JP6098266B2 - 多層フィルムおよび包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、多層フィルムおよび包装体に関するものである。
食品や医薬品などを包装する包装袋および包装容器において、要求される様々な性能を満足させるために、複合化された多層フィルムが多く用いられる。
包装袋や包装容器である包装体に用いられる多層フィルムには、耐衝撃性やガスバリア性が要求される。一般的には、内容物保護の観点から機械的強度を内容物の長期保管の観点から酸素や水蒸気といったガスバリア性に優れた包装材料が要求されることが多い。これら強度やガスバリア性を向上させる手段として高分子材料を延伸することで得られる結晶の配向する方法が挙げられる。(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記手法では優れた機械的強度やガスバリア性と成形加工性を両立することが非常に困難であった。
特開2007―283569
本発明の目的は、延伸工程を伴うことなくガスバリア性と成形加工性を両立した多層フィルム及び包装体を提供することである。
このような目的は、以下の(1)〜(6)に記載される本発明により達成される。
(1)結晶性樹脂Aを有する第1の層と、結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを有する第2の層とを交互に繰り返し積層してなる繰り返し部を含む多層フィルムであって、前記結晶性樹脂Aの重量平均分子量が40,000以上、200,000以下であり、前記第1の層と第2の層のそれぞれの平均層厚みが10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする多層フィルム。
(2)前記熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量が10,000以上、400,000以下である上記(1)に記載の多層フィルム。
(3)前記繰り返し部の結晶性樹脂Aの結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである上記(1)または(2)に記載の多層フィルム。
(4)前記繰り返し部の熱可塑性樹脂Bの結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである上記(1)ないし(3)いずれかに記載の多層フィルム。
(5)前記繰り返し部の結晶性樹脂Aの結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を有する上記(1)ないし(4)いずれかに記載の多層フィルム。
(6)上記(1)ないし(5)いずれかに記載の多層フィルムを2次成形することにより得られる成形体。
本発明により、延伸工程を伴うことなく、ガスバリア性と成形加工性を両立した多層フィルム及び包装体を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る多層フィルムの断面図である。 多層フィルムの結晶性樹脂に由来するX線回折像を示す図である。
以下、本発明の多層シートの一例を、図を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の多層フィルム100は結晶性樹脂Aを有する第1の層1と、結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを有する第2の層2を交互に繰り返し積層してなる繰り返し部10を含む多層フィルムである。
すなわち、本発明の多層フィルムは、結晶性樹脂Aを結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bで挟み込むことによって、結晶性樹脂Aの結晶成分の成長方向を制御でき、球晶を多く有する従来の高分子材料に比して、有利な配向状態を形成することが可能となる。
また、第1の層1と第2の層2のそれぞれの平均層厚みは10nm以上、1000nm以下である。
これにより、サイズ効果による高分子結晶の特異的な構造を形成し、結晶性樹脂Aの結晶成分の生長をより精密に制御できるため、従来の熱可塑性樹脂の特徴を損なうことなく多層フィルム100のガスバリア性を向上させることが出来ると考えられる。
第1の層1と第2の層2の平均層厚みが1000nmより厚い場合には、フィルム中に占める高分子結晶の構造制御が達成された部位の割合が極端に低下するため、ガスバリア性向上の効果が十分ではなくなる。
第1の層1と第2の層2の平均層厚みが10nmより薄い場合にも、また同様である。
第1の層1と第2の層2の平均層厚みは、10nm以上、1000nm以下であれば特に限定されないが、10nm以上、500nm以下であることが好ましく、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。
第1の層1と第2の層2の平均層厚みが、前記範囲内にあることにより、結晶性樹脂Aの結晶成分の生長をより一層精密に制御できるため、ガスバリア性の高いフィルムを得ることができる。
尚、第1の層1の平均層厚みとは、多層フィルム100に含まれる全ての第1の層1の厚さの和を多層フィルム100に含まれる第1の層の総数で除したものをいう。
また、第2の層2の平均層厚みとは、多層フィルム100に含まれる全ての第2の層2の厚さの和を多層フィルム100に含まれる第2の層の総数で除したものをいう。
また、多層フィルム100が有する繰り返し部10の数は、特に限定されないが、10以上、10000以下であることが好ましく、100以上、5000以下であることがより好ましい。
また、多層フィルム100が有する繰り返し部10の数が前記範囲内であり、且つ、第1の層1と第2の層2の平均層厚みが前記範囲内であることにより、結晶性樹脂Aの結晶成分の生長を精密に制御できるため、ガスバリア性の高いフィルムを得ることができる。
