隙Gaから空隙Gbへスムーズに流れ、対物レンズ1を効率的に冷却することができる。
また、上面視において、空隙Gaの幅±θ°は、±30°以上±60°以下であることが好ましく、±40°以上±50°以下であることがより好ましく、空隙Gbの幅±θ°は、±30°以上±60°以下であることが好ましく、±40°以上±50°以下であることがより好ましい。±30°未満の範囲では、対物レンズ1を十分に冷却することができず、±60°を超える範囲では、対物レンズ1をレンズホルダ2’に高精度に固定することが困難となる。一方、±30°以上±60°以下の範囲では、対物レンズ1を十分に冷却することができるとともに、対物レンズ1をレンズホルダ2’に高精度に固定することができる。
例えば、本実施の形態では、空隙Ga、Gbの幅±θ°を±45°に設定している。この場合の気流Fの流れをシミュレーションした結果を図12に示す。図12では、気流Fの流れを複数の矢印で示しており、気流Fは、矢印の方向に従い、レンズホルダ2’の上面を流れる。
具体的には、気流Fは、レンズホルダ2’の右上方から流入し、対物レンズ搭載部2aとレンズプロテクタ13aとの間と、レンズプロテクタ13aと対物レンズ搭載部2bとの間を流れ、破線で示す空隙Gaへ流入する。次に、気流Fは、対物レンズ搭載部2aと対物レンズ1の下側の凸面1bとの間の流路Fa(図13参照)と、対物レンズ1の下側の凸面1bと対物レンズ搭載部2bとの間の流路Fb(図13参照)とを流れ、破線で示す空隙Gbで一旦合流する。その後、気流Fは、対物レンズ搭載部2aとレンズプロテクタ13bとの間と、レンズプロテクタ13bと対物レンズ搭載部2bとの間を流れ、最終的に、レンズホルダ2’の外部へ排出される。このような気流Fの流れにより、対物レンズ1を効率よく冷却することができる。
また、気流Fは、レンズホルダの2’の一方の側面に固定されたフォーカシングコイル4a’、トラッキングコイル5a及びフォーカシングコイル4d’の側方を流れるとともに、レンズホルダの2’の他方の側面に固定されたフォーカシングコイル4b’、トラッキングコイル5b及びフォーカシングコイル4c’の側方を流れている。このような気流Fの流れにより、発熱源となるフォーカシングコイル4a’〜4d’及びトラッキングコイル5a、5bを効率よく冷却することができる。
上記の構成により、本実施の形態でも、レンズホルダ2’に対物レンズ1が固定された結果、レンズホルダ2’の上側の平坦面P1上のx軸及びy軸からなるxy平面の略第1象限及び略第3象限に相当する領域において、対物レンズ1のコバ下面1aとレンズホルダ2の平坦面P1との間に、二つの空隙Ga、Gbが構成される。第1象限側の空隙Gaと、第3象限側の空隙Gbとは、対物レンズ1の下側の空間によって繋がっており、第1象限側の空隙Gaから第3象限側の空隙Gbに至る通風路が、対物レンズ1の下側に形成されることとなる。
ここで、BD23、DVD24及びCD25のうちのいずれかの光ディスクの時計回りの回転によって、光ディスクの表面近傍に発生する渦巻き状の気流Fの流れが矢印方向に沿って構築されているため、渦巻き状の気流Fは、略第1象限の領域に構成された空隙Gaから略第3象限の領域に構成された空隙Gbに向けて貫通するように通風路を通り抜け、対物レンズ1の下側の表面を効率良く放熱することが可能となる。
また、第1象限側の空隙Gaから進入した気流Fは、通風路内部では対物レンズ1の下側の凸面1bに沿ってレンズ周縁部に一端拡散した後、第3象限側の空隙Gbに向けて収束し、通風路外部に排出される。したがって、特に、温度上昇が大きくなる対物レンズ1の周縁部の放熱に適した気流Fの流れが発生し、対物レンズ1の熱量を全体的に効率良く放熱し、この放熱の結果、対物レンズ1全体の温度を均一化することが可能となる。
したがって、フォーカシングコイル4a’〜4d’及びトラッキングコイル5a、5bで発生する熱量が、接着剤塗布部3a、3bの接着剤を介して流入しても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能となる。この結果、対物レンズ1がBDを含むDVD又はCDとの互換機能を有する樹脂対物レンズであっても、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンを可能とする光ピックアップ装置及び光ディスク装置を実現することができる。
さらに、フォーカシングコイル4a’〜4d’は、レンズホルダ2’のx軸に垂直な両端面で、x軸及びy軸からなるxy平面の略第1象限乃至略第4象限に相当する領域にy軸に対して互いに線対称な位置関係でそれぞれ配置接着されている。したがって、発熱量が大きくなり易いフォーカシングコイル4a’〜4d’のうち二つのフォーカシングコイル4a’、4c’を気流Fの流れに沿った配置とすることにより、発熱源となる二つのフォーカシングコイル4a’、4c’を直接冷却することができる。加えて、レンズホルダ2’のフォーカシングコイル4a’、4c’から対物レンズ1に至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
