JP2015008224A - 荷電粒子線装置、及び試料検査方法 - Google Patents

荷電粒子線装置、及び試料検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015008224A
JP2015008224A JP2013132979A JP2013132979A JP2015008224A JP 2015008224 A JP2015008224 A JP 2015008224A JP 2013132979 A JP2013132979 A JP 2013132979A JP 2013132979 A JP2013132979 A JP 2013132979A JP 2015008224 A JP2015008224 A JP 2015008224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
point
sample
time
stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013132979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6101160B2 (ja
Inventor
和之 平尾
Kazuyuki Hirao
和之 平尾
瀬戸口 勝美
Katsumi Setoguchi
勝美 瀬戸口
直也 石垣
Naoya Ishigaki
直也 石垣
久美子 清水
Kumiko Shimizu
久美子 清水
秀樹 板井
Hideki Itai
秀樹 板井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp, Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2013132979A priority Critical patent/JP6101160B2/ja
Publication of JP2015008224A publication Critical patent/JP2015008224A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6101160B2 publication Critical patent/JP6101160B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】試料の熱変形が発生する場合において、試料上の測長点における測長再現性を保ちつつ、スループットを最大限向上することができる、測長点検査順序最適化のための技術を提供する。
【解決手段】検査開始時にウェーハが静電チャックに置かれる前の温度と静電チャック印加後の温度との差、静電チャック印加後の経過時間、検査点の座標や測長画像の撮像条件に応じた許容ドリフト速度から測長再現性を満たす待ち時間を求め、この待ち時間を検査時間に加算して最適移動経路を決定することで、測長再現精度を満たしつつ検査時間を短縮する検査順序最適化方式を提案する。
【選択図】図10

Description

本発明は、荷電粒子線装置、及び試料検査方法に関し、例えば、試料の熱変形を考慮した、試料の検査順序の最適化に関するものである。
一般に、試料検査装置では、ロードロック室に待機していた試料(例えばウェーハ)が真空試料室内に搬送され、静電チャック上にウェーハが置かれると、ウェーハと静電チャックとの温度差によりウェーハの熱変形が生じてしまう。ウェーハと静電チャックに温度差が発生する原因としては、ウェーハがロードロック室で待機しているときのプリアライナからウェーハへの熱伝導、クリーンルームの温度変化によるフープ待機中ウェーハの温度変化が挙げられ、クリーンルーム、プリアライナ、真空ロボットや静電チャックなど、すべての要因について温度を厳密に管理しない限りウェーハの熱変形をなくすことはできない。
ウェーハの熱変形は、温度差があるほど大きいため、ウェーハが静電チャックにおかれた直後が最も大きく、動径方向への像ドリフトとして現れる。また、試料の材質が均一な密度であるとするなら、ウェーハ中心は像ドリフトがなく、ウェーハ外周が大きな像ドリフトとして表れる(ウェーハの外周部の収縮が大きい)。現状、直径300mmウェーハが主流であるが、大口径化する450mmウェーハになれば外周部はさらに大きな像ドリフトとなることは明白である。
像ドリフトが発生している状態で取得した撮像画像ではライン幅が大きくなってしまい、近年のプロセスルールでは無視できない寸法誤差となる。このため、ばらつきの小さい寸法誤差(以下、測長再現性と表記)を得るためには、熱起因の像ドリフトが十分小さくなるまで測長開始を待たなければならない。
一方において、検査時間の短縮を図りスループットを向上させることは重要である。例えば、特許文献1には、レシピ作成時に検査順序を最適化する方式が説明されている。
特開2005−302906号公報
しかしながら、特許文献1では、搬送経路、アライメント座標、検査座標を考慮した移動経路最小化による検査順序最適化および検査実行時のウェーハ帯電や高さ(反り)合わせ時間を考慮した検査順序最適化に特化しており、検査実行時のウェーハと静電チャックとの温度差によるウェーハ熱変形安定化待ち時間の考慮は対象としていない。このため、特許文献1で提案された検査順序最適化を行うと、検査時間の短縮によりスループットは向上するが、測長再現性を満たせない場合が発生する。
一方、ウェーハが熱平衡に至ればウェーハの収縮は収まるため測長再現性は担保できるが、この熱平衡に至るまでの待機時間が生じるため、スループットが悪くなってしまう。この検査ための待機時間は、ウェーハの中心付近だからと言って短いとは限らない。つまり、例えば、ビームスキャンスピードが遅く設定されていると計測する像を取得するのに時間が掛かるが、時間が掛かれば掛かるほどウェーハの熱変形の影響を大きく受ける。このため、ウェーハ中央付近であってもスキャン時間が長く掛かる測長点(検査点)は待機時間が長くなってしまう。これに対して、ウェーハ中心から離れているが、スキャン時間が短く設定された測長点に関してはこちらを先に計測した方が、待機時間が短くて済むということもある。従って、単純に測長点の位置のみで最適な検査順序を決められるものではない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、試料上の測長点における測長再現性を保ちつつ、スループットを最大限向上することができる、測長点検査順序最適化のための技術を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、試料(ウェーハ)の熱変形安定化待ち時間を考慮した検査順序最適化のための技術を提供する。本発明では、検査開始時にウェーハ熱変形を考慮して検査順序を最適化する機能を実現する。検査順序の最適化は、ウェーハが静電チャックに置かれる前の温度と静電チャック印加後の温度との差、静電チャック印加後の経過時間、検査点の座標や測長画像の撮像条件に応じた許容ドリフト速度から決定する。
