以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態における物品収容装置1について説明する。物品収容装置1は、内部において保持される袋91の袋口91dを広げて、その袋口91dを通じて袋91内部に物品が投入されて、その物品を袋91に収容させるものである。そのような物品収容装置1は、例えば、開袋機構10と物品投入開口16とを備える。なお、物品収容装置1は、開袋機構10を開袋装置と見做し、その開袋装置に物品投入開口16を設けたものと見做してもよい。
開袋機構10は、複数の袋が分離可能に積層される袋束90における袋91の積層方向先頭に配置される袋91の袋口91dを広げるものである。なお、以下において、袋束における袋91の積層方向を袋積層方向と呼ぶこととする。また、袋束90の高さ方向、及び、袋91の高さ方向を袋高さ方向と呼び、袋高さ方向の袋口91d側を袋高さ方向袋口側又は上側、袋高さ方向の袋底側91hを袋高さ方向袋底側又は下側と呼ぶ。
<1−1.袋について>
図2に示すように、袋束90は、複数の袋口91d付きの袋91が分離可能に積層されるものである。袋91は、図2(b)に示すように、正面袋片91aと、背面袋片91bと、延長片91cと、袋口91dとにより構成される。正面袋片91a及び背面袋片91bは、略長方形状のビニール片により構成されている。正面袋片91a及び背面袋片91bは、互いに重ねて、それぞれの幅方向両端辺同士及び、高さ方向の一端辺同士を封着された構造になっている。正面袋片91a及び背面袋片91bの高さ方向の他端辺同士は封着されず、その部分は袋口91dになっている。これにより、袋口91dを有する袋構造が形成される。
延長片91cは、袋91の高さ方向上側へ所定の長さ分、背面袋片91bから延長された部分である。延長片91cは、略長方形状のビニール片により構成されている。延長片91cの幅方向の長さは、背面袋片91bの幅方向の長さと同じになっている。
延長片91cは、延長片91cの幅方向に設けられる分離線91eを境界として、予備片91fと予備片91gとに分けられる。分離線91eは、予備片91gを予備片91fから分離し得る線状の分離可能構造である。分離線91eは、例えば、延長片91cの途中に設けられる延長片91cの幅方向へ延びるミシン目の切り取り線により構成されるが、これに限定されるものではなく、その他の形態の分離可能構造(例えば、両端切れ込み等)であってもよい。
予備片91fは、袋91の高さ方向上側へ所定の長さ分、背面袋片91bから延長された部分である。予備片91fは、例えば、袋口91dを閉じる蓋としての役割を果たし得るが、この用途に限定されるものではなく、その他の用途に用いてもよい。予備片91gは、例えば、図2(a)に示すように、袋91を積層させて袋束90を形成させた際に、取付孔92を設ける部分である。また、予備片91gは、袋91を積層する際に袋積層方向で前後し合う袋91同士を接着、熱溶着等により結合させる部分でもある。なお、予備片91g同士において接着、熱溶着等する領域は、予備片91g同士の一部領域のみであってもよいし、予備片91g同士全体領域であってもよい。
以上のような、袋91を積層させて予備片91gの所定領域で結合させたものが、図2(a)に示す袋束90である。袋束90から袋91を分離させる場合、分離線91eで分離させる。そして、袋束90から袋91を分離させた場合、予備片91fは分離するが、予備片91gは、図2(c)に示すように、分離せずに結合した状態のまま残る。
そして、袋束90には、図2(a)に示すように、袋束90の予備片91g相当する部分に袋束90の袋積層方向を貫通する2つの取付孔92が設けられる。
<1−2.開袋機構について>
次に、図1及び図2を参照して開袋機構10について説明する。開袋機構10は、例えば、袋保持部11と、開袋部15とを備える。
<1−2−1.袋保持部について>
袋保持部11は、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が袋束90における袋積層方向先頭側に凸となるように袋束90を固定して保持する袋保持構造を有するものである。例えば、図2(a)のような態様の袋束90の場合、袋保持部11は、袋束90の幅方向両端面90bが袋束90における袋積層方向先頭側を向くように袋束90を固定して保持する。袋保持部11は、案内部12と、袋束90を案内部12に取り付ける取付部13とを備える。
案内部12は、袋束90と係合して、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が袋積層方向先頭側に凸となるように案内する構造を有するものである。案内部12は、例えば、本体部120と、案内板121とを備える。
案内板121は、袋束90における袋積層方向の最後尾面に係合して、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が凸となるように案内する末尾側案内面121aを有するものである。ここで、図3を参照して案内板121について説明する。案内板121は、例えば、図3(a)に示すように、板状部材の幅方向中央付近を構成する中央片124から板状部材の幅方向両端へ進むに従って、板状部材の前後方向前方へ屈曲する形状の板状部材が一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、その他の態様であってもよい。
袋束90を案内板121に取り付ける場合、袋束90における袋積層方向の最後尾面を案内板121の正面に相当する末尾側案内面121aに係合(当接)させる。そして、袋束90を案内板121の末尾側案内面121aに係合(当接)させる際に、袋束90における2つの取付孔92に取付部13を通す。また、袋束90を案内板121に取り付ける場合、袋束90の高さ方向が案内板121の高さ方向と一致するように取り付ける。
取付部13は、図3(a)に示すように、例えば、中央片124の高さ方向一端(袋高さ方向袋口側端部)付近において案内板121の末尾側案内面121aの前後方向前方(面垂直方向前方)へ向かって立設された2つのL字型部材とすることが想定されるが、これに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上のL字型部材、その他の態様であってもよい。2つのL字型部材は、案内板121の幅方向へ所定間隔離して末尾側案内面121aの前後方向前方(面垂直方向前方)へ立設される。
上記に習って袋束90を案内板121に取り付けると、図3(b)に示すように、案内板121の末尾側案内面121aに袋束90における袋積層方向の最後尾面が係合する態様になる。また、案内板121の高さ方向は、袋高さ方向と一致する。これにより、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が袋束90における袋積層方向先頭側に凸となるように案内される。
なお、2つのL字型部材をはじめとする取付部13は、案内板121の幅方向中央付近(例えば、中央片124内)に設けることが好ましい。袋束90を案内板121に取り付けやすくするためである。取付部13を案内板121の幅方向中央付近に設けた場合、袋束90の両端付近を案内板121に沿わせにくい場合もある。その場合、図3(c)に示すように、袋束90の予備片91gに相当する袋束先端部分と案内板121とを積層方向において挟み込む2つの挟持部材128を用いて、袋束90の両端付近を案内板121に沿わせるようにしてもよい。なお、挟持部材128は、1つ又は3つ以上あってもよい。
次に、図1及び図4を参照して本体部120について説明する。本体部120は、図1に示すように、基台122と、立設部123とにより構成される。基台122は、案内板121に取り付けた袋91を基準とした場合、袋高さ方向袋底側に配設される。立設部123は、例えば、所定形状の板状部材により形成される。そして、立設部123は、案内板121に取り付けた袋91を基準とした場合、基台122の一端から袋高さ方向袋口側へ向かって立設される。
立設部123における袋高さ方向袋口側の端部には、図4(a)に示すように、筐体152が配設される。筐体152は、例えば、図4(a)に示すような底面の少なくとも1部領域が開口しており、天井面に物品投入開口16が形成された箱形のものが一例として想定されるが、これに限定されるものではない。筐体152は、筐体152の高さ方向が袋高さ方向と一致するような態様で配設される。また、筐体152の底面の一辺152aと、立設部123における袋高さ方向袋口側の端部と、両者の幅方向へ延びる軸152bとでヒンジ機構152cを構成する。この場合、筐体152は、図4(b)に示すように、本体部120の蓋として開閉する。