また、トラッキングコイル5a、5bは、レンズホルダ2’のx軸に垂直な両端面で、x軸及びy軸からなるxy平面においてx軸上に相当する領域にそれぞれ配置接着されている。その結果、フォーカシングコイル4a’、4d’とトラッキングコイル5aとの組と、フォーカシングコイル4b’、4c’とトラッキングコイル5bとの組とがそれぞれ近接して配置される。したがって、発熱源を集中化した状態で、それぞれの組を気流Fの流れに沿った配置とすることにより、発熱源となるトラッキングコイル5a、5b及びフォーカシングコイル4a’〜4d’を直接冷却することができる。さらに、レンズホルダ2’の集中化された発熱源から対物レンズ1に至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
なお、光学ベース33の下面から光ディスクの下面までの寸法が11mm以下である薄型の光ピックアップ装置に対して、本実施の形態の構成を適用することにより、より熱容量が小さいレンズホルダ2’であっても、対物レンズ1への熱量の流入を効率良く抑制することが可能となり、良好な集光特性を得て、安定した高密度記録再生を実現する薄型のピックアップ装置を実現することが可能となる。
(実施の形態3)
上記の実施の形態1又は実施の形態2の光ピックアップ装置を用いた光情報装置の一例である光ディスク装置の実施の形態を図14に示す。図14は、本発明の実施の形態3における光ディスク装置の概略構成を示す模式図である。図14において、光ディスク装置607は、駆動装置601、光ピックアップ装置602、電気回路603、モータ604、ターンテーブル605及びクランパー606を備える。
図14において、光ディスク200は、ターンテーブル605に搭載されて、クランパー606により保持された状態で、モータ604によって回転される。実施の形態1又は2に示した光ピックアップ装置602は、光ディスク200の所望の情報の存在するトラック位置まで、駆動装置601によって移送される。
電気回路603は、制御部の一例であり、光ピックアップ装置602から得られる信号に基づいて、光ピックアップ装置602とモータ604とを制御する。光ピックアップ装置602は、光ディスク200との位置関係に対応して、フォーカシング信号、トラッキング信号、及びRF信号を電気回路603へ送る。電気回路603は、これらの信号に対応して、光ピックアップ装置602へ対物レンズアクチュエータを駆動させるための信号を送る。この信号によって、光ピックアップ装置602は、光ディスク200に対してフォーカシング制御、トラッキング制御、及びチルト制御を行い、情報の読み出し、書き込み又は消去を行う。
以上の説明において、搭載する光ディスク200は、実施の形態1又は2で述べたBD23又はDVD24又はCD25の光ディスクであって、光ピックアップ装置602は、実施の形態1又は2で述べた3種類の波長の光ビームを1つの対物レンズ1によって集光し、各波長に対応した光ディスクに対して情報の記録再生を行う3波長互換対物レンズを用いた光ピックアップ装置である。
本実施の形態の光ディスク装置607は、フォーカシングコイル4a、4b又は4a’〜4d’及びトラッキングコイル5a、5bで発生する熱量が接着剤塗布部3a、3bから流入しても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能である。この結果、対物レンズ1が樹脂対物レンズであっても、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンを可能とする光ディスク装置を実現することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、上記の実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備した情報処理装置の一例であるコンピュータである。図15は、本発明の実施の形態4におけるコンピュータの全体構成を示す概略斜視図である。