特に、100nm以下の層が100層以上の場合にはガスバリア性を更に向上させることが出来る。また、100nm以下の層が1000層以上の場合にはガスバリア性を更に向上させることが出来る。上限値は特に設定されないが、10000層以下であることが好ましい。
ここで、第1の層1に含まれる結晶性樹脂Aの重量平均分子量は40,000以上、200,000以下である。これにより、ナノメートル領域の厚み空間においても、結晶性樹脂Aの分子運動が著しく阻害されることなく結晶化する事が可能となり、多層フィルム100に高いガスバリア性を付与することができる。
尚、前記結晶性樹脂Aの重量平均分子量は40,000以上、200,000以下であれば特に限定されないが、45,000以上、150,000以下であることが好ましく、50,000以上、120,000以下であることがより好ましい。前記結晶性樹脂Aの分子量が前記範囲内にあることにより、前記効果をより顕著に発揮することができる。
結晶性樹脂Aとしては、結晶性を有し、且つ重量平均分子量が前記範囲内であるものであれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレート、などのポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂などが挙げられる。
ここで、第2の層2に含まれる熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量は10,000以上、400,000以下であることが好ましく、より好ましくは150,000以上、370,000以下であり、200,000以上、350,000以下であることがより一層好ましい。
前記熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量が前記範囲内にあることにより、フィルム物性や成形性を阻害することなく結晶性樹脂Aの配向結晶化を達成する事が出来る。
尚、前記結晶性樹脂Aの重量平均分子量が前記好ましい範囲であるとき、前記結晶性樹脂Bの分子量が前記好ましい範囲であることが好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮することができる。
尚、熱可塑性樹脂Bとしては、上記結晶性樹脂Aに加えてポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
また、多層フィルム100に用いられる結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bは、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各層中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無期粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが添加されていても良い。
尚、多層フィルム100の繰り返し部10は、結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを有するものである。
「結晶性樹脂Aとは異なる」とは、結晶性樹脂Aと化学構造が異なるということであり、結晶性樹脂Aの化学構造が繰り返し構造を有する場合には、繰り返し構造が熱可塑性樹脂Bとは異なるものでなかったとしても、樹脂全体に対する繰り返し構造の重量比率または繰り返し構造以外の化学構造が熱可塑性樹脂Bと異なる場合には、熱可塑性樹脂Bは「結晶性樹脂Aとは異なる」ものである。
また、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bが2種類以上の樹脂のブレンドである場合、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bに含まれる樹脂が異なるものでなかったとしても、樹脂の配合比率が異なるものである場合、熱可塑性樹脂Bは「結晶性樹脂Aとは異なる」ものである。
繰り返し部10において、結晶性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bは異なるものであれば、その組み合わせは特に限定されないが、例えば、結晶性樹脂Aがポリオレフィン樹脂であるとき熱可塑性樹脂Bがポリプロピレン、エチレン‐環状オレフィンのいずれか1つ以上を含むことが好ましく、結晶性樹脂Aがポリエチレン樹脂であるとき熱可塑性樹脂Bがポリプロピレン、エチレン‐環状オレフィンのいずれか1つ以上を含むことがより好ましく、結晶性樹脂Aが高密度ポリエチレンであるとき熱可塑性樹脂Bがポリプロピレン、エチレン‐環状オレフィンのいずれか1つ以上を含むことがより一層好ましい。
これにより、より一層厳密な結晶生長制御、配向制御が可能となり、成形性、ガスバリア性に優れた多層フィルム100が得られる。
また、多層フィルム100全体に対する、第1の層1の重量比率は、特に限定されないが、10wt%以上、90wt%以下であることが好ましく、より好ましくは20wt%以上、80wt%以下である。
多層フィルム100全体に対する、第1の層1の重量比率が前記下限値未満の場合、結晶の配向制御が十分ではなく、ガスバリア性向上の効果が低減する場合がある。
尚、多層フィルム100全体に対する、第1の層1の重量比率が前記上限値より大きい場合でも同様である。
多層フィルム100において、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの結晶成分の配向状態は、X線回折により評価することができる。
多層フィルム100における、結晶性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの少なくともいずれかの結晶成分に由来するX線回折像は、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧上のいずれか1種類以上の形状に出現することが好ましい。