筐体152の天井面の物品投入開口16付近に、筐体152の高さ方向底面側へ向かって延びる押さえ込み部材129が設けられる。押さえ込み部材129は、案内板121と共に袋束90を挟み込むものである。押さえ込み部材129は、図4(a)に示すように、案内板121と同様に、板状部材の幅方向中央付近を構成する中央片129aから幅方向両端へ進むに従って、板状部材の正面垂直方向前方(前後方向前方)へ屈曲するようになっている。
袋91を案内板121に取り付けた場合に、押さえ込み部材129の高さ方向が筐体152の高さ方向と一致し、かつ、押さえ込み部材129が袋口91dよりも袋高さ方向袋口側に配置されるように押さえ込み部材129は設けられる。
また、押さえ込み部材129の高さ方向底面側の端部129bと、案内板121の高さ方向袋口側端部121cとは、例えば、高さ方向において、図4の一点鎖線楕円領域Rに示す所定の領域だけ重なるように配設される。この重なる部分が、袋束90を挟み込む部分になる。
図4(b)に示すように、筐体152をヒンジ機構152cにより立設部123に対して反時計周りに回動させたとする。筐体152の上記反時計周りの回動に従って、筐体152の天井面に設けられた押さえ込み部材129も移動する。そして、案内板121に袋束90を取り付けた後に、筐体152をヒンジ機構152cにより立設部123に対して時計周りに回動させると、押さえ込み部材129は案内板121と共に、上記重なる部分において袋束90を挟み込むように移動する。袋束90が挟み込まれる部分(一点鎖線楕円領域R)は、袋口91dが挟み込まれないよう、少なくとも袋口91dよりも袋高さ方向袋口側である必要があり、それを満たすいずれの部分(例えば、袋束90の予備片91gに相当する領域)も本発明の範囲に含まれる。
ここで、再び図1に戻って説明する。案内板121は、立設部123の前後方向正面部分(袋積層方向先頭側面)に設けられる。案内板121は、案内板121の袋積層方向、又は/及び、幅方向が、それぞれ立設部123の袋積層方向、又は/及び、幅方向と一致するよう立設部123の正面123aに案内板121の背面が配置されるように設けられる。
案内板121は、立設部123から着脱可能な態様で設けられていてもよい。この場合、例えば、取付部13(L字型部材)は、例えば、立設部123の正面123aの面垂直方向前方(袋積層方向先頭側)へ向かって立設されるよう、立設部123の正面123aに設けられる。そして、案内板121の中央片124における袋高さ方向袋口側の端部121c付近に2つの取付孔121bは設けられる。この2つの取付孔121bに取付部13(L字型部材)を通すように、案内板121は取り付けられる。そして、案内板121を立設部123から取り外す場合は、取付部13(L字型部材)から取付孔121bを外す。
以上のような袋保持部11により袋束90を保持させると、袋束90は、自身の高さ方向が物品収容装置1の高さ方向と一致するように保持される。
<1−2−2.開袋部について>
開袋部15は、袋保持部11で保持される袋束90の積層方向先頭に配置される袋91の袋口91dを広げるものである。開袋部15は、例えば、固定軸151と、伸縮アーム160と、先端アーム155とを少なくとも備える。
固定軸151は、例えば、筐体152に設けられる。伸縮アーム160と、先端アーム155は、固定軸151を通じて、筐体152に保持される。固定軸151は、筐体152中において袋保持部11における案内板121と対向する位置に配設される。そして、固定軸151は、案内板121の幅方向(袋束90の幅方向)へ延びる。
伸縮アーム160は、自身の幅方向と固定軸151が延びる方向とが一致するように固定軸151に軸着される。伸縮アーム160は、力を加えない状態では、図1に示すように、筐体152の高さ方向へ延びるような態様で保持される。また、伸縮アーム160は、伸縮アーム160の中間部160a(固定軸151との軸着部分)と、伸縮アーム160の他端160bとを直接結ぶ直線距離(以下において、この直線距離を伸縮アーム直線距離と呼ぶ。)を伸縮させることができる伸縮機構を有する。
伸縮アーム160における伸縮機構は、レバーアーム153と、中間アーム154とで構成させることが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、さらに多くのアームにより構成させてもよい。
レバーアーム153は、レバーアーム153の幅方向へ延びる固定軸151を介して自身の中間部分において筐体152に軸着される。すなわち、レバーアーム153は、固定軸151を中心点として回動可能な状態で筐体152に保持される。レバーアーム153は、力を加えない状態では、図1に示すように、筐体152の高さ方向へ延びるような態様で保持される。
固定軸151を中心点としてレバーアーム153を、時計回りに(矢印A方向)所定角度回動させるように倒すと、中間アーム154と先端アーム155とは、固定軸151を中心として案内板121の方(矢印B方向)へ向かって時計回りに回動する。
中間アーム154の一端は、軸156を介してレバーアーム153の一端に軸着される。そして、軸156は、案内板121の幅方向(袋束の幅方向)へ延びる。このような中間アーム154は、軸156を中心として回動可能である。また、中間アーム154の他端は、軸157及び戻りバネ158を介して先端アーム155の一端に軸着される。そして、軸157は、案内板121の幅方向(袋束の幅方向)へ延びる。このような先端アーム155は、軸157を中心として回動可能である。戻りバネ158は、先端アーム155を回動させた場合、先端アーム155の長さ方向が中間アーム154の長さ方向と一致するよう復元させる回動力を発生させる弾性バネ部材である。
ここで、図5を参照して開袋部15の動作について説明する。開袋部15を動作させる前は、図5(a)に示すように、伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢を維持するよう伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とは保持される。この時の伸縮アーム直線距離は、距離L0である。
図5(b)に示すように、固定軸151を中心点としてレバーアーム153を時計周り(矢印C方向)に回動させると、中間アーム154及び先端アーム155は共に、袋高さ方向袋口側へ向かって移動する。なお、図5における袋91は、袋束90の積層方向先頭にあるものとする。
図5(c)に示すように、さらに固定軸151を中心点としてレバーアーム153を回動させると、中間アーム154が自重で軸156を中心点として回動する。これにより、レバーアーム153と中間アーム154とは上方(袋高さ方向袋口側)へ屈曲する態様になっていく。この際、伸縮アーム直線距離は距離L1(<L0)である。図5(b)及び図5(c)に状態においては、レバーアーム153と中間アーム154とは上方へ屈曲する態様になっているため、伸縮アーム直線距離は縮む。
図5(d)に示すように、レバーアーム153のさらなる回動に従って、先端アーム155は、さらに上方(袋高さ方向袋口側)へ移動すると共に、当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。このように、先端アーム155が、袋91の袋口91dの直上で待機する状態を、ここでは「開袋前準備状態」と定義するが、この状態の伸縮アーム直線距離L1が、後述する開袋状態の直線距離L0と比較して小さくなる。
当接面125は、袋口91dよりも袋高さ方向袋口側の面である。そして、当接面125は、先端アーム155が当接面125上に沿って高さ方向袋底方向へ移動した場合、先端アーム155が袋口91dを経由して袋91の内部へ移動することができればどのような態様のものであってもよい。また、当接面125上には、例えば、袋91の延長片91cが配置されていたり、押さえ込み部材129(図4参照)が配置されていたりする。図5(d)において先端アーム155は、当接面125上の延長片91cが配置された部分に当接しているが、これは一例であって、これに限定されるものではない。先端アーム155を最初に当接面125上のどの部分に当接させるように移動させるかは適宜変更できる。
なお、先端アーム155を当接面125上に当接させずに、袋口91dに直接移動させるようにしてもよい。この場合、先端アーム155は、例えば、袋91内部の背面袋片91bの内部面に一旦当接して袋高さ方向袋底側へ移動する。
次に、レバーアーム153を離すと、固定軸151を境界として中間アーム154及び先端アーム155側の方が重いため、図5(d)に示すように、固定軸151を中心として反時計回り(矢印D方向)へレバーアーム153は回動し、先端アーム155は当接面125(延長片91cの正面)に当接して当接面125(延長片91cの正面)に沿って袋高さ方向袋底側へ移動する。その過程で、図5(e)に示すように、先端アーム155は袋口91dを経由して袋91の内部へ入り込む。