図15に示したコンピュータ609は、実施の形態3に係る光ディスク装置607と、情報の入力を行うためのキーボード611及びマウス612などの入力装置と、入力装置から入力された情報や、光ディスク装置607から読み出した情報などに基づいて演算を行う中央演算装置(CPU)などから構成される演算装置608と、演算装置608によって演算された結果の情報を表示するブラウン管や液晶表示装置などから構成される出力装置610とを備えている。演算装置608は、光ディスク装置607に記録する情報及び/又は光ディスク装置607から再生された情報を処理する情報処理部の一例である。なお、出力装置610として、演算装置608によって演算された結果などの情報を印刷するプリンタを用いてもよい。
本実施の形態に係るコンピュータ609は、実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備しており、樹脂対物レンズであっても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能である。この結果、本実施の形態は、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンとを可能とするので、広い用途に使用できる。
また、コンピュータ609は、光ディスク装置607に記録する情報を取り込んだり、光ディスク装置607によって読み出した情報を外部に出力する有線又は無線の入出力端子を搭載してもよい。これによって、ネットワーク、すなわち、複数の機器、例えば、コンピュータ、電話器、テレビチューナ等と情報を送受信し、これら複数の機器から共有の情報サーバ(光ディスクサーバ)として利用することが可能となる。この場合、異なる種類の光ディスクを安定に記録又は再生できるので、広い用途に使用できる効果を有するものとなる。
さらに、複数の光ディスクを光ディスク装置607に出し入れするチェンジャーを具備することにより、多くの情報を記録及び蓄積できる効果を得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、上記の実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備した情報処理装置の一例である光ディスクプレーヤの実施の形態である。図16は、本発明の実施の形態5における光ディスクプレーヤの全体構成を示す概略斜視図である。
図16において、光ディスクプレーヤ180は、実施の形態3に係る光ディスク装置607と、光ディスク装置607から得られる情報信号を画像信号に変換するデコーダ181とを備える。デコーダ181は、光ディスク装置607に記録する情報及び/又は光ディスク装置607から再生された情報を処理する情報処理部の一例である。
また、本構成は、GPS等の位置センサ及び中央演算装置(CPU)を加えることにより、カーナビゲーションシステムとしても利用できる。また、液晶モニターなどの表示装置182を加えた構成としてもよい。この場合、表示装置182は、液晶表示装置などから構成され、デコーダ181によって変換された画像信号を表示する。
上記の構成により、光ディスクプレーヤ180は、実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備しており、樹脂対物レンズであっても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能である。この結果、本実施の形態は、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンとを可能とするので、広い用途に使用できる。
(実施の形態6)
本実施の形態は、上記の実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備した情報処理装置の一例である光ディスクレコーダの実施の形態である。図17は、本発明の実施の形態6における光ディスクレコーダの全体構成を示す概略斜視図である。
図17に示した光ディスクレコーダ615は、実施の形態3に係る光ディスク装置607と、画像信号を光ディスク装置607によって、画像情報を、光ディスクに記録するための情報信号に変換する記録信号処理回路613とを備えている。記録信号処理回路613は、光ディスク装置607に記録する情報を処理する情報処理部の一例である。
また、光ディスクレコーダ615は、光ディスク装置607から得られる情報信号を、画像信号に変換する再生信号処理回路614も有することが望ましい。再生信号処理回路614は、光ディスク装置607から再生された情報を処理する情報処理部の一例である。この構成によれば、既に記録した部分を再生することも可能となる。さらに、光ディスクレコーダ615は、情報を表示するブラウン管や液晶表示装置などの出力装置610を備えてもよい。