つまり、本発明による荷電粒子線装置では、試料上における複数の検査点のそれぞれにおける検査時間が、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出される。そして、各検査点における検査時間と、試料を真空試料室に搬入する際に上昇した試料の温度とステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、複数の検査点の総検査時間を短縮できる検査順序を決定する、熱平衡を考慮した経路最適化処理が実行される。この最適化された検査経路(検査順序)によって、各検査点が検査される。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本発明の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本発明の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではないことを理解する必要がある。
本発明によれば、検査実行時にウェーハ熱変形を考慮した検査箇所の検査順序を入れ替えることで必要な測長再現精度を満たしつつ検査時間を短縮し、スループットを向上することができる。
本発明の実施形態による検査装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態による走査型電子顕微鏡の概略構成を示す図である。 レシピ実行時のウェーハ熱変形を考慮した検査順序最適化処理の全体を説明するためのフローチャートである。 各検査点での測長再現性を満たす待ち時間の算出処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 静電チャックが電圧印加してからの時間経過と実ドリフト量の関係を示す図である。 ウェーハ中心からの距離とドリフト量を示す図である。 最適検査順序への変換処理を説明するためのフローチャートである。 ステージ速度の台形制御の例を示す図である。 安定化待ち時間を距離として重み付けした最適経路決定の概念を説明するための図である。 図10(a)及び(b)は、単純な最小移動経路に基づいた検査順序例(従来例)と測長再現性を満たし検査時間を短縮する最適検査順序例(本発明)を比較する図である。図10(c)は、ウェーハがチャックしてからの経過時間と検査点1が測長再現性を満たすまでの安定化待ち時間を表現する図である。 検査順序最適化の設定GUIの例を示す図である。 検査実行時の最適検査経路表示画面の例を示す図である。
検査実行時、ロードロック室に待機していた試料(ウェーハ)が真空試料室内に搬送され静電チャック上に置かれると、ウェーハと静電チャックとの温度差によりウェーハの熱変形が発生する。本発明は、従来の最短移動距離による検査順序最適化とは異なり、ウェーハの熱変形による安定化待ち時間を考慮し、測長再現性を満たし、スループットを向上する検査順序決定技術を提供する。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
本実施形態では、当業者が本発明を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本発明の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
更に、本発明の実施形態は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装しても良いし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装しても良い。
以下では「プログラム」を主語(動作主体)として本発明の実施形態における各処理について説明を行うが、プログラムはプロセッサによって実行されることで定められた処理をメモリ及び通信ポート(通信制御装置)を用いながら行うため、プロセッサやコンピュータを主語とした説明としてもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、また、モジュール化されていても良い。各種プログラムはプログラム配布サーバや記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。
<検査装置の全体構成>
図1は、本発明の実施形態による検査装置の概略構成を示す図である。当該検査装置は、試料(以下、ウェーハを例に説明するが、本発明はこれに限定して適用されるものではない)を搬入して検査するための試料室101と、ロードロック室107と、ミニエンバイラメント方式の搬送装置110と、を有している。
試料室101は、荷電粒子線装置(走査型電子顕微鏡)102と、光学顕微鏡103と、試料ステージ106と、真空ロボット104と、を内部に有している。試料ステージ106には静電チャック105が設けられている。また、静電チャック105には、図示されていない温度変化を計測する機構が設けられている。試料ステージ106は、XY方向の移動と回転移動が可能である。
ロードロック室107は、予備真空排気室であり、試料室101と接続されるときは、真空排気され、搬送装置110と接続されるときは、大気圧となる。このロードロック室107には、プリアライナ108が設けられている。プリアライナ108では、プリアライメントが実行される。真空ロボット104は、プリアライナ108に配置されたウェーハ10Aを試料ステージ106にロードし、静電チャック105に電圧を印加してウェーハ10Bを静電チャック105に吸着させる。
また、搬送装置110には、搬送ロボット109が設けられている。搬送装置110の外側にはロードポート111が設けられ、そこに、フープ112が配置されている。フープ112の内部は、高い清浄度に保持されており、そこに、複数枚のウェーハ10が収納されている。搬送ロボット109は、フープ112よりウェーハ10を取り出し、それをプリアライナ108に配置する。
一方、ウェーハ10Bを試料ステージ106から取り出す場合は、印加していた静電チャック105の電圧を切り、試料ステージ106上に配置されたウェーハ10Bをプリアライナ108にアンロードする。搬送ロボット109は、プリアライナ108上のウェーハ10Aをフープ112内にアンロードする。