一方で、レバーアーム153と中間アーム154とは、先端アーム155が当接面125(延長片91cの正面)から受ける反力に応じて伸縮アーム直線距離を伸縮させる。そして、レバーアーム153の回動に従って、中間アーム154は、図5(e)に示すように、先端アーム155と共に、袋口91dを経由して袋91の内部の奥に入り込む。
レバーアーム153と中間アーム154とは、袋91の内部の奥に入り込むにつれて軸156を中心として回動して伸縮アーム直線距離を伸ばすように動作する。それと同時に、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、先端アーム155は、段々、軸157を中心に背面袋片91bの内部面から離脱するよう回動しながら、袋91から離れる方向へ移動する。また、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、中間アーム154も袋91から離れる方向へ移動する。
以上のような中間アーム154及び先端アーム155の動作により、正面袋片91aは、袋91の内部側から袋口91dが広がる方向へ引っ張られる。最終的に、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とは、図5(f)に示すような、略直線上になった態様の姿勢に戻っていくように動作する。これにより、袋口91dが大きく広がった状態になる。これを「開袋状態」と定義するが、この開袋状態の伸縮アーム直線距離L0は、開袋前準備状態の直線距離L1と比較して大きくなる。
従来の開袋アームは、袋口91d付近に先端を引っ掛けて袋口91dを広げていたため、袋口91dを広げる際に袋91にかかる力は袋口91d付近にのみ大きな力がかかっていた。これにより、袋91の分離線91eにかかる力が大きくなり、袋91を広げる過程で袋91は分離線91eから切断・分離しやすくなっていた。一方、本実施形態の伸縮アーム160によれば、先端アーム155が袋91内部の奥に入り込むにつれて伸びていくため、結果として先端アーム155及び伸縮アーム160の一部(中間アーム154)は、袋91内部の奥深くまで入り込んだ状態で袋口91dを広げる。このため、上記開袋部15なら袋口91dを広げる際に袋91にかかる力を、袋91全体に分散させることができ、袋91の分離線91eにかかる力を低減させることができる。これにより、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。特に、袋91の素材としてポリプロピレンフィルム、より好ましくは延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム:Oriented Poly Propylene Film)等を用いる場合、素材自体の伸縮性が低いため、分離線91eが簡単に分離しやすいが、本実施形態によれば、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。
また、従来の開袋アームは、回動の軌道が決まっているため、袋束90の先頭面の袋がその軌道上にセットされた状態で袋91の開袋を行う必要があった。このため、袋束90の袋91が次々と切断・分離されて図2(c)のような態様になった場合、袋束90を背面から押して、袋束90の先頭面の袋を決まった位置にセットしていた。一方、開袋部15ならば、袋束90の先頭面が後退していってもその分、伸縮アーム160が伸びるため、以上のような問題を回避することができる。
なお、中間アーム154及び先端アーム155が図5(a)及び図5(f)に示すレバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期状態)になった場合、袋91の正面袋片91aを手前側へ引っ張ることにより、袋91が袋束90から切断・分離しない程度の力になるように調整する。
以上の2つの効果は、以下において説明する他の実施の形態においても共通する効果である。
<1−3.物品収容動作>
次に、図6を参照して物品収容動作について説明する。図6(a)に示すように、開袋部15を動作させて袋91を開いた場合に、物品投入開口16は、袋口91dの袋91高さ方向袋口側に配置するよう設けられる。物品投入開口16から物品80を投入すると、投入された物品80は、図6(b)に示すように、袋91の内部に収容される。
この時、袋91は、物品80から下方へ力を加えられる。この力により、袋91は、図6(c)に示すように、袋束90から切断・分離して落下する。その後、図6(d)に示すように、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とは、回動して、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢に戻る。
そして、再度、図5で説明したようにレバーアーム153を回動させて、袋91を開かせて、物品投入開口16から物品80を投入する。以上を繰り返して行うことにより、物品80の袋詰め作業が容易になる。
<1−4.袋保持部11の利点>
次に、図7を参照して袋保持部11の利点について説明する。従来の袋保持部70を構成する案内板71は、図7(a)に示すように、屈曲、湾曲しておらず、真っ直ぐな態様であった。案内板71は、袋束90を真っ直ぐな態様に案内する。このような案内態様の袋束90における積層方向先頭における袋91の袋口を広げる場合、先端アーム155は、袋束90の積層方向(矢印F方向)へ移動する。
袋91のみを上方から見た図7(b)に示す平面図に示すように、従来の袋保持部70に保持された袋91の袋口91dを先端アーム155で広げる場合、正面袋片91aの開き始めから分離線91eを含む背面袋片91b全体にも袋束90の積層方向(矢印F方向)へ力が加わる。すなわち、先端アーム155により、正面袋片91aに袋91の正面垂直方向前方へ所定の力が加えられると、分離線91eにも直ぐに同方向へ所定の力が加えられる。そして、袋高さ方向袋底側や袋91の袋積層方向前方等へ所定の力が加えられると、袋91は、分離線91eで袋束90から切れて分離するよう形成される。このため、従来の袋保持部70に保持された袋91の袋口91dを先端アーム155で広げる場合、分離線91eが切れて袋91が袋束90から分離しやすかった。
本発明の物品収容装置1においては、図5で説明したように、物品80の落下による衝撃力で袋91を袋束90から分離することを意図しているのに、従来の袋保持部70では先端アーム155で袋91の袋口を広げる段階で分離してしまうことが多かった。
一方、図7(c)に示すように、本発明の実施の形態における袋保持部11に取り付けた袋束90は、袋束90の両端付近が積層方向先頭側に向かう態様で袋保持部11に保持される。
図7(d)の袋91を上方から見た平面図に示すように、袋保持部11に保持された袋91の袋口91dを先端アーム155で広げる場合、正面袋片91aの開き始めの最初の段階では分離線91eには袋束90の積層方向(矢印F方向)へ力が加わらない(状態G1)。背面袋片91bが撓んだ状態になっているからである。先端アーム155がさらに正面袋片91aを袋束90の積層方向(矢印F方向)へ移動させて、正面袋片91aの両端を結ぶ直線Hを正面袋片91aが超えても分離線91eには袋束90の積層方向(矢印F方向)へ力が加わらない(状態G2)。
さらに、先端アーム155がさらに正面袋片91aを袋束90の積層方向(矢印F方向)へ移動させて、直線Hを正面袋片91aが超えても、背面袋片91bを表す湾曲線Jを直線Hを軸として反転させた湾曲線Iを正面袋片91aが超えるまでは分離線91eには袋束90の積層方向(矢印F方向)へ力が加わらない(状態G3)。湾曲線Iを正面袋片91aが超えると、分離線91eにも袋束90の積層方向(矢印F方向)へ力が加わる(状態G4)。
以上のように、袋保持部11に保持された袋91の袋口91dを先端アーム155で広げる場合、分離線91eが切れる程度の力を先端アーム155から加え始められるまで、先端アーム155は所定の移動量を移動する必要がある。そして、先端アーム155が移動を停止した場合でも、分離線91eが切れる程度の力が袋91に加わらないよう調整されている。
このように、従来の袋保持部70の場合、保持される袋91の袋口91dを広げ始める段階から分離線91eに力がかかっていたため、分離線91eが切れやすかった。一方、袋保持部11の場合、保持される袋91の袋口91dをある程度広げても分離線91eに力がかからず、分離線91eは切れない。また、従来の袋保持部70の場合、保持される袋91の分離線91eが切れない程度に袋口91dを広げた際、袋口91dの開口面積が小さかった。一方、袋保持部11の場合、保持される袋91の分離線91eが切れない程度に袋口91dを広げた際、従来の保持部70と比較して、袋口91dの開口面積をかなり大きくすることができる。
