JP6101160B2 - 荷電粒子線装置、及び試料検査方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態による検査装置の概略構成を示す図である。当該検査装置は、試料(以下、ウェーハを例に説明するが、本発明はこれに限定して適用されるものではない)を搬入して検査するための試料室101と、ロードロック室107と、ミニエンバイラメント方式の搬送装置110と、を有している。
図2は、本発明の実施形態による試料室に設置される荷電粒子線装置(例えば、走査型電子顕微鏡)の概略構成を示す図である。
図3は、本発明の実施形態によるレシピ実行処理を説明するためのフローチャートである。
レシピの実行を開始すると、レシピ実行プログラムは、ウェーハのロード(S01)を開始する。レシピ実行プログラムは、ウェーハを静電チャックに載せる前に、静電チャックの温度を取得(S02)する。
図4は、各検査点で測長再現性を満たす待ち時間の算出処理(S07)の詳細を説明するためのフローチャートである。
(i)S11
まず、待ち時間計算プログラムは、各検査点の撮像時間(Tscan)を求める。各検査点の撮像時間(Tscan)[s]は簡易的に式(1.1)で表すことができる。
待ち時間計算プログラムは、装置において実際に発生する実ドリフト量から実ドリフト速度を算出する(S12)。静電チャックが電圧印加してからの時間経過(T[s])と実ドリフト量(Davg[nm])の関係は図5に示す相関を持ち、式(1.3)で表すことができる。ここでは、ウェーハを熱変形させる要因が多岐に渡り、全ての現象を掴んで補正するのは非現実的である。そのため、実ドリフト量をexponential型の近似式で表しているが、より適切な近似モデルがあればそれでも構わない。
待ち時間計算プログラムは、安定化待ち時間を算出する(S13)。実ドリフト速度が許容ドリフト速度になるまでの時間(Tres)と、ウェーハがチャックしてからの経過時間(T)より、各検査点で測長再現性を満たす待ち時間(Twm)は式(1.7)で求めることができる。
図7は、最適検査順序への変換処理(S08:最適経路計算処理)の詳細を説明するためのフローチャートである。
最適経路計算プログラムは、各検査点における待ち時間を距離に換算する。本発明では、単純に検査点間の総移動距離を最短にする方式ではなく、先に算出した各検査点で測長再現性を満たす待ち時間(Twm)を移動距離di(実際の移動距離に待機時間を距離に換算した値を追加した仮想的な距離)に変換し、加算する方式とする。なお、ここでは、図8に示すように、ステージ速度が単純な台形制御の場合、移動距離diはTwmの関数として表すこととするが、本発明はステージ速度について台形制御に限定されるものではない。
最適経路計算プログラムは、S21で求めた、待ち時間を移動距離に換算した結果を用いて、最適経路を算出する。図9は、最適経路の算出方法の基本的概念を説明するための図である。本計算方法では、始点(ウェーハのアライメントの際にグローバルに見る最後の検査点を始点とする)と終点(ウェーハを搬出するときにステージ座標の原点に一番近い検査点を終点とする)を先に定義し、それを検査経路とし、検査経路に対して、検査点を挿入する方法を採用する。追加(挿入)される点の候補は、経路に追加されていない検査点とし、最適経路を、経路全体の検査時間が最も少なくなる点を最も検査時間が少なくなる順序に挿入していくことにより求める方法である。図9では、ul-1,ul,ul+1,ul+2の各検査点は経路に追加済みの点を示し、v,v1,v2,v3の各検査点は経路に追加する候補を示し、v’,v1’,v2’,v3’の各点は移動距離diを加算して重み付けした仮想的な検査位置を示す。
(2)i=pならば、C=Cpとして終了。
(3)i≠pならば、Ci上に連続している点ul,ul+1と隣接しているC上にない点のうちw(ul,v')+w(v',ul+1)-w(ul,ul+1) が最小の点v'を選ぶ。
(4)i←i+1とし、(2)〜(4)を繰り返す。
最適経路計算プログラムは、S22で求めた経路に基づいて、検査点を入れ替える。
図10は、本発明を測長SEMに適用した例を示す図である。図10(a)は従来の最適経路を示し、図10(b)は本発明による最適経路を示す。また、図10(c)は、測長再現性と検査点との関係を示す図であり、式(1.6)をグラフ化したもの(図3のS07をイメージ化したもの)である。なお、実際の処理では図10(c)のグラフは作成されないが、GUI表示用の情報として生成し、表示画面上に表示してもよい。
図11は、最適順序レシピを作成するときに、最適順序設定の有無を設定するためのGUI(Graphical User Interface)の例を示す図である。GUIは、実行有無の設定、実行有の場合の最適化方式(熱平衡を考慮した最適化方式、単純な最短移動経路方式)が選択できるようになっている。
図12は、検査経路の表示画面例を示す図である。どのような検査経路となるかは、実際に検査を行うまでわからない。このため、図12に示されるように、最適化後に経路表示画面に初期設定時の移動距離と処理時間、最適化後の移動距離と処理時間、それぞれの初期設定に対する最適化後の比率の表示を行うことが望ましい。
(i)本実施形態による荷電粒子線装置では、ウェーハ上の複数の検査点のそれぞれにおける検査時間が、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出される。そして、各検査点における検査時間と、ウェーハを真空試料室に搬入する際に上昇したウェーハの温度とステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、複数の検査点の総検査時間を短縮できる検査順序を決定する、熱平衡を考慮した経路最適化処理が実行される。このように、各検査点における検査時間と検査待ち時間を考慮するので、測長再現性を担保しつつ、スループットを向上することが可能となる。より具体的には、経路最適化処理では、複数の検査点のうち始点と終点が決定され、一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、一の検査点から始点及び終点以外の対象検査点までのステージの物理的移動距離と、対象検査点における検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を次の検査点として選択するようにしている。このように、検査待ち時間をステージの移動距離に換算して検査点の検査順序を決定するので、物理的なステージの移動距離が最短となる検査順序よりも確実に測長再現性を担保することができるようになる。さらに、具体的には、対象検査点における検査待ち時間とウェーハをステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断する。そして、対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点についてはステージの物理的移動距離のみを比較要素とする。一方、対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点についてはステージの物理的移動距離と、検査待ち時間から移動時間を差し引いた時間を距離に換算した値とを比較要素とする。このようにすることにより、スループットの向上に寄与する検査順序を効率よく決定することができるようになる。