本検査装置は、1枚の検査ウェーハが試料室101に存在している状態において、次の検査ウェーハをロードロック室107に搬入し、プリアライメントを終えた状態でプリアライナ108上にウェーハ10Aを待機させることができる。試料室101内のウェーハ10Bの検査が完了すると、真空ロボット104はウェーハ10Bとウェーハ10Aを交換動作により入れ替える。
<荷電粒子線装置の構成>
図2は、本発明の実施形態による試料室に設置される荷電粒子線装置(例えば、走査型電子顕微鏡)の概略構成を示す図である。
走査電子顕微鏡102の電子源201から発生した一次電子線203は、一次電子加速源215から電圧が印加された一次電子加速電極202によって加速される。一次電子線は、ウェーハ10Cに印加されたリターディング電圧216により減速され、かつ制御用計算機212の制御信号213で対物レンズ207により収束されてウェーハ上に照射される。
ウェーハ10Cに電子線が照射されると、ウェーハ表面から二次電子214が発生する。二次電子は、リターディング電圧により電子銃側に加速される。また、二次電子は、反射板205に当たり、反射板で発生した二次電子が二次電子検出器208で補足される。
補足された情報は、増幅器209で増幅され、出力される信号は画像処理プロセッサ210内でA/D変換され、デジタル画像データが生成される。画像処理プロセッサ210は、図示してはいないが、デジタル画像データを格納する画像メモリと各種の画像処理を行う画像処理回路、表示制御を行う表示制御回路を持つ。なお、図示しない画像メモリには、S/N比改善のため画像(画像データ)を重ねて(合成して)記憶する機能が備えられている。例えば8回の二次元走査で得られた画像を重ねて記憶することで、1枚の完成した像を形成する。即ち、1回もしくはそれ以上のX―Y走査単位で形成された画像を合成して最終的な画像を形成する。1枚の完成した像を形成するための条件には、一次電子線の走査速度(以下スキャンスピード)、X走査密度(以下ピクセル数X)、Y走査密度(以下ピクセル数Y)、走査回数(以下フレーム枚数)などの組み合わせを任意に指定することができ、二次電子発生効率等の条件を鑑みて適正な値が設定される。
また、本実施形態による走査型電子顕微鏡は、デジタル画像データから二次電子プロファイルを作成し、二次電子プロファイルからパターンの認識や寸法測定を行う機能を有している。例えば、寸法測定では、計測する範囲を手動もしくは一定のアルゴリズムに基づいて自動選択して、選択範囲の画素数を算出する。一次電子線203により走査された観察領域の実寸法と当該観察領域に対応する画素数から試料上での実寸法を計測する。
211は、入力装置、出力又は表示装置、メモリ、及び演算装置を備えたコンピュータである。コンピュータ211は、画像処理プロセッサ210で作成されたデジタル画像データ、二次電子プロファイルや寸法情報等を表示装置の表示画面に表示することができる。コンピュータ211は、図示しないメモリ内に、本発明の実施形態によるレシピ実行プログラム(図3参照)、待ち時間計算プログラム(図4参照)、及び最適経路計算プログラム(図7参照)を格納しており、これらのプログラムを演算装置(プロセッサ)によって実行する。
半導体回路パターンの線幅などを測定する装置(例えば、CD−SEM)では、一般的にレシピと呼ばれるファイルに、一連の測定手順を記載し、その手順に従って装置を稼動させることで、無人運転を可能にしている。レシピを実行すると、最初にウェーハ10を試料室に搬入した後、レシピに登録されている測定位置へ一次電子線が垂直に照射するようにステージを移動させ、画像処理プロセッサ210を利用して厳密に測定位置を検出し、パターンの寸法測定を行う。レシピに登録されている全ての検査対象点に対して寸法測定が完了すると、測定結果を保存し、ウェーハ10を試料室から搬出させてレシピ処理を終了する流れとなる。
なお、以上の説明では荷電粒子線装置の一例として、電子線を用いる走査型電子顕微鏡を例にとって説明したが、これに限られることはなく、例えばイオンビームを用いるイオンビーム照射装置であってもよい。
<レシピ実行処理の内容>
図3は、本発明の実施形態によるレシピ実行処理を説明するためのフローチャートである。
レシピの実行を開始すると、レシピ実行プログラムは、ウェーハのロード(S01)を開始する。レシピ実行プログラムは、ウェーハを静電チャックに載せる前に、静電チャックの温度を取得(S02)する。
次に、レシピ実行プログラムは、静電チャックにウェーハが載置されたことを検知すると(S03)、静電チャックの電圧を印加(S04)する。電圧印加直後よりウェーハと静電チャック間の温度差によりウェーハの熱変形が始まる。そして、レシピ実行プログラムは、この電圧印加開始時刻を取得する(S05)。
さらに、レシピ実行プログラムは、数秒後に再度静電チャックの温度を取得し(S06)、各検査点で測長再現性を満たす待ち時間を求める(S07)。
続いて、レシピ実行プログラムは、S07で求めた待ち時間を検査点最適順序に置き換える(S08:最適経路計算処理)。そして、レシピ実行プログラムは、S08で得られた検査点最適順序に従って、各検査点の検査を開始する(S09)。全ての検査が完了したら、レシピ実行プログラムは、ウェーハ10をアンロードしてレシピを終了する(S10)。
<待ち時間算出処理の詳細>
図4は、各検査点で測長再現性を満たす待ち時間の算出処理(S07)の詳細を説明するためのフローチャートである。
(i)S11
まず、待ち時間計算プログラムは、各検査点の撮像時間(Tscan)を求める。各検査点の撮像時間(Tscan)[s]は簡易的に式(1.1)で表すことができる。
Figure 2015008224
ここで、PixXは測長画像撮像時のピクセル数X、PixYは測長画像撮像時のピクセル数Y(X×Yで画像の大きさを表している)、Frameは測長画像撮像時のフレーム枚数(検査対象によって決まる定数)、Scanは測長画像撮像時のスキャンスピード(512ピクセルを撮像するスピードで表されるため、ここでは各ピクセル数を512で除算している)、Frequencyは装置の電源周波数である。
また、待ち時間計算プログラムは、許容ドリフト速度を算出する(S11)。測長再現性のスペックを満たすため許容されるドリフト速度△Dtolerance[nm/s](どの位ドリフトによって像がずれても測長再現性を満たすか(1秒当たりどの位ずれてもOKか)を示す情報:測長許容誤差と言うこともできる)は、式(1.2)で表すことができる。