<2.第2実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置2について説明する。物品収容装置2は、物品収容装置1とは開袋部はほぼ同様の構造であるが、袋を開ける動作が異なるものである。それ以外は、物品収容装置2は、物品収容装置1とは、ほぼ同様である。従って、物品収容装置2における各部について物品収容装置1と同様の符号を用いて説明する。
物品収容装置2における開袋部25を動作させる前は、物品収容装置2は、図8(a)に示すように、伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢を維持するよう伸縮アーム160(レバーアーム153及び中間アーム154)と、先端アーム155とは保持される。開袋部25を動作させる場合、固定軸151を中心点としてレバーアーム153を反時計周り(矢印E方向)に回動させる。
固定軸151を中心点としてレバーアーム153を反時計周り(矢印F方向)へ回動させると、図8(b)に示すように、中間アーム154及び先端アーム155は、固定軸151を中心点として共に、回動して当接面125へ向かって回動する。これに伴い、レバーアーム153と中間アーム154と先端アーム155とは進行方向へ向かってそれぞれ少しずつ屈曲していく。
さらに固定軸151を中心点としてレバーアーム153を回動させると、図8(c)に示すように、先端アーム155が当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。
そして、先端アーム155は、図8(d)に示すように、当接面125に沿って袋高さ方向袋底側へ向かって移動していく。なお、図8(c)及び図8(d)において先端アーム155は、当接面125上の押さえ込み部材129(図4参照)が配置された部分に当接しているが、これは一例であって、これに限定されるものではない。先端アーム155を最初に当接面125上のどの部分に当接させるように移動させるかは適宜変更できる。
先端アーム155の上記移動に伴って、伸縮アーム160を構成するレバーアーム153及び中間アーム154は、当接面125からの反力を受けて伸縮アーム直線距離が縮むよう動作する。図8(c)に示す状態において伸縮アーム直線距離は距離L2である。そして、図8(d)に示す状態まで先端アーム155が移動すると、さらに、レバーアーム153と中間アーム154とは屈曲して、伸縮アーム直線距離は距離L3(<L2)になる。すなわち、レバーアーム153と中間アーム154とは、屈曲度合いを大きくして、伸縮アーム直線距離を縮める。
そして、固定軸151を中心として、さらに反時計周りにレバーアーム153を回動させると、先端アーム155は当接面125(押さえ込み部材129の正面)に当接して当接面125(押さえ込み部材129の正面)に沿って袋高さ方向袋底側へ移動する。その過程で、図8(e)に示すように、先端アーム155は袋口91dを経由して袋91の内部へ入り込む。
一方で、レバーアーム153と中間アーム154とは、先端アーム155が当接面125(押さえ込み部材129の正面)から受ける反力に応じて伸縮アーム直線距離を伸縮させる。そして、レバーアーム153の回動に従って、中間アーム154は、図8(e)に示すように、先端アーム155と共に、袋口91dを経由して袋91の内部の奥に入り込む。
レバーアーム153と中間アーム154とは、袋91の内部の奥に入り込むにつれて軸156を中心として回動して伸縮アーム直線距離を伸ばすように動作する。それと同時に、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、先端アーム155は、段々、軸157を中心に背面袋片91bの内部面から離脱するよう回動しながら、袋91から離れる方向へ移動する。また、レバーアーム153の袋91から離れる方向の回動に従って、中間アーム154も袋91から離れる方向へ移動する。
以上のような中間アーム154及び先端アーム155の動作により、正面袋片91aは、袋91の内部側から袋口91dが広がる方向へ引っ張られる。最終的に、レバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とは、図8(f)に示すような、略直線上になった態様の姿勢(初期状態)に戻っていくように動作する。これにより、袋口91dが大きく開いた状態になる。
開袋部25も開袋部15の場合と同様に、袋口91dを広げる際に袋91にかかる力を、袋91全体に分散させることができ、袋91の分離線91eにかかる力を低減させることができる。これにより、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。
なお、中間アーム154及び先端アーム155が図8(a)及び図8(f)に示すレバーアーム153と、中間アーム154と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期状態)になった場合、袋91の正面袋片91aを手前側へ引っ張ることにより、袋91が袋束90から切断・分離しない程度の力になるように調整する。
<3.第3実施形態>
次に、図9を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置3について説明する。物品収容装置3と物品収容装置1との相違点は、伸縮アームの構造である。それ以外の構造は、物品収容装置3は、物品収容装置1とは同様の構造であり、既に上記で説明済みであるため、その説明を省略する。また、物品収容装置1と同様の構造のものについては物品収容装置1で使用した符号と同様の符号を用いて説明することとする。
物品収容装置3における伸縮アーム30は、物品収容装置1における伸縮アーム160と同様に、伸縮アーム直線距離を伸縮させることができる伸縮構造を有するが、その伸縮構造が異なる。
伸縮アーム30における伸縮構造は、例えば、少なくとも一部が弾性体により形成される弾性アーム31により構成される。弾性アーム31は、図9(a)に示すように、例えば、レバー部32と、弾性部33とを備える。弾性アーム31は、レバー部32と弾性部33との境界において固定軸151と軸着される。また、弾性アーム31の一端は、先端アーム155の一端と軸157を介して軸着される。
レバー部32は、弾性アーム31への回動動作を受け付ける部分である。レバー部32に手等で力を加えて弾性アーム31を回動させる。
弾性部33は、弾性体により形成される弾性アームの一部である。弾性部33の一端は、先端アーム155の一端と軸157を介して軸着される。弾性体として、例えば、ゴム弾性を有するエラストマー等の材料や、図9(b)に示すようなバネ34が一例として挙げられるが、これに限るものではなく、その他の全ての弾性体が本発明に含まれる。
ここで、図10を参照して伸縮アーム160を伸縮アーム30の一例である弾性アーム31に置き替えた態様の開袋部35の動作について説明する。開袋部35を動作させる前は、図10(a)に示すように、弾性アーム31と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢を維持するよう弾性アーム31と、先端アーム155とは保持される。
図10(b)に示すように、固定軸151を中心点としてレバー部32を時計周りに回動させると、弾性部33及び先端アーム155は共に、袋高さ方向袋口側へ向かって移動する。
図10(c)に示すように、さらに固定軸151を中心点としてレバー部32を回動させると、先端アーム155は、さらに上方(袋高さ方向袋口側)へ移動すると共に、当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。そして、同時に、伸縮アーム30としての機能を弾性部33が発揮する。すなわち、弾性部33は、図10(c)に示すように、弾性力により上方(袋高さ方向袋口側)へ湾曲するように曲がる。これにより、弾性部33は、伸縮アーム直線距離を縮める。
そして、先端アーム155は、図10(d)に示すように、当接面125に沿って袋高さ方向袋底側へ向かって移動していく。なお、図10(c)において先端アーム155は、当接面125上の延長片91cが配置された部分に当接しているが、これは一例であって、これに限定されるものではない。先端アーム155を最初に当接面125上のどの部分に当接させるように移動させるかは適宜変更できる。