上記の構成により、光ディスクレコーダ615は、実施の形態3に係る光ディスク装置607を具備しており、樹脂対物レンズであっても、対物レンズ1の温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することが可能である。この結果、本実施の形態は、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンとを可能とするので、広い用途に使用できる。
上記の各実施の形態から本発明について要約すると、以下のようになる。即ち、本発明に係る光ピックアップ装置は、所定の波長の光ビームを出射する光源と、前記光源からの光ビームを集光して円盤状記録媒体に照射する一つの対物レンズと、前記対物レンズを駆動する対物レンズアクチュエータと、前記円盤状記録媒体の記録面により反射された光ビームを前記対物レンズを介して受光して電気信号に変換する光検出器と、前記光源、前記対物レンズアクチュエータ及び前記光検出器を保持する光学ベースとを備え、前記対物レンズアクチュエータは、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記円盤状記録媒体に対して垂直な方向であるフォーカシング方向と、前記円盤状記録媒体の半径方向であるトラッキング方向とに移動可能に前記レンズホルダを支持する支持機構と、前記レンズホルダに固定され、前記レンズホルダを前記フォーカシング方向に駆動するフォーカシングコイルと、前記レンズホルダに固定され、前記レンズホルダを前記トラッキング方向に駆動するトラッキングコイルと、前記支持機構の一端を保持するアクチュエータベースと、前記アクチュエータベースに保持され、前記フォーカシングコイル及び/又は前記トラッキングコイルに対向する位置に配置されて前記フォーカシングコイル及び/又は前記トラッキングコイルに磁界を付与するマグネットとを備え、前記レンズホルダと前記対物レンズとの間に第1の空隙及び第2の空隙が形成され、前記円盤状記録媒体は時計周りに回転し、前記対物レンズの中心を原点とし、前記トラッキング方向をy軸とし、前記円盤状記録媒体のトラックの接線方向をx軸とするxy平面において、前記y軸は前記円盤状記録媒体の中心側を正方向とし、前記x軸は前記y軸の正方向を時計回りに90°回転した方向を正方向とし、前記xy平面を前記x軸及び前記y軸によって分割した4つの領域を反時計回りに第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限としたとき、前記第1の空隙は、少なくとも前記第1象限内に位置し、前記第2の空隙は、少なくとも前記第3象限内に位置する。
この光ピックアップ装置においては、レンズホルダと対物レンズとの間に形成された第1の空隙が、対物レンズの中心を原点とし、トラッキング方向をy軸とし、円盤状記録媒体のトラックの接線方向をx軸とするxy平面の第1象限に位置し、第2の空隙が、第3象限に位置している。ここで、上面から見て、円盤状記録媒体が時計周りに回転しているので、この回転によって円盤状記録媒体の表面近傍には渦巻き状の気流が発生し、対物レンズの周辺では、第1象限から第3象限へ向かう気流が発生する。したがって、この気流が第1象限に設けられた第1の空隙から第3象限に設けられた第2の空隙に向けて貫通するように通り抜け、対物レンズの下側の表面全体から効率良く放熱することが可能となる。
この結果、フォーカシングコイル及び/又はトラッキングコイルで発生する熱量がレンズホルダと対物レンズとの接着部から流入しても、対物レンズの温度分布の均一化に加えて温度上昇の量を抑制することが可能となり、複数種類の円盤状記録媒体、例えば、BDと、DVD(及び/又はCD)との互換機能を有する対物レンズであっても、良好な集光特性を得て安定な高密度記録再生を実現することができるとともに、装置のコストダウンを可能とし、さらに、装置の小型化及び薄型化を達成することができる。
前記第1の空隙は、前記x軸の正方向の部分を反時計回りに30°回転させた直線を中心として±30°以上±60°以下の範囲内に位置し、前記第2の空隙は、前記x軸の正方向の部分を反時計回りに210°回転させた直線を中心として±30°以上±60°以下の範囲内に位置することが好ましい。
この場合、円盤状記録媒体の回転による気流が、x軸の正方向の部分を反時計回りに30°回転させた直線を略中心として流入し、第1象限から第3象限へ流れていくので、この気流が、x軸の正方向の部分を反時計回りに30°回転させた直線が中心となるように配置された第1の空隙からx軸の正方向の部分を反時計回りに210°回転させた直線が中心となるように配置された第2の空隙に向けてスムーズに通り抜け、対物レンズを効率的に冷却することができるとともに、第1の空隙及び第2の空隙の範囲が±30°以上±60°以下であるので、対物レンズを十分に冷却することができるとともに、対物レンズをレンズホルダに高精度に固定することができる。