Figure 2015008224
ここで、Kは測長時の1回スキャンあたりの許容ドリフト量[nm/scan]であり検査対象に求められる測長再現性から決める定数である。式(1.2)が意味することは、ある一定のドリフト量以下とするには、撮像時間が長い検査点(Tscanが大きい)は、許容ドリフト速度(△Dtolerance)が小さいため待ち時間がかかり、撮像時間が短い検査点(Tscanが小さい)は許容ドリフト速度(△Dtolerance)が大きくなるため待ち時間が短いことを意味する。
(ii)S12
待ち時間計算プログラムは、装置において実際に発生する実ドリフト量から実ドリフト速度を算出する(S12)。静電チャックが電圧印加してからの時間経過(T[s])と実ドリフト量(Davg[nm])の関係は図5に示す相関を持ち、式(1.3)で表すことができる。ここでは、ウェーハを熱変形させる要因が多岐に渡り、全ての現象を掴んで補正するのは非現実的である。そのため、実ドリフト量をexponential型の近似式で表しているが、より適切な近似モデルがあればそれでも構わない。
Figure 2015008224
ここで、Rはウェーハ中心から検査点までの距離、RbaseはKを決定したときのウェーハ中心からの距離、Aは最大ドリフト量[nm]、τは温度時定数の逆数である。式(1.3)は、図6に示すようにウェーハ外周部ではウェーハ中心部と比較して熱変動によるドリフト量が大きくなる。最大ドリフト量(A[nm])とモニタ温度差(dT[℃])の関係は、式(1.4)で表すことができる。
Figure 2015008224
ここで、Bは、近似係数である。dTは、ウェーハ10が静電チャック105に置かれる直前の温度[℃](S02)から一定時間経過後の温度[℃](S06)を引いた値である。
そして、式(1.3)をTで偏微分することで、ドリフト速度を算出する式(1.5)を導くことができる。
Figure 2015008224
また、式(1.5)より、検査点において”実ドリフト速度が許容ドリフト速度になるまでの時間”(Tres)は、式(1.2)及び(1.5)から式(1.6)のように表される。
Figure 2015008224
(iii)S13
待ち時間計算プログラムは、安定化待ち時間を算出する(S13)。実ドリフト速度が許容ドリフト速度になるまでの時間(Tres)と、ウェーハがチャックしてからの経過時間(T)より、各検査点で測長再現性を満たす待ち時間(Twm)は式(1.7)で求めることができる。
Figure 2015008224
このとき、実ドリフト速度が許容ドリフト速度に落ち着くまでの時間(Tres)よりウェーハがチャックしてからの経過時間(T)の方が大きく、測長点移動後の待ち時間(Twm)が0より小さければ、測長開始前の待ち時間(Twm)を0とする。つまり、対象検査点における検査待ち時間とウェーハをチャックして(ステージに載置した時点)からの経過時間のどちらが長いか判断する。そして、対象検査点における検査待ち時間の方が短い場合には、当該対象検査点については、ステージの物理的移動距離のみを後述の移動距離diを比較する際に用いる要素とする。ステージが移動している間に検査待ち時間が消費され、当該検査点については検査待ち時間を考慮する必要がないからである。一方、対象検査点における検査待ち時間の方が長い場合には、当該対象検査点については、ステージの物理的移動距離と、検査待ち時間から移動時間との差分を距離に換算した値とを後述の移動距離diを比較する際に用いる要素とする。
<最適経路計算処理>
図7は、最適検査順序への変換処理(S08:最適経路計算処理)の詳細を説明するためのフローチャートである。
(i)S21
最適経路計算プログラムは、各検査点における待ち時間を距離に換算する。本発明では、単純に検査点間の総移動距離を最短にする方式ではなく、先に算出した各検査点で測長再現性を満たす待ち時間(Twm)を移動距離di(実際の移動距離に待機時間を距離に換算した値を追加した仮想的な距離)に変換し、加算する方式とする。なお、ここでは、図8に示すように、ステージ速度が単純な台形制御の場合、移動距離diはTwmの関数として表すこととするが、本発明はステージ速度について台形制御に限定されるものではない。
移動距離への変換は、式(1.8)の場合(ステージ速度に等速期間がない場合)に式(1.9)のようになり、式(1.10)の場合(ステージ速度に等速期間がある場合)に式(1.11)として算出することができる。
Figure 2015008224
Figure 2015008224
Figure 2015008224
Figure 2015008224
ここで、Vmaxはステージ最高速度(等速期間の速度)、α1は加速度、α2は減加速度である。ここでは単純な台形制御としているが、これは実際のステージ制御に合わせた式を用いればよい。
(ii)S22
最適経路計算プログラムは、S21で求めた、待ち時間を移動距離に換算した結果を用いて、最適経路を算出する。図9は、最適経路の算出方法の基本的概念を説明するための図である。本計算方法では、始点(ウェーハのアライメントの際にグローバルに見る最後の検査点を始点とする)と終点(ウェーハを搬出するときにステージ座標の原点に一番近い検査点を終点とする)を先に定義し、それを検査経路とし、検査経路に対して、検査点を挿入する方法を採用する。追加(挿入)される点の候補は、経路に追加されていない検査点とし、最適経路を、経路全体の検査時間が最も少なくなる点を最も検査時間が少なくなる順序に挿入していくことにより求める方法である。図9では、ul-1,ul,ul+1,ul+2の各検査点は経路に追加済みの点を示し、v,v1,v2,v3の各検査点は経路に追加する候補を示し、v’,v1’,v2’,v3’の各点は移動距離dを加算して重み付けした仮想的な検査位置を示す。
具体的には次の手順で挿入すべき検査点を決定する。例えば、入力を、任意の3点u,v,wで辺の重みが三角不等式w(u,v)+w(u,w)>=w(v,w)を満たす位数pの重み付き完全グラフG.とする。出力を、適当な重みのハミルトン閉路Cとする。
(1)u∈V(G)を選び、uを1-閉路C1とみなす。i←1。
(2)i=pならば、C=Cpとして終了。
(3)i≠pならば、Ci上に連続している点ul,ul+1と隣接しているC上にない点のうちw(ul,v')+w(v',ul+1)-w(ul,ul+1) が最小の点v'を選ぶ。
(4)i←i+1とし、(2)〜(4)を繰り返す。