なお、先端アーム155を当接面125上に当接させずに、袋口91dに直接移動させるようにしてもよい。この場合、先端アーム155は、例えば、袋91内部の背面袋片91bの内部面に一旦当接して袋高さ方向袋底側へ移動する。
次に、図10(c)における状態からレバー部32を離すか又は逆回動させると、固定軸151を中心として反時計回り(矢印F方向)へ弾性部33は回動し、先端アーム155は当接面125(延長片91cの正面)に当接して当接面125(延長片91cの正面)に沿って袋高さ方向袋底側へ移動する。その過程で、図10(d)に示すように、先端アーム155は袋口91dを経由して袋91の内部へ入り込む。一方で、図10(c)から図10(d)の状態へ移る過程で、弾性部33は、先端アーム155が当接面125(延長片91cの正面)から受ける反力に応じて、元の形状を復元するように弾性復元変形して伸縮アーム直線距離を段々伸ばしていく。
そして、レバー部32の反時計周り方向の回動に従って、弾性部33は、図10(e)に示すように、先端アーム155と共に、袋口91dを経由して袋91の内部の奥に入り込む。弾性部33は、袋91の内部の奥に入り込むにつれてさらに弾性復元変形をして伸縮アーム直線距離を伸ばすように動作する。それと同時に、レバー部32の反時計周り方向の回動に従って、先端アーム155は、段々、軸157を中心に背面袋片91bの内部面から離脱するよう回動しながら、袋91から離れる方向へ移動する。また、レバー部32の反時計周り方向の回動に従って、弾性部33も袋91から離れる方向へ移動する。
以上のような弾性アーム31及び先端アーム155の動作により、正面袋片91aは、袋91の内部側から袋口91dが広がる方向へ引っ張られる。最終的に、弾性アーム31と、先端アーム155とは、図10(f)に示すような、略直線上になった態様の姿勢(初期状態)に戻っていくように動作する。これにより、袋口91dが大きく広がった状態になる。
開袋部35も開袋部15の場合と同様に、袋口91dを広げる際に袋91にかかる力を、袋91全体に分散させることができ、袋91の分離線91eにかかる力を低減させることができる。これにより、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。
なお、弾性アーム31及び先端アーム155が図10(a)及び図10(f)に示す弾性アーム31と先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期状態)になった場合、袋91の正面袋片91aを手前側へ引っ張ることにより、袋91が袋束90から切断・分離しない程度の力になるように調整する。
<4.第4実施形態>
次に、図11を参照して本発明の別の実施の形態における物品収容装置4について説明する。物品収容装置4と物品収容装置1との相違点は、伸縮アームの構造である。それ以外の構造は、物品収容装置4は、物品収容装置1とは同様の構造であり、既に上記で説明済みであるため、その説明を省略する。また、物品収容装置1と同様の構造のものについては物品収容装置1で使用した符号と同様の符号を用いて説明することとする。
物品収容装置4における伸縮アーム40は、物品収容装置1における伸縮アーム160と同様に、伸縮アーム直線距離を伸縮させることができる伸縮構造を有するが、その伸縮構造が異なる。
伸縮アーム40における伸縮機構は、例えば、自身の長さ方向に摺動可能な摺動アーム41により構成される。摺動アーム41は、図11に示すように、例えば、レバー部42と、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44とを備える。この一対のピストン部材43及びシリンダ部材44が、本発明における1対のスライド部材となる。
摺動アーム41は、レバー部42と、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44との境界において固定軸151と軸着される。また、摺動アーム41の一端は、先端アーム155の一端と軸157を介して軸着される。
レバー部42は、摺動アーム41への回動動作を受け付ける部分である。レバー部42に手等で力を加えて摺動アーム41を回動させる。ピストン部材43は、シリンダ部材44内部において、自身の長さ方向に摺動可能に保持される。
ピストン部材43の一端は、先端アーム155の一端と軸157を介して軸着される。なお、ピストン部材43とシリンダ部材44との位置を入れ代えて、シリンダ部材44の一端が、先端アーム155の一端と軸157を介して軸着されるように構成してもよい。
なお、以上の自身の長さ方向に摺動可能な摺動アーム41は、様々なタイプのもので実現可能である。すなわち、摺動アーム41は、例えば、電動式シリンダ方式、油圧式シリンダ方式、エア式シリンダ方式、ガイドレールとスライダによるガイド形式等、その他の公知の全ての自身の長さ方向に摺動可能なアクチュエータで実現できる。
ここで、図12を参照して伸縮アーム160を伸縮アーム40の一例である摺動アーム41に置き替えた態様の開袋部45の動作について説明する。開袋部45を動作させる前は、図12(a)に示すように、摺動アーム41と、先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢を維持するよう摺動アーム41と、先端アーム155とは保持される。
図12(b)に示すように、固定軸151を中心点としてレバー部42を時計周りに回動させると、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44、並びに、先端アーム155は共に、袋高さ方向袋口側へ向かって移動する。
図12(c)に示すように、さらに固定軸151を中心点としてレバー部42を回動させると、先端アーム155は、さらに上方(袋高さ方向袋口側)へ移動すると共に、当接面125に当接する。先端アーム155が当接面125に当接すると、先端アーム155は軸157を中心に回動して先端アーム155表面全体が当接面125に当接する。そして、同時に、伸縮アーム40としての機能を1対のピストン部材43及びシリンダ部材44が発揮する。すなわち、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は、図12(c)に示すように、ピストン部材43はシリンダ部材44の内部へ向かって摺動する。これにより、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は、伸縮アーム直線距離を縮める。
そして、先端アーム155は、図12(d)に示すように、当接面125に沿って袋高さ方向袋底側へ向かって移動していく。なお、図12(c)において先端アーム155は、当接面125上の延長片91cが配置された部分に当接しているが、これは一例であって、これに限定されるものではない。先端アーム155を最初に当接面125上のどの部分に当接させるように移動させるかは適宜変更できる。
なお、先端アーム155を当接面125上に当接させずに、袋口91dに直接移動させるようにしてもよい。この場合、先端アーム155は、例えば、袋91内部の背面袋片91bの内部面に一旦当接して袋高さ方向袋底側へ移動する。
次に、図12(c)における状態からレバー部32を離すか又は逆回動させると、固定軸151を中心として反時計回り(矢印F方向)へ1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は回動し、先端アーム155は当接面125(延長片91cの正面)に当接して当接面125(延長片91cの正面)に沿って袋高さ方向袋底側へ移動する。その過程で、図12(d)に示すように、先端アーム155は袋口91dを経由して袋91の内部へ入り込む。一方で、図12(c)から図12(d)の状態へ移る過程で、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は、先端アーム155が当接面125(延長片91cの正面)から受ける反力に応じて、ピストン部材43はシリンダ部材44の外部へ向かって摺動して段々伸縮アーム直線距離を伸ばしていく。
そして、レバー部42の反時計周り方向の回動に従って、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は、図12(e)に示すように、先端アーム155と共に、袋口91dを経由して袋91の内部の奥に入り込む。1対のピストン部材43及びシリンダ部材44は、袋91の内部の奥に入り込むにつれてさらに、ピストン部材43がシリンダ部材44の外部へ向かって摺動して伸縮アーム直線距離を伸ばすように動作する。それと同時に、レバー部42の反時計周り方向の回動に従って、先端アーム155は、段々、軸157を中心に背面袋片91bの内部面から離脱するよう回動しながら、袋91から離れる方向へ移動する。また、レバー部42の反時計周り方向の回動に従って、1対のピストン部材43及びシリンダ部材44も袋91から離れる方向へ移動する。