前記対物レンズは、前記レンズホルダの第1の固定部及び第2の固定部に固定され、前記第1の固定部は、少なくとも前記第2象限内に位置し、前記第2の固定部は、少なくとも前記第4象限内に位置することが好ましい。
この場合、対物レンズを効率よく十分に冷却しながら、対物レンズをレンズホルダに高精度に固定することができる。
前記レンズホルダは、前記対物レンズと前記円盤状記録媒体との接触を防止する第1のレンズプロテクタ及び第2のレンズプロテクタを有し、前記第1のレンズプロテクタは、前記第1象限内に位置し、前記第2のレンズプロテクタは、前記第3象限内に位置することが好ましい。
この場合、第1の固定部を第2象限に配置し、第2の固定部を第4象限に配置しても、第1及び第2のレンズプロテクタにより可動体の慣性モーメントのバランスを取ることができるので、可動体の不要なローリングを防止することができる。
前記トラッキングコイルは、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な一方の側面の中心に固定される第1のトラッキングコイルと、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な他方の側面の中心に固定される第2のトラッキングコイルとを含むことが好ましい。
この場合、円盤状記録媒体の回転による気流によって、第1及び第2のトラッキングコイルから発生する熱を効率よく外部へ放出することができる。
前記フォーカシングコイルは、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な一方の側面のうち前記第1象限内に位置する部分に固定される第1のフォーカシングコイルと、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な他方の側面のうち前記第3象限内に位置する部分に固定される第2のフォーカシングコイルとを含むことが好ましい。
この場合、第1のフォーカシングコイルと第1のトラッキングコイルとの組、第2のフォーカシングコイルと第2のトラッキングコイルとの組がそれぞれ近接して配置されるので、発熱源を集中化した状態で、それぞれの組を気流の流れに沿った配置とすることにより、発熱源となる第1及び第2のフォーカシングコイル及び第1及び第2のトラッキングコイルを直接冷却することができる。また、レンズホルダの集中化された発熱源から対物レンズに至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズへの熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
前記マグネットは、前記x軸上に着磁境界面を有し、前記第1のトラッキングコイルの前記対物レンズの光軸と略平行な二つの辺に逆向きの磁界を付与し、かつ前記第1のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺に磁界を付与する第1のマグネットと、前記x軸上に着磁境界面を有し、前記第2のトラッキングコイルの前記対物レンズの光軸と略平行な二つの辺に逆向きの磁界を付与し、かつ前記第2のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺に磁界を付与する第2のマグネットとを含むことが好ましい。
この場合、第1及び第2のフォーカシングコイルと第1及び第2のトラッキングコイルとが近接して配置され、駆動源が集中化されているので、第1及び第2のマグネットのy軸方向の寸法を小さくすることができ、第1及び第2のマグネットの容積を縮小して光ピックアップ装置のコストを低減することが可能となる。また、第1及び第2のフォーカシングコイルが対物レンズに対して下方に配置されるので、発熱源となる第1及び第2のフォーカシングコイルを対物レンズから離間することができ、対物レンズの温度上昇を抑制することができる。
前記フォーカシングコイルは、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な一方の側面のうち前記第1象限内に位置する部分に固定される第1のフォーカシングコイルと、前記レンズホルダの前記x軸に垂直な他方の側面のうち前記第2象限内に位置する部分に固定される第2のフォーカシングコイルと、前記レンズホルダの前記他方の側面のうち前記第3象限内に位置する部分に固定される第3のフォーカシングコイルと、前記レンズホルダの前記一方の側面のうち前記第4象限に位置する部分に固定される第4のフォーカシングコイルとを含むことが好ましい。