この結果図9の例(ここでは、vでのスキャン時間がv1でのスキャン時間よりも長いと仮定する)では、w(ul,v')+w(v',ul+1)>w(ul,v1')+w(v1',ul+1)より、検査点として登録されている座標ではvが近くてもv1が経路に挿入されることになる。つまり、図9で示されるように、物理的な距離は、ul→vの方がul→v1よりも短いが、vでのスキャン時間が長いため、v1よりvにおける待機時間が長くなる。従って、実際の物理的距離だけでなく待機時間を距離に換算した値を加味すると、ul→v1の方がul→v仮想的な距離が短いと判断でき、挿入すべき検査点はvではなくv1となる。このような考え方を基に、全ての検査点が経路に追加されるまで、当該最適経路計算が繰り返えされる。
なお、本発明においては、上記アルゴリズムに限定されず、最適化経路の計算手法として公開されている、TSP(巡回セールスマン問題)や最近接法(Nearest Insertion)のアルゴリズムを計算に用いることができる。
また、レシピ実行時、検査点にステージが移動するステージ移動時間T、式(1.7)で算出した測長点移動後の待ち時間Twm、パターン認識時間とAF実行時間の和をTapとすると測長から次の測長までの処理時間Ttotalは式(1.12)のように表される。これらの時間を経路ごとに求めておくことで、最適化計算時に必要な測長再現精度を満たしつつ検査時間を短縮することができる。
Figure 2015008224
(iii)S23
最適経路計算プログラムは、S22で求めた経路に基づいて、検査点を入れ替える。
<測長SEMに適用した例>
図10は、本発明を測長SEMに適用した例を示す図である。図10(a)は従来の最適経路を示し、図10(b)は本発明による最適経路を示す。また、図10(c)は、測長再現性と検査点との関係を示す図であり、式(1.6)をグラフ化したもの(図3のS07をイメージ化したもの)である。なお、実際の処理では図10(c)のグラフは作成されないが、GUI表示用の情報として生成し、表示画面上に表示してもよい。
測長SEMでは、ウェーハの座標を合わせるために、検査点への移動の前に、予め決めたアライメント点で画像認識を行う。従って、検査点に移動する前のアライメント点からの移動時間も総測定時間の増加の一因となる。
また、最後の検査を行った後、ロードロック室にウェーハを移動するために、ウェーハ搬出位置に移動する。従って、最適化計算において、最後の検査点からウェーハ搬出位置への移動時間も計算に入れた方が望ましい。
図10(a)及び(b)は、アライメント終了点(図中S)を始点として、その始点から検査点への移動および最終検査点からウェーハ搬出位置(図中E)への移動を計算に含めた例を示している。前出の特許文献1では、最短経路を採用するアルゴリズムおよび高さ変化時間を最小にする方式が記載されている。静電チャックを採用している装置では、電圧を印加したときにウェーハが静電チャック上に吸着するため、どの検査点でもウェーハ高さ合わせにかかる時間は一定とみなすことができる。
また、各検査点でかかる処理時間はどのような経路でも同じ時間がかかるため、結局のところ図10(a)の最小経路が採用される。図10(a)では物理的な移動距離は最短経路でありスループットは最速となるが、図10(c)に示されるようにウェーハがチャックされてからの経過時間が検査点1の測長再現性を満たすまでの安定化待ち時間を越えていないと測長点移動後に待ち時間(Twm1)が発生する。なお、図10(c)において、測長再現性の要求スペックが示されているが、これは装置のスペックによって与えられる値である。
一方で、本発明では、式(1.7)で算出した測長点移動後の待ち時間Twmを考慮することで図10(b)に示す測長再現精度を満たしつつ、検査時間を短縮する経路を採用することができるようになる。
<最適順序設定用GUI>
図11は、最適順序レシピを作成するときに、最適順序設定の有無を設定するためのGUI(Graphical User Interface)の例を示す図である。GUIは、実行有無の設定、実行有の場合の最適化方式(熱平衡を考慮した最適化方式、単純な最短移動経路方式)が選択できるようになっている。
<経路表示>
図12は、検査経路の表示画面例を示す図である。どのような検査経路となるかは、実際に検査を行うまでわからない。このため、図12に示されるように、最適化後に経路表示画面に初期設定時の移動距離と処理時間、最適化後の移動距離と処理時間、それぞれの初期設定に対する最適化後の比率の表示を行うことが望ましい。
当該表示画面には、初期設定による経路と最適化後の経路を、ウェーハマップ表示として切り替えることができるようになっており、両者を容易に比較することができるようになっている。
<まとめ>
(i)本実施形態による荷電粒子線装置では、ウェーハ上の複数の検査点のそれぞれにおける検査時間が、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出される。そして、各検査点における検査時間と、ウェーハを真空試料室に搬入する際に上昇したウェーハの温度とステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、複数の検査点の総検査時間を短縮できる検査順序を決定する、熱平衡を考慮した経路最適化処理が実行される。このように、各検査点における検査時間と検査待ち時間を考慮するので、測長再現性を担保しつつ、スループットを向上することが可能となる。より具体的には、経路最適化処理では、複数の検査点のうち始点と終点が決定され、一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、一の検査点から始点及び終点以外の対象検査点までのステージの物理的移動距離と、対象検査点における検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を次の検査点として選択するようにしている。このように、検査待ち時間をステージの移動距離に換算して検査点の検査順序を決定するので、物理的なステージの移動距離が最短となる検査順序よりも確実に測長再現性を担保することができるようになる。さらに、具体的には、対象検査点における検査待ち時間とウェーハをステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断する。そして、対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点についてはステージの物理的移動距離のみを比較要素とする。一方、対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点についてはステージの物理的移動距離と、検査待ち時間から移動時間を差し引いた時間を距離に換算した値とを比較要素とする。このようにすることにより、スループットの向上に寄与する検査順序を効率よく決定することができるようになる。