以上のような摺動アーム41(1対のピストン部材43及びシリンダ部材44)及び先端アーム155の動作により、正面袋片91aは、袋91の内部側から袋口91dが広がる方向へ引っ張られる。最終的に、摺動アーム41(1対のピストン部材43及びシリンダ部材44)と、先端アーム155とは、図12(f)に示すような、略直線上になった態様の姿勢(初期状態)に戻っていくように動作する。これにより、袋口91dが大きく広がった状態になる。
開袋部45も開袋部15の場合と同様に、袋口91dを広げる際に袋91にかかる力を、袋91全体に分散させることができ、袋91の分離線91eにかかる力を低減させることができる。これにより、袋口91dを広げる過程で、分離線91eから袋91を切断・分離することを防ぐことができる。
なお、摺動アーム41(1対のピストン部材43及びシリンダ部材44)及び先端アーム155が、図12(a)及び図12(f)に示す摺動アーム41(1対のピストン部材43及びシリンダ部材44)と先端アーム155とが略直線上になった態様の姿勢(初期状態)になった場合、袋91の正面袋片91aを手前側へ引っ張ることにより、袋91が袋束90から切断・分離しない程度の力になるように調整する。
伸縮アーム160を伸縮アーム40の一例である摺動アーム41に置き代えた態様の開袋部45の動作は、自身の長さ方向に摺動して伸縮動作を行うこと以外は、開袋部15〜35の説明に習って説明可能であるため、その説明を省略する。
<5.第5実施形態>
次に、図13を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置5について説明する。物品収容装置5は、物品収容装置1における案内板121を案内板521にしたものである。案内板521は、図13(b)に示すように、袋束90における袋の積層方向の最後尾面に係合して、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が凸となるように案内するものである。
案内板521は、図13(a)に示すように、板状部材の幅方向中央部分を構成する中央線524から板状部材の幅方向両端へ進むに従って板状部材の面垂直方向前方へ湾曲する形状をしている。
<6.第6実施形態>
図14を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置6について説明する。物品収容装置6は、物品収容装置1における案内板121を案内板621にしたものである。案内板621は、図14(a)に示すように、板状部材の幅方向中央付近を構成する中央片624から幅方向両端へ進むに従って板状部材の正面垂直方向前方へ屈曲する形状をしている。案内板621のこの点は、案内板121と同様であるが、相違点は袋束90を案内する領域である。
案内板621は、図14(b)に示すように、袋高さ方向袋口側の端部(例えば、袋束90の予備片91gに相当する領域)において袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が袋の積層方向先頭側に凸となるように袋束90を案内する。この意味において案内板621は袋口側案内板621と称してもよい。この点が案内板121と異なる。なお、袋高さ方向袋口側の端部は、袋束90の予備片91gに相当する領域に限定されるものではなく、予備片91fまでをも含む延長片91c領域、又は、背面袋片91bの高さ方向袋口側の端部付近までをも含む領域まで達していてもよい。また、袋高さ方向袋口側の端部は、袋束90の予備片91gに相当する領域よりも高さ方向袋口側の領域であってもよい。
また、図14(b)に示すような案内板623を案内板621の他に別途設けてもよい。案内板623は、案内板621と態様は同様であるが用いられる場所が異なる。すなわち、案内板623は、袋高さ方向の中央付近から袋口91dの反対側(袋底91h)の端部までの間のいずれかにおいて、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が袋の積層方向先頭側に凸となるように案内する。この意味で、案内板623は反袋口側案内板623(袋底側案内板623)と称してもよい。なお、図14(b)において案内板623が案内する袋高さ方向の高さは、案内板621における高さと同様の高さになっているが、これに限定されるものではなく、異なっていてもよい。
なお、図14(c)に示すように、案内板621に補助板622をさらに設けてもよい。補助板622は、案内板621の高さ方向袋底側の端部から高さ方向袋底側へ向かって延びる板状部材である。補助板622は、案内板621の幅方向中央付近の中央片624と同じ幅を有し、案内板621の中央片624の高さ方向袋底側の端部から高さ方向袋底側へ向かって延びる態様が好ましい。
開袋部15が、図14(b)に示すように保持された袋束90の先頭の袋91の袋口91dを広げる動作を行う際に、袋束90は、積層方向最後尾側へ先端アーム155に押される瞬間がある(図5(e)参照)。この場合、袋束90は積層方向最後尾側へ移動してしまう。これによって、袋束90が揺動して開袋部15が袋口91dに先端アーム155を進入させられず、袋束90の先頭の袋91の袋口91dを開けられない場合があり得る。このようなことを防ぐために補助板622を設けることが好ましい。
図14(d)に示すように、補助板622を設けた案内板621に袋束90を取り付けると、袋束90は積層方向最後尾側へ先端アーム155に押されても、袋束90は積層方向最後尾側へ逃げない。これにより、確実に開袋部15により袋束90の先頭の袋91の袋口91dを広げることができる。
<7.第7実施形態>
図15を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置7について説明する。物品収容装置7は、物品収容装置1における案内板121に相当する案内板721の背面に付勢部材701及び702を設けたものである。案内板721は、案内板121と略同様のものであり、案内板121は既に説明済みであるため、その説明を省略する。
案内板721の背面と立設部123との間には、案内板721の中央片724の前後方向(袋束90の積層方向)に延びる付勢部材701及び702が設けられる。案内板721は、付勢部材701及び702によって案内板721の中央片724の前後方向正面側(袋束90の積層方向先頭側)に押される。付勢部材701及び702として、図15(b)では、コイルバネが示されているが、これに限るものではなく、板バネ等のその他のバネ部材、又は立設部123から案内板721の中央片724の前後方向正面側(袋束90の積層方向先頭側)へ向かう方向へ押す力が働く弾性部材であってもよい。
付勢部材701及び702の一端は、図15(b)に示すように、案内板721の中央片724の背面側に連結される。付勢部材701及び702の他端は、立設部123の正面に連結される。
また、取付部13を構成するL字型部材13aが立設部123の正面(袋束90の積層方向先頭側表面)に設けられる。そして、L字型部材13aは、立設部123の正面に対して垂直な正面垂直方向(袋束90の積層方向)へ立設される立設部13bと、立設部13bの端部から袋高さ方向袋口側へ立設する立設部13cとで構成される。付勢部材701及び702は、例えば、立設部13bの外周を囲むように配設されることが一例として想定されるが、これに限るものではなく、その他の位置に配設される構成であってもよい。
案内板721には、(図示しない)取付孔が設けられている。その取付孔にL字型部材13aを通して案内板721は取り付けられる。
袋束90の取付孔92にL字型部材13aを通して、案内板721に袋束90をセットする。この場合、袋束90は案内板721と、L字型部材13aの立設部13cとの間で挟持される。ここで、袋束90の先頭の袋91の袋口91dが開袋部15によって開かれた後に、物品が投入されて袋91が分離したとする。この場合、案内板721と立設部13cとの間に分離した袋91の分だけ隙間ができるが、付勢部材701及び702が案内板721の中央片724を袋束90の積層方向先頭側へ押すため、案内板721が積層方向先頭側へ移動する。これに伴って、袋束90は案内板721に押されて袋束90の積層方向先頭側方向に移動する。これにより、袋束90の袋91の先頭位置を常に同じ位置に保つことができる。
<8.第8実施形態>
図16を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置8について説明する。物品収容装置8は、物品収容装置1における案内板121に相当する案内板820の背面に付勢部材801〜804を設けたものである。