Claims (10)
- 予備排気室から真空試料室に搬入される試料を検査する荷電粒子線装置であって、
前記試料を載置するための、制御可能なステージと、
前記ステージに載置された前記試料の温度を計測する温度計測機構と、
前記試料上の複数の検査点の情報と、当該複数の検査点の検査順序を決定するための検
査経路算出プログラムと、を格納するメモリと、
前記メモリから前記複数の検査点の情報と前記検査経路算出プログラムを読み出し、前
記複数の検査点の検査順序を決定するプロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
前記複数の検査点のそれぞれにおける検査時間を、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出し、
前記各検査点における検査時間と、前記試料を前記真空試料室に搬入する際に上昇した前記試料の温度と前記ステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、前記複数の検査点の総検査時間を短縮できる前記検査順序を決定するための、熱平衡を考慮した経路最適化処理を実行することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記プロセッサは、
前記複数の検査点のうち始点と終点を決定し、
一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、前記一の検査点から前記始点及び終点以外の対象検査点までの前記ステージの物理的移動距離と、前記対象検査点における前記検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を前記次の検査点として選択することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項2において、
前記プロセッサは、前記対象検査点における検査待ち時間と前記試料を前記ステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断し、前記対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離のみを比較要素とし、前記対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離と、前記検査待ち時間と前記ステージの移動時間との差分を距離に換算した値と、を比較要素とすることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記プロセッサは、初期設定された検査順序で試料の検査を実行するレシピを最適化するか否かを指定するためのGUI画面であって、前記熱平衡を考慮した経路最適化、或いは前記複数の検査点における最短移動経路を算出する最短移動経路最適化を選択可能とするGUI画面を表示装置に表示することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記プロセッサは、初期設定された検査順序におけるステージの移動距離を含む情報を表示する試料マップと、前記熱平衡を考慮した経路最適化による移動距離を含む情報を表示する試料マップとを、ユーザの選択に応答して、表示装置の表示画面上で切り替え表示することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子線装置を用いて、予備排気室から真空試料室に搬入される試料を検査する方法であって、
前記荷電粒子線装置は、前記試料を載置するための、制御可能なステージと、前記ステージに載置された前記試料の温度を計測する温度計測機構と、前記試料上の複数の検査点の情報と、当該複数の検査点の検査順序を決定するための検査経路算出プログラムと、を格納するメモリと、前記メモリから前記複数の検査点の情報と前記検査経路算出プログラムを読み出し、前記複数の検査点の検査順序を決定するプロセッサと、を有し、
前記方法は、
前記プロセッサが、前記複数の検査点のそれぞれにおける検査時間を、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出するステップと、
前記プロセッサが、前記各検査点における検査時間と、前記試料を前記真空試料室に搬入する際に上昇した前記試料の温度と前記ステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、前記複数の検査点の総検査時間を短縮できる前記検査順序を決定するための、熱平衡を考慮した経路最適化処理を実行するステップと、
前記荷電粒子線装置を用いて、前記熱平衡を考慮した経路最適化によって決定した前記各検査点を検査するステップと、
を有することを特徴とする方法。 - 請求項6において、
前記経路最適化を実行するステップは、
前記プロセッサが、前記複数の検査点のうち始点と終点を決定するステップと、
前記プロセッサが、一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、前記一の検査点から前記始点及び終点以外の対象検査点までの前記ステージの物理的移動距離と、前記対象検査点における前記検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を前記次の検査点として選択するステップと、
を有することを特徴とする方法。 - 請求項7において、
前記経路最適化を実行するステップにおいて、前記プロセッサは、前記対象検査点における検査待ち時間と前記試料を前記ステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断し、前記対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離のみを比較要素とし、前記対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離と、前記検査待ち時間と前記ステージの移動時間との差分を距離に換算した値と、を比較要素とすることを特徴とする方法。 - 請求項6において、
さらに、前記プロセッサが、初期設定された検査順序で試料の検査を実行するレシピを最適化するか否かを指定するためのGUI画面であって、前記熱平衡を考慮した経路最適化、或いは前記複数の検査点における最短移動経路を算出する最短移動経路最適化を選択可能とするGUI画面を表示装置に表示するステップを有することを特徴とする方法。 - 請求項6において、
さらに、前記プロセッサが、初期設定された検査順序におけるステージの移動距離を含む情報を表示する試料マップと、前記熱平衡を考慮した経路最適化による移動距離を含む情報を表示する試料マップとを、ユーザの選択に応答して、表示装置の表示画面上で切り替え表示するステップを有することを特徴とする方法。
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JP2015008224A JP2015008224A (ja) | 2015-01-15 |
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