また、本実施形態による荷電粒子線装置は、初期設定された検査順序でウェーハの検査を実行するレシピを最適化するか否かを指定するためのGUI画面を表示する。このGUI画面では、熱平衡を考慮した経路最適化、或いは複数の検査点における最短移動経路を算出する最短移動経路最適化の何れかをユーザが選択できるようになっている。このようにすることにより、スループットのみを重視する場合には、最短移動経路最適化を選択し、測長再現性を担保しながらスループット向上を図りたい場合には、熱平衡を考慮した最適化を選択することができるので、ユーザのニーズに対応することができるようになる。
さらに、本実施形態による荷電粒子線装置では、初期設定された検査順序におけるステージの移動距離を含む情報を表示するウェーハマップと、熱平衡を考慮した経路最適化による移動距離を含む情報を表示するウェーハマップとを、ユーザの選択に応答して、表示装置の表示画面上で切り替え表示することが可能となっている。このようにすることにより、当初のレシピによる検査情報と、熱平衡を考慮した経路最適化による検査情報とを比較可能となるので、経路最適化により検査順序がどの程度変更されたかを確認できるとともに、処理時間の比較も容易にすることができるようになる。
(ii)本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
最後に、ここで述べたプロセス及び技術は本質的に如何なる特定の装置に関連することはなく、コンポーネントの如何なる相応しい組み合わせによってでも実装できることを理解する必要がある。更に、汎用目的の多様なタイプのデバイスがここで記述した教授に従って使用可能である。ここで述べた方法のステップを実行するのに、専用の装置を構築するのが有益であることが判るかもしれない。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明は、具体例に関連して記述したが、これらは、すべての観点に於いて限定の為ではなく説明の為である。本分野にスキルのある者には、本発明を実施するのに相応しいハードウェア、ソフトウェア、及びファームウエアの多数の組み合わせがあることが解るであろう。例えば、記述したソフトウェアは、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、上述の実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていても良い。
加えて、本技術分野の通常の知識を有する者には、本発明のその他の実装がここに開示された本発明の明細書及び実施形態の考察から明らかになる。記述された実施形態の多様な態様及び/又はコンポーネントは、データを管理する機能を有するコンピュータ化ストレージシステムに於いて、単独又は如何なる組み合わせでも使用することが出来る。明細書と具体例は典型的なものに過ぎず、本発明の範囲と精神は後続する請求範囲で示される。
10…ウェーハ、10A…プリアライナ上のウェーハ、10B…静電チャック上のウェーハ、101…試料室、102…走査電子顕微鏡、103…光学顕微鏡、104…真空ロボット、105…静電チャック、106…試料ステージ、107…ロードロック室、108…プリアライナ、109…搬送ロボット、110…搬送装置、111…ロードポート、112…フープ、201…電子源、202…一次電子加速電極、203…一次電子線、204…第一コンデンサレンズ、205…反射板、206…操作コイル、207…対物レンズ、208…二次電子検出器、209…増幅器、210…画像処理プロセッサ、211…入出力および画像表示を備えたコンピュータ、212…制御用計算機、213…制御信号、214…二次電子、215…一次電子加速源、216…リターディング電圧、217…制御信号

Claims (10)

  1. 予備排気室から真空試料室に搬入される試料を検査する荷電粒子線装置であって、
    前記試料を載置するための、制御可能なステージと、
    前記ステージに載置された前記試料の温度を計測する温度計測機構と、
    前記試料上の複数の検査点の情報と、当該複数の検査点の検査順序を決定するための検査経路算出プログラムと、を格納するメモリと、
    前記メモリから前記複数の検査点の情報と前記検査経路算出プログラムを読み出し、前記複数の検査点の検査順序を決定するプロセッサと、を有し、
    前記プロセッサは、
    前記複数の検査点のそれぞれにおける検査時間を、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出し、
    前記各検査点における検査時間と、前記試料を前記真空試料室に搬入する際に上昇した前記試料の温度と前記ステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、前記複数の検査点の総検査時間を短縮できる前記検査順序を決定するための、熱平衡を考慮した経路最適化処理を実行することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記プロセッサは、
    前記複数の検査点のうち始点と終点を決定し、
    一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、前記一の検査点から前記始点及び終点以外の対象検査点までの前記ステージの物理的移動距離と、前記対象検査点における前記検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を前記次の検査点として選択することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2において、
    前記プロセッサは、前記対象検査点における検査待ち時間と前記試料を前記ステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断し、前記対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離のみを比較要素とし、前記対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離と、前記検査待ち時間と前記ステージの移動時間との差分を距離に換算した値と、を比較要素とすることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1において、