案内板820は、図16(a)に示すように、案内板121を3つに分離したものであり、案内片821〜823により構成される。案内片821は、案内板121における中央片124に相当するものである。案内片822及び823は、案内片821から案内片821の幅方向両端、かつ案内片821の前後方向正面側へ向かって広がるものである。
案内片821の背面と立設部123との間には、図16(a)に示すように、案内片821の前後方向に延びる付勢部材801及び802が設けられる。付勢部材801及び802は、案内片821の幅方向へ所定間隔離して設けられる。また、案内片822の背面と立設部123との間には、袋積層方向に延びる付勢部材803が設けられる。また、案内片823の背面と立設部123との間には、袋積層方向に延びる付勢部材804が設けられる。
案内片821は、付勢部材801及び802によって案内片821の前後方向正面側(袋積層方向先頭側)に押され、案内片822及び案内片823より案内片821の前後方向正面前方(袋積層方向先頭側)に配置される。図13に示す案内板721に袋束90を取り付ける場合、袋束90を手で持って、中央片724の袋高さ方向袋口側に配置される取付部13に袋束90を取り付ける。この場合、中央片724の両脇の凸の部分を構成する案内片722及び723が邪魔になって袋束90を手で取付にくい。このようなことを解決するため、案内片821を案内片822及び案内片823より案内片821の前後方向正面前方に配置させている。このような態様なら袋束90を手で取り付ける際に、中央片824の両脇の凸の部分を構成する案内片822及び823が袋束90を取り付ける邪魔にならない。
以上のような構成の案内板820に袋束90を取り付ける場合、付勢部材801及び802によって案内片821を案内片822及び案内片823より案内片821の前後方向正面前方に配置させる。この状態で、袋束90を取付部13によって案内片821に取り付ける。
その後、図4を参照して説明した押さえ込み部材129により袋高さ方向袋口付近を、図16(a)に示すように、袋束90の積層方向最後尾面側へ押す。そして、図16(b)に示すように、袋束90は、押さえ込み部材129により袋束90の積層方向最後尾面側へ押され、付勢部材801及び802は縮む。これにより、袋束90の最後尾面は、案内板820における末尾側案内面に当接して案内される。
なお、案内片821の前後方向(袋積層方向)における移動態様は、上記付勢部材801及び802による移動態様に限定されるものではない。案内片821の前後方向(袋積層方向)における移動態様は、公知の全ての移動態様をも含むものである。
<9.第9実施形態>
図17を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置9について説明する。物品収容装置9は、物品収容装置1における案内板121を案内板921にしたものである。案内板921は、図17(a)に示すように、板状部材の幅方向中央部分を構成する中央片924から幅方向両端へ進むに従って板状部材の正面垂直方向前方へ屈曲する形状をしている。案内板921のこの点は、案内板121と同様であるが、相違点を以下説明する。
物品収容装置1〜4の案内板では、案内板は袋束90の積層方向最後尾側に配置されていた。一方、物品収容装置9における案内板921は、図17(b)に示すように、袋束90の積層方向先頭面側に配置され、袋束90の幅方向中央付近と比較して、袋束90の幅方向両端付近が積層方向先頭側へ凸となるように案内するものである。すなわち、案内板921は、先頭側案内面921aに袋束90の積層方向先頭側面を当接させて上記凸となるよう案内する。
また、袋束90を案内板921に取り付ける取付部93は、案内板921の背面側に設けられる。取付部93については上記で説明した取付部13の説明がそのまま取付部93にも当てはまる。
<10.第10実施形態>
図18を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置10について説明する。物品収容装置10は、物品収容装置1における案内板121を案内板1210にしたものである。案内板1210は、図18(a)に示すように、立設部123(袋保持部11)から着脱可能な構造をしたものである。案内板1210は、例えば、図18(a)に示すように、図13を参照して説明した案内板621及び補助板622と類似する形状をしている。
両者の相違点は、案内板621と案内板1210との態様である。案内板1210は、案内板621と異なり、立設部123から着脱可能な態様になっている。すなわち、案内板1210は、袋90の高さ方向袋口側の端部中央付近に、立設部123の正面に設けられる係合部123dと係合可能な被係合部1211が設けられる。係合部123dと被係合部1211とは、容易に着脱可能な構造をしている。
係合部123dは、図18(a)に示すように、例えば、立設部123の幅方向へ延びるJ字型フック部材により構成させることが一例として想定される。この場合、被係合部1211は、案内板1210の幅方向中央に配置される中央片1212に設けられる。そして、被係合部1211として、例えば、J字型フック部材に引っ掛かるように、中央片1212の袋90の高さ方向袋口側端部付近、かつ中央片1212の幅方向両端に形成される逆L字型形状部分のものが一例として想定される。その逆L字型形状部分は、中央片1212の中央片1212の袋90の高さ方向袋口側端部付近、かつ中央片1212の幅方向中央付近を刳り貫いて形成される。なお、係合部123d及び被係合部1211の上記態様は、一例であって、上記態様に限定されるものではなく、その他の係合可能な公知の全て態様が本発明に含まれる。
以上のような案内板1210によれば、袋束90を物品収容装置10にセットする際は、図18(b)に示すように、立設部123から取り外した状態の案内板1210に直接袋束90を取り付ける。なお、図18(a)〜図18(c)において袋束90における取付穴は1つであるが、このような袋束90の態様も本発明に含まれる。そして、図18(c)に示すように、袋束90を取り付けた案内板1210の被係合部1211を係合部123dに係合させる。
従来のように、案内板1210が物品収容装置に固定された状態で袋束90を取り付ける場合、中央片1212の両脇の凸の部分を構成する案内片1213及び1214が邪魔になって袋束90を手で取り付けにくかった。案内板1210は、上記説明したように、立設部123からように着脱可能であるため、容易に袋束90を案内板1210に取り付けることができる。
なお、図18において案内板1210のみならず、図13(c)及び図13(d)に示すような補助板1215も設けられた態様が示されているが、本発明においては、案内板1210のみの態様であってもよいし、案内板1210に補助板1215を設けた態様であってもよい。
<11.第11実施形態>
図19を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置20について説明する。物品収容装置20は、物品収容装置1における案内板121に凹部21を設けたものである。凹部21は、例えば、図19(a)に示すように、案内板121における中央片124に設けられる。また、凹部21は、例えば、図19(b)に示すように、袋積層方向最後尾側へ凸となるような態様で凹む。
凹部21は、図19(b)に示すように、案内板121に袋束90を取り付けようとする場合、袋束90の袋口91dを袋高さ方向に跨る態様である必要がある。
その理由を図20を参照して説明する。凹部21が設けられていない案内板121に取り付けられた袋束90における先頭の袋91の袋口91dを先端アーム155が広げようとする場合を考える。先端アーム155は、延長片91cに当接した状態で、袋口91dへ向かう。この際、袋束90の積層方向における厚さが厚い場合、図20(a)に示すように、袋片91c部分は、先端アーム155に圧縮されて、厚みが薄くなる。なお、先端アーム155付近の一点鎖線が圧縮前の袋束90の先頭位置である。これに伴って、正面袋片91aはそのままの位置で、先頭の袋91の背面袋片91bも袋積層方向最後尾側へ押される。これにより、図20(a)に示すように、袋口91dが広がって、先端アーム155は袋口91dに進入しやすくなる。
一方、袋束90の厚さが薄くなってくると、図20(b)に示すように、袋片91c部分は先端アーム155に圧縮されても厚みはそれ程変わらない。この結果、先頭の袋91の背面袋片91bも袋積層方向最後尾側へわずかしか押されない。このため、図20(b)に示すように、袋口91dはそれ程広がらず、先端アーム155は袋口91dに進入しにくいままである。