上記結果が得られた場合、結晶性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの結晶成分が、球晶が極めて少なく、高い配向性を示していることを意味しており、主に、円周方向(Φ)に強度分布のある円状にX線回折像が出現する、球晶を多く有する従来の高分子材料よりも優れたガスバリア性が得られる。
尚、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの結晶成分に由来するX線回折像が、いずれも円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧上のいずれか1種類以上の形状に出現することがより好ましい。これにより、球晶を多く有する従来の高分子材料よりもより一層優れたガスバリア性が得られる。
さらに、多層フィルム100において、結晶性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの少なくともいずれかの結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を有するものであることが好ましく、水平方向に配向した異方性結晶を有するものであることがより好ましい。
これにより、結晶ラメラ中の結晶面がフィルムの平面上に広範囲に分布することで、より一層ガスバリア性の高いフィルムを得ることができる。
尚、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの結晶の分子鎖軸が、いずれもフィルム平面に対して傾斜、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を有するものであることがより好ましく、水平方向に配向した異方性結晶を有するものであることがより一層好ましい。
これにより、結晶ラメラ中の結晶面がフィルムの平面上に広範囲に分布することで、さらに、より一層ガスバリア性の高いフィルムを得ることができる。
ここで、前記結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜している場合には、分子鎖軸とフィルム平面の成す最少角度が10°以上、80°以下であることが好ましい。
分子鎖軸とフィルム平面の成す最少角度が前記範囲内にあることで、分子鎖がフィルム平面に垂直である場合と同様に結晶ラメラ中の結晶面がフィルム平面に広範囲に分布するためガスバリア性向上の効果が著しく向上する。
配向結晶の傾きは、SAXS測定から得られた結晶性樹脂の結晶ラメラ由来の1次元データから角度を読み取ることで確認できる。
また、繰り返し部10は本発明の効果を阻害しない範囲で、結晶性樹脂Aを有する第1の層1、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層2以外の層、例えば熱可塑性樹脂Cを有する第3の層を有しても良い。
例えば、結晶性樹脂Aを有する第1の層1(A)、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層2(B)、熱可塑性樹脂Cを有する第3の層(C)の3種類の層を有する場合には、(BAC)n、B(ACAB)nなどの様に規則的順列で積層されることがより好ましい。ここで、nは繰り返しの単位数である。また、2種の層からなる場合、それらが交互に積層された構造を有することが好ましい。
多層フィルム100全体の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上、1000μm以下であることが好ましく、50μm以上、500μm以下であることがより好ましい。
多層フィルム100全体の厚さが、前記下限値未満では、皺が入りやすいなど取り扱い性が悪くなるため好ましくなく、さらに積層数が1000層以上の場合には1層あたりの厚みが小さくなりすぎるため好ましくない。また、多層フィルム100全体の厚さが前記上限値より厚い場合には製膜が困難であったり、層の数が多くなりすぎるため生産効率が悪くなったり、厚みが大きすぎるため加工時等に取り扱い性が悪いため好ましくない。
多層フィルム100の製造方法は、特に限定されないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法などの共押出Tダイ法、空冷式または水冷式共押出インフレーション法が挙げられ、なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。
多層フィルム100の製膜は、方法は限定しないが、徐冷により結晶性樹脂Aの結晶化を促すことが好ましい。徐冷によって結晶性樹脂Aの結晶化速度を最適化することにより、結晶性樹脂Aの結晶配向が進行し、よりガスバリア性の優れたフィルムを作製する事が出来る。
多層フィルム100は2次成形することにより、包装体等の成形体とすることができる。多層フィルム100を2次成形する方法としては、特に限定されないが、例えば真空成型または圧空成形、プラグ成形などが挙げられる。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)積層数
多層フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、日本電子(株)製のJSM‐7500FAを用いて、フィルム断面を1000〜100000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成及び層数を測定した。
(2)X線散乱測定による結晶構造
(株)リガク製のX線回折装置NANO Viewerを用いて評価した。
(3)水蒸気バリア性
水蒸気バリア性はMOCON製のPERMATRAN‐W(登録商標)3/33を用いて評価した。
(実施例1)
結晶性樹脂Aを有する第1の層として高密度ポリエチレン樹脂(HDPE、密度:940kg/m3、重量平均分子量:79,000)を用いた。また、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層としてポリプロピレン樹脂(PP、密度:910kg/m3、重量平均分子量:214,000)を用いた。