    前記プロセッサは、初期設定された検査順序で試料の検査を実行するレシピを最適化するか否かを指定するためのGUI画面であって、前記熱平衡を考慮した経路最適化、或いは前記複数の検査点における最短移動経路を算出する最短移動経路最適化を選択可能とするGUI画面を表示装置に表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1において、
    前記プロセッサは、初期設定された検査順序におけるステージの移動距離を含む情報を表示する試料マップと、前記熱平衡を考慮した経路最適化による移動距離を含む情報を表示する試料マップとを、ユーザの選択に応答して、表示装置の表示画面上で切り替え表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 荷電粒子線装置を用いて、予備排気室から真空試料室に搬入される試料を検査する方法であって、
    前記荷電粒子線は、前記試料を載置するための、制御可能なステージと、前記ステージに載置された前記試料の温度を計測する温度計測機構と、前記試料上の複数の検査点の情報と、当該複数の検査点の検査順序を決定するための検査経路算出プログラムと、を格納するメモリと、前記メモリから前記複数の検査点の情報と前記検査経路算出プログラムを読み出し、前記複数の検査点の検査順序を決定するプロセッサと、を有し、
    前記方法は、
    前記プロセッサが、前記複数の検査点のそれぞれにおける検査時間を、各検査点でのスキャンスピード及び検査ピクセル数を用いて算出するステップと、
    前記プロセッサが、前記各検査点における検査時間と、前記試料を前記真空試料室に搬入する際に上昇した前記試料の温度と前記ステージの温度との温度差に依存する、各検査点における検査待ち時間と、を用いて、前記複数の検査点の総検査時間を短縮できる前記検査順序を決定するための、熱平衡を考慮した経路最適化処理を実行するステップと、
    前記荷電粒子線装置を用いて、前記熱平衡を考慮した経路最適化によって決定した前記各検査点を検査するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  7. 請求項6において、
    前記経路最適化を実行するステップは、
    前記プロセッサが、前記複数の検査点のうち始点と終点を決定するステップと、
    前記プロセッサが、一の検査点から次の検査点への移動を決定する際に、前記一の検査点から前記始点及び終点以外の対象検査点までの前記ステージの物理的移動距離と、前記対象検査点における前記検査待ち時間を距離に換算した値と、に基づいて、距離が最短となる検査点を前記次の検査点として選択するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  8. 請求項7において、
    前記経路最適化を実行するステップにおいて、前記プロセッサは、前記対象検査点における検査待ち時間と前記試料を前記ステージに載置した時点からの経過時間のどちらが長いか判断し、前記対象検査点における検査待ち時間の方が短い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離のみを比較要素とし、前記対象検査点における検査待ち時間の方が長い対象検査点については前記ステージの物理的移動距離と、前記検査待ち時間と前記ステージの移動時間との差分を距離に換算した値と、を比較要素とすることを特徴とする方法。
  9. 請求項6において、
    さらに、前記プロセッサが、初期設定された検査順序で試料の検査を実行するレシピを最適化するか否かを指定するためのGUI画面であって、前記熱平衡を考慮した経路最適化、或いは前記複数の検査点における最短移動経路を算出する最短移動経路最適化を選択可能とするGUI画面を表示装置に表示するステップを有することを特徴とする方法。
  10. 請求項6において、
    さらに、前記プロセッサが、初期設定された検査順序におけるステージの移動距離を含む情報を表示する試料マップと、前記熱平衡を考慮した経路最適化による移動距離を含む情報を表示する試料マップとを、ユーザの選択に応答して、表示装置の表示画面上で切り替え表示するステップを有することを特徴とする方法。
JP2013132979A 2013-06-25 2013-06-25 荷電粒子線装置、及び試料検査方法 Active JP6101160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132979A JP6101160B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 荷電粒子線装置、及び試料検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013132979A JP6101160B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 荷電粒子線装置、及び試料検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015008224A true JP2015008224A (ja) 2015-01-15
JP6101160B2 JP6101160B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=52338318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013132979A Active JP6101160B2 (ja) 2013-06-25 2013-06-25 荷電粒子線装置、及び試料検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6101160B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021011359A1 (en) * 2019-07-12 2021-01-21 Illinois Tool Works Inc. Methods and apparatus to control staging of test specimens
JP2022505460A (ja) * 2018-11-06 2022-01-14 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 荷電粒子ビーム装置内のウェーハを熱調節するためのシステム及び方法