この場合、第1乃至第4のフォーカシングコイルを対物レンズの中心が重心となるようにバランス良く配置することができるとともに、第1及び第4のフォーカシングコイルと第1のトラッキングコイルとの組、第2及び第3のフォーカシングコイルと第2のトラッキングコイルとの組がそれぞれ近接して配置されるので、発熱源を集中化した状態で、それぞれの組を気流の流れに沿った配置とすることにより、発熱源となる第1乃至第4のフォーカシングコイル及び第1及び第2のトラッキングコイルを直接冷却することができる。また、レンズホルダの集中化された発熱源から対物レンズに至る熱伝導経路をも冷却することができるので、対物レンズへの熱量の流入を効率良く抑制することが可能となる。
前記マグネットは、前記x軸上に着磁境界線を有し、前記第1のトラッキングコイルの前記対物レンズの光軸と略平行な二つの辺に逆向きの磁界を付与し、かつ前記第1のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺及び前記第4のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺に磁界を付与する第1のマグネットと、前記x軸上に着磁境界線を有し、前記第2のトラッキングコイルの前記対物レンズの光軸と略平行な二つの辺に逆向きの磁界を付与し、かつ前記第2のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺及び前記第3のフォーカシングコイルの前記y軸と略平行な二つの辺のうち前記円盤状記録媒体に近い辺に磁界を付与する第2のマグネットとを含むことが好ましい。
この場合、第1乃至第4のフォーカシングコイルが対物レンズに対して下方に配置されるので、発熱源となる第1乃至第4のフォーカシングコイルを対物レンズから離間することができ、対物レンズの温度上昇を抑制することができる。また、第1乃至第4のフォーカシングコイルにより大きな駆動力を発生することができるので、高精度のフォーカシングサーボを実現することができる。
前記対物レンズは、樹脂成形によって形成される樹脂レンズを含むことが好ましい。
この場合、対物レンズとして、複数種類の円盤状記録媒体、例えば、BDと、DVD(及び/又はCD)との互換機能を有する樹脂レンズを用いても、良好な集光特性を得て安定な高密度記録再生を実現することができるとともに、装置のコストダウンを可能とし、さらに、装置の小型化及び薄型化を達成することができる。
前記対物レンズは、少なくとも略405nmの波長を含む複数の波長に対応した複数波長互換対物レンズであることが好ましい。
この場合、対物レンズとして、BDと、他の円盤状記録媒体との互換機能を有する複数波長互換対物レンズを用いても、良好な集光特性を得て安定な高密度記録再生を実現することができるとともに、装置のコストダウンを可能とし、さらに、装置の小型化及び薄型化を達成することができる。
前記複数波長互換対物レンズは、略405nmの波長に加えて、略660nmの波長及び略780nmの波長の3種類の波長に対応した3波長互換対物レンズであることが好ましい。
この場合、対物レンズとして、BDと、DVDと、CDとの互換機能を有する複数波長互換対物レンズを用いても、良好な集光特性を得て安定な高密度記録再生を実現することができるとともに、装置のコストダウンを可能とし、さらに、装置の小型化及び薄型化を達成することができる。
前記光学ベースの下面から前記円盤状記録媒体までの寸法は、11mm以下であることが好ましい。
この場合、熱容量が小さいレンズホルダであっても、対物レンズへの熱量の流入を効率良く抑制することが可能となり、良好な集光特性を得て、安定した高密度記録再生を実現する薄型のピックアップ装置を実現することが可能となる。
本発明に係る光情報装置は、上記の光ピックアップ装置と、前記円盤状記録媒体を回転するモータと、前記光ピックアップ装置から得られる信号に基づいて、前記モータ及び前記光ピックアップ装置を制御する制御部とを備える。
この光情報装置においては、フォーカシングコイル及びトラッキングコイルで発生する熱が流入しても、対物レンズの温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することができるので、対物レンズが樹脂対物レンズであっても、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンを可能とする光情報装置を実現することができる。
本発明に係る情報処理装置は、上記の光情報装置と、前記光情報装置に記録する情報及び/又は前記光情報装置から再生された情報を処理する情報処理部とを備える。
この情報処理装置においては、上記の光情報装置を具備しており、樹脂対物レンズであっても、対物レンズの温度上昇を効率よく抑制し、かつ均一化することができるので、良好な集光特性を得て、安定な高密度記録再生の実現とコストダウンとが可能となる。