上記ポリエチレン及びポリプロピレン樹脂は、それぞれ押出機にて240℃の溶融状態とし、フィードブロック及びダイを用いて共押出しして、257層の多層フィルムを作製した。ここで、積層厚み比がA:B=1:4になるように吐出量を調整した。多層フィルムの厚みは100μmであった。得られたフィルムに所定温度での熱処理を行い、結晶化を促した。得られたフィルムのポリエチレン樹脂の結晶面(200)に由来するX線回折像が円弧の配向を示しており、結晶の配向が確認された。また、水蒸気バリア性の向上が見られた。得られた結果を表1および図2(a)に示す。
(実施例2)
結晶性樹脂Aを有する第1の層として高密度ポリエチレン樹脂(HDPE、密度:950kg/m3、重量平均分子量:53,000)を、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層としてポリプロピレン樹脂(PP、密度:910kg/m3、重量平均分子量:214,000)を用いた以外は、実施例1と同様の設備・条件でフィルムを作製した。得られたフィルムのポリ乳酸樹脂の結晶面(200)に由来するX線回折像が円弧を示しており、結晶の配向が確認された。また、水蒸気バリア性の向上が見られた。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
結晶性樹脂Aを有する第1の層としてポリカプロラクトン樹脂(PCL、密度:1020kg/m3、重量平均分子量:84,500)を、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層としてポリスチレン樹脂(PS、密度:1060kg/m3、重量平均分子量:210,000)を用いた以外は、実施例1と同様の設備・条件でフィルムを作製した。得られたフィルムのポリ乳酸樹脂の結晶面(110)に由来するX線回折像が円弧を示しており、結晶の配向が確認された。また、水蒸気バリア性の向上が見られた。得られた結果を表1および図2(b)に示す。
(実施例4)
結晶性樹脂Aを有する第1の層としてポリカプロラクトン樹脂(PCL、密度:1020kg/m3、重量平均分子量:120,000)を、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層としてポリスチレン樹脂(PS、密度:1060kg/m3、重量平均分子量:330,000)を用いた以外は、実施例1と同様の設備・条件でフィルムを作製した。
得られたフィルムのポリ乳酸樹脂の結晶面(110)に由来するX線回折像が円弧を示しており、結晶の配向が確認された。また、水蒸気バリア性の向上が見られた。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
結晶性樹脂Aを有する第1の層として超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMWPE、密度:930kg/m3、重量平均分子量:530,000)を用いた。また、熱可塑性樹脂Bを有する第2の層としてポリプロピレン樹脂(PP、密度:910kg/m3、重量平均分子量:450,000)を用いた。
上記ポリエチレン及びポリプロピレン樹脂は、それぞれ押出機にて240℃の溶融状態とし、フィードブロック及びダイを用いて共押出しして、2層の多層フィルムを作製した。ここで、積層厚み比がA:B=1:4になるように吐出量を調整した。多層フィルムの厚みは100μmであった。得られたフィルムに所定温度での熱処理を行い、結晶化を促した。得られたフィルムは結晶の配向が確認できなかった。また、水蒸気バリア性は不十分なものであった。得られた結果を表1および図2(c)に示す。
(比較例2)
実施例3で結晶性樹脂Aとして用いたポリカプロラクトンを用いて実施例1と同様の条件で単層フィルムを作製した。得られたフィルムに所定温度での熱処理を行い、結晶化を促した。得られたフィルムは結晶の配向が確認できなかった。また、水蒸気バリア性は不十分なものであった。得られた結果を表1に示す。
1 第1の層
2 第2の層
10 繰り返し部
100 多層フィルム
本発明に係る多層フィルムは、成形性及びガスバリア性が要求される食品、医薬品、工業用部品および電子材料の包装用途などに用いられるものであるが、その応用範囲がこれに限られるものではない。

Claims (5)

  1. 結晶性樹脂Aを有する第1の層と、結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂Bを有する第2の層とを交互に繰り返し積層してなる繰り返し部を含む多層フィルムであって、
    前記結晶性樹脂Aの重量平均分子量が40,000以上、200,000以下であり、
    前記熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量が100,000以上、400,000以下であり、
    前記第1の層と第2の層のそれぞれの平均層厚みが10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする多層フィルム。
  2. 前記繰り返し部の結晶性樹脂Aの結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記繰り返し部の熱可塑性樹脂Bの結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである請求項1または2に記載の多層フィルム。
  4. 前記繰り返し部の結晶性樹脂Aの結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を有する請求項1ないしいずれかに記載の多層フィルム。
  5. 請求項1ないしいずれかに記載の多層フィルムを2次成形することにより得られる成形体。

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