案内板121に設けられる凹部21は、図20(b)に示すような状態であっても、先端アーム155が袋口91dを図20(a)に示すのと同様に、袋口91dを広げるための手段である。すなわち、袋束90の厚さが薄くなっても、図20(c)に示すように、袋片91c部分は、先端アーム155に押されて凹部21に向かって凸となるように変形する。これに伴って、先頭の袋91の背面袋片91bも凹部21に向かって凸となるように変形する。これにより、図20(c)に示すように、袋口91dが広がって、先端アーム155は袋口91dに進入しやすくなる。
案内板121に設けられる凹部21は、以上のように、背面袋片91bを袋積層方向最後尾側へ押して、袋口91dを広げることができる全ての態様を含む。
凹部21の幅方向の長さは、案内板121の幅方向中央から幅方向両端までのいずれかまでの長さであってもよいが、袋91の幅方向の長さWの1/2以下であることが好ましい。また、凹部21の袋高さ方向における高さは、袋束90の袋口91dを袋高さ方向に跨る態様であれば、特に限定されない。
<12.第12実施形態>
図21を参照して、本発明の別の実施の形態における物品収容装置50について説明する。物品収容装置50は、物品収容装置1における案内板121に相当するものを袋束90と一体的に設けたものである。すなわち、物品収容装置50では、図21(a)及び図21(b)に示すように、袋束として袋束90の袋積層方向最後尾側に変形可能板51が一体的に設けられた袋束52を用いている。
変形可能板51は、変形可能な材質で構成される板である。変形可能板51は、袋束52の幅方向中央付近と比較して、袋束52の幅方向両端付近が袋束52における袋積層方向先頭側に凸となるように変形可能である。変形可能板51は、例えば、袋積層方向先頭側へ向かって屈曲させることができる。その結果、袋束52は、図21(c)に示すように、その両端が袋積層方向先頭側へ向かって凸となるように変形する。
このような袋束52は、以上のように変形可能であるため、案内板121のような特別な形状のもので案内されなくてもよい。
以上説明した第1実施形態〜第12実施形態における物品収容装置における各部分を適宜組み合わせた物品収容装置も本発明の範囲に含まれる。
<13.第13実施形態>
図22を参照して、第1実施形態〜第12実施形態における物品収容装置において用いられる本発明の別の実施の形態における袋94〜99について説明する。なお、袋94〜99の基本的構成は、図2を参照して説明した袋91と同様である。以下において、袋94〜99と袋91の相違点のみを説明する。
袋94は、図22(a)に示すように、3つの取付孔94a〜94cを有しており、その点が2つの取付孔を有する袋91とは異なる。袋に3つの取付孔を有する袋は、一例であって、3つ以上の取付孔を有する袋も本発明に含まれる。
袋95は、図22(b)に示すように、袋91における袋口91dの部分の正面袋片91aに2つの切り欠き95a及び95bが形成されたものである。切り欠き95a及び95bは、袋95の幅方向へ所定間隔離して設けられる。図22(b)において切り欠き95a及び95bの形状は、半円形状になっているが、これは一例であって、他の形状であってもよい。また、切り欠きは、1つでもよいし、3つ以上あってもよい。
袋96は、図22(c)に示すように、袋91における袋口91dの部分の正面袋片91a端部付近片96aを袋91の前後方向正面袋片91a側へ折り曲げたものである。袋97は、図22(d)に示すように、袋91における袋口91dの部分の正面袋片91a端部直下付近に、袋97の幅方向へ延びるエンボス98aを設けたものである。袋98は、図22(e)に示すように、袋91における袋口91dの部分の正面袋片91a端部直下付近、及び、袋91における袋口91dの部分の予備片91fそれぞれに、袋98の幅方向へ延びるエンボス98a、及び98bを設けたものである。
袋99は、図22(f)に示すように、袋91における袋口91dの正面袋片91a端部直下付近の2点99a及び99bにおいて正面袋片91aのみを溶かしたものである。この2点は、袋96の幅方向へ所定間隔離して設けられる。また、袋99は、上記2点99a及び99bを溶かす代わりに、又は追加して、図22(f)に示すように、袋91における袋口91dの正面袋片91a端部直下付近の幅方向に所定の長さを有する線部99cにおいて正面袋片91aのみを溶かしてもよい。
以上のような袋94〜99によれば、袋口91dに先端アーム155が入り込むわずかな隙間を作り出すことができる。このため、第1実施形態〜第9実施形態における物品収容装置において袋94〜99を用いれば袋口91dを広げやすくさせることができる。
<14.第14実施形態>
図23を参照して、第1実施形態〜第12実施形態における物品収容装置において用いられる本発明の別の実施の形態における袋100について説明する。なお、袋101の基本的構成は、図2を参照して説明した袋91と同様であり、袋91と共通する部分は袋91と同様の符号を用いて説明する。以下において、袋101と袋91の相違点のみを説明する。
袋100は、幅方向中央に位置する幅方向中央領域102内に取付穴92が形成される。また、複数の袋101が積層されて構成される袋束100は、幅方向両端側に結合領域103を有する。この結合領域103内で、互いの袋101が接合される。なお幅方向中央領域102と結合領域103は、延長片101cに設けられる。
袋101の取付孔102a及び102bが設けられる幅方向中央領域102は、図23(a)に示すように、袋101の幅方向の長さをWとした場合、袋101の幅方向中央(1/3)Wの領域の範囲内であることが好ましい。なお、袋101の取付孔の数は2つに限るものではなく、図23(b)に示すような1つでもよく、また、3つ以上あってもよい。
袋束100を作るための袋101同士を熱圧着等で結合する結合領域103は、できる限り、袋101の幅方向外側とすることがさらに好ましい。そのような結合領域103として、図23(a)に示すように、例えば、袋101の幅方向両端を基準として、そこから幅方向内側へ(1/3)Wの領域となっており、その中のいずれかの場所で袋101同士が接合される。袋束100を作るための袋101同士を結合させる態様として、結合領域103において、例えば、高温に加熱された針を厚さ方向に突き刺すことで、溶着孔103a及び103bを開け、その孔を通じて積層させた袋101同士を熱溶着して結合させることができる。
次に、図24(a)を参照して袋束100の利点について説明する。この袋束100は、結合領域103で積層方向に熱圧着されているので、この結合領域103の剛性が高い。一方、幅方向中央領域102は、積層される袋101が互いに接合されていないので、互いの袋101が積層方向に離れやすく、全体的な剛性が低い。従って、この袋束100を、幅方向両端付近が袋積層方向先頭側に凸となるように物品収容装置に設置すると、両脇に配置される高剛性の結合領域103が互いに内向きとなり、その結果、幅方向中央領域102における積層方向先頭側が幅方向内側に圧縮されて緩み、先頭側に向かって突出するように湾曲する。これにより、積層される袋101の間に隙間が形成されやすく、袋口101dも開きやすい。結果、開袋部等で袋101の袋口101dを広げやすくなる。
更に、取付孔102aが形成される幅方向中央領域102は、積層される袋101が互いに溶着されていないことから、柔軟性を有するので、フック等の取付部に対して、簡単に引っかけることが可能となる。
一方、図24(b)に示すように、仮に幅方向中央領域102において、溶着孔103a及び103bによって積層される袋101を互いに溶着すると、幅方向中央領域102の剛性が高くなる。従って、物品収容装置に袋束100を設置しても、高剛性の幅方向中央領域102が常に直線状態となり、幅方向に張力が生じて袋口101dが開きにくい。また、幅方向中央領域102の外側に、取付孔102a、102bを形成すると、その近傍の袋101がばらばらになってしまい、フック上の取付部に対して引っかけることが難しくなる。
即ち、第14実施形態に係る袋束100によれば、両脇に存在する高剛性の結合領域103を利用して、柔らかい幅方向中央領域102を弛ませることが可能になるという利点がある。
したがって、溶着孔103aと溶着孔103bとの間の距離は広い方が好ましく、袋101の幅方向両端を基準として、そこから幅方向内側へ(1/4)Wの領域で接合することが望ましい。溶着孔同士の距離を広くすれば、幅方向中央領域102が広くなり(例えば(1/2)W、袋束111は密着した状態にならず、弛みができやすいからである。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。