JP7455676B2 (ja) 2020-06-05 2024-03-26 株式会社日立ハイテク 電子顕微鏡および電子顕微鏡のフォーカス調整方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302906A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Hitachi High-Technologies Corp 電子線検査装置
JP2013058654A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Hitachi High-Technologies Corp 欠陥検査方法および欠陥検査装置
JP2014505965A (ja) * 2010-12-13 2014-03-06 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 製造された基板上の点在したホットスポット領域を検査する方法および装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302906A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Hitachi High-Technologies Corp 電子線検査装置
JP2014505965A (ja) * 2010-12-13 2014-03-06 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 製造された基板上の点在したホットスポット領域を検査する方法および装置
JP2013058654A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Hitachi High-Technologies Corp 欠陥検査方法および欠陥検査装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022505460A (ja) * 2018-11-06 2022-01-14 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 荷電粒子ビーム装置内のウェーハを熱調節するためのシステム及び方法
US11804358B2 (en) 2018-11-06 2023-10-31 Asml Netherlands B.V. System and methods for thermally conditioning a wafer in a charged particle beam apparatus
WO2021011359A1 (en) * 2019-07-12 2021-01-21 Illinois Tool Works Inc. Methods and apparatus to control staging of test specimens
JP7455676B2 (ja) 2020-06-05 2024-03-26 株式会社日立ハイテク 電子顕微鏡および電子顕微鏡のフォーカス調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6101160B2 (ja) 2017-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5164317B2 (ja) 電子線による検査・計測方法および検査・計測装置
JP5230740B2 (ja) 欠陥レビュー装置および方法、並びにプログラム
JP4248382B2 (ja) 荷電粒子ビームによる検査方法および検査装置
TW201437630A (zh) 缺陷檢查方法及缺陷檢查裝置
JP6101160B2 (ja) 荷電粒子線装置、及び試料検査方法
JP6152281B2 (ja) パターン検査方法及びパターン検査装置
JP5188529B2 (ja) 電子ビーム照射方法、及び走査電子顕微鏡
KR102576687B1 (ko) 반도체 제조 수율을 향상시키는 방법
US9236154B2 (en) Charged-particle beam drawing method, computer-readable recording media, and charged-particle beam drawing apparatus
JP2010087070A (ja) 走査電子顕微鏡に用いられるレシピの診断装置
JP6181366B2 (ja) 荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画プログラムおよび荷電粒子ビーム描画装置
JP6438209B2 (ja) 検査装置において撮像装置用のタイミング信号を生成するための制御装置、撮像装置にタイミング信号を送出する方法
JP2005302906A (ja) 電子線検査装置
JP2005017270A (ja) 欠陥検査方法及びデバイス製造方法
JP2011003480A (ja) Sem式外観検査装置およびその画像信号処理方法
JP2005197121A (ja) 電子ビーム装置
WO2012008091A1 (ja) 荷電粒子線装置
US11127618B2 (en) System for dynamically compensating position errors of a sample
JP6214234B2 (ja) 荷電粒子線装置、及び試料検査方法
US10748742B2 (en) Device for dust emitting of foreign matter and dust emission cause analysis device
US11650576B2 (en) Knowledge recommendation for defect review
JP4384022B2 (ja) 詳細観察の機能を備えた電子線装置、及びその電子線装置による試料の検査並びに試料観察方法
KR102589229B1 (ko) 하전입자선 장치
JP2020085838A (ja) 電子ビーム検査装置
US20170032212A1 (en) Evaluation Condition Setting Method of Semiconductor Device, and Evaluation Condition Setting Apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6101